JP4786887B2 - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に可視域〜紫外域における発光ダイオード、可視域〜紫外域における半導体レーザ、または高速トランジスタなどの、ヘテロ接合を有するIII族窒化物半導体装置の製造方法、およびこれらのヘテロ接合を有するIII族窒化物半導体などにより作製される半導体装置や半導体ウェハに関する。
GaN、InN、AlNやこれらを主成分とする混晶からなるIII族窒化物半導体は、可視光〜紫外線の波長領域に対応するエネルギーギャップを有するワイドバンドギャップのヘテロ構造を形成することが可能な半導体材料であるため、LEDや半導体レーザ、高温環境において動作可能な高速トランジスタなどの材料として好適である。
GaNなどのIII族窒化物半導体は、通常、サファイアやSiCなどの異種基板上で成長させることが多いため、基板とIII族窒化物成長層との間の熱膨張係数や格子定数の差によって成長の際に歪を生じる。あるいは、GaN上にAlGaNやInGaNからなるヘテロ構造を形成した場合は、GaNとAlGaNとInGaNとの間で格子定数や熱膨張係数が異なるため、やはり成長の際に歪を生じる。このような歪が蓄積され、ある限界に達すると、成長層にクラックが生じてしまう。そのため、種々の対策が講じられている。
例えば、光閉じ込めヘテロ構造を攻勢する層の一方にInGaNを用いることで歪を緩和する技術が開示されている(特許文献1参照)。その他には、凹凸を有するp−GaN上にIII族窒化物層を形成することで歪を緩和する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
上記のような方法により、歪を緩和して成長層の厚さを厚くしたり、下地との組成差が大きい成長層であっても、クラックを生させること無く成長させることを可能としている。
特開平11−74621号公報 特開2002−9341号公報
ところが、従来の構造では、歪を低減することができるが、破壊限界以上の歪が加わるような成長をした場合は、クラックが半導体装置や半導体基板に伝播してしまうという課題があり、下地と成長層との組み合わせについての制限もある。
また、紫光〜紫外線のような短波長の発光デバイスに、InGaNを用いた膜ヘテロ構造の半導体材料を適用した場合は、InGaN層が光吸収層として働くため、発光効率が著しく低下し、高効率な半導体装置を得ることができないという課題がある。さらに、下地構造のp−GaNに凹凸を形成する方式では、下地層に導電性のあるp−GaNを用いているため、高速トランジスタにこの方法を適用すると、最大動作周波数が低下するという課題がある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、破壊限界以上の歪が加わった場合においても、クラックの影響を軽減して歩留り率の高い半導体装置を形成することが可能な半導体装置の製造方法、およびクラック発生の抑制が可能な半導体装置や半導体基板の製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の製造方法は、複数の半導体層からなるデバイス領域に形成される半導体装置の製造方法であって、デバイス領域の周囲に溝が形成されている基板を用いて、前記デバイス領域に半導体層を成長させる半導体成長ステップを有することを特徴とする。
これにより、上記の溝が形成されるので、発生したクラックの影響を軽減して歩留り率の高い半導体装置を製造することが可能となる。
さらに、本発明に係る半導体装置の製造方法は、より好ましくは、前記半導体成長ステップは、前記半導体層を成長させる前に、前記デバイス領域の内側の基板上に溝を形成したり、前記半導体成長ステップに係る半導体層は、ほぼ平坦に埋め込むように形成してもよい。
これにより、低欠陥で高信頼性の半導体装置を形成すると共に、クラックのない半導体装置を製造することが可能となる。
また、本発明に係る半導体装置は、デバイス領域の周囲に溝が形成されていることを特徴とする。このような溝を形成することで半導体装置にクラックが発生することなく高信頼性の半導体装置を提供することが可能となる。
さらに、本発明に係る半導体ウェハは、複数形成された各デバイス領域の周囲に溝が形成されていることを特徴とする。このような溝を形成することでクラックの発生がない半導体装置が形成されたウェハを提供することが可能となる。
以上のように、本発明の半導体装置の製造方法によれば、ウェハ全面にわたってクラック無く半導体層を形成する方法を提供でき、高性能な窒化物半導体装置などを量産性よく製造する方法を提供できるという効果がある。また、本発明の半導体装置によれば、特に熱衝撃などに対して信頼性が高い半導体装置を提供できるという効果がある。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1から図7を参照しながら、実施の形態1における紫外発光LED装置20(後述の図3(j)参照)の製造方法について説明する。なお、図1〜図3は、本実施の形態における紫外発光LED装置20の製造方法のプロセスを、断面図を用いて示したものである。図1(a)に示す基板1は、n型の6HSiCであり、その直径は2インチである。
まず、III族原料としてトリメチルアルミニウム、V族原料としてアンモニア、キャリアガスとして水素を用いる、有機金属気相成長(MOCVD)法により、基板1の上に、1000℃の高温でAlN層2を厚さが1μmになるように形成する(図1(b))。
引き続き、AlN層2の上に、1000℃の高温でn型のAl0.2Ga0.8Nからなる下地層3を厚さが2μmになるように形成する(図1(c))。なお、AlGaNは、トリメチルガリウムにトリメチルアルミニウムを適切な割合で混ぜて成長させることにより得ることが可能である。また、n型のドーパントにはSiやGeなどを用いることができ、それぞれ、モノシランやモノゲルマンをMOCVD法の原料ガスに混合して用いることでn型AlGaNを成長することが可能である。このとき、下地層3の厚さを2μm程度に薄くしたため、下地層3にはクラックが生じない。
次に、図1(d)に示すように、下地層3の上にフォトレジストによるマスク4を設ける。このときのマスクパターンは、後述の溝501、502が形成される領域以外の領域が被覆されるようにパタニングされる。
さらに、マスク4を設けた下地層3をエッチングすることで、ストライプ状の溝を設ける。LEDの発光領域や電極を形成するデバイス領域61には、マスク4を除去した後の周期(即ち、隣の溝同士の間隔611)が10μm、平坦部の幅612が8μmとなるように第1の溝501が形成される。また、デバイス領域を取り囲むデバイス周辺領域62には、マスク4を除去した後の周期((即ち、隣の溝同士の間隔621)が20μm、平坦部の幅622が13μmとなるように第2の溝502が形成される(図2(e)、(f))。このように、第1の溝501同士の間隔は、第2の溝502同士の間隔より狭くなるように形成する。なお、図1〜図3の断面図は、溝を一方向から見た図なので、溝の形成パターンについては後でより詳細に説明する。エッチング方法としては、例えば塩素ガスを用いる反応性イオンエッチング(RIE)を用いることができる。
なお、マスク4は、下地層3のエッチング後、アセトンなどの有機溶剤を用いて除去する(図2(f))。
次に、図2(g)に示すように、厚さ2μmのAl0.2Ga0.8Nからなるn型の第1クラッド層6、厚さ5nmのAl0.15Ga0.85Nからなる活性層7、厚さ0.2μmのAl0.2Ga0.8Nからなるp型の第2クラッド層8を、MOCVD法を用いて成長させる。なお、p型のドーパントにはMgやBeを用いることが可能であり、それぞれビスシクロペンタジエニルマグネシウムやビスシクロペンタジエニルベリリウムなどをMOCVD法の原料に加えることでドーピングすることが可能である。なお、第1クラッド層6、活性層7、第2クラッド層8は、下地層3の上にエピタキシャル成長されており、下地層3と面方位が一致している。
このとき、デバイス領域61では、下地層3に形成された第1の溝501の平坦部の幅612を8μmと小さくしたために、第1の溝501は埋め込まれて、第1の溝501上では第1クラッド層6、活性層7および第2クラッド層8の表面は、ほぼ平坦になってしまう。
一方、デバイス周辺領域62では、第2の溝502の平坦部の幅622を13μmとすることで、溝502が埋め込まれて平坦にならない程度としたために、成長途中のn型の第1クラッド層6、活性層7には、それぞれ成長途中の溝502a、成長途中の溝502b、第3の溝502cが形成される。成長完了時には第3の溝502cが第2クラッド層8の表面に形成される。なお、上記の成長が進むにつれて、それぞれの溝の幅は、成長途中の溝502a、成長途中の溝502b、第3の溝502cの順に狭くなっている。なお、溝の寸法の詳細については後述する。
次に、窒素雰囲気中で700℃、10分加熱することにより、p型の第2クラッド層8を低抵抗化させた後(図示せず)、図3(h)に示すように、n型の第1クラッド層6をエッチングにより露出させる。このとき、RIEなどのエッチングを用いると、第2の溝502の上部は、第3の溝502cの形状を保ったままエッチングが進行し、第3の溝502cとほぼ同じ形状の第4の溝502dがn型クラッド層6に形成される。このとき、第2の溝502の形状や第4の溝502dの形状によっては、第4の溝502dの側面に活性層7や第2クラッド層8が残ることがあるが、それでも、後述の素子特性やクラック伝播抑制には影響ない。
このように、本実施の形態のLEDでは、下層のn型の第1クラッド層を露出する工程があるため、第4の溝502dが形成されるべくエッチングを行う必要がある。下層の層を露出する工程がなければ、第4の溝502dは形成されず、第3の溝502cが実施の形態4で述べるクラックの伝播を抑制するように作用する。
さらに、図3(i)に示すように、Ti/Alからなるn型電極9、Ni/Auからなるp型電極10を形成する。電極形成の詳細は図示していないが、蒸着などで金属を形成した後、フォトリソグラフィーで金属をパタニングし、その後に500℃から1000℃の雰囲気でアニールする方法などを選択することが可能である。本実施の形態では、基板1としてSiCを用いているため、基板側からは紫外光はほとんど透過しない。そのため、p型電極10は薄く形成して透明電極とするか、櫛形電極にするなどでp型電極側から光を取り出せる構造とすることが好ましいことはいうまでもない。
最後に、図3(j)に示すように、第2の溝502および第4の溝502dが形成されている領域をダイシングソーを用いて切断することにより、1つ1つ紫外発光LED装置20が分離され、いわゆるLEDチップが完成する。
なお、ダイシングソーによる切断時に、樹脂フィルムにウェハを貼り合わせるなどにより、切断後にLEDチップが散逸しないようにするとよいことはいうまでもない。
なお、この後、目的に応じて樹脂パッケージにて紫外発光LED装置20を封止したり、ベークライトなどの樹脂基板上に紫外発光LED装置20を表面実装するなどの工程を設けても良いことはいうまでもない。
次に、第1の溝501、第2の溝502、第3の溝502cの形成とその効果について、詳細に説明する。図4は、上記図2(f)の工程における半導体基板の全面を表す平面図である。なお、図中にはAlGaNの方位が示してあるが、図面中で数字の上のバーで示されている記号を、本明細書中では「−1」のようにマイナス記号を用いて表現することとする。また、図4は、パターンの配置を概略的に表す図で、実際のパターンを縮小・拡大した図とは配置やサイズが異なっている。
図4において、表面は下地層3となっている。なお、図中の基板1の方位と下地層3の方位は面内で30°回転していることが知られている。
図4の装置領域51の中には、図5に示すように、第1の溝501が形成されたデバイス領域61と、第2の溝502が形成されたデバイス周辺領域62およびデバイス周辺領域63が繰り返し形成されている。上記装置領域51の外側の周辺領域52は、基板周辺部のため、GaN層の厚さ等にばらつきが大きく紫外発光LED装置20の形成には適さない。周辺領域52には紫外発光LED装置20を形成しないため、本実施の形態では、周辺領域52には溝501や溝502を形成しないこととする。なお、図5は、図4の一つのデバイス領域61の周辺の拡大図の一例である。
デバイス領域61は、上記紫外発光LED装置20の発光領域や電極が形成される領域である。デバイス周辺領域62は、隣り合うデバイス領域61の辺と平行に、すなわちAlGaN<01−10>方向に溝502が形成されている。デバイス周辺領域63にも、隣り合うデバイス領域61の辺と平行に、すなわちAlGaN<11−20>方向に溝502が形成されている。
デバイス領域61は、一辺300μmの正方形である。デバイス周辺領域62とデバイス周辺領域63の幅は、ともに50μmである。最外周以外では、デバイス領域61が隣り合っているので、第2の溝502が形成されている領域の幅は100μmとなる。
図5において、デバイス周辺領域62の溝をA−A’で切断した場合の断面図を図6に示す。図6に示すように、デバイス領域61における溝501は、10μm周期で形成されており、ストライプ状の凹凸が繰り返されている。ストライプの方向は<01−10>である。さらに、第1の溝501の深さは1.5μmである。
本実施の形態では、第1の溝501の上部の平坦部の幅が2μmであり、底部の平坦部の幅よりも3μm狭く(即ち、斜面の幅が1.5μmとなるように)形成されている。その結果、第1の溝501の上部の開口部の幅は8μmとなる。これは、RIEによるエッチングにおいて、下地層3のみならずフォトレジストによるマスク4もエッチングされるためである。特にマスク4がエッチングされるときは、マスク4の角の部分がより多くの反応性分子に曝されるため、エッチングとともにマスク4が後退して、下地層3には斜面が形成される。
一方、デバイス周辺領域62における第2の溝502は、20μm周期のストライプ状の凹凸が繰り返された形状である。第2の溝502は、第1の溝501と同時に形成しているため、前述と同様の事情で第2の溝502は上部で広がっており、その開口部の幅は13μmとなる。
このように第1の溝501と第2の溝502とを同時に形成すると、溝を形成する工程が1回で完了するのみならず、溝の段差の斜面形状が同じになるために埋め込み成長の条件が同じとなるなど、後のプロセスの制御が容易になるので好ましい。
第1の溝501および第2の溝502をB−B’で切断した場合の断面図については図示していないが、デバイス周辺領域63はストライプ方向が<11−20>方向である以外は、上記図6の場合(A−A’で切断した場合の断面図)と同様の構造である。また、B−B’で切断した場合の断面付近を見ると、デバイス領域61のストライプは断面に平行になっている。
なお、デバイス領域61の溝の形状については、第2クラッド層8がほぼ平坦に埋め込まれる形状であれば、方向や幅や深さについて特に限定はない。
デバイス周辺領域62やデバイス周辺領域63の形状については、後述する実施の形態3でより詳細に述べるが、溝の幅をデバイス領域61よりも広くすることで、第2クラッド層8に溝502cが形成されるように設定することが、本発明の効果を発現させるために重要である。
具体的には、本実施の形態では、溝を横方向に埋め込む速度は縦方向の速度の2倍程度であった。その場合、第1クラッド層6を2μmの厚さ成長すると、横方向には段差の片側で4μm、両側では8μm埋め込まれることとなる。その結果、第1クラッド層6の表面は、デバイス領域61上では平坦となる。一方、デバイス周辺領域62上およびデバイス周辺領域63上の第1クラッド層6に形成される埋め込み途中の溝502aの幅は5μmとなる。さらに、5nmの厚さの活性層7、0.2μmの厚さの第2クラッド層8を成長させた場合、デバイス領域61上では平坦な第1クラッド層6上の成長となる。一方、デバイス周辺領域62およびデバイス周辺領域63上では、溝幅がさらに0.8μm程度狭くなって、第3の溝502cの幅は4.2μm程度となる。なお、埋め込み途中の溝502bの幅は、活性層の厚さが5nmと非常に薄いので、溝が狭まる量は約0.02μmと非常に小さく、ほぼ5μmである。
以上詳細に説明したように、最終的にLEDチップの表面に形成される溝502dの幅は4.2μmである。
また、デバイス領域61の溝の幅の設定については、例えば、第2クラッド層8まで成長させて初めてクラックが発生するような構成であれば、第2クラッド層8が平坦に埋め込まれていれば十分である。この場合、デバイス領域61における第1クラッド層6や活性層7に溝があっても良い。
図7に、p型クラッド層8を形成させた後、すなわちMOCVD成長完了後の基板全体の平面図を示す。なお、図7は、パターンの配置を概略的に表す図であり、実際のパターンを縮小・拡大した図とは配置やサイズが異なっている。
周辺領域52では、下地層3の(01−10)面およびそれと等価な面に形成されるクラック55が観測された。このAlN層2上に、AlGaNの下地層3、n型クラッド層6、活性層7、p型クラッド層8を成長させたため、格子定数が大きなAlGaNが、格子定数の小さなAlNから圧縮歪を受けることにより生じたものである。一方、SiCの熱膨張係数は、全Al組成域でAlGaNの熱膨張係数より小さいため、成長温度から室温に下げる過程でAlGaNは引っ張り歪を受ける。クラックは、主に、引っ張り歪を受けたときに発生するので、熱膨張係数差による歪が格子定数差による歪よりも大きくなったときに、AlGaNにクラックが生じたと考えられる。引っ張り歪が蓄積されると、基板周辺部には格子欠陥や基板を円形に整形する時の研磨傷が多数存在するため、これらの傷などを起点として基板周辺部から中央部に向かってクラックが発生したと考えられる。
一方、装置領域51内に形成されているデバイス領域61には、クラックは観測されなかった。これは、半導体装置には第3の溝502cが形成されていることでデバイス領域61へのクラックの伝播が阻止されたためである。より詳細なメカニズムとしては、図7のクラック55aに示すように、第3の溝502cによってクラックの伝播が阻止される効果や、クラック55bやクラック55cのように一旦発生したクラックが、第3の溝502cに沿って伝播して、デバイス領域61へは伝播しない効果などがある。そのほかに、第3の溝502cが形成されることで、第1クラッド層6から上の層は平面的に分断されて歪が小さくなる効果、第2の溝502や第3の溝502cの斜面で歪が分散される効果により、クラックの発生自体が少なくなる効果もある。これらが複合的に作用してデバイス領域61へのクラック伝播が防止される。
なお、第3の溝502cに沿ってクラックが伝播しやすくするには、第3の溝502cの深さや幅を適切に選ぶ必要がある。深さについては、10nm程度以下の深さになると、成長による表面荒れとほとんど変わらない程度の溝の深さになってしまうので、深さは10nm以上とすることが好ましい。一方、深くエッチングすれば、より一層、クラックがデバイス領域61へ伝播しにくくなるので好ましい。ただしこのときは、エッチング時間が長くなるなど実用上問題となることがある。そこで0.5μmから5μm程度の深さにするのが実用的である。
第3の溝502cの幅については、幅が10nm以下となれば、やはり成長による表面荒れとほとんど変わらない程度の溝の幅になってしまうので、幅は10nm以上とすることが好ましい。一方、幅を100μm以上と大きくしてしまうと、クラックが溝に沿わずに溝から外れてデバイス領域61へ伝播してしまうことがある。そのため、溝の幅としては100μm以下とすることが好ましい。一方で、溝502dを形成する領域はデバイスを形成する領域ではないので、ウェハに効率的にデバイスを形成するためには、溝は狭い方がよい。以上の事情より、0.5μmから50μmの程度の幅にするのが実用的である。
なお、クラックの発生は、前述のように成長中と1000℃で成長した後に室温に冷却する過程と、2つの発生過程を考えなければならない。これらのクラック発生を抑制するには、第2の溝502を形成する順序として、第1クラッド層6の成長前に溝を形成することが重要である。
なお、ごく稀な例として、下地層上に下地層より格子定数が小さな層と下地層より格子定数が大きな層を順次成長させる場合、格子定数が小さな層では引っ張り歪によるクラックが発生しやすいので、成長中に溝が残っている必要があるが、格子定数が大きな層では圧縮歪が加わるのでクラック防止の必要がない構成が考えられる。このような場合は、最表面に溝502cが形成されなくてもよい場合がある。
デバイス領域61における下地層3には周期の小さな第1の溝501が形成されており、それが埋め込まれる上に活性層7が形成されているため、デバイス領域61の第2クラッド層の表面にはクラックの伝播を促進するような溝が無いことも、デバイス領域61へのクラック伝播の防止に寄与する。
なお、そのような効果からすると、デバイス領域61の第2クラッド層8の表面は完全に平坦であることが理想的であるが、現実的には第2クラッド層8の表面にごく浅い残存する溝や、ピットとよばれるくぼみが残ることがある。これら残存する溝やピットはクラック伝播の起点となることがあるので、クラック伝播を防ぐには残存する溝やピットは第3の溝502cよりも小さくするのが好ましい。例えば、残存する溝やピットの幅を、第3の溝502cの幅の5分の1程度以下とするなどが好ましい。
このように、特に、層を平面的に分断する効果と発生したクラックを第3の溝502cに沿って伝播させる効果によって、通常、格子定数差や熱膨張係数差が大きくてクラック無く半導体装置を形成することが困難な基板と層を組み合わせた半導体装置が形成可能となる。
そのため、上記図1〜図3や上記図5、図6におけるデバイス周辺領域62およびデバイス周辺領域63の溝の周期を小さくするか、第1クラッド層6を厚くして、完全に溝502が埋め込まれる構成にすると、クラック55が周辺領域52のみならず、装置領域51内にも伝播して、ほとんどの装置が動作不良を起こすことはいうまでもない。
前述のように、デバイス領域61には周期の小さな第1の溝501が形成されており、それが埋め込まれる上に活性層7が形成されているため、活性層7には低欠陥の領域が形成される。なお、表面に段差を形成した基板上へIII族窒化物半導体層の埋め込み成長を行うと、III族窒化物半導体層に低欠陥の領域が形成されることは、特許第3201475号などに記載されているとおりである。また、段差の形成方法としてはIII族窒化物半導体を成長させる前の基板、すなわち本実施の形態のサファイア基板など、に直接段差を形成する方法と、本実施の形態のように、基板表面にIII族窒化物半導体を成長させた後に、III族窒化物半導体に段差を形成する方法などを選択することができる。
このような低欠陥領域が形成されると、半導体装置の寿命が延び、発光強度が増加する効果がある。
すなわち、本発明の構成によれば、格子定数差や熱膨張係数差によるクラックを抑制しながら、低欠陥領域を有することで長寿命で高効率のデバイスを形成できるという効果が得られ、しかも低欠陥化用溝とクラック伝播抑止用溝とを同時に形成しているため、工程が少なくてよいという効果がある。
次に、第4の溝502dの形成について説明する。
前述のように、第4の溝502dは、図3(h)のように下部の層を露出する工程が存在する場合に形成する。第4の溝502dは、RIEのように全ての領域でほぼ同じエッチング速度でエッチングが進む場合、第3の溝502cの形状とほぼ同じ形状で形成される。第4の溝502dが存在すると、図3(i)の電極形成時のストレスによるクラック発生の防止や、実施の形態4で述べるようなデバイスを形成した後の信頼性向上などに効果がある。
次に、ダイシングソーでのチップ分離について説明する。
第2の溝502および第4の溝502dが形成されている幅、すなわち図5の平面図における隣り合うデバイス領域61の間隔が100μmとなるので、ダイシングソーの刃の幅を100μm未満とすれば、デバイス領域61が切断されることなく紫外発光LED装置20を分離することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、第2の溝502を形成することによって、成長時のクラックの発生を防止できることに加え、第2の溝502の領域をダイシングソーの切りしろとして用いることで、デバイス領域61にはなんら制限を与えることなく、デバイス領域61に発生するクラックを防ぐという効果が得られる。
なお、本実施の形態では、III族窒化物半導体の成長にMOCVD法を用いたが、分子線成長(MBE)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法、その他の成長方法を用いても、同様の効果が得られることはいうまでもない。
なお、本実施の形態では、6HSiC基板1を用いているが、6HSiCに変えて、他のポリタイプのSiC基板、サファイア基板、Si基板、GaN基板、AlN基板あるいは、これらの結晶を積層させた基板を用いた場合、熱膨張係数や格子定数の関係でクラックが発生する膜厚が異なるが、溝502を形成することでクラックが防止できる事情は同じであることはいうまでもない。
なお、本実施の形態では、基板1に接して高温で成長するAlN層2を形成しているが、これに替えて、低温AlNバッファ層、基板表面の窒化、基板表面のGaCl処理などを用いることが可能であることはいうまでもない。
なお、本実施の形態では、RIEのマスク4としてフォトレジストを用いているが、フォトレジストに替えてSiO2やSiNなどの誘電体、NiやAlなどの金属、これらを積層した膜などを用いてもよいことはいうまでもない。この際、フォトレジストに替えてSiO2などの、エッチングされにくい材料を用いれば、下地層3に形成される斜面が、より垂直に近づくのはいうまでもない。この際、斜面がより垂直に近づけば、斜面の底部へ原料が届きにくくなり、空隙が形成されることがあるが、空隙が形成されてもクラック防止効果が損なわれることはなく、むしろ、若干ではあるが歪が開放されてクラック防止に有効である。
なお、本実施の形態では、主にAlNとAlGaNにより構成された、紫外発光LED装置20を例示したが、紫外発光LED装置に替えて、可視から紫外までのLED装置あるいはLD装置、高速トランジスタなどで、クラックおよび欠陥密度が問題となる場合において、同様に有効であることはいうまでもない。その場合、発光波長やトランジスタ構造に応じて、他のIII族窒化物半導体材料を用いることができ、具体的には、AlNやAlGaNに替えて、GaNやInGaNやAlGaInNなどを用いることができる。
なお、LD装置の場合は、共振器方向に溝が形成されるとモードが影響を受けるので、必要に応じて、へき開やダイシング、スクライビングなどで共振器方向に形成された溝を切断してもよいことはいうまでもない。
(実施の形態2)
図8から図14を参照しながら、実施の形態2における紫外発光LED装置30(図10(j)参照)の製造方法について説明する。本実施の形態では、デバイス領域61に低欠陥化のための段差が形成されていなくても、クラック抑制の効果がある実施例について示す。
図8(a)は、基板1の断面図である。
n型の6HSiCからなる基板1の上に、MOCVD法により、AlN層2を1μmの厚さになるように形成する(図8(b))。
次に、AlN層2の上にn型のAl0.2Ga0.8Nからなる下地層3を厚さ2μm形成する(図8(c))。
図8(d)に示すように、下地層3の上にフォトレジストによるマスク4を設ける。このときのマスクパターンは、後述の溝502が形成される位置以外が被覆されるようにパタニングされており、デバイス領域61には故意に段差を設けないこととする。
さらに、マスク4を設けて下地層3をRIEなどでエッチングすることで、溝502を設ける。デバイス領域61は溝がなく、LEDのデバイス周辺領域62では周期が20μmのストライプ状の溝を形成する(図9(e))。
エッチング後に、アセトンなどの有機溶剤を用いてマスク4を除去する(図9(f))。
次に、図9(g)に示すように、厚さ2μmのAl0.2Ga0.8Nからなるn型の第1クラッド層6、厚さ5nmのAl0.14Ga0.84In0.02Nからなる活性層7、厚さ0.2μmのAl0.2Ga0.8Nからなるp型の第2クラッド層8をMOCVD法を用いて成長する。なお、AlGaInNはトリメチルガリウムとトリメチルアルミニウムとトリメチルインジウムとを適切な割合で混ぜて成長させることにより得ることが可能である。
デバイス周辺領域62では、第2の溝502の幅を、後述のように溝が埋め込まれて平坦にならない程度に広く設定したために、n型の第1クラッド層6、活性層7、第2クラッド層8にも、それぞれ埋め込み途中の溝502a、埋め込み途中の溝502b、第3の溝502cが形成される。
窒素雰囲気中で700℃10分加熱することにより、p型の第2クラッド層8を低抵抗化させた後(図示せず)、図10(h)に示すように、n型の第1クラッド層6をエッチングにより露出させる。n型の第1クラッド層6には第4の溝502dが形成される。
さらに、図10(i)に示すようにTi/Alからなるn型電極9、Ni/Auからなるp型電極10を形成する。
最後に、図10(j)に示すように、第4の溝502dが形成されている領域に沿ってダイシングソーを用いて1つ1つ紫外発光LED装置30を切断することにより、LEDチップが完成する。
図11は、図9(f)の工程における半導体基板全面を表す平面図である。なお、図11はパターンの配置を概略的に表す図で、実際のパターンを縮小・拡大した図とは配置やサイズが異なっている。
上記実施の形態1と同様、装置領域51の中には第1の溝501および第2の溝502が形成され、周辺領域52には溝を形成しないこととする。また、装置領域51中にはLED装置パターンが繰り返し形成される。
図12は、LED装置周辺の詳細図である。デバイス領域61は、紫外発光LED装置30が形成される領域である。デバイス周辺領域62は、隣り合うデバイス領域61の辺と平行に、すなわちGaN<01−10>方向に第2の溝502が形成されている。デバイス周辺領域63にも、隣り合うデバイス領域61の辺と平行に、すなわちGaN<11−20>方向に第2の溝502が形成されている。
デバイス領域61は、一辺300μmの正方形である。デバイス周辺領域62と、デバイス周辺領域63とは、ともに幅は50μmであり、最外周以外では、デバイス領域61が隣り合っているためデバイス周辺領域の幅は100μmとなる。
図12の溝62をA−A’で切断した場合の断面図を図13に示す。領域61においては、溝は形成されていない。領域62においては、第2の溝502は20μm周期のストライプ状の凹凸が繰り返された形状である。
図12の溝63をB−B’で切断した場合の断面図については図示していないが、領域63はストライプ方向が<11−20>方向である以外は、A−A’で切断した場合の断面形状と同様の構造である。
図14に、p型クラッド層8を形成させた後、すなわちMOCVD成長完了後の基板全体の平面図を示す。なお、図14はパターンの配置を概略的に表す図で、実際のパターンを縮小・拡大した図とは若干配置やサイズが異なっている。
周辺領域52では、下地層3の(01−10)面およびそれと等価な面に形成されるクラック55が観測されたが、装置領域51中のデバイス領域61では、クラックは観測されなかった。第2の溝502を形成したことによって、半導体装置表面には第3の溝502cが形成されており、例えばクラック55aからクラック55cに示すように、第3の溝502cによってデバイス領域61へのクラックの伝播が阻止された。
本実施の形態の紫外発光LED装置30では、デバイス領域61に低欠陥領域が形成されていないが、特に活性層7の材料として、AlGaInNなどInを含む混晶を用いることで、欠陥による発光強度の低下を防止することが可能である。
また、n型の第1クラッド層を露出する工程(図10(h))以降では、第3の溝502cに応じて形成される第4の溝502dが、電極形成時のストレスによるクラック発生の防止や、デバイス形成後の信頼性向上に効果をもたらす。
(実施の形態3)
本実施の形態は、溝の平面形状について検討した実施例について示す。以下、図15および図16を参照しながら、本実施の形態における紫外発光LED装置40((図示せず)の製造方法について説明する。
図15および図16は、デバイス領域61、溝部64、凸部65の形状について検討対象の溝の形状を示す図である。上記実施の形態1と全く同じ製造方法を用いてそれぞれの溝を形成させた(即ち、上記図2(f)における溝502の形状のみを変更させた)。図15および図16における溝部64は、上記図2(f)における第2の溝502に対応し、凸部65は、上記図2(f)において隣り合う第2の溝502に挟まれた、エッチングされていない領域に対応する。
図15(a)〜(e)は、クラック防止に対して効果が認められる溝の形状、すなわち、デバイス領域61にクラックが生じなかった溝の形状の例である。
図15(a)は、デバイス領域61が2本の溝部64と凸部65に囲まれた形状であり、クラック防止に効果がある。溝部の本数は、図15(a)のように2本、実施の形態1のようにそれ以上の数にすることができる。
図15(b)は、一本の溝部64だけでデバイス領域61を囲んだ形状であり、このように、少なくとも一本の溝部64でデバイス領域61を囲むことでクラック防止に効果がある。しかし、溝部64が一本の場合は、溝部64を伝播するクラックが溝部を外れて伝播する可能性が高くなるので、より好ましくは図15(a)のように複数の溝を有することがよいことはいうまでもない。
図15(c)は、溝部64と凸部65の境界を特定の面方位、例えば<11−20>方向と等価な方向を主として溝部64を構成した場合や、<1−100>方向と等価な方向を主として溝部64を構成した場合を示す。この場合(0001)面が6回対称なため、60°あるいは120°の角で囲まれた図形となる。III族窒化物半導体では、もっとも割れやすい面が(1−100)面とその等価な面、その次に割れやすい面が(11−20)面とそれに等価な面なので、これらの特定の面方位としてこれらの方向の溝部64を形成した場合はクラック防止の効果が高い。
図15(d)は、溝部64の中に凸部65が散在する形状であり、クラック防止に効果がある。
図15(e)は、デバイス領域61の左右は、紙面上下方向のストライプ状の溝部64と凸部65となっており、デバイス領域61の上下はデバイス領域61と同じ幅の溝部64と凸部65になっている場合で、ストライプ状の凸部65からなるので、マスクの作製が容易であるのが特徴である。
一方、図16(a)〜(c)は、クラック防止の効果が低い溝部64および凸部65の形状を示したものである。
図16(a)は、紙面左右方向のストライプ状の溝部64と凸部65でデバイス領域61を囲んだ場合である。この形状では、紙面左右の方向からデバイス領域61へ向かってクラックが伝播しやすい。特にストライプの方向をクラックが発生しやすい上述の方向と等価な方向に近いときはクラックがデバイス領域61に進入しやすい。
図16(b)は、図15(e)とは逆に、デバイス領域61の左右を左右方向のストライプとし、デバイス領域61の上下を上下方向のストライプとした場合で、この場合もデバイス領域61へ向かってクラックが伝播しやすい。
図16(c)は、図15(d)とは逆に、凸部65の中に溝部64が散在する形状であり、この形状も溝部64によってクラックの伝播が防止される効果が少ない。
以上、説明したように、デバイス領域61が閉じた溝部64で囲んだ形状はクラック防止に高い効果を示し、デバイス領域61の周囲の溝部64が閉じていない形状では、クラックがデバイス領域61へ進入しやすい。
(実施の形態4)
本実施の形態では、溝の形成によるIII族窒化物半導体を用いたLED装置の信頼性向上について検討した実施例について示す。
図17および図18は、ともに、本願の発明によるLEDチップの平面図と断面図である。図17は、上記実施の形態1の方法で作製したLEDチップ50を示す図であり、図18は、上記実施の形態2の方法で作製したLEDチップ60を示す図である。
図17のLEDチップ50、図18のLEDチップ60は、ともに、ダイシングソーでチップを分割する際、およそ50μmの幅の刃を用いることで、デバイス領域61の周囲に約25μmの幅にわたって、第4の溝502dが形成されている領域がある。第4の溝502dは20μm周期で形成されているため、デバイス領域は少なくとも1本の第4の溝502dで囲まれている。
一方、図19は、第1の溝501と第2の溝502とを形成せずに作製した、すなわち従来の方法で作製したLED装置100を示す図である。上記実施の形態1で述べたように、従来の方法で作製すると、多くの装置は動作不良を起こすが、クラックが存在しない装置がごく少数存在し、これを選別した。
図17、図18および図19の各LED装置の信頼性を、熱衝撃試験で確認した。すなわち、各装置をランプ炉内で室温から400℃まで約10秒で一気に加熱し、400℃に到達後室温に戻すというサイクルを10サイクル繰り返した後、LED装置を作製した。作製したLED装置が均一に発光するかどうか確認したところ、図17と図18の本発明に係るチップは動作したのに対し、図19の従来のLED装置はクラックが生じて発光しない領域があらわれ、動作不良を起こした。
以上の結果より、図17と図18の本発明に係るLED装置は、第4の溝502dを形成したことによるクラック発生の抑制により、耐熱性に関する信頼性が向上した。
なお、本実施の形態では、直接チップに熱を加える方法により信頼性を確認しているが、大出力のLED装置や半導体レーザや高速動作トランジスタなどに本発明を適用することで、瞬間的に強いパルス電流を流す場合など、瞬時に発熱が起こる場合などで、同様に信頼性が向上することはいうまでもない。
さらに、上記実施の形態1〜4においては、各半導体層の成長工程に従って溝を形成する実施例について示したが、予め溝を形成した基板等を用意し、この上に半導体装置を形成するようにしても良い。
以上のように、本発明に係る半導体装置の製造方法は、クラックの影響を回避し得る半導体装置の製造方法に適用が可能であり、高性能な窒化物半導体装置などを量産性よく製造することが可能となる。
(a)〜(d)は、本発明の実施の形態1における紫外発光LED装置の製造方法のプロセスを示す断面図である。 本発明の実施の形態1における紫外発光LED装置の製造方法のプロセスを示す断面図である。 本発明の実施の形態1における紫外発光LED装置の製造方法のプロセスを示す断面図である。 上記図2(f)の工程における半導体ウェハを表す平面図である。 上記図4の一つの紫外発光LED装置の周辺の拡大図の一例である。 上記図5の溝をA−A’で切断した場合の断面形状を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるMOCVD成長完了後の半導体ウェハの平面図である。 本発明の実施の形態2における紫外発光LED装置の製造方法のプロセスを示す断面図である。 本発明の実施の形態2における紫外発光LED装置の製造方法のプロセスを示す断面図である。 本発明の実施の形態2における紫外発光LED装置の製造方法のプロセスを示す断面図である。 上記図9(f)の工程における半導体ウェハを表す平面図である。 上記図11の一つの紫外発光LED装置の周辺の拡大図である。 上記図12の溝をA−A’で切断した場合の断面形状を示す図である。 本発明の実施の形態2におけるMOCVD成長完了後の半導体ウェハの平面図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施の形態3における、クラック防止に対して効果が認められる溝の形状を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施の形態3における、クラック防止に対して効果が低かった溝の形状を示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態4におけるLEDチップの上面図である。(b)は、本発明の実施の形態4におけるLEDチップの断面図である。 (a)は、本発明の実施の形態4におけるLEDチップの上面図である。(b)は、本発明の実施の形態4におけるLEDチップの断面図である。 (a)は、従来技術のLEDチップの上面図である。(b)は、従来技術のLEDチップの断面図である。
符号の説明
1 基板
2 AlN層
3 下地層
4 マスク
6 第1クラッド層
7 活性層
8 第2クラッド層
9 n型電極
10 p型電極
20 紫外発光LED装置
30 紫外発光LED装置
40 紫外発光LED装置
50 LEDチップ
51 装置領域
52 周辺領域
55 クラック
55a クラック
55b クラック
55c クラック
60 LEDチップ
61 デバイス領域
62 デバイス周辺領域
63 デバイス周辺領域
64 溝部
65 凸部
100 LED装置
501 第1の溝
502 第2の溝
502a 溝
502b 溝
502c 第3の溝
502d 第4の溝

Claims (4)

  1. 上面が平坦な基板を準備する工程と、
    前記基板の上面に第1の半導体層を形成する工程と、
    前記第1の半導体層の上面に、第1の幅を有する第1の溝を形成するとともに、前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する第2の溝を形成する工程と、
    前記第1の溝および前記第2の溝が形成された前記第1の半導体層の上面に第2の半導体層を形成する工程とを含み、
    前記第2の半導体層を形成する工程では、
    前記第2の半導体層の、前記第1の溝の上方部分は平坦であり、前記第2の半導体層の、前記第2の溝の上方部分には前記第2の幅よりも小さい幅を有する第3の溝が形成されるように、前記第2の半導体層を形成する
    半導体装置の製造方法。
  2. 前記第2の半導体層の平坦部が形成された領域は、デバイス領域である
    請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 上面が平坦な基板と、
    前記基板の上面に形成され、第1の幅を有する第1の溝、および、前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する第2の溝が上面に形成された第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の上面に形成され、前記第1の溝の上方部分は平坦であり、前記第2の溝の上方部分には前記第2の幅よりも小さい幅を有する第3の溝が形成された第2の半導体層とを備える
    半導体装置。
  4. 前記第2の半導体層の平坦部が形成された領域は、デバイス領域である
    請求項3記載の半導体装置。
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