JP6871497B2 - 電気防食の状態把握システム及び状態把握方法 - Google Patents
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Description
鉄筋に電気が流れると、電位が変化し、その電位の変化量(これを復極量という)に応じて、腐食速度が制御される。すなわち、前記復極量と腐食速度には密接な関係性が認められる。
しかしながら、従来では、前記復極量と腐食速度の制御との関係について、該関係を定量化する手法が確立していないのが現状である。
アノードターフェル外挿法は、一般的な酸化還元反応と金属の電位の関係を定量化する手法であり、元々は鉄筋の腐食速度と復極量の関係性の測定として確立されたものではない。アノードターフェル外挿法には適用範囲に制限があるが、鉄筋の腐食速度と復極量の関係性の測定としての利用は、この適用範囲を逸脱していると考えられている。測定の前後で鉄筋の腐食速度が変化するという弱点もある。
次に、分極抵抗法は、腐食速度の相対値しか評価できないとともに、ターフェル勾配などの分極性状に関する情報を得ることができないとの課題がある。
さらに、ターフェル外挿法および分極抵抗法の何れの場合にも、電気防食により分極状態にある鉄筋に適用し、腐食速度を得ることは極めて困難なのである。
構造物内に埋設された金属と、構造物に設けられた対極を用いて、前記金属の分極試験を行い、前記金属のアノード内在電流密度とカソード内在電流密度の代数和である外部電流密度を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記外部電流密度から、カソード側でターフェル外挿法を実施して、バトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を取得し、取得したバトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を用いて、前記カソード内在電流密度を求め、
前記求められたカソード内在電流密度を差し引くことで、アノード内在電流密度を算出する算出手段と、
算出手段により算出された前記アノード内在電流密度から、前記金属の復極量と腐食速度との関係性を検出する検出手段と、
を備えた、
ことを特徴とし、
または、
構造物内に埋設された金属と、構造物に設けられた対極を用いて、前記金属の分極試験を行い、前記金属のアノード内在電流密度とカソード内在電流密度の代数和である外部電流密度を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記外部電流密度から、カソード側でターフェル外挿法を実施して、バトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を取得し、取得したバトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を用いて、前記カソード内在電流密度を求め、
前記求められたカソード内在電流密度を差し引くことで、アノード内在電流密度を算出する算出手段と、
算出手段により算出された前記アノード内在電流密度から、前記金属の復極量と腐食速度との関係性を検出する検出手段と、前記検出手段により前記金属についての電気防食の状態を把握する状態把握手段と、
を備えた、
ことを特徴とし、
または、
電気防食法が適用済みの構造物に対して、電気防食法で使用した陽極を対極とし、鉄筋の全表面積を測定面積として電気防食の状態把握システムを構成した、
ことを特徴とし、
または、
電気防食未導入の構造物に対しては、金属板を対極に用い、電気防食の状態把握システムを構成した、
ことを特徴とし、
または、
前記金属板は、ステンレス板で構成した、
ことを特徴とし、
または、
前記金属板は、鉄筋の全表面積より小さい面積からなる形状で形成した、
ことを特徴とし、
または、
構造物内に埋設された金属と、構造物に設けられた対極を用いて、前記金属について分極試験を行う工程と、
前記分極試験を行う工程により、前記金属のアノード内在電流密度とカソード内在電流密度の代数和である外部電流密度を測定する工程と、
前記測定された前記外部電流密度から、カソード側でターフェル外挿法を実施して、バトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を取得し、取得したバトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を用いて、前記カソード内在電流密度を求め、
前記求められたカソード内在電流密度を差し引くことで、アノード内在電流密度を算出する工程と、
算出したアノード内在電流密度から、前記金属の復極量と腐食速度との関係性を把握し、電気防食の状態把握を行う工程と、を有する、
ことを特徴とするものである。
まず、電気防食法の概略につき説明する。
しかし、アノードターフェル外挿法は、一般的な酸化還元反応と金属の電位の関係を定量化する手法であり、元来、鉄筋の腐食速度と復極量の関係性の測定法として確立されたものではない。
(分極試験)
アノードターフェル外挿法は分極試験で得られるデータにつき、所定の理論式を用いて整理することで、図16、図17中のアノード反応曲線を定量化するとされる手法である。
対象としている酸化還元反応が次の条件を満たす場合の、各電位における酸化還元反応の反応に伴う電流量の式がバトラフォルマー式である。また、その和が実測される電流量である。また、次の条件を満たすことが、バトラフォルマー式の条件となる。
反応速度が活性化エネルギーに依存すること
電位の変化に伴い、反応自体の種類が変わらないこと
電位を大きくプラスにした電位域のデータで、符号10に示す曲線をフィッティングすることでアノード反応曲線を定量化することができる。
しかし、前述した様に、アノードターフェル外挿法は、一般的な酸化還元反応に対し、開発されたものであり、鉄筋腐食のために開発されたものではない。
鉄筋腐食が先述の条件を満たした反応である必要があるが、実際には満たさない場合が多いことが確認されている。
アノードターフェル外挿法は、鉄筋の電位を大きく上昇させるため鉄筋の反応速度が一時的に大きく上昇したり、不動態皮膜が消失したりする。これにより、前述のごとく、アノードターフェル外挿法を適用したがために、鉄筋の腐食速度が測定前後で変化してしまうのである。
しかして、本件発明者らは、前述したアノードターフェル外挿法などを用いることなく、アノード反応曲線が正確に描けて推定出来、もって復極量と防食中鉄筋の腐食速度との関係性が把握でき、ひいては電気防食の状態把握が確実に行える状態把握システム及び状態把握方法を開発するに至ったのである。
この手法によれば、前述の前記金属の分極試験を行った後、前記金属のアノード内在電流密度とカソード内在電流密度の代数和である外部電流密度を測定し、前記測定されたアノード内在電流密度とカソードの内在電流密度の和である外部電流密度から、カソード内在電流密度を差し引く演算を行うことで、アノード内在電流密度を算出できる。そして、算出された前記アノード内在電流密度から、前記金属の復極量と腐食速度との関係性が確実に把握できるものとなる。
図2は、ある金属の分極性状の概念図である。なお、金属は自然電位E、電流密度icorの状態(図中白点)にあるとする。
まず、所定の金属に対してカソード分極試験を行う。このカソード分極試験には例えばカソード分極試験装置などが用いられる。
測定された外部電流密度と電位の関係に対し、カソード側でターフェル外挿法を実施し、定数bcおよび、自然電位との交点である腐食電流密度icorを得る。
得られたカソード内在電流密度を、外部電流密度から差し引くことで、アノード内在電流密度が推定可能となる。
前述した手法の妥当性を確認するため、室内試験を実施した。
室内試験は、コンクリート細孔溶液を模擬した飽和水酸化カルシウム水溶液による模擬溶液試験と、鉄筋コンクリート試験体を用いた試験とした。
ここでは、不動態状態の鉄筋のアノード内在電流密度を差し引き法により推定し、不働態保持電流密度と臨界不動態電流密度を観測することで、その妥当性を検証する。
鉄筋はφ16mm、長さ70mmの磨き丸鋼を用いて、端部にリード線を接続し、20mm程度の範囲を絶縁テープで防水処理することで、被測定面積を25.12cm2とした。この試験体に掃引速度10、20mV/minでカソード分極試験を実施し、カソード分極曲線を得た。得られたカソード分極曲線に差し引き法を適用しアノード内在電流を得た。その手順を次に示す。
ここで、酸素の還元電流密度は、低電位域では濃度律速となっている可能性が高い。水溶液中溶存酸素は大気圧下平衡状態であると仮定し、酸素拡散限界電流密度は25.4μA/cm2とした。
次に、前述した差し引き法の鉄筋コンクリートに対する適用性を確認するため、100mm×100mm×200mmの寸法のコンクリートの中央にφ16mm、長さ70mmの磨き丸鋼を配置した試験体を作製し、作製した鉄筋コンクリート試験体のアノード内在電流密度と電位の関係を算出する。コンクリートの配合は図6の通りである。
これは、試験体(2)と比較して、電気防食による防食効果が大きい試験体であることを示している。これらのことから、コンクリート構造物に対し電気防食を適用する場合、鉄筋の腐食状態やコンクリートの状態(塩分量、pHなど)に応じて、同じ分極量に対する腐食電流密度は異なることが示唆されるのである。
本発明において、内陸に存在する同一橋梁の2箇所に対し、本発明で使用する差し引き法を適用した。それぞれの測定箇所を橋梁(1)、(2)とする。対象とした橋梁は流電が適用済みであり、差し引き法の為の分極試験は、流電の陽極を対極として使用した。
(1) IR測定結果
図9にIR測定結果を示す。橋梁(1)では1.58Ω、
橋梁(2)では0.864Ω、橋梁(2)(対極)では27.1Ωとなった。
なったことは、測定面積の減少に伴い、数式10の断面積Aが小さくなったため、測定結果であるRが大きくなったと考えられる。
ここに、Rは電気抵抗(Ω)、Ωは電気抵抗率(Ω・m)、Lは長さ(m)、Aは断面積(m2)である。
図10に各測定箇所での分極試験結果を示す。なお、測定結果はIR補正後のものである。橋梁(2)と橋梁(2)(対極)両者の分極試験結果が一致しない理由としては、対極からの電流線分布の広がりによって、橋梁(2)(対極)の測定面積が過小評価されているためと考えられる。
図11に橋梁(1)、橋梁(2)の差し引き法結果を示す。橋梁(1)では分極量に対して直線的に、橋梁(2)では指数関数的に腐食電流密度が減少していく結果が得られた。これより、各橋梁によって分極量に対する防食効果は異なる可能性が考えられる。
橋梁(2)と橋梁(2)(対極)で似た傾向がみられることから、防食率を用いれば、小型対極を用いた測定も調査に使用できる可能性があると考えられる。
図13に橋梁(1)、(2)のインスタントoff電位と24時間off電位の差である復極量の測定結果を示す。図10における横軸の分極量に、図13の各橋梁の復極量を代入し、対応する電流密度を未防食時の電流密度と比較すると、橋梁(1)ではほとんど電気防食適用による防食効果は得られていないが、橋梁(2)では腐食電流密度は6mA/m2程度から5mA/m2程度に減少していると推定できる。
図22に測定対象が対極に対して鉄筋方向に極端に大きい場合(単位奥行1cmを考える)の測定電流の広がりを模式的に表した。このように対極直下以外の鉄筋に流れる総電流量Imを、対極外電流量Ierror、対極直下に流れる総電流量をIRと定義すると、測定時に記録される電流量Imは、対極外電流量Ierrorと真の電流量IRの和で、数式16の通り記述できる。
なお、iRは対極直下に流れる総電流量を対極直下の鉄筋表面積で除した電流密度であるから、これが測定誤差を含まない真の電流密度となる。
本実施例では、前記の通り対極外電流量Ierrorが対極直下の鉄筋表面積Aによらず一定であることが仮定されている。本節では数値解析を用いてこれを検討した。数値解析では、コンクリートの抵抗率、鉄筋の分極抵抗を一般的な範囲内で変化させ、対極直下の鉄筋表面積と対極外電流量Ierrorの関係性を検討した。
コンクリート中鉄筋に対する適用例を得るため、一次元方向に長いコンクリート試験体を作成し、適用した。
このように、見かけの電流密度imと対極直下の鉄筋表面積Aは反比例に近い関係を示した。この横軸を対極直下の鉄筋表面積の逆数に取り直したものが図29となる。
本実施例は、同一の試験体(構造物の個所)に対し、複数回の測定が必要となる。また、差し引き法は鉄筋を大きく分極するため、測定のインターバルを24時間以上空ける必要があり連続測定には向かない手法である。そこで、検証実験でも採用した既往の腐食速度測定技術である交流分極抵抗法を採用し、本手法を実施することで自然状態(分極量0mV)での真の腐食電流密度を算出する。さらに、あるひとつの対極長さでの総腐食電流量(電流密度ではないことに注意)を、真の腐食電流密度で除すことにより、測定面積を逆算する。ここで逆算された測定面積を差し引き法で利用することで、差し引き法での電流密度の精度を向上させることができる。
2 測定手段
3 算出手段
4 検出手段
5 状態把握手段
10 曲線
12 曲線
14 曲線
Claims (7)
- 構造物内に埋設された金属と、構造物に設けられた対極を用いて、前記金属の分極試験を行い、前記金属のアノード内在電流密度とカソード内在電流密度の代数和である外部電流密度を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記外部電流密度から、カソード側でターフェル外挿法を実施して、バトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を取得し、取得したバトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を用いて、前記カソード内在電流密度を求め、
前記求められたカソード内在電流密度を差し引くことで、アノード内在電流密度を算出する算出手段と、
算出手段により算出された前記アノード内在電流密度から、前記金属の復極量と腐食速度との関係性を検出する検出手段と、
を備えた、
ことを特徴とする電気防食の状態把握システム。
- 構造物内に埋設された金属と、構造物に設けられた対極を用いて、前記金属の分極試験を行い、前記金属のアノード内在電流密度とカソード内在電流密度の代数和である外部電流密度を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記外部電流密度から、カソード側でターフェル外挿法を実施して、バトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を取得し、取得したバトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を用いて、前記カソード内在電流密度を求め、
前記求められたカソード内在電流密度を差し引くことで、アノード内在電流密度を算出する算出手段と、
算出手段により算出された前記アノード内在電流密度から、前記金属の復極量と腐食速度との関係性を検出する検出手段と、前記検出手段により前記金属についての電気防食の状態を把握する状態把握手段と、
を備えた、
ことを特徴とする電気防食の状態把握システム。
- 電気防食法が適用済みの構造物に対して、電気防食法で使用した陽極を対極とし、鉄筋の全表面積を測定面積として電気防食の状態把握システムを構成した、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気防食の状態把握システム。
- 電気防食未導入の構造物に対しては、金属板を対極に用い、電気防食の状態把握システムを構成した、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気防食の状態把握システム。
- 前記金属板は、ステンレス板で構成した、
ことを特徴とする請求項4記載の電気防食の状態把握システム。
- 前記金属板は、鉄筋の全表面積より小さい面積からなる形状で形成した、
ことを特徴とする請求項4または請求項5記載の電気防食の状態把握システム。
- 構造物内に埋設された金属と、構造物に設けられた対極を用いて、前記金属について分極試験を行う工程と、
前記分極試験を行う工程により、前記金属のアノード内在電流密度とカソード内在電流密度の代数和である外部電流密度を測定する工程と、
前記測定された前記外部電流密度から、カソード側でターフェル外挿法を実施して、バトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を取得し、取得したバトラフォルマー式におけるカソード項の定数b c および腐食電流密度i cor を用いて、前記カソード内在電流密度を求め、
前記求められたカソード内在電流密度を差し引くことで、アノード内在電流密度を算出する工程と、
算出したアノード内在電流密度から、前記金属の復極量と腐食速度との関係性を把握し、電気防食の状態把握を行う工程と、を有する、
ことを特徴とする電気防食の状態把握方法。
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