JP2015131420A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高画質画像を高い生産性で容易に形成できる画像形成装置を提供する。【解決手段】紫外線硬化型液体の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成したヘッドユニット11と、媒体に着弾した液滴に紫外線光を照射する紫外線ランプユニット51とを備え、媒体上に解像度の低い下層と解像度の高い上層とを積層して目的画像を形成するとき、下層を形成するときに液滴を吐出してから紫外線ランプユニット51によって紫外線光を照射するまでの第1時間は、上層を形成するときに液滴を吐出してから紫外線ランプユニット51によって紫外線光を照射するまでの第2時間よりも長くする。【選択図】図16
Description
本発明は画像形成装置及び画像形成方法に関する。
画像形成装置として、例えば液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてのインクジェット記録装置が知られている。
このような画像形成装置として、立体画像を形成したり、画像濃度を上げたりするために、紫外線硬化型インクなどの活性エネルギー線硬化型液体を使用して、液体層を順次硬化させながら積層して画像を形成するものがある。
ここで、印刷時間を短縮するために、複数の解像度によってインク層(液体層)を形成するものが知られている(特許文献1)。
しかしながら、解像度の比較的低い層の上に比較的高い解像度で画像を形成した場合、低い層の凹凸の影響を受けて、本来の高解像度の画像を形成できないという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、高画質画像を高い生産性で容易に形成できるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
活性エネルギー線硬化型液体の液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、
媒体に着弾した前記液滴に前記活性エネルギー線を照射するエネルギー線照射手段と、を備え、
前記媒体上に、少なくとも解像度の低い下層と解像度の高い上層とを積層して目的画像を形成するとき、
前記下層を形成するときに前記液滴を吐出してから前記活性エネルギー線を照射するまでの第1時間は、前記上層を形成するときに前記液滴を吐出してから前記活性エネルギー線を照射するまでの第2時間よりも長い
構成とした。
活性エネルギー線硬化型液体の液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、
媒体に着弾した前記液滴に前記活性エネルギー線を照射するエネルギー線照射手段と、を備え、
前記媒体上に、少なくとも解像度の低い下層と解像度の高い上層とを積層して目的画像を形成するとき、
前記下層を形成するときに前記液滴を吐出してから前記活性エネルギー線を照射するまでの第1時間は、前記上層を形成するときに前記液滴を吐出してから前記活性エネルギー線を照射するまでの第2時間よりも長い
構成とした。
本発明によれば、高画質画像を高い生産性で容易に形成できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1を参照して説明する。図1は同画像形成装置の模式的説明図である。
この画像形成装置1は、画像形成部として、活性エネルギー線硬化型液体、例えば紫外線を照射することで硬化するインクの滴(インク滴)を吐出するヘッドを集積したヘッドユニット11を備えている。このヘッドユニット11の媒体搬送方向下流側には、活性エネルギー線照射手段である紫外線ランプユニット51が配置されている。この紫外線ランプユニット51によって媒体14上に吐出されたインク滴に紫外線を照射することで、インク滴が硬化して媒体14上に定着する。
また、図示しないが、ヘッドユニット11の各ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニットを備えている。また、インクを供給するインクカートリッジ7K、7C、7M、7Y(以下、区別しないときは「インクカートリッジ7」という。他の部材も同様である。)を備えている。また、インクカートリッジ7からのインクを一部貯蔵し、ヘッドユニット11のヘッドに適切な圧力でインクを供給するサブインクタンク8K、8C、8M、8Yを備えている。
さらに、搬送機構として、ヘッドユニット11に対向して媒体14を吸着して搬送する搬送ベルト13を有している。搬送ベルト13は、搬送ローラ19と従動ローラ21との間に掛け回され、テンションローラ15にて適切な張力を保つようにテンションが与えられている。搬送ベルト13の内側には適切な平面性を保つためのプラテン部材24が配置されている。また、媒体14を吸着するための静電帯電を搬送ベルト13に与える帯電ローラ18が配置されている。
搬送機構の下流側には、媒体14を搬送ベルト13から分離させる分離爪20と、排紙するための搬送を行う排紙ローラ16と、媒体14を押さえる排紙コロ17と、排紙した媒体14をストックしておく排紙トレイ4からなる排紙機構が配置されている。
搬送機構の上流側には、印写する媒体14をストックする給紙トレイ3と、給紙トレイ3より一枚ずつ媒体14を送り出す給紙コロ12と、送られてきた媒体14を搬送ベルト13に確実に吸着させるカウンターローラ23とからなる給紙機構が配置されている。また、手差しにて給紙した場合に用いられる手差しトレイ5を有している。
また、メンテナンス後に排出される廃液を回収する廃液タンク9や、装置を操作し装置状態を表示することができる操作パネル6も備えている。
各ヘッドユニット11のノズル列は媒体14の搬送方向に直交するように配列されており、記録領域以上の長さのノズル列を形成している。給紙トレイ3から媒体14が給紙コロ12にて一枚ずつ分離されて搬送ベルト13に送り込まれる。
そして、搬送ベルト13に吸着された媒体14がヘッドユニット11の下を通過するときに媒体14に液滴が吐出されることで、高速で液滴にて媒体14にパターンニングができる。このパターニングが終了すると、紫外線ランプユニット51によりインクに紫外線が照射され、媒体14上のインクが硬化し媒体14に定着する。
その後、媒体14の先端が分離爪20にて搬送ベルト13から分離され、排紙ローラ16と排紙コロ17にて支えられて排紙トレイ4に印刷物が排出される。
ここで、媒体14に複数回、重ねてパターンニングするときには、パターニング後、媒体14の後端部を排紙ローラ16と排紙コロ17に挟持した状態で給紙側に引き込み、搬送ベルト13を介して手差しトレイ5に媒体14を引き戻し搬送させる。
そして、再度、手差しトレイ5からヘッドユニット11の下に給紙して、ヘッドユニット11から液滴を吐出して所要のパターニングをし、紫外線ランプユニット51により紫外線を照射して硬化定着させる。
この動作をパターニングの数だけ繰り返し、パターニングが終了すると、媒体14を排紙トレイ4に排出する。
ここで、この画像形成装置の記録ヘッドを構成しているヘッドユニット11の一例について図2ないし図4を参照して説明する。図2は同ヘッドユニットをノズル面側から見た平面説明図、図3は同ヘッドユニットを構成する1つのヘッドをノズル面側から見た平面拡大説明図、図4は同じく1つのヘッド部分をノズル面側から見た平面拡大説明図である。
ヘッドユニット11は、ヘッド支持部材100に6個の液体吐出ヘッド101A〜101Fを、2列千鳥状に、ノズル面104に形成されたノズル102の並び方向(ノズル列103に沿う方向)に一部を重複させて配置して構成している。
1つのヘッド101は、液滴を吐出する複数のノズル102を並べて配置したノズル列103を2列千鳥状に配置したノズル面104を有している。
そして、ヘッド支持部材100と液体吐出ヘッド101との間には、図4に示すように、充填剤105が充填されて密閉されており、ノズル面104側からの隙間をなくしている。
また、ヘッド支持部材100とノズル面104はほぼ同一の平面に位置するように固定している。
つまり、ワイピング時にノズル面104とヘッド外周部材であるヘッド支持部材100との間に段差があると、ワイパ140が段差に捕われ、ノズル面104に均等な力で接触できなくなり、ワイピングを行ったときに拭き残しが生じる。また、段差にはワイパブレードが接触できない死角が発生するためインクが溜りやすく、溜ったインクが印字中に媒体14に落ちることで、画像品位を低下させる。さらに、段差があると局所的にワイパブレードにかかる圧力が高くなるため、ワイパブレードと接触部位との摩擦が高まり、耐久的にワイパブレードのノズル面接触端面の摩耗が引き起こされる。
次に、ヘッドユニット11の他の例について図5及び図6を参照して説明する。図5は同ヘッドユニットをノズル面側から見た平面説明図、図6は同ヘッドユニットを構成する1つの液体吐出ヘッドをノズル面側から見た平面拡大説明図である。
ヘッドユニット11は、ヘッド支持部材100に6個のヘッド111A〜111Fを2列千鳥状にノズルの並び方向(ノズル列に沿う方向)に一部を重複させて配置して構成している。
1つの液体吐出ヘッド111は、液滴を吐出する複数のノズル112を千鳥状に2列並べた複数列のノズル列113a〜113fを配置したノズル面104を有している。そして、ヘッド支持部材100とヘッド111との間には前述したと同様に充填剤が充填されて密閉されており、ノズル面104側からの隙間をなくしている。
このヘッドユニット11を用いた場合、ノズル列113a〜113f毎にインクの色を異ならせることで装置を大型化することなく多色化が可能である。また、同じ色のインクを用いた場合、全ノズルの同時吐出ができないヘッドでは、複数のノズル列で吐出が可能となることから、同じインクを間引きなしに吐出が可能となり、印写速度を向上させることができる。
この構成のヘッドユニット11で多色化を行った場合、隣接ノズル列の着弾位置精度が最も高くなるので、着弾位置を検知しやすい濃色インクをヘッドユニット11の中央側に、淡色インクをヘッドユニット11の外縁側に配置することが好ましい。
このように構成したこの画像形成装置においては、各ヘッドユニット11のノズル列は媒体14の搬送方向に直交するように配列されており、複数のヘッドが配置されることで記録領域以上の長さのノズル列を形成している。
また、ヘッドユニット11は図示しないモータにより上下可能な構成にしており、パターニングの回数に応じてインクの厚みを考慮してヘッドと媒体14との垂直方向の距離を調整可能としている。
なお、液体吐出ヘッドとしては、電歪素子に電圧を印加して電歪素子を変形させることで液滴を吐出する圧電型ヘッド、電熱変換素子に電流を流すことで発熱させて、発熱により液体を発泡させることで液滴を吐出するサーマル型ヘッドを用いることができる。また、振動板と電極間の静電力で振動板を変形させ機械的は振動板の復元力で液滴を吐出させる静電型ヘッドなどを用いることもできる。つまり、液滴を吐出させるアクチュエータ手段(圧力発生手段)は限定されるものではない。
圧電型ヘッドでは、圧電素子を駆動する駆動波形を調整することで、様々な大きさの液滴を吐出させることができ、階調性が良好な画像を形成するのに有利である。一方、サーマル型ヘッドは、ノズルの高集積化が容易であるため、多ノズルヘッドの作製に向いていることから、解像度が高い画像を高速で印刷するのに有利である。
また、液体吐出ヘッドは、液流路から吐出口(ノズル)にかけての形状が直線的であるエッジシュータ方式であっても良いし、液流路の向きと吐出口の向きが異なるサイドシュータ方式であっても良い。
次に、ヘッドユニット11の配列の概要について図7及び図8を参照して説明する。図7は同説明に供する平面説明図、図8は正面説明図である。
ヘッドユニット11A〜11Dは画像形成位置に配置している。
ヘッドユニット11AC〜11DCは、コンポジットブラックが形成可能なカラーヘッドであり、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタの少なくともいずれか2色が吐出可能なヘッドユニットである。
ヘッドユニット11AB〜11DBは、ブラックインクヘッドであり、例えばブラック、つや消しブラック、ライトブラックの少なくともいずれか一つが吐出可能なヘッドユニットである。
ヘッドユニット11A〜11Dから搬送ベルト13上の吐出可能な領域26A〜26Dは、媒体の全面となるように位置している。
搬送ベルト13は、図7で媒体14を媒体搬送方向に搬送する。
また、それぞれのヘッドユニット11AC〜11DC及びヘッドユニット11AB〜11DBの位置は、メンテナンスユニット10から吐出可能な領域26A〜26Dの間で自由に移動可能なように構成している。
また、各ヘッドユニット11AC〜11DC及びヘッドユニット11AB〜11DBは、搬送経路の外側に配置された、各ヘッドの吐出の維持又は回復動作を行うメンテナンスユニット10A〜10Hの位置まで、媒体搬送方向と直交する方向に移動可能である。
このように、搬送経路の外側で維持回復動作を行えるので、印字中にも維持又は回復が可能である。なお、維持又は回復は、「メンテナンス」又は「維持回復」とも言うが同等な意味に用いる。維持動作とは、吐出を連続して行うための動作であり、例えば非記録領域にインク滴を吐出する空吐出動作を意味する。回復動作とはヘッドの不吐出部を再度吐出可能にするためにヘッド面を吸引してインクを排出させたり、供給口からインクを加圧供給し、ヘッドからインクを排出させたり、その後、ヘッドに付着している余分なインクをふき取る等の動作を意味する。
ヘッドユニット11に対応するメンテナンスユニット10は、キャップ149と空吐出受け141、ワイパ140及びそれらの上下動のためのフレームと駆動源(図示していない)、キャップ吸引経路とその吸引ポンプからなっている。
メンテナンス動作は、メンテナンスユニット10の近傍にて実施される。メンテナンス動作は、空吐出と吸引動作とワイピングで構成しているが、これに限定するものではない。例えば、キャップによる吸引の代わりに、インク供給口からインクを加圧供給して、インクをヘッドから排出するようにしてもよい。
このようなヘッドユニット11の移動はシリアル型画像形成装置と同様に行われる。
ヘッドユニット11の移動機構について図9及び図10も参照して説明する。図9は同説明に供する正面説明図、図10は同じく平面説明図である。
ヘッドユニット11にはエンコーダ読み取りセンサ146とベルトクリップが設けられており、エンコーダ読み取りセンサ146はリニアエンコーダシート142を検知できるように、リニアエンコーダシート142とヘッドユニット11との隙間に通している。
また、ヘッドユニット11はガイドロット25に移動可能に支持されている。そして、ヘッドユニット移動モータ144とテンションローラ145の間に張られたヘッドユニット移動ベルト143をヘッドユニット11に設けられたベルトクリップ147にて咥えてベルト143の移動をヘッドユニット11に伝達している。
また、ヘッドユニット11にインクを供給するインク供給チューブ148は、ヘッドユニット11の動きに応じて変形可能であり、最大のインクの消費でもインクを供給するのに十分である低い流体抵抗となるように断面積が設定されている。
次に、この装置の制御部の概要について図11を参照して説明する。図11同制御部のブロック説明図である。
制御部300は、装置全体の制御を司るCPU301と、CPU301が実行するプログラム、駆動波形データ、その他の固定データを格納するROM302と、画像データ等を一時格納するRAM303とを備えている。
また、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)304と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC305とを備えている。
また、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F306と、ヘッドユニット11の各ヘッドの圧力発生手段を駆動制御するための駆動波形を生成するヘッド制御部307とを備えている。
また、媒体搬送モータ309を駆動するための媒体搬送モータ駆動部308と、ヘッドユニット(キャリッジ)移動モータ311を駆動するためのヘッドユニット移動モータ駆動部310とを備えている。
また、維持ユニット移動モータ313を駆動するための維持ユニット移動モータ駆動制御部312と、インク経路の電磁弁315を開閉制御するためのインク経路バルブ制御部314とを備えている。また、キャップ吸引モータ317やインク供給モータ318の駆動を制御する送液吸引モータ駆動制御部316を備えている。
また、紫外線ランプユニット51の点灯制御をするランプユニット駆動制御部351を備えている。
また、搬送ベルト13の移動量及び移動速度に応じた検知信号を出力するエンコーダや、環境温度及び環境湿度(いずれか一方でも良い)を検出するセンサなどの各種センサ323からの検知信号を入力するI/O322を備えている。
この制御部300には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行なうための操作パネル6が接続されている。
制御部300は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F306で受信する。
そして、CPU301は、I/F306に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC305にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、ヘッドユニット11のヘッド幅の1ページ分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を、クロック信号に同期して、ヘッド制御部307に送出する。
ヘッド制御部307は、ヘッド駆動情報をヘッド駆動制御部321に転送する。ヘッド駆動制御部321は、ページ単位で入力されるヘッドユニット11の1ページ分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいて選択的にヘッドユニット11の各ヘッド101(又はヘッド111でもよい。)の圧力発生手段に印加してヘッドユニット11の各ヘッド101を駆動する。
また、ヘッド制御部307は、CPU301より発された液滴検知の命令を液滴検知制御部320に転送し、液滴検知制御部320は命令のタイミングに従って液滴検知装置324を制御する。液滴検知装置324は、発光手段である発光部325、受光手段である受光部326、光軸偏向装置327を通じてヘッドユニット11の各ヘッド101からの液滴の吐出状態を検知し、検知結果に基づいて得られる検出データを液滴検知制御部320を介してCPU301へ転送する。
次に、インクについて説明する。
インクに用いられる色材として、顔料、染料のいずれでも用いることができ、混合して用いることもできる。
インクに用いる水分散性着色剤は特に限定されないが、顔料表面に少なくとも1種の親水基が直接若しくは他の原子団を介して結合するような処理がなされたことにより分散剤なしに水に分散可能となった顔料であるか、もしくは樹脂微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョン、また界面活性剤もしくは平均分子量50000以下の水溶性高分子化合物を単独もしくは併用することによって分散安定化された顔料の水分散着色剤を、単独もしくは併用することが好ましい。
用いる顔料種は特に限定されないが、有機顔料や無機顔料を用いることができ、特に比重の面で有機顔料が好適に用いられる。
また、これら顔料は複数種類を混合して用いても良い。
これらの顔料の粒子径は0.01〜0.30μmで用いることが好ましく、0.01μm以下では粒子径が染料に近づくため、耐光性、フェザリングが悪化してしまう。また、0.30μm以上では、吐出口の目詰まりや装置内のフィルタでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができない。
このような水分散性着色剤は色材分子が集合状態(結晶状態を含む)であるか樹脂分子と共存しており単分子で存在していないため、耐水性、耐光性、耐ガス性に優れており、このような着色剤を用いると画像保存性を向上することが可能となる。
特に、顔料表面に少なくとも1種の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合するような処理がなされたことにより分散剤なしに水に分散可能となった顔料、もしくは樹脂微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを用いた場合、着色剤固形分に対するインク粘度が低く押さえられるため、水分散性樹脂や湿潤材を多く入れることが可能となる。
インクに用いる樹脂は特に限定されないが、水分散性樹脂は水分散着色剤との混和性からpHが6〜11が好ましく、pHが7〜9がより好ましい。
また分散性樹脂の特徴として平均粒子径が小さいものほど粘度が上昇する傾向がある。過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径は50nm以上が好ましい。
さらに、液体吐出ヘッドのインク流路やノズル開口は小さいため、粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させることは知られている。インク吐出性を阻害させないために平均粒子径が500nm以下が好ましく、特に150nm以下が好ましい。
水分散性樹脂は水分散着色剤を紙面に定着させる働きを持つことが好ましく、定着性を向上させるためには最低造膜温度(MFT)が20℃以下であることが好ましい。しかし、ガラス転移点が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移点が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
インクを所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。
水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
また、浸透剤はインクと被記録材(媒体)の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤ならびにポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤が例示でき、これらの化合物は液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。
インクは防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。
また、インクは防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。
また、インクは酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を含有することによって、腐食の原因となるラジカル種が生じた場合にも酸化防止剤がラジカル種を消滅させることで腐食を防止することができる。
インクはpH調整剤を含有することができる。インクのpHは3〜11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。pH調整剤は本発明記録液のpHを好ましい範囲に調整することができる。
インクの表面張力は、20〜60mN/mであることが好ましく、被記録材との濡れ性と液滴の粒子化の両立の観点からは30〜50mN/mであることがさらに好ましい。
インクの粘度は、1.0〜20.0mPa・sであることが好ましく、吐出安定性の観点からは2.0〜10.0mPa・sであることがさらに好ましい。
インクの粘度は、1.0〜20.0mPa・sであることが好ましく、吐出安定性の観点からは2.0〜10.0mPa・sであることがさらに好ましい。
次に、本実施形態における画像形成方法について図12を参照して説明する。図2は同画像形成方法で形成した画像の模式的説明図である。
本実施形態では、媒体14上に、少なくとも解像度の低い下層401と解像度の高い上層402とを積層して目的画像を形成する。例えば、300dpi×300dpiの解像度で下層401をパターニングし、下層401上に600dpi×600dpiの解像度で上層402をパターニングすることで、目的画像を形成する。
ここで、下層401の液滴を吐出した後紫外線光を照射するまでの第1時間は、上層402の液滴を吐出した後紫外線光を照射するまでの第2時間よりも長くしている。
これにより、下層401は液滴の着弾から硬化までの時間が長くなり、下層401の平坦性が向上するので、この下層401上に上層402を形成することで、所要の高い解像度の画像を得ることができる。一方、高い解像度の層を順次積層する場合よりも生産性を向上できる。
この本実施形態の作用効果について図13及び図14も参照して説明する。図13は比較例1による画像形成方法で形成した画像の模式的説明図、図14は比較例2による画像形成方法で形成した画像の模式的説明図である。
比較例1の画像形成方法は、最終解像度で複数の層を形成して目的画像を形成するものである。図13に示す例では、600dpi×600dpiの解像度で3層402A、402B、402Cを順次硬化させながら積層してベタ画像の目的画像を形成している。
この場合、平均厚みを30μmに設定し、一滴当たりの液滴量を18plにして3層パターニングを繰り返したときの表面粗さを示す十点平均粗さはRz9であった。
比較例2の画像形成方法は、低解像度の下層と高解像度の上層とを順次硬化させながら形成して目的画像を形成し、滴吐出から紫外線光の照射までの第1時間を第2時間以上にするものである。図14に示す例では、下層401は実施形態と同様に300dpi×300dpiとし、上層402は実施形態と同様に600dpi×600dpiとし、第1時間及び第2時間はいずれも100msとした。
この場合、平均厚みを30μmに設定し、300dpiの一滴当たりの滴量を72pl、600dpiの滴量を18plにして2層パターニングを繰り返している。
このときの十点平均粗さはRz15であった。
このときの十点平均粗さはRz15であった。
これに対し、本実施形態では、300dpiの下層401の滴吐出から紫外線光の照射までの第1時間を150msとし、600dpiの上層402の滴吐出から紫外線光の照射までの第2時間を100msとした。このときの十点平均粗さはRz10であった。この十点平均粗さは600dpiで3層重ねたときとほぼ同様である。
このように、低解像度の下層については滴吐出から紫外線光照射までの時間を長くすることによって平坦性が向上し、この平坦な面に上層を形成することによって、高い解像度の画像を、最初から高い解像度の層を重ねる場合よりも効率的に形成することができる。
ここで、300dpiの下層の滴吐出から紫外線光の照射までの時間と600dpi、1200dpiの上層の画像の凹凸感(官能評価)と十点平均粗さRzの関係についての評価結果の一例を図15に示している。
ここでは、紫外線光の照射積算光量は500mjになるように調整している。
この評価結果から、本評価に用いた条件では、300dpiの画像を600dpiの画像の下層として形成する場合は、150ms〜250msの間にすることで良好な画像を得られている。なお、上層については滴吐出から紫外線光照射までの時間を100msとしている。
同様に、300dpiの画像を1200dpiの画像の下層として形成する場合は、200ms〜250msの間にすることで良好な画像を得られる。なお、上層については滴吐出から紫外線光照射までの時間を50msとしている。
なお、上記の条件は限定的なものではなく、媒体の濡れ広がり性(表面エネルギー)、インクの濡れ広がり性(表面エネルギー)、インクと媒体の表面エネルギーによる。媒体とインクとの関係を実験的に求め、不揮発メモリ(記憶手段)にテーブル化したデータを格納しておき、各条件でそのデータを下に滴吐出から紫外線光の照射までの時間を決定することが好ましい。
次に、滴吐出から紫外線光の照射までの時間を可変する構成の一例について図16を参照して説明する。
ここでは、紫外線ランプユニット51は、図示しない駆動手段によって、例えば実線図示の位置と二点鎖線図示の位置との間で、任意の位置で停止可能に、媒体搬送方向に移動可能に配置されている。
これにより、ヘッドユニット11と紫外線ランプユニット51との間の距離を変化させることができ、滴吐出から紫外線光照射までの時間を調整することができる。例えば、紫外線ランプユニット51を媒体搬送方向下流側に移動させてヘッドユニット11との距離を長くするほど、滴吐出から紫外線光照射までの時間を長くすることができる。
なお、この構成に限らず、媒体14の送り速度を変化させることによっても滴吐出から紫外線光の照射までの時間を調整することができる。また、媒体の送り速度の変化とヘッドユニット11と紫外線ランプユニット51との間の距離の変化とを組み合わせることで、更に調整範囲は広がる。
また、滴吐出から紫外線光の照射までの時間の調整方法は、例えば媒体にパターンを形成させているときは紫外線ランプユニット51を消し、パターン形成後に、媒体を停止若しくは待機させた後、紫外線ランプユニット51を点灯させて、パターンに紫外線光を照射させることによっても行うことができる。
以上のように、本実施形態では下層を低解像度にすることで層数を低減して生産性を上げるとともに上層の高解像度の画質のまま画像を形成できる。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、媒体、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
11 ヘッドユニット
13 搬送ベルト
14 媒体
51 紫外線ランプユニット
13 搬送ベルト
14 媒体
51 紫外線ランプユニット
Claims (4)
- 活性エネルギー線硬化型液体の液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、
媒体に着弾した前記液滴に前記活性エネルギー線を照射するエネルギー線照射手段と、を備え、
前記媒体上に、少なくとも解像度の低い下層と解像度の高い上層とを積層して目的画像を形成するとき、
前記下層を形成するときに前記液滴を吐出してから前記活性エネルギー線を照射するまでの第1時間は、前記上層を形成するときに前記液滴を吐出してから前記活性エネルギー線を照射するまでの第2時間よりも長い
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記媒体の送り速度を変化させて前記第1時間を前記第2時間よりも長くすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記液体吐出ヘッドと前記活性エネルギー線照射手段との距離を変化させて前記第1時間を前記第2時間よりも長くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 液体吐出ヘッドから活性エネルギー線硬化型液体の液滴を媒体に吐出し、媒体に着弾した前記液滴に前記活性エネルギー線を照射して硬化させて画像を形成する画像形成方法であって、
前記媒体上に、少なくとも解像度の低い下層と解像度の高い上層とを積層して目的画像を形成するとき、
前記下層を形成するときに前記液滴を吐出してから前記活性エネルギー線を照射するまでの時間を、上層を形成するときに前記液滴を吐出してから前記活性エネルギー線を照射するまでの時間に対して調整する
ことを特徴とする画像形成方法。
Priority Applications (1)
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JP2014003400A JP2015131420A (ja) | 2014-01-10 | 2014-01-10 | 画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2014-01-10 JP JP2014003400A patent/JP2015131420A/ja active Pending
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