JP2007329830A - 電力増幅装置及び通信装置並びに電力増幅器の調整方法 - Google Patents

電力増幅装置及び通信装置並びに電力増幅器の調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】負荷変動を抑制し、低歪み特性が実現でき、低消費電力であり、低損失で小型の通信装置を提供すること。
【解決手段】バイアス電圧の印加に応じて誘電率が変化する誘電体層を用いた可変容量コンデンサを整合回路22に用いた、高周波信号を増幅する電力増幅器と、前記電力増幅器の利得を検出する利得検出手段と、前記電力増幅器の消費電流を検出する消費電流検出手段と、前記電力増幅器の出力側の負荷状態を変化させたときの、初期バイアス電圧及び各負荷状態における前記電力増幅器の利得,消費電流及び前記高周波信号の歪みに対する最適なバイアス電圧の値と、を予め記憶したメモリ24と、前記利得検出手段により検出した利得と、前記消費電流検出手段により検出した消費電流とから、前記メモリに基づき決定される最適なバイアス電圧の値を前記可変容量コンデンサに印加するバイアス電圧制御手段と、を含む通信装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力増幅装置及び移動体通信端末等に用いられる通信装置並びに電力増幅器の調整方法に関し、詳しくはバイアス電圧の印加により誘電体層の誘電率が変化することにより容量を変化させることのできる可変容量コンデンサを整合回路に用いた電力増幅装置及び通信装置並びに電力増幅器の調整方法に関するものである。
一般に移動体通信端末やそれに用いられる高周波デバイスは、負荷(インピーダンス)を50Ωとして最適化されている。しかしながら、実際の使用環境においては、移動体通信端末を保持する人体の影響を受けて移動体通信端末における電磁界が乱れ、負荷が変動する。この負荷変動により、移動体通信端末のアンテナと送受信経路との間にインピーダンス不整合が発生し、通信品質が劣化するという問題があった。特に、送信回路に設けられる電力増幅器は負荷変動の影響を大きく受け、電力増幅器の歪み特性や消費電流等の特性が劣化する。例えば、歪み特性の指標の1つである、ACPR(Adjacent Channel leakage Power Ratio:隣接チャネル漏洩電力比)が劣化する結果、感度が劣化し通信に支障を来すという問題点が発生する。また、消費電流が増加することにより、バッテリーの消費が早くなり、通話時間が短くなるという問題点が発生する。つまり、負荷変動により、通信品質が劣化するという問題点が生じる。
そこで、このような負荷変動を補償する回路を設けた移動体通信端末が提案されている。
図8は、従来の移動体通信に用いられる通信機の送信回路の要部を示すブロック図である。この送信回路は、中間周波信号(IF信号)を高周波信号(RF信号)に変換するミキサ18と、RF信号を増幅するドライバアンプ17と、電力増幅器(電力増幅回路)15と、電力増幅器15の消費電流(動作電流,Icc)を検出する電流検出器21と、可変容量ダイオードを使用した可変負荷19と、電流検出器21の検出レベルに基づいて可変負荷19の負荷切換を制御する制御回路20と、アンテナ分波器12と、アンテナ11とを有する。
この送信回路は、電流検出器21により電力増幅器15の出力側で電力増幅器15の消費電流を検出し、負荷変動の方向及びレベルを推定して、制御回路20により負荷変動を補償するように可変負荷19を切換制御している。
なお、負荷変動は利得により推定することもでき、電流検出器21に代えて利得検出器を設けた構成や両者を併用した構成も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
なお、通常の電力増幅器には、負荷を50Ωで最適化するために、電力を増幅するためのトランジスタ等の入出力側にそれぞれ整合回路を設けている。
特開2000−295055号公報
特許文献1に提案されたような通信機においては、電力増幅器15の出力側での負荷変動は、アンテナ11やアンテナ分波器12,受信回路等、通信機を構成する電子部品の影響を受けることから、実際に実装した状態で初めて確認できる。しかしながら、実装した状態では、負荷状態の絶対値を得ることはできないため、消費電流又は利得の変動傾向を検出して負荷状態を推定し、制御回路20を用いてフィードバックをかけ、可変負荷19を切換制御している。このような方法では、実際の負荷状態に即した最適な補償ができない場合があった。また、変動傾向から負荷状態を推定するので、検出・制御に時間を多く要する。その結果、負荷変動の補償にタイムラグが発生し、実際の負荷状態に応じた補償ができず充分な通話品質を得ることはできない恐れがあった。また、実装後に電力増幅器15の歪み特性を測定することは困難であることから、電力増幅器15のACPRを十分に低減することができなかった。
このように、実使用環境下で通信機における通話品質を十分に保証することができないという問題があった。
また、電力増幅器15と可変負荷19及び制御回路20が別途独立して構成されているので、これらを搭載するスペースが必要となり、通信機のサイズが大きくなる問題があった。
本発明は上述の諸問題に鑑みて案出されたものであり、その目的は、負荷変動によるインピーダンスの不整合を抑制し、通信装置の低消費電力化を図り、電力増幅器の歪み特性を改善することができる小型の電力増幅装置及びこれを用いた通信装置並びに電力増幅器の調整方法を提供することにある。
本発明の電力増幅装置は、1)バイアス電圧の印加に応じて誘電率が変化する誘電体層を具備する可変容量コンデンサを用いた可変整合回路を含む、高周波信号を増幅する電力増幅器と、前記電力増幅器の利得を検出する利得検出回路と、前記電力増幅器の消費電流を検出する消費電流検出回路と、前記電力増幅器の出力側の負荷状態を変化させたときの各負荷状態における前記バイアス電圧の値、前記電力増幅器の利得、及び前記電力増幅器の消費電流と、前記各負荷状態における前記電力増幅器の利得、消費電流及び前記高周波信号の歪みを目標値に補正するための前記バイアス電圧の補正値と、を予め記憶したメモリと、前記利得検出回路により検出した利得と前記消費電流検出回路により検出した消費電流とから、前記メモリに記憶された内容に基づき、前記負荷状態を判別し、その負荷状態における前記補正値を得て、前記可変容量コンデンサに印加する前記バイアス電圧を前記補正値に設定するバイアス電圧制御回路と、を含むものである。
また、本発明の電力増幅装置は、1)の構成において、2)前記可変容量コンデンサは、前記誘電体層と、前記誘電体層を挟持する一対の電極とから成る、複数個の可変容量素子が直列接続されており、複数個の前記可変容量素子の一対の電極のいずれか一方にそれぞれ接続された、抵抗成分又はインダクタ成分の少なくとも一方を含むバイアス供給回路を有するものである。
また、本発明の通信装置は、1)又は2)の構成の電力増幅装置を高周波信号の電力増幅に用いるものである。
さらに、本発明の電力増幅器の調整方法は、バイアス電圧の印加に応じて誘電率が変化する誘電体層を具備する可変容量コンデンサを用いた可変整合回路を含む、高周波信号を増幅する電力増幅器の調整方法であって、下記(1)〜(4)のステップを予め行ない、前記電力増幅器の利得及び消費電流の測定値と、測定時のバイアス電圧の値とから、(4)で記憶した内容に基づき前記電力増幅器の出力側の負荷状態を判別し、(2),(3)で記憶した内容に基づき判別した負荷状態におけるバイアス電圧の補正値を得て、前記可変容量コンデンサに印加する前記バイアス電圧を前記補正値に設定することで、前記電力増幅器の利得,消費電流及び前記高周波信号の歪みを目標値とするものである。
(1)前記電力増幅器の出力側の負荷状態を一定として、バイアス電圧の値を変化させ、各バイアス電圧の値を印加したときの、前記電力増幅器の利得,消費電流及び高周波信号の歪みを測定する。
(2)(1)で測定した結果から、前記電力増幅器の利得,消費電流及び高周波信号の歪みが、予め定めた条件を満たす目標値となるときのバイアス電圧の値を、(1)の負荷状態における補正値として記憶する。
(3)前記電力増幅器の出力側の負荷状態を変化させて、(1),(2)を行ない、各負荷状態における補正値を記憶する。
(4)(1),(3)で測定した結果から、各負荷状態におけるバイアス電圧の値と前記電力増幅器の利得及び消費電流との関係を記憶する。
本発明の上記1)の電力増幅装置によれば、電力増幅器の出力側の負荷状態を変化させたときの各負荷状態におけるバイアス電圧の値,電力増幅器の利得及び電力増幅器の消費電流をメモリに予め記憶させているので、電力増幅器の利得及び消費電流とバイアス電圧の値から電力増幅器の出力側の負荷状態の絶対値を知り、バイアス電圧を負荷状態に合った補正値とすることで電力増幅器の利得、消費電流及び高周波信号の歪みを確実に予め定めた目標値に設定することができる。このため、電力増幅装置としては、電力増幅装置の出力側の負荷状態が変動したとしても、電力増幅装置内で常に電力増幅器の利得、消費電流及び高周波信号の歪みが目標値となるように制御されているものとなる。その結果、電力増幅装置を配線基板等に実装しても、配線基板に実装される他の電子部品に関係なく、電力増幅装置としての利得、消費電流及び高周波信号の歪みを確実に予め定めた目標値に設定することができる。このため、本発明の電力増幅装置を用いた移動体通信端末の低消費電力化、低歪み化を実現することができ、通話品質を向上させることができる。
また、各負荷状態における電力増幅器の利得、消費電流及び高周波信号の歪みを目標値に補正するためのバイアス電圧の補正値を予め記憶したメモリと、利得検出回路により検出した利得と消費電流検出回路により検出した消費電流とから、メモリに記憶された内容に基づき、負荷状態を判別し、その負荷状態における補正値を得て、可変容量コンデンサに印加するバイアス電圧を補正値に設定するバイアス電圧制御回路とを含むことから、高周波信号における消費電流と利得の変動傾向の判断が不要となり、負荷変動に対する消費電流,利得及び歪みの目標値への制御をタイムラグなく早く、かつ、安定して行うことができる。このため、本発明の電力増幅装置を用いた移動体通信端末の低消費電力化、低歪み化を実現することができ、通話品質を向上させることができる。
また、高周波信号の歪み特性を考慮して可変容量コンデンサに印加するバイアス電圧を決定しているので、電力増幅器の歪み特性の劣化を低減でき、移動体通信端末に用いた場合に通話品質を良好に保つことができる。
さらに、通常50Ωの負荷に対して最適化するために電力増幅器に設けられる整合回路に代えて、可変整合回路を設けているので、新たに可変負荷を組み込む必要がなく、構成部品を少なくとも1つ省略することができることから、小型化することができる。
さらに、本発明の電力増幅装置によれば、可変整合回路としてバイアス電圧の印加に応じて誘電率が変化する誘電体層を用いた可変容量コンデンサを用いているので、従来の可変負荷のようなダイオードを使用する場合に比べ、高周波でも可変容量コンデンサにおける損失を少なくすることができるため、可変整合回路の損失を少なくすることができる。そのため、通信装置の消費電力を低減することができる。
本発明の上記2)の電力増幅装置によれば、1)の構成において、可変容量コンデンサは、誘電体層と、誘電体層を挟持する一対の電極とから成る、複数個の可変容量素子が直列接続されており、複数個の可変容量素子の一対の電極のいずれか一方にそれぞれ接続された、抵抗成分又はインダクタ成分の少なくとも一方を含むバイアス供給回路を有することにより、複数の可変容量素子が直流的に並列接続されているものとなり、各々の可変容量素子に所定のバイアス信号を印加することができる。これにより、バイアス信号による各々の可変容量素子の容量変化率を最大限に利用して所望のインピーダンスに整合させることができる。そのため、より広い範囲においてより細かく負荷変動に対してインピーダンス整合させることができるので、本発明の電力増幅装置を用いた移動体通信端末の低消費電力化、低歪み化を実現することができ、通話品質を向上させることができる。
また、バイアス供給回路は抵抗成分又はインダクタンス成分の少なくとも一方を含んでいることから、高周波信号がバイアス供給回路に漏れることがない。このため、可変容量コンデンサは複数の可変容量素子が高周波的に直列接続されているため、可変容量コンデンサに印加される高周波電圧が各々の可変容量素子に分圧されるので、個々の可変容量素子に印加される高周波電圧は分圧されて減少することとなり、このことから、可変容量コンデンサの高周波信号に対する容量変動を小さく抑えることができる。このため、可変整合回路の波形歪みや相互変調歪み等を抑制することができる。しかも、複数の可変容量素子が高周波的に直列接続されているため、可変容量素子の誘電体層の膜厚を厚くしたのと同じ効果が得られ、可変容量コンデンサの損失抵抗による単位体積あたりの発熱量を小さくすることができる。このため、可変整合回路の耐電力を向上することができる。
また、特許文献1に示す従来の通信機においては、可変容量ダイオードの耐電力が低く、また容量の非線形性による歪み特性が大きいため、負荷変動を補償する可変負荷を取り扱い電力の大きい部位に使用することができず、使用部位が限られてしまうという問題点、及び、高周波での損失も大きいため、高周波信号の伝搬には不向きであるという問題点があった。しかしながら、本発明の電力増幅装置によれば、上述のように耐電力が高く、波形歪みや相互変調歪みを抑制することができるので、使用箇所を選ばず汎用性の高いものとなるとともに、高周波信号の伝搬に適したものとなる。
また、可変容量コンデンサが、複数の可変容量素子の電極に接続された、抵抗成分及びインダクタ成分の少なくとも一方を含むバイアス供給回路を有していることにより、外部の配線基板に実装していた独立したバイアス供給回路が不要となり、可変整合回路の小型化が図れるとともに、可変整合回路の取扱いが容易となる。
また、本発明の通信装置によれば、上記1)又は2)いずれかの構成の電力増幅装置を高周波信号の増幅に用いることから、以上のような電力増幅装置を用いることにより、負荷変動を抑制し、低歪み特性が実現でき、低消費電力であり、低損失で小型の通信装置を提供することができる。さらに、(2)の構成の電力増幅装置を用いるときには、波形歪みや相互変調歪みが小さく、耐電力に優れ、低損失である可変整合回路を有する通信装置を提供することができる。また、独立したバイアス供給回路を不要とし、小型で取り扱いが容易な可変整合回路を用いた通信装置を提供することができる。
さらに、本発明の電力増幅器の調整方法によれば、(1)〜(4)のステップを予め行なうことから、電力増幅器の出力側の負荷状態の絶対値を知ることができる。これにより、電力増幅器を配線基板等に実装しても、電力増幅器の利得、消費電流、高周波信号の歪みを確実に目標値に設定することができる。
以下、本発明の電力増幅装置及びそれを用いた通信装置並びに電力増幅器の調整方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の電力増幅装置の実施の形態の例を示すブロック図である。
本発明の電力増幅装置は、電力増幅器23と、電力増幅器23の利得を検出する利得検出回路と、電力増幅器23の消費電流を検出する消費電流検出回路と、メモリ24と、利得検出回路により検出した利得及び消費電流検出回路により検出した消費電流Iccから、メモリ24に記録された内容に基づき決定される最適なバイアス電圧の値(補正値)を可変容量コンデンサCt1,Ct2に印加するバイアス電圧制御回路とを有している。
このような電力増幅装置によれば、電力増幅器23の出力側の負荷状態を変動させたときの、あるバイアス電圧の値のときの電力増幅器23の利得及び消費電流、高周波信号の歪み特性を予め測定しておくことにより、実際に移動体通信端末等の通信機に実装し、使用環境により負荷変動が生じても、電力増幅器23の利得及び消費電流を測定すれば、その負荷状態の絶対値を知ることができる。そして、その負荷状態における目標とする電力増幅器23の利得及び消費電流、高周波信号の歪み特性(目標値)に補正するように、バイアス電圧制御回路によりバイアス電圧を補正値に設定して印加することで、負荷変動の影響を抑制することができる。
なお、以下の図面においても同様の箇所には同一の符合を付し、重複する説明を省略する。
次に各部位について詳細に説明する。
〈電力増幅器〉
電力増幅器23は、入力整合回路と入力整合回路に接続された電力を増幅するためのトランジスタとを含むIC26と、IC26の出力側に接続された可変整合回路22とから成る。この例では、IC26は、入力側に入力側整合回路を、出力側に電力を増幅するトランジスタを配置して成り、入力側整合回路は、電力増幅器23の入力側負荷(通常50Ω)とトランジスタの入力側負荷とを整合させている。
可変整合回路22は、図1に示す例では、直列にインピーダンス素子であるインダクタLと直流制限容量コンデンサC11に挟まれた可変容量コンデンサCt2とが接続され、並列に一端が接地された可変容量コンデンサCt1が接続されている。なお、インダクタLと可変容量コンデンサCt1との間にも別途直流制限コンデンサC11を設けている。可変容量コンデンサCt1,Ct2には、バイアス電圧を印加するためのバイアス供給回路BI及びBOがそれぞれ接続されており、ぞれぞれ抵抗成分及びインダクタ成分の少なくとも一方を含む(同図では、抵抗成分RI、ROを含む)構成となっている。なお、バイアス供給回路BOは接地電位となっている。このようなバイアス供給回路により、可変容量コンデンサCt1,Ct2に個別にバイアス電圧を印加させることで個別に容量を変化させることができ、それにより可変整合回路22の入力側と出力側との間のインピーダンスを整合させることができる。
〈利得検出回路〉
利得検出回路は、電力増幅器23の入力側と出力側とに接続されており、それぞれの電力を検出し電力差を算出することで、IC26と可変整合回路22とから成る電力増幅器23の利得を検出することができる。電力の検出には、カプラーとレベル検出器とから構成されたものが一般的に用いられている。
〈消費電流検出回路〉
消費電流検出回路は、IC26に接続された電流検出器21から成る。なお、Vddは、IC26を駆動する電圧である。
〈メモリ〉
メモリ24には、以下の(1)〜(4)のステップにより、予め電力増幅器23の出力側の負荷を変動させたときの各負荷状態におけるバイアス電圧の値、電力増幅器23の利得、及び電力増幅器23の消費電流とを測定して記憶させるとともに、各負荷状態における電力増幅器23の利得、消費電流、高周波信号の歪みを目標値に補正するためのバイアス電圧の補正値を記憶させる。なお、負荷(インピーダンス)は電圧定在波比(VSWR:voltage standing wave ratio)と位相とで表すことができる。このため、負荷状態を変化させるときには、VSWRを同一として位相を変化させ、次にVSWRを変化させて、同様に位相を変化させる、という作業を繰り返す。ここで、VSWRとは、反射特性を表したもので、入射した電圧信号(入射波)と反射して戻ってくる電圧信号(反射波)とにより生じる電圧定在波における最大値と最小値の比である。
〔ステップ(1)〕
まず、電力増幅器23の出力側の負荷状態を一定として、バイアス電圧の値を変化させ、各バイアス電圧の値を印加したときの、電力増幅器23の利得,消費電流及び高周波信号の歪み(以下、電力増幅器23の特性ということがある)を測定する。
具体的には、電力増幅器23の出力側の負荷を50Ωとし、電力増幅器23に高周波信号を入力し、所望の電力を有する出力を得るように入力側の電力を調整する。このときの利得,消費電流,歪みを測定する。次に、同様に、バイアス電圧の値を変化させ、所望の電力を有する出力を得るように入力側の電力を調整したときの利得,消費電流,歪みを測定する。
〔ステップ(2)〕
ステップ(1)の一定の負荷状態で測定した結果から、電力増幅器23の利得,消費電流及び高周波信号の歪みが、予め定めた条件を満たす目標値となるときのバイアス電圧の値を、(1)の負荷状態における補正値として記憶する。
具体的には、電力増幅器23の出力側の負荷を50Ωとしたときの電力増幅装置23の特性を最適化することのできる各可変容量コンデンサCt1,Ct2に印加するバイアス電圧の値をそれぞれ求める。電力増幅装置23の特性は、利得,消費電流,高周波信号の歪みにより決まるが、利得は大きく,消費電流は小さく,歪みは小さくすることが好ましい。ここで、バイアス電圧の値は、電力増幅器23の利得を大きく,消費電流を小さく,高周波信号の歪みを小さくするように求めるが、例えば、消費電力を小さくすると歪みは大きくなり劣化するので、利得,消費電流,歪みの各特性が一定の水準を満たす範囲内で特性を総合的にみて決定する。
〔ステップ(3)〕
次に、電力増幅器23の出力側の負荷状態を変化させて、ステップ(1),(2)を行ない、各負荷状態における補正値を記憶する。
具体的には、電力増幅器23の出力側の負荷状態を変化させたときの、各負荷状態における電力増幅器23の利得,消費電流,歪みを、バイアス電圧を変化させながら測定する。そこで、同じ負荷状態においてバイアス電圧を変化させたときに得られる電力増幅器23の特性のうち、予め定めた特性を満たす目標値を設定し、その目標値のときのバイアス電圧の値を補正値とする。目標値はステップ(2)と同様の基準で制定する。
この補正値を各負荷状態に対して記憶する。
なお、このステップ(3)については後述の〔ステップ(3)の説明〕部で更に詳しく説明する。
〔ステップ(4)〕
ステップ(1),(3)で測定した結果から、各負荷状態におけるバイアス電圧の値と電力増幅器23の利得及び消費電流との関係を記憶する。
〔ステップ(3)の説明〕
次に、メモリ24に記憶させる内容のうち、特に重要なバイアス電圧の補正値を決定するステップであるステップ(3)について、さらに具体的に説明する。具体例として、本発明の電力増幅装置を、中心周波数1880MHzである北米PCS(Personal Communication Service)帯のCDMA(Code Division Multiple Access)端末に用いられる移動体通信端末の送信回路に適用した場合を例に説明する。
なお、図1に示す電力増幅装置の可変容量コンデンサCt1,Ct2には、図3〜図6を用いて後述する可変容量コンデンサCtを用いるものとする。具体的には、可変容量コンデンサCt1,Ct2として、可変容量素子を11個直列接続させたものを用い、個々の可変容量素子は、共にPtからなる厚さ2μmの下部電極層と厚さ0.2μmの上部電極層とでBSTからなる厚さ140nmの誘電体層を挟持して成り、これらの可変容量素子同士をAuからなる厚さ2μmの引き出し電極層で接続する構成とする。
図2(a),(b)はそれぞれ、本発明の電力増幅装置の電力増幅器23の利得、消費電流及び歪み特性と負荷(インピーダンス)の位相との関係を示す線図ある。なお、負荷のVSWRは一定としている。具体的には、負荷が50ΩのときのVSWRを1として、VSWRが2の場合について電力増幅器23の各特性と負荷の位相との関係を示す。
図2(a)は、本発明の電力増幅装置23において、可変容量コンデンサCt1,Ct2に印加するバイアス電圧が0Vのときの電力増幅器23の利得,消費電流と負荷(インピーダンス)の位相との関係の線図であり、縦軸は左側が利得(単位:dB)を,右側が消費電流(単位:mA)であり、横軸が負荷の位相(単位:度)である。また、図2(b)は、本発明の電力増幅装置23において、可変容量コンデンサCt1,Ct2にバイアス電圧を印加していないとき(0V)及び各負荷状態における補正値となるバイアス電圧を印加したとき(Vcont)の電力増幅器23の歪みAPCR1(ここでは、キャリア周波数から1.25MHz離れた周波数帯でのACPRをACPR1とする),消費電流と負荷(インピーダンス)の位相との関係のグラフであり、縦軸は左側が歪み特性であるAPCR1(単位:dBc),右側が消費電流(単位:mA)であり、横軸が負荷の位相(単位:dBc)である。
図2に示すように、負荷状態の変動により電力増幅器23の利得,消費電流,高周波信号の歪みも変動する。さらに、各負荷状態においてバイアス電圧を印加することにより、同じ負荷状態でも電力増幅器23の利得,消費電流,高周波信号の歪みを変化させることができる。そこで、各負荷状態における電力増幅器23の利得,消費電流,高周波信号の歪みの目標値を設定し、その目標値のときのバイアス電圧の値(補正値)を求める。
この目標値を制定する際には、前述のステップ(2)と同様の基準で制定するが、利得及び歪みには通信規格で定められた基準(例えば、歪みACPR1が−402dBc以下)があり、これを満たす範囲で決められる。さらに、前述のステップ(2)で求めた、負荷状態が50Ωのときのバイアス電圧の補正値を各可変容量コンデンサCt1,Ct2に印加したときに得られる電力増幅器の特性(以下、単に初期値という)を1つの基準とし、ある負荷状態における電力増幅器23の特性のそれぞれが初期値に比べて良い場合には、初期値よりも特性が悪化しないように総合的に判断する。
たとえば、負荷(インピーダンス)の位相が90度の場合、バイアス電圧0Vでは、歪み(ACPR1)は−45.3dBcであるので、このように歪み特性が悪い場合には、歪みを低減する方向にバイアス電圧の補正値を決定する。このとき、消費電流Iccが悪化しないように留意して補正値を決定する。この場合、バイアス電圧を補正値とした場合における歪みは、−50.7dBcとなる。消費電流は若干悪化しているが、初期値を超えない範囲の値であり、それに比べて、補正前は初期値をはるかに超えて大きい値だった歪みは、補正により初期値以下の値となっている。
また、インピーダンスの位相が135度の場合のように、制御電圧0Vでは消費電流Iccは、544.9mAであるが、このように消費電流Iccが大きい場合には、歪みが大きく悪化しない範囲内で消費電流を小さくできるように、可変容量コンデンサCt1,Ct2のバイアス電圧の補正値を決定する。この場合、バイアス電圧を補正値とした場合における消費電流Iccは、519.7mAとなる。
なお、全ての特性が初期値に比べて悪い場合には、補正値とするバイアス電圧の値は、前述の通信規格で定められた基準を満たすことを前提に、特性に優先順位を定めて設定する。この優先順位は、消費電流,歪み,利得の順とする。なぜなら、低消費電力化することで、高周波部品として通信機器等に搭載されたときのバッテリーの寿命を考慮したものとし、汎用性の高いものとする点と、低歪み化することで、通話品質の良好なものとする点に考慮したためである。また、2つのバイアス電圧の値における利得,消費電流,歪みを比較して、そのうち2つの特性が等しければ残る1つの特性が改善される方のバイアス電圧の値を用い、そのうち1つの特性が等しければ、残る2つの特性のうち、優先順位の高い特性が改善される方のバイアス電圧の値を用いる。
このような手法で決定した、VSWR=2のときの各位相における可変容量コンデンサCt1,Ct2に印加するバイアス電圧の補正値を表1に示す。
Figure 2007329830
同様に、VSWRを変化させたときの補正値も得ることで、各負荷状態に対するバイアス電圧の補正値を得ることができる。
〈バイアス供給回路〉
バイアス制御回路は、可変容量コンデンサCt1,Ct2それぞれのバイアス供給回路BIに接続された端子V1,V2を有している。バイアス供給回路は、初期設定状態においては、電力増幅器23の出力側の負荷を50Ωとしたときの補正値のバイアス電圧を端子V1,V2から印加するが、実際の使用時においては、利得検出回路,消費電流検出回路から利得,消費電流を得て、その状態におけるバイアス電圧の値と利得と消費電流との組み合わせから、現在の負荷状態の絶対値を判定し、表1に示すようなバイアス電圧の補正値を端子V1,V2から印加する。これにより、消費電流と利得との変動傾向の判断が不要となり、負荷変動に対する制御を早く、かつ、安定して行うことができる。
このように、ステップ(1)〜(4)を行なった結果をメモリ24に記憶させ、電力増幅器23の利得を利得検出回路で,消費電流を消費電流検出回路でそれぞれ測定し、この測定値と、測定時のバイアス電圧の値とから、ステップ(4)でメモリ24に記憶した内容に基づき、電力増幅器23の出力側の負荷状態を判別し、ステップ(2),(3)でメモリ24に記憶した内容に基づき判別した負荷状態におけるバイアス電圧の補正値を得て、可変容量コンデンサCt1,Ct2に印加するバイアス電圧を補正値に設定することで、電力増幅器23の利得,消費電流及び高周波信号の歪みを目標値とする。このように、電力増幅器23の調整を行なうことで、電力増幅装置の出力側の負荷状態が変動しても、常に電力増幅器23の利得,消費電流及び高周波信号の歪みを所望の目標値に制御することができる。
なお、メモリ24には、電力増幅器23の出力側の負荷を変動させたときの各負荷状態におけるバイアス電圧の値、電力増幅器23の利得、及び電力増幅器23の消費電流とを記憶させているが、各負荷状態においてバイアス電圧を変化させたときの各バイアス電圧の値に対する利得と消費電流とを記憶させてもいいし、各負荷状態において、ある一定の、リファレンスとなるバイアス電圧の値(以下、リファレンス値とする)に対する利得と消費電流とを記憶させてもよい。前者の場合には、どのようなバイアス電圧を印加しているときでも、負荷変動に対してタイムラグなく制御することができるものとすることができる。後者の場合には、負荷状態判定時にバイアス電圧をリファレンス値に設定すれば負荷状態を判定することができるので負荷変動に対する制御をすることができるとともに、メモリ24に記憶させる内容を前者に比べて少なくすることができ、簡易な構成とすることができる。
可変整合回路22としては、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば、目的に応じて可変容量コンデンサを用いた可変整合回路22の構成を、例えばLCローパス型、LCハイパス型,π型,T型,多段構成等のように変形して用いることができる。
また、本発明の電力増幅装置を構成する可変容量コンデンサCt1,Ct2として好ましい例について説明する。
図3〜図6は、それぞれ本発明の電力増幅装置の可変整合回路を構成する可変容量コンデンサCtの実施の形態の例を示したものであり、図3は5個の可変容量素子を有する可変容量コンデンサCtの等価回路図であり、図4は透視状態の平面図、図5は作製途中の状態を示す平面図、図6は図4のA−A’線断面図である。なお、図4においては、電力増幅装置の構成を分かり易くするために、上部に位置する一部の層を透明としている。
図3に示す等価回路図において、符号C1,C2,C3,C4,C5はいずれも可変容量素子、B11,B12,B13は抵抗成分及びインダクタ成分の少なくとも一方を含む第1バイアスライン(同図では、抵抗成分R11,R12,R13を示す)、B21,B22,B23は抵抗成分及びインダクタ成分の少なくとも一方を含む第2バイアスライン(同図では、抵抗成分R21,R22,R23を示す)であり、BI及びBOは、それぞれ抵抗成分及びインダクタ成分の少なくとも一方を含む第1及び第2共通バイアスライン(同図では、抵抗成分RI,ROを示す)である。第1バイアスラインB11,B12,B13は、第1バイアス端子VIから第1バイアス端子VIと第1の可変容量素子C1との接続点の間、第2の可変容量素子C2と第3の可変容量素子C3との接続点、第4の可変容量素子C4と第5の可変容量素子C5との接続点、にそれぞれ設けられている。同様に、第2バイアスラインB21,B22,B23は、第2バイアス端子VOから第2バイアス端子VOと第5の可変容量素子C5との接続点の間、第3の可変容量素子C3と第4の可変容量素子C4との接続点との間、第1の可変容量素子C1と第2の可変容量素子C2との接続点との間にそれぞれ設けられている。このように形成することで、第1バイアスラインB11〜B13,第2バイアスラインB21〜B23は交互に可変容量素子C1〜C5を構成する一対の電極の一方に接続されているものとなる。第1バイアスラインB11,B12,B13は共通に接続された上で第1共通バイアスラインBIに接続され、第2バイアスラインB21、B22,B23は共通に接続された上で第2共通バイアスラインBOに接続されており、これらからバイアス供給回路が成る。また、VIは第1バイアス端子、すなわちバイアス電圧が供給される側の端子であり、VOは第2バイアス端子、すなわち可変容量素子C1,C2,C3,C4,C5に印加されたバイアス信号が接地側に落ちる端子である。また、これら可変容量素子C1〜C5は高周波信号を入出力する端子の間に直列に接続されている。
このような構成の可変容量コンデンサCtにおいては、可変容量コンデンサCtの入力端子と出力端子との間には、高周波信号が、直列接続された可変容量素子C1〜C5を介して流れることになる。このとき、第1バイアスラインB11,B12,B13及び第2バイアスラインB21,B22,B23の抵抗成分R11,R12,R13及びR21,R22,R23は、可変容量素子C1〜C5の高周波信号の周波数領域でのインピーダンスに対して大きなインピーダンス成分となっており、高周波帯のインピーダンスに悪影響を与えない。
また、第1共通バイアスラインBI及び第2共通バイアスラインBOの抵抗成分RI及びROは、可変容量素子C1〜C5の合成容量の高周波信号の周波数領域でのインピーダンスに対して大きなインピーダンス成分となっており、高周波帯のインピーダンスに悪影響を与えない。
このような第1バイアスラインB11〜B13が共通に接続された第1共通バイアスラインBI,第2バイアスラインB21〜B23が共通に接続された第2共通バイアスラインBOを設けることで、第1バイアスラインB11〜B13,第2バイアスラインB21〜B23に個々に必要であったバイアス電圧を印加するための端子を2つにすることができるので取り扱いが容易なものとなる。
また、可変容量コンデンサCtの容量成分を制御するバイアス電圧は、第1バイアス端子VIから供給され、可変容量素子C1を介して第2バイアス端子VO(図3ではグランド)に流れる。具体的には、バイアス電圧は、第1バイアス端子VIから第1共通バイアスラインBIを通り、可変容量素子C1に印加され、第2バイアスラインB23,B21,第2共通バイアスラインBOを通り第2バイアス端子VOに流れる。この可変容量素子C1に印加される電圧に応じて可変容量素子C1は所定の誘電率となり、それにより、所望の容量成分が得られることになる。可変容量素子C2〜C5についても同様である。
その結果、可変容量素子C1〜C5の容量を所望の値に制御するためのバイアス電圧を、安定してそれぞれ別々に可変容量素子C1〜C5に供給することができ、バイアス電圧の印加による可変容量素子C1〜C5の誘電体層における誘電率を所望通りに変化させることができ、よって容量成分の制御が容易な可変容量コンデンサCtとなっている。これにより、可変容量コンデンサCtの容量を制御することで、これを用いた本発明の可変整合回路によって所望のインピーダンスに整合させることができる。
つまり、可変容量素子C1〜C5の高周波信号は、第1バイアスラインB11,B12,B13及び第2バイアスラインB21,B22,B23、ならびに第1共通バイアスラインBI及び第2共通バイアスラインBOの抵抗成分RIを介して漏れることがない。これによって、バイアス信号が安定して可変容量素子C1〜C5に独立に印加され、その結果、バイアス信号による各々の可変容量素子C1〜C5の容量変化率を最大限に利用することができるものとなる。
また、可変容量コンデンサCtにおいては、N個(Nは2以上の整数)、ここでは5個の可変容量素子C1〜C5は、高周波的には直列接続された可変容量素子と見ることができる。
従って、直列接続された可変容量素子C1〜C5に印加される高周波電圧が各々の可変容量素子C1〜C5に分圧されるので、個々の可変容量素子C1〜C5に印加される高周波電圧は減少することとなる。このことから、個々の可変容量素子C1〜C5における高周波信号に対する容量変動は小さく抑えることができ、これら可変容量素子C1〜C5による可変容量コンデンサCtを用いた可変整合回路として、波形歪みや相互変調歪み等を抑制することができることとなる。
また、可変容量素子C1〜C5を直列接続したことにより、高周波的には、誘電体層の層厚を厚くしたのと同じ効果があり、可変容量コンデンサCtの損失抵抗による単位体積当りの発熱量を小さくすることができ、可変整合回路の耐電力を向上することができる。
また、バイアス供給回路を可変容量コンデンサCtに有することで、従来のような外部のバイアス供給回路が不要となるため、可変整合回路として、小型で非常に取扱いが容易なものとなる。
また、可変容量コンデンサCtの一端が、図1の可変容量コンデンサCt1に示すようにGND(グランド)に接続されている場合は、第2共通バイアスラインBOは無くても構わない。
次に、この例における可変容量コンデンサCtの作製方法について説明する。
図4〜図6において、1は支持基板、2は下部電極層、31,32,33,34は導体ライン、4は誘電体層、5は上部電極層、61,62,63,64,65,66,67,68は薄膜抵抗、7は絶縁層、8は引き出し電極層、9は保護層、10は半田拡散防止層、111,112及び113,114は半田端子部である。なお、この半田拡散防止層10と半田端子部111及び112とで、それぞれ第1信号端子(入力端子)及び第2信号端子(出力端子)を構成している。また、第1バイアス端子VI及び第2バイアス端子VOは、下部電極層2の形成時に同時に作製された導体層と、半田拡散防止層10と半田端子部113及び114とで構成されている。また、下部電極層2と上部電極層5とで、誘電体層4を挟持する一対の電極層を構成する。
支持基板1は、アルミナセラミックス等のセラミック基板や、サファイア等の単結晶基板等である。この支持基板1の上に下部電極層2,誘電体層4及び上部電極層5を順次、支持基板1のほぼ全面に成膜する。これら各層の成膜終了後、上部電極層5,誘電体層4及び下部電極層2を順次所定の形状にエッチングする。
下部電極層2は、誘電体層4の形成に高温スパッタが必要となることが多いため、その高温に耐えられるように高融点であることが必要である。具体的には、Pt,Pd等の金属材料から成るものである。この下部電極層2も、高温スパッタで形成される。さらに、下部電極層2は、高温スパッタによる形成後に、誘電体層4のスパッタ温度である700〜900℃へ加熱され、誘電体層4のスパッタ開始まで一定時間保持することにより、平坦な層となる。
下部電極層2の厚みは、第2信号端子から第5の可変容量素子C5までの抵抗成分や、第1の可変容量素子C1から第2の可変容量素子C2、第3の可変容量素子C3から第4の可変容量素子C4までの抵抗成分、及び下部電極層2の連続性を考慮した場合には厚い方が望ましいが、支持基板1との密着性を考慮した場合には薄い方が望ましく、両方を考慮して決定される。具体的には、0.1μm〜10μmである。下部電極層2の厚みが0.1μmよりも薄くなると、電極自身の抵抗が大きくなるほか、下部電極層2の連続性が確保できなくなる可能性がある。一方、10μmより厚くすると、内部応力が大きくなって、支持基板1との密着性が低下したり、支持基板1の反りを生じたりするおそれがある。
下部電極層2は第1信号端子と可変容量素子C1〜C5と第2信号端子とを直列に接続するために、可変容量素子C1及び可変容量素子C2,可変容量素子C3及び可変容量素子C4,可変容量素子C5及び第2信号端子で共有するようにパターニングする。
誘電体層4は、少なくともBa,Sr,Tiを含有するペロブスカイト型酸化物結晶から成る高誘電率の誘電体層であることが好ましい。この誘電体層4は、下部電極層2の表面に形成されている。例えば、ペロブスカイト型酸化物結晶が得られる誘電体材料をターゲットとして、スパッタリング法による成膜を所望の厚みになるまで行なう。このとき、基板温度を高く、例えば800℃として高温スパッタリングを行なうことにより、スパッタ後の熱処理を行なうことなく、高誘電率で容量変化率の大きい、低損失の誘電体層4を得ることができる。
上部電極層5の材料としては、この層の抵抗を下げるため、抵抗率の小さなAuが望ましいが、誘電体層4との密着性向上のためには、Pt等を密着層として用いることが望ましい。この上部電極層5の厚みは0.1μm〜10μmとなっている。この厚みの下限については、下部電極層2と同様に、上部電極層5自身の抵抗を考慮して設定される。また、厚みの上限については、誘電体層4との密着性を考慮して設定される。
第1バイアスラインB11〜B13は、薄膜抵抗61,62,63と導体ライン33,34から成り、これらが導体ライン32で共通に接続されている。第2バイアスラインB21〜B33は、薄膜抵抗64,65,65から成り、これらが導体ライン31で共通に接続されている。
この、バイアス供給回路を構成する第1バイアスラインB11,B12,B13は、第1バイアス端子VIから第1バイアス端子VIと第1の可変容量素子C1との接続点の間、第2の可変容量素子C2と第3の可変容量素子C3との接続点、すなわち第2の可変容量素子C2の上部電極層5と第3の可変容量素子C3の上部電極層5とを接続する引き出し電極層8との間、第4の可変容量素子C4と第5の可変容量素子C5との接続点、すなわち第4の可変容量素子C4の上部電極層5と第5の可変容量素子C5の上部電極層5とを接続する引き出し電極層8との間にそれぞれ設けられている。
同様に、第2バイアスラインB21,B22,B23は、第2バイアス端子VOから第2バイアス端子VOと第5の可変容量素子C5との接続点の間、第3の可変容量素子C3と第4の可変容量素子C4との接続点との間、第1の可変容量素子C1と第2の可変容量素子C2との接続点との間にそれぞれ設けられている。
この導体ライン31,32,33,34は、上述の下部電極層2,誘電体層4及び上部電極層5を形成した後、新たに成膜することによって形成することができる。その際には、既に形成した下部電極層2,誘電体層4及び上部電極層5を保護するために、リフトオフ法を用いることが望ましい。また、これら導体ライン31〜34は、下部電極層2のパターニングの際に、同時にこれら導体ライン31〜34も形成するようにパターニングを行なうことによっても形成することができる。
この導体ライン31〜34の材料としては、第1及び第2バイアスラインB11〜B13,B21〜B23の抵抗値のばらつきを抑制するために、低抵抗であるAuが望ましいが、薄膜抵抗61〜66の抵抗が十分に高いので、Pt等を用いて、下部電極層2と同じ材料及び同じ工程で形成してもよい。
次に、第1及び第2バイアスラインB11〜B13,B21〜B23を構成する薄膜抵抗61〜66の材料としては、タンタル(Ta)を含有し、かつその比抵抗が1mΩ・cm以上であるものが望ましい。具体的な材料としては、窒化タンタル(TaN)やTaSiN,Ta−Si−Oを例示することができる。例えば、窒化タンタルの場合であれば、Taをターゲットとして、窒素を加えてスパッタリングを行なうリアクティブスパッタ法により、所望の組成比及び抵抗率の薄膜抵抗61〜66を成膜することができる。
このスパッタリングの条件を適宜選択することにより、膜厚が40nm以上で、比抵抗が1mΩ・cm以上の薄膜抵抗61〜66を形成することができる。さらに、スパッタリングの終了後、レジストを塗布して所定の形状に加工した後、反応性イオンエッチング(RIE)等のエッチングプロセスを行なうことにより、簡便にパターニングすることができる。
可変容量コンデンサCtを周波数1GHzで使用し、可変容量素子C1〜C5の容量を5pFとした場合には、この周波数の1/10(100MHz)からインピーダンスに悪影響を与えないように薄膜抵抗61〜66を可変容量素子C1〜C5の100MHzでのインピーダンスの10倍以上の抵抗値に設定するものとすると、必要な第1及び第2バイアスラインB11,B12,B13,B21,B22,B23の抵抗値は、約3.2kΩ以上であればよい。可変容量コンデンサにおける薄膜抵抗61〜66の比抵抗率は1mΩ・cm以上として、第1及び第2バイアスラインB11,B12,B13,B21,B22,B23の抵抗値として10kΩを得る場合であれば、薄膜抵抗61〜66のアスペクト比(長さ/幅)は、膜厚を50nmとしたとき、50以下とできるため、素子形状を大きくすることなく実現可能なアスペクト比を有する薄膜抵抗61〜66となる。
これら薄膜抵抗61〜66を含む第1及び第2バイアスラインB11,B12,B13,B21,B22,B23は、支持基板1上に直接形成されている。これにより、可変容量素子C1〜C5上に形成する際に必要となる、下部電極層2,上部電極層4及び引き出し電極層8との絶縁を確保するための絶縁層が不要となり、可変容量素子C1〜C5を構成する層の数を低減することが可能となる。さらに、高抵抗の薄膜抵抗61〜66を用いることにより、形状を大きくすることなく、可変容量コンデンサCtを作製することができる。
また、同様に、第1及び第2共通バイアスラインBI,BOを構成する薄膜抵抗67,68は、薄膜抵抗61〜66と同様の材料を用いて、同様の工程で形成することができる。
可変容量コンデンサCtを周波数1GHzで使用し、容量を1pFとした場合には、この周波数でのインピーダンスに悪影響を与えないように薄膜抵抗67,68をインピーダンスの100倍以上の抵抗値に設定するものとすると、必要な第1及び第2共通バイアスラインBI,BOの抵抗値は、約16kΩ以上であればよい。可変容量コンデンサCtにおける薄膜抵抗67,68の比抵抗率は1mΩ・cm以上が望ましいため、例えば第1及び第2共通バイアスラインBI,BOの抵抗値として20kΩを得る場合であれば、薄膜抵抗67,68のアスペクト比(長さ/幅)は、膜厚を50nmとしたとき100以下とできるため、素子形状を大きくすることなく実現可能なアスペクト比を有する薄膜抵抗67,68となる。
なお、第1共通バイアスラインBIは、一方が第1バイアス端子VIに接続され、他方が第1可変容量素子C1と第1信号端子との間に接続されている。第2共通バイアスラインBOは、一方が、第2バイアス端子VOに接続され、他方が第5可変容量素子C5と第2信号端子との間に接続されている。
この状態での平面図を図5に示している。なお、図5中に示す点線部は、この後引き出し電極層8が形成される領域を示している。
次に、絶縁層7は、この上に形成する引き出し電極層8と下部電極層2との絶縁を確保するために必要である。さらに、この絶縁層7は、第1及び第2共通バイアスラインBI,BO、第1及び第2バイアスラインB11,B12,B13,B21,B22,B23を被覆しており、薄膜抵抗61〜68が酸化されるのを防止できるため、第1及び第2共通バイアスラインBI,BO、第1及び第2バイアスラインB11,B12,B13,B21,B22,B23の抵抗値を経時的に一定とすることができ、これにより信頼性を向上させることができる。絶縁層7の材料は、耐湿性を向上させるために、窒化ケイ素及び酸化ケイ素の少なくとも1種類より成るものとするとよい。これらは、被覆性を考慮して、化学気相堆積法等により成膜することが望ましい。
また、絶縁層7は、通常のレジストを用いるドライエッチング法等により、所望の形状に加工することができる。そして、絶縁層7には、薄膜抵抗62,63と引き出し電極層8との接続を確保するために導体ライン33,34の一部を露出させるために、導体ライン33,34上の絶縁層7に導体ライン33,34に到達する貫通孔を設けている。その他でこの絶縁層7から露出させる部位としては、上部電極層4及び半田端子部111,112,113,114のみとしておくことが、耐湿性向上の観点から好ましい。
次に、引き出し電極層8は、第1信号端子と可変容量素子C1の上部電極層5との間、可変容量素子C2の上部電極層5と可変容量素子C3の上部電極層5との間、可変容量素子C4の上部電極層5と可変容量素子C5の上部電極層5との間を、それぞれ絶縁層7の貫通孔を通して電気的に接続するように形成される。
ここで、可変容量素子C5の下部電極層2を第2信号端子と電気的に接続することにより、第1信号端子から第2信号端子まで可変容量素子C1〜C5が直列に接続される。可変容量素子C5の下部電極層2を第2信号端子と電気的に接続するには、例えば、第2信号端子と可変容量素子C5とで下部電極層2を共用するように、可変容量素子C5の下部電極層2を第2信号端子を形成する位置まで連続して形成すればよい。
この引き出し電極層8の材料としては、Au、Cu等の低抵抗な金属を用いることが望ましい。また、引き出し電極層8に対する絶縁層7の密着性を考慮して、Ti,Ni等の密着層を使用してもよい。
なお、引き出し電極層8を形成するときに、第1及び第2信号端子,第1及び第2のバイアス端子の形成位置に、引き出し電極層8を構成する材料からなる層を形成することが好ましい。第1及び第2の信号端子,第1及び第2のバイアス端子を形成する位置の高さを揃えることにより、実装が容易となるからである。
また、半田端子部111,112,113,114を露出させて全体を被覆するように、保護層9を形成する。保護層9は、可変容量素子C1を始めとする可変容量コンデンサCtの構成部材を機械的に保護するほか、薬品等による汚染から保護するためのものである。保護層9の材料としては、耐熱性が高く、段差に対する被覆性が優れたものが良く、具体的には、ポリイミド樹脂やBCB樹脂等を用いる。これらは、樹脂原料を塗布した後、所定の温度で硬化させることにより形成される。
半田拡散防止層10は、半田端子部111,112,113,114形成の際のリフローや実装の際に、半田端子部111,112,113,114の半田の下部電極層2及び引き出し電極層8への拡散を防止するために形成する。この半田拡散防止層10の材料としては、Niが好適である。また、半田拡散防止層10の表面には、半田濡れ性を向上させるために、半田濡れ性の高いAu,Cu等を0.1μm程度形成する場合もある。
最後に、半田端子部111,112,113,114を形成する。これは、可変容量コンデンサCtの外部の配線基板への実装を容易にするために形成する。これら半田端子部111,112,113,114は、半田端子部111,112,113,114に所定のマスクを用いて半田ペーストを印刷後、リフローを行なうことにより形成するのが一般的である。
以上述べた可変容量コンデンサCtによれば、第1及び第2共通バイアスラインBI,BO、第1及び第2バイアスラインB11,B12,B13,B21,B22,B23もしくはその一部に、窒化タンタルを含有し、かつ比抵抗が1mΩ・cm以上の薄膜抵抗61〜68を用いることにより、薄膜抵抗61〜68のアスペクト比を低減して可変容量コンデンサの小型化を実現している。さらには、第1及び第2共通バイアスラインBI,BO、第1及び第2バイアスラインB11,B12,B13,B21,B22,B23を支持基板1上に直接形成することにより、可変容量素子C1等の各素子を構成する層の数が低減されている。また、各素子を構成する各導体層や誘電体層等の形成工程を共通化できるため、構造が比較的複雑であるにもかかわらず、非常に簡単に形成することができる。
なお、本実施例においては第1バイアスラインB11〜B13を共通に接続して1つのバイアス端子V1に接続し、第2バイアスラインB21〜B23を共通に接続して1つのバイアス端子V2に接続しているが、第1及び第2バイアスラインB11〜B23のそれぞれに対応したバイアス端子を設けてもよい。
次に、図1に示す電力増幅装置を高周波信号を増幅に用いた通信装置の実施の形態の一例を図7のブロック図に示す。
図7は、移動体通信端末に用いられる送信回路であり、この送信回路は、中間周波信号(IF信号)を高周波信号(RF信号)に変換するミキサ18と、RF信号を増幅するドライブアンプ17と、電力増幅装置25と、アンテナ分波器12と、アンテナ11とを有する。
このように、送信回路においてアンテナ11側での負荷状態が変化しても、各負荷状態に対して最適化させることができる電力増幅装置25を用いているので、使用環境に左右されず、安定した通話品質を実現することができるものとなる。
なお、上記の通信装置は、送信回路について説明しているが、本発明の通信装置は、送信回路に限定されるものではなく、例えば、LNA(Low Noise Amplifier)や受信回路に用いてもかまわない。
また、一般にCDMAシステムでは、電力増幅器23の出力電力を制御するために、ドライバアンプ17の利得を調整している。このため、CDMAシステムに用いられる通信装置は、電力増幅器23の出力側の電力を検出する電力検出回路と、この電力検出回路で検出した値に基づきドライバアンプ17の利得を調整する利得調整回路とを有している。ドライバアンプ17の入力側の電力は一定なので、この電力検出回路で検出した値と,利得調整回路により設定されたドライバアンプ17の利得の値とから、電力増幅器23の利得を得ることができる。このため、本発明の通信装置をCDMA端末に適用する際には、この電力検出回路と利得調整回路とに電力増幅器23の利得検出回路としての機能を持たせてもよい。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。
本発明の電力増幅装置の実施の形態の例を示すブロック図である。 (a),(b)はそれぞれ、本発明の電力増幅装置における電力増幅器の利得、消費電流と負荷状態との関係及び消費電流、歪み特性と負荷状態との関係を示す線図である。 バイアス供給回路を有する可変容量コンデンサの等価回路図である。 バイアス供給回路を有する可変容量コンデンサの例を示す透視状態の平面図である。 図4に示す可変容量コンデンサの作製途中の状態を示す平面図である。 図4のA−A’線断面図である。 本発明の通信装置の実施の形態の例を示す、要部の回路構成を示すブロック図である。 従来の移動体通信に用いられる他の送信機の要部の回路構成を示すブロック図である。
符号の説明
1:支持基板
2:下部電極層
31、32、33、34:導体ライン
4:誘電体層
5:上部電極層
61、62、63、64、65、66、67、68:薄膜抵抗
7:絶縁層
8:引き出し電極層
9:保護層
10:半田拡散防止層
111、112、113、114:半田端子部
C1、C2、C3、C4、C5:可変容量素子
Ct1、Ct2:可変容量コンデンサ
B11、B12、B13:第1バイアスライン
B21、B22、B23:第2バイアスライン
R11、R12、R13、R21、R22、R23:抵抗成分
V1、V2、VI、V0:バイアス端子

Claims (4)

  1. バイアス電圧の印加に応じて誘電率が変化する誘電体層を具備する可変容量コンデンサを用いた可変整合回路を含む、高周波信号を増幅する電力増幅器と、
    前記電力増幅器の利得を検出する利得検出回路と、
    前記電力増幅器の消費電流を検出する消費電流検出回路と、
    前記電力増幅器の出力側の負荷状態を変化させたときの各負荷状態における前記バイアス電圧の値、前記電力増幅器の利得、及び前記電力増幅器の消費電流と、前記各負荷状態における前記電力増幅器の利得、消費電流及び前記高周波信号の歪みを目標値に補正するためのバイアス電圧の補正値と、を予め記憶したメモリと、
    前記利得検出回路により検出した利得と前記消費電流検出回路により検出した消費電流とから、前記メモリに記憶された内容に基づき、前記負荷状態を判別し、その負荷状態における前記補正値を得て、前記可変容量コンデンサに印加する前記バイアス電圧を前記補正値に設定するバイアス電圧制御回路と、を含む電力増幅装置。
  2. 前記可変容量コンデンサは、
    前記誘電体層と、前記誘電体層を挟持する一対の電極とから成る、複数個の可変容量素子が直列接続されており、
    複数個の前記可変容量素子の一対の電極のいずれか一方にそれぞれ接続された、抵抗成分又はインダクタ成分の少なくとも一方を含むバイアス供給回路を有する請求項1に記載の電力増幅装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電力増幅装置を高周波信号の電力増幅に用いる通信装置。
  4. バイアス電圧の印加に応じて誘電率が変化する誘電体層を具備する可変容量コンデンサを用いた可変整合回路を含む、高周波信号を増幅する電力増幅器の調整方法であって、下記(1)〜(4)のステップを予め行ない、前記電力増幅器の利得及び消費電流の測定値と、測定時のバイアス電圧の値とから、(4)で記憶した内容に基づき前記電力増幅器の出力側の負荷状態を判別し、(2),(3)で記憶した内容に基づき判別した負荷状態におけるバイアス電圧の補正値を得て、前記可変容量コンデンサに印加する前記バイアス電圧を前記補正値に設定することで、前記電力増幅器の利得,消費電流及び前記高周波信号の歪みを目標値とする電力増幅器の調整方法。
    (1)前記電力増幅器の出力側の負荷状態を一定として、バイアス電圧の値を変化させ、各バイアス電圧の値を印加したときの、前記電力増幅器の利得,消費電流及び高周波信号の歪みを測定する。
    (2)(1)で測定した結果から、前記電力増幅器の利得,消費電流及び高周波信号の歪みが、予め定めた条件を満たす目標値となるときのバイアス電圧の値を、(1)の負荷状態における補正値として記憶する。
    (3)前記電力増幅器の出力側の負荷状態を変化させて、(1),(2)を行ない、各負荷状態における補正値を記憶する。
    (4)(1),(3)で測定した結果から、各負荷状態におけるバイアス電圧の値と前記電力増幅器の利得及び消費電流との関係を記憶する。

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