JP4788278B2 - トンネル掘削面の安定化工法 - Google Patents

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Description

この発明はトンネル掘削面にコンクリート吹付けを行って掘削面を閉合状態とし、安定化させるトンネル掘削面の安定化工法に関し、特に地山が砂地山であって掘削面が剥落し易い場合の工法として好適な安定化工法に関する。
従来、トンネル工事においては地山を掘削して行く際に、掘削面にコンクリート吹付けを行ってコンクリートの層を形成し、掘削面を閉合状態として安定化させることが行われている。
ところが地山が砂層を主体とする砂地山の場合、掘削面に直接コンクリート吹付けを行うと、その吹付圧で掘削面が剥落したり、吹き付けたコンクリートが掘削面の砂とともに剥落してしまい、また吹付けたコンクリートが掘削面に良好に付着しないといった問題が生じていた。
これを解決することを目的とした工法として下記特許文献1には、親水性ポリウレタン樹脂を主剤とした吹付材を掘削面に吹き付けてこれを表層に浸透及び硬化させ、表層を防護した上でコンクリート吹付けを行うようになした工法が開示されている。
しかしながらこのポリウレタン樹脂を主剤とした吹付材の場合粘度が高く、砂層を主体とした砂地山の表層に吹付材が十分に浸透し難く、また硬化時間も約2〜7分と長いため、コンクリート吹付けを行うまでの間、掘削面を十分に剥落防止することが難しいといった問題の他、反応成分が可燃性で火災の危険性があり、更にそれらの臭気がトンネル内に充満して作業環境を悪化させるといった問題がある。
砂地山の場合、吹付材の吹付けによってコンクリート吹付けまでの間、掘削面を一時的に安定状態に保つためには、吹付材の吹付けによって掘削面が剥落を起さず、また吹付材が吹付け後速やかに掘削面の表層に浸透し且つ浸透後直ちに硬化すること、その他に吹付材がトンネル内で火災を起す危険がなく、またその臭気によって作業環境を悪化させないことが求められるが、特許文献1に開示のものではこの条件を十分にみたすことができない。
尚、下記特許文献2には、コンクリート吹付けの際に生じる粉塵の発生等の問題を解決すべく、空気崩壊性又は膨張性掘削面にアクリル系エマルジョンを吹き付けて、掘削面とトンネル内の空気との接触を遮断し、掘削面の崩壊を抑止するようになした点が開示されている。
しかしながらこの特許文献2に開示のものは、コンクリート吹付けに代えてアクリル系エマルジョンを皮膜養生材として吹き付けるもので、コンクリート吹付けに先立つ事前処理乃至予備処理として吹付材を掘削面に吹き付けるといったものではなく、特許文献1或いは本発明とは工法の異なったものである。
またこのようなアクリル系エマルジョンを、砂層を主体とする砂地山の掘削面に吹き付けた場合、アクリル系エマルジョンの硬化のために長時間を要し、吹き付けたアクリル系エマルジョンが硬化するまでの間に表層がアクリル系エマルジョンの吹付けにより重みを増して、その重みによって掘削面が剥落してしまい、更にアクリル系エマルジョンは砂地山等において掘削面から内部への浸透性、即ち表層への浸透性が不十分で、これを仮にコンクリート吹付け前の事前の吹付処理に適用した場合、コンクリート吹付けまでの間、掘削面の剥落を十分に防止することができない。
その他に、下記特許文献3には山岳トンネル工法の補助工法についての発明が示され、そこにおいて地山に注入管を打設して、その注入管を通じ地山に以下のA,B,C,Dから成る組成物、即ちA:(メタ)アクリル酸(アクリル酸又はメタアクリル酸)の1価又は2価の金属塩、(B)3価金属塩又は/及びオキシアルキレン基と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水溶性化合物、(C)重亜硫酸塩並びに(D)水から成る組成物を地山に圧入して反応硬化させ、地山を安定化した上で、掘削を行うようになした点が開示されている。
しかしながらこの特許文献3に開示の工法は、地山に打設した注入管から地山改良のための組成物を地山に圧入する工法であって、そこには砂地山等において掘削面が剥落するのを防止するための課題、具体的には吹付材の吹付けによって、その吹付圧により掘削面が剥落する問題、吹付材を如何にして掘削面の表層内部に浸透させるかの問題、吹付材を吹き付けた後に如何にして速やかにこれを硬化させるかの問題等をどのようにして解決するかといった課題は存在しない。即ち本発明が解決することを目的としている課題はそこには存しておらず、従って本発明の対象とする工法には適用できないものであって、本発明とは異なるものである。
特公平4−38880号公報 特許第2776548号公報 特開2001−214687号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、砂地山においても吹付材の吹付けによって掘削面が剥落することがなく、掘削後コンクリート吹付けまでの間、掘削面を良好に形状保持することができるとともに、吹付材の吹付け及び硬化を短時間で行い得て所要施工時間を短縮化でき、またコンクリートを吹き付けたときに掘削面に良好にコンクリートを付着させることができる、安全性,環境面においても良好なトンネル掘削面の安定化工法を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、トンネル掘削面にコンクリート吹付けを行ってコンクリートの層を形成し、該掘削面を閉合状態として安定化させるトンネル掘削面の安定化工法において、前記コンクリート吹付けに先立って、下記のA液,B液,C液の混合液であるアクリル酸系薬液をシェル形成薬液として前記掘削面に霧化ノズルから霧状に吹き付け、該薬液を該掘削面の表層に浸透させるとともにそれらA液,B液,C液を反応させて硬化させることにより該表層をシェル化せしめ、しかる後前記コンクリート吹付けを行うことを特徴とする。
A液:アクリル酸又はメタアクリル酸の1価又は2価の金属塩水溶液
B液:アルミニウム水溶性塩の水溶液
C液:重亜硫酸塩水溶液
請求項2のものは、請求項1において、前記A液とB液とC液との混合比が、容量基準でA液:B液:C液=1:0.9〜1.5:0.9〜1.5であることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記薬液のゲルタイムが30秒以内であることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記薬液の粘度が25mPa・s以下であることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記霧化ノズルからの前記薬液の吹付けを、エアレスで液の吐出圧により霧化して行うことを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、コンクリート吹付けに先立ってA液,B液,C液の混合液であるアクリル酸系薬液をシェル形成薬液として掘削面に霧化ノズルから霧状に吹き付け、これを掘削面から地山内部(表層)に浸透させるとともに硬化反応させて、表層をシェル化せしめ、即ち薬液の硬化体と地山表層の土粒子とでシェル形成せしめ、しかる後コンクリート吹付けを行うものである。
本発明では、上記薬液をトンネルの掘削面への吹付材として用いるが、この薬液は上記のように掘削面の表層に速やかに浸透且つ硬化反応して表層を所定厚みに亘りシェル化させる。
ここでA液のアクリル酸又はメタアクリル酸((メタ)アクリル酸)の1価又は2価の金属塩は互いに重合反応して重合鎖を形成する。
一方B液のアルミニウム水溶性塩は重合鎖を結合する働きを有し、硬化体の強度を高める働きをなす。
尚C液の重亜硫酸塩は重合触媒としての働きをなす。
而して本発明では上記薬液の硬化反応によって掘削面の表層を所定厚みに亘ってシェル化せしめ、そしてそのシェルの形成によって掘削面を安定化させる。
従ってその後においてコンクリート吹付けを行ったときに掘削面を剥落させることがなく、良好にコンクリート吹付けを行うことができる。
本発明で用いる薬液は掘削面への吹付け後速やかに表層に浸透及び硬化反応するため、薬液の吹付けにより表層が重みを増して、そのこと自体が掘削面の剥落を助けてしまうといった問題を生じず、薬液の吹付けによって速やかに形成されたシェルが掘削面の表層に所定の強度を付与して、表層を良好に形状保持することができる。
また吹き付けた薬液が速やかに浸透及び硬化反応するため吹付け作業を短時間で行い得、しかも剥落を生ぜしめることなく良好にコンクリート吹付けを行い得ることから、掘削面の安定化施工のための所要時間を短縮化することができる。
更に薬液の吹付けによって掘削面が剥落を生じないことから、その剥落を生じた箇所に再び薬液を吹き付けるといったことを行わなくても良く、これにより薬液の使用量を少なくできるとともに、併せてこのことが施工時間を短縮化する上で有利に働く。
加えて上記薬液はトンネル内で火災を起す危険もなく、またトンネル内の作業環境を特に悪化させることもなく、トンネル内を良好な作業環境に保持することができる。
本発明において、上記A液のアクリル酸又はメタアクリル酸の1価又は2価の金属塩としてはアルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩等を単独で若しくは2種以上併せて用いることができる。
ここでアルカリ金属塩としてはナトリウム塩が、またアルカリ土類金属塩としてはマグネシウム塩が好適である。
またこのA液の濃度は10〜45重量%の範囲内とするのが好ましく、特にアルカリ土類金属塩の場合は15〜45重量%の範囲内とするのが好ましい。
一方B液のアルミニウム水溶性塩としては、例えば(メタ)アクリル酸アルミニウム,塩化アルミニウム,硝酸アルミニウム,硫酸アルミニウム,ミョウバン,ナトリウムミョウバン,酢酸アルミニウム,乳酸アルミニウム,ポリ塩化アルミニウム,ポリ硫酸塩化アルミニウム等を用いることができるが、特にポリ塩化アルミニウムが好適である。
これらは単独で若しくは2種以上組み合わせて用いることができる。
またB液の濃度としては10〜70重量%が好ましく、特に30〜50重量%の範囲内とすることが好ましい。
他方C液の重亜硫酸塩としては重亜硫酸のアルカリ金属塩を用いることができ、特に重亜硫酸のナトリウム塩,カリウム塩が好適である。
このC液の濃度は0.5〜10重量%の範囲内としておくことが望ましく、特に1〜5重量%の範囲内としておくことが望ましい。
本発明において、A液とB液とC液との混合比は、好適には容量基準でA液:B液:C液=1:0.9〜1.5:0.9〜1.5とする(請求項2)。
B液の混合比が0.9未満であると薬液の反応硬化体の強度が不十分となる。
一方1.5を超えると薬液の浸透性が低下する。
このB液のより好ましい混合比は1.0〜1.3の範囲内である。
一方C液についてはその混合比が0.9未満であると反応硬化体の強度が不十分となり、逆に1.5を超えると反応速度が速くなり過ぎてしまい、表層に薬液が十分に浸透する以前に硬化してしまい浸透性が低下してしまう。
このC液のより好ましい混合比は1.0〜1.3の範囲内である。
C液の重亜硫酸塩は重合触媒として働くものであり、従ってその濃度を調節することで薬液の反応硬化速度を適宜に調節することが可能である。
尚本発明においては必要に応じて骨材その他を配合しておくことが可能である。
本発明では、上記薬液のゲルタイム(硬化時間)を30秒以内としておくことが望ましい(請求項3)。
即ちゲルタイムが30秒以内となるように薬液を調製しておくことが望ましい。
薬液のゲルタイムがこれよりも長くなると、特に上向きの吹付けの際に、吹き付けた薬液が垂れ下がってつらら様に硬化してしまう現象を生じる。
しかるに請求項3に従って薬液のゲルタイムを30秒以内としておくことで、こうした現象の発生を良好に回避することができるとともに、表層に浸透した薬液が速やかに硬化反応することによって、薬液が硬化するまでの間に掘削面が剥落してしまうといったことを良好に防止することができる。
尚、薬液のゲルタイムが短か過ぎるとノズル閉塞等の不具合を生じるため、ゲルタイムは短くても5秒以上となしておくことが望ましい。
本発明ではまた、薬液の粘度を25mPa・s以下となしておくことが望ましい(請求項4)。
薬液の粘度をこのような低い粘度となしておくことにより、掘削面に吹き付けた薬液を速やかに掘削面の表面から奥部に、即ち表層に浸透させることができる。
また薬液をこのような低い粘度としておくことで、霧化ノズルから薬液を霧化して掘削面に吹き付ける際、薬液を良好に霧化することができる。尚薬液の粘度の下限値は好ましくは1mPa・s以上としておく。
本発明ではまた、霧化ノズルから薬液の吹付けを行うに際し、エアレスで液の吐出圧により霧化して行うようになすことが望ましい(請求項5)。
エアの吹出しによって薬液を霧化し、吹き付けるようになした場合、そのエア圧によって掘削面が剥落を生じてしまう恐れがある。
しかるにこの請求項5に従ってエアレスで液の吐出圧により薬液を霧化して霧化ノズルから吹き付けるようにすれば、掘削面のエア圧による剥落を防止して良好に薬液の吹付けを行うことができる。
次に本発明の実施形態を説明する。
図1において、10は砂層を主体とした砂地山で、本実施形態では掘削機等によってトンネルを掘削し、その際に掘削面12に対して先ず図2に示しているようにアクリル酸系薬液を吹付装置14を用いて吹付処理する。
吹付装置14は、液供給装置16と混合霧化装置18とを有しており、A液タンク20,B液タンク22,C液タンク24にそれぞれ収容したアクリル酸系薬液における上記のA液とB液とC液とを、それぞれホース26,28,30を通じてポンプにより混合霧化装置18へと所定の圧力で供給する。
ここでA液タンク20,B液タンク22,C液タンク24は、それぞれの液に鉄分が混入しないようにステンレス製のものが用いられている。
尚これらA液タンク20,B液タンク22,C液タンク24として、鉄分を混入させる恐れのない他の材質から成る容器を用いることも可能である。
混合霧化装置18は、分岐管32,34,36と合流混合部38とを有しており、各分岐管32,34,36のそれぞれにホース26,28,30が接続されている。
またこれらホース26,28,30とは反対側において吐出管40がカプラ42にて合流混合部38に接続されており、A液タンク20,B液タンク22,C液タンク24からホース26,28,30を通じて送られたA液とB液とC液とが、この合流混合部38で合流及び混合された上、吐出管40へと送られる。
吐出管40の先端部には霧化ノズル44が設けられており、吐出管40からの混合液、即ちアクリル酸系薬液が霧化されて掘削面12へと霧状に吹き付けられる。
本実施形態では、この混合霧化装置18についても各液に鉄分を混入させることのないステンレス製のものが用いられている。
ただし鉄分を混入させる恐れのないものであれば他の材質でこれを構成することもできる。
本実施形態において液中に鉄分を混入させないようにしているのは、鉄分が液中に混入するとその鉄分によって混合液、即ちアクリル酸系薬液の硬化時間(ゲルタイム)が影響され、硬化時間にばらつきが生じるのを防ぐためである。
本実施形態では、上記の薬液をエアレスで吐出管40からの液の吐出圧に基づいて霧化し、掘削面12に吹き付ける。
そのため本実施形態では、霧化ノズル44として液の吐出圧でこれを霧化することのできるノズルが用いられている。
本実施形態において、霧化ノズル44から霧状に掘削面12に吹き付けた薬液は、吹付後速やかに表層に浸透及び硬化反応して表層をシェル化する。
尚本実施形態では、重合触媒としてのC液が単独で混合霧化装置18の合流混合部38へと送られ、そこで始めて他のA液及びB液と合流及び混合された上で、霧化ノズル44から霧状に吹き付けられる。
この重合触媒としてのC液は予めB液と混合しておいて、その混合状態で混合霧化装置18へと送ってA液と混合させるようになすことも可能であるが、この場合C液の混合によってB液自体の反応が進んでしまい、液ライフが短くなってしまう。
しかるにこの実施形態ではA液とB液とC液とを、それぞれ単独に混合霧化装置18へと供給して、そこでそれぞれの液を混合し、霧化ノズル44で霧化して吹き付けるようにしているため上記の問題を生じない。
更にまた予めA液とB液とC液とを人手で混合しておいて、その混合液を混合霧化装置18に送って吹付けを行う場合に比べ、施工現場での人手による液の混合作業を省くことができる。
図1(II)において、46はこのようにして形成されたシェルを表している。
このシェル46は、砂地山10の表層を構成する土粒子と、そこに浸透して硬化した薬液の反応硬化体とで構成されている。このシェル46は所定の強度を有するもので、かかるシェル46の形成により掘削面12が良好に形状保持され、続いて行われる1次コンクリート吹付けまでの間、更に1次コンクリート吹付けの際に掘削面12が剥落するのが良好に防止される。
以上のようにして表層をシェル化したら、次に掘削面12に対して1次コンクリート吹付けが行われ、次いで2次コンクリート吹付けが行われ、図3に示しているようにシェル46の内面に、1次及び2次コンクリート吹付けによるコンクリートの層48が形成される。
このコンクリートの層48によって掘削面12が閉合状態とされ安定化される。
尚、実際の施工にあたっては1次コンクリート吹付け後、H型鋼から成るアーチ状の支保工が設置され、2次コンクリート吹付けがその後において行われる。
そして1次及び2次コンクリート吹付けによって形成された図3に示すコンクリートの層48が、砂地山10へのロックボルトの設置によって砂地山10と一体化され、引き続いて掘削機等によるトンネルの掘進が行われる。
そして最終的に型枠へのコンクリートの流し込み及び固化によって、所定厚みの覆工コンクリートが形成され、トンネル構築物が構成される。
本実施形態で用いる薬液は、掘削面12への吹付け後速やかに表層に浸透及び硬化反応することから、薬液の吹付けにより表層が重みを増してそのこと自体が掘削面12の剥落を助けてしまうといった問題を生じず、薬液の吹付けによって速やかに形成されたシェル46が掘削面12の表層に所定の強度を付与して、表層を良好に形状保持することができる。
また吹き付けた薬液が速やかに浸透及び硬化反応するため吹付け作業を短時間で行い得、しかも剥落を生ぜしめることなく良好に1次コンクリート吹付けを行い得ることから、掘削面12の安定化施工のための所要時間を短縮化することができる。
更に薬液の吹付けによって剥落を生じないことから、その剥落を生じた箇所に再び薬液を吹付ける作業を行う必要がなくこれにより薬液の使用量を少なくできるとともに、併せてこのことによって施工時間をより短縮化することができる。
また上記薬液はトンネル内で火災を起す危険もなく、またトンネル内の作業環境を特に悪化させることもなく、トンネル内を良好な作業環境に保持することができる。
本実施形態ではまた、霧化ノズル44から薬液の吹付けを行うに際し、エアレスで液の吐出圧により霧化して行うようになしていることから、掘削面12のエア圧による剥落を防止して良好に薬液の吹付けを行うことができる。
4号けい砂と7号けい砂とを1:1の比率で混合して図4(A)に示すような砂山49を造り、下部に直径D=φ300mm,奥行250mmの空洞50を造って、その内面に以下の組成のアクリル酸系薬液を図2の吹付装置14を用いて吹き付けた。
A液 35%アクリル酸マグネシウム水溶液(20℃における比重1.19)
B液 40%ポリ塩化アルミニウム水溶液(20℃における比重1.33)
C液 1.0%重亜硫酸ナトリウム水溶液(20℃における比重1.00)
混合粘度(mPa・s) 10
ゲルタイム(硬化時間)(秒) 20
混合比(A:B:C、重量比) 1:1.2:1.2
混合比重(理論値) 1.16
発泡倍率 無発泡
尚、液の吐出量(混合液の吐出量)は2kg/分とした。
この実施例では、混合液の粘度が10mPa・sと低く、またゲルタイム(硬化時間)が20秒と短いため、吹付装置14にて薬液を霧状に吹き付けると、吹き付けられた薬液が速やかに空洞50内面から浸透及び硬化反応して、空洞50周りにシェル51(図4(B))を形成した。
その際、空洞50内面からの砂の剥落は殆ど認められなかった。
図4(B)は、そのシェル51を砂山49から取り出して示したものである。
このシェル51の厚みTを測定したところ約10mmであった。
このシェル51は所定の強度を有しており、取扱中良好に形状を保持し崩れることがなかった。
また薬液の吹付け及び硬化反応によって形成されたシェル51の内面にコンクリート吹付けを行ったところ、コンクリート吹付けを良好に行うことができた。
また薬液のゲルタイムが20秒と短く且つ浸透性の高いものであるため、薬液の吹付けの際に、図5に示すような液垂れの現象を生じるのを防止することができた。
図5において、52はその液垂れ及びその後の硬化によって生じたつらら様の硬化体を表している。
以上本発明の実施形態及び実施例を説明したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
本発明の一実施形態のトンネル掘削面の安定化工法の説明図である。 同工法の要部工程を薬液の吹付装置とともに示した図である。 図1に続く工程の説明図である。 実施例の説明図である。 薬液の吹付けにより生じる液垂れの説明図である。
符号の説明
12 掘削面
44 霧化ノズル
46,51 シェル
48 コンクリートの層

Claims (5)

  1. トンネル掘削面にコンクリート吹付けを行ってコンクリートの層を形成し、該掘削面を閉合状態として安定化させるトンネル掘削面の安定化工法において、
    前記コンクリート吹付けに先立って、下記のA液,B液,C液の混合液であるアクリル酸系薬液をシェル形成薬液として前記掘削面に霧化ノズルから霧状に吹き付け、該薬液を該掘削面の表層に浸透させるとともにそれらA液,B液,C液を反応させて硬化させることにより該表層をシェル化せしめ、しかる後前記コンクリート吹付けを行うことを特徴とするトンネル掘削面の安定化工法。
    A液:アクリル酸又はメタアクリル酸の1価又は2価の金属塩水溶液
    B液:アルミニウム水溶性塩の水溶液
    C液:重亜硫酸塩水溶液
  2. 請求項1において、前記A液とB液とC液との混合比が、容量基準でA液:B液:C液=1:0.9〜1.5:0.9〜1.5であることを特徴とするトンネル掘削面の安定化工法。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記薬液のゲルタイムが30秒以内であることを特徴とするトンネル掘削面の安定化工法。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記薬液の粘度が25mPa・s以下であることを特徴とするトンネル掘削面の安定化工法。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記霧化ノズルからの前記薬液の吹付けを、エアレスで液の吐出圧により霧化して行うことを特徴とするトンネル掘削面の安定化工法。
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CN111577346A (zh) * 2020-05-20 2020-08-25 中铁二局第二工程有限公司 一种盐岩地层隧道注浆工艺
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