JP4788428B2 - 積層型電子部品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
誘電体層および内部電極層が交互に積層された構成を有する積層型電子部品であって、
前記誘電体層が、主成分として、BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 を含有し、かつ、前記BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 が、それぞれ互いに、実質的に固溶せず、複数のBaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の形態で含有され、コンポジット構造を形成している誘電体磁器組成物で構成され、
前記誘電体層を構成する複数の前記BaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子は、前記内部電極層に直接接触している粒子と、前記内部電極層に接触していない粒子と、からなり、
前記内部電極層に直接接触している粒子を、電極接触粒子とした場合に、
前記電極接触粒子中における、BaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の合計の個数に対する、CaTiO3 結晶粒子の個数の割合が、50〜80%であることを特徴とする。
誘電体層および内部電極層が交互に積層された構成を有する積層型電子部品であって、
前記誘電体層が、主成分として、BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 を含有し、かつ、前記BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 が、それぞれ互いに、実質的に固溶せず、複数のBaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の形態で含有され、コンポジット構造を形成している誘電体磁器組成物で構成され、
前記誘電体層を構成する複数の前記BaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子は、前記内部電極層に直接接触している粒子と、前記内部電極層に接触していない粒子と、からなり、
前記誘電体層を構成する複数の前記BaTiO3 結晶粒子が、対向する一対の前記内部電極層間において、一方の内部電極層から、対向する他方の内部電極層まで、連続して並ばないように配置されていることを特徴とする。
前記内部電極層に接触していない粒子を非電極接触粒子とした場合に、
対向する一対の前記内部電極層間において、一方の内部電極層に直接接触しているBaTiO3 結晶粒子と、対向する他方の内部電極層に直接接触しているBaTiO3 結晶粒子と、が複数の非電極接触粒子を介して連結されており、各内部電極層に直接接触しているBaTiO3 結晶粒子を連結している複数の非電極接触粒子には、少なくともSrTiO3 結晶粒子またはCaTiO3 結晶粒子が含有されている。
0.19≦x≦0.23、
0.25≦y≦0.31、
0.46≦z≦0.54、
x+y+z=1、
0.980≦m≦1.01、
である。
誘電体層および内部電極層が交互に積層された構成を有する積層型電子部品を製造する方法であって、
焼成後に誘電体層となるグリーンシートを形成する工程と、電極ペーストを用いて、焼成後に内部電極層となる電極ペースト膜を形成する工程と、前記グリーンシートおよび電極ペースト膜を交互に積層し、グリーンチップを得る工程と、前記グリーンチップを焼成する工程と、を有し、
焼成後の前記誘電体層が、主成分として、BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 を含有し、かつ、前記BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 が、それぞれ互いに、実質的に固溶せず、複数のBaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の形態で含有され、コンポジット構造を形成している誘電体磁器組成物からなり、
前記電極ペースト膜を形成するための電極ペーストとして、導電体粉末と、CaTiO3 粉末を含有する共材と、を含む電極ペーストを用いることを特徴とする。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図、
図2は第1実施形態に係る誘電体層の微細構造を説明するための図、
図3(A)、図3(B)は第2実施形態に係る誘電体層の微細構造を説明するための図である。
まず、本発明の第1実施形態について、図1および図2に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両端部には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
誘電体層2は、誘電体磁器組成物を含有する。
誘電体層2に含有される誘電体磁器組成物は、BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 を含む主成分を有する。
すなわち、図2に示すように、内部電極層3に直接接触している結晶粒子を電極接触粒子22とした場合に、電極接触粒子22を構成するBaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の合計の個数に対する、CaTiO3 結晶粒子の個数の割合ACT[%]を50〜80%の範囲とする。
すなわち、まず、誘電体層2の断面についてSEM観察を行い、誘電体層2のSEM像(反射電子像)を得る。そして、SEM像(反射電子像)より、誘電体層2中において内部電極層3に直接接触している粒子を特定し、これを電極接触粒子22とする。次いで、この特定した電極接触粒子22を構成する各粒子について、BaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子のいずれであるか特定する。そして、その結果に基づいて、下記式(1)により、電極接触粒子22中におけるCaTiO3 結晶粒子の個数の割合ACTを求めることができる。割合ACTを求める際には、少なくとも20個以上の電極接触粒子22を用いて、上記測定を行うことが好ましい。
割合ACT[%]=(CaTiO3 結晶粒子の個数)/(BaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の合計個数)×100 …(1)
0.19≦x≦0.23、
0.25≦y≦0.31、
0.46≦z≦0.54、
0.980≦m≦1.01、
であり、より好ましくは、
0.195≦x≦0.225、
0.255≦y≦0.305、
0.465≦z≦0.535、
0.985≦m≦1.0095、
である。なお、上記式において、x+y+z=1である。
記号x、y、zおよびmを上記範囲とすることにより、DCバイアス特性の向上効果と、電圧印加時における電歪量の低減効果と、を高めることができる。また、上記組成式において、酸素(O)量は、上記式の化学量論組成から若干偏倚してもよい。
本実施形態においては、副成分として、Mnの酸化物と、Siの酸化物と、V、Ta、Nb、W、MoおよびCrの各元素の酸化物から選択される1種以上と、をさらに含有していることが好ましい。
なお、上記含有量は各元素換算の含有量であり、たとえば、Vの酸化物において、V元素換算での含有量が0.10モルである場合には、その酸化物であるV2 O5 換算での含有量は0.05モルとなる。
内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層2の構成材料が耐還元性を有するため、卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、Ni、Cu、Ni合金またはCu合金が好ましく、特にNiまたはNi合金が好ましい。内部電極層3の主成分をNiやNi合金とした場合には、誘電体が還元されないように、低酸素分圧(還元雰囲気)で焼成することが好ましい。内部電極層3の厚さは、好ましくは0.5〜2μm、より好ましくは0.8〜1.0μmである。
外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよい。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
まず、誘電体ペーストに含まれる誘電体原料(誘電体磁器組成物粉末)を準備し、これを塗料化して、誘電体ペーストを調製する。
誘電体ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
また、主成分の原料としては、上記した各粉末以外に、ペロブスカイト構造のAサイトと、Bサイトと、の比(Ba,SrおよびCaと、Tiと、の比)を調整するために、TiO2 をさらに添加しても良い。
次に、焼成後に図1に示す内部電極層3を形成するため電極ペーストを準備する。
内部電極層3を形成するための電極ペーストとしては、導電体粉末と、共材と、有機ビヒクルと、を含有するペーストを用いる。
共材として、CaTiO3 粉末を含有するものを用いることにより、電極接触粒子22中におけるCaTiO3 結晶粒子の個数の割合ACTを、上述した範囲に制御することができる。なお、この理由としては、たとえば、次のようなことが考えられる。すなわち、電極ペースト中に含有させた共材としてのCaTiO3 粉末が、焼成時に、内部電極層3と誘電体層2との界面付近で焼結し、焼成後には、電極接触粒子22として存在することとなり、そして、その結果、電極接触粒子22中におけるCaTiO3 結晶粒子の個数の割合ACTが高なると考えられる。
次いで、上記にて作製した誘電体ペーストを用いて、ドクターブレード法などにより、キャリアシート上に、セラミックグリーンシートを形成する。セラミックグリーンシートは、焼成後に図1に示す誘電体層2となる。
そして、焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間とする。また、焼成雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とする。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
このようにして製造された本実施形態の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
第2実施形態は、図1に示す誘電体層2が、以下に示す構成となっている以外は、上述の第1実施形態と、同様の構成および効果を有し、その重複する説明は省略する。
そして、第2実施形態においては、誘電体層2を構成するBaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の3種類の結晶粒子のうち、BaTiO3 結晶粒子の誘電体層2中における配置を所定のものとする。すなわち、誘電体層2を構成する複数のBaTiO3 結晶粒子が、対向する一対の内部電極層3,3間において、一方の内部電極層3から、対向する他方の内部電極層3まで、連続して並ばないような状態で配置される。
本実施形態(第1実施形態および第2実施形態)によれば、積層セラミックコンデンサの誘電体層2を、上記した誘電体磁器組成物で構成する。
具体的には、まず、主成分としてBaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 を含み、かつ、これらが、それぞれ互いに実質的に固溶せず、複数のBaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の形態で含有されたコンポジット構造を形成している。そして、第2に、誘電体層2を構成する結晶粒子の配置を特定のものとしている。そのため、高い比誘電率を有し、DCバイアス特性および容量温度特性(特に、EIA規格のX6S特性を満足できる温度特性)を良好なものとし、電圧印加時における電歪量を低減しつつ、高温加速寿命を良好なものとすることができ、しかも高温加速寿命のばらつきを有効に防止することができる。特に、本実施形態では、比誘電率を500以上と高くすることができ、しかも、容量温度特性については、EIA規格のX6S特性を満足させることができる。
すなわち、一対の内部電極層3に挟まれている誘電体層2の層数をN層とした場合に、セラミックコンデンサを基板に固定し、ガラスエポキシ基板などの積層セラミックコンデンサ1が実装されるような通常の基板に固定したセラミックコンデンサに対し、AC:0.2Vrms/μm、DC:4V/μm、周波数:1kHzの条件で電圧を印加した際における素子本体10表面の振動幅で定義される電歪量を、好ましくは、0.125N[nm]未満、より好ましくは0.1N[nm]以下とすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した第1実施形態、第2実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
まず、主成分の原料として、BaTiO3 粉末、SrTiO3 粉末およびCaTiO3 粉末を、副成分の原料として、MnCO3 (焼成後にMnOとなる化合物)、V2 O5 、SiO2 を、それぞれ準備した。
x=0.20、
y=0.30、
z=0.50、
m=1.002、
となるように各主成分原料(BaTiO3 粉末、SrTiO3 粉末およびCaTiO3 粉末)を混合した。また、主成分100モルに対する各副成分の割合は、MnO:0.4モル、V2 O5 :0.05モル、SiO2 :0.2モルとした(ただし、MnO、SiO2 については各酸化物換算でのモル数であり、V2 O5 についてはV元素換算でのモル数である。)。
まず、導電体粉末としてのNi粉末と、共材としてのCaTiO3 粉末を準備した。そして、準備したNi粉末と、CaTiO3 粉末と、有機ビヒクルと、をボールミルで混合してペースト化し、電極ペーストを得た。本実施例では、Ni粉末100重量部に対する、共材の含有量が、表1(試料番号1〜5、ただし、試料番号1は共材を含有させなかった試料である。)に示す量となるように、各電極ペーストを調製した。
すなわち、まず、電極パターンの印刷されていないグリーンシートを合計の厚みが300μmとなるまで積層した。その上に、電極パターンの印刷されたグリーンシートを5枚積層した。さらにその上に、電極パターンの印刷されていないグリーンシートを合計の厚さが300μmとなるまで積層し、積層体とした。そして、得られた積層体について、温度80℃、圧力1t/cm2の条件で加熱・加圧して、グリーンチップを得た。
脱バインダ処理条件は、昇温速度:30℃/時間、保持温度:250℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。
焼成条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:表1に示す各温度、温度保持時間:2時間、冷却速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したN2 とH2 との混合ガス(PO2 :1.0×10−13〜1.0×10−11Pa)とした。
アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1000℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したN2 ガスとした。
なお、焼成およびアニールの際の雰囲気ガスの加湿には、水温を20℃としたウェッターを用いた。
電極接触粒子22中におけるCaTiO3 結晶粒子の個数の割合ACT、および非電極接触粒子24中におけるCaTiO3 結晶粒子の個数の割合BCTは、上述した第1実施形態に記載した方法に従って測定した。また、得られた結果より、差ACT−BCTも併せて算出した。なお、測定に際しては、それぞれ、20個の電極接触粒子22および非電極接触粒子24を用いた。結果を表1に示す。
まず、得られたコンデンサ試料を、175℃で8V/μmの直流電圧の印加状態に保持し、寿命時間を測定することにより高温加速寿命を測定した。そして、この測定を100個のサンプルについて行い、結果を平均することにより、100個のサンプルの平均寿命時間を算出し、平均寿命時間に対して、寿命時間が20%以下となったサンプルの割合を求め、これを高温加速寿命のばらつきとした。なお、本実施例では、印加開始から絶縁抵抗が2桁落ちるまでの時間を寿命と定義した。高温加速寿命のばらつきは低い方が好ましい。結果を表1に示す。
まず、コンデンサ試料に対し、基準温度25℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4284A)にて、周波数1kHz、入力信号レベル(測定電圧)1.0Vrmsの信号を入力し、静電容量Cを測定した。そして、比誘電率ε(単位なし)を、誘電体層の厚みと、有効電極面積と、測定の結果得られた静電容量Cとに基づき算出した。比誘電率は高いほうが好ましく、本実施例では、いずれの試料も、500以上となり良好な結果であった。
コンデンサ試料に対し、一定温度(25℃)において、25V(5.6V/μm)の直流電圧を印加した際の比誘電率の変化(単位は%)を算出することにより、DCバイアス特性を測定した。本実施例では、DCバイアス特性は、10個のコンデンサ試料を用いて測定した値の平均値とした。本実施例では、いずれの試料も、−20%以上となり良好な結果であった。
容量温度特性は、次の方法により測定、評価した。すなわち、まず、コンデンサ試料について、−55℃、25℃および105℃の各温度における静電容量を測定し、25℃における静電容量に対する−55℃および105℃での静電容量の変化率△C(単位は%)を算出した。そして、静電容量の変化率が、EIA規格のX6S特性(−55〜105℃、ΔC=±22%以内)を満たしているか否かを評価した。本実施例では、いずれの試料も、容量温度特性がX6S特性を満足し、良好な結果であった。
電圧印加による電歪量は、次の方法により測定、評価した。すなわち、まず、コンデンサ試料を、所定パターンの電極がプリントしてあるガラスエポキシ基板にハンダ付けすることにより固定した。次いで、基板に固定したコンデンサ試料に対して、AC:0.2Vrms/μm、DC:4V/μm、周波数:1kHzの条件で電圧を印加し、電圧印加時におけるコンデンサ試料表面の振動幅を測定し、これを電歪量とした。なお、コンデンサ試料表面の振動幅の測定には、レーザードップラー振動計を使用した。また、本実施例では、10個のコンデンサ試料を用いて測定した値の平均値を電歪量とした。電歪量は低いほうが好ましく、本実施例では、いずれの試料も、電歪量が5nm以下となり、良好な結果であった。
電極ペーストの共材として、BaTiO3 粉末、SrTiO3 粉末およびCaTiO3 粉末を用いるとともに、これらの比率を、モル比で、BaTiO3 粉末:SrTiO3 粉末:CaTiO3 粉末=0.20:0.30:0.50とした以外は、実施例1の試料番号4と同様にして、コンデンサ試料を作製し、実施例1と同様に評価した。すなわち、実施例2においては、共材の組成を、誘電体層の主成分組成と同じとした。結果を表1に示す。
表1より、電極ペーストに含有させる共材として、CaTiO3 粉末を用い、Ni粉末100重量部に対する添加量を5〜20重量部とした試料番号3〜5は、電極接触粒子22中におけるCaTiO3 結晶粒子の割合ACTが50〜80%の範囲となった。そして、これら試料番号3〜5は、高温加速寿命のばらつきが5.0%以下となり、良好な結果であった。なお、これら試料番号3〜5においては、いずれも、BaTiO3 結晶粒子が、一方の内部電極層から、対向する他方の内部電極層まで、連続して並んでいる状態(すなわち、図3(B)の状態)は確認されなかった。
なお、これら試料番号1,2,6においては、BaTiO3 結晶粒子が、一方の内部電極層から、対向する他方の内部電極層まで、連続して並んでいる状態(すなわち、図3(B)の状態)となっているサンプルが多数確認された。
10… コンデンサ素子本体
2… 誘電体層
3… 内部電極層
4… 外部電極
Claims (6)
- 誘電体層および内部電極層が交互に積層された構成を有する積層型電子部品であって、
前記誘電体層が、主成分として、BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 を含有し、かつ、前記BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 が、それぞれ互いに、実質的に固溶せず、複数のBaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の形態で含有され、コンポジット構造を形成している誘電体磁器組成物で構成され、
前記誘電体磁器組成物に主成分として含有される前記BaTiO 3 、SrTiO 3 およびCaTiO 3 の組成モル比を、組成式{(Ba x Sr y Ca z )O} m TiO 2 で示した場合に、前記式中の記号x、y、zおよびmが、
0.195≦x≦0.225、
0.255≦y≦0.305、
0.465≦z≦0.535、
x+y+z=1、
0.985≦m≦1.0095、
であり、
前記誘電体層を構成する複数の前記BaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子は、前記内部電極層に直接接触している粒子と、前記内部電極層に接触していない粒子と、からなり、
前記内部電極層に直接接触している粒子を、電極接触粒子とした場合に、
前記電極接触粒子中における、BaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の合計の個数に対する、CaTiO3 結晶粒子の個数の割合が、60〜80%であることを特徴とする積層型電子部品。 - 誘電体層および内部電極層が交互に積層された構成を有する積層型電子部品であって、
前記誘電体層が、主成分として、BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 を含有し、かつ、前記BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 が、それぞれ互いに、実質的に固溶せず、複数のBaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の形態で含有され、コンポジット構造を形成している誘電体磁器組成物で構成され、
前記誘電体磁器組成物に主成分として含有される前記BaTiO 3 、SrTiO 3 およびCaTiO 3 の組成モル比を、組成式{(Ba x Sr y Ca z )O} m TiO 2 で示した場合に、前記式中の記号x、y、zおよびmが、
0.195≦x≦0.225、
0.255≦y≦0.305、
0.465≦z≦0.535、
x+y+z=1、
0.985≦m≦1.0095、
であり、
前記誘電体層を構成する複数の前記BaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子は、前記内部電極層に直接接触している粒子と、前記内部電極層に接触していない粒子と、からなり、
前記誘電体層を構成する複数の前記BaTiO3 結晶粒子が、対向する一対の前記内部電極層間において、一方の内部電極層から、対向する他方の内部電極層まで、連続して並ばないように配置されていることを特徴とする積層型電子部品。 - 誘電体層および内部電極層が交互に積層された構成を有する積層型電子部品であって、
前記誘電体層が、主成分として、BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 を含有し、かつ、前記BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 が、それぞれ互いに、実質的に固溶せず、複数のBaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の形態で含有され、コンポジット構造を形成している誘電体磁器組成物で構成され、
前記誘電体磁器組成物に主成分として含有される前記BaTiO 3 、SrTiO 3 およびCaTiO 3 の組成モル比を、組成式{(Ba x Sr y Ca z )O} m TiO 2 で示した場合に、前記式中の記号x、y、zおよびmが、
0.195≦x≦0.225、
0.255≦y≦0.305、
0.465≦z≦0.535、
x+y+z=1、
0.985≦m≦1.0095、
であり、
前記誘電体層を構成する複数の前記BaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子は、前記内部電極層に直接接触している粒子と、前記内部電極層に接触していない粒子と、からなり、
前記内部電極層に接触していない粒子を非電極接触粒子とした場合に、
対向する一対の前記内部電極層間において、一方の内部電極層に直接接触しているBaTiO3 結晶粒子と、対向する他方の内部電極層に直接接触しているBaTiO3 結晶粒子と、が複数の非電極接触粒子を介して連結されており、各内部電極層に直接接触しているBaTiO3 結晶粒子を連結している複数の非電極接触粒子には、少なくともSrTiO3 結晶粒子またはCaTiO3 結晶粒子が含有されていることを特徴とする積層型電子部品。 - 前記誘電体層を構成する複数の前記SrTiO3 結晶粒子および前記CaTiO3 結晶粒子の平均結晶粒子径が、それぞれ、前記誘電体層の厚みの1/10〜1/3の大きさである請求項1〜3のいずれかに記載の積層型電子部品。
- 前記誘電体層の厚みが1〜30μmである請求項1〜4のいずれかに記載の積層型電子部品。
- 誘電体層および内部電極層が交互に積層された構成を有する積層型電子部品を製造する方法であって、
焼成後に誘電体層となるグリーンシートを形成する工程と、
電極ペーストを用いて、焼成後に内部電極層となる電極ペースト膜を形成する工程と、
前記グリーンシートおよび電極ペースト膜を交互に積層し、グリーンチップを得る工程と、
前記グリーンチップを焼成する工程と、を有し、
焼成後の前記誘電体層が、主成分として、BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 を含有し、かつ、前記BaTiO3 、SrTiO3 およびCaTiO3 が、それぞれ互いに、実質的に固溶せず、複数のBaTiO3 結晶粒子、SrTiO3 結晶粒子およびCaTiO3 結晶粒子の形態で含有され、コンポジット構造を形成している誘電体磁器組成物からなり、
前記誘電体磁器組成物に主成分として含有される前記BaTiO 3 、SrTiO 3 およびCaTiO 3 の組成モル比を、組成式{(Ba x Sr y Ca z )O} m TiO 2 で示した場合に、前記式中の記号x、y、zおよびmが、
0.195≦x≦0.225、
0.255≦y≦0.305、
0.465≦z≦0.535、
x+y+z=1、
0.985≦m≦1.0095、
であり、
前記電極ペースト膜を形成するための電極ペーストとして、導電体粉末と、CaTiO3 粉末からなる共材と、を含む電極ペーストを用い、
前記電極ペースト中における、前記共材の含有量が、前記導電体粉末100重量部に対して、5〜20重量部であることを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
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