JP4788089B2 - 溶融金属の成分測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属の成分を直接測定する溶融金属の成分測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
転炉吹錬においては、上吹きまたは底吹き酸素によって主として脱炭を目的とした酸化精錬が行われている。近年、溶銑予備処理プロセスの発達により、転炉吹錬で発生するスラグ量を飛躍的に低減させることが可能となっている。これは、脱燐工程が、多くのスラグを必要とする転炉吹錬での脱燐工程から、転炉吹錬前の予備処理段階で実施されるようになったためであるが、このようなスラグが少ない転炉吹錬では、例えば吹錬中のMn鉱石の溶融還元など、大量のスラグ下では困難であった新たな機能の付加が可能になっている。
【0003】
Mnについては、吹錬終了後に高価なMn源を添加することで調整されていたが、このような炉内での溶融還元にてMn濃度を上昇させることができれば大きな合理化につながることはいうまでもない。
【0004】
しかしながら、炉内還元では吹錬中の高精度な反応挙動の把握は困難であり、反応の高効率化および終点での成分把握が大きな課題となる。すなわち、反応中の成分挙動を高精度に把握することが急務となる。
【0005】
従来では、吹錬前の成分や吹錬条件から、吹錬中成分挙動推定モデルにより大まかな成分推定を行っている。しかしながら、高精度な成分推定は極めて困難であるため、最終的には吹錬後の分析などを経て、高価なMn源による成分調整が不可欠となり、やはり高価なMn源が相当量必要であり、高価なMn源の大量使用によるコスト増をもたらすとともに分析などによる製鋼時間の延長も避けられない。
【0006】
ここで、吹錬中の溶鋼成分を非接触で適宜知ることが可能となれば、吹錬終点の成分調整に向けたダイナミック制御が可能となり、成分制御の大幅な高精度化を図ることができる。そして、吹錬前後での迅速な成分測定は製鋼時間短縮などのような高効率化にもつながる。
【0007】
溶鋼のような溶融金属中の成分を迅速に測定する方法としてレーザー等を利用した非接触の測定方法が種々提案されている。中でもレーザーを溶融金属表面に照射し、その成分を測定するものが主流である。
【0008】
例えば、特開昭60−42644号公報には、ガスの吹き込みを利用した発光分析による溶湯成分測定法が開示されている。この公報に記載された測定法は、ガスの吹き込み時に生じるガス、溶湯界面を利用し測定を行おうとするものであるが、ガスのバブリングによる界面の攪乱が大きく、また、羽口近傍の鉄付着による羽口閉塞などの問題点も多々あり、安定した測定面を容易に得ることができない。また、レーザー測定法の特性などからレーザー発光・受光部を界面近傍に設置する必要が生じるため、継続的な使用には課題があり、レーザー装置、発光部・受光部の定常的な精錬用器への設置に対する装置の耐久性などの課題がある。このように、この技術は、いかにして安定した測定界面を容易に得られるかが重要な点となる。
【0009】
安定した測定面を得ることができる装置としては、例えば、特開昭61−181946号公報に開示されたサブランスの消耗型プローブを適用したものが知られている。この公報に開示された技術においては、プローブ内部に溶融金属を導入して測定面を得、この測定面にレーザー光を照射し、その反射光を検出することにより溶鋼中の成分を測定している。しかしながら、この技術では大気開放状態で溶融金属を導入しているため、プローブ内の湯面位置、湯面変動などの湯面条件は溶融金属バルクの湯面状態に左右される。すなわち、プローブを使用しているため溶融金属表面の攪乱の影響をある程度防止することができるものの、バルクに大きな乱れが存在したり湯面位置が大きく変わる場合には、安定かつ一定した湯面が得られず、測定には困難性を伴う。
【0010】
このように、プローブ内に溶融金属をサンプリングしてその成分測定を行う技術においては、いかにして十分に安定した測定面を得ることを可能とするかが重要な点となるが、十分に安定した測定面を得る技術は未だ確立されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、溶融金属バルク条件にかかわらず常に安定した測定面を得ることができ、その測定面を用いて非接触で、高精度かつ迅速に溶融金属の成分測定を行うことができる溶融金属の成分測定装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1発明は、溶融金属に浸漬され、その中に溶融金属を保持するプローブと、
前記プローブ内の溶融金属表面に向けて上方から雰囲気圧よりも高い圧力の気体を連続的に供給するとともにプローブ外に排出し、前記プローブ内の溶融金属表面に測定面を形成する測定面形成手段と、
成分測定用波長を含む光を前記プローブを通して前記測定面に照射し、その反射光に基づいて所定成分の濃度を測定する測定手段と
を具備することを特徴とする溶融金属の成分測定装置を提供する。
【0013】
このように、溶融金属に浸漬されるプローブ内の溶融金属表面に高圧の気体を供給して、溶融金属の近傍部分でその気体を排出することによって、強攪拌下の溶融金属または表面に大きな攪乱が存在しているような溶融金属においても安定な溶融金属表面を容易に得ることができ、その溶融金属表面を測定面として用いて光照射による非接触の測定手段を適用することにより、高精度かつ迅速な溶融金属の成分測定が実現可能となる。
【0014】
この場合に、前記プローブは有底筒状をなし、かつその側面に設けられた溶融金属をサンプリングするサンプリング孔と、前記測定面形成手段を構成し前記サンプリング孔の上部に設けられた気体排出孔とを有し、前記プローブを前記気体排出孔の上縁以上の位置まで溶融金属内に浸漬させた状態として、前記サンプリング孔からサンプリングされ前記プローブに保持された溶融金属の表面に前記気体を連続的に供給して前記気体排出孔から排出することにより前記測定面が形成されるように構成することができる。このように、有底筒状のプローブを用いることにより、間欠的に溶融金属をサンプリングして間欠的に成分測定を実施することができる。また、前記サンプリング孔と前記気体排出孔とが一体的に形成されていてもよく、その場合にはその孔の下側から溶融金属をサンプリングし、上側から気体を排出するように構成することにより、上記機能を果たすことができる。さらに、溶融金属の温度を測定する温度測定手段をさらに有することが好ましく、また前記測定面を用いて前記測定手段により溶融金属の所定成分を測定する際に、前記測定面から放射される輻射光を測定する輻射光測定手段をさらに具備し、前記輻射光測定手段により測定された輻射光強度と前記温度測定手段によって測定された溶融金属の温度との関係から溶融金属の測定面の形成の良否を判定することが好ましい。
【0015】
また、前記プローブは、溶融金属導入用に底部が開口された筒状をなすように構成することもできる。これにより、溶融金属をプローブ内に連続的に取り込んで連続的に成分測定を行うことができる。
【0016】
この場合に、前記プローブの側面に設けられ前記測定面形成手段を構成する気体排出孔を有し、前記プローブを前記気体排出孔の上縁以上の位置まで溶融金属内に浸漬させた状態として、前記プローブ内に保持された溶融金属の表面に前記気体を供給して前記気体排出孔から排出することにより前記測定面が形成されるように構成することもできるし、また、前記プローブ内に保持された溶融金属の表面に前記気体を供給して前記底部の開口から排出することにより前記測定面が形成されるように構成することもできる。
【0017】
また、第2発明は、底なし筒状をなし、溶融金属表面の上方に配置されるプローブと、
前記プローブを介して前記溶融金属表面に向けて上方から雰囲気圧よりも高い圧力の気体を連続的に供給し、溶融金属表面に測定面を形成する測定面形成手段と、
成分測定用波長を含む光を前記プローブを通して前記測定面に照射し、その反射光に基づいて所定成分の濃度を測定する測定手段と
を具備することを特徴とする溶融金属の成分測定装置を提供する。
【0018】
このように、溶融金属表面の上方に配置されるプローブを介して溶融金属表面に高圧の気体を連続的に供給することによって、強攪拌下の溶融金属または表面に大きな攪乱が存在しているような溶融金属においても安定な溶融金属表面を容易に得ることができ、その溶融金属表面を測定面として用いて光照射による非接触の測定手段を適用することにより、溶融金属の成分測定を高精度かつ迅速に、しかも連続的に行うことが可能となる。
【0019】
さらに、第3発明は、溶融金属を保持する容器の側壁または底壁に、ノズル孔が容器内の溶融金属につながるように設けられたノズルと、
前記ノズルを介して前記溶融金属に向けて雰囲気圧よりも高い圧力の気体を連続的に供給し、溶融金属の気体供給部分に測定面を形成する測定面形成手段と、
成分測定用波長を含む光を前記プローブを通して前記測定面に照射し、その反射光に基づいて所定成分の濃度を測定する測定手段と
を具備することを特徴とする溶融金属の成分測定装置を提供する。
【0020】
このように、溶融金属を保持する容器の側壁または底壁に、容器内の溶融金属に連続してノズルを設け、ノズルを介して前記溶融金属に向けて雰囲気圧よりも高い圧力の気体を連続的に供給することによって、強攪拌下の溶融金属または表面に大きな攪乱が存在しているような溶融金属においてもそれに関わりなく安定な測定面を容易に得ることができ、その測定面を用いて光照射による非接触の測定手段を適用することにより、溶融金属の成分測定を高精度かつ迅速に、しかも連続的に行うことが可能となる。
【0021】
上記いずれの発明においても、前記測定手段は、成分測定用波長を含む光を発光する発光部と、前記測定面で反射した光の光量を検出するとともにその検出結果に基づいて前記所定成分の濃度を求める計測部と、前記プローブ内またはその近傍に設けられ、発光部からの光を前記測定面に照射し測定面で反射した光を受光するための先端光学系と、前記発光部から前記先端光学系の間および前記先端光学系から前記測定部の間で光を導く光ファイバーとを有するものとすることができる。
【0022】
前記光としてはレーザー光が好適であり、その場合に、前記発光部は、測定成分用のレーザー光源と、溶融金属の主成分用のレーザー光源と、光吸収のない基準光用のレーザー光源と、これら光源からのレーザー光を同一光路に導く光学系とを有するものとすることができる。また、第2発明および第3発明においても溶融金属の温度を測定する温度測定手段をさらに有することが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る溶融金属の成分測定装置を示す模式図である。この溶融金属の成分測定装置は、溶融金属として例えば溶鋼の成分測定に用いられるものであり、溶融金属Lに浸漬されその中に溶融金属Lを保持する有底筒状のプローブ10と、その中の溶融金属表面に測定面Sを形成する測定面形成手段20と、レーザー光をプローブ10を通して前記測定面Sに照射し、その反射光に基づいて所定成分の濃度を測定する測定手段30とを有している。
【0024】
プローブ10の下部側面には、溶融金属(溶鋼)をサンプリングするサンプリング孔11が設けられている。このサンプリング孔11の上方に気体排出孔12が設けられている。そして、プローブ10の気体排出孔12より下の部分は溶融金属がサンプリング保持されるサンプリング室13となっている。サンプリング室13内の溶融金属Lの測定面S上には蒸気層17が形成されている。なお、この図では1個のサンプリング孔11と2個の気体排出孔12が設けられているが、これらの個数はこれに限るものではない。また、サンプリング孔と気体排出孔とを別個に設けているが、サンプリング孔と気体排出孔を一体とし、その上部を気体排出孔、下部をサンプリング孔として用いてもよい。なお、プローブ10の上部は、サブランス15に固定されたプローブホルダー14に外嵌されて保持されている。プローブ10の底部下側には温度センサー16が設けられている。
【0025】
また、プローブ10内に雰囲気圧より高い圧力の気体を導入する気体導入機構21を有しており、この気体導入機構21から図示しない配管を介してプローブ10内に適宜の気体を導入するとともに、この気体をプローブ10内の溶融金属表面に供給し、気体排出孔12から排出することにより、溶融金属表面に測定面Sが形成される。すなわち、気体導入機構21および気体排出孔12により測定面形成手段20が構成される。なお、導入する気体としては、Ar等の不活性ガスや、N2等の溶融金属との反応性が低いものが好ましい。
【0026】
測定手段30は、測定のためのレーザー光を発光するための発光部31と、測定面Sで反射した光の光量を検出するとともにその検出結果に基づいて所定成分の濃度を求める計測部32と、プローブホルダー14に取り付けられた状態でプローブ10内に設けられ、発光部31からのレーザー光を測定面Sに照射し測定面Sで反射した光を受光するための先端光学系33と、発光部31から先端光学系33の間および先端光学系33から計測部32の間で光を導く第1および第2の光ファイバー34,35とを有している。
【0027】
発光部31は、測定成分用のレーザー光(吸光光)を発光する第1のレーザー光源41a、溶融金属の主成分用のレーザー光(主成分吸光光)を発光する第2のレーザー光源41bと、基準用のレーザー光(基準光)を発光する第3のレーザー光源41cとを有している。これらレーザー光源からのレーザー光は、それぞれレーザービームサンプラー42によりサンプリングされて光検出器43および波長検出器44に導かれ光強度および波長が検出されるようになっている。また、発光部31は光学系45を有しており、これらレーザー光はその中の光学フィルター(ハイパスフィルター)46を通して同一光路に導かれ、かつレンズ47を通して第1の光ファイバー34に導かれる。なお、レーザー光が第1の光ファイバー34に入る直前にチョッパー48が配置され、輻射光を測定可能となっている。
【0028】
先端光学系33は、プローブホルダー14に保持されており、第1の光ファイバー34に導かれたレーザー光をサンプリング室13内の溶融金属Lの測定面Sに照射するレンズ49を有し、測定面Sからの反射光を第2の光ファイバー35に導くようになっている。光ファイバー35はレンズ49を通過せずに反射光を受光可能なようにレンズ49を突き抜けて設けられている。先端光学系33を構成する光学系としては、測定光の測定面への投射および反射光の受光を可能とする他の光学系を配置したものであってもよい。このように先端光学系33をプローブホルダー14に保持させ、プローブ10と分離可能とすることにより、プローブ10を容易に消耗型とすることができる。したがって、従来のサブランスプローブと同様に扱うことができ、実用上有利である。
【0029】
計測部32は、第2の光ファイバー35から出た光を平行光とするレンズ50と、上記のように3つのレーザー光源41a,41b,41cからのレーザー光が合成されたレーザー光を各レーザー波長を含む狭い波長域に分光する光学フィルター(ハイパスフィルター)51と、分光された3つの波長域の光から検出に必要な波長域の成分を抽出するためのバンドパスフィルター52と、吸光光、主成分吸光光、基準光の光強度をそれぞれ検出するための第1の光検出器53a、第2の光検出器53b、および第3の光検出器53cと、これらが検出した光強度に基づいて溶融金属の所定成分の濃度を算出するコンピュータ54とを有している。コンピュータ54には温度センサー16からの温度情報、波長検出器44からのレーザー波長情報、および光検出器43で測定したレーザー出力パワー情報も入力され、コンピュータ54は、これらの情報から、レーザーパワーの変動の補正、レーザー出力波長の変動の補正、輻射光の補正、蒸気層17の厚み変動の補正、温度の補正を行うことができるようになっている。
【0030】
プローブ10としては、通常使用されている転炉の消耗型プローブのような紙を主体としたものが低コストであり、使用も容易である。また、転炉内溶鋼に適用する場合には、測温用の温度センサー16のみならず炭素濃度測定用のカーボンデターミネータ(CD)や酸素測定装置等の従来転炉に用いているサブランスが具備している機能を組み合わせると、従来の転炉操業を妨げることなく所定の成分、例えば溶鋼中のMnの測定が可能となる。
【0031】
また、プローブ10にサンプリング保持された溶融金属は溶融状態で成分測定に供されるので、溶融金属を溶融状態に保つ必要があり、そのためにプローブ10の溶融金属保持部分は耐火物等の高断熱性材料で構成されていることが好ましい。さらに、プローブ10を紙等の消耗材料で形成して消耗型のプローブとすることによって、測定時にプローブ10内部の発煙などのために測定に支障が生じる場合があるが、その際には、プローブ内部を鉄管としたり、耐火物を塗布するなどの措置で回避可能である。
【0032】
実際の使用においては、溶融金属がプローブ10内に急激に流入する場合、または溶鋼の場合には急激な脱炭反応が生じる場合がある。このような場合には、溶融金属(溶鋼)が飛散して測定系全体に大きな悪影響を及ぼすおそれがあるが、対策としては先端光学系33と測定面Sとの間に石英等の溶融金属の成分測定に必要な光の少なくとも一部は透過させる遮蔽板を設けることが有効である。また、溶鋼の場合には、サンプリング室13等にあらかじめAl,Si等の脱酸材を入れておくことも有効である。さらに、実機による測定実験により、導入するガス流速を部分的にまたは全体的に10m/s以上に確保すると脱炭反応などの際の溶鋼の飛散による測定系への悪影響を著しく軽減することができた。
【0033】
次に、以上のように構成される溶融金属の成分測定装置における成分測定動作について説明する。
まず、上述の測定面形成手段20の気体導入機構21からプローブ10内に雰囲気圧よりも高圧の気体(例えばAr、N2)を導入し、サンプリング孔11および気体排出孔12から排出させる。
【0034】
この状態でプローブ10を気体排出孔12の上縁以上の位置まで溶融金属(溶鋼)Lに浸漬する。すなわち、気体排出孔12が完全に浸漬される深さまで浸漬する。このようにプローブ10を浸漬させることにより溶融金属(溶鋼)Lはサンプリング孔11から侵入し、プローブ10内のサンプリング室13に充填されるが、気体導入機構21から溶融金属表面に向けて溶融金属の静圧に十分勝る圧力で気体を導入することによって、気体は気体排出孔12より強制的に排出・バブリングされる。この作用により、溶融金属バルクの表面にいかなる攪乱が存在しても、また、いかなる深さでプローブ10を浸漬させても、プローブ10の気体排出孔12の直下位置に安定した溶融金属表面が形成される。したがって、これを測定面Sとして使用することにより、レーザー光を照射する非接触型成分測定方法によって常に安定した成分測定、例えばMnの測定を行うことができる。
【0035】
プローブ10の浸漬深さは、気体排出孔12の直上位置までで十分であるが、バルクの溶融金属表面に大きな攪乱が存在するような場合には、湯面変動が激しいため、十分余裕を持った深さまで浸漬させることが必要となる。転炉吹錬の場合には、気体排出孔12の上部300〜1000mm程度の浸漬が適当である。
【0036】
ただし、バルクの溶融金属表面の攪乱が大きく湯面変動が激しいため、例えば湯面変動で湯面が上昇したとき溶融金属がサンプリング室13内へ導入されるが、湯面が下降したとき溶融金属がサンプリング室13へ導入されない場合など、溶融金属のサンプリング室13への導入が不十分となる場合があるときは、溶融金属表面から放射される輻射光を図示しない輻射光測定装置により測定し、その強度と、温度センサー16で測定した温度とを比較して、予め求めておいた関係式から溶融金属の導入状況の良否を判定することができる。溶融金属のサンプリング室13への導入が不完全な場合は、導入された溶融金属がサンプリング室13で急激に冷却されるため、正常な湯面形成時の溶融金属の温度で放射される輻射光強度に対して小さい値となるので、予め正常な湯面形成時の溶融金属温度と輻射光強度との関係を求めておき、測定時に輻射光強度を測定して予め求めた関係式と比較して溶融金属の導入状況すなわち測定面の良否を判定することができる。
【0037】
なお、本来、非測定時にはプローブ10内部への気体導入は不要であるが、溶融金属飛散、粉塵などの外乱が存在する場合には、プローブ10の内部への異物侵入を防止するために、常時気体をプローブ10内に導入しつつ気体排出孔12等から排出しておくことが望ましい。特に、転炉における通常吹錬時においては、粒鉄の飛散、ダスト、高温ガスなどの異物がプローブ10内に侵入する可能性があるため、このようなことが有効である。この際、プローブ10とプローブホルダー14との間が完全に密閉されている必要はないが、密閉度が低い場合、プローブ10の浸漬時の溶鋼の静圧により導入ガスがこれらの接続部から噴出し、プローブ10の下部から適正なバブリングがなされないため、密閉度を高くすることが好ましい。
【0038】
本実施形態においては、上述のようにして形成された安定した測定面Sにレーザー光を照射して、原子吸光法により成分測定を行う。すなわち、発光部31の第1から第3のレーザー光源41a,41b,41cから、測定成分(例えば溶鋼中のMn)に対応する吸光光、主成分(溶鋼の場合にはFe)に対応する主成分吸光光、および基準光が第1の光ファイバー34および先端光学系33を介して同一光路でプローブ10のサンプリング室13内の測定面Sに照射される。その際に溶融金属L上の蒸気層17を通過するため、蒸気層17の測定成分の濃度に応じて吸光光および主成分吸光光の光強度が変化する。そして、蒸気層17を通過した後のこれらレーザー光は、先端光学系33および第2の光ファイバー35を通って計測部32に至る。計測部32では光学フィルター51によりレーザー光が元の3つの成分に分離され、第1から第3の光検出器53a,53b,53cによりこれらの強度が検出され、それに基づいてコンピュータ54により測定成分、例えばMnの濃度が算出される。そして、予めコンピュータ54により前述したような補正を行った測定元素の吸光度と溶融金属中の測定元素濃度の関係式(検量線)を求めておくことにより精度の高い測定が可能となる。なお、この際の補正に関して、レーザーパワーの補正は、この関係式(検量線)を求めたときのパワーと測定時のパワーとの比で補正することができる。また、レーザー出力波長が変化すると測定元素の光吸収の度合いが変化するので、予めレーザー出力波長の変化に対する測定元素の光吸収の度合いの関係式を求めておき、レーザー出力波長を測定することによって光吸収の度合いを補正することができる。輻射光の補正はチョッパー48で遮断したときの輻射光強度を時系列で求め、反射光測定時の輻射光強度は、その前後の遮断時の輻射光より計算で求め、この輻射光強度を差し引いて真の反射光強度を求めることができる。蒸気層17の厚みの補正は、測定元素と主成分元素の吸光度比をとることで補正した。さらに、温度の補正は、蒸気圧の温度変化についての文献を用い、溶鋼の場合には例えば1600℃の蒸気圧での測定成分および主成分の吸光度の値に基準化して補正することができる。
【0039】
本実施形態における溶融金属の成分測定装置は、図2に示すように、例えば転炉60における送酸のためのメインランス70の側方に設けられたサブランス80に適用することができる。このサブランス80の先端にプローブホルダー14を介してプローブ10を設け、転炉内の溶鋼Lにこのプローブ10を浸漬し、プローブ10内に溶鋼Lをサンプリングする。そして、上述したように気体導入機構21から配管22を介してサンプリングした溶融金属に気体を供給することにより、プローブ10内に安定した測定面Sが形成される。そして、前述のようにレーザー光を利用した非接触の測定法により溶鋼中の所定成分が直接測定される。なお、符号61は底吹き用の羽口、62はガス配管である。
【0040】
このようにして溶融金属(溶鋼)の成分測定を非接触の測定法で、直接かつリアルタイムに行うことができる。そして、このようなプローブによるサンプリングおよび成分測定は間欠的に繰り返し行うことができ、したがって所定の成分の経時変化を容易にリアルタイムで把握することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
図3は本発明の第2の実施形態に係る溶融金属の成分測定装置を示す模式図である。本実施形態の溶融金属の成分測定装置は、底部に溶融金属導入用の開口18が形成された筒状をなすプローブ10aを用いた以外は、第1の実施形態と同様に構成されている。したがって、第1の実施形態と同様の部材には同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0042】
本実施形態では、プローブ10aを溶融金属Lに浸漬させた際に、底部の開口18から溶融金属Lがプローブ10a内に導入される。そして、気体導入機構21から図示しない配管を介してこのプローブ10a内に雰囲気圧より高い圧力の適宜の気体を導入するとともに、この気体をプローブ10a内の溶融金属表面に供給し、気体排出孔12から排出することにより、溶融金属表面に測定面Sが形成される。この場合に、溶融金属Lはプローブ10aを溶融金属Lに浸漬した際に底部の開口18から導入されるため、溶融金属の成分を連続的に測定することができる。なお、気体排出孔12を設けなくてもよく、その場合には、ガス導入機構21からのガスは底部の開口18から排出され、プローブ10aの底部に測定面が形成される。
【0043】
本実施形態では、連続的に成分を測定することを考慮して、プローブ10aの連続使用を可能にするために、例えばBN(窒化ホウ素)のような耐火物でプローブ10aを構成することが好ましい。
【0044】
次に、本実施形態における溶融金属の成分測定動作について説明する。
本実施形態においても、まず、上述の測定面形成手段20の気体導入機構21からプローブ10a内に雰囲気圧よりも高圧の気体(例えばAr、N2)を導入し、気体排出孔12から排出させる。
【0045】
この状態でプローブ10aを溶融金属(溶鋼)Lに浸漬する。浸漬は気体排出孔12が完全に浸漬される深さまで行う。このようにプローブ10aを浸漬させることにより溶融金属(溶鋼)Lが底部の開口18からプローブ10a内へ侵入するが、気体導入機構21から溶融金属表面に向けて溶融金属の静圧に十分勝る圧力で気体を導入することによって、気体は気体排出孔12より強制的に排出・バブリングされる。この作用により、溶融金属バルクの表面にいかなる攪乱が存在しても、また、いかなる深さでプローブ10aを浸漬させても、プローブ10aの気体排出孔12の直下位置に安定した溶融金属表面が形成される。したがって、これを測定面Sとして使用することにより、レーザー光を照射する非接触型成分測定方法によって常に安定した成分測定、例えばMnの測定を行うことができる。
【0046】
このようにして溶融金属(溶鋼)の成分測定を非接触の測定法で、直接かつリアルタイムに行うことができる。そして、このようにプローブ10aを浸漬することにより底部の開口18から連続的に溶融金属を導入することが可能であるから、成分測定を連続的に行うことができ、したがって所定の成分の経時変化を容易に、かつリアルタイムで把握することができるのみならず、溶融金属の成分の濃度を第1の実施形態の場合よりも正確に把握することができる。なお、本実施形態の成分測定装置も、上記図2の転炉吹錬の際の溶鋼の成分測定に適用することができる。
【0047】
(第3の実施形態)
図4は本発明の第3の実施形態に係る溶融金属の成分測定装置を示す模式図である。本実施形態の溶融金属の成分測定装置は、底部に開口19が形成された筒状をなす非接触タイプのプローブ10bを用いた以外は、第1の実施形態と同様に構成されている。したがって、第1の実施形態と同様の部材には同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0048】
本実施形態では、プローブ10bを溶融金属Lに浸漬させずに、その上方に位置させ、気体導入機構21から図示しない配管を介してこのプローブ10b内に雰囲気圧より高い圧力の適宜の気体を導入するとともに、この気体を溶融金属表面に供給する。これにより溶融金属表面に測定面Sが形成される。この場合に、溶融金属Lをサンプリングせずに、容器内の溶融金属表面に直接測定面Sが形成されるので溶融金属の成分を連続的に測定することができる。
【0049】
本実施形態では、プローブ10bを溶融金属に浸漬させないので、プローブ10bの寿命が長く、連続的な成分の測定に適している。より一層プローブ10bを連続使用に適したものとするために、例えばBN(窒化ホウ素)のような耐火物でプローブ10bを構成することが好ましい。
【0050】
次に、本実施形態における溶融金属の成分測定動作について説明する。
本実施形態においては、プローブ10bを溶融金属Lの上方位置に溶融金属Lに浸漬されないようにして配置する。そして上述の測定面形成手段20の気体導入機構21からプローブ10b内に雰囲気圧よりも高圧の気体(例えばAr、N2)を導入し、底部の開口19を介して溶融金属表面に供給する。
【0051】
気体導入機構21から溶融金属表面に向けて溶融金属の静圧に十分勝る圧力で気体を供給することによって、溶融金属バルクの表面にいかなる攪乱が存在しても、気体の圧力により安定した溶融金属表面が形成される。したがって、これを測定面Sとして使用することにより、レーザー光を照射する非接触型成分測定方法によって常に安定した成分測定、例えばMnの測定を行うことができる。
【0052】
このようにして溶融金属(溶鋼)の成分測定を非接触の測定法で、直接かつリアルタイムに行うことができる。そして、溶融金属をサンプリングするのではなく、溶融金属の上方から溶融金属にレーザー光を照射するのであるから、連続的にレーザー光を照射することにより、連続的な成分測定が可能であり、所定の成分の経時変化を容易に、かつリアルタイムで把握することができるのみならず、溶融金属の成分の濃度を第1の実施形態の場合よりも正確に把握することができる。なお、本実施形態の成分測定装置は、図5の転炉吹錬の際の溶鋼の成分測定に適用することができる。図5中、溶融金属に非接触のプローブ10bを用いた以外は図2と同じである。
【0053】
(第4の実施形態)
図6は本発明の第4の実施形態に係る溶融金属の成分測定装置を示す模式図である。本実施形態の溶融金属の成分測定装置は、プローブの代わりに溶融金属容器91の側壁に容器内の溶融金属と連続したノズル孔を有するノズル90を設けた点が異なっている以外は、第1〜第3の実施形態と同様である。したがって、第1〜第3の実施形態と同様の部材には同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0054】
本実施形態では、ノズル90内に先端光学系33を設けるとともに、気体導入機構21からノズル90内に適宜の気体を供給して溶融金属L内に排出する。これにより溶融金属Lのノズル孔との界面部分に測定面Sが形成される。この場合に、溶融金属Lをサンプリングせずに、溶融金属容器91内の溶融金属Lのノズル孔との界面部分に直接測定面Sが形成されるので溶融金属の成分を連続的に測定することができる。なお、ノズルは溶融金属容器91の底部に設けることもできる。
【0055】
ノズル90を連続使用に適したものとするためには、例えばBN(窒化ホウ素)のような耐火物でノズル90を構成することが好ましい。
【0056】
次に、本実施形態における溶融金属の成分測定動作について説明する。
本実施形態においては、ノズル90を溶融金属容器91の側壁に設けるとともにノズル孔と溶融金属Lとがつながるようにする。そして上述の測定面形成手段20の気体導入機構21からノズル90内に雰囲気圧よりも高圧の気体(例えばAr、N2)を導入し、溶融金属Lに供給する。
【0057】
気体導入機構21から溶融金属Lに向けて溶融金属の静圧に十分勝る圧力で気体を供給することによって、溶融金属バルクにいかなる攪乱が存在しても、気体の圧力により安定した溶融金属界面が形成され、気体は溶融金属L中に排出される。したがって、この界面を測定面Sとして使用することにより、レーザー光を照射する非接触型成分測定方法によって常に安定した成分測定、例えばMnの測定を行うことができる。
【0058】
このようにして溶融金属(溶鋼)の成分測定を非接触の測定法で、直接かつリアルタイムに行うことができる。そして、溶融金属をサンプリングするのではなく、溶融金属容器91の側方にノズル90を設け、そのノズル90を介して溶融金属にレーザー光を照射するのであるから、連続的にレーザー光を照射することにより、連続的な成分測定が可能である。したがって、所定の成分の経時変化を容易に、かつリアルタイムで把握することができるのみならず、溶融金属の成分の濃度を第1の実施形態の場合よりも正確に把握することができる。
【0059】
本実施形態における溶融金属の成分測定装置は、図7に示すように、例えば転炉60における底吹き用の羽口61のガス配管62を構成するノズルに適用することができる。すなわちガス配管62を構成するノズルに気体導入機構21から気体を吹き込んで測定面を形成すれば、前述のようにレーザー光を利用した非接触の測定法により溶鋼中の所定成分が直接測定される。
【0060】
上記第1から第4の実施形態においては、レーザー光を照射して、原子吸光法により成分測定を行う例を示した。すなわち、照射したレーザー光がプローブ10のサンプリング室13内の溶融金属Lに照射された際に溶融金属L上の蒸気層17を通過するため、その際の光強度の変化から特定成分の測定を行うことができる。しかし、本発明は、光を照射して非接触で測定する方法であればこのような方法に限らず適用することができる。具体的には光源はレーザーに限らない。また、測定対象は溶融金属であればその種類は問わないし、測定する成分もMnに限らずどのようなものであってもよいし、複数の成分を同時に測定することもできる。さらに、上記実施形態では複数の光源からの光を同一光路に導き、溶融金属で反射した光も同一光路に導いたが、複数光路であってもよい。その場合には、複数の光ファイバーを束にして用いることができる。
【0061】
【実施例】
(実施例1)
ここでは第1の実施形態の実施例について説明する。
容量250トンの上底吹き複合吹錬用転炉内に約250トンの溶銑を装入し、主として脱炭吹錬を行い成分測定試験を行った。溶銑としては転炉前工程である溶銑予備処理設備にて脱硫処理および脱りん処理が施された予備処理溶銑を用いた。炉内にはフラックスを添加して少量のスラグを生成させ、ガス配管および羽口からは溶湯攪拌を目的としてアルゴンまたは窒素を毎分10Nm3程度吹き込んだ。また、上方から転炉内に装入されたランス(5孔)からの上吹き送酸速度は吹錬初期から中期にわたって毎時60000Nm3、吹錬末期に毎時40000Nm3となるように制御した。吹錬中はMn鉱石を適宜装入し、鉱石還元によるMn濃度上昇を図った。
【0062】
測定用のプローブとしては、転炉精錬にて従来使用されている消耗型サブランスプローブを改造して製作し、ほぼ図1の構造を有するものを用いた。サンプリング孔(1孔)および気体排出孔(2孔)をいずれも孔径15mmとし、プローブの内部中空部径を30mmとした。プローブ内に導入する気体としてN2を用い、流量をプローブの浸漬前後で400〜800NL/minの範囲に制御した。
【0063】
成分測定には非接触型のレーザー測定装置を用い、レーザー光は、YAG(イットリウム−アルミニウム−ガーネット)レーザーの第二高調波の発振光(0.53nm)によりTiサファイアレーザを励起して、波長連続レーザー光とし、この波長連続レーザー光の第二高調波について波長を調整して発振させた。発振波長については、Mnの原子吸収波長403nm付近、溶鋼の主成分であるFeは386nm付近、基準光は430nm付近の波長を用い、出力させたレーザー光のエネルギーは10mWであった。
【0064】
光学系として、長さ約50mの2本の光ファイバー(レーザー入光用とレーザー受光用)を用いた。レーザー入光用ファイバーの一端は、レーザー光源からのレーザー光を集光させる位置に配置し、入光用ファイバーの他端は、プローブホルダーに入れた。プローブ内では入光用ファイバから射出した光が蒸気層を通過して受光用ファイバーに導かれた。受光用光ファイバーの他端から出た光をレンズにより平行光として45度入射光について386nmと403nmは反射し、430nmは透過する光学フィルターによりレーザー光を分光して、さらに386nmは反射し403nmは透過する光学フィルターにより各々のレーザー光を分光した。さらに測定波長を中心波長とする半値幅2nmのバンドパスフィルターを通して光電子増倍管(ホトマル)に導きその強度を2m秒単位で測定した。測定は2秒間行い1000データ収集した。
【0065】
温度測定はプローブの底部下側の位置でPt−Rh系熱電対を用いて行った。また、チョッパーの周期は100m秒とし、遮断25m秒、照射75m秒の繰り返しとした。チョッパーで遮断したときの光強度は輻射光であり、遮断しているときの輻射光強度の平均値を時系列で求め、反射光測定時の輻射光強度は、その前後の遮断時の輻射光より計算で求めた。計算で求めた輻射光強度を差し引いて真の反射光強度を求めた。これを基準光および吸光光についてそれぞれ求めた。
【0066】
吸光度のデータは、吸光光と基準光の測定した反射光強度の比(R)について溶鋼面を通さずレーザー光を受光させたときの吸光光と基準光との強度比(RO)を基準としてその比の逆数の対数(−log(R/R0))を吸光度とした。また、主成分元素であるFeについても同様にして吸光度を求めた。
【0067】
溶鋼の温度の補正は、蒸気圧の温度変化についての文献値を用い1600℃の蒸気圧でのMn、Feの吸光度の値に基準化し、補正した。蒸気層厚みの補正は、MnとFeの吸光度比を計算し、この吸光度比を蒸気層厚み補正後のMn吸光度とした。
【0068】
本装置を用いて、吹錬末期、吹錬後の2回の測定を実施した。従来のサブランスと同様の操業にて浸漬、測定、サブランス交換などが可能であった。成分測定は、浸漬時間5秒程度で終了し、測定値が司令室で確認されるまで、測定、解析、演算を含めて約30秒程度であった。
【0069】
図8に本実施例の方法によるMnの測定値と、化学分析による分析値とを比較した結果を示す。図8は、横軸にMnの化学分析値をとり、縦軸に本発明方法によるMnの測定値をとって、これらの間の関係を示すグラフである。図8から明らかなように、本発明方法によるMnの測定値は、化学分析値とほぼ同様の結果が得られることが確認された。
【0070】
また、Mn測定時に同時に測定面からの輻射光を測定した際の溶鋼温度と輻射光強度との関係を図9に示す。予め求めた溶融金属温度と輻射光強度との関係式より、輻射光強度が90%を測定面の形成異常の判定値としたところ、プローブの浸漬深さを浅くした場合には、輻射光の低い異常値が測定され、このときのMn測定値も異常値となることが判明し、輻射光による測定面の形成の良否判定に有効であった。
【0071】
また、本実施例での測定は短時間のため、レーザー出力波長は安定しており、変化しなかった。なお、実際の長時間の測定では、レーザー出力波形は変化する。そこで、レーザー出力波長が変化した場合は、波長位置による吸光度の変化補正を行うことによって、高精度の分析が可能である。
【0072】
(実施例2)
ここでは第2の実施形態の実施例について説明する。
実施例1と同様、容量250トンの上底吹き複合吹錬用転炉内に約250トンの溶銑を装入し、主として脱炭吹錬を行い成分測定試験を行った。溶銑としては転炉前工程である溶銑予備処理設備にて脱硫処理および脱りん処理が施された予備処理溶銑を用いた。炉内にはフラックスを添加して少量のスラグを生成させ、ガス配管および羽口からは溶湯攪拌を目的としてアルゴンまたは窒素を毎分10Nm3程度吹き込んだ。また、上方から転炉内に装入されたランス(5孔)からの上吹き送酸速度は吹錬初期から中期にわたって毎時60000Nm3、吹錬末期に毎時40000Nm3となるように制御した。吹錬中はMn鉱石を適宜装入し、鉱石還元によるMn濃度上昇を図った。
【0073】
測定用のプローブとしては、転炉精錬にて従来使用されている消耗型サブランスプローブを改造して製作し、ほぼ図3の構造を有するものを用いた。溶鋼流入のために底部を開放し、気体排出孔(2孔)を孔径15mmとし、プローブの内部中空部径を30mmとした。プローブ内に導入する気体としてN2を用い、流量をプローブの浸漬前後で400〜800NL/minの範囲に制御した。数分間の連続測定を行うためには、耐久性が重要であり、そのためにプローブ材質としてはBNを使用した。
【0074】
測定については、実施例1と同様のレーザー光を用い、実施例1と同様にして測定を行った。また、溶融金属の温度の補正、蒸気厚みの補正等も実施例1と同様とした。
【0075】
本実施例の装置を用いて、吹錬開始から末期まで、17分間連続(2秒単位)に測定した。図10に本実施例でのMn測定値およびサブランスにてサンプリングしたメタルの化学分析値を示す。図中、実線は本実施例の測定値であり○が化学分析値である。この図に示すように、本実施例の測定値は化学分析値とほぼ一致した。本実施例での測定は短時間のため、レーザー出力波長は安定しており、変化しなかった。
【0076】
(実施例3)
ここでは第3の実施形態の実施例について説明する。
実施例1と同様、容量250トンの上底吹き複合吹錬用転炉内に約250トンの溶銑を装入し、主として脱炭吹錬を行い成分測定試験を行った。溶銑としては転炉前工程である溶銑予備処理設備にて脱硫処理および脱りん処理が施された予備処理溶銑を用いた。炉内にはフラックスを添加して少量のスラグを生成させ、ガス配管および羽口からは溶湯攪拌を目的としてアルゴンまたは窒素を毎分10Nm3程度吹き込んだ。また、上方から転炉内に装入されたランス(5孔)からの上吹き送酸速度は吹錬初期から中期にわたって毎時60000Nm3、吹錬末期に毎時40000Nm3となるように制御した。吹錬中はMn鉱石を適宜装入し、鉱石還元によるMn濃度上昇を図った。
【0077】
測定用のプローブとしては、転炉精錬にて従来使用されている消耗型サブランスプローブを改造して製作し、ほぼ図4の構造を有するものを用いた。底部を開放し、プローブの内部中空部径を30mmとした。プローブ内に導入する気体としてN2を用い、プローブ内のガス流量は400〜800NL/minの範囲に制御した。数分間の連続測定を行うためには、耐久性が重要であり、そのためにプローブ材質としてはBNを使用した。
【0078】
測定については、プローブを溶融金属の上方に配置し、実施例1と同様のレーザー光を用い、実施例1と同様にして測定を行った。また、溶融金属の温度の補正、蒸気厚みの補正等も実施例1と同様とした。
【0079】
本実施例の装置を用いて、吹錬開始から末期まで、17分間連続(2秒単位)に測定した。その結果、上記図10とほぼ一致した結果が得られ、サブランスにてサンプリングしたメタルの化学分析値とほぼ一致した。本実施例での測定は短時間のため、レーザー出力波長は安定しており、変化しなかった。
【0080】
(実施例4)
ここでは第4の実施形態の実施例について説明する。
実施例1と同様、容量250トンの上底吹き複合吹錬用転炉内に約250トンの溶銑を装入し、主として脱炭吹錬を行い成分測定試験を行った。溶銑としては転炉前工程である溶銑予備処理設備にて脱硫処理および脱りん処理が施された予備処理溶銑を用いた。炉内にはフラックスを添加して少量のスラグを生成させ、ガス配管および羽口からは溶湯攪拌を目的として窒素を毎分10Nm3程度吹き込んだ。このときガス配管を構成する1本のノズル内に、先端光学系を組み込み、図7と同様の装置構成とした。また、上方から転炉内に装入されたランス(5孔)からの上吹き送酸速度は吹錬初期から中期にわたって毎時60000Nm3、吹錬末期に毎時40000Nm3となるように制御した。吹錬中はMn鉱石を適宜装入し、鉱石還元によるMn濃度上昇を図った。
【0081】
測定については、ノズル内に形成された測定面を用い、実施例1と同様のレーザー光を用い、実施例1と同様の手法で測定を行った。また、溶融金属の温度の補正、蒸気厚みの補正等も実施例1と同様とした。
【0082】
本実施例の装置を用いて、吹錬開始から末期まで、17分間連続(2秒単位)に測定した。その結果、上記図10とほぼ一致した結果が得られ、サブランスにてサンプリングしたメタルの化学分析値とほぼ一致した。本実施例での測定は短時間のため、レーザー出力波長は安定しており、変化しなかった。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、第1発明によれば、溶融金属に浸漬されるプローブ内の溶融金属表面に高圧の気体を供給して、溶融金属の近傍部分でその気体を排出することによって、強攪拌下の溶融金属または表面に大きな攪乱が存在しているような溶融金属においても安定な溶融金属表面を容易に得ることができ、その溶融金属表面を測定面として用いて光照射による非接触の測定手段を適用することにより、高精度かつ迅速な溶融金属の成分測定が実現可能となる。
【0084】
第2発明によれば、溶融金属表面の上方に配置されるプローブを介して溶融金属表面に高圧の気体を連続的に供給することによって、強攪拌下の溶融金属または表面に大きな攪乱が存在しているような溶融金属においても安定な溶融金属表面を容易に得ることができ、その溶融金属表面を測定面として用いて光照射による非接触の測定手段を適用することにより、溶融金属の成分測定を高精度かつ迅速に、しかも連続的に行うことが可能となる。
【0085】
第3発明によれば、溶融金属を保持する容器の側壁または底壁に、容器内の溶融金属に連続してノズルを設け、ノズルを介して前記溶融金属に向けて雰囲気圧よりも高い圧力の気体を連続的に供給することによって、強攪拌下の溶融金属または表面に大きな攪乱が存在しているような溶融金属においてもそれに関わりなく安定な測定面を容易に得ることができ、その測定面を用いて光照射による非接触の測定手段を適用することにより、溶融金属の成分測定を高精度かつ迅速に、しかも連続的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る溶融金属の成分測定装置を模式的に示す図。
【図2】図1の装置を転炉のサブランスに適用した状態を示す模式図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る溶融金属の成分測定装置を模式的に示す図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る溶融金属の成分測定装置を模式的に示す図。
【図5】図4の装置を転炉のサブランスに適用した状態を示す模式図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る溶融金属の成分測定装置を模式的に示す図。
【図7】図6の装置を転炉の底吹き用ガス供給配管に適用した状態を示す模式図。
【図8】実施例1におけるMn測定値と化学分析値とを比較して示すグラフ。
【図9】溶鋼温度と輻射光強度との関係を示すグラフ。
【図10】実施例2によって連続的にMnを測定した結果を示すグラフ。
【符号の説明】
10……プローブ
11……サンプリング孔
12……気体排出孔
13……サンプリング室
14……プローブホルダー
15……サブランス
16……温度センサー
17……蒸気層
18,19……底部の開口
20……測定面形成手段
21……気体導入機構
30……測定手段
31……発光部
32……計測部
33……先端光学系
34,35……光ファイバー
41a,41b,41c……レーザー光源
53a,53b,53c……光検出器
54……コンピュータ
L……溶融金属(溶鋼)
S……測定面
Claims (11)
- 溶融金属に浸漬され、その中に溶融金属を保持するプローブと、
前記プローブ内の溶融金属表面に向けて上方から雰囲気圧よりも高い圧力の気体を連続的に供給するとともにプローブ外に排出し、前記プローブ内の溶融金属表面に測定面を形成する測定面形成手段と、
成分測定用波長を含む光を前記プローブを通して前記測定面に照射し、その反射光に基づいて所定成分の濃度を測定する測定手段と
を具備することを特徴とする溶融金属の成分測定装置。 - 前記プローブは有底筒状をなし、かつその側面に設けられた溶融金属をサンプリングするサンプリング孔と、前記測定面形成手段を構成し前記サンプリング孔の上部に設けられた気体排出孔とを有し、前記プローブを前記気体排出孔の上縁以上の位置まで溶融金属内に浸漬させた状態として、前記サンプリング孔からサンプリングされ前記プローブに保持された溶融金属の表面に前記気体を連続的に供給して前記気体排出孔から排出することにより前記測定面が形成されることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属の成分測定装置。
- 前記サンプリング孔と前記気体排出孔とが一体的に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の溶融金属の成分測定装置。
- 前記プローブは、溶融金属導入用に底部が開口された筒状をなすことを特徴とする請求項1に記載の溶融金属の成分測定装置。
- 前記プローブの側面に設けられ前記測定面形成手段を構成する気体排出孔を有し、前記プローブを前記気体排出孔の上縁以上の位置まで溶融金属内に浸漬させた状態として、前記プローブ内に保持された溶融金属の表面に前記気体を供給して前記気体排出孔から排出することにより前記測定面が形成されることを特徴とする請求項4に記載の溶融金属の成分測定装置。
- 前記プローブ内に前記気体を供給して前記底部の開口から排出することにより前記測定面が形成されることを特徴とする請求項4に記載の溶融金属の成分測定装置。
- 底なし筒状をなし、溶融金属表面の上方に配置されるプローブと、
前記プローブを介して前記溶融金属表面に向けて上方から雰囲気圧よりも高い圧力の気体を連続的に供給し、溶融金属表面に測定面を形成する測定面形成手段と、
成分測定用波長を含む光を前記プローブを通して前記測定面に照射し、その反射光に基づいて所定成分の濃度を測定する測定手段と
を具備することを特徴とする溶融金属の成分測定装置。 - 溶融金属を保持する容器の側壁または底壁に、ノズル孔が容器内の溶融金属につながるように設けられたノズルと、
前記ノズルを介して前記溶融金属に向けて雰囲気圧よりも高い圧力の気体を連続的に供給し、溶融金属の気体供給部分に測定面を形成する測定面形成手段と、
成分測定用波長を含む光を前記プローブを通して前記測定面に照射し、その反射光に基づいて所定成分の濃度を測定する測定手段と
を具備することを特徴とする溶融金属の成分測定装置。 - 前記測定手段は、成分測定用波長を含む光を発光する発光部と、前記測定面で反射した光の光量を検出するとともにその検出結果に基づいて前記所定成分の濃度を求める計測部と、前記プローブ内またはその近傍に設けられ、発光部からの光を前記測定面に照射し測定面で反射した光を受光するための先端光学系と、前記発光部から前記先端光学系の間および前記先端光学系から前記測定部の間で光を導く光ファイバーとを有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の溶融金属の成分測定装置。
- 前記光はレーザー光であり、前記発光部は、一つ以上の測定成分用のレーザー光源と、溶融金属の主成分用のレーザー光源と、光吸収のない基準光用のレーザー光源と、これら光源からのレーザー光を同一光路に導くとともに光ファイバーに導く光学系とを有することを特徴とする請求項9に記載の溶融金属の成分測定装置。
- 溶融金属の温度を測定する温度測定手段をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の溶融金属の成分測定装置。
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