本発明者は、記録媒体に対して色材入りインク(第2の液体;以下、単に「インク」という。)を打滴する前に、色材の拡散防止剤を含む略透明な処理液(第1の液体)を付与しておくことで、記録媒体に着弾したインク滴がドット形状を保ったまま広がり続けることを見出した。そして、インク及び処理液の一方には紫外線硬化開始剤(開始剤)を含ませ、他方には紫外線硬化重合性化合物(モノマー)を含ませておき、インク滴を打滴してからUV光(紫外線)を照射するまでの時間Tを変化させることで、より広い範囲でドット径を制御することができる。以下では、本発明の基本的な部分について説明を行ってから、本発明の具体的な装置構成等について説明する。
図1は、処理液を塗付した上に顔料をモノマーに分散させたインクを打滴した際の、インク滴の直径の時間経過を示したグラフである。同図から分かるように、インク滴は着弾後も平衡状態に達せず、長い時間に渡って広がり続けている。従って、インク滴が所望の径になる時間に、UV光を照射することで、所望のドットを形成することができる。
尚、図1のグラフで用いた処理液は、図2に示す2種類の化合物を混合したものであるが、本発明の実施に際してはこれに限定されるものではない。
次に、記録密度(打滴密度)とドット径の関係について図3を用いて説明する。図3において、(a)は記録密度が高い場合、(b)は記録密度が低い場合に、ベタ画像を描いた場合のドット配置の模式図である。各図の上段には、各ドットを打滴するノズル(図中丸印で表示)を含む吐出ヘッド100を簡略的に表示している。尚、後に示す図4においても同様とする。
高品位(高解像度)印字を求める場合には、記録密度を高くしたほうが望ましいが、印字の高速化や打滴インク量の削減(コストの削減)等のために、記録密度を低くする(ドットを間引いて打滴する)要求もある。記録密度を低くした際に、ドット径を記録密度が高い場合と同じ値にしてしまうと、ドット間に白抜けが多くなってしまう。そのため、図3(a)及び(b)に示すように、記録密度が高い場合に比べて記録密度が低い場合のドット径を大きくする必要がある。そこで本発明では、記録密度が低い場合には、インク滴を打滴してからUV光照射までの時間Tが長くなるように変化させることによりドット径を大きくしている。
次に、インク打滴量とドット径の関係について図4を用いて説明する。図4において、(a)はインク打滴量が少ない(記録画像の光学濃度が低い)場合、(b)はインク打滴量が多い(記録画像の光学濃度が高い)場合の模式図である。
インク打滴量が少ない領域では、ドット同士に隙間が生じている。この領域ではドット径を小さくすることで、ドットの視認性を低下させ、粒状感(画像のざらつき)を抑えることが好ましい。一方、インク打滴量が多い領域では、ドット同士に隙間(白抜け)が生じると、全体の光学濃度が下がるという問題点がある。従って、この領域ではドット径を大きくし、ドット同士のオーバーラップを大きくすることが好ましい。よって、図4(a)及び(b)に示すように、低濃度部に比べて高濃度部のドット径を大きくすることが必要である。そこで本発明では、インク打滴量が多い場合には、インク滴を打滴してからUV光照射までの時間Tが長くなるように変化させることによりドット径を大きくしている。
次に、本発明の具体的な装置構成等について説明する。
図5は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるインクジェット記録装置の概略図である。図5のインクジェット記録装置10は、処理液(第1の液体)を吐出する吐出ヘッド(処理液吐出ヘッド)12Sと、異なる色インク(第2の液体)をそれぞれ吐出する複数のインク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yと、各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応して設けられる予備硬化光源16K、16C、16M、16Yと、本硬化光源18と、各吐出ヘッド(12S、12K、12C、12M、12Y)のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙20の平面性を保持しながら記録紙20を紙搬送方向(副走査方向)に搬送する吸着ベルト搬送部22と、を備えている。
吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも各吐出ヘッド(12S、12K、12C、12M、12Y)のノズル面(インク吐出面)に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙20の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側には、吸着チャンバ(不図示)が設けられており、この吸着チャンバをファンで吸引して負圧にすることによって記録紙20がベルト33に吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図5の反時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙20が図5の右から左へと(即ち、紙搬送方向に)搬送される。
各吐出ヘッド12S、12K、12C、12M、12Yは、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録紙20の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたり液滴吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。これらは、それぞれ紙搬送方向(副走査方向)と略直交する方向(主走査方向)に沿って延在するように設置されている。
紙搬送方向の上流側(図5の右側)には処理液吐出ヘッド12Sが配置され、その下流側には、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順にインク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。
各予備硬化光源16K、16C、16M、16Yは、それぞれに対応するインク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yの紙搬送方向の下流側に配置される。予備硬化光源16K、16C、16M、16Yは、記録紙20の最大紙幅に対応する長さを有し、主走査方向に延在するように構成される。各予備硬化光源16K、16C、16M、16Yには、それぞれ紙搬送方向の上流側に配置される各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yにより打滴された記録紙20上のドットを半硬化状態にする程度(具体的には、ドットの広がりを抑える程度)のエネルギーのUV光(紫外線)を照射する発光素子が設けられる。例えば、紫外線LED素子、LD素子などが用いられる。
各予備硬化光源16K、16C、16M、16Yは紙搬送方向に沿って(即ち、図5の水平方向に)移動自在に構成されており、それぞれ紙搬送方向の上流側に配置される各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yからの距離L(Lk、Lc、Lm、Ly)を変えられるようになっている。これにより、記録紙20に対して液滴を打滴してからUV光照射までの時間Tを記録密度や打滴量に応じて変えることができ、ドット径を所望の大きさにすることができる。
本硬化光源18は、紙搬送方向の最下流側(図5の左側)に配置され、記録紙20の最大紙幅に対応する長さを有し、主走査方向に延在するように固定設置される。本硬化光源18には、記録紙20上のドットを完全に硬化(本硬化)させるのに十分なエネルギーのUV光(紫外線)を照射する発光素子が設けられる。例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプなどが用いられる。
かかる構成により、吸着ベルト搬送部22により記録紙20が搬送されつつ、処理液吐出ヘッド12Sにより記録紙20に処理液がまず初めに吐出される。続いて、各インク吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yにより各色のインク滴が吐出され、記録紙20上に各色のインク滴に対応するドットがそれぞれ形成される。このとき、各ドットのドット径は、紙搬送方向の下流側に配置される各予備硬化光源16K,16C,16M,16YによりUV光照射されるまで広がり続ける。本実施形態では、記録密度や打滴量に応じて、各インク吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ対応する各予備硬化光源16K,16C,16M,16Yまでの距離L(Lk、Lc、Lm、Ly)、即ち、各色のインク滴を打滴してからUV光照射されるまでの時間Tが変えられ、これにより、所望のドット径が実現される。そして、最後に、本硬化光源18においてUV光照射され、記録紙20上の各ドットは本硬化状態になり、所望のカラー画像が記録紙20上に形成される。
本実施形態では、各色毎に予備硬化光源16K,16C,16M,16Yが設けられているため、UV光照射されるまでの時間Tを色毎に変更でき、色毎にドット径を制御することが可能である。
尚、予備硬化光源16K、16C、16M、16Yを記録密度や打滴量に応じて移動させる態様を例示したが、予備硬化光源16K、16C、16M、16Yに代えてインク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yを移動させたり、吸着ベルト搬送部22による記録紙20の搬送速度を変化させたりしてもよい。また、インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Y毎に複数の予備硬化光源を紙搬送方向に設け、その中から所望のものを選択して使用するようにしてもよい。
また、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するインク吐出ヘッドを追加する構成も可能である。
次に、吐出ヘッド12S、12K,12C,12M,12Yの構造について説明する。各吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下では、これらを代表して符号50によって吐出ヘッドを示すものとする。
図6は、吐出ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、(a)は全体図、(b)はその一部の拡大図である。図6に示すように、本例の吐出ヘッド50は、平面形状が概略正方形の圧力室52及びその対角線上の両隅部に配置されるノズル51と供給口54を含んで構成される複数の圧力室ユニット53を千鳥でマトリクス状(2次元状)に配置させた構造を有している。これにより、吐出ヘッド50の長手方向(紙搬送方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される投影ノズル列のノズルピッチ(実質的なノズルピッチ)が高密度化され、記録紙20上に印字されるドットピッチの高密度化が達成されている。
図7は、図6中7−7線に沿う断面図である。図7に示すように、圧力室52の一端はノズル51に連通し、その他端は供給口54を介して共通流路55に連通している。共通流路55には所定の液体(処理液又はインク)が貯留されており、供給口54を介して圧力室52にその液体が供給される。
圧力室52の天面を構成している振動板56には、個別電極57を備えた圧電素子(圧電アクチュエータ)58が接合されている。本例において振動板56は導電体で構成されており、圧電素子58に対する共通電極を兼ねている。圧電素子58には、ピエゾ素子などの圧電体が好適に用いられる。個別電極57に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形して、圧力室52内の液体(処理液又はインク)は加圧され、ノズル51から液滴が吐出される。液滴吐出後、共通流路55から供給口54を通って新しい液体が圧力室52に供給され、次の吐出動作に備えられる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本例では圧電素子58の変形を利用して液滴を吐出する圧電方式を採用しているが、本発明の実施に際してはこれに限定されず、例えば、ヒータ等の発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力で液滴を吐出するサーマルジェット方式等、各種方式を適用できる。
また、本実施形態では、処理液吐出ヘッド12Sの構成はインク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yと同じであるが、本発明の実施に際してはこれに限定されない。例えば、ローラー等の転写媒体を利用して記録媒体上に処理液を付与するようにしてもよい。
次に、インクジェット記録装置10の制御系について図8を用いて説明する。図8は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはシリアルインターフェースやパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、吸着ベルト搬送部22を駆動するための搬送モータ88や、各予備硬化光源16K、16C、16M、16Yをそれぞれ紙搬送方向に沿って移動させるための光源移動モータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従って搬送モータ88、光源移動モータ89を駆動するドライバ(駆動回路)である。光源移動モータ89用のモータドライバを別に設けるようにしてもよい。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(ドットデータ)をヘッドドライバ84及び光源ドライバ85に供給する制御部である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられるドットデータに基づいて各吐出ヘッド12S、12K、12C、12M、12Yの圧電素子58を駆動するドライバ(駆動回路)である。また、光源ドライバ85はプリント制御部80から与えられるドットデータに基づいて各予備硬化光源16K、16C、16M、16Yや本硬化光源18を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヘッドドライバ84や光源ドライバ85にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図8において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
特に、本発明では、プリント制御部80は、各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ対応する予備硬化光源16K、16C、16M、16Yまでの距離L(Lk、Lc、Lm、Ly)を画像データに基づいて生成したドットデータから各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yの記録密度や打滴量に応じて変えることで、各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yがインク滴を打滴してからUV光照射されるまでの時間Tを制御し、これにより、各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yの記録密度や打滴量に応じた所望のドットサイズ(ドット径)が実現されている。
図9及び図10は、インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yから予備硬化光源16K、16C、16M、16Yまでの距離L(Lk、Lc、Lm、Ly)の設定の流れを表したフロー図である。
図9は記録密度に応じて距離Lを変える場合を示している。本例では記録密度を高密度と低密度の2種類に分けているが、特に限定されるものではない。まず、プリント制御部80は、高密度記録モードであるか否か判断する(ステップS10)。高密度記録モードである場合(Yesの場合)には、ステップS12において、Lk、Lc、Lm、LyをそれぞれLSに設定する。一方、高密度記録モードでない場合(Noの場合)、即ち、低密度記録モードである場合には、ステップS14において、Lk、Lc、Lm、LyをそれぞれLLに設定する。LL、LSはいずれも任意の距離を表す定数であり、LL>LSであるものとする。ステップS12又はステップS14の終了後、ステップS16において、プリント制御部80はシステムコントローラ72に制御指示を行い、各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yから予備硬化光源16K、16C、16M、16Yまでの距離がそれぞれLk、Lc、Lm、Lyとなるようにヘッドドライバ76を介して光源移動モータ89を駆動させる。
図10は打滴量に応じて距離Lを変える場合を示している。本例では打滴量を高濃度と低濃度の2種類に分けているが、特に限定されるものではない。まず、プリント制御部80は、ブラックは低濃度部であるか否か判断する(ステップS20)。低濃度部である場合(Yesの場合)には、ステップS22において、LkをLSに設定する。図9と同様に、LL>LSであるものとする。一方、低濃度部でない場合(Noの場合)、即ち、高濃度部である場合には、ステップ24において、LkをLLに設定する。LL、LSの定義は図9と同様である。続いて、シアン、マゼンダ、イエローの各色について、ブラックと同様の処理が行われる(ステップS26〜ステップ42)。このようにして、各色(ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー)の打滴量に応じてLk、Lc、Lm、LyがそれぞれLS又はLLに設定される。その後、ステップS44において、プリント制御部80は、図9のステップS16と同様に、システムコントローラ72に制御指示を行い、光源モータ89を駆動させる。
〔処理液及びインク(インクセット)の説明〕
本発明に係るインクジェット記録装置10に適用されるインクセットについて詳述する。本例に示すインクジェット記録装置10は、放射線硬化開始剤(以下、「重合開始剤」と記載することがある)、拡散防止剤、及び、高沸点溶媒又は放射線硬化重合性化合物(以下、「重合性化合物」と記載することがある)を含有する処理液と、重合性化合物、及び、色材を含有する各色インクから構成されるインクセットが用いられる。
<重合性化合物(輻射線硬化型モノマー及びオリゴマー)>
重合性化合物とは、後述する重合開始剤から発生するラジカルなどの開始種により、重合反応を生起し、硬化する機能を有する化合物を指す。
少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であることが好ましく、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、より好ましくは2個以上有する多官能化合物から選ばれることが好ましい。かかる化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、これらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態を持つものを包含する。
重合性化合物は、分子内に、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基、内部二重結合性基(マレイン酸など)などの重合性基を有することが好ましく、なかでも、アクリロイル基、メタクリロイル基を有する化合物が、低エネルギーで硬化反応を生起させることができるので好ましい。
重合性化合物は1つの液体中において、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
着色剤を含む第2の液体に含有させる重合性化合物の含有率としては、第2の液体中に50〜99質量%の範囲が好ましく、70〜99質量%の範囲がより好ましく、80〜99質量%の範囲がさらに好ましい。
<重合開始剤(硬化開始剤、反応開始剤)>
重合開始剤とは、光、熱、或いはその両方のエネルギーによりラジカルなどの開始種を発生し、前記重合性化合物の重合を開始、促進させる化合物を指し、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを選択して使用することができる。
そのようなラジカル発生剤としては、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物等が挙げられる。
本発明のインクセットにおいては、用いる複数種の液体の内、少なくともいずれかに、重合性化合物を硬化させる重合開始剤を含有する。
重合開始剤の含有率は、経時安定性と硬化性、硬化速度との観点から、インクセットに使用した全重合性化合物に対し、0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましい。
重合開始剤は、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、感度向上の目的で公知の増感剤と併用することもできる。
<着色剤(色材)>
本発明に用いられる着色剤には特に制限はなく、インクの使用目的に適合する色相、色濃度を達成できるものであれば、公知の水溶性染料、油溶性染料及び顔料から適宜選択して用いることができる。なかでも、本発明のインクジェット記録用インクを構成する液体は、非水溶性の液体であって水性溶媒を含有しないことがインク打滴安定性及び速乾性の観点から好ましく、そのような観点からは、非水溶性の液体に均一に分散、溶解しやすい油溶性染料や顔料を用いることが好ましい。
本発明に使用可能な油溶性染料には特に制限はなく、任意のものを使用することができる。着色剤として油溶性染料を用いる場合の染料の含有量は、固形分換算で0.05〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜15質量%が更に好ましく、0.2〜6質量%が特に好ましい。
着色剤として顔料を用いる態様もまた、複数種の液体の混合時に凝集が生じやすいという観点から好ましい。
本発明において使用される顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用できるが、黒色顔料としては、カーボンブラック顔料等が好ましく挙げられる。また、一般には黒色、及び、シアン、マゼンタ、イエローの3原色の顔料が用いられるが、その他の色相、例えば、赤、緑、青、茶、白等の色相を有する顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料なども目的に応じて用いることができる。
また、シリカ、アルミナ、樹脂などの粒子を芯材とし、表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も顔料として使用することができる。
さらに、樹脂被覆された顔料を使用することもできる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などから市販品としても入手可能である。
本発明における液体中に含まれる顔料粒子の体積平均粒子径は、光学濃度と保存安定性とのバランスといった観点からは、30〜250nmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは50〜200nmである。ここで、顔料粒子の体積平均粒子径は、例えば、LB−500(HORIBA(株)製)などの測定装置により測定することができる。
着色剤として顔料を用いる場合の含有量は、光学濃度と噴射安定性の観点から、第2の液体中において、固形分換算で0.1質量%〜20質量%の範囲であることが好ましく、1質量%〜10質量%の範囲であることがより好ましい。
着色剤は1種のみならず、2種以上を混合して使用してもよい。また、液体毎に異なった着色剤を用いても、同じであってもよい。
<拡散防止剤(重合体、ポリマー)>
拡散防止剤とは、本発明において、記録媒体に付与された第1の液体上に打滴された着色剤を有する第2の液体の拡散や滲みを防止する目的で、第1の液体中に含有される物質を指す。
上記拡散防止剤としては、アミノ基を有する重合体、オニウム基を有する重合体、含窒素ヘテロ環を有する重合体、及び金属化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。
上記重合体等は、単一種を使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。「複数種」とは、例えば、アミノ基を有する重合体には属するが異なる構造の重合体の場合や、アミノ基を有する重合体とオニウム基を有する重合体の関係のように異なる属種である場合を含む。また、1つの分子中に、アミノ基、オニウム基、含窒素ヘテロ環、及び金属化合物を組み合わせて併存させても良い。
さらに、下に、これらの重合体等について詳細に述べる。
(アミノ基を有する重合体)
アミノ基を有する重合体は、アミノ基を有する単量体のみのホモポリマーであっても、アミノ基を有する単量体と他の単量体との共重合体であってもよい。アミノ基を有する重合体中、アミノ基を有する単量体は、10モル%以上100モル%以下であることが好ましく、20モル%以上100モル%以下であることがより好ましい。
アミノ基を有する単量体としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、N−ビニルベンジル−N,N−ジメチルアミン、N−ビニルベンジル−N,N−ジエチルアミン、N−ビニルベンジル−N−エチル−N−メチルアミン、N−ビニルベンジル−N,N−ジヘキシルアミン、N−ビニルベンジル−N−オクタデシル−N−メチルアミン、N−ビニルベンジル−N’−メチル−ピペラジン、N−ビニルベンジル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−ベンジル−N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、がより好ましく、更には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが特に好ましい。
これらの単量体と共重合可能な単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの、アルキル部分の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなど]、(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、(メタ)アクリル酸アラルキルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルなど]、置換(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど]、(メタ)アクリアミド類[例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミドなど]、芳香族ビニル類[スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど]、ビニルエステル類[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど]、アリルエステル類[酢酸アリルなど]、ハロゲン含有単量体[塩化ビニリデン、塩化ビニルなど]、シアン化ビニル[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[エチレン、プロピレンなど]などが挙げられる。
これらの共重合可能な単量体の中でも、炭素数が1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレンが好ましく、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましい。
更に、その他の、アミノ基を有する重合体としては、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリ(N−メチルジアリルアミン)、ポリ(N−エチルジアリルアミン)及びこれらの変性体(ポリアリルアミンのベンジルクロリド付加体、フェニルグリシジルエーテル付加体、アクリロニトリル付加体)、ジイソシアネート(例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイシシアネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート)と3級アミノ基を有するジオール(例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N’−3−ヒドロキシプロピルピペラジン)との重付加体等が挙げられる。
これらの中でも、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、及びこれらの変性体がより好ましく、更には、ポリアリルアミンの変性体が特に好ましい。
本発明において、アミノ基を有する重合体としては下記一般式(1)で表される単位を有する重合体であることが特に好ましい。
一般式(1)中、R11は水素又はメチル基を表し、YはO又はNR15を表し、R15は水素又はアルキル基を表し、R12は2価の連結基を表し、R13及びR14はそれぞれ独立にアルキル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
尚、上記R11としては水素がより好ましく、YとしてはO又はNHがより好ましく、更にはOが好ましく、R13及びR14としてはアルキル基又はアラルキル基がより好ましく、更にはアルキル基が好ましい。
上記R12で表される2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。
上記2価の連結基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、フェニレン基、2−ヒドロキシプロピレン基等が挙げられ、これらの中でも、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基が特に好ましい。
上記R13、R14及びR15で表されるアルキル基としては、炭素数18以下のアルキル基が好ましく、炭素数12以下のアルキル基がより好ましく、炭素数8以下のアルキル基が特に好ましい。上記アルキル基は、直鎖状であっても環状であってもよく、また置換基を有していてもよく、該置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アミノ基、カルバモイル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記(置換)アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、メトキシエチル基、クロロエチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、がより好ましく、更に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基が特に好ましい。
上記R13及びR14で表されるアリール基としては、炭素数18以下のアリール基が好ましく、炭素数16以下のアリール基がより好ましく、炭素数12以下のアリール基が特に好ましい。また、上記アリール基は置換基を有していてもよい。
上記(置換)アリール基の具体例としては、フェニル基、アルキルフェニル基(例えば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、クメニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基等)、ナフチル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、シアノフェニル基等が挙げられ、これらの中でもフェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
上記R13及びR14で表されるアラルキル基としては、炭素数18以下のアラルキル基が好ましく、炭素数16以下のアラルキル基がより好ましく、炭素数12以下のアラルキル基が特に好ましい。上記アラルキル基のアルキル部分としては、上記のようなアルキル基を挙げることができ、また、上記アラルキル基のアリール部分としては、上記のようなアリール基を挙げることができる。また、上記アラルキル基は置換基を有していてもよい。
上記(置換)アラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、ビニルベンジル基、ヒドロキシフェニルメチル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、スチリル基等が挙げられ、これらの中でも、ベンジル基が特に好ましい。
一般式(1)で表される単位を有する重合体の好ましい具体例としては、次に記す重合体が挙げられる。
本発明に係るアミノ基を有する重合体であって、一般式(1)で表される単位を有する重合体以外の好ましい重合体としては、次に記す重合体が挙げられる。
一般式(1)で表される単位を有する重合体は、ラジカル(共)重合を用いて合成することができ、該ラジカル(共)重合としては、例えば、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の公知の方法を用いることができる。尚、この方法に限定されず、その他公知の方法を採用することもできる。
本発明における、アミノ基を有する重合体の重量平均分子量としては1000〜50000であることが好ましく、特に2000〜30000であることが好ましい。
上記アミノ基を有する重合体は、着色剤を含有しない少なくとも1つの液体に含有されることが好ましく、更に本発明におけるアミノ基を有する重合体の好ましい使用量は、上記複数種の液体全体に対して1質量%〜90質量%が好ましく、10質量%〜75質量%が更に好ましく、20質量%〜50質量%が特に好ましい。上記使用量より少ないと、本発明の効果を有効に発揮できない場合があり、一方多いと高粘になるため、インク液の吐出性に問題が生じる場合がある。
(オニウム基を有する重合体)
オニウム基を有する重合体は、オニウム基を有する単量体のみのホモポリマーであっても、オニウム基を有する単量体と他の単量体との共重合体であってもよい。オニウム基を有する重合体の構成中、オニウム基を有する単量体は、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。
オニウム基としてはアンモニウム基、ホスフォニウム基、スルホニウム基、があげられ、アンモニウム基であることが好ましい。アンモニウム基を有する重合体としては、第4級アンモニウム塩基を有する単量体の単独重合体や、該モノマーと他のモノマーとの共重合体又は縮重合体として得ることができる。
本発明において、アンモニウム基を有する重合体としては少なくとも下記一般式(2)又は(3)で表される単位を有する重合体であることが特に好ましい。
式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R21〜R23、R25〜R27は、各々独立にアルキル基、アラルキル基、アリール基を表す。R24は、アルキレン基、アラルキレン基、又はアリーレン基を表す。Yは、O又はNR’を表し、R’は水素原子又はアルキル基を表す。X−は、対アニオンを表す。
上記R21〜R23、及びR25〜R27で表されるアルキル基としては、炭素数18以下が好ましく、炭素数16以下がより好ましく、炭素数12以下が特に好ましい。上記アルキル基は、直鎖状であっても環状であってもよく、また置換基を有していてもよい。該置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルバモイル基、アミノ基等が挙げられる。
上記(置換)アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、メトキシエチル基、クロロエチル基等が挙げられる。
これらアルキル基の中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基が特に好ましい。
上記R21〜R23、及びR25〜R27で表されるアリール基としては、炭素数18以下が好ましく、炭素数16以下がより好ましく、炭素数12以下が特に好ましい。上記アリール基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルバモイル基、シアノ基、アミノ基等が挙げられる。
上記(置換)アリール基の具体例としては、フェニル基、アルキルフェニル基(例えば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、クメニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基等)、ナフチル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、シアノフェニル基等が挙げられる。
これら(置換)アリール基の中でも、フェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
上記R21〜R23、及びR25〜R27で表されるアラルキル基としては、炭素数18以下が好ましく、炭素数16以下がより好ましく、炭素数12以下が特に好ましい。上記アラルキル基のアルキル部分としては、上記のようなアルキル基を挙げることができ、また、上記アラルキル基のアリール部分としては、上記のようなアリール基を挙げることができる。上記アラルキル基のアルキル部分、及び/又はアリール部分は置換基を有していてもよく、該置換基としては、上記アルキル基及びアリール基で例示した置換基と同様である。
上記(置換)アラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、ビニルベンジル基、ヒドロキシフェニルメチル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、スチリル基等が挙げられる。
これら(置換)アラルキル基の中でも、ベンジル基が特に好ましい。
R21〜R23、及びR25〜R27は、特に好ましくは、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基であり、その中でもメチル基、エチル基、ヘキシル基、ベンジル基が好適である。
R24は2価の連結基を表し、好ましくは、アルキレン基、アラルキレン基、又はアリーレン基である。
上記R24で表されるアルキレン基としては、炭素数8以下が好ましく、炭素数6以下がより好ましく、炭素数4以下が特に好ましい。上記アルキレン基は、直鎖状であっても環状であってもよく、また置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルバモイル基、アミノ基等が挙げられる。
上記(置換)アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、2−メトキシプロピレン基等が挙げられる。
これら(置換)アルキレン基のうち、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2−ヒドロキシピロピレン基が特に好ましい。
上記R24で表されるアリーレン基としては、炭素数12以下が好ましく、炭素数10以下がより好ましく、炭素数8以下が特に好ましい。上記アリーレン基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、上記アリール基で例示した置換基と同様である。
上記(置換)アリーレン基の具体例としては、フェニレン基、アルキルフェニレン基(例えば、2−エチル−1,4−フェニレン基、2−プロピル−1,4−フェニレン基等)、2−クロロ−1,4−フェニレン基、アルコキシフェニレン基(例えば、2−メトキシ−1,4−フェニレン基等)が挙げられ、これらのうち、フェニレン基が特に好ましい。
上記R24で表されるアラルキレン基としては、炭素数12以下が好ましく、炭素数10以下がより好ましく、炭素数8以下が特に好ましい。上記アラルキレン基のアルキル部分としては、上記のようなアルキル基を挙げることができ、また、上記アラルキレン基のアリール部分としては、上記のようなアリール基を挙げることができる。上記アラルキレン基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、上記アルキル基及びアリール基で例示した置換基と同様である。
上記(置換)アラルキレン基の具体例としては、キシリレン基、ベンジリデン基等が挙げられ、ベンジリデン基が特に好ましい。
R24は、特に好ましくは、アルキレン基であり、その中でもエチレン基、又はプロピレン基が好適である。
上記R’で表されるアルキル基としては、上記R21〜R23及びR25〜R27で表されるアルキル基と同様のものが好ましい。好ましい具体例も同様である。
−Y−は、特に好ましくは、−O−又は−NH−である。
X−は、対アニオンであり、ハロゲンイオン(Cl−,Br−,I−)、スルホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、アルキルカルボン酸イオン、アリールカルボン酸イオン、PF6 −、BF4 −等が挙げられる。これらのうち、Cl−,Br−,トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、PF6 −、BF4 −が特に好ましい。
一般式(2)又は(3)で表される単位を有する重合体の場合、一般式(2)又は(3)で表される単位は、重合体中10〜100モル%含有することが好ましく、20〜100モル%含有する場合がより好ましい。
一般式(2)又は(3)で表される単位を有する重合体の好ましい具体例として、次の重合体を挙げることができる。
本発明にかかるオニウム基を有する重合体であって、一般式(2)又は(3)で表される単位を有する重合体以外の重合体としては、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジハライド化合物(例えば、キシリレンジクロリド、キシリレンジブロミド、1,6−ジブロモヘキサン)とジアミン(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン)の付加重合物等を挙げることができる。
さらにアミノ基を有する重合体(たとえばポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリ(N−メチルジアリルアミン)、ポリ(N−エチルジアリルアミン)、ジイソシアネート(例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイシシアネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート)と3級アミノ基を有するジオール(例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N’−3−ヒドロキシプロピルピペラジン)との重付加体等)をメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド、エチルアイオダイド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチルを付加させて得ることもできる。
これらのうち好ましい重合体としては、下記の具体例が挙げられる。
一般式(2)又は(3)で表される単位を有する重合体は、以下のアンモニウム基を有する単量体の単独重合体や、該単量体を含む共重合体として得ることができる。
上記アンモニウム基を有する単量体としては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、アリルアミン塩酸塩等を挙げることができる。
これらの単量体と共重合可能な単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸C1−18アルキルエステルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなど]、(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、アラルキルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルなど]、置換(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど]、(メタ)アクリルアミド類[例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチ(メタ)アクリルアミドなど]、芳香族ビニル類[スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど]、ビニルエステル類[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど]、アリルエステル類[酢酸アリルなど]、ハロゲン含有単量体[塩化ビニリデン、塩化ビニルなど]、シアン化ビニル[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[エチレン、プロピレンなど]などが挙げられる。
これらの共重合体可能な単量体の中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類が好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、スチレンが特に好ましい。
これらの重合体は該モノマーをラジカル(共)重合により合成できる。ラジカル重合としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等、公知の方法を使用できる。また、必要に応じて当業者には周知の重合開始触媒を用いることができる。
本発明にかかるオニウム基を有する重合体は、重量平均分子量として1000以上50000以下が好ましく、2000以上30000以下がより好ましい。
本発明におけるオニウム基を有する重合体の好ましい使用量は、上記複数種の液体全体に対して1質量%〜90質量%が好ましく、10質量%〜75質量%が更に好ましく、20質量%〜50質量%が特に好ましい。上記使用量より少ないと、本発明の効果を有効に発揮できない場合があり、一方多いと高粘になるため、インク液の吐出性に問題が生じる場合がある。
(含窒素ヘテロ環を有する重合体)
含窒素ヘテロ環を有する重合体は、含窒素ヘテロ環を有する単量体のみのホモポリマーであっても、含窒素ヘテロ環を有する単量体と他の単量体との共重合体であってもよい。含窒素ヘテロ環を有する重合体の構成中、含窒素ヘテロ環を有する単量体は、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。
ここで、含窒素へテロ環としては、具体的に、飽和へテロ環(例えば、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、カプロラクタム、バレロラクタム)、および不飽和へテロ環(例えば、イミダゾール、ピリジン、ピロール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、インドール、プリン、キノリン、トリアジン等)が挙げられる。
これらの含窒素ヘテロ環はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルバモイル基、アミノ基等が挙げられる。
本発明にかかる重合体はこれらの含窒素へテロ環を有するビニル単量体から得られる重合体であることが好ましい。具体的には、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリロイルチオモルホリン、N−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等が挙げられる。これらのうち、N−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンが特に好ましい。
さらに本発明にかかる重合体は、前記単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。共重合可能な単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸C1−18アルキルエステルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなど]、(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、アラルキルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルなど]、置換(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど]、(メタ)アクリルアミド類[例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチ(メタ)アクリルアミドなど]、芳香族ビニル類[スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど]、ビニルエステル類[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど]、アリルエステル類[酢酸アリルなど]、ハロゲン含有単量体[塩化ビニリデン、塩化ビニルなど]、シアン化ビニル[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[エチレン、プロピレンなど]などが挙げられる。
これらの共重合体可能な単量体の中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類が好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、スチレンが特に好ましい。
含窒素へテロ環を有する重合体の構造中、含窒素へテロ環を有する単量体は、10モル%以上100モル%以下であることが好ましく、20モル%以上100モル%以下であることがより好ましい。
これらの重合体は該モノマーをラジカル(共)重合により合成できる。ラジカル重合としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等、公知の方法を使用できる。また、必要に応じて当業者には周知の重合開始触媒を用いることができる。
さらには、本発明にかかる重合体を重縮合により得ても良い。2,4−ジクロロトリアジン(例えば2,4−ジクロロ−6−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン)とジアミン(例えば、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジブチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジオクチルヘキサメチレンジアミン等)との重縮合により得られる重合体、あるいはピペラジンとジカルボン酸(例えばアジピン酸)エステルとの重縮合により得られる重合体も挙げることができる。
好ましい含窒素ヘテロ環ポリマーとして、以下の具体例を挙げることができる。
さらに、下記の重合体も、好ましい具体例として挙げることができる。
本発明にかかる含窒素ヘテロ環を有する重合体は、重量平均分子量として1000以上50000以下が好ましく、2000以上30000以下がより好ましい。
本発明における含窒素複素環を含む重合体の好ましい使用量は、上記複数種の液体全体に対して1質量%〜90質量%が好ましく、10質量%〜75質量%が更に好ましく、20質量%〜50質量%が特に好ましい。上記使用量より少ないと、本発明の効果を有効に発揮できない場合があり、一方多いと高粘になるため、インク液の吐出性に問題が生じる場合がある。
(金属化合物)
金属化合物としては脂肪族カルボン酸(例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸、乳酸、ピルビン酸等)の金属塩、芳香族カルボン酸(例えば安息香酸、サリチル酸、フタル酸、桂皮酸等)の金属塩、脂肪族スルホン酸(例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、2−エチルヘキサンスルホン酸等)の金属塩、芳香族スルホン酸(ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等)の金属塩、または1,3−ジケトン金属化合物があげられ、これらのうち脂肪族カルボン酸の金属塩または1,3−ジケトン金属化合物が好ましい。
前記脂肪族カルボン酸としては直鎖でも分岐でも環状でもよく、炭素数2〜40が好ましく、炭素数6〜25がより好ましい。また、置換基を有していてもよく、該置換基としてはアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルバモイル基、アミノ基、カルボキシ基等が挙げられる。
置換基としてのアリール基として、好ましくは、フェニル基、アルキルフェニル基(例えば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、クメニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基)、ナフチル基、フロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、シアノフェニル基等が挙げられ、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
置換基としてのアルコキシ基として、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基であり、より好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基である。
置換基としてのアリールオキシ基として、好ましくは、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、クメニルオキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基、クロロフェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、アセトキシフェノキシ基であり、より好ましくはフェノキシ基である。
置換基としてのハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。
置換基としてのカルバモイル基として、好ましくは、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基など)、アリールカルバモイル基(例えば、フェニルカルバモイル基)であり、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基がより好ましい。
置換基としてのアミノ基として、好ましくは、1級アミノ基、N−置換アミノ基(例えば、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基)、N,N−2置換アミノ基(例えば、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−エチル−N−オクチルアミノ基、N−メチル−N−ベンシルアミノ基)であり、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基がより好ましい。
特に好ましい脂肪族カルボン酸は、n−ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、n−オクタン酸、ラウリル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸である。さらにはエチレンジアミン4酢酸も好ましく挙げることができる。
前記1,3−ジケトンとしては、直鎖でも分岐でも環状でもよく、炭素数5〜40が好ましく、炭素数5〜25がより好ましい。例えば、2,4−ペンタジオン、3,5−ヘプタジオン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタジオン、4,6−ノナジオン、7,9−ペンタデカジオン、2,4−ジメチル−7,9−ペンタデカジオン、2−アセチルシクロペンタノン、2−アセチルシクロヘキサノン、3−メチル−2,4−ペンタジオン、3−(2−エチルヘキシル)2,4−ペンタジオン、3−[4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンジル]−2,4−ペンタジオン等があげられ、2,4−ペンタジオン、7,9−ペンタデカジオン、3−[4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンジル]−2,4−ペンタジオンが好ましい。
これらの基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としてはアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルバモイル基、アミノ基、カルボキシ基等が挙げられる。置換基としてより好ましいアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルバモイル基、アミノ基については、上記脂肪族カルボン酸の場合と同様である。
前記金属化合物の金属としては、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、コバルト、ニッケル、及び銅からなる群より選択される1種を挙げることができ、中でも亜鉛、アルミニウム、ニッケルが好ましく、特に亜鉛が好ましい。
本発明における好ましい脂肪族カルボン酸の金属塩として、以下のものを挙げることができる。
さらに、本発明における好ましい1,3−ジケトン金属化合物として、以下の具体例を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸の金属塩及び1、3−ジケトン金属化合物は、溶液中での錯形成反応により合成することが可能である。あるいは、これに限定されず、その他の公知の方法を採用することもできる。
本発明における金属化合物の好ましい使用量は、上記複数種の液体全体に対して1質量%〜90質量%が好ましく、10質量%〜75質量%が更に好ましく、20質量%〜50質量%が特に好ましい。上記使用量より少ないと、本発明の効果を有効に発揮できない場合があり、一方多いと高粘になるため、インク液の吐出性に問題が生じる場合がある。
<高沸点有機溶媒(オイル)>
本発明中での、高沸点有機溶媒とは25℃での粘度が100mPa・s以下又は60℃での粘度が30mPa・s以下であり、且つ沸点が100℃よりも高い有機溶媒を示す。
ここで、本発明における「粘度」は、東機産業(株)社製のRE80型粘度計を用いて求めた粘度をさす。RE80型粘度計は、E型に相当する円錐ロータ/平板方式粘度計であり、ロータコードNo.1番のロータを用い、10rpmの回転数にて測定を行う。但し、60mPa・sより高粘なものについては、必要により回転数を5rpm、2.5rpm、1rpm、0.5rpm等に変化させて測定を行う。
また、本発明において「水の溶解度」とは、25℃における高沸点有機溶媒中の水の飽和濃度であり、25℃での高沸点有機溶媒100gに溶解できる水の質量(g)を意味する。
上記高沸点有機溶媒の使用量としては、使用する着色剤に対し、塗設量換算で5〜2000質量%が好ましく、10〜1000質量%がより好ましい。
<貯蔵安定剤>
本発明においては、複数種の液体の保存中における好ましくない重合を抑制する目的で、貯蔵安定剤を添加することができる。貯蔵安定剤は、重合性化合物と同じ液体に共存させて用いることが好ましく、また、該液体或いは共存する他の成分に可溶性のものを用いることが好ましい。
貯蔵安定剤としては、4級アンモニウム塩、ヒドロキシアミン類、環状アミド類、ニトリル類、置換尿素類、複素環化合物、有機酸、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノエーテル類、有機ホスフィン類、銅化合物などが挙げられる。
貯蔵安定剤の添加量は、用いる重合開始剤の活性や重合性化合物の重合性、貯蔵安定剤の種類に基づいて適宜調整するのが好ましいが、保存安定性と液体混合時のインクの硬化性とのバランスといった観点からは、液体中における固形分換算で0.005〜1質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.2質量%がさらに好ましい。
<液体付与手段>
本発明のインクジェット画像記録方法においては、第1の液体の記録媒体上への付与手段として、インクジェットノズルでの噴出によるもののほかに、塗布等、他の手段を用いてもよい。
上記塗布に用いる装置としては特に制限はなく、公知の塗布装置を目的に応じて適宜選択することができる。例えば、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロットコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、押出コーター等が挙げられる。
<エネルギー付与工程>
本発明において重合性化合物の重合を進行させるための露光光源としては、紫外線、可視光線などを使用することができる。また、光以外の放射線、例えば、α線、γ線、X線、電子線などでエネルギー付与を行うこともできるが、これらのうち、紫外線、可視光線を用いることがコスト及び安全性の点から好ましく、紫外線を用いることが更に好ましい。硬化反応に必要なエネルギー量は、重合開始剤の種類や含有量などによって異なるが、一般的には、1〜500mJ/cm2程度である。
以上説明したように、本実施形態によれば、記録媒体に対して処理液を付与してからインク滴を打滴するため、記録媒体上に形成されるドットは、従来のように平衡点に達することなく、UV光照射されるまでそのドット径が広がり続けるので、所望のドット径をより広い範囲で制御することができる。また、記録密度や打滴量に応じて、インク滴が打滴されてからUV光照射されるまでの時間Tを変えることにより、最適な画像を実現することができる。
以上、本発明の画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…インクジェット記録装置、12S…吐出ヘッド(処理液吐出ヘッド)、12K、12C、12M、12Y…吐出ヘッド(インク吐出ヘッド)、16K、16C、16M、16Y…予備硬化光源、18…本硬化光源、20…記録紙、22…吸着ベルト搬送部、31、32…ローラー、33…ベルト、16…記録紙、50…吐出ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、54…供給口、55…共通流路、56…振動板、57…個別電極、58…圧電素子、72…システムコントローラ、76…モータドライバ、80…プリント制御部、84…ヘッドドライバ、85…光源ドライバ、88…搬送モータ、89…光源移動モータ