JP4786021B2 - 高周波増幅器、フィードフォワード増幅器および歪み補償増幅器 - Google Patents
高周波増幅器、フィードフォワード増幅器および歪み補償増幅器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、大きなバックオフの動作状態においても高い効率を実現することの可能な高周波増幅器、この高周波増幅器を用いたフィードフォワード増幅器および歪み補償増幅器に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
VHF(超短波)帯やUHF(極超短波)帯あるいはマイクロ波帯などの通信帯域に属する高周波信号は、QPSK(Quadriphase Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)といった各種の変調方式によって変調される。
【0003】
一般に、これらの高周波信号は変調波の帯域に相当する時間でその振幅が時間的に変化する。言い換えると、包絡線が変動するという振る舞いを有する。移動体通信基地局などにおいて複数の信号を同時に増幅する場合にも、高周波信号の包絡線は時間的に変動する。
【0004】
図26は包絡線が変動する高周波信号の時間波形の一例を示す図である。横軸は時間を表し、縦軸は高周波信号の電力を表している。
【0005】
図26に示すように、時間の経過とともに高周波信号の包絡線が変動しており、包絡線が瞬時的に最大になったときのピーク電力は平均電力と比較して大きいことが分かる。平均電力とピーク電力との比はクレストファクターあるいはピーク電力比と呼ばれ、近年の移動体通信基地局などで用いられる高周波信号では、このクレストファクターが10dB以上にも及ぶことがある。
【0006】
したがって、大きなクレストファクターを有する高周波信号をピーク電力時にも飽和させずに増幅しようとすると、実動作時の平均出力電力と飽和電力との差(いわゆるバックオフ)を十分に大きくできる高周波増幅器を用いなければならない。
【0007】
一般に、高周波増幅器では、要求される特性に応じて内部の出力整合回路を調整し、FETなどの増幅素子から見た出力側の負荷インピーダンス条件を最適化する。例えば、効率が高くなるように、負荷インピーダンス条件を最適化する場合もあれば、飽和電力が大きくなるように、負荷インピーダンス条件を最適化する場合もある。
【0008】
しかしながら、例えば「モノリシックマイクロ波集積回路」(電子情報通信学会、相川他著、P.74,図3の4)あるいは「MMIC技術の基礎と応用」(リアライズ社、高木・伊藤著、P.155,図8の39(a))で示されているように、効率の高い負荷インピーダンス条件(高効率整合)と飽和電力の大きな負荷インピーダンス条件(高出力整合)とは一般的に一致しない。
【0009】
図27は高周波増幅器の増幅素子から見た負荷インピーダンスに対する飽和電力および効率の変化をスミスチャート上で模式的に示す図である。実線は飽和電力の等高線、点線は効率の等高線をそれぞれ表している。
【0010】
図27において、最大の飽和電力を実現する負荷インピーダンスは×印で、最大の効率を実現する負荷インピーダンスは●印でそれぞれ示しており、両者は一致せず、しかも出力電力によって最大効率を実現する負荷インピーダンスは変化する。
【0011】
したがって、高い効率の負荷インピーダンス条件では、高周波信号の瞬時電力の大きな部分が切り取られてしまい、その結果として、隣接するチャンネルに対して大きな妨害波が漏洩されてしまったり、送信される高周波信号が劣化して伝送誤りが大きくなってしまう。
一方、大きな飽和電力の負荷インピーダンス条件では、高周波信号の瞬時電力の大きな部分が切り取られることはなくなるが、高周波増幅器としての効率は低下してしまう。
【0012】
以上のような理由のため、飽和電力の大きい状態と効率の高い状態とを両立できる高周波増幅器を構成することは難しい。言い換えると、バックオフの大きな状態では、高周波増幅器の効率は大きく低下する。例えば単純なB級増幅器の場合、飽和動作時の理論的な最大効率は78%であるが、バックオフ10dB動作時の理論的な最大効率は25%程度である。そのため、大きなクレストファクターの高周波信号を低歪みで増幅する必要がある基地局用の高周波増幅器の効率が低い原因になっていた。
【0013】
このような問題を解決するために、スイッチなどを用いて負荷インピーダンスを切替える従来の高周波増幅器がある。
【0014】
図28は例えば特開平9−284061号公報に開示された従来の高周波増幅器の構成を示す図であり、図29はこの従来の高周波増幅器に用いられる出力整合回路の構成を示す図である。
【0015】
図28において、101はFET(電界効果型トランジスタ)やBJT(バイポーラジャンクショントランジスタ)などの増幅素子、102は増幅素子101に直流電圧を与える電源回路、103は出力整合回路、104は負荷である。
【0016】
出力整合回路103は、例えば図29に示したような構成であり、インピーダンス変換用のトランス105と、トランス105のタップ端子を切り替えるスイッチ106とから構成される。制御信号Sctlによってスイッチ106を切り替え、これによって増幅素子101から出力整合回路103を見た負荷インピーダンスZinの値を変化させる。
【0017】
出力電力が小さい場合には高効率の負荷インピーダンス条件に切り替え、出力電力が大きい場合には大出力電力の負荷インピーダンス条件、すなわち飽和電力が大きくなる負荷インピーダンスに切り替えることによって、出力電力の大小に係らず良好な効率を実現しようとするものである。
【0018】
また、整合回路に設けたスイッチを切り替えたり、整合回路内に可変容量素子などを用いることで負荷インピーダンスを変化させ、出力電力の大小に係らず良好な効率を実現しようとする従来技術が特公平5−54725号公報、特開平11−41118号公報に類似の高周波増幅器として開示されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
従来の高周波増幅器は以上のように構成されているので、高周波信号の包絡線変化に追従し、飽和電力が十分大きくかつ効率の良好な高周波増幅器を構成することは困難であるという課題があった。
【0020】
前述したように、従来技術では、切替スイッチあるいは可変素子が存在するために、負荷インピーダンス変化の反応時間が大きく、変調波による包絡線の時間変化に対応して変化させることができない。そのために、従来の技術の各公報において述べられているように、主に送信機の高出力モードあるいは低出力モードの切替といった目的で用いることを想定したものであり、高周波信号の包絡線に追従して負荷インピーダンスを変化させることを目的としたものではない。
【0021】
また、高速切替が可能であったとしても、高周波増幅器の出力回路に用いることのできるほど十分な耐電力特性を有し、損失の少ないスイッチや可変素子を構成することは難しく、結果として効率の改善効果が小さいという課題があった。
【0022】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、変調による包絡線の変化に追従して出力負荷インピーダンスを変化させ、飽和電力が十分大きくかつ効率の良好な高周波増幅器を構成することを目的とする。
【0023】
言い替えれば、バックオフの大きな動作状態、すなわち飽和電力に比べて小さな出力電力においても高効率動作を実現する高周波増幅器を構成することを目的とする。
【0024】
また、この発明は、飽和電力が十分大きくかつ効率の良好なフィードフォワード増幅器および低歪み増幅器を構成することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る高周波増幅器は、入力端子から入力された高周波信号を分配する第1の分配手段と、高周波信号の瞬時電力が小さい場合に効率整合するように形成され、第1の分配手段が分配した一方の高周波信号を常に増幅する主増幅手段と、高周波信号の瞬時電力が大きい場合にのみ、第1の分配手段が分配した他方の高周波信号を増幅する副増幅手段と、副増幅手段を通過する高周波信号の振幅および位相を調整する第1の振幅位相調整手段と、副増幅手段が増幅した高周波信号を主増幅手段の出力側へ注入するとともに、主増幅手段が増幅した高周波信号を出力端子から出力するサーキュレータとを備えるようにしたものである。
【0026】
この発明に係る高周波増幅器は、入力端子から入力された高周波信号を分配する第1の分配手段と、第1の分配手段が分配した一方の高周波信号を90度の位相差を付けて分配する第2の分配手段と、高周波信号の瞬時電力が小さい場合に効率整合するように形成され、第2の分配手段が分配した高周波信号を常にそれぞれ増幅する第1の主増幅手段および第2の主増幅手段と、高周波信号の瞬時電力が大きい場合にのみ、第1の分配手段が分配した他方の高周波信号を増幅する副増幅手段と、副増幅手段を通過する高周波信号の振幅および位相を調整する第1の振幅位相調整手段と、副増幅手段が増幅した高周波信号を第1の主増幅手段の出力側および第2の主増幅手段の出力側へそれぞれ注入するとともに、第1の主増幅手段および第2の主増幅手段がそれぞれ増幅した高周波信号を合成して出力端子から出力する第1の90度ハイブリッドとを備えるようにしたものである。
【0027】
この発明に係る高周波増幅器は、主増幅手段を通過する高周波信号または副増幅手段を通過する高周波信号に遅延時間を与える遅延手段を備えるようにしたものである。
【0028】
この発明に係る高周波増幅器は、主増幅手段を通過する高周波信号または副増幅手段を通過する高周波信号の周波数特性を変化させる周波数イコライザを備えるようにしたものである。
【0029】
この発明に係る高周波増幅器は、副増幅手段へ入力する高周波信号の瞬時電力変化に対して、副増幅器から出力する高周波信号の瞬時電力変化および通過位相特性を調整するAM−AM/PM調整手段を第1の振幅位相調整手段が備えるようにしたものである。
【0030】
この発明に係る高周波増幅器は、AM−AM/PM調整手段入力端子とAM−AM/PM調整手段出力端子との間に直列接続される2つのコンデンサと、2つのコンデンサの間とグランドとを接続するダイオードと、2つのコンデンサの間に対してバイアス用抵抗を介して接続される直流バイアス電源とをAM−AM/PM調整手段が備えるようにしたものである。
【0031】
この発明に係る高周波増幅器は、高周波信号の一部を分配する第3の分配手段と、第3の分配手段が分配した高周波信号の振幅を検出する第1の振幅検出手段と、第3の分配手段を通過した高周波信号の振幅および位相を調整する第2の振幅位相調整手段と、第1の振幅検出手段が検出した高周波信号の振幅を参照して、第2の振幅位相調整手段を制御する制御手段とをAM−AM/PM調整手段が備えるようにしたものである。
【0032】
この発明に係る高周波増幅器は、副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離する分離手段と、分離手段が分離した高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、分離手段とサーキュレータとの間に設けられ、分離手段が分離した基本波成分と第3の振幅位相調整手段が調整した高調波成分とを合成する合成手段とを第1の振幅位相調整手段が備えるようにしたものである。
【0033】
この発明に係る高周波増幅器は、副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離する分離手段と、分離手段が分離した高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、分離手段と第1の90度ハイブリッドとの間に設けられ、分離手段が分離した基本波成分と第3の振幅位相調整手段が調整した高調波成分とを合成する合成手段とを第1の振幅位相調整手段が備えるようにしたものである。
【0034】
この発明に係る高周波増幅器は、副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離する分離手段と、分離手段が分離した高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、サーキュレータと副増幅手段との間に設けられ、分離手段が分離した基本波成分と第3の振幅位相調整手段が調整した高調波成分とを合成する合成手段とを第1の振幅位相調整手段が備えるようにしたものである。
【0035】
この発明に係る高周波増幅器は、副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離して、基本波成分を第1の90度ハイブリッドへ出力する分離手段と、分離手段が分離した高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、第3の振幅位相調整手段が調整した高調波成分を2つに分配する第2の90度ハイブリッドと、第1の90度ハイブリッドと第1の主増幅手段との間に設けられ、第2の90度ハイブリッドからの一方の高調波成分と第1の90度ハイブリッドを介した基本波成分とを合成する第1の合成手段と、第1の90度ハイブリッドと第2の主増幅手段との間に設けられ、第2の90度ハイブリッドからの他方の高調波成分と第1の90度ハイブリッドを介した基本波成分とを合成する第2の合成手段とを第1の振幅位相調整手段が備えるようにしたものである。
【0036】
この発明に係る高周波増幅器は、サーキュレータと出力端子との間に設けられ、サーキュレータからの高周波信号を出力端子へ通過するアイソレータを備えるようにしたものである。
【0037】
この発明に係る高周波増幅器は、第1の90度ハイブリッドと出力端子との間に設けられ、第1の90度ハイブリッドからの高周波信号を出力端子へ通過するアイソレータを備えるようにしたものである。
【0038】
この発明に係る高周波増幅器は、副増幅手段とサーキュレータとの間に設けられ、副増幅手段が増幅した高周波信号をサーキュレータへ通過するアイソレータを備えるようにしたものである。
【0039】
この発明に係る高周波増幅器は、副増幅手段と第1の90度ハイブリッドとの間に設けられ、副増幅手段が増幅した高周波信号を第1の90度ハイブリッドへ通過するアイソレータを備えるようにしたものである。
【0040】
この発明に係る高周波増幅器は、入力端子から入力されたベースバンド信号を処理するベースバンド処理手段を第1の分配手段が備え、ベースバンド処理手段が処理したベースバンド信号を主増幅手段および副増幅手段へそれぞれ入力する高周波信号に周波数変換する第1の周波数変換手段を備えるようにしたものである。
【0041】
この発明に係る高周波増幅器は、入力端子から入力されたベースバンド信号を2つに分配する第4の分配手段と、第4の分配手段が分配した一方のベースバンド信号の振幅を検出する第2の振幅検出手段と、第2の振幅検出手段からのベースバンド信号の振幅および位相を調整する第4の振幅位相調整手段と、第2の振幅検出手段が検出したベースバンド信号の振幅とあらかじめ用意されたデータとを参照して、第4の振幅位相調整手段を制御する制御手段とをベースバンド処理手段が備えるようにしたものである。
【0042】
この発明に係る高周波増幅器は、副増幅手段が出力した高周波信号を分配する第5の分配手段と、第5の分配手段が分配した高周波信号をベースバンド信号に周波数変換する第2の周波数変換手段とを備え、制御手段は、第2の周波数変換手段が周波数変換したベースバンド信号を参照して、あらかじめ用意されたデータを更新するようにしたものである。
【0043】
この発明に係るフィードフォワード増幅器は、請求項1から請求項18のうちのいずれか1項記載の高周波増幅器を歪み抽出ループに備えるようにしたものである。
【0044】
この発明に係る低歪み増幅器は、請求項1から請求項18のうちのいずれか1項記載の高周波増幅器と、高周波増幅器が高周波信号に与える歪み特性を補償するディストーションリニアライザを備えるようにしたものである。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による高周波増幅器の構成を示す図である。
【0046】
図1において、1は高周波信号が入力される入力端子、2は高周波信号を出力する出力端子である。3は入力端子1から入力された高周波信号を2つに分配する分配部(第1の分配手段)、4は分配部3の一方の出力側と接続された主増幅部(主増幅手段)、5は分配部3の他方の出力側と接続された副増幅部(副増幅手段)である。6はサーキュレータであり、副増幅部5が出力した高周波信号を主増幅部4の出力側へ注入し、主増幅部4が出力した高周波信号を出力端子2へ注入するように接続されている。
【0047】
図2は主増幅部4および副増幅部5の構成の一例を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0048】
図2の主増幅部4において、7は分配部3の一方の出力側と接続される入力整合回路、8は入力整合回路7からの高周波信号を増幅する増幅素子、9は増幅素子8が増幅した高周波信号をサーキュレータ6へ出力する出力整合回路である。
【0049】
一方、図2の副増幅部5において、10は分配部3の他方の出力側と接続される入力整合回路、11は入力整合回路10からの高周波信号を増幅する増幅素子、12は増幅素子11が増幅した高周波信号をサーキュレータ6へ出力する出力整合回路である。
【0050】
なお、増幅素子8,増幅素子11に対して直流バイアスをそれぞれ与える構成要素については図示を省略している。
【0051】
主増幅部4はいわゆるA級、AB級、B級にバイアスされた増幅器であり、瞬時電力の大きさによらず高周波信号を常に増幅する。
一方、副増幅部5は例えばC級にバイアスされた増幅器であり、変調された高周波信号の包絡線の変動によって瞬時電力が大きくなった場合にのみ高周波信号を増幅し、瞬時電力が小さい場合には高周波信号を出力しない。
【0052】
次に動作について説明する。
高周波信号の瞬時電力が小さい場合には、主増幅部4が動作し、副増幅部5は動作しない。したがって、入力端子1,分配部3を介して主増幅部4へ入力された高周波信号は、入力整合回路7を通過して増幅素子8で増幅され、出力整合回路9,サーキュレータ6を介して出力端子2から出力される(図1の実線矢印)。
【0053】
主増幅部4から出力側を見たインピーダンスZLは、出力端子2に接続されたインピーダンス(例えば50Ω)である。主増幅部4では、出力側の負荷インピーダンスZLで高効率動作するように出力整合回路9を設計している。具体的には、増幅素子8から出力側を見た負荷インピーダンスZL_FETが、高効率整合となるように回路定数が決定されている。そのため、瞬時電力が小さい場合には高効率で動作する。
【0054】
高周波信号の瞬時電力が大きい場合には、主増幅部4とともに副増幅部5が動作する。したがって、入力端子1,分配部3を介して副増幅部5へ入力された高周波信号は、入力整合回路10を通過して増幅素子11で増幅され、出力整合回路12,サーキュレータ6を介して主増幅部4の出力側へ注入される(図1の点線矢印)。
【0055】
主増幅部4側から出力側を見ると、主増幅部4の出力する高周波信号と同じ高周波信号が出力側から戻って来るように見えるため、負荷インピーダンスZLならびにZL_FETが見かけ上変化したように見える。
【0056】
このとき、副増幅部5からサーキュレータ6を通過して主増幅部4の出力側に注入される高周波信号の振幅と位相を適当な値にすると、主増幅部4から見た負荷インピーダンスZL,増幅素子8から見た負荷インピーダンスZL_FETが、あたかも飽和電力が大きくなるインピーダンスに変化したように見える。そのため、副増幅部5からの高周波信号の注入がない場合に比べて、主増幅部4の飽和電力は大きくなる。したがって、瞬時電力の大きな部分を切り取ることなく主増幅部4は高周波信号を増幅し、サーキュレータ6を介して出力端子2から増幅した高周波信号を出力する。
【0057】
このように、高周波信号の瞬時電力が小さい場合には、主増幅部4の負荷インピーダンスは飽和電力が小さいものの高効率を実現する状態にあり、図1の高周波増幅器は高効率動作をする。
一方、高周波信号の瞬時電力が大きい場合には、サーキュレータ6を介して副増幅部5から主増幅部4の出力側へ高周波信号の注入が行われるので、主増幅部4の増幅素子8から見た負荷インピーダンスが見かけ上変化して、図1の高周波増幅器の飽和電力が大きくなる。
したがって、この実施の形態1による高周波増幅器は、飽和電力が大きいにも係らず、低出力時にも高い効率を実現するように動作するようになる。
【0058】
従来とは異なって、この実施の形態1による高周波増幅器は切替スイッチや可変容量素子を有しないため、高周波信号の包絡線の高速変化に対しても十分に追従することが可能であり、従来の構成では事実上不可能であった変調波の瞬時電力変化に追従して出力整合回路9の負荷インピーダンスを等価的に変化させることができるようになる。
結果として、飽和電力が大きいにも係らず、低出力時にも高効率の高周波増幅器を構成することができ、言い換えると、バックオフが大きな動作状態においても効率が良好な高周波増幅器を構成することができる。
【0059】
また、従来と比較して、切替スイッチや可変容量素子を用いていないため、これらの構成要素に起因する耐電力性や損失などの問題が生じないため、より高出力の高周波増幅器にも適用可能であり、かつ高効率とすることができる。
【0060】
副増幅部5はC級増幅器であるから、入力端子1に入力される高周波信号の瞬時電力が小さな場合には動作せず、直流の消費電力もない。したがって、主増幅部4と副増幅部5からなる系全体の効率を低下させることはない。
【0061】
なお、副増幅部5は、瞬時電力が大きい場合のみに増幅動作して高周波信号を出力し、瞬時電力が小さい場合には高周波信号を出力せず、直流消費電力も十分に小さくなるようにバイアスされていれば良い。いわゆるC級バイアス状態が望ましいが、B級バイアス状態でも瞬時電力が小さい場合には直流消費電力も十分小さいので、高周波増幅器の高効率化の目的は達成される。
【0062】
また、瞬時電力が大きい場合に副増幅部5から出力された高周波信号は主増幅部4の出力側で反射され、結果的に出力端子2に現われ出力電力の一部となるので、副増幅部5の消費電力が無駄になることはなく、効率を大きく低下させる原因にはならない。
【0063】
なお、以上の説明では、主増幅部4,副増幅部5に1段の増幅素子8,11をそれぞれ用いる場合について説明してきたが、主増幅部4,副増幅部5の双方あるいはいずれか一方に多段接続した増幅素子を用いるようにしても良く、高周波増幅器の利得を調整することができる。
【0064】
以上のように、この実施の形態1によれば、入力端子1から入力された高周波信号を2つに分配する分配部3と、分配部3の一方の出力側と接続され、分配部3からの高周波信号を増幅する主増幅部4と、分配部3の他方の出力側と接続され、高周波信号の瞬時電力が小さい場合には動作せず、高周波信号の瞬時電力が大きい場合には分配部3からの高周波信号を増幅する副増幅部5と、副増幅部5が増幅した高周波信号を主増幅部4の出力側へ注入するとともに、主増幅部4が増幅した高周波信号を出力端子2へ注入するサーキュレータ6とを備えるようにしたので、変調された高周波信号の包絡線変化に追従して出力負荷インピーダンスを変化させることができるようになり、高周波信号の瞬時電力が小さい場合には高効率の増幅器として動作し、高周波信号の瞬時電力が大きい場合には飽和電力の大きい増幅器として動作する高周波増幅器を構成することができるという効果が得られる。
【0065】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による高周波増幅器の構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0066】
図3において、13は分配部3からの高周波信号を90度の位相差を付けて2つに分配する90度ハイブリッド(第2の分配手段)、14A,14Bは90度ハイブリッド13が出力した2つの高周波信号をそれぞれ増幅する2つの増幅部(第1の主増幅手段、第2の主増幅手段)、15は副増幅部5が出力した高周波信号を2つに分配して増幅部14A,14Bの出力側へそれぞれ注入し、増幅部14A,14Bがそれぞれ出力した高周波信号を結合して出力端子2から出力する90度ハイブリッド(第1の90度ハイブリッド)である。
この実施の形態2では、90度ハイブリッド13,増幅部14A,14Bおよび90度ハイブリッド15から主増幅部4を構成している。
【0067】
主増幅部4および副増幅部5の働きは実施の形態1と同様である。つまり、主増幅部4の増幅部14A,14Bは、入力された高周波信号の瞬時電力の大小にかかわらず増幅動作する増幅器であり、いわゆるA級、AB級、B級にバイアスされた増幅器である。また、副増幅部5は例えばC級にバイアスされた増幅器であり、変調された高周波信号の包絡線変化によって瞬時電力が大きくなった場合に増幅動作し、高周波信号を出力する。副増幅部5の出力は、主増幅部4を構成する90度ハイブリッド15のアイソレーション端子に接続されている。
【0068】
次に動作について説明する。
入力された高周波信号の瞬時電力が小さい場合には主増幅部4のみが動作する。したがって、分配部3が分配した一方の高周波信号は90度ハイブリッド13を介して2つの増幅部14A,14Bによってそれぞれ増幅される。2つの増幅部14A,14Bの出力電力は図3の実線矢印のように流れ、90度ハイブリッド15で合成され、出力端子2から出力される。このとき90度ハイブリッド15のアイソレーション端子には出力が現われない。主増幅部4から見た負荷インピーダンスは出力端子2に接続されたインピーダンス(例えば50Ω)であり、このときに効率が良くなるように高周波増幅器内部の整合回路が調整されている。
【0069】
一方、瞬時電力が大きい場合には主増幅部4,副増幅部5がそれぞれ動作する。したがって、分配部3が分配した他方の高周波信号は90度ハイブリッド13を介して副増幅部5によって増幅される。副増幅部5の出力電力は図3の点線矢印のように流れ、90度ハイブリッド15によって2つに分配されて増幅部14A,14Bの出力側にそれぞれ注入される。
【0070】
実施の形態1と同様の理由によって、主増幅部4の増幅部14A,14Bの見かけ上の負荷インピーダンスは副増幅部5から注入された高周波信号で変化することになり、このときに飽和電力が大きい負荷インピーダンスになることで大きな瞬時電力の信号も増幅可能となる。したがって、瞬時電力の大きな部分を切り取ることなく増幅部14A,14Bは高周波信号をそれぞれ増幅し、90度ハイブリッド15がこれら増幅された高周波信号を合成して出力端子2から出力する。
実施の形態1と同様に、主増幅部4と副増幅部5とを有するこの実施の形態2による高周波増幅器は、飽和電力が大きいにも係らず、低出力時にも効率を高くすることができる。
【0071】
一般に大電力の高周波増幅器を構成する場合に、図3の主増幅部4の構成、いわゆるバランス増幅器構成は、2つの増幅器14A,14Bを合成する電力合成の手段としてよく用いられる。出力側の90度ハイブリッド15のアイソレーション端子から副増幅部5出力の高周波信号を増幅部14A,14Bへそれぞれ入力しているので、実施の形態1のサーキュレータ6を用いる必要がなくなり、実施の形態1の効果を得ることができ、また、損失の低減による効率向上、装置の低コスト化という効果が得られる。
【0072】
なお、入力側の90度ハイブリッド13は、出力側の90度ハイブリッド15で生じる高周波信号の90度の位相差を補償するために設けてあるものであり、例えば分配手段と遅延手段とを用いて高周波信号を2つに分配して90度の位相差をつけるようにしても良い。
【0073】
以上のように、この実施の形態2によれば、入力端子1から入力された高周波信号を2つに分配する分配部3と、分配部3の一方の出力側と接続され、分配部3からの高周波信号を2つに分配する90度ハイブリッド13と、90度ハイブリッド13からの高周波信号をそれぞれ増幅する増幅部14A,14Bと、分配部3の他方の出力側と接続され、高周波信号の瞬時電力が小さい場合には動作せず、高周波信号の瞬時電力が大きい場合には分配部3からの高周波信号を増幅する副増幅部5と、副増幅部5が増幅した高周波信号を増幅部14A,14Bの出力側へそれぞれ注入するとともに、増幅部14A,14Bがそれぞれ増幅した高周波信号を結合して出力端子2へ出力する90度ハイブリッド15とを備えるようにしたので、実施の形態1と同様の効果に加えて、実施の形態1のサーキュレータ6を必要としない分だけ、高周波信号に対する損失が軽減されて高周波増幅器の効率を向上することができるとともに、コストを低減することができるという効果が得られる。
【0074】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による高周波増幅器の構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0075】
図4において、16は副増幅部5を通過する高周波信号の振幅を調整する可変減衰部(第1の振幅位相調整手段)、17は副増幅部5を通過する高周波信号の位相を調整する可変移相部(第1の振幅位相調整手段)である。この実施の形態3では、可変減衰部16および可変移相部17を副増幅部5とサーキュレータ6との間に設けるようにし、副増幅部5が出力した高周波信号の振幅と位相を調整するようにしている。
【0076】
このようにすることで、サーキュレータ6を介して主増幅部4へ注入する高周波信号の振幅と位相を最適化することが可能になり、瞬時電力が大きい場合の主増幅部4の見かけ上の負荷インピーダンスを調整して、高周波増幅器の効率をさらに向上させることができるという効果が得られる。
【0077】
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態3の可変減衰部16,可変移相部17を用いた別の構成について説明する。
【0078】
図5はこの発明の実施の形態4による高周波増幅器の構成を示す図である。図4と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0079】
図5では、分配部3と副増幅部5との間に可変減衰部16,可変移相部17を設けるようにして、高周波信号の振幅・移相をそれぞれ調整してから副増幅部5で増幅している。このようにすることで、副増幅部5から出力された高周波信号に対する可変減衰部16,可変移相部17の損失の影響がなくなるので、実施の形態3と同様の効果に加えて、実施の形態3と比較して、高周波増幅器の効率をさらに向上させることができるという効果が得られる。
【0080】
また、実施の形態2で示した高周波増幅器に可変減衰部16,可変移相部17を用いることもできる。
図6はこの発明の実施の形態4による高周波増幅器の構成を示す図である。図3,4と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
図6では、図3の分配部3と副増幅部5との間に可変減衰部16,可変移相部17を用いている。このようにしても、図5の場合と同様の効果が得られる。
また、図3の副増幅部5と90度ハイブリッド15との間に可変減衰部16,可変移相部17を用いているようにしても良く、実施の形態3と同様の効果が得られる。
【0081】
実施の形態5.
図7はこの発明の実施の形態5による高周波増幅器の構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0082】
図7において、18は副増幅部5を通過する高周波信号に対して遅延時間を与える遅延回路(遅延手段)である。図7では、分配部3と副増幅部5との間に遅延回路18を設けるようにしている。主増幅部4側の経路が高周波信号に与える遅延時間と副増幅部5側の経路が高周波信号に与える遅延時間とを遅延回路18によって一致させることによって、副増幅部5から主増幅部4への高周波信号の注入の効果を広帯域にわたって実現できるという効果が得られる。
【0083】
遅延回路18として、同軸線路などの一般的な線路を用いるようにしても良いし、バンドパスフィルタの遅延特性を利用する遅延フィルタなどを用いるようにしても良い。
【0084】
なお、副増幅部5とサーキュレータ6との間に遅延回路18を設けるようにしても良いし、主増幅部4と副増幅部5との遅延時間差の大小によっては、分配部3と主増幅部4との間または主増幅部4とサーキュレータ6との間に遅延回路18を設けるようにしても良い。
【0085】
また、実施の形態2による高周波増幅器に遅延回路18を適用しても良い。つまり、図3において、分配部3と副増幅部5との間または副増幅部5と90度ハイブリッド15との間、分配部3と主増幅部4との間または増幅部14A,14Bと90度ハイブリッド13との間に遅延回路18を設けることによって同様の効果が得られる。
【0086】
さらに、遅延回路18の代わりに、主増幅部4を通過する高周波信号の周波数特性と副増幅部5を通過する高周波信号の周波数特性とを一致させる周波数イコライザを遅延回路18と同様の構成で設けるようにしても広帯域化の効果が得られ、さらに、遅延回路18,周波数イコライザの両方を設けても良い。
【0087】
実施の形態6.
図8はこの発明の実施の形態6による高周波増幅器の構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0088】
図8において、19は副増幅部5に入力される高周波信号の瞬時電力変化に対して副増幅部5から出力される高周波信号の瞬時電力変化および通過位相特性を調整するAM−AM/PM調整部(AM−AM/PM調整手段)である。この実施の形態6では、AM−AM/PM調整部19を分配部3と副増幅部5との間に設けるようにしている。
【0089】
高周波信号の瞬時電力がある値以上の場合にのみ副増幅部5は電力を出力するが、高周波増幅器全体の高効率化のためには副増幅部5が動作を開始する瞬時電力の値および瞬時入力電力に対する瞬時出力電力の変化を最適化する必要がある。すなわち副増幅部5側の入力電力変化に対する出力電力変化(いわゆるAM−AM特性)を最適化する必要がある。
【0090】
また、瞬時入力電力の変化によって副増幅部5の通過位相特性(いわゆるAM−PM特性)が変化すると、サーキュレータ6を通過して主増幅部4の出力側に注入される高周波信号の位相が変化し、主増幅部4の見かけ上の負荷インピーダンスが所望の状態から変化してしまう。
以上のような現象を補償して最適な動作を実現するために、AM−AM/PM調整部19を設けている。
【0091】
AM−AM/PM調整部19は一般に非線形回路で構成することができる。
図9はAM−AM/PM調整部19の構成例を示す図である。
図9において、20は入力端子(AM−AM/PM調整部入力端子)、21は直流カット用の2つのコンデンサ、22は直流バイアス電源、23はバイアス用抵抗、24はダイオード、25は出力端子(AM−AM/PM調整部入力端子)である。
【0092】
図9のAM−AM/PM調整部19は、入力端子20と出力端子25とを直列接続する2つのコンデンサ21と、2つのコンデンサ21の間とグランドとを接続するダイオード24と、2つのコンデンサ21の間にバイアス用抵抗23を介して直流バイアスを与える直流バイアス電源22とから構成されている。
【0093】
図9に示したAM−AM/PM調整部19は、IEEE Transaction on Microwave Theory and Techniques,vol.45,No.12,December 1997の2431ページに開示されているダイオードを用いた非線形回路の一例であり、通常は増幅器の非線形性(すなわち、歪み)を補償するためのリニアライザとして用いられるものである。このようにAM−AM/PM調整部19を構成することによって、簡単な構成で副増幅部5の非線形性を補償することができるという効果が得られる。
【0094】
図9に限らず、非線形特性を一般的に有する回路の回路定数などを所望の値に変更することにより、AM−AM/PM調整部19を構成することができる。
【0095】
図10は図9と別のAM−AM/PM調整部19を備えた高周波増幅器の構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0096】
図10において、26は分配部3が分配した高周波信号の一部を取り出す分配部(第3の分配手段)、27は分配部26によって分配された高周波信号の瞬時電力レベルを検出するレベル検出部(第1の振幅検出手段)、28はレベル検出部27の瞬時電力レベルに応じて可変減衰部29(第2の振幅位相調整手段),可変移相部30(第2の振幅位相調整手段)を制御する制御部(制御手段)である。
レベル検出部27が検出した瞬時電力レベルに応じて、制御部28があらかじめ記憶した減衰量・移相量になるように可変減衰部29,可変移相部30をそれぞれ調整することによって、AM−AM/PM調整部19として利用することができる。
【0097】
図11は図9,10と別のAM−AM/PM調整部19を備えた高周波増幅器の構成を示す図である。図10と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0098】
図11に示した制御部28は、分配部26,レベル検出部27によって検出された瞬時電力レベルに応じて、副増幅部5のバイアス条件を変化させるものである。副増幅部5はバイアス条件によって利得や通過位相が変化するので、入力された瞬時電力レベルに応じてバイアス条件を変化させてやれば所望のAM−AM/PM特性を実現できる。このように、バイアス条件を変化させることによって、高周波信号の第2の振幅位相調整手段として副増幅部5を利用している。
【0099】
以上のように、AM−AM/PM調整部19を設けることによって、副増幅部5が動作する電力レベルや入力電力に対する出力電力の値などを最適化することができるようになり、主増幅部4へ注入される信号が最適化されて、高周波増幅器全体の効率を改善できるという効果が得られる。
【0100】
また、AM−AM/PM調整部19を実施の形態2に適用するようにしても良く、同様の効果が得られる。
【0101】
実施の形態7.
図12はこの発明の実施の形態7による高周波増幅器の構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0102】
図12において、31は副増幅部5が出力した高周波信号の基本波成分と2倍波などの高調波成分とを分離するダイプレクサ(分離手段)、32はダイプレクサ31が分離した高調波成分の振幅を調整する可変減衰部(第3の振幅位相調整手段)、33はダイプレクサ31が分離した高調波成分の位相を調整する可変移相部(第3の振幅位相調整手段)、34は可変減衰部32,可変移相部33を通過した高調波成分をダイプレクサ31が分離した基本波成分と合成してサーキュレータ6へ出力するダイプレクサ(合成手段)である。
【0103】
良く知られているように、出力回路において2倍波などの高調波成分に対する負荷インピーダンスを最適化することで、高周波増幅器の効率や歪み特性を向上することができる。また、一般的に、副増幅部5に用いられるC級増幅器やB級増幅部はその非線形性によって高調波成分を多く出力する。
【0104】
そこで、副増幅部5から出力される高調波成分の振幅・位相を調節して、基本波成分と同様に主増幅部4の出力側へ注入することによって、主増幅部4の高調波に対する負荷インピーダンスを変えることが可能になり、主増幅部4の効率をさらに向上することができるようになる。
【0105】
副増幅部5で発生した基本波成分および高調波成分はダイプレクサ31で分離される。基本波成分はダイプレクサ34へ入力され、高調波成分は可変減衰部32,可変移相部33によってその振幅と位相が調整された後にダイプレクサ34で基本波成分と再び合成され(図12の点線矢印)、サーキュレータ6を介して主増幅部4の出力側に注入される。この際に、主増幅部4の出力側へ注入される高調波成分の最適条件(位相・振幅)を実現するように可変減衰部32,可変移相部33を調整する。
【0106】
副増幅部5が出力した高周波信号の高調波成分の振幅や位相を最適化して主増幅部4の出力側へ注入するようにしているので、高周波増幅器の効率をさらに向上することができるという効果が得られる。
【0107】
なお、実施の形態2による高周波増幅器において、副増幅部5と90度ハイブリッド15との間にダイプレクサ31,可変減衰部32,可変移相部33およびダイプレクサ34を設けるようにしても良く、同様の効果が得られる。
【0108】
実施の形態8.
実施の形態7で示したダイプレクサ34を図1の主増幅部4の出力側に設けるようにしても良い。
図13はこの発明の実施の形態8による高周波増幅器の構成を示す図である。図1,12と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0109】
図13では、ダイプレクサ34をサーキュレータ6と主増幅部4との間に設けるようにしている。したがって、ダイプレクサ31で分離された基本波成分は、サーキュレータ6を介してからダイプレクサ31へ入力され、可変減衰部32,可変移相部33を通過した高調波成分とダイプレクサ34において合成され、主増幅部4の出力側へ合成された基本波成分と高調波成分とが注入されるようになる。
【0110】
つまり、実施の形態7と同様の効果が得られるとともに、実施の形態7と比較して、サーキュレータ6を通過するのは基本波成分だけになるので、基本波成分に合わせた狭帯域なサーキュレータ6を用いることが可能であり、サーキュレータ6の損失や大きさ・コストなどを低減でき、高周波増幅器としての効率の向上や低コスト化を実現できるという効果が得られる。
【0111】
実施の形態9.
図14はこの発明の実施の形態9による高周波増幅器の構成を示す図である。図3,12と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0112】
図14において、35は可変減衰部32,可変移相部33を通過した高調波成分を90度の位相差を付けて分配する90度ハイブリッド(第2の90度ハイブリッド)である。34A,34Bは増幅部14Aと90度ハイブリッド15との間、増幅部14Bと90度ハイブリッド15との間にそれぞれ設けられ、基本波成分と高調波成分とを合成するダイプレクサ(第1の合成手段、第2の合成手段)である。
【0113】
主増幅部4を構成する増幅部14A,14Bは、90度ハイブリッド13によって90度の位相差で動作しているので、注入する高調波成分も90度の位相差を有する必要がある。この実施の形態9では、90度ハイブリッド35を用いて2つに分配する高調波成分に90度の位相差を与えて、90度ハイブリッド15を通過した基本波成分と90度ハイブリッド35を通過した高調波成分とをダイプレクサ34A,34Bによってそれぞれ合成して増幅部14A,14Bへ注入するようにしている。
【0114】
このようにすることで、実施の形態8と同様の効果が得られると共に、実施の形態8と異なりサーキュレータ6を用いる必要がないので、損失が低減し効率を向上することができるという効果が得られる。
【0115】
実施の形態10.
図15はこの発明の実施の形態10による高周波増幅器の構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0116】
図15において、36はサーキュレータ6と出力端子2との間に設けられたアイソレータであり、サーキュレータ6から出力端子2へ高周波信号を通過するように設置されている。
【0117】
出力端子2がアンテナなどに直接接続される場合に、アンテナの周辺の環境によってアンテナから高周波信号が反射してくる場合がある。
この場合、サーキュレータ6の働きによって主増幅部4の出力側には反射波が現われない。しかしながら、副増幅部5の出力側にはサーキュレータ6を介して出力端子2から反射波が加わるため、アイソレータ36を設けることによって反射波をアイソレーションするようにしている。このことによって、反射波による副増幅部5の特性変化を防ぐことができ、安定して高効率な高周波増幅器を構成することができるという効果が得られる。
【0118】
また、実施の形態2の構成においても、90度ハイブリッド15と出力端子2との間にアイソレータ36を設けるようにすれば、同様の効果が得られる。
【0119】
実施の形態11.
実施の形態10で示したアイソレータ36を副増幅部5とサーキュレータ6との間に設けるようにしても良い。
図16はこの発明の実施の形態11による高周波増幅器の構成を示す図である。図1,15と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0120】
図16では、副増幅部5とサーキュレータ6との間にアイソレータ36が設けられており、副増幅部5からの高周波信号をサーキュレータ6へ通過する方向に設置されている。アンテナからの反射波が出力端子2から入力しても、主増幅部4および副増幅部5の出力側には反射波が戻らないので、実施の形態10と同様に、主増幅部4,副増幅部5の反射波による特性劣化を防ぐことができる。
【0121】
実施の形態10と同様の効果が得られるとともに、実施の形態9と比較すると、主増幅部4が出力する高周波信号に対する損失はサーキュレータ6だけとなり、アイソレータ36の分だけ損失を軽減することができ、高周波増幅器の効率を向上できるという効果が得られる。
【0122】
実施の形態12.
実施の形態10,11で示したアイソレータ36を実施の形態2による高周波増幅器に適用することもできる。
図17はこの発明の実施の形態12による高周波増幅器の構成を示す図である。図3,15と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0123】
図17では、副増幅部5と90度ハイブリッド15との間にアイソレータ36を設けるようにしており、副増幅部5が出力した高周波信号を90度ハイブリッド15のアイソレーション端子へ通過する方向にアイソレータ36が設置されている。
【0124】
主増幅部4の増幅部14A,14Bが完全に同一の特性を有している場合には、90度ハイブリッド15のアイソレーション端子には増幅部14A,14Bからの出力電力は現われない。しかしながら、増幅部14A,14Bの特性が異なっている場合には、これに応じて90度ハイブリッド15のアイソレーション端子に増幅部14A,14Bからの出力電力が現われて副増幅部5の出力側へ注入されてしまう。この現象によって、副増幅部5の特性が変化したり、場合によっては、本来瞬時電力が小さい場合には動作せず直流電流も流れないはずの副増幅部5が、出力側からの流入電力によって強制的に動作して電流が流れてしまうことが発生する。
【0125】
そこで、アイソレータ36を副増幅部5と90度ハイブリッド15との間に設けることによって、増幅部14A,14Bの特性が完全に同一でない場合にも、副増幅部5の出力側へ電力が流入することを防ぎ、高周波増幅器の安定化、高効率化に寄与することができるという効果が得られる。
【0126】
実施の形態13.
図18はこの発明の実施の形態13による高周波増幅器の構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0127】
図18において、37はベースバンド信号が入力される入力端子、38は入力端子37からのベースバンド信号を処理・分配するベースバンド処理回路(ベースバンド処理手段)、39はベースバンド処理回路38からの2つのベースバンド信号を高周波信号に周波数変換する周波数変換回路(第1の周波数変換手段)である。
【0128】
周波数変換回路39において、40A,40Bは周波数変換用ミクサ、41はローカル発振部である。ローカル発振部41が出力するローカル信号とベースバンド処理回路38が出力するベースバンド信号とを周波数変換用ミクサ40A,40Bがそれぞれミキシングして、主増幅部4,副増幅部5にそれぞれ出力する。
【0129】
実施の形態1〜12では、入力端子1に入力される信号は高周波信号であり、その高周波信号を分配部3で分配して、主増幅部4と副増幅部5に入力する構成としていたが、この実施の形態13では、通信機のベースバンド処理部38において低周波のベースバンド信号を2経路に分配する構成である。すなわち、主増幅部4が含まれる経路と副増幅部5が含まれる経路をベースバンド処理部38で分配する構成である。
【0130】
入力端子37に入力されたベースバンド信号は、ベースバンド処理部38によって2つに分配された後、周波数変換回路39によって高周波信号に周波数変換される。これら2つの高周波信号は、実施の形態1と同様に、主増幅部4および副増幅部5によってそれぞれ増幅され、サーキュレータ6を経由して出力端子2に出力される。
【0131】
ベースバンド処理部38によってベースバンド信号を2つのベースバンド信号に処理・分配してから、周波数変換回路39によって2つの高周波信号に変換するようにしているので、実施の形態3〜6で示した可変減衰部16、可変移相部17、遅延回路18、周波数イコライザ、AM−AM/PM調整部19などの処理をベースバンド処理部38に適用して、設計の容易な低い周波数帯域で上記の各処理を実現することが可能となる。したがって、これらの回路構成の自由度が増し、調整の容易な回路、精度の高い回路を構成することが可能となる。
【0132】
例えば図19はベースバンド処理回路38としてのAM−AM/PM調整部の構成を示す図である。図18と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0133】
図19において、42は入力端子37からのベースバンド信号を分配する分配部(第4の分配手段)、43は分配部42によって分配された高周波信号のレベルを検出するレベル検出部(第2の振幅検出手段)である。44は制御部(制御手段)、45はROM,46は高周波信号のレベル・位相を調整するレベル位相変換部(第4の振幅位相調整手段)である。制御部44はレベル検出部43が検出したレベル値を受けるとROM45にあらかじめ記憶されたデータを参照して、レベル位相変換部46を制御する。また、47A,47Bは分配部42,レベル位相変換部46からのデジタル信号をアナログ信号にそれぞれ変換するD/A変換部である。
【0134】
入力端子37に入力されたベースバンド信号は分配部42によって2つに分配され、分配された一方のベースバンド信号はD/A変換部47Aによってアナログのベースバンド信号に変換される。
また、分配された他方のベースバンド信号のレベルをレベル検出部43が検出し、検出されたレベル値と予めROM45に記憶したデータとを参照して、レベル/位相変換部46を制御部44が制御してベースバンド信号のレベルや位相を調整する。レベルや位相が調整されたベースバンド信号は、D/A変換部47Bによってアナログのベースバンド信号に変換される。
D/A変換部47A,47Bがそれぞれ出力したベースバンド信号は、図18に示した周波数変換部39によって高周波信号にそれぞれ変換される。
【0135】
このように、ベースバンドのディジタル信号処理でこれらの処理を行なうので、高周波信号を処理する場合と比較すると、調整の自由度も大きく、より精度の高い処理が可能となり、結果として高周波増幅器の効率向上に寄与することができるという効果が得られる。
【0136】
また、図20は副増幅部5が出力する高周波信号の一部をベースバンド信号に変換してベースバンド処理回路38にフィードバックを行なう例を示す図である。図19と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0137】
図19において、48はデータの書き換えが可能なRAM,49はアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、50はローカル発振部41からのローカル信号と高周波信号とをミキシングするミクサ(第2の周波数変換手段)、51は副増幅器5が増幅した高周波信号をサーキュレータ6とミクサ50とに分配する分配部(第5の分配手段)である。
【0138】
ベースバンド信号の入力端子37から入力された信号は分配部42で分配される。副増幅部5側の経路に分配されたベースバンド信号はレベル検出部43でその瞬時レベルが検出され、検出された瞬時レベルとRAM48に貯えられたデータとを参照して制御回路44がレベル・位相変換部46を制御し、所望のAM−AM/PM特性を実現する。
【0139】
また副増幅部5の出力の一部は分配部51で取り出されて、ミクサ50で周波数変換された後、A/D変換部49でベースバンド信号に変換され制御回路44に入力される。制御回路44はRAM48に貯えられた所望のAM−AM/PM特性とA/D変換部49の出力とを比較することによって、レベル・位相変換部46の制御を調整することができる。この際にRAM48のデータを最適なデータに書き換える。
【0140】
このように、副増幅部5が出力した高周波信号の一部を分配部51によって取りだし、取り出された高周波信号をミクサ50,A/D変換器49によってベースバンド信号に変換して、このベースバンド信号をもとに、参照するRAM48のデータを制御回路44が最適値に更新するようにしているので、温度変化などによって副増幅部5の特性が変化しても最適な制御を常に行うことができ、高効率な高周波増幅器が実現できるという効果が得られる。また、RAM48のデータを遠隔地に送信あるいは遠隔地から受信することにより遠隔地からの高周波増幅器のモニタや制御も可能となるという効果が得られる。
【0141】
なお、実施の形態6と同様に、制御回路44が副増幅部5のバイアス条件を調整するようにしてもよく、第4の振幅位相調整手段として副増幅部5を利用することができる。
【0142】
また、図18では、ベースバンド処理回路38において主増幅部4,副増幅部5の経路を分けた構成を示したが、周波数変換回路39以降を分配する構成でも良い。
【0143】
実施の形態14.
実施の形態1〜13で示した高周波増幅器をフィードフォワード増幅器に用いる場合について説明する。
図21はこの発明の実施の形態14によるフィードフォワード増幅器の構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0144】
図21において、52はフィードフォワード増幅器の入力端子、53は入力端子52に入力された高周波信号を分配する分配部、54は分配部53が分配した一方の高周波信号を増幅するフィードフォワード増幅器の主増幅部であり、実施の形態1の高周波増幅器の構成である。55は分配部53が分配した他方の高周波信号に遅延時間を与える遅延回路、56は主増幅部54からの高周波信号と遅延回路55からの高周波信号を合成して2つに分配する合成分配部である。57はフィードフォワード増幅器の歪み抽出ループであり、分配部53,主増幅部54,遅延回路55,合成分配部56から構成されている。
【0145】
58は合成分配部56が分配した一方の高周波信号に遅延時間を与える遅延回路、59は合成分配部56が分配した他方の高周波信号を増幅する補助増幅部、60は遅延回路58の出力と補助増幅部59の出力とを合成する合成部、61は合成部60が合成した高周波信号を出力するフィードフォワード増幅器の出力端子である。62はフィードフォワード増幅器の歪みキャンセルループであり、遅延回路58,補助増幅部59,合成部60から構成されている。
【0146】
合成分配部56の出力の一方は、歪み抽出ループ57で抽出された歪み成分が出力され、補助増幅部59で増幅された後、合成部60に入力される。合成分配部56の出力の他方は遅延回路58を通過した後、補助増幅部59の出力信号と合成部60で合成される。この際に遅延回路58を通過した歪み成分と補助増幅部59で増幅された歪み成分が同振幅・逆位相となるようにすることで、主増幅部54の歪み補償を行なう。
【0147】
フィードフォワード増幅器は、移動体通信基地局用増幅器など、ピーク電力比の大きな信号を低歪みで増幅する必要のある場合に用いられる。そのためフィードフォワード増幅器に設けた主増幅部54は例えばバックオフの10dB以上の動作状態で用いられることが多い。実施の形態1の高周波増幅器を主増幅部54に用いることで、高効率でかつ低歪みなフィードフォワード増幅器を構成することが実現できる。
【0148】
一般に歪み補償は、増幅器の歪みを低減するために有効であるが、増幅器の飽和電力の値を向上させることはできない。そのため、従来の技術において述べたような変調波の包絡線のピークが、増幅器の飽和によって切り取られることで発生する歪みを補償することは不可能であった。
【0149】
一方、この発明の実施の形態1による高周波増幅器では、バックオフが大きな状態でも効率が高い高周波増幅器を構成することが可能であり、これは別な観点では効率を低下させることなく、飽和電力を向上させた高周波増幅器を実現することが可能である。したがって、実施の形態1の高周波増幅器をフィードフォワード増幅器の主増幅部54として用いることは非常に有効である。これによって、高効率で、より一層低歪みなフィードフォワード増幅器を構成することができるという効果が得られる。
【0150】
図21ではフィードフォワード増幅器の主増幅部54として実施の形態1の高周波増幅器を用いたが、これに限定されるものではなく、実施の形態2〜13の高周波増幅器を用いるようにしても良い。
【0151】
実施の形態15.
図22はこの発明の実施の形態15による歪み補償増幅器の構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
【0152】
図22において、63は歪み補償増幅器の入力端子、64はプレディストーションリニアライザ(ディストーションリニアライザ)、65は実施の形態1の高周波増幅器で構成される増幅部、66は歪み補償増幅器の出力端子である。
【0153】
入力端子63と増幅部65との間に設けられたプレディストーションリニアライザ64は、増幅部65の歪み特性と逆の非線形性を有するリニアライザである。
入力端子63から入力された高周波信号はプレディストーションリニアライザ64によって逆の非線形性が与えられてから、増幅部65によって歪み特性が与えられて出力端子66から出力される。プレディストーションリニアライザ64の非線形性と増幅部65の歪み特性とは互いに相殺されるようになっているので、出力端子66には線形な高周波信号が得られる。
【0154】
実施の形態14と同様な理由で、実施の形態1〜13の高周波増幅器と、プレディストーションリニアライザ64を組み合わせることで、高効率で、低歪みな歪み補償増幅器が実現できる。
【0155】
プレディストーションリニアライザ64の代わりに、増幅部65の歪み特性と逆の非線形性を有するポストディストーションリニアライザ(ディストーションリニアライザ)を増幅部65と出力端子66との間に設けるようにしても良い。
【0156】
実施の形態16.
この実施の形態16では、この発明による高周波増幅器の動作・効果を確認するために行った測定とその結果について説明する。
【0157】
図23はこの発明の実施の形態16による高周波増幅器の構成を示す図である。図23の高周波増幅器は、特に実施の形態1を想定して、この発明の動作・効果を示すために試作したものである。
【0158】
図23において、1exは高周波信号が入力される入力端子、71exは入力電力測定のために入力端子1へ入力された高周波信号の電力の一部を取り出すカップラ、72exはカップラ71exによって取り出された高周波信号の電力を測定する電力計、3exは入力端子1exからの高周波信号を2つに分配する分配部で、実施の形態1で示した分配部3に相当する。
【0159】
4exは主増幅部であり、実施の形態1で示した主増幅部4(図1,2)に相当する。主増幅部4exにおいて、73exは主増幅部4exのドライバ段を構成するドライバ増幅器、7exは最終段FETの入力整合回路、8exは主増幅部4exの最終段を構成するFET、9exは出力整合回路である。
出力整合回路9exは手動の可変のチューナーで構成されていて、測定のためにFET8exに対する負荷インピーダンスを手動で変更できる。
【0160】
5exは副増幅部であり、実施の形態1で示した副増幅部5(図1,2)に相当する。副増幅部5exにおいて、74exは副増幅部5exのドライバ段を構成するドライバ増幅器、10exは最終段FETの入力整合回路、11exは副増幅部5exの最終段を構成するFET、12exは出力整合回路である。
【0161】
6exは副増幅部5exの出力を主増幅部4exの出力側に注入するサーキュレータであり、実施の形態1で示したサーキュレータ6(図1,2)に相当する。
また、16ex,17exはそれぞれ分配部3exと副増幅部4exとの間に設けられた可変減衰部、可変移相部であり、実施の形態4(図5)で示した可変減衰部16,可変位相部17にそれぞれ相当し、副増幅部5ex経路側の振幅、位相をそれぞれ調整するものである。75exは電力計であり、サーキュレータ6exから出力された高周波信号の電力を測定する。
【0162】
主増幅部4exの最終段のFET8exは三菱電機製MGFS36V,副増幅部5exの最終段のFET11exは三菱電機製MGFS32Vであり、いずれもマイクロ波帯用の一般的なGaAsFETである。
【0163】
また、主増幅部4ex,副増幅部5exのドライバ増幅器73ex,74exは、三菱電機製GaAsMMIC3段増幅器MGF7122Aを用いている。このMMICもマイクロ波帯増幅器用の一般的なMMICである。
【0164】
さらに、手動の可変のチューナーである出力整合回路9ex,サーキュレータ6exは、一般にマイクロ波回路用として市販されているものであり、MAURYマイクロウェイブ社あるいはTRAKマイクロウエイブ社などから入手できる。
【0165】
主増幅部4exの最終段のFET8exはAB級(無信号時の電流280mA)にバイアスされている。一方、副増幅部5exの最終段のFET11exはC級(無信号時の電流0mA)にバイアスされている。以下の測定は周波数1.9GHzにおいて行われた。
【0166】
まず始めに、副増幅部5exを動作させずに、主増幅部4exのみを動作させて図23の高周波増幅器の飽和電力および効率の測定を行なった。つまり、従来の技術による高周波増幅器の課題を確認するための測定であり、主増幅部4exの出力整合回路9exを、飽和電力が大きくなる負荷インピーダンス条件A(以下、単に負荷条件Aという)に固定した場合と、小信号時に効率が良好になる負荷インピーダンス条件B(以下、単に負荷条件Bという)に固定した場合に関してそれぞれ測定を行なった。
【0167】
図24はこの測定結果である。横軸に出力電力をdBm単位で取り、その時の利得(左側縦軸、出力電力−入力電力、dB単位)ならびに効率(右側縦軸、%単位)をグラフ化したものである。
【0168】
図24から分かるように、飽和電力が大きい負荷条件Aでは、飽和電力(図24で利得が急激に低下している出力電力で表わされる)は37.2dBmが得られている。この負荷条件Aでは、小出力電力時、例えば出力電力30dBm(バックオフ7.2dB)のときの効率は25%である。
【0169】
一方、小信号時に効率が良い負荷条件Bでは、出力電力30dBm時には効率が32%となっているが、飽和電力は35.5dBmに低下している。すなわち、飽和電力が大きな負荷条件Aにすると小電力時に効率が低下し、小電力時に効率が良好な負荷条件Bにすると飽和電力が不足するという従来の技術の課題を示す結果が得られている。
【0170】
次に、出力整合回路9exの負荷インピーダンス条件を小電力時に効率が良好な負荷条件Bに固定し、C級にバイアスされた副増幅部5exを動作させて測定を行なった。この場合こそが発明の高周波増幅器に相当する。このときの測定の結果を図25に示す。図24と同様に、横軸は出力電力であり、利得(左側縦軸)と効率(右側縦軸)をグラフにしている。副増幅部5exを動作させない場合の従来の特性も併記した。
【0171】
出力電力30dBm以下では、副増幅部5exはオフ状態であり出力電力を発生していない。そのため副増幅部5exを動作させていない従来の場合と、副増幅部5exを動作させている発明の場合とは、同様の特性を示している。
そして、出力電力が30dBmを越えるあたりから、実施の形態1で説明したように、副増幅部5exがオン状態になり出力に電力が現われて、サーキュレータ6exを経由して主増幅部4exの出力側に注入されている。この注入電力によって、見かけのインピーダンスが変化し飽和電力が増加している。
【0172】
このときの飽和電力は37.5dBmであり、図24に示した飽和電力が最大になる負荷条件Aの場合と、ほぼ同等な飽和電力が得られている。なお、図25の効率は、副増幅部5exの消費電力も含んだ値である。
【0173】
これにより、飽和電力を大きくする負荷条件(図24のA)と同等な飽和電力37.5dBmを実現して、かつバックオフ動作時、例えば出力電力30dBm動作において、効率を25%から32%に向上できるという効果が確認された。
【0174】
以上の測定により、C級にバイアスされた副増幅部5exと出力側のサーキュレータ6exを用いたこの発明の構成によって、飽和電力を大きくしつつ、小電力時すなわちバックオフ動作時の効率を向上できるというこの発明の優れた効果が明確になった。
【0175】
以上、この発明の目的として、ピーク電力比の大きな変調波を高効率で増幅する、すなわちバックオフが大きな状態でも高効率な高周波増幅器を構成することを目的として述べた。しかし、この発明の高周波増幅器の構成による負荷インピーダンスの切り替え時間は十分に高速であるから、従来(整合回路に設けたスイッチを切り替える手法)の主たる目的、すなわち高周波増幅器の高出力モードと低出力モードを切り替えて、いずれの場合でも高効率動作を実現するという目的にも適応できることは言うまでもない。
【0176】
従来では高周波増幅器の出力回路に用いることのできるほど十分な耐電力特性を有し、損失の少ないスイッチや可変素子を構成することが難しく、結果として効率の改善効果が小さいという問題点があるが、この発明で用いているサーキュレータや90度ハイブリッドは一般に十分な耐電力特性を有し、しかも損失も少ないため、結果として安定に動作し効率の良好な高周波増幅器を構成することが可能である。
【0177】
【発明の効果】
以上のように、入力端子から入力された高周波信号を分配する第1の分配手段と、高周波信号の瞬時電力が小さい場合に効率整合するように形成され、第1の分配手段が分配した一方の高周波信号を常に増幅する主増幅手段と、高周波信号の瞬時電力が大きい場合にのみ、第1の分配手段が分配した他方の高周波信号を増幅する副増幅手段と、副増幅手段を通過する高周波信号の振幅および位相を調整する第1の振幅位相調整手段と、副増幅手段が増幅した高周波信号を主増幅手段の出力側へ注入するとともに、主増幅手段が増幅した高周波信号を出力端子から出力するサーキュレータとを備えるようにしたので、変調された高周波信号の包絡線変化に追従して出力負荷インピーダンスを変化させることができるようになり、高周波信号の瞬時電力が小さい場合には高効率の増幅器として動作し、高周波信号の瞬時電力が大きい場合には飽和電力の大きい増幅器として動作する高周波増幅器を構成することができるという効果が得られる。
【0178】
この発明によれば、入力端子から入力された高周波信号を分配する第1の分配手段と、第1の分配手段が分配した一方の高周波信号を90度の位相差を付けて分配する第2の分配手段と、高周波信号の瞬時電力が小さい場合に効率整合するように形成され、第2の分配手段が分配した高周波信号を常にそれぞれ増幅する第1の主増幅手段および第2の主増幅手段と、高周波信号の瞬時電力が大きい場合にのみ、第1の分配手段が分配した他方の高周波信号を増幅する副増幅手段と、副増幅手段を通過する高周波信号の振幅および位相を調整する第1の振幅位相調整手段と、副増幅手段が増幅した高周波信号を第1の主増幅手段の出力側および第2の主増幅手段の出力側へそれぞれ注入するとともに、第1の主増幅手段および第2の主増幅手段がそれぞれ増幅した高周波信号を合成して出力端子から出力する第1の90度ハイブリッドとを備えるようにしたので、高周波信号に対する損失が軽減されて高周波増幅器の効率を向上することができるとともに、コストを低減することができるという効果が得られる。
【0179】
この発明によれば、主増幅手段を通過する高周波信号または副増幅手段を通過する高周波信号に遅延時間を与える遅延手段を備えるようにしたので、主増幅手段側の経路が高周波信号に与える遅延時間と副増幅手段側の経路が高周波信号に与える遅延時間とを一致させられるようになり、副増幅手段から主増幅手段への高周波信号の注入の効果を広帯域にわたって実現できるという効果が得られる。
【0180】
この発明によれば、主増幅手段を通過する高周波信号または副増幅手段を通過する高周波信号の周波数特性を変化させる周波数イコライザを備えるようにしたので、主増幅手段側の経路が高周波信号に与える周波数特性と副増幅手段側の経路が高周波信号に与える周波数特性とを一致させられるようになり、副増幅手段から主増幅手段への高周波信号の注入の効果を広帯域にわたって実現できるという効果が得られる。
【0181】
この発明によれば、副増幅手段へ入力する高周波信号の瞬時電力変化に対して、副増幅器から出力する高周波信号の瞬時電力変化および通過位相特性を調整するAM−AM/PM調整手段を第1の振幅位相調整手段が備えるようにしたので、副増幅手段が動作する電力レベルや入力電力に対する出力電力などを最適化することができるようになり、主増幅手段へ注入される信号が最適化されて、高周波増幅器全体の効率を改善できるという効果が得られる。
【0182】
この発明によれば、AM−AM/PM調整手段入力端子とAM−AM/PM調整手段出力端子との間に直列接続される2つのコンデンサと、2つのコンデンサの間とグランドとを接続するダイオードと、2つのコンデンサの間に対してバイアス用抵抗を介して接続される直流バイアス電源とをAM−AM/PM調整手段が備えるようにしたので、副増幅手段が動作する電力レベルや入力電力に対する出力電力などを最適化することができるようになり、主増幅手段へ注入される信号が最適化されて、高周波増幅器全体の効率を改善できるという効果が得られる。
【0183】
この発明によれば、高周波信号の一部を分配する第3の分配手段と、第3の分配手段が分配した高周波信号の振幅を検出する第1の振幅検出手段と、第3の分配手段を通過した高周波信号の振幅および位相を調整する第2の振幅位相調整手段と、第1の振幅検出手段が検出した高周波信号の振幅を参照して、第2の振幅位相調整手段を制御する制御手段とをAM−AM/PM調整手段が備えるようにしたので、副増幅手段が動作する電力レベルや入力電力に対する出力電力の値などを最適化することができるようになり、主増幅手段へ注入される信号が最適化されて、高周波増幅器全体の効率を改善できるという効果が得られる。
【0184】
この発明によれば、副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離する分離手段と、分離手段が分離した高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、分離手段とサーキュレータとの間に設けられ、分離手段が分離した基本波成分と第3の振幅位相調整手段が調整した高調波成分とを合成する合成手段とを第1の振幅位相調整手段が備えるようにしたので、主増幅手段の高調波成分に対する負荷インピーダンスを調整することができるようになり、主増幅手段の効率をさらに向上することができるという効果が得られる。
【0185】
この発明によれば、副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離する分離手段と、分離手段が分離した高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、分離手段と第1の90度ハイブリッドとの間に設けられ、分離手段が分離した基本波成分と第3の振幅位相調整手段が調整した高調波成分とを合成する合成手段とを第1の振幅位相調整手段が備えるようにしたので、主増幅手段の高調波成分に対する負荷インピーダンスを調整することができるようになり、主増幅手段の効率をさらに向上することができるという効果が得られる。
【0186】
この発明によれば、副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離する分離手段と、分離手段が分離した高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、サーキュレータと副増幅手段との間に設けられ、分離手段が分離した基本波成分と第3の振幅位相調整手段が調整した高調波成分とを合成する合成手段とを第1の振幅位相調整手段が備えるようにしたので、サーキュレータの損失や大きさ・コストなどを低減でき、主増幅手段の高調波成分に対する負荷インピーダンスを調整することができるようになり、主増幅手段の効率をさらに向上することができるという効果が得られる。
【0187】
この発明によれば、副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離して、基本波成分を第1の90度ハイブリッドへ出力する分離手段と、分離手段が分離した高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、第3の振幅位相調整手段が調整した高調波成分を2つに分配する第2の90度ハイブリッドと、第1の90度ハイブリッドと第1の主増幅手段との間に設けられ、第2の90度ハイブリッドからの一方の高調波成分と第1の90度ハイブリッドを介した基本波成分とを合成する第1の合成手段と、第1の90度ハイブリッドと第2の主増幅手段との間に設けられ、第2の90度ハイブリッドからの他方の高調波成分と第1の90度ハイブリッドを介した基本波成分とを合成する第2の合成手段とを第1の振幅位相調整手段が備えるようにしたので、損失が低減し効率を向上することができるという効果が得られる。
【0188】
この発明によれば、サーキュレータと出力端子との間に設けられ、サーキュレータからの高周波信号を出力端子へ通過するアイソレータを備えるようにしたので、反射波による副増幅手段の特性変化を防ぐことができ、安定して高効率な高周波増幅器を構成することができるという効果が得られる。
【0189】
この発明によれば、第1の90度ハイブリッドと出力端子との間に設けられ、第1の90度ハイブリッドからの高周波信号を出力端子へ通過するアイソレータを備えるようにしたので、反射波による副増幅手段の特性変化を防ぐことができ、安定して高効率な高周波増幅器を構成することができるという効果が得られる。
【0190】
この発明によれば、副増幅手段とサーキュレータとの間に設けられ、副増幅手段が増幅した高周波信号をサーキュレータへ通過するアイソレータを備えるようにしたので、損失を軽減しながら、反射波による副増幅手段の特性変化を防ぐことができ、さらに安定して高効率な高周波増幅器を構成することができるという効果が得られる。
【0191】
この発明によれば、副増幅手段と第1の90度ハイブリッドとの間に設けられ、副増幅手段が増幅した高周波信号を第1の90度ハイブリッドへ通過するアイソレータを備えるようにしたので、第1の主増幅手段および第2の主増幅手段の特性が完全に同一でない場合にも、副増幅手段の出力側へ電力が流入することを防ぎ、高周波増幅器の安定化、高効率化に寄与することができるという効果が得られる。
【0192】
この発明によれば、入力端子から入力されたベースバンド信号を処理するベースバンド処理手段を第1の分配手段が備え、ベースバンド処理手段が処理したベースバンド信号を主増幅手段および副増幅手段へそれぞれ入力する高周波信号に周波数変換する第1の周波数変換手段を備えるようにしたので、設計の容易な低い周波数帯域で処理を実現することが可能となり、回路構成の自由度が増し、調整の容易な回路、精度の高い回路を構成することが可能となる。
【0193】
この発明によれば、入力端子から入力されたベースバンド信号を2つに分配する第4の分配手段と、第4の分配手段が分配した一方のベースバンド信号の振幅を検出する第2の振幅検出手段と、第2の振幅検出手段からのベースバンド信号の振幅および位相を調整する第4の振幅位相調整手段と、第2の振幅検出手段が検出したベースバンド信号の振幅とあらかじめ用意されたデータとを参照して、第4の振幅位相調整手段を制御する制御手段とをベースバンド処理手段が備えるようにしたので、調整の自由度も大きく、より精度の高い処理が可能となり、高周波増幅器の効率向上に寄与することができるという効果が得られる。
【0194】
この発明によれば、副増幅手段が出力した高周波信号を分配する第5の分配手段と、第5の分配手段が分配した高周波信号をベースバンド信号に周波数変換する第2の周波数変換手段とを備え、制御手段は、第2の周波数変換手段が周波数変換したベースバンド信号を参照して、あらかじめ用意されたデータを更新するようにしたので、副増幅手段の特性が変化しても最適な制御を常に行うことができ、高効率な高周波増幅器が実現できるという効果が得られ、制御手段のデータを遠隔地に送信あるいは遠隔地から受信することにより遠隔地からの高周波増幅器のモニタや制御も可能となるという効果が得られる。
【0195】
この発明によれば、請求項1から請求項18のうちのいずれか1項記載の高周波増幅器を歪み抽出ループに備えるようにしたので、高効率で、より一層低歪みなフィードフォワード増幅器を構成することができるという効果が得られる。
【0196】
この発明によれば、請求項1から請求項18のうちのいずれか1項記載の高周波増幅器と、高周波増幅器が高周波信号に与える歪み特性を補償するディストーションリニアライザを備えるようにしたので、高効率で、低歪みな歪み補償増幅器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図2】 主増幅部および副増幅部の構成の一例を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態5による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態6による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図9】 AM−AM/PM調整部の構成例を示す図である。
【図10】 AM−AM/PM調整部を備えた高周波増幅器の構成を示す図である。
【図11】 AM−AM/PM調整部を備えた高周波増幅器の構成を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態7による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態8による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態9による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態10による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態11による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態12による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態13による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図19】 ベースバンド処理回路としてのAM−AM/PM調整部の構成を示す図である。
【図20】 副増幅部が出力する高周波信号の一部をベースバンド信号に変換してベースバンド処理回路にフィードバックを行なう例を示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態14によるフィードフォワード増幅器の構成を示す図である。
【図22】 この発明の実施の形態15による歪み補償増幅器の構成を示す図である。
【図23】 この発明の実施の形態16による高周波増幅器の構成を示す図である。
【図24】 図23の高周波増幅器において副増幅部を動作させない場合の測定結果を示す図である。
【図25】 図23の高周波増幅器において副増幅部を動作させた場合の測定結果と副増幅部を動作させない場合の測定結果とを比較する図である。
【図26】 包絡線が変動する高周波信号の時間波形の一例を示す図ある。
【図27】 高周波増幅器の増幅素子から見た負荷インピーダンスに対する飽和電力および効率の変化をスミスチャート上で模式的に示す図である。
【図28】 特開平9−284061号公報に開示された従来の高周波増幅器の構成を示す図である。
【図29】 従来の高周波増幅器に用いられる出力整合回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子、2 出力端子、3 分配部(第1の分配手段)、4 主増幅部(主増幅手段)、5 副増幅部(副増幅手段)、6 サーキュレータ、7 入力整合回路、8 増幅素子、9 出力整合回路、10 入力整合回路、11 増幅素子、12 出力整合回路、13 90度ハイブリッド(第2の分配手段)、14A,14B 増幅部(第1の主増幅手段、第2の主増幅手段)、15 90度ハイブリッド(第1の90度ハイブリッド)、16 可変減衰部(第1の振幅位相調整手段)、17 可変移相部(第1の振幅位相調整手段)、18 遅延回路(遅延手段)、19 AM−AM/PM調整部(AM−AM/PM調整手段)、20 入力端子(AM−AM/PM調整部入力端子)、21 コンデンサ、22 直流バイアス電源、23 バイアス用抵抗、24 ダイオード、25 出力端子(AM−AM/PM調整部入力端子)、26 分配部(第3の分配手段)、27 レベル検出部(第1の振幅検出手段)、28 制御部(制御手段)、29 可変減衰部(第2の振幅位相調整手段)、30 可変移相部(第2の振幅位相調整手段)、31 ダイプレクサ(分離手段)、32 可変減衰部(第3の振幅位相調整手段)、33 可変移相部(第3の振幅位相調整手段)、34 ダイプレクサ(合成手段)、34A,34B ダイプレクサ(第1の合成手段、第2の合成手段)、35 90度ハイブリッド(第2の90度ハイブリッド)、36 アイソレータ、37 入力端子、38 ベースバンド処理回路(ベースバンド処理手段)、39 周波数変換回路(第1の周波数変換手段)、40A,40B 周波数変換用ミクサ、41 ローカル発振部、42 分配部(第4の分配手段)、43 レベル検出部(第2の振幅検出手段)、44 制御部(制御手段)、45 ROM,46 レベル位相変換部(第4の振幅位相調整手段)、47A,47B D/A変換部、48 RAM,49 A/D変換器、50 ミクサ(第2の周波数変換手段)、51 分配部(第5の分配手段)、52 入力端子、53 分配部、54 主増幅部、55 遅延回路、56 合成分配部、57 歪み抽出ループ、58 遅延回路、59 補助増幅部、60 合成部、61 出力端子、62 歪みキャンセルループ、63 入力端子、64 プレディストーションリニアライザ(ディストーションリニアライザ)、65 増幅部、66 出力端子、1ex 入力端子、3ex 分配部、4ex 主増幅部、5ex 副増幅部、6ex サーキュレータ、7ex 入力整合回路、8ex FET、9ex 出力整合回路、10ex 入力整合回路、11ex FET、12ex 出力整合回路、16ex 可変減衰部、17ex 可変移相部、71ex カップラ、72ex 電力計、73ex ドライバ増幅器、74ex ドライバ増幅器、75ex 電力計、1ex 入力端子、3ex 分配部、4ex 主増幅部、5ex 副増幅部、6ex サーキュレータ、7ex 入力整合回路、8ex FET、9ex 出力整合回路、10ex 入力整合回路、11ex FET、12ex 出力整合回路、16ex 可変減衰部、17ex 可変移相部、71ex カップラ、72ex 電力計、73ex ドライバ増幅器、74ex ドライバ増幅器、75ex 電力計。
Claims (20)
- 入力端子から入力された高周波信号を分配する第1の分配手段と、
上記高周波信号の瞬時電力が小さい場合に効率整合するように形成され、上記第1の分配手段が分配した一方の上記高周波信号を常に増幅する主増幅手段と、
上記高周波信号の瞬時電力が大きい場合にのみ、上記第1の分配手段が分配した他方の上記高周波信号を増幅する副増幅手段と、
上記副増幅手段を通過する高周波信号の振幅および位相を調整する第1の振幅位相調整手段と、
上記副増幅手段が増幅した上記高周波信号を上記主増幅手段の出力側へ注入するとともに、上記主増幅手段が増幅した上記高周波信号を出力端子から出力するサーキュレータとを備えることを特徴とする高周波増幅器。 - 入力端子から入力された高周波信号を分配する第1の分配手段と、
上記第1の分配手段が分配した一方の上記高周波信号を90度の位相差を付けて分配する第2の分配手段と、
上記高周波信号の瞬時電力が小さい場合に効率整合するように形成され、上記第2の分配手段が分配した上記高周波信号を常にそれぞれ増幅する第1の主増幅手段および第2の主増幅手段と、
上記高周波信号の瞬時電力が大きい場合にのみ、上記第1の分配手段が分配した他方の上記高周波信号を増幅する副増幅手段と、
上記副増幅手段を通過する高周波信号の振幅および位相を調整する第1の振幅位相調整手段と、
上記副増幅手段が増幅した上記高周波信号を上記第1の主増幅手段の出力側および上記第2の主増幅手段の出力側へそれぞれ注入するとともに、上記第1の主増幅手段および上記第2の主増幅手段がそれぞれ増幅した上記高周波信号を合成して出力端子から出力する第1の90度ハイブリッドとを備えることを特徴とする高周波増幅器。 - 主増幅手段を通過する高周波信号または副増幅手段を通過する高周波信号に遅延時間を与える遅延手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の高周波増幅器。
- 主増幅手段を通過する高周波信号または副増幅手段を通過する高周波信号の周波数特性を変化させる周波数イコライザを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の高周波増幅器。
- 第1の振幅位相調整手段は、
副増幅手段へ入力する高周波信号の瞬時電力変化に対して、上記副増幅手段から出力する上記高周波信号の瞬時電力変化および通過位相特性を調整するAM−AM/PM調整手段であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の高周波増幅器。 - AM−AM/PM調整手段は、
AM−AM/PM調整手段入力端子とAM−AM/PM調整手段出力端子との間に直列接続される2つのコンデンサと、
上記2つのコンデンサの間とグランドとを接続するダイオードと、
上記2つのコンデンサの間に対してバイアス用抵抗を介して接続される直流バイアス電源とを備えることを特徴とする請求項5記載の高周波増幅器。 - AM−AM/PM調整手段は、
高周波信号の一部を分配する第3の分配手段と、
上記第3の分配手段が分配した上記高周波信号の振幅を検出する第1の振幅検出手段と、
上記第3の分配手段を通過した上記高周波信号の振幅および位相を調整する第2の振幅位相調整手段と、
上記第1の振幅検出手段が検出した上記高周波信号の振幅を参照して、上記第2の振幅位相調整手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする請求項5記載の高周波増幅器。 - 第1の振幅位相調整手段は、
副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離する分離手段と、
上記分離手段が分離した上記高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、
上記分離手段とサーキュレータとの間に設けられ、上記分離手段が分離した上記基本波成分と上記第3の振幅位相調整手段が調整した上記高調波成分とを合成する合成手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器。 - 第1の振幅位相調整手段は、
副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離する分離手段と、
上記分離手段が分離した上記高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、
上記分離手段と第1の90度ハイブリッドとの間に設けられ、上記分離手段が分離した上記基本波成分と上記第3の振幅位相調整手段が調整した上記高調波成分とを合成する合成手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の高周波増幅器。 - 第1の振幅位相調整手段は、
副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離する分離手段と、
上記分離手段が分離した上記高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、
サーキュレータと主増幅手段との間に設けられ、上記分離手段が分離した上記基本波成分と上記第3の振幅位相調整手段が調整した上記高調波成分とを合成する合成手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器。 - 第1の振幅位相調整手段は、
副増幅手段が増幅した高周波信号の基本波成分と高調波成分とを分離して、上記基本波成分を第1の90度ハイブリッドへ出力する分離手段と、
上記分離手段が分離した上記高調波成分の振幅および位相を調整する第3の振幅位相調整手段と、
上記第3の振幅位相調整手段が調整した上記高調波成分を2つに分配する第2の90度ハイブリッドと、
上記第1の90度ハイブリッドと第1の主増幅手段との間に設けられ、上記第2の90度ハイブリッドからの一方の上記高調波成分と上記第1の90度ハイブリッドを介した上記基本波成分とを合成する第1の合成手段と、
上記第1の90度ハイブリッドと第2の主増幅手段との間に設けられ、上記第2の90度ハイブリッドからの他方の上記高調波成分と上記第1の90度ハイブリッドを介した上記基本波成分とを合成する第2の合成手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の高周波増幅器。 - サーキュレータと出力端子との間に設けられ、上記サーキュレータからの高周波信号を上記出力端子へ通過するアイソレータを備えることを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器。
- 第1の90度ハイブリッドと上記出力端子との間に設けられ、上記第1の90度ハイブリッドからの高周波信号を上記出力端子へ通過するアイソレータを備えることを特徴とする請求項2記載の高周波増幅器。
- 副増幅手段とサーキュレータとの間に設けられ、上記副増幅手段が増幅した高周波信号を上記サーキュレータへ通過するアイソレータを備えることを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器。
- 副増幅手段と第1の90度ハイブリッドとの間に設けられ、上記副増幅手段が増幅した高周波信号を上記第1の90度ハイブリッドへ通過するアイソレータを備えることを特徴とする請求項2記載の高周波増幅器。
- 第1の分配手段は、
入力端子から入力されたベースバンド信号を処理するベースバンド処理手段を備え、
上記ベースバンド処理手段が処理した上記ベースバンド信号を主増幅手段および副増幅手段へそれぞれ入力する高周波信号に周波数変換する第1の周波数変換手段を備えることを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器。 - ベースバンド処理手段は、
入力端子から入力されたベースバンド信号を2つに分配する第4の分配手段と、
上記第4の分配手段が分配した一方の上記ベースバンド信号の振幅を検出する第2の振幅検出手段と、
上記第2の振幅検出手段からの上記ベースバンド信号の振幅および位相を調整する第4の振幅位相調整手段と、
上記第2の振幅検出手段が検出した上記ベースバンド信号の振幅とあらかじめ用意されたデータとを参照して、上記第4の振幅位相調整手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする請求項16記載の高周波増幅器。 - 副増幅手段が出力した高周波信号を分配する第5の分配手段と、
上記第5の分配手段が分配した上記高周波信号をベースバンド信号に周波数変換する第2の周波数変換手段とを備え、
制御手段は、上記第2の周波数変換手段が周波数変換した上記ベースバンド信号を参照して、あらかじめ用意されたデータを更新することを特徴とする請求項17記載の高周波増幅器。 - 入力端子から入力された高周波信号の歪みを抽出する歪み抽出ループと、上記歪み抽出ループが抽出した歪みを用いて高周波信号の歪みを保証する歪みキャンセルループとを備えたフィードフォワード増幅器において、
請求項1から請求項18のうちのいずれか1項記載の高周波増幅器を歪み抽出ループに備えることを特徴とするフィードフォワード増幅器。 - 請求項1から請求項18のうちのいずれか1項記載の高周波増幅器と、上記高周波増幅器が高周波信号に与える歪み特性を補償するディストーションリニアライザを備えることを特徴とする歪み補償増幅器。
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