JP4787085B2 - クラッチ機構 - Google Patents
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Description
これにより、クラッチ部が接続された「入り」状態になり、駆動側クラッチ部の回転が被動側クラッチ部に伝えられる。
このクラッチ機構は、クラッチフォークおよび操作軸をピンで固定し、この操作軸の先端部および基端部を筒状支承具を介してケースに回動自在に取り付けている。
このため、部品点数が多くなり、組立/分解作業に手間がかかる。
これにより、クラッチ部が接続された状態になり、駆動側クラッチ部の回転が被動側クラッチ部に伝えられる。
このため、クラッチアームの操作の際に、一方の受け具がケースから抜け出さないようにするために、一方の受け具の先端部に隆起部を設けて、この隆起部をケースの内壁に係止させている。
そして、一方の受け具をケースの取付孔から外す際には、内壁に係止している隆起部を縮径させて取付孔に引き込んで、取付孔から引き出す必要がある。
このように、一方の受け具をケースの取付孔に取り付ける際や、ケースの取付孔から外す際に、隆起部が邪魔になり、組立/分解作業に手間がかかる。
前記クラッチが非接続状態において、前記カムのうち、前記クラッチプレートに臨む部位を前記カム軸の中心側に寄せ、前記クラッチプレートは、前記クラッチに向かって凸となる略湾曲状に形成されることで、前記クラッチプレートの中央部が前記クラッチ側の中央部に向かって突出していることを特徴とする。
これにより、カムをクラッチ操作位置に位置決めすることができるという利点がある。
これにより、部品点数を減らすことが可能になり、クラッチ機構の組立/分解作業を手間をかけずに簡単におこなうことができるという利点がある。
よって、クラッチプレートに臨む部位をクラッチプレートに近接させた際に、カム軸をクラッチプレート側に寄せることができる。
これにより、カムをクラッチプレートに一層近づけることが可能になり、クラッチ機構のコンパクト化を図ることができるという利点がある。
これにより、カムを簡素な形状にすることが可能になり、生産性を高めることができるという利点がある。
これにより、カムやクラッチプレートの耐久性を一層向上させることができるという利点がある。
また、実施の形態においては、本発明に係るクラッチ機構をキーシフト式変速装置に内蔵し、キーシフト式変速装置を歩行型芝刈機に設けた例について説明するが、本発明に係るクラッチ機構の用途はキーシフト式変速装置や歩行型芝刈機に限定するものではない。
さらに、実施の形態においては、本発明に係るクラッチ機構としてコーンクラッチ機構を例示するが、本発明に係るクラッチ機構は他のクラッチ機構に適用することも可能である。
歩行型芝刈機10は、機体(図示せず)の前部に左右の前輪11を備えるとともに後部に左右の後輪12を備え、左右の前輪11および左右の後輪12間にエンジン13を備え、このエンジン13の下方に芝刈用刈刃14を備え、エンジン13の回転を左右の後輪12に伝えるキーシフト式変速装置15を備え、前記機体から後方へ操作用のハンドル17を延ばしたものである。
入力軸24はクラッチ機構52に連結されている。クラッチアーム27は、クラッチ機構52を操作するアームである。変速アーム28は、変速機構53を操作するアームである。
従動プーリ25は、駆動ベルト32を介して駆動プーリ33に連結されている。駆動プーリ33は、エンジン13に連結された駆動軸34に設けられている。
後輪駆動軸26の右端部に右ギヤ41が備えられ、右ギヤ41が右従動ギヤ42に噛み合っている。右従動ギヤ42に右車軸43を介して右後輪12が連結されている。
クラッチレバー46を操作することで、クラッチアーム27が作動し、キーシフト式変速装置15をクラッチ「入り」とクラッチ「切り」とに切り替える。
変速レバー48を操作することで、変速アーム28が作動し、キーシフト式変速装置15を変速する。
これにより、左右の後輪12,12および左右の前輪11,11で駆動しながら、芝刈用刈刃14で芝草などの草を刈ることができる。
キーシフト式変速装置15は、密封状態のケース21内の中間軸51にクラッチ機構(コーンクラッチ機構)52が設けられ、ケース21内の中間軸51および後輪駆動軸(以下、「変速軸」という)26に変速機構53が設けられ、ケース21内に潤滑油50が充填されている。
すなわち、クラッチ機構52および変速機構53は潤滑油50中に浸漬されている。
この中間軸51にクラッチ機構52が設けられている。
なお、本発明に係るクラッチ機構52については、図4〜図6において詳しく説明する。
変速軸26の右変速軸ブッシュ58近傍の部位に貫通孔61が形成され、貫通孔61に抜止ピン62が差し込まれる。抜止ピン62に隣接してカラー63が設けられている。
カラー63は、外周から抜止ピン62側に折り曲げられた折曲片63aを備える。折曲片63aを抜止ピン62の両端側に配置することで、抜止ピン62が貫通孔61から抜け出すことを防止する。この変速軸26に変速機構53が設けられている。
第1〜第3の変速ギヤ87〜89のうち、選択した変速ギヤにキー部材を係合させることで、選択した変速ギヤを変速軸26と一体に回転させることができる。
図1に示す変速レバー48を操作することで、変速アーム28が作動して変速操作軸99が回動する。変速操作軸99が回動することで、シフトフォーク98が変速操作軸99を軸にしてスイング移動する。シフトフォーク98がスイング移動することで、シフタ92が変速軸26に沿って摺動する。
以下、本発明に係るクラッチ機構52について詳しく説明する。
なお、図6においては、クラッチ機構52の理解を容易にするために、前方部位を上方に向け、後方部位を下方に向けて図示した。
クラッチ54は、駆動側クラッチ部59および被動側クラッチ部60が接触状態で「入り」となり、駆動側クラッチ部59の回転を被動側クラッチ部60に伝える状態に保つ。
一方、クラッチ54は、駆動側クラッチ部59および被動側クラッチ部60が非接触状態で「切り」となり、駆動側クラッチ部59の回転を被動側クラッチ部60に伝えない状態に保つ。
右スラストベアリング73は、右中間軸ブッシュ56に当接されている。
図6に示すように、左コーン65は、焼結合金で円錐形(コーン形)に形成され、外周に円錐形の左雄テーパ摩擦面70が設けられ、中央に左嵌合孔101が形成され、左嵌合孔101の内周面に一対の左凹部102が形成されている。
左雄テーパ摩擦面70は、左コーン65が焼結合金で成形される際に、同時に成形された面である。
焼結合金は、一例として、銅(Cu)、炭素(C)や鉄(Fe)の粉体を焼結して得られた合金である。
左雄テーパ摩擦面70には、左コーン65の軸線64方向に沿って左油溝103…が90度の間隔をおいて等間隔に4本設けられている。
具体的には、左油溝103を左雄テーパ摩擦面70の基端部70aから先端部70bまで延ばした。左油溝103の両端部が基端部70aおよび先端部70bでそれぞれ開口されることで、左油溝103の両端部に開口部103a,103aが形成される。
これにより、左油溝103を機械加工で形成する必要がなく、生産性を高めることができる。
左油溝103は、潤滑油50(図3参照)を蓄え、かつ不純物を排出するための凹みである。
左コーン65を焼結合金で成形することで、焼結合金内の気孔が左テーパ摩擦面70に微細な凹部104…として露出する。
なお、この凹部104…は、左雄テーパ摩擦面70の面積に影響を与えない微細な凹みである。
これにより、左コーン65は、中間軸51にロックされ、中間軸51と一体に回転する。
右雄テーパ摩擦面71は、右コーン66が焼結合金で成形される際に、同時に成形された面である。
焼結合金は、一例として、銅(Cu)、炭素(C)や鉄(Fe)の粉体を焼結して得られた合金である。
右雄テーパ摩擦面71には、右コーン66の軸線64方向に沿って右油溝108…が90度の間隔をおいて等間隔に4本設けられている。
具体的には、右油溝108を右雄テーパ摩擦面71の基端部71aから先端部71bまで延ばした。右油溝108の両端部が基端部71aおよび先端部71bでそれぞれ開口されることで、右油溝108の両端部に開口部108a,108aが形成される。
これにより、右油溝108を機械加工で形成する必要がなく、生産性を高めることができる。
右油溝108は、潤滑油50(図3参照)を蓄え、かつ不純物を排出するための凹みである。
右コーン66を焼結合金で成形することで、焼結合金内の気孔が右テーパ摩擦面71に微細な凹部109…として露出する。
なお、この凹部109…は、右雄テーパ摩擦面71の面積に影響を与えない微細な凹みである。
これにより、右コーン66は、中間軸51にロックされ、中間軸51と一体に回転する。
この駆動側クラッチ部59は、内周面のうち、左側の部位に左雌テーパ摩擦面77が設けられ、右側の部位に右雌テーパ摩擦面78が設けられ、外周にウォームホイール76が形成されている。
左雌テーパ摩擦面77は、左雄テーパ摩擦面70に嵌合可能な傾斜面である。
右雌テーパ摩擦面78は、右雄テーパ摩擦面71に嵌合可能な傾斜面である。
よって、左右の油溝103…,108…に潤滑油50(図3参照)を蓄えることで、左雄テーパ摩擦面70と左雌テーパ摩擦面77との間に潤滑油50を良好に保つとともに、右雄テーパ摩擦面71と右雌テーパ摩擦面78との間に潤滑油50を良好に保つことができる。
これにより、例えば、クラッチ54を「切り」から「入り」に切り替えるときに、駆動側クラッチ部59および被動側クラッチ部60間の潤滑性を高めて摩耗量を抑えることができる。
よって、左雄テーパ摩擦面70と左雌テーパ摩擦面77との間や、右雄テーパ摩擦面71と右雌テーパ摩擦面78との間から除去することができる。
左右の油溝103…,108…に逃がした不要物は、油溝103…,108…に沿って導かれ外部に排出される。
よって、左雄テーパ摩擦面70と左雌テーパ摩擦面77との間に潤滑油50を一層良好に保つとともに、右雄テーパ摩擦面71と右雌テーパ摩擦面78との間に潤滑油50を一層良好に保つことができる。
これにより、左油溝103…に不要物が残ることを防いで、左雄テーパ摩擦面70と左雌テーパ摩擦面77との間に存在した不要物を油溝に良好に逃がすことができる。
また、右油溝108…に不要物が残ることを防いで、右雄テーパ摩擦面71と右雌テーパ摩擦面78との間に存在した不要物を油溝に良好に逃がすことができる。
しかし、クラッチ機構52は、左雄テーパ摩擦面70と左雌テーパ摩擦面77との間に潤滑油50(図3参照)を良好に保つとともに、右雄テーパ摩擦面71と右雌テーパ摩擦面78との間に潤滑油50を良好に保つことで、クラッチ機構52の組立直後からクラッチ54の「切れ」を良くすることができる。
よって、本発明に係るクラッチ機構52によれば、テーパ摩擦面に馴染みをつける作業を不要にできる。
左右の雄テーパ摩擦面70,71を十分に確保することで、摩擦力不足をなくすとともに、テーパ摩擦面を均一に押し付けることが可能になる。
左右の雄テーパ摩擦面70,71を十分に確保することができるので、被動側クラッチ部60(すなわち、クラッチ54)を大型化してテーパ摩擦面を確保する必要はない。
よって、左右の雄テーパ摩擦面70,71にそれぞれ左右の油溝103…,108…を形成しても、被動側クラッチ部60の強度を十分に確保することが可能である。
これにより、被動側クラッチ部60にコイルスプリングなどの補強部材を巻き付けて被動側クラッチ部60の強度を確保する必要がない。
よって、入力軸24が回転すると、ウォーム79が回転し、ウォーム79の回転がウォームホイール76に伝わる。
左スラストワッシャ72に隣接してクラッチプレート74が設けられている。
クラッチプレート74は、略矩形状に形成されるとともに、側面視で略湾曲状に形成され、中央に嵌合孔113が形成された部材である。
これにより、クラッチプレート74が、支持突部115およびカム81と、左スラストベアリング72とで図示の位置に挟持される。
これにより、クラッチプレート74は、前後の位置決め突部116,117で前後方向に対して位置決めされる。
なお、クラッチプレート74の上下方向の位置決めについては後述する。
図5に示すように、カム部材75は、クラッチプレート74の後端部74aに接触しているカム81と、カム81の両端部81a,81aに設けられた上下のカム軸(カム軸)82,83とからなる。
クラッチプレート74に臨む部位が凹部121に形成され、凹部121内にクラッチプレート74の後端部74aが入り込んでいる。この凹部121の底面122がカム81の支持面を形成する。
図4に示すように、カム81は、断面略扇形のカム面120が形成されている。カム面120は、平坦な支持面122と、平坦な後面123と、円弧状の張出面124とを有する。
支持面122は、前述したように、凹部121の底面で形成した面である。支持面122(すなわち、カム81のうち、クラッチプレート74に臨む部位)を、上下のカム軸82,83の中心126側に寄せることができる(図5も参照)。
これにより、カム部材75をクラッチプレート74に一層近づけることが可能になり、クラッチ機構52のコンパクト化を図ることができる。
これにより、カム部材75を簡素な形状にすることができる。
これにより、カム81(すなわち、カム部材75)やクラッチプレート74の耐久性を一層向上させることができる。
すなわち、張出面124は、支持面122の前端部から後面123の左端部まで、左右のカム軸82,83に対して半径方向に張り出した円弧面である。
張出面124と支持面122との交差部で頂部128が形成される。
上取付孔131は、上部ケース22の上ボス133に形成されている。
下取付孔135は、下部ケース23の下ボス136に形成されている。
よって、上カム軸82が上ボス133に回転自在に支持されるとともに、下カム軸83が下ボス136に回転自在に支持される。
これにより、カム部材75は上下のボス133,136に回転自在に取り付けられる。
また、張出部の下端部を下ボス136の内側端部136aに当接させることで、カム部材75の下方への移動を規制する。
これにより、カム部材75が軸線方向(上下方向)に移動することを防いで、カム81を操作位置に位置決めすることができる。
さらに、下ボス136の内側端部136aにクラッチプレート74の下縁74gを近接することで、内側端部136aで下縁74gが下方に移動することを規制する。
これにより、クラッチプレート74は、上ボス133の内側端部133aおよび下ボス136の内側端部136aで上下方向に対して位置決めされる。
図7(a),(b)は本発明に係るクラッチ機構を非接続状態から接続状態に切り替える動作を説明する図である。
(a)に示すように、クラッチ54の非接続状態において、支持面122はクラッチプレート74の後端部74aに接触している。
この状態から、クラッチ54を接続状態にする際には、上下のカム軸82,83(上カム軸82は図5参照)を軸にしてカム部材75を矢印A方向に回転する。カム部材75が回転することでカム81が矢印A方向に回転する。
クラッチプレート74は、前端部74bがケース21の支持突部115に当接している。よって、クラッチプレート74は、前端部74bを支点として後端部74aが矢印Bの如く左スラストベアリング72に向けて移動する。
よって、左雄テーパ摩擦面70が左雌テーパ摩擦面77に押圧されるとともに、右雄テーパ摩擦面71が右雌テーパ摩擦面78に押圧される。
すなわち、カム81の頂部128でクラッチプレート74を押圧することで、クラッチ54が非接続状態から接続状態に切り替わる。
図8(a),(b)は本発明に係るクラッチ機構を下部ケースにセットする手順を説明する図である。
(a)において、中間軸51の右端部51bに右中間軸ブッシュ56を嵌め込んだ状態で、右中間軸ブッシュ56の下半分56aを下部ケース23のブッシュ受部141に矢印Dの如く収容する。
さらに、カム部材75の下カム軸83を、下部ケース23の下取付孔135に矢印Eの如く差し込む。
さらに、上部ケース22の上取付孔131を上カム軸82に矢印Gの如く嵌め込む。
(a)において、上部ケース22および下部ケース23をボルト31…(図2参照)で締め付けることで、ケース21を一体に組み付ける。
上部ケース22の上取付孔131(すなわち、上ボス133)から上方に、上カム軸82の上端部82aが突出している。この上端部82aにクラッチアーム27を矢印Hの如く嵌め込み、ナット132をねじ部82cにねじ結合する。
これにより、クラッチ機構52がケース21内に収納される。
よって、カム81を操作位置に位置決めする位置決め部材を、カム部材75に個別に取り付ける必要がない。これにより、クラッチ機構の組立/分解作業を手間をかけずに簡単におこなうことができる。
例えば、歩行型草刈機、歩行型除雪機、歩行型耕耘機、動力機付きの歩行型一輪・二輪・三輪・四輪運搬車などに適用可能である。
また、雄テーパ摩擦面および雌テーパ摩擦面の両方の面に油溝をそれぞれ設けることも可能である。
また、駆動側クラッチ部59のみを焼結合金で形成することも可能である。
Claims (4)
- ケース内に駆動側クラッチ部および被動側クラッチ部からなるクラッチが収容されるとともに、このクラッチを操作するカムが収容され、このカムの両端部にカム軸がそれぞれ設けられ、それぞれのカム軸が前記ケースの取付孔に回転自在に取り付けられたクラッチ機構において、
前記カムは、前記カム軸に対して半径方向に張り出した張出部を有し、
この張出部の両端部を前記ケースの内側部にそれぞれ近接配置することで前記カムを前記クラッチを操作する位置に位置決めし、
前記カムおよび前記クラッチ間に介在され、前記カムのカム面で押圧力をかけることで前記クラッチ側へ変位して、前記クラッチを非接続状態から接続状態に切替可能なクラッチプレートを有し、
前記クラッチが非接続状態において、前記カムのうち、前記クラッチプレートに臨む部位を前記カム軸の中心側に寄せ、
前記クラッチプレートは、前記クラッチに向かって凸となる略湾曲状に形成されることで、前記クラッチプレートの中央部が前記クラッチ側の中央部に向かって突出していることを特徴とするクラッチ機構。 - 前記クラッチプレートは、一端が前記カムによって押されると共に、他端が前記ケースに一体成形された支持突部に当接することで回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1記載のクラッチ機構。
- 前記クラッチプレートに臨む部位を凹部としたことを特徴とする請求項2記載のクラッチ機構。
- 前記凹部の底面を平坦な支持面とし、この支持面を前記クラッチプレートに接触させたことを特徴とする請求項3記載のクラッチ機構。
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