JP4787000B2 - 弾性成形型およびそれを用いる成形品の製造方法 - Google Patents

弾性成形型およびそれを用いる成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は弾性成形型に関し、さらに詳しくは、特定の生ゴム状オルガノポリシロキサン、シラノール基活性の低い特定のシリカ系無機充填剤および架橋剤を含有するシリコーンゴム組成物を成形してつくられた弾性成形型およびそれを用いる成型品の製造方法に関する。
従来、種々の成型品を製造するため、金属製の成形型が広く使用されているが、近年ではこれに代えて、天然ゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴムなどの弾性材料でつくられた成形型、すなわち弾性成形型を用いて成形する方法が知られている。
この弾性成形型を用いる成形方法は、弾性成形型の開口部から、該成形型内に流動性の成形材料を充填し、次いで、加熱あるいは冷却するなどして成形材料を固化し、この固化した成形品を弾性成形型より取り出す方法である。この弾性成形型による成形方法では、弾性成形型を空気圧差を利用するなどして拡張させ、成形品を型から剥がし、拡張した開口部より排出させることにより取り出しを行なうが、当然、この弾性成形型は、繰り返し何回も拡張、収縮しながら使用される。
上記の弾性成形型による成形方法では、離型のための逆テーパや抜け勾配を考慮することがないため、希望する種々のデザインの成形品を得る事ができ、また、割型で成形した場合のように表面に型跡を生じ外観を損なうことがないので、チョコレート、チーズ、ゼリー、かまぼこ等の成形に採用されているとともに、最近では、スティック状口紅、スティック状リップクリーム、パウダースティック等の油性成分を含有する固形化粧料(以下、「油性固形化粧料」と記す)にも採用されてきている。
従来、弾性成形型の製造は、例えば所望の形状にデザインし、必要により所望の模様を表面に施した陶磁器やガラス製の元型を用いて行われている。すなわち、元型を天然ゴム、クロロプレンゴム等のエラストマーラテックスに浸漬し、引き上げて元型の表面にエラストマーラテックスを付着させ、この付着したエラストマーラテックスを凝固させる一連の操作を、元型表面に所望の膜厚のエラストマーが形成されるまで繰り返し、その後凝固したエラストマーを元型から剥離する等の方法により製造されている。
また、陶磁器や合成樹脂製の元型表面にシリコーンゴムを塗布して皮膜を形成させ、その状態でシリコーンゴムを硬化させ、その後硬化したシリコーンゴムを元型から剥離して中空の弾性成形型を製造する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これら浸漬法や塗布法によって製造した弾性成形型は、高度の寸法精度を得ることが難しいため、例えばスティック状口紅のように容器との嵌合や外観品質において高度の寸法精度が要求される製品の成形には適さない。そのため、付加型液状シリコーンゴムの硬化物を素材とし、2個以上の金型を組み合わせて成形した、寸法精度の良い成形品を得ることができる弾性成形型も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特に口紅のような油性固形化粧料を連続成形で製造する場合において、固形化粧料中の油性成分による弾性成形型の膨潤による影響を少なくするため、素材としてフロロシリコンゴムや、シリコーンゴムとフルオロシリコーンゴムを併用して製造した弾性成形型、あるいは特定のフッ素化ポリエーテル骨格をもつフッ素系エラストマーを含有する樹脂によりつくられた弾性成形型が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。
ところで、付加型液状シリコーンゴムや縮合型液状シリコーンゴムの硬化物等、通常のシリコーンゴムは充填剤を配合しないと軟らかすぎて形状保持が難しいため、そのままでは寸法精度を要求される成形品用の成形型とはなり得ない。そこで、シリコーンゴムにおいて従来から使用されるシリカ系の充填剤を配合すれば、弾性を損なうことなく形状保持が可能となって弾性成形型を形成し得る。
しかしながら、この一般のシリカ系充填剤を配合した上記シリコーンゴム製の弾性成形型を用いて成形を行なった場合、充填剤の影響により成形品のツヤが十分に得られないという欠点があった。この欠点は成形品がチョコレートやチーズ、かまぼこ等の場合はさほど大きな問題とはならないが、製品の重要品質として高度な表面のツヤを要求される口紅等の油性固形化粧料においては致命的な問題となる。
一方、素材としてフロロシリコーンを用いた弾性成形型は耐久性においては優れるものの、油性成分の種類によっては弾性成形型と成形品との離型性が悪くなるため、成形品表面の一部が弾性成形型の内部表面に付着して残り成形品表面の一部が欠けてしまう場合や、成形品の表面ツヤが十分に得られない場合があった。
また、近年は製品に対する顧客ニーズは多様化傾向にあり、これに合わせて製品の多品種少量生産を行なおうとすると、形状の異なる弾性成形型を多数用意しなければならない。そこで、弾性成形型には耐久性よりもむしろコスト面での経済性が要求されるが、この点においてフロロシリコーン等の高価な素材を用いて形成した弾性成形型は当然高価なものとなるため、多品種少量生産には不向きである。
特開平7−8245号 特開2000−158451号 特開2000−290139号 特開2000−326337 特開2001−038740号
本発明は、上記のような現状においてなされたものであり、離型性に優れると共に、表面に十分なツヤを有する油性固形化粧料等の成形品を成形することができる、安価な弾性成形型を提供することをその課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決しうる弾性成形型の素材に関し鋭意研究した結果、特定の生ゴム状オルガノポリシロキサン、シラノール基活性の低い特定のシリカ系無機充填剤および架橋剤を含有するシリコーンゴム組成物を成形してつくられた弾性成形型を用いれば、上記目的を達成できることを見いだし、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(C)、
(A)下記平均組成式(1)で示される、重合度3,000〜8,000のオルガノポリ
シロキサン
RnSiO4−n/2 ……(1)
(式中、Rは同一または異種の非置換の1価炭化水素基であり、nは1.98〜2.0
2の正数である。)
(B)少なくとも次の成分(b−1)および成分(b−2)を含む充填剤
(b−1)結晶性シリカ粉末および珪藻土からなる群から選ばれる1種または2種以

(b−2)湿式シリカ粉末および比表面積(BET法)が100m/g以下の乾式
シリカ粉末からなる群から選ばれる1種または2種以上
(C)架橋剤
を含有するシリコーンゴム組成物を成形してなることを特徴とする弾性成形型である。
また本発明は、成分(C)の架橋剤が、有機過酸化物である上記の弾性成形型である。
更に本発明は、上記シリコーンゴム組成物が、成分(A)〜(C)に加え、更に成分(D)として粘度0.1〜20mPa・sのジメチルポリシロキサン等の非反応性シリコーンオイルを含有する上記の弾性成形型である。
更にまた本発明は、上記の弾性成形型に流動性の成形材料を充填し、これを固化後、弾性成形型から取り出す、油性成分を含有する固形化粧料等の成形品の製造方法である。
本発明の弾性成形型は、離型性が良く、これを用いて成形する油性固形化粧料等の成形品の表面に十分なツヤを付与することができる。そして、この弾性成形型は適度な柔軟性により自由な形状とすることができるので、口紅等の油性固形化粧料をはじめ、重要品質として表面にツヤを要求される製品の成形において有利に使用でき、弾性成形型でなければ得られない形状と従来にない表面ツヤを併せ持った外観美麗な製品を量産することができる。
本明細書中において「シリコーンゴム組成物」とは、最終的に硬化・成形してシリコーンゴム成形体とする前の硬化用組成物を意味する。また、本発明の「弾性成形型」はそれ自身、シリコーンゴム組成物から成形されて製造されるが、成形された後は、流動性の成形材料を一定の形状に成形するための型となるものである。
本発明の弾性成形型は、上記のようにシリコーンゴム組成物を成形して製造されるが、このシリコーンゴム組成物の一つの材料である成分(A)のオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で示されるものであり、3,000〜8,000の重合度を有する生ゴム状の化合物である。
RnSiO4−n/2 ……(1)
(式中、Rは同一または異種の非置換の1価炭化水素基であり、nは1.98〜2.02の 正数である。)
上記平均組成式(1)中のRとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等を挙げることができる。
上記平均組成式(1)で示される成分(A)のオルガノポリシロキサンは、例えばジメチルシロキサン単位を主体に、メチルビニルシロキサン単位、ジメチルビニルシロキサン単位に由来するビニル基を含有する重合度3,000〜8,000のゴム状オルガノポリシロキサン等であり、例えば、通常選択されたオルガノハロゲノシランの1種または2種以上を共加水分解縮合することによって、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体あるいは4量体など)をアルカリ性または酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができるもので、このものは基本的には直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、一部分岐していても良い。また、分子構造の異なる2種以上またはそれ以上の混合物であっても良い。
この成分(A)における、ビニル基の含有率は0.001〜20モル%であり、0.025〜10モル%であることが好ましい。このビニル基の含有率が小さすぎると弾性成形型の物理強度が得られない場合があり、大きすぎると加硫した時に硬くなりすぎたり、脆くなる場合がある。
また、シリコーンゴム組成物の原料として用いる成分(B)の充填剤は、シリコーンゴムの形状保持力を向上させ、繰り返しの成形操作においても成形品の寸法精度を維持できる形状保持性を有する弾性成形型とするために必須であるだけでなく、口紅をはじめとする油性固形化粧料等を成形した時にその表面に十分なツヤを付与することができるものである。
この成分(B)は、少なくとも結晶性シリカ粉末および珪藻土からなる群から選ばれる1種または2種以上(成分(b−1))と、湿式シリカ粉末および比表面積(BET法)が100m/g以下の乾式シリカ粉末からなる群から選ばれる1種または2種以上(成分(b−2))とを含むものである。
本発明では充填剤として上記成分(b−1)と成分(b−2)を組み合わせることにより、弾性成形型用いた繰り返しの成形操作における成形品の寸法精度の維持と成形品表面の十分なツヤを両立できたものであり、上記シラノール基活性の低い充填剤の個々の効果からは予想し得なかったものである。
上記成分(b−1)のうち、結晶性シリカ粉末としては、例えば石英粉、ノバキュライト(軽質砂岩)等が挙げられる。この結晶性シリカ粉末は、特に制約はないが、その平均粒径が2.5ないし5μm程度のものが好ましい。また、珪藻土としては通常の珪藻土の他、これを焼成したものも使用可能である。
また成分(b−2)のうち、湿式シリカ粉末としては、例えばニプシルVN3−LP(日本シリカ工業社製)、HI−SIL(PPG製)等の市販品を用いることができ、BET法による比表面積が100m/g以下の乾式シリカ粉末としては、例えばアエロジル50(日本アエロジル社製)(比表面積=50m/g)、アエロジル100(日本アエロジル社製)(比表面積=100m/g)等の市販品を用いることができる。
成分(B)の充填剤のうち、成分(b−1)は、上記成分(A)100部に対して3〜150部、特に5〜100部配合することが好ましい。また、成分(b−2)は、上記成分(A)100部に対して1〜50部、特に3〜40部であることが好ましい。
また成分(B)の充填剤には、上記成分(b−1)および成分(b−2)に加えて、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲において公知である他の充填剤を配合することができる。
なお、成分(b−1)や成分(b−2)として挙げられる結晶性シリカ粉末や珪藻土、湿式シリカ粉末、比表面積100m/g以下の乾式シリカ粉末はいずれもシラノール基活性の低い充填剤である。これに対し、従来から使用される乾式シリカ(フュームドシリカ)は通常比表面積が100m/gを超えるものであり、その比表面積の大きさから粉体が多くのシラノール基を有するためシラノール基活性が高いものである。そして、このシラノール基活性の高い乾式シリカを口紅等の成形に用いた場合、成形物である口紅等の成形品の表面に全くツヤを付与することができず、表面のツヤを重要品質とする製品の成形には使用できないのである。
また、上記シラノール基活性の低い充填剤を各々単独で用いた場合においても、繰り返しの成形操作で成形品の寸法精度を維持できる形状保持性と、成形品の表面に十分なツヤを付与することの両立は困難である。
更に、上記シリコーンゴム組成物の原料である成分(C)の架橋剤は、上記成分(A)オルガノポリシロキサンを架橋させるものであれば特に限定されないが、本発明においては特に有機過酸化物や、白金系触媒とオルガノハイドロジェンシロキサンとを組み合わせたものが好ましい。
上記有機過酸化物としては、具体的にはp−メチルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を例示することができる。一方、白金系触媒とオルガノハイドロジェンシロキサンとの組み合わせのうち白金系触媒としては、白金黒、アルミナ、シリカ等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金とビニルシロキサンとの錯体等を挙げることができる。
本発明においては、特に成分(C)の架橋剤として有機過酸化物を用いることが好ましい。
上記成分(C)の架橋剤の配合量は、架橋に十分な量(有効量)であれば特に制限されないが、成分(C)として有機過酸化物を用いる場合は、成分(A)のオルガノポリシロキサン100質量部(以下、「部」と略記する)に対して0.1〜5部であることが好ましく、また、白金系触媒を使用する場合は、成分(A)に対して1〜2000ppmであることが好ましい。
本発明の弾性成形型の製造においては、シリコーンゴム組成物中に上記成分に加えて、さらに非反応性シリコーンオイル(成分(D))を含有させることが好ましい。シリコーンゴム組成物中に非反応性シリコーンオイルを含有させることにより、弾性成形型を成形した時にこの非反応性シリコーンオイルが、汗かき現象を伴ったブリードをしない状態で弾性成形型の表面に出やすくなるので、離型性をより向上させることができる。
この成分(D)として使用できる非反応性シリコーンオイルとしては、例えばシラノール基やアルコキシ基を有しないシリコーンオイルが挙げられ、具体的には液状のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等を例示することができるが、本発明においては液状で粘度が0.1〜20mPa・sのジメチルポリシロキサンが特に好ましい。このような非反応性シリコーンオイルとしては、KF96(信越化学工業社製)等の市販品を使用することもできる。
この成分(C)の非反応性シリコーンオイルの配合量は、成分(A)のオルガノポリシロキサン100部に対して0.5〜20部、特に1〜10部であることが好ましい。
また、本発明の弾性成形型の製造では、シリコーンゴム組成物中に上記成分に加えて、さらに分散剤を含有させても良い。シリコーンゴム組成物中にこの分散剤を含有させることにより、成分(B)である充填剤の分散の効率を上げることができる。
前記分散剤としては、例えばシラノール基含有低分子量(重合度100以下)のオルガノポリシロキサンやヘキサメチルシラザン等を挙げることができる。
本発明の弾性成形型は、上記のシリコーンゴム組成物を常法に従って成形することにより製造できる。好ましい製造方法の例としては、次の方法が挙げられる。すなわち、まず、前記の成分(A)であるオルガノポリシロキサン100部に対し、成分(B)の充填剤のうち成分(b−1)3〜150部、より好ましくは5〜100部と、成分(b−2)1〜50部、より好ましくは3〜40部とを添加混合し、さらに成分(C)架橋剤の有効量を添加混合する。この時、成分(D)の非反応性シリコーンオイルや成分(E)の分散剤を混合しておいても良い。
次いで、求める形状の型内に、このシリコーンゴム組成物を注入し、これを重合、硬化させる(以下、硬化と略記する)ことにより、好適に弾性成形型得ることができる。
シリコーンゴム組成物を硬化させる方法としては、上記混合物を、150ないし200℃、好ましくは、160ないし180℃に加熱する等の方法を利用することができる。この場合、シリコーンゴム組成物中に、成分(C)の架橋剤として有機過酸化物0.1〜5部または白金系触媒1〜2000ppmと、オルガノハイドロジェンシロキサンとの組み合わせを添加しておけば、加熱操作により効率良く硬化させることができるので好ましい。
また、本発明の弾性成形型は透明でも不透明でも良く、また色も白色、灰色、黒色、黄土色、茶色、赤色、青色等、任意の色とすることができる。この着色のために、適宜色素や顔料を添加しうることはいうまでもない。
なお、上記シリコーンゴム組成物を用いて本発明の弾性成形型を形成するための成形方法は特に上記方法に限定されるものでなく、射出成形や加圧成形等において、一般的に用いられている方法が利用できる。
このようにして得られる本発明の弾性成形型は、その硬度がJIS K6249に規定のスプリング式硬さ試験機(デュロメーター:タイプA)を使用した測定値(JIS−A)において、15〜60の範囲内であるのが好ましく、特に、20〜45の範囲内がより好ましい。硬度が15より低いと、耐久性が劣り、型を繰返し何回か使用していくうちに劣化し、成形品の寸法精度の維持ができなくなくなってしまう場合がある。また、空気圧差を利用して弾性成形型を拡張させ、成形品を型から剥がす方法を用いた場合は、硬度が60より高いと弾性成形型が拡張しにくくなって取り出しにくくなり、さらに成形品の表面の光沢を損なう場合がある。
以上説明した本発明成形型を用いて成形品を製造するには、常法に従い、弾性成形型に成形品の材料となる流動性の成形材料を充填し、これを冷却、固化後、弾性成形型から取り出せばよい。この場合、その成形品の特性に応じて、弾性成形型に保持具を付けることができる。例えば、口紅の場合、弾性成形型の成形材料注入口側に容器や中皿を付けると、口紅を傷つけることなく、弾性成形型より取り出しやすくなる。
上記方法で、成形材料の冷却、固化や得られた成形品の取り出しも、公知方法に従って行なうことができ、例えば取り出しは、適当な手段で弾性成形型中に空気を吹き込み、これを膨張させる方法や、弾性成形型に何らかの手段で力を加え、変形させる方法を利用することができる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
製 造 例 1
下記方法により、テスト品としてシート状弾性体を調製した。
テスト品1:
ジメチルシロキサン単位を主体に、メチルビニルシロキサン単位、ジメチルビニルシロキサン単位に由来するビニル量約0.24モル%からなり、平均重合度が約5,000であるゴム状オルガノポリシロキサン100部に、分散剤としてジフェニルシランジオール0.5部、充填剤として結晶性シリカ[商品名:クリスタライトVX−S、龍森社製]25部、湿式シリカ[商品名:ニプシルLP、日本シリカ工業社製]5部を添加し、170℃にて2時間熱処理してシリコーンゴム組成物aを調製した。
上記シリコーンゴム組成物a100部に、架橋剤(硬化剤)として2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン25質量%を含有するシリコーンゴム組成物aのペースト(以下、「架橋剤含有ペースト」という。他のテスト品においては、同濃度の2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンをベースのシリコーンゴム組成物に加えたものを意味する)2部を混練し、得られた混合物を成形温度165℃、10分、成形圧力8MPaにて硬化させ、150mm角、2mm厚のシート状弾性体に成形した。
テスト品2:
上記シリコーンゴム組成物a100部に、架橋剤含有ペースト2部と粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル5部を添加し、以下テスト品1と同様にして2mm厚のシート状弾性体を成形した。
テスト品3:
上記シリコーンゴム組成物a100部に、架橋剤含有ペースト2部と粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル10部を添加し、以下テスト品1と同様にして2mm厚のシート状弾性体を成形した。
テスト品4:
ジメチルシロキサン単位を主体に、メチルビニルシロキサン単位、ジメチルビニルシロキサン単位に由来するビニル量約3.0モル%からなり、平均重合度が約5,000であるゴム状オルガノポリシロキサン100部に、分散剤としてジフェニルシランジオール0.5部、充填剤として珪藻土[商品名:セライトSF、MANVILL社製]25部、比表面積(BET法)が50m/gである乾式シリカ[商品名:アエロジル50、日本アエロジル社製]10部を添加し、170℃にて2時間熱処理して生ゴム状のシリコーンゴム組成物bを調製した。このシリコーンゴム組成物bに、架橋剤含有ペースト2部を加え、テスト品1と同様に処理して2mm厚のシート状弾性体を成形した。
テスト品5:
上記シリコーンゴム組成物b100部に、架橋剤含有ペースト2部と粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル5部を添加して、本発明品1と同様にして2mm厚のシート状弾性体を成形した。
比較テスト品1:
メチルトリフロロプロピルシロキサン単位を主体に、メチルビニルシロキサン単位、ジメチルビニルシロキサン単位に由来するビニル量約0.15モル%からなり、平均重合度が約5,000であるゴム状オルガノポリシロキサン100部に、分散剤としてジフェニルシランジオール0.5部、充填剤として結晶性シリカ[商品名:クリスタライトVX−S、龍森社製]25部、湿式シリカ[商品名:ニプシルLP、日本シリカ工業社製]5部を添加し、170℃にて2時間熱処理して組成物cを調製した。上記組成物cに、架橋剤含有ペースト2部を加え、テスト品1と同様に処理して2mm厚のシート状弾性体を成形した。
比較テスト品2:
上記組成物c100部に、架橋剤含有ペースト2部と、粘度10mPa・sのメチルトリフロロプロピルシロキサンオイル5部を添加し、テスト品1と同様にして2mm厚のシート状弾性体を成形した。
比較テスト品3:
ジメチルシロキサン単位を主体に、メチルビニルシロキサン単位、ジメチルビニルシロキサン単位に由来するビニル量約0.24モル%からなり、平均重合度が約5,000であるゴム状オルガノポリシロキサン100部に、分散剤としてジフェニルシランジオール0.5部、充填剤として結晶性シリカ[商品名:クリスタライトVX−S、龍森社製]40部を添加し、170℃にて2時間熱処理して組成物dを調製した。上記組成物dに架橋剤含有ペースト2部を加え、テスト品1と同様に処理して2mm厚のシート状弾性体を成形した。
比較テスト品4:
上記組成物d100部に、架橋剤含有ペースト2部と粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル5部を添加し、テスト品1と同様にして2mm厚のシート状弾性体を成形した。
比較テスト品5:
ジメチルシロキサン単位を主体に、メチルビニルシロキサン単位、ジメチルビニルシロキサン単位に由来するビニル量約0.24モル%からなり、平均重合度が約5,000であるゴム状オルガノポリシロキサン100部に、分散剤としてジフェニルシランジオール2部、充填剤として湿式シリカ[商品名:ニプシルLP、日本シリカ工業社製]40部を添加し、170℃にて2時間熱処理して組成物eを調製した。上記組成物eに架橋剤含有ペースト2部を加え、テスト品1と同様に処理して2mm厚のシート状弾性体を成形した。
比較テスト品6:
上記組成物e100部に、架橋剤含有ペースト2部と粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル5部を添加して、テスト品1と同様にして2mm厚のシート状弾性体を成形した。
比較テスト品7:
ジメチルシロキサン単位を主体に、メチルビニルシロキサン単位、ジメチルビニルシロキサン単位に由来するビニル量約0.24モル%からなり、平均重合度が約5,000であるゴム状オルガノポリシロキサン100部に、分散剤としてジフェニルシランジオール0.5部、充填剤として結晶性シリカ[商品名:クリスタライトVX−S、龍森社製]25部、比表面積(BET法)が200m/gである乾式シリカ[商品名:アエロジル200、日本アエロジル社製]10部を添加し、170℃にて2時間熱処理して組成物fを調製した。上記組成物fに架橋剤含有ペースト2部を加え、テスト品1と同様に処理して2mm厚のシート状弾性体を成形した。
比較テスト品8:
上記組成物f100部に、架橋剤含有ペースト2部と粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル5部を添加し、テスト品1と同様にして2mm厚のシート状弾性体を成形した。
実 施 例 1
テスト品の物性試験:
以上のようにして得られたシート状の各サンプルの硬度をJIS K6249に規定のスプリング式硬さ試験機(デュロメーター:タイプA)で測定した。その後、これらの各サンプルに対し、スティック成形後の口紅の硬度が低い口紅用バルク1、成形後の口紅硬度が高い口紅用バルク3、そして成形後の口紅硬度がバルク1とバルク3の中間に位置する口紅用バルク2を用いて簡易離型性試験を行ない、各サンプルの口紅に対する離型性および口紅表面のツヤの評価を行った。各シリコーンゴム組成物を用いて作製したシート(各テスト品)の組成と硬度および下記方法で行った簡易離型性試験の結果を表1および表2に示す。
(口紅用バルクの組成)
口紅用バルク1
( 成 分 ) (質量%)
1.炭化水素ワックス 13
2.キャンデリラワックス 4
3.ラノリン脂肪酸エステル 15
4.流動パラフィン 5
5.トリイソステアリン酸ジグリセリル 4
6.テトラオクタン酸ペンタエリスリチル 25
7.オクタン酸セチル 20
8.ショ糖脂肪酸エステル 1
9.体質顔料 6
10.着色顔料 6.9
11.香料 0.1
上記口紅用バルク1をスティック状口紅に成形し、30℃の恒温槽に1時間静置した後レオメーター(不動工業社製、NRM−2002D)を用い、圧縮弾性応力用アダプターにて速度6cm/1分の条件でスティックの折れ荷重値を測定したところ、10本の平均値が210gであった。
口紅用バルク2
( 成 分 ) (質量%)
1.炭化水素ワックス 8
2.キャンデリラワックス 3
3.ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/
ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタ 5
エリスリチル
4.ラノリン脂肪酸エステル 10
5.流動パラフィン 7
6.トリイソステアリン酸ジグリセリル 23
7.トリオクタン酸グリセリル 30
8.ジカプリン酸プロピレングリコール 5
9.体質顔料 1
10.パール顔料 5
11.着色顔料 2.9
12.香料 0.1
上記口紅用バルク2をスティック状口紅に成形し、口紅用バルク1の場合と同様にしてスティックの折れ荷重値を測定したところ、10本の平均値が270gであった。
口紅用バルク3
( 成 分 ) (質量%)
1.炭化水素ワックス 10
2.キャンデリラワックス 5
3.リンゴ酸ジイソステアリル 20
4.トリイソステアリン酸ジグリセリル 8
5.テトラオクタン酸ペンタエリスリチル 20
6.イソノナン酸イソトリデシル 20
7.ジメチルポリシロキサン 6
8.体質顔料 5
9.パール顔料 5
10.着色顔料 0.9
11.香料 0.1
上記口紅用バルク3をスティック状口紅に成形し、口紅用バルク1の場合と同様にしてスティックの折れ荷重値を測定したところ、10本の平均値が339gであった。
(簡易離型性試験)
口紅用バルクを90℃に加熱して溶解させ、各サンプルのシート上に予め立てて設置したアルミニウムパイプ内にバルク溶解物を流し込んだ後、これらを室温にて冷却し、アルミニウムパイプをシートから取り除いた。この操作を各サンプル2回繰り返し、シートの汚れ具合と、アルミニウムパイプ内で固化した口紅バルクのシートと接していた部分の表面ツヤを観察した。
観察結果を、下記評価基準(ア)および(イ)を用いて評価した。そして各サンプルの評価基準(ア)および(イ)における各評点の和を下記判定基準(ウ)を用いて判定した。なお、下記評価基準(ア)においてハガレとは口紅バルクの表面の一部がシートに付着して残り、口紅バルクの表面に付着痕が付いたり、表面の一部が欠ける現象をいう。
(評価基準等)
・評価基準(ア)
評 点 : 内 容
3 : 2回ともハガレが観られず離型性が良い。
2 : 2回のうち1回、一部に少しハガレが観られる。
1 : 2回のうち1回、はっきりとしたハガレが観られる。
0 : 離型性が悪く、2回ともはっきりとしたハガレが観られる。
・評価基準(イ)
評 点 : 内 容
3 : 非常にツヤがある。
2 : ツヤがある。
1 : ツヤがあまりない。
0 : ほとんどツヤがない〜まったくツヤがない。
・判定基準(ウ)
判 定 : 内 容
◎ : 評点の和が6
○ : 評点の和が4〜5
△ : 評点の和が3
× : 評点の和が0〜2
(結 果)
Figure 0004787000
Figure 0004787000
表1および表2の結果より、成分(A)としてオルガノポリシロキサン、充填剤として成分(b−1)の結晶性シリカ粉末または珪藻土と、成分(b−2)の湿式シリカ粉末または比表面積(BET法)が100m/g以下である乾式シリカ粉末とを組み合わせて用い、成形したテスト品1〜5は口紅に対し離型性が良く、さらに口紅の表面ツヤを良好なものとすることが確認された。特に、非反応性で粘度の低いジメチルポリシロキサンオイルを添加したものは、その効果が顕著になることが確認された。
一方、成分(A)としてオルガノポリシロキサンの替わりにフッ素含有基置換型オルガノポリシロキサンを用いた比較テスト品1、2や、充填剤として成分(b−1)または成分(b−2)のどちらか一方しか用いない比較テスト品3〜6、さらに、充填剤において成分(b−2)の替わりに比表面積(BET法)が100m/gを超える乾式シリカ粉末を用いた比較テスト品7、8は、何れも良好な離型性と口紅の表面ツヤを得ることができなかった。
実 施 例 2
下記方法により、弾性成形型を製造した。
本発明品1:
合わせたときの隙間が、弾性成形型と同じ形状となる凹型と凸型の金属製鋳型を用意した。一方、上記実施例1のシリコーンゴム組成物a100部に、粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル5部および架橋剤の2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン25質量%を含有するシリコーンゴム組成物aペースト2部を混練し、得られた混合物を、上記鋳型の凹型に流し込んだ後、上から上記凸型を加圧し押し込んだ。その後、200℃に加熱して硬化させ、20分後に凸型をはずして凹型より成形品を取り出し、本発明品1の弾性成形型を得た。
本発明品2:
本発明品1の製造に用いたのと同じ凹型および凸型の鋳型を用い、その凹型に、実施例1のシリコーンゴム組成物b100部に、粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル5部および架橋剤の2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン25質量%を含有するシリコーンゴム組成物bペースト2部を混練して得られた混合物を流し込んだ。次いで、上から上記凸型を加圧し押し込んだ。その後、上記本発明品1と同じ条件にて硬化させ、本発明品2の弾性成形型を得た。
比較品1:
本発明品1の製造に用いたのと同じ凹型および凸型の鋳型を用い、その凹型に、実施例1のシリコーンゴム組成物c100部に、粘度10mPa・sのメチルトリフロロプロピルシロキサンオイル5部および架橋剤の2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン25質量%を含有するシリコーンゴム組成物cペースト2部を混練して得られた混合物を流し込んだ。次いで、上から上記凸型を加圧し押し込んだ。その後、上記本発明品1と同じ条件にて硬化させ、比較品1の弾性成形型を得た。
比較品2:
本発明品1の製造に用いたのと同じ凹型および凸型の鋳型を用い、その凹型に、実施例1のシリコーンゴム組成物d100部に、粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル5部および架橋剤の2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン25質量%を含有するシリコーンゴム組成物dペースト2部を混練して得られた混合物を流し込んだ。次いで、上から上記凸型を加圧し押し込んだ。その後、上記本発明品1と同じ条件にて硬化させ、比較品2の弾性成形型を得た。
比較品3:
本発明品1の製造に用いたのと同じ凹型および凸型の鋳型を用い、その凹型に、実施例1のシリコーンゴム組成物e100部に、粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル5部および架橋剤の2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン25質量%を含有するシリコーンゴム組成物eペースト2部を混練して得られた混合物を流し込んだ。次いで、上から上記凸型を加圧し押し込んだ。その後、上記本発明品1と同じ条件にて硬化させ、比較品3弾性成形型を得た。
比較品4:
本発明品1の製造に用いたのと同じ凹型および凸型の鋳型を用い、その凹型に、実施例1のシリコーンゴム組成物f100部に、粘度10mPa・sのジメチルポリシロキサンオイル5部および架橋剤の2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン25質量%を含有するシリコーンゴム組成物fペースト2部を混練して得られた混合物を流し込んだ後、上から上記凸型を加圧し押し込んだ。その後、上記本発明品1と同じ条件にて硬化させ、比較品4の弾性成形型を得た。
実 施 例 3
口紅成形試験:
実施例2で得られた本発明品1〜2および比較品1〜4の各弾性成形型を用い、口紅の成形性試験を行った。すなわち、各弾性成形型に、90℃で加熱溶解した口紅用バルクを充填、冷却してスティック状口紅を成形した。なお、使用した口紅のバルクは、実施例1で用いた口紅用バルク3と同じ組成のものを用いた。
成形したスティック状口紅を取り外した時の口紅表面および弾性成形型の内表面を目視観察し、ハガレ(口紅表面の一部が弾性成形型の内部表面に付着して残り、口紅表面に付着痕が付いたり、口紅表面の一部が欠ける現象)の有無から離型性の評価を下記評価基準(カ)を用いて行なった。また口紅の表面ツヤの評価を下記評価基準(キ)を用いて行なった。そして各弾性成形型について評価基準(カ)および(キ)の評点の和を下記判定基準(ク)を用いて判定した。結果を表3に示す。
(評価基準等)
・評価基準(カ)
評 点 : 内 容
3 : ハガレが観られず離型性が良い。
2 : 一部に少しハガレが観られる。
1 : はっきりとしたハガレが観られる。
0 : 離型性が悪く、はっきりとしたハガレが観られる。
・評価基準(キ)
評 点 : 内 容
3 : 非常にツヤがある。
2 : ツヤがある。
1 : ツヤがあまりない。
0 : ほとんどツヤがない〜まったくツヤがない。
・判定基準(ク)
判 定 : 内 容
◎ : 評点の和が6
○ : 評点の和が4〜5
△ : 評点の和が3
× : 評点の和が0〜2
(結 果)
Figure 0004787000
表3の結果より、成分(A)であるオルガノポリシロキサンに充填剤として成分(b−1)の結晶性シリカ粉末または珪藻土と、成分(b−2)の湿式シリカ粉末または比表面積(BET法)が100m/g以下である乾式シリカ粉末とを組み合わせて用い、さらに非反応性で粘度の低いジメチルポリシロキサンオイルを添加して成形した本発明品1および2の弾性成形型は口紅に対し離型性が良く、さらに口紅の表面ツヤを良好なものとすることが確認された。
一方、成分(A)のオルガノポリシロキサンの替わりにフッ素含有基置換型オルガノポリシロキサンを用いた比較品1や、充填剤として成分(b−1)または成分(b−2)のどちらか一方しか用いない比較品2〜3、さらに、充填剤において成分(b−2)の替わりに比表面積(BET法)が100m/gを超える乾式シリカ粉末を用いた比較品4は、何れも良好な離型性と口紅の表面ツヤを得ることができなかった。
かくして得られた本発明の弾性成形型は、成形品の表面に十分なツヤを付与することができ、しかも繰り返しの成形操作においても成形品の寸法精度を維持でき、離型性が良く、適度な柔軟性により自由な形状とすることができるものであり、更に経済性も高いものである。
従って、本発明の弾性成形型は、微細な凸凹模様を有する口紅、棒状油性固形粉末化粧料等の油性固形化粧料の成形に適したものであり、重要品質として表面にツヤを要求されるこれら製品の成形において、弾性成形型でなければ得られない形状と従来にない表面ツヤを併せ持った外観美麗な製品を量産するために利用することができるものである。
以 上

Claims (7)

  1. 次の成分(A)〜(C)、
    (A)下記平均組成式(1)で示される、重合度3,000〜8,000のオルガノポ
    リシロキサン
    RnSiO (4−n)/2 ……(1)
    (式中、Rは同一または異種の非置換の1価炭化水素基であり、nは1.98〜
    2.02の正数である。)
    (B)少なくとも次の成分(b−1)および成分(b−2)を含む充填剤
    (b−1)結晶性シリカ粉末および珪藻土からなる群から選ばれる1種または2種
    以上
    (b−2)湿式シリカ粉末および比表面積(BET法)が100m/g以下の乾
    式シリカ粉末からなる群から選ばれる1種または2種以上
    (C)架橋剤
    を含有するシリコーンゴム組成物を成形してなることを特徴とする油性固形化粧料成形用弾性成形型。
  2. 成分(C)の架橋剤が、有機過酸化物である請求項1記載の油性固形化粧料成形用弾性成形型。
  3. シリコーンゴム組成物が、成分(A)〜(C)に加え、更に成分(D)として非反応性シリコーンオイルを含有する請求項1または2に記載の油性固形化粧料成形用弾性成形型。
  4. 成分(D)非反応性シリコーンオイルが、粘度が0.1〜20mPa・sの範囲にあるジメチルポリシロキサンである請求項3記載の油性固形化粧料成形用弾性成形型。
  5. 成形後の弾性成形体の硬度(デュロメーター:タイプA)が15〜60の範囲にある請求項1ないし4の何れか1項に記載の油性固形化粧料成形用弾性成形型。
  6. 請求項1からの何れか1項に記載の油性固形化粧料成形用弾性成形型に、流動性の成形材料を充填し、これを固化後、弾性成形型から取り出すことを特徴とする油性固形化粧料成形用成形品の製造方法。
  7. 流動性の成形材料が口紅バルクの加熱溶融物であり、成形品が口紅である請求項記載の油性固形化粧料成形用成形品の製造方法。
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