JP4792626B2 - アルカリ可溶性ポリアミドイミド共重合体 - Google Patents

アルカリ可溶性ポリアミドイミド共重合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透明性を向上させたアルカリ可溶性を有する樹脂関する。特にはアルカリ可溶性を有するポリアミドイミド共重合体に関する。用途としては、コーティング分野、塗料分野、光・電子部品分野、感光性材料分野などが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、アルカリ可溶性のポリマーとしては、フェノールノボラック樹脂、アルカリ可溶性基を含有したエポキシ樹脂、側鎖にアルカリ可溶性基を含有したアクリル樹脂が挙げられる。これらは、透明性は満足できるものであったが、ポリマー自体の耐熱性は低いものであった。また、ポリアミック酸を利用したアルカリ可溶性のポリマーが知られているが、透明性が低く、また耐熱性を付与するために300℃以上の高温でイミド閉環を行う工程を必要とし、生産性に問題を要するものであった。
このように、アルカリに可溶であり、高い耐熱性を有していながら同時に透明性にも優れるものは未だ知られてはいなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、取り扱いが容易で透明性を要求される用途や、耐熱性を要求される用途に幅広く用いることができる、アルカリに可溶であり高い耐熱性を有していながら同時に透明性にも優れるポリマーを提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、ポリマー骨格に特定のジカルボン酸及びジアミンを導入したポリアミドイミド共重合体において、透明性とアルカリ溶液に対する溶解性を向上させる事を見出し本発明に到達した。
【0005】
すなわち本発明は、Tgが200℃以上、5重量%水酸化ナトリウム水溶液に対する溶解時間が10分以内、350nmの光線透過率が5%以上であることを特徴とするアルカリ可溶性樹脂である。また本発明は、アミン成分として脂環族、または/及び脂肪族ジアミン成分、酸性分として水酸基を必須とするジカルボン酸成分を構成成分として含むことを特徴とするポリアミドイミド共重合体である。さらに、上記記載のポリアミドイミド共重合体であって、一般式(1)で示される反復単位と一般式(2)で示される反復単位を構成成分として含むことを特徴とするポリアミドイミド共重合体である。
【化3】
Figure 0004792626
【化4】
Figure 0004792626
(式(1)〜(2)において、Ar はトリカルボン酸の3個のカルボキシ基を除いた3価の残基、R1はジカルボン酸化合物の2個のカルボキシル基を除いた2価の芳香族残基を示し、R2はジアミン化合物の2個のアミノ基を除いた2価の脂環族残基を示し、前記ジアミン化合物はイソホロンジアミン及び/又は4, 4’-ジシクロヘキシルメタンジアミンである。nは1又は2である。)
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、Tgが200℃以上、5重量%水酸化ナトリウム水溶液に対する溶解時間が10分以内、350nmの光線透過率が5%以上である。
このような、特性を持つ樹脂によって、耐熱性、透明性が要求される広範囲な分野に、アルカリ可溶型樹脂が用いられるようになった。
このような優れた特性を持つアルカリ可溶性樹脂は、例えば、アルカリ可溶性ポリアミドイミド樹脂によって達成することが出きる。
【0007】
本発明に使用するポリアミドイミド共重合体の製造は通常の方法で合成することができる。例えば、イソシアネート法、酸クロリド法などがあるが、工業的にはイソシアネート法が重合ドープをそのまま使えるという点で適している。 重合溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、テトラメチルウレア、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホアミド、フェノール、クレゾールなどを用いることができる。これらの一部をトルエン、キシレンなどの炭化水素系有機溶媒、ジグライム、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶媒などで置き換えることも可能である。中でもジグライム、メチルイソブチルケトン等が、重合性の点から好ましい。
【0008】
反応温度は、通常50〜200℃が好ましい。また、反応は3級アミン類、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などの触媒下で行っても良い。重合濃度は10〜50重量%で行うのが好ましい。
【0009】
本発明におけるイミド環を形成する酸成分として、例えばトリメリット酸無水物、ジフェニルエーテル−3,3‘,4’−トリカルボン酸無水物、ジフェニルスルホン−3,3‘,4’−トリカルボン酸無水物、ベンゾフェノン−3,3‘,4’−トリカルボン酸無水物、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸無水物などのトリカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0010】
本発明におけるアミン成分としては、透明性を向上させる為には、ポリアミドイミド骨格中のイミド環―芳香族環―アミド環の共鳴構造を崩す必要がある。また、アルカリ溶液に対する可溶性を向上させるためにも、以下のような脂環族または/及び脂肪族化合物を使用する必要がある。
【0011】
メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノシロキサン等の脂肪族ジアミン;イソホロンジアミン、4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジアミン、シクロヘキサン−1,4−ジアミン等の脂環族ジアミン、或いはこれらに対応するジイソシアネートなどの単独或いは2種以上の混合物を用いることができる。耐熱性等の点から、脂環族ジアミンが好ましい。また、ポリマーの機械的物性や溶剤溶解性の関係から、これらのジアミンはジカルボン酸成分に対し、0.9〜1.2倍量の範囲で用いるのが好ましい。
【0012】
また、アルカリ溶液に対する溶解性、相溶性を良好とするためには、上記のポリアミドイミド骨格に水酸基を有するジカルボン酸を共重合すれば良い。
【0013】
本発明における水酸基を有するジカルボン酸としては、2−ヒドロキシフタル酸、3−ヒドロキシフタル酸、4−ヒドロキシフタル酸、2−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、3−ヒドロキシイソフタル酸、ケリダム酸、3,3‘−メチレンビス(6−ヒドロキシベンゼン酸)等の芳香族ジカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。耐熱性等の点から芳香族ジカルボン酸が好ましい。
【0014】
前記一般式(1)で示される反復単位と、前記一般式(2)で示される反復単位の構成割合は、全ポリマー中、前記一般式(2)で示される反復単位のモル比で1〜90重量%、好ましくは10〜60重量%である。前記一般式(2)で示される反復単位が1重量%以下では、アルカリ溶液に対する溶解性、相溶性が不充分であり、90重量%以上では、耐熱性や耐水性が不充分となる。
【0015】
本発明のアルカリ可溶性樹脂はガラス転移温度(Tg)が200℃以上である必要がある。より好ましくは220℃以上、さらに好ましくは240℃以上、特に好ましくは250℃以上である。
Tgを200℃以上にすることによって、耐熱性の要求される様々な用途に好適に用いることができる。
ポリアミドイミド共重合体の場合、Tgを200℃以上にするには、ジカルボン酸成分、ジアミン成分、トリカルボン酸成分の種類、量を最適化するにより、得ることが出来る。
【0016】
本発明に用いられるポリアミドイミド共重合体の分子量は、N−メチル−2−ピロリドン中、30℃での対数粘度にして0.2から3.0dl/gにあるものが好ましい。対数粘度が0.2dl/g以下では柔軟性や機械的特性が不十分であり、また、3.0dl/g以上では、加工性が低下する。
【0017】
また、上記のポリアミドイミドにおいて、耐熱性や柔軟性等、本発明の目的を阻害しない範囲で、酸成分としてイソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、メチルイソフタル酸、メチルテレフタル酸、ビフェニルー2,2‘−ジカルボン酸、ビフェニルー2,3’−ジカルボン酸、ビフェニルー4,4‘−ジカルボン酸、ジフェニルメタンー4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルー4,4‘−ジカルボン酸、ジフェニルプロパンー4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホンー4,4‘−ジカルボン酸、オキシジン安息香酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、シクロヘキサン−4,4,’−ジカルボン酸、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、シクロペンタン−1,2、3,4−テトラカルボン酸、シロキサンジカルボン酸、シロキサンテロラカルボン酸等の脂肪族や脂環族のジカルボン酸、ポリカルボン酸、及びこれらの一無水物や二無水物、エステル化物など用いることができる。
【0018】
又、アミン成分として、P−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3、4’−ジアミノジフェニルエーテル、4、4’−ジアミノジフェニルエーテル、4、4’−ジアミノジフェニルスルホン、3、3’−ジアミノジフェニルスルホン、3、4’−ジアミノビフエニル、3、3’−ジアミノビフエニル、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4、4’−ジアミノベンゾフエノン、3、3’−ジアミノベンゾフエノン、3、4’−ジアミノベンゾフエノン、2、6−トリレンジアミン、2、4−トリレンジアミン、4、4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3、3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4、4’−ジアミノジフェニルプロパン、3、3’−ジアミノジフェニルプロパン、4、4’−ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、3、3’−ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、3、3’−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノジフェニルヘキサフルオロイソプロピリデン、P−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、O−トリジン、2、2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2、2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2、2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フエニル]ヘキサフルオロプロパン等の芳香族ジアミン或いはこれらに対応するジイソシアネートなどの単独或いは2種以上の混合物を用いることができる。また、これら酸成分、アミン成分の組み合わせで別途重合した樹脂を混合して使用することもできる。
【0019】
本発明におけるポリアミドイミド共重合体は、透明性に優れ、可視光域での透過率が50%以上ある事はもちろんのこと、紫外線領域においても高い光透過性をもつ。例えば、350nmで光の透過率が5%以上である。好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上である。
350nmでの透過率を5%以上にすることによって、光・電子部品分野、感光性材料分野等、透明性を要求される用途にも用いることができる。
【0020】
本発明におけるポリアミドイミド共重合体は、用途に応じて様々な形態で使用することができる。重合溶媒のまま溶液として使用する事も可能であり、また、水等を用いてポリマーを析出させ粉体として使用することも可能であり、また、この粉体を他の有機溶剤等に再溶解させ溶液として使用することも可能である。上記の使用形態は、様々な用途に応じて決定することができる。
【0021】
本発明のポリマーを再溶解させる溶剤としては、N−メチル−2ーピロリドン、N、N’−ジメチルホルムアミド、N、N’−ジメチルアセトアミド、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、スルホラン、ジメチルスルホオキシド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどで、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンある。また、これらの一部をトルエン、キシレンなどの炭化水素系有機溶剤、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフラン、などのエーテル系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロンなどのケトン系有機溶剤等で置き換えることも可能である。
【0022】
コーティング分野等で使用する場合、塗布方法としては、従来から公知の方法を適用できる。例えば、スクリーン印刷やオフセット印刷などの印刷法、ロールコート、ナイフコート、ドクターコート、ブレードコート、グラビアコート、ダイコート、リバースコート、スピンコート、カーテンコート、スプレーコートなどの塗工方法がある
【0023】
塗布後の乾燥は、気泡等が発生しないよう、徐々に温度を上げていく。好ましくはタックフリーな状態になるまで初期乾燥した後、更に温度を上げ、完全に脱溶剤する。
【0024】
乾燥方式に特に限定は無いが、乾燥温度は、使用する溶剤に応じて決まる。50℃〜210℃が好ましい。210℃以上では、初期乾燥をした時点での印刷板に気泡等の発生が起こる可能性がある。又、50℃以下では、乾燥時間が長くなり生産性が低下する。
【0025】
本発明におけるアルカリ溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ水溶液、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジn−ブチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン等の有機アルカリ水溶液、また、必要に応じて前記アルカリ水溶液にアルコール類、界面活性剤等を添加することができる。アルコールの例として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を挙げられるが、これらに限定されものではない。また、アルカリ濃度、アルコール添加量、界面活性剤添加量はポリアミドイミドの構造、溶解速度等によって任意に調整することができる。
【0026】
また、これらのアルカリ溶液に本発明のポリアミドイミドを溶解し、前述の塗布方法で塗布することも可能である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により、この発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は実施例により、特に制限されるものではない。又、各実施例における特性値の評価方法は以下の通りである。
【0028】
対数粘度
ポリマー濃度が0.5g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、測定溶液温度30℃で、その溶液の溶液粘度及び溶媒粘度をウベローゼ型の粘度管により測定して、下記の式で計算した。
対数粘度=ln(溶液粘度/溶媒粘度)/溶液濃度
【0029】
ガラス転移点(Tg)
TMA(熱機械分析/理学(株)製)引張荷重法により、以下の条件で測定した。サンプルフィルムは、窒素中、昇温速度10℃/分で、一旦、変曲点まで昇温し、その後室温まで冷却したフィルムについて測定を行った。
荷重:1g
サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm
昇温速度:10℃/分
雰囲気:窒素
尚、サンプルは以下により作成した。
ポリアミドイミド溶液を100μmのPETフィルムに、乾燥後の厚みが20μmになる様に塗布し、100℃で10分加熱する。次いで、PETフィルムを除去し、金枠に固定後、更に、真空中、200℃で20時間加熱して作成した。
【0030】
アルカリ溶解性の評価
ガラス転位点の測定と同様にして作成したフィルムを0.5cm×1cmに切り取り、これを100mlビーカーに入れた5重量%水酸化ナトリウム水溶液50mlに浸漬させ静かに攪拌(長さ3cmの棒状マグネット攪拌チップにて60rpmで攪拌)して溶解するまでの時間を観察した(25℃)。
○:10分以内に完全に溶解
△:10分以上24時間以内に溶解
×:24時間放置後も未溶解部分が残った。
【0031】
透明性の評価(透過率)
ガラス転位点の測定と同様にして作成したフィルムについて、分光光度計(日立製 U−3210)を用い、350〜500nmの領域で透過率を測定した。
【0032】
実施例1
反応容器に無水トリメリット酸134g、5−ヒドロキシイソフタル酸55g、イソホロンジイソシアネート229g、フッ化カリウム1.2g、及びN−メチル−2−ピロリドン375gを加え、130℃で1hr反応させ、190℃に昇温し、さらに190℃で5hr反応させ、対数粘度0.50dl/gのポリアミドイミド樹脂を得た。また、このポリマーのTgは258℃であった。
【0033】
実施例2
反応容器に無水トリメリット酸134g、5−ヒドロキシイソフタル酸55g、ジシクロヘキシルメタン4,4−ジイソシアネート273g、フッ化カリウム1.2g、及びN−メチル−2−ピロリドン375gを加え、130℃で1hr反応させ、190℃に昇温し、さらに190℃で6hr反応させ、対数粘度0.41dl/gのポリアミドイミド樹脂を得た。また、このポリマーのTgは260℃であった。
【0034】
実施例3
反応容器に無水トリメリット酸173g、5−ヒドロキシイソフタル酸18g、イソホロンジイソシアネート229g、フッ化カリウム1.2g、及びN−メチル−2−ピロリドン333gを加え、130℃で1hr反応させ、190℃に昇温し、さらに190℃で4hr反応させ、対数粘度0.40dl/gのポリアミドイミド樹脂を得た。また、このポリマーのTgは269℃であった。
【0035】
実施例4
反応容器に無水トリメリット酸134g、5−ヒドロキシイソフタル酸55g、イソホロンジイソシアネート207g、ジフェニルメタンジイソシアネート25g、フッ化カリウム1.1g、及びN−メチル−2−ピロリドン334gを加え、130℃で1hr反応させ、190℃に昇温し、さらに190℃で5hr反応させ、対数粘度0.45dl/gのポリアミドイミド樹脂を得た。また、このポリマーのTgは264℃であった。
【0036】
比較例1
反応容器に無水トリメリット酸20.17g、5−ヒドロキシイソフタル酸8.19g、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート37.54g、及びN−メチル−2−ピロリドン89.95gを加え、100℃で4hr反応させ、190℃に昇温し、さらに190℃で50min反応させ、対数粘度0.49dl/gのポリアミドイミド樹脂を得た。また、このポリマーのTgは276℃であった。
【0037】
表1に、上記実施例、比較例の対数粘度、ガラス転移温度(Tg)、透過率、アルカリ溶解性に関しての結果を示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004792626
【0039】
【発明の効果】
上述したように、本発明のポリアミドイミドは、ポリマー骨格に水酸基を有するジカルボン酸、脂環族又は/及び脂肪族ジアミンを導入させることにより、透明性とアルカリ溶液に対する溶解性を向上させる事を満足し、また耐熱性も有するポリマーとして、工業的に有用である。

Claims (2)

  1. 一般式(1)で示される反復単位と一般式(2)で示される反復単位を構成成分として含むことを特徴とするポリアミドイミド共重合体。
    Figure 0004792626
    Figure 0004792626
    (式(1)〜(2)において、Ar はトリカルボン酸の3個のカルボキシ基を除いた3価の残基、R1はジカルボン酸化合物の2個のカルボキシル基を除いた2価の芳香族残基を示し、R2はジアミン化合物の2個のアミノ基を除いた2価の脂環族残基を示し、前記ジアミン化合物はイソホロンジアミン及び/又は4, 4’-ジシクロヘキシルメタンジアミンである。nは1又は2である。)
  2. Tgが200℃以上、5重量%水酸化ナトリウム水溶液に対する溶解時間が10分以内、350nmの光線透過率が5%以上である請求項1に記載のポリアミドイミド共重合体。
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