JPH0832505B2

JPH0832505B2 - 伝動装置のクラッチ取付部構造

Info

Publication number: JPH0832505B2
Application number: JP1274276A
Authority: JP
Inventors: 和嘉平田
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1989-10-21
Filing date: 1989-10-21
Publication date: 1996-03-29
Anticipated expiration: 2011-03-29
Also published as: JPH03135833A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、多板式の摩擦クラッチを設けると共に、こ
の摩擦クラッチを構成するクラッチハウジングに伝動用
ギアを一体回転可能に備えてある伝動装置のクラッチ取
付部構造に関する。

〔従来の技術〕

上記伝動装置において、従来、例えば実開昭63−1829
31号公報に示されるように、クラッチハウジングに断接
される方の摩擦板が取付けられているスリーブの支軸に
クラッチハウジングが取付けられていた。すなわち、ク
ラッチハウジングをスリーブ支軸が支持するようになっ
ている。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来、クラッチハウジングがスリーブ支軸に対して傾
斜することの抑制を図ると、スリーブ支軸による支持ス
パンが長くなるように、クラッチハウジングのスリーブ
支軸に外嵌するボス部の軸芯方向長さを長くする必要が
あり、またクラッチハウジングには摩擦板取付けのため
のハウジング部を前記ボス部と回転軸芯方向に位置する
状態で備えさせる必要があることから、クラッチハウジ
ングの回転軸芯方向での長さが長くなると共に、この長
尺化のために大型化したクラッチハウジングの収納がで
きるようにミッションケースも大型化せねばならない不
都合があった。

本発明の目的は、クラッチハウジングの傾斜抑制が小
型化を図りながらできるようにすることにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明による伝動装置のクラッチ取付部構造にあって
は、目的達成のために、前記クラッチハウジングの前記
伝動用ギアに対して摩擦板取付部とは反対側に位置する
箇所にベアリング取付筒部を備えさせ、このベアリング
取付筒部に付設のベアリングと、前記摩擦板取付部に外
嵌する筒ブシュとを介して回転自在に支持される状態で
ミッションケースに取付けてある。

前記筒ブシュは単一部品であってもよいのであるが、
油路形成用貫通孔を有する内筒ブシュと外筒ブシュとで
形成すれば有利である。

〔作用〕

ミッションケースに支持されるように取付ける支持専
用部分としてのベアリング取付部の回転軸芯方向長さを
従来のボス部長さより小に形成しても、ミッションケー
スがクラッチハウジングをベアリング取付部と摩擦板取
付部の両箇所にて支持することから、支持スパン長さを
従来の支持スパン長さと同一またはそれより長いように
することが可能となる。

筒ブシュを外筒ブシュと油路付き内筒ブシュとで作成
すれば、外筒ブシュと内筒ブシュの間で相対回動するよ
うにし、そして、クラッチ入り圧のために油がクラッチ
ハウジング内から摩擦板取付部の摩擦板係止用切欠き、
内筒ブシュの油路を通して内筒ブシュと外筒ブシュの間
に供給されるようにし、その割には、内筒ブシュには貫
通孔不在部がブシュの周方向に全周にわたって連続する
環状状態で形成され、この環状孔不在部のために、内筒
ブシュの貫通孔周囲のエッジ作用によるブシュ摩滅が発
生しにくい状態に両ブシュが接触するようにすることが
可能になる。すなわち、クラッチハウジングやミッショ
ンケースに摩滅や焼付きが生じにくいようにし、しか
も、ブシュ自体の摩滅や焼付きも生じにくいようにする
ことが可能になる。

〔発明の効果〕クラッチハウジングの支持スパンを長くし、クラッチ
ハウジングとスリーブの軸芯ずれが発生しにくくてクラ
ッチがスムーズに作動すると共に伝動を確実にする信頼
性の高いものにすることが可能になった。

しかも、クラッチハウジングの回転軸芯方向長さを極
力小にし、クラッチハウジングの小型化を図って伝動装
置をコンパクトに得ることが可能になった。

筒ブシュを内外両ブシュで作成することにより、クラ
ッチハウジング及びミッションケースのみならずブシュ
自体をも摩滅したり、しにくいように保護して耐久性の
優れたものにすることができる。

〔実施例〕

次に実施例を示す。

第１図に示すように、エンジン出力を、中立を挾んで
前進側と後進側に切換え可能な油圧式無段変速装置
（M₁）及び入力軸（１）を介してミッションケース
（２）に伝達し、そして、入力軸（１）の回動力を、シ
フトギア部材（３）の摺動操作によって３段に切換え可
能な走行用副変速装置（M₂）に伝達すると共に、この走
行用副変速装置（M₂）の回転出力を機体操向装置（Ａ）
を介して左右のクローラ式走行装置（４），（４）夫々
のクローラ駆動軸（５）に伝達するように構成して、コ
ンバイン用の走行用伝動構造を構成してある。

機体操向装置（Ａ）を構成するに、左右走行装置
（４），（４）の夫々に対して第１図及び第２図に示す
ように構成してある。

すなわち、ミッションケース（２）に支軸（６）を介
して支持されるように取付けた前進伝動ギア（７）を、
走行用副変速装置（M₂）の出力軸ギア（８）に直接に咬
合させることによって常に支軸（６）の軸芯（Ｐ）の周
りで回動駆動されるように構成し、支軸（６）の一端側
に前記軸芯（Ｐ）の周りで回動するように配置した後進
伝動ギア（９）を逆転伝動ギア機構（10）を介して走行
用副変速装置（M₂）の出力軸ギア（11）に連動させるこ
とによって常に前進伝動ギア（７）と同一の軸芯周りで
前進伝動ギア（７）とは逆の回転方向に回動するよう駆
動されるように構成すると共に、支軸（６）の前進伝動
ギア（７）と後進伝動ギア（９）の間に位置する箇所に
伝動ギア部材（12）を相対回動及び摺動自在に取付けて
ある。伝動ギア部材（12）にクラッチギア部（13）を前
進伝動ギア（７）のボス部ギアに係脱するように形成し
て備えさせることにより、前進伝動ギア（７）から伝動
ギア部材（12）に両者の咬合によって回動力伝達するよ
うに、かつ、伝動ギア部材（12）の摺動に伴って入り切
り変化するように前進用クラッチ（FC）を構成してあ
る。後進用伝動ギア（９）にクラッチハウジング（14）
を一体部品に形成することによって一体に回動するよう
に備えると共に、伝動ギア部材（12）に一体形成のため
に共に摺動するように備えさせた筒形出力部材（15）を
クラッチハウジング（14）の内部に同芯状に配置し、そ
して、クラッチハウジング（14）と出力部材（15）の間
に複数枚の摩擦板（16）…を有したクラッチ本体を設け
ると共に、クラッチ操作部（17）をクラッチ本体に押圧
作用したり作用解除するように形成して伝動ギア部材
（12）に備えさせることにより、後進伝動ギア（９）の
回動力が伝動ギア部材（12）に摩擦伝達されるように、
かつ、伝動ギア部材（12）の摺動に伴って入り切り変化
するように多板式の後進用摩擦クラッチ（RC）を構成し
てある。伝動ギア部材（12）はギア伝動機構（18）を介
してクローラ駆動軸（５）に連動すると共に摺動如何に
かかわらずギア伝動機構（18）のギア（18a）との咬合
を維持するように形成してあること、及び、クラッチギ
ア部（13）及びクラッチ操作部（17）を一体に摺動する
ように備えていることにより、走行装置（４）に連動さ
れたままで軸芯（Ｐ）の方向に摺動して前進用クラッチ
（FC）と後進用摩擦クラッタ（RC）をいずれもが切りに
なると共にいずれか一方のみが入りになる状態に操作す
るように構成してある。また、伝動ギア部材（12）は出
力部材（15）に作用させてある前進付勢スプリング（1
9）によって前進用クラッチ入り操作位置に摺動付勢さ
れるように構成すると共に、摺動フォーク（20）、フォ
ーク支軸（21）、第３図に示す如く揺動リング（22）及
び操作ワイヤ（23）を介して操向ペダル（24）により後
進用クラッチ入り側に人為操作するように構成してあ
る。

要するに、左右一対の操向ペダル（24），（24）のい
ずれもを直進位置（Ｓ）に操作すると、一対の前進用ク
ラッチ（FC），（FC）のいずれもが入りになって前進伝
動ギア（７）の回動力を一方の伝動ギア部材（12）によ
りギア伝動機構（18）を介して一方のクローラ駆動軸
（５）に、かつ、他方の伝動ギア部材（12）によりギア
伝動機構（18）を介して他方のクローラ駆動軸（５）に
夫々伝達し、機体が直進前進するように左右走行装置
（４），（４）を前進側に駆動するのである。そして、
一方の操向ペダル（24）のみを第１旋回位置（T₁）に踏
込み操作すると、その方の前進用クラッチ（FC）及び後
進用クラッチ（RC）が切りになって一方のクローラ駆動
軸（５）に対する伝動が停止し、踏込み操作した操向ペ
ダル（24）の位置する側に向かって機体が旋回走行する
ように左右走行装置（４），（４）の一方を遊転状態に
しながら他方を前進側に駆動するのである。そして、一
方の操向ペダル（24）のみを第２旋回位置（T₂）にさら
に踏込み操作すると、その方の後進用クラッチ（RC）が
入りになって後進伝動ギヤ（９）の回動力を伝動ギア部
材（12）によりギア伝動機構（18）を介して一方のクロ
ーラ駆動軸（５）に伝達し、踏込み操作した操向ペダル
（24）の位置する側に機体が信地旋回するように左右走
行装置（４），（４）の一方を後進側に、かつ、他方を
前進側に夫々駆動するのである。

一対の後進用クラッチ（RC），（RC）の夫々におい
て、クラッチハウジング（14）の摩擦板取付部（14a）
を該箇所に外嵌する筒ブシュ（25）を介してミッション
ケース（２）の第１クラッチ支持部（2a）に内嵌させ、
そして、クラッチハウジング（14）の後進伝動ギア
（９）に対して摩擦板取付部（14a）とは反対側に備え
させたベアリング取付部（14b）を該箇所に外嵌するボ
ール式ベアリング（26）を介してミッションケース
（２）の第２クラッチ支持部（2b）を内嵌させることに
より、クラッチハウジング（14）をミッションケース
（２）に筒ブシュ（25）とベアリング（26）を介して回
転自在に支持されるように取付けてある。つまり、摩擦
板取付部（14a）に筒ブシュ（25）を介してミッション
ケース（２）が支持作用し、ベアリング取付部（14b）
にベアリング（26）を介してミッションケース（２）が
支持作用することと、摩擦板取付部（14a）とベアリン
グ取付部（14b）が前記配置関係に在ることのために、
クラッチハウジング（14）がその回転軸芯方向での長さ
の割には支持スパンが長くて出力部材（15）に対して傾
斜しにくい状態でミッションケース（２）によって支持
さるように配慮してある。

筒ブシュ（25）は摩擦板取付部（14a）に圧入によっ
て一体に回動するように外嵌する内筒ブシュ（25a）
と、この内筒ブシュ（25a）に相対回動するように外嵌
する外筒ブシュ（25b）とによって作成してある。内筒
ブシュ（25a）には第４図に示す如く周方向及び軸芯方
向の夫々に分散させた複数個の貫通孔（27）…を備えて
あると共に、これら貫通孔（27）は、摩擦板（16）の複
数の第５図の如き突部（16a）…が摺動のみ可能に入り
込むことによって摩擦板（16）がクラッチハウジング
（14）に一体回転及び摺動可能に係止するように形成し
て、かつ、クラッチハウジング（14）の周方向に分散さ
せて摩擦板取付部（14a）に備えてある複数の摩擦板係
止用切欠き（28）…の１つに連通する油路を形成するよ
うに配置すると共に形成してある。

つまり、摩擦板取付部（14a）と第１クラッチ支持部
（2a）の間の相対回動が内筒ブシュ（25a）と外筒ブシ
ュ（25b）の間で生じるように構成し、そして、後進用
クラッチ（RC）の入り作動時に、摩擦板押圧に伴う操作
力のために潤滑油が切欠き（28）、及び、貫通孔（27）
による油路を通してハウジング内から内筒ブシュ（25
a）と外筒ブシュ（25b）の間に供給されることが可能な
ように構成し、さらには、内筒ブシュ（25a）が貫通孔
（27）の存在しない部分によりブシュ全周にわたって連
続して外筒ブシュ（25b）に接触して貫通孔周囲のエッ
ジ作用による外筒ブシュ（25b）の摩滅を発生しにくく
するように配慮することにより、摩擦板取付部（14a）
及び第１クラッチ支持部（2a）の摩滅防止を図ると共に
ブシュ自体の摩滅抑制をも図っている。

尚、摩擦クラッチ（RC）を機体操向を可能にするため
に備えさせる伝動構造の他、単なる伝動断接を可能にす
るために備えさせる伝動構造、さらには、伝動対象を走
行装置以外とする各種伝動構造にも本発明は適用でき
る。したがって、後進伝動ギア（９）を伝動用ギア
（９）と称する。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする
為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構
造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る伝動装置のクラッチ取付部構造の実
施例を示し、第１図は走行用伝動構造の断面図、第２図
は後進用伝動部の断面図、第３図は後進用操作系統図、
第４図はブシュの斜視図、第５図は第２図のＶ−Ｖ線断
面矢視図である。（２）……ミッションケース、（９）……伝動用ギア、
（14）……クラッチハウジング、（14a）……摩擦板取
付部、（14b）……ベアリング取付部、（25）……筒ブ
シュ、（25a）……内筒ブシュ、（25b）……外筒ブシ
ュ、（26）……ベアリング、（27）……貫通孔、（28）
……摩擦板係止用切欠き、（RC）……摩擦クラッチ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】多板式の摩擦クラッチ（RC）を設けると共
に、この摩擦クラッチ（RC）を構成するクラッチハウジ
ング（41）に伝動用ギア（９）を一体回転可能に備えて
ある伝動装置のクラッチ取付部構造であって、前記クラ
ッチハウジング（14）の前記伝動用ギア（９）に対して
摩擦板取付部（14a）とは反対側に位置する箇所にベア
リング取付筒部（14b）を備えさせ、このベアリング取
付筒部（14b）に付設のベアリング（26）と、前記摩擦
板取付部（14a）に外嵌する筒ブシュ（25）とを介して
回転自在に支持される状態でミッションケース（２）に
取付けてある伝動装置のクラッチ取付部構造。
【請求項２】前記筒ブシュ（25）が前記摩擦板取付部
（14a）に一体回転可能に外嵌する内筒ブシュ（25a）
と、この内筒ブシュ（25a）に外嵌する外筒ブシュ（25
b）とから成り、前記内筒ブシュ（25a）に前記摩擦板取
付部（14a）の摩擦板係止用切欠き（28）に連通する油
路を形成する状態で貫通孔（27）を備えてある請求項１
記載の伝動装置のクラッチ取付部構造。