JP4784623B2 - 超微粒子の製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の原料溶液を混合して原料溶液中の原料に由来する超微粒子を製造するための方法及び装置に関する。
従来から、金属酸化物、金属塩等の金属化合物からなる微粒子や、有機物の結晶からなる微粒子を得るための技術として様々な技術が開発されており、例えば、久保らによる「超高速撹拌mL−スケール連続晶析装置により得られた有機化合物結晶の形状」SCEJ 72nd Annual Meeting (Kyoto,2007) 講演発表プログラム要旨集C117(非特許文献1)には、図12に示すように、ホモジナイザー91を配置した反応容器92内に原料溶液93と貧溶媒94とを供給し、有機物の貧溶媒晶析により有機化合物の結晶を含有するスラリー95を得る連続晶析装置が開示されている。
しかしながら、非特許文献1に記載のような従来の高速攪拌による連続晶析装置は、有機物の貧溶媒晶析のような核生成速度が相対的に遅く反応速度を制御しやすい反応により有機物や塩類の結晶を合成する場合には適しているものの、核生成速度や反応速度が極めて早い中和反応や酸化還元反応に適用しても、十分に微細で且つ均一性の高い一次粒子や、十分に微細で且つ均一性が高く、互いに結合せずに独立に分散した二次粒子(以下、このような一次粒子及び二次粒子を場合により「超微粒子」と総称する)を得ることはできなかった。
久保ら「超高速撹拌mL-スケール連続晶析装置により得られた有機化合物結晶の形状」SCEJ 72nd Annual Meeting (Kyoto,2007) 講演発表プログラム要旨集C117
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、複数の原料溶液を混合し、原料溶液中の原料に由来する十分に微細で且つ均一性の高い超微粒子(一次粒子又は互いに結合せずに独立した二次粒子)を得ることを可能とする方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、所定の高剪断速度となっている領域に各原料溶液を独立して直接導入して均質混合することにより、中和反応や酸化還元反応といった核生成速度や反応速度が極めて早い反応に適用した場合であっても、十分に微細で且つ均一性の高い超微粒子(一次粒子又は互いに結合せずに独立した二次粒子)が得られるようになることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の超微粒子の製造方法は、少なくとも2種類の原料溶液を混合して該原料溶液中の原料に由来する超微粒子を製造する方法であって、後述する本発明の超微粒子の製造装置を用い、30000sec−1以上の剪断速度となっている領域に前記各原料溶液を独立して直接導入して均質混合することにより前記超微粒子を得ることを特徴とする方法である。
本発明の超微粒子の製造方法においては、前記原料溶液が前記領域に導入されてから1msec以内に均質混合されることが好ましい。
本発明の超微粒子の製造方法においては、少なくとも1種類の前記原料溶液に金属イオンが含有されており、他の少なくとも1種類の前記原料溶液に沈殿形成剤が含有されていることが好ましい。この場合、前記超微粒子として、酸化還元反応及び中和反応からなる群から選択される反応により生成された、金属酸化物、金属水酸化物及び金属塩からなる群から選択される少なくとも一つからなるものを好適に得ることが可能となる。
本発明の超微粒子の製造装置は、少なくとも2種類の原料溶液を混合して該原料溶液中の原料に由来する超微粒子を製造する装置であって、
高速回転可能なローターと、前記ローターの外周との間に所定のギャップの領域が形成されるように配置された外側ステータと、前記ローターの内周との間に所定のギャップの領域が形成されるように配置された内側ステータとを備えたホモジナイザーであり、30000sec−1以上の剪断速度となっている領域を形成することが可能な高速攪拌装置と、
前記領域に前記各原料溶液を独立して直接導入することが可能なノズルであって、それぞれ前記内側ステータにおける前記ローターに対向する面に設けられているノズルと、
前記ノズルに接続された原料溶液供給装置と、
を備えることを特徴とするものである。
本発明の超微粒子の製造装置においては、前記原料溶液が前記領域に導入されてから1msec以内に均質混合されるように前記ノズルが配置されていることが好ましい。
また、本発明の超微粒子の製造装置においては、前記高速攪拌装置が、高速回転可能なローターと、前記ローターとの間に所定のギャップ(好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以下)の領域が形成されるように配置されたステータとを備えたホモジナイザーであり、前記各原料溶液を導入するためのノズルがそれぞれ、前記ステータにおける前記ローターに対向する面に設けられている。
この場合、前記ステータとして、前記ローターの外周との間に所定のギャップ(好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以下)の領域が形成されるように配置された外側ステータと、前記ローターの内周との間に所定のギャップ(好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以下)の領域が形成されるように配置された内側ステータとを備えており、前記各ノズルが前記内側ステータにおける前記ローターに対向する面に設けられている。
さらに、本発明の超微粒子の製造装置においては、前記各ノズルが、前記ステータにおける前記ローターに対向する面において、前記ローターの回転軸に対して直交する所定の面の外周方向に交互に設けられていることが好ましい。
このような本発明によれば、得られる超微粒子の組成に応じて、平均粒径が0.5〜100nm(より好ましくは0.5〜50nm)の範囲にある一次粒子、或いは平均粒径が2〜100nm(より好ましくは2〜50nm)の範囲にある二次粒子を得ることが可能となる。
なお、本発明の超微粒子の製造方法及び装置によれば、中和反応や酸化還元反応といった核生成速度や反応速度が極めて早い反応に適用した場合であっても、十分に微細で且つ均一性の高い超微粒子(一次粒子又は互いに結合せずに独立した二次粒子)が得られるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の超微粒子の製造方法及び装置においては、従来のようにホモジナイザーが配置された反応容器内に原料溶液を供給するのではなく、ホモジナイザーにおけるローターとステータとの間といった極めて高剪断速度となっている領域に各原料溶液を独立して直接導入する。そのため、各原料溶液は、各原料溶液に対して攪拌条件が相違することなく、また事前に緩い攪拌条件下で混合されることなく、極めて短時間の間に均質混合されて反応が終了するようになるため、生成する超微粒子(一次粒子又は二次粒子)の粒径が十分に微細で且つ均一性が高くなるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、複数の原料溶液を混合し、原料溶液中の原料に由来する十分に微細で且つ均一性の高い超微粒子(一次粒子又は互いに結合せずに独立した二次粒子)を得ることが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
先ず、本発明の超微粒子の製造装置について説明する。図1は、本発明の超微粒子の製造装置の好適な一実施形態を示す模式縦断面図である。
図1に示す超微粒子の製造装置は、高速攪拌装置としてホモジナイザー10を備えており、ホモジナイザー10の先端部(攪拌部)が反応容器20内に配置されている。ホモジナイザー10の先端部は、図2に示すように、ローター11と、ローター11の外周との間に所定のギャップの領域が形成されるように配置された外側ステータ12と、ローター11の内周との間に所定のギャップの領域が形成されるように配置された内側ステータ13とを備えている。さらに、ローター11は、回転シャフト14を介してモーター15に接続されており、高速回転することが可能となっている。
そして、図1に示す超微粒子の製造装置においては、原料溶液Aを導入するためのノズル16Aと原料溶液Bを導入するためのノズル16Bとがそれぞれ内側ステータ13におけるローター11に対向する面にそれぞれ設けられている。また、ノズル16Aには流路17Aを介して原料溶液Aの供給装置(図示せず)が、ノズル16Bには流路17Bを介して原料溶液Bの供給装置(図示せず)がそれぞれ接続されており、ローター11と内側ステータ13との間の領域に原料溶液Aと原料溶液Bとをそれぞれ独立して直接的に導入することが可能となっている。
さらに、図1に示す超微粒子の製造装置においては、図3及び図4に示すように、ノズル16A及びノズル16Bが、内側ステータ13におけるローター11に対向する面において、ローター11の回転軸Xに対して直交する所定の面Yの外周方向に交互に設けられている。
なお、図3及び図4においては、ノズル16A及びノズル16Bがそれぞれ12個ずつ設けられているが(24孔タイプ)、ノズル16A及びノズル16Bの数は特に限定されるものではない。したがって、ノズル16A及びノズル16Bがそれぞれ1個ずつ設けられていればよいが(2孔タイプ)、原料溶液A及び原料溶液Bが前記領域に導入されてから均質混合されるまでの時間をより短縮できるという観点から、ノズル16A及びノズル16Bがそれぞれ10個以上であることが好ましく、20個以上であることがより好ましい。一方、ノズル16A及びノズル16Bのそれぞれの数の上限は特に制限されず、装置の大きさによっても変わってくるが、ノズルの詰まりをより確実に防止するという観点から、交互に配置されたノズル16A及びノズル16Bの開口部の直径が0.4mm程度以上の寸法を取り得るようにすることが好ましい。このようにノズルの開口部の直径は特に制限されず、装置の大きさによっても変わってくるが、ノズルの詰まりをより確実に防止するという観点から、0.4〜1mm程度であることが好ましい。
また、図3及び図4においては、ノズル16A及びノズル16Bが、ローター11の回転軸Xに対して直交する一つの面Yの外周方向に一列に交互に設けられているが、複数の面の外周方向に複数の列において交互に設けられていてもよい。
以上説明した図1に示すような本発明の超微粒子の製造装置においては、ノズル16Aとノズル16Bとから原料溶液A及び原料溶液Bがそれぞれ導入される領域、すなわち図1及び図2においてはローター11の内周と内側ステータ13の外周との間の領域において、30000sec−1以上の剪断速度となることが必要であり、40000sec−1以上の剪断速度となることが特に好ましい。かかる領域の剪断速度が30000sec−1未満では、十分に微細で且つ均一性の高い超微粒子(一次粒子又は互いに結合せずに独立した二次粒子)を得ることが困難となる。
このような高水準の剪断速度を達成するための条件としては、ローターの回転速度及びローターとステータとの間のギャップの大きさが影響するため、前記領域の剪断速度が前記条件を満たすようにそれらを設定する必要がある。具体的なローター11の回転速度は特に制限されず、装置の大きさによっても変わってくる。したがって、ローター11の回転速度の周速の下限及び上限も特に制限されないが、下限としては一般的には6m/sec以上であることが好ましく、上限としては一般的には50m/sec以下であることが好ましい。
また、ローター11と内側ステータ13との間のギャップの大きさも特に制限されず、装置の大きさによっても変わってくるが、1.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましく、0.2mm以下であることが特に好ましい。さらに、ローター11と外側ステータ12との間のギャップの大きさも特に制限されず、装置の大きさによっても変わってくるが、1.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましく、0.2mm以下であることが特に好ましい。なお、かかるギャップの大きさの下限は特に制限されず、装置の大きさによっても変わってくるが、ギャップの詰まりをより確実に防止するという観点から、0.1mm程度以上であることが好ましい。
また、図1に示すような本発明の超微粒子の製造装置においては、ノズル16Aとノズル16Bとからそれぞれ供給された原料溶液A及び原料溶液Bが、前記領域に導入されてから1msec以内(特に好ましくは0.5msec以内)に均質混合されるようにノズル16A及びノズル16Bが配置されていることが好ましい。なお、ここでいう原料溶液が前記領域に導入されてから均質混合されるまでの時間とは、ノズル16A(又はノズル16B)から導入された原料溶液A(又は原料溶液B)が隣接するノズル16B(又はノズル16A)の位置に到達し、ノズル16B(又はノズル16A)から導入された原料溶液B(又は原料溶液A)と混合されるまでの時間をいう。
以上、本発明の超微粒子の製造装置の好適な実施形態について説明したが、本発明の装置は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては2種類の原料溶液が導入できるように構成されているが、3種類以上の原料溶液が導入できるようにノズルや原料溶液供給装置等を構成してもよい。
また、上記実施形態においてはノズル16Aとノズル16Bとがそれぞれ内側ステータ13におけるローター11に対向する面にそれぞれ設けられているが、ノズル16Aとノズル16Bとがそれぞれ外側ステータ12におけるローター11に対向する面にそれぞれ設けられていてもよい。そのように構成すれば、ローター11と外側ステータ12との間の領域に原料溶液Aと原料溶液Bとをそれぞれ独立して直接的に導入することが可能となり、その領域における剪断速度が前記条件を満たすようにする必要がある。
次に、本発明の超微粒子の製造方法について説明する。図1に示す装置を用いて本発明の超微粒子の製造方法の好適な一実施形態を実施する場合、ローター11を高速回転させてローター11と内側ステータ13との間の領域が30000sec−1以上の剪断速度となる状態とし、原料溶液A及び原料溶液Bをそれぞれノズル16A及びノズル16Bから前記領域に独立して直接的に導入する。このように極めて高剪断速度となっている領域に直接導入された原料溶液A及び原料溶液Bは、極めて短時間の間に均質混合されて反応が終了し、前記原料溶液中の原料に由来する超微粒子が得られる。
このような本発明の超微粒子の製造方法に適用できる反応系は特に制限されず、アルコキシドの加水分解反応や貧溶媒を用いた溶解度変化を利用する析出反応等に本発明を適用することができるが、中和反応や酸化還元反応といった核生成速度や反応速度が極めて早い反応に適用した場合であっても本発明によれば十分に微細で且つ均一性の高い超微粒子(一次粒子又は互いに結合せずに独立した二次粒子)が得られるようになるため、本発明はこのように核生成速度や反応速度が極めて早い反応系に対して特に有用である。
例えば、少なくとも1種類の原料溶液(原料溶液A)に金属イオンが含有されており、他の少なくとも1種類の原料溶液(原料溶液B)に沈殿形成剤が含有されていてもよい。この場合、酸化還元反応及び中和反応からなる群から選択される反応により生成された、金属酸化物、金属水酸化物及び金属塩からなる群から選択される少なくとも一つからなる超微粒子が好適に得られるようになる。
このような中和反応、酸化還元反応等における具体的な反応系は特に制限されるものではないが、例えば、以下のような反応系が例示される。
(i)中和反応I
原料溶液A(原料):金属の酢酸塩、硝酸塩、塩化物又は硫酸塩を含有する溶液
原料溶液B(中和剤):アンモニア水、又はアルカリ金属水酸化物溶液(水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等)。
なお、原料溶液Aと原料溶液Bのいずれか又は両方に水溶性の有機溶媒(メタノール、エタノール、ブタノール、アセトン等)が含有されていてもよい。
(ii)中和反応II
原料溶液A(アルカリ性原料液):酢酸バリウム、塩化カルシウム等を含有する溶液
原料溶液B(酸性原料液):硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等を含有する溶液。
(iii)酸化還元反応
原料溶液A:硝酸銀、塩化白金酸等を含有する溶液
原料溶液B:アセトアルデヒド溶液、水素化ホウ素ナトリウム溶液、ヒドラジン、エタノール等。
以上説明した本発明の製造方法においては、原料溶液A及び原料溶液Bは事前に緩い攪拌条件下で混合されることなく、また各原料溶液に対して攪拌条件が相違することなく、極めて短時間の間に均質混合されるため、生成する超微粒子の粒径が十分に微細で且つ均一性が高いものとなり、平均粒径が0.5〜100nm(より好ましくは0.5〜50nm)の範囲にある一次粒子、或いは平均粒径が2〜100nm(より好ましくは2〜50nm)の範囲にある互いに結合せずに独立した微細な二次粒子を得ることが可能となる。
本発明によって得られる超微粒子の組成は特に限定されず、様々な原料溶液を用いることによって、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩といった種々の組成を有する超微粒子が得られることとなる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す本発明の製造装置(スーパーアジテーションリアクター)を用いてCeO−ZrO−Y3元系酸化物超微粒子を合成した。なお、ノズル16A及びノズル16Bがそれぞれ24個ずつ設けられている48孔タイプのものを使用した。
すなわち、陽イオン濃度が0.1mol/Lになるように、酢酸セリウム、酢酸ジルコニル及び酢酸イットリウムの原料混合水溶液(原料溶液A)を調製した。CeとZrとYとの混合比(モル比)は38:57:5となるようにした。その際、過酸化水素をHとして0.1mol/Lとなるように、上記原料溶液Aに混合した。また、酢酸アンモニウムをNHOCOCHとして0.31mol/L含む中和剤液(原料溶液B)を調製した。
そして、ホモジナイザー10の先端を100mLビーカー20の中に浸るようにセットし、ホモジナイザー10におけるローター11を10000rpmの回転速度で回転させながら、上記原料溶液Aと原料溶液Bとをそれぞれ10cc/minの供給速度でチューブポンプ(図示せず)を用いてノズル16A及びノズル16Bからローター11と内側ステータ13との間の領域に送液した。
なお、ローター11の外径は17.8mm、ローター11と外側ステータ12との間のギャップは0.2mmであり、それらの間の領域における剪断速度は46600sec−1であった。また、ローター11の内径は12.2mm、ローター11と内側ステータ13との間のギャップは0.2mmであり、それらの間の領域における剪断速度は31920sec−1であった。また、原料溶液Aと原料溶液Bとが前記領域に導入されてから均質混合されるまでの時間は0.125msecであった。
ビーカー20からあふれて出てくる中和反応後の分散液を、上記ビーカー20のさらに下に1Lビーカー(図示せず)をセットして受け止めた。このとき1Lビーカーの上面には、50μmの空隙径を有するろ紙を配置し、泡だった分散液をろ過して除去し、ろ紙を通った分散液だけを集めた。
実施例1で得られた分散液について、動的光散乱法(日機装UPA社製)によって粒度分布を測定したところ、図5に示すように、二次粒子の平均粒径が約12nmのシャープな粒度分布を有するCeO−ZrO−Y3元系酸化物超微粒子が得られたことが確認された。また、放置すると1μm程度まで凝集体として大きくなったが、超音波を照射することによって再び分散し、平均粒径が約12nmの二次粒子の分散状態に戻すことができることも確認された。
(比較例1)
ローターの回転数を1000rpmとしたこと以外は実施例1と同様にしてCeO−ZrO−Y3元系酸化物微粒子を合成した。
なお、ローター11と外側ステータ12との間の領域における剪断速度は4660sec−1、ローター11と内側ステータ13との間の領域における剪断速度は3192sec−1であった。また、原料溶液Aと原料溶液Bとが前記領域に導入されてから均質混合されるまでの時間は1.25msecであった。
比較例1で得られた分散液について実施例1と同様に粒度分布を測定したところ、図6に示すように、二次粒子の平均粒径が約1.2μmの比較的ブロードな粒度分布を有するCeO−ZrO−Y3元系酸化物微粒子が得られたことが確認された。また、放置すると凝集体として大きくなったが、超音波を照射しても二次粒子の分散状態に戻すことはできないことも確認された。
(比較例2)
内側ステータ13を外し、ホモジナイザー10のローター11より下方の領域に上記原料溶液Aと原料溶液Bとをそれぞれ送液するようにしたこと以外は実施例1と同様にしてCeO−ZrO−Y3元系酸化物微粒子を合成した。
なお、ローター11の下面と原料溶液Aの容器内への供給口との間の距離は10mm、ローター11の下面と原料溶液Bの容器内への供給口との間の距離は5mmであった。また、原料溶液Aと原料溶液Bとが容器内に導入されてから均質混合されるまでの時間は2350msecであった。
比較例2で得られた分散液について実施例1と同様に粒度分布を測定したところ、図7に示すように、二次粒子の平均粒径が約1.8μmの比較的ブロードな粒度分布を有するCeO−ZrO−Y3元系酸化物微粒子が得られたことが確認された。また、放置すると凝集体として大きくなったが、超音波を照射しても二次粒子の分散状態に戻すことはできないことも確認された。
(実施例2)
原料溶液Aとして濃度0.05mol/Lの酢酸バリウム水溶液、原料溶液Bとして濃度0.05mol/Lの硫酸アンモニウム水溶液を用いるようにしたこと以外は実施例1と同様にして硫酸バリウム超微粒子を合成した。
実施例2で得られた分散液について走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、図8に示すように、一次粒子の平均粒径が約50nmのシャープな粒度分布を有する硫酸バリウム超微粒子が得られたことが確認された。
(実施例3)
内側ステータ13としてノズル16A及びノズル16Bがそれぞれ1個ずつ設けられている2孔タイプのものを使用したこと以外は実施例2と同様にして硫酸バリウム超微粒子を合成した。なお、原料溶液Aと原料溶液Bとが前記領域に導入されてから均質混合されるまでの時間は3msecであった。
実施例3で得られた分散液について走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、図9に示すように、一次粒子の平均粒径が約70nmのシャープな粒度分布を有する硫酸バリウム超微粒子が得られたことが確認された。
(比較例3)
内側ステータ13を外し、ホモジナイザー10のローター11より下方の領域に上記原料溶液Aと原料溶液Bとをそれぞれ送液するようにしたこと以外は実施例2と同様にして硫酸バリウム微粒子を合成した。
比較例3で得られた分散液について走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、図10に示すように、一次粒子の平均粒径が約500nmの比較的ブロードな粒度分布を有する硫酸バリウム微粒子が得られたことが確認された。
(比較例4)
ホモジナイザー10を用いず、ビーカー20内に配置した回転速度300rpmのプロペラを用いて原料溶液Aと原料溶液Bとを攪拌するようにしたこと以外は実施例2と同様にして硫酸バリウム微粒子を合成した。
比較例4で得られた分散液について走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、図11に示すように、一次粒子の平均粒径が約1000nm以上の不規則な板状の結晶形態を有しておりブロードな粒度分布を有する硫酸バリウム微粒子が得られたことが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、複数の原料溶液を混合し、原料溶液中の原料に由来する十分に微細で且つ均一性の高い超微粒子(一次粒子又は互いに結合せずに独立した二次粒子)を得ることを可能とする方法及び装置を提供することが可能となる。
したがって、本発明の超微粒子の製造方法及び装置は、中和反応や酸化還元反応といった核生成速度や反応速度が極めて早い反応に適用した場合であっても、十分に微細で且つ均一性の高い超微粒子(一次粒子又は二次粒子)が得られる方法及び装置として非常に有用である。
本発明の超微粒子の製造装置の好適な一実施形態を示す模式縦断面図である。 図1に示すホモジナイザー10の先端部(攪拌部)を示す拡大縦断面図である。 図1に示す内側ステータ13の側面図である。 図1に示す内側ステータ13の横断面図である。 実施例1で得られた超微粒子について粒度分布を測定した結果を示すグラフである。 比較例1で得られた微粒子について粒度分布を測定した結果を示すグラフである。 比較例2で得られた微粒子について粒度分布を測定した結果を示すグラフである。 実施例2で得られた超微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例3で得られた超微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例3で得られた微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例4で得られた微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 従来の微粒子の製造装置の一例を示す模式縦断面図である。
符号の説明
10…ホモジナイザー、11…ローター、12…外側ステータ、13…内側ステータ、14…回転シャフト、15…モーター、16A,16B…ノズル、17A,17B…流路(供給管)、20…反応容器、91…ホモジナイザー、92…反応容器、93…原料溶液、94…貧溶媒、95…スラリー、A,B…反応溶液、X…回転軸、Y…回転軸Xに対して直交する面。

Claims (12)

  1. 少なくとも2種類の原料溶液を混合して該原料溶液中の原料に由来する超微粒子を製造する装置であって、
    高速回転可能なローターと、前記ローターの外周との間に所定のギャップの領域が形成されるように配置された外側ステータと、前記ローターの内周との間に所定のギャップの領域が形成されるように配置された内側ステータとを備えたホモジナイザーであり、30000sec−1以上の剪断速度となっている領域を形成することが可能な高速攪拌装置と、
    前記領域に前記各原料溶液を独立して直接導入することが可能なノズルであって、それぞれ前記内側ステータにおける前記ローターに対向する面に設けられているノズルと、
    前記ノズルに接続された原料溶液供給装置と、
    を備えることを特徴とする超微粒子の製造装置。
  2. 前記原料溶液が前記領域に導入されてから1msec以内に均質混合されるように前記ノズルが配置されていることを特徴とする請求項に記載の超微粒子の製造装置。
  3. 得られる超微粒子の一次粒子の平均粒径が0.5〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項又はに記載の超微粒子の製造装置。
  4. 得られる超微粒子の二次粒子の平均粒径が2〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項又はに記載の超微粒子の製造装置。
  5. 前記各ノズルが、前記ステータにおける前記ローターに対向する面において、前記ローターの回転軸に対して直交する所定の面の外周方向に交互に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の超微粒子の製造装置。
  6. 前記ギャップが1mm以下であることを特徴とする請求項のうちのいずれか一項に記載の超微粒子の製造装置。
  7. 少なくとも2種類の原料溶液を混合して該原料溶液中の原料に由来する超微粒子を製造する方法であって、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の超微粒子の製造装置を用い、30000sec −1 以上の剪断速度となっている領域に前記各原料溶液を独立して直接導入して均質混合することにより前記超微粒子を得ることを特徴とする超微粒子の製造方法。
  8. 前記原料溶液が前記領域に導入されてから1msec以内に均質混合されることを特徴とする請求項7に記載の超微粒子の製造方法。
  9. 得られる超微粒子の一次粒子の平均粒径が0.5〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項7又は8に記載の超微粒子の製造方法。
  10. 得られる超微粒子の二次粒子の平均粒径が2〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項7又は8に記載の超微粒子の製造方法。
  11. 少なくとも1種類の前記原料溶液に金属イオンが含有されており、他の少なくとも1種類の前記原料溶液に沈殿形成剤が含有されていることを特徴とする請求項7〜10のうちのいずれか一項に記載の超微粒子の製造方法。
  12. 前記超微粒子が、酸化還元反応及び中和反応からなる群から選択される反応により生成された、金属酸化物、金属水酸化物及び金属塩からなる群から選択される少なくとも一つからなるものであることを特徴とする請求項11に記載の超微粒子の製造方法。
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