JP4783968B2 - 払い出し装置用紙幣金庫及び紙幣払い出し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両替用の紙幣を払い出すための紙幣払い出し装置に対して着脱可能に構成された払い出し装置用紙幣金庫及び、同紙幣金庫が収容される紙幣払い出し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、バス等に備えられる運賃箱には、乗客が所有する現金を両替するための両替機能が備えられている。そして、例えば、1万円札や五千円札等の高額紙幣が両替される場合に対応して、両替用の紙幣としての例えば千円札を払い出す紙幣払い出し装置が前記運賃箱に取り付けられたものも知られている。
【0003】
この紙幣払い出し装置に対して、両替用の千円札を補充等する場合は、バスの乗務員が乗車時に両替用の千円札の札束を袋等に入れて、そのまま持ち運ぶ。そして、紙幣払い出し装置に予め固設されている紙幣収納ケースに挿入設置する。このようにして、紙幣払い出し装置に両替用の千円札は使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来において、乗務員が両替用の紙幣の札束をそのまま持ち運び、紙幣払い出し装置の紙幣収納ケースに補充作業をするため、車両にまで持ち運ぶ間に両替用の紙幣が紛失してしまったり、盗難等のおそれが生じ、紙幣の持ち運びの際におけるセキュリティに不安があるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、紙幣払い出し装置に対して安全に両替用紙幣の設置及び持ち運びできる払い出し装置用紙幣金庫を提供することにある。又、第2の目的は、安全に紙幣金庫を保持することができる紙幣払い出し装置を提供することにある。
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、
複数の紙幣を収納する収納空間を備え、同紙幣の通過を許容する通過口を備えたサブケースと、
紙幣を外部へ供給するための供給口を備え、前記サブケースを前記通過口と前記供給口とが連通しない非供給位置と、前記通過口と前記供給口とが連通する供給位置との間を移動自在に支持するメインケースとを含み、
前記非供給位置に前記サブケースが位置する際には、前記供給口から同紙幣の外部への取り出しを不能にしたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記サブケースにおける通過口の近傍には、該サブケースが前記供給位置の際には前記通過口の開放を許容し、該サブケースが前記非供給位置の際には通過口を閉鎖する被覆部材が設けられていることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2において、前記メインケース又は前記サブケースのうち少なくともいずれか一方には、前記サブケースを前記メインケースに対して前記非供給位置にて固定保持する第1ロック手段が設けられていることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記第1ロック手段は、外部からの鍵を装着可能な鍵装着部に連係されており、前記鍵装着部に鍵が装着されていない非装着状態で、前記サブケースを前記メインケースに対して非供給位置にて固定保持するものであることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4において、前記第1ロック手段の近傍には、前記サブケースが前記供給位置に配置される際には前記第1ロック手段を作動不能とし、前記サブケースが前記非供給位置に配置される際のみに前記第1ロック手段の作動を許容する許容手段が設けられていることを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のういちいずれか1項において、前記メインケース又は前記サブケースのうち少なくともいずれか一方には、前記サブケースを前記メインケースに対して前記供給位置及び前記非供給位置の両位置で位置決め保持する第2ロック手段が設けられていることを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のういちいずれか1項において、前記サブケース内には、底板と該底板上の紙幣を挟んで保持するプッシャと該プッシャを回動可能に支持する揺動アームとから構成される紙幣保持機構を備え、
前記紙幣保持機構には更に、第2捻りコイルバネを前記揺動アームの基端部に回動可能に固設された支軸に挿通するとともに、第3捻りコイルバネを前記揺動アームの先端部と前記プッシャの先端部とを揺動可能に支持する回動軸に挿通し、
前記第2捻りコイルバネ及び前記第3捻りコイルバネにて、前記プッシャを前記底板側へ付勢するとともに、前記第2捻りコイルバネにて、前記揺動アームを介して前記プッシャを前記通過口側へ押し出すように付勢する、ことを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、紙幣払い出し装置には、請求項1〜請求項7のうちいずれか1項に記載の払い出し装置用紙幣金庫を収容可能な金庫収容室を備えたことを要旨とする。
【0015】
(作用)
請求項1の発明によれば、払い出し装置用紙幣金庫が使用される際は、サブケースが供給位置にされ、同サブケースの通過口とメインケースの供給口とが相対して、前記通過口及び供給口を介して紙幣が通過する一方、紙幣が運搬される際は、サブケースが、同サブケース内の紙幣を供給口から取り出し不能となる非供給位置にされ持ち運ばれる。
【0016】
請求項2の発明によれば、通過口の近傍に設けられた被覆部材が、サブケースが供給位置の際には通過口を開放し、サブケースが非供給位置の際には通過口を閉鎖するため、持ち運び時における供給口からの紙幣取り出し不能状態は前記被覆部材により容易に実現される。
【0017】
請求項3の発明によれば、サブケースは第1ロック手段にて非供給位置で固定保持されるため、供給位置に誤って配されることなく確実に非供給位置の状態で払い出し装置用紙幣金庫は持ち運ばれる。
【0018】
請求項4の発明によれば、サブケースは第1ロック手段の鍵装着部に外部から鍵が装着されて始めて、非供給位置から供給位置への移動が可能とされる。
請求項5の発明によれば、許容手段にて、前記第1ロック手段は非供給位置に配置されたときのみ作動可能とされ、供給位置では作動不能とされるため、第1ロック手段に外部から鍵を装着する構成にした場合は、サブケースが供給位置のままでは、前記第1ロック手段用の鍵を抜き外すことはできなくなる。
【0020】
請求項6の発明によれば、第2ロック手段にてサブケースをメインケースに対して供給位置及び非供給位置の両位置で位置決め保持するため、サブケースは前記両位置に容易に位置決めされる。
【0021】
請求項7の発明によれば、紙幣保持機構を介して、第2捻りコイルバネ及び第3捻りコイルバネ(第1の弾性部材)にて紙幣は底板側(下方)へ押圧保持され、前記第2捻りコイルバネ(第2の弾性部材)にて紙幣は揺動アームを介してプッシャを通過口側へ押し出されるようにされるため、紙幣はスムーズに通過口並びに供給口側へ供給される。
請求項8の発明によれば、カートリッジ式のメインケースを備える払い出し装置用紙幣金庫は紙幣払い出し装置の収容室に収容される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をバスの運賃箱に設置される紙幣払い出し装置及び紙幣払い出し装置用紙幣金庫に具体化した一実施形態を図1〜図16に従って説明する。
【0023】
まず、紙幣払い出し装置の構成について説明する。
なお、本実施形態では、図2における正面側を前とし、右方を右、左方を左とし、紙面裏側を後とする。
【0024】
図2に示すように、本実施形態における紙幣払い出し装置(以下、「払い出し装置」という。)Aは、運賃回収部11、乗客が両替するための紙幣挿入部12、硬貨投入部13及び硬貨払い出し部14等を備える運賃箱Cに隣接して取り付けられている。前記紙幣挿入部12は千円札による運賃の支払いにも対応している。また、高額紙幣については、図示しない切替えスイッチにより、両替専用または運賃の支払い処理が可能で、高額紙幣による運賃支払いの場合、釣銭が返却される。
【0025】
前記払い出し装置Aの中央部前面には、紙幣を払い出すための払い出し口15が設けられていると共に、図1に示すように、同装置Aの上部には、後述する払い出し装置用紙幣金庫(以下、「紙幣金庫」という。)Bを収容可能とする金庫収容室16が設けられている。また、前記払い出し装置Aの上部左側縁には、同金庫収容室16を上方から覆う蓋部材17が図示しないヒンジを介して開閉可能に設けられている。そして、前記金庫収容室16の下方に位置する払い出し装置Aのケース内には、後述する紙幣金庫Bから供給される両替用紙幣Mを計数し、払い出し口15に払い出すための払い出し機構(図示しない)が設けられている。
【0026】
前記金庫収容室16の底部(払い出し装置Aのケース天板)において右側部には、上方に突出した段部18が設けられており、前記底部における払い出し口15側(前側)には、後述する鍵保持レバー21のために凹部が形成され、回動許容空間19とされている。また、図6〜図9に示すように、前記段部18に連なる金庫収容室16の底面には、後述する紙幣金庫Bから供給される紙幣を払い出し機構(図示しない)へ導入するための導入口20が設けられている。そして、前記導入口20から導入された紙幣は払い出し機構(図示しない)の導入口20側に備えられるローラ(図示しない)によって機構内部に送出されるようになっている。
【0027】
図1及び図3に示すように、前記段部18における払い出し口15側側面(前面)には、鍵保持部材としての鍵保持レバー21が設けられている。前記鍵保持レバー21は、段部18に固設された支軸22にて回動可能に軸支されており、その先端部は鍵23を前後方向に摺動可能に保持する鍵保持部21aとされている。前記鍵保持部21aは、その内部に円柱状の摺動空間25を備えており、同摺動空間25には鍵23を固着したスライド部材26が前記支軸22の軸線方向と同一方向(前後方向)に摺動自在に、かつ、摺動空間25を仕切る鍵保持部21aの内周面に対して相対回動自在に配設されている。前記摺動空間25における鍵23の先端側にはバネ27(本実施形態ではコイルバネ)が挿通されており、同バネ27は鍵23及びスライド部材26を前側に付勢している。また、鍵23の先端部は鍵保持部21aに設けられた断面円形をなす挿通孔28を介して鍵保持部21aから、図3に2点鎖線で示す位置へ突出可能になっている。なお、通常は、前記鍵保持レバー21はその自重により、図1に2点鎖線で示すように鉛直下方に垂下した状態にされ、鍵保持レバー21の基端部が金庫収容室16の底部から上方へ突出しないようにされている。
【0028】
図1に示すように、前記段部18の前部寄り位置及び金庫収容室16の底面の後部寄り位置には、第1及び第2係合突起29,30が突設されている。図6、図8に示すように、両係合突起29,30は上下方向に延びる軸部29a,30aに、その径よりも大径のヘッド部29b,30bがT字状に一体形成されている。
【0029】
前記金庫収容室16の前後方向において前記第2係合突起30を通過する直線上の所定位置には孔31が設けられており、同孔31には、払い出し装置A内に配置された図示しないソレノイドのプランジャ32が挿通可能に設けられている。前記プランジャ32は、通常は前記金庫収容室16の底面よりも下方に位置し、図示しないソレノイドが励磁されることにより上方に突出動作を行うようになっている。
【0030】
次に、払い出し装置Aの金庫収容室16に収容される紙幣金庫Bについて説明する。
図6乃至図9に示すように、紙幣金庫Bは、メインケース41と、同メインケース41に対して上下方向に移動自在に設けられたサブケース42を備えている。そして、前記メインケース41は払い出し装置Aの金庫収容室16に対して収納可能な大きさ、即ち、金庫収容室16よりも僅かに小さい略直方体状に形成され、かつ、着脱可能とされており、いわゆるカートリッジ式とされている。
【0031】
メインケース41側が備える構成について説明する。
前記メインケース41の下部において払い出し装置Aに対応する部位には、段部43がメインケース41の長手方向に沿って凹設されている。前記メインケース41の底部における段部43側(右側)には、供給口44が形成されている。本実施形態では、供給口44は、メインケース41の底板の段部側を前後方向に前後両側壁まで延びて切欠くとともに、段部43までの右側壁を同じく前後両側壁まで延びて切り欠いた構成とされている。
【0032】
また、メインケース41の上面には収納口45が形成されており、メインケース41の内部は供給口44及び収納口45側に開口した移動許容室46を形成している。尚、前記供給口44は払い出し装置Aの導入口20に対応して配置されている。
【0033】
図6乃至図9に示すように前記段部43の上側に位置するメインケース41の内部は、移動許容室46との間を内壁47にて仕切られたロック機構収納室48とされており、同収納室48には、図11及び図12に示すように、第1ロック手段としての第1ロック機構49が配設されている。第1ロック機構49は、鍵装着部50、第1〜第3連結軸51〜53、第1,第2ロックプレート54,55、リンク56、連係レバー57、及び第1,第2傘歯車58,59とから構成されている。
【0034】
前記鍵装着部50は、メインケース41の前面において固定されたケーシング50aと、同ケーシング50aに対して自身の軸心の回りで回動自在に収納されたロータ50bとから構成されている。同ロータ50bの外端面(前端面)には、短手方向(左右方向)に沿った面に露出する鍵穴60を有している(図1参照)。前記鍵穴60は、払い出し装置Aの鍵保持レバー21に取着された鍵23に相対可能に配置されており、前記鍵保持レバー21が鉛直上方へ回動された際に、鍵装着部50(ロータ50b)の外端面(前端面)が鍵保持レバー21に当接し、鍵23が前記鍵穴60に装着されるようになっている。
【0035】
前記ロータ50bの内端面(後端面)には第1連結軸51が一体に固定されている。前記第1連結軸51には、第1ロックプレート54が固設されており、同第1ロックプレート54はロータ50bの回動により、鉛直位置と水平位置との間で第1連結軸51を支点として回動可能になっている。さらに、前記内壁47において、第1ロックプレート54の回動軌跡に対応して、第1係入孔61が形成されており、第1ロックプレート54が回動された際には、前記第1係入孔61を介して第1ロックプレート54は、反ロック機構収納室48側(左側)へ突出することが可能とされている。なお、前記鉛直位置は、図11(a)に示すように、鍵23の施錠動作が行われておらず、第1ロックプレート54が鉛直方向に起立した位置であり、前記水平位置は、図11(b)に示すように、鍵23の施錠動作が完了して、第1ロックプレート54が水平状態にされた位置である。
【0036】
前記第1ロックプレート54の基端部には、前記第1連結軸51に対して偏位した第2連結軸52が設けられている。同第2連結軸52には上下方向に延びるリンク56の一端部が回動可能に軸着されており、前記リンク56の他端部には第3連結軸53が連結されている。又、第3連結軸53には連係レバー57の一端部が回動可能に連結されている。連係レバー57の他端部は、メインケース41に回動可能に支持された第1傘歯車58の回転軸58aに対して一体に連結されている。そして、前記第1ロックプレート54、リンク56、連係レバー57とにより、平行四節リンク機構が構成されている。
【0037】
この結果、鍵23の施錠動作が行われる際は、ロータ50bの回転により第1ロックプレート54、リンク56、連係レバー57を介して、第1傘歯車58は回転軸58aを中心に反時計回り方向(図11(a)、(b)において)に回動するようになっている。
【0038】
前記第1傘歯車58には、メインケース41の内頂面に対して回転自在に支持された第2傘歯車59が噛合されている。前記第2傘歯車59の上側には、第2ロックプレート55が第2傘歯車59と一体に連結されており、前記第2ロックプレート55は、第2傘歯車59が回転することにより、ロック位置とアンロック位置との間を移動する。すなわち、ロック位置の際は、図11(a)に示すように、第2ロックプレート55は内壁47を貫通する第2係入孔62を介して、反ロック機構収納室48側(左側)へ突出するようになっているとともに、アンロック位置の際は、図11(b)に示すように、内壁47より突出しないロック機構収納室48内に収納されるようになっている。
【0039】
又、第1ロックプレート54が鉛直位置の際に、第2ロックプレート55はロック位置に配置されるとともに、第1ロックプレート54が水平位置の際に第2ロックプレート55はアンロック位置に配置されるようになっている。
【0040】
図11(a)、(b)及び図13に示すように、前記メインケース41における移動許容室46と、前記鍵穴60が配されたメインケース41の前側壁41a(図1参照)の間には上下方向に延びる内壁63が設けられており、前記前側壁41aと内壁63との間は介在空間64とされている。そして、前記第1係入孔61は介在空間64に連通して形成されている。
【0041】
前記介在空間64には、支持枠65、係止プレート66、回転軸67及び第1捻りコイルバネ68とから構成されたロック許容部69が設けられている。前記支持枠65は、コ字状に形成され、内壁63に対して固着されている。前記回転軸67は、支持枠65にその両端が支持されている。前記係止プレート66と回転軸67とは一体に連結されており、同回転軸67には第1捻りコイルバネ68が挿通されている。第1捻りコイルバネ68は、一端が支持枠65に、他端が係止プレート66に係止されることにより前記係止プレート66を内壁63側(後側)に付勢する。前記係止プレート66の先端部には、突部66aが内壁63側に一体形成されており、内壁63における同突部66aに相対した位置には、貫通孔70が形成されている。
【0042】
そして、前記係止プレート66は、許容位置と規制位置との間で回転軸67を支点として回動可能とされている。即ち、許容位置では、図13で2点鎖線で示すように、第1捻りコイルバネ68の付勢力により突部66aが貫通孔70を介して移動許容室46側(後側)へ大きな突出量にて突出された状態に、前記係止プレート66は配置される。この状態では、内壁47の第1係入孔61を介して介在空間64側へ突出した第1ロックプレート54が係止プレート66の反内壁63側(前側)を通過することを許容する。
【0043】
また、規制位置では、図13で実線にて示すように、係止プレート66が第1捻りコイルバネ68の弾性力に抗して、反内壁63側(前側)へ回動配置されて、突部66aが前方へ退出する。このとき、突部66aの突出量は後記供給位置に位置するサブケース42に規制されて小さな突出量となる。そして、この状態では係止プレート66はその先端部にて水平位置にある第1ロックプレート54の移動を規制するようになっている。換言すれば、第1ロック機構49を作動不能にし、公知の錠構造であるロータ50bは鍵23の抜脱を不能にするようになっている。なお、前記係止プレート66の許容位置と規制位置間での移動の起因となる構成については後述する。
【0044】
図6、図7及び図8に示すように、移動許容室46の短手方向(左右方向)に沿った前側内側面及び後側内側面には、相対向するようにガイド凹部71が設けられている。なお、ガイド凹部71は、二枚の金属板を張り合わせ、内面側(移動許容室46側)に位置する一方の金属板の所定部分を切り除くことにより形成されている。なお、以下の説明では、ガイド凹部71の上部を仕切るとともに、下方に向いた面を備えた部分を第1面といい、ガイド凹部71の下部を仕切るとともに上方を向いた面を備えた部分を第2面という。前記ガイド凹部71の第1面及び第2面は互いに平行に配置されており、メインケース41のロック機構収納室48側(右側)から下方へ傾斜する斜状部を中央として、その左右両端にはそれぞれ水平部を備えている。以下、第1面の斜状部を第1ガイド面71aといい、第2面の斜状部を第2ガイド面71bという。そして、左端部は移動許容室46の上下方向における略中央寄りに位置しているとともに、その右端部は移動許容室46の下隅部寄りに位置している。
【0045】
図15に示すように、供給口44を挟んで対向するメインケース41の底面と、段部43の底面には、第1及び第2係合孔72,73がそれぞれ設けられている。前記第1及び第2係合孔72,73は、前記払い出し装置Aの第1及び第2係合突起29,30と対応する位置に配設されている。
【0046】
前記第1及び第2係合孔72,73は円形の離脱許容部72a,73aと、メインケース41の長手方向(前後方向)、即ち、第1ロック機構49の鍵装着部50側(前側)へ直線状に延びる保持部72b,73bとから形成されている。図16に示すように、前記係合孔72,73の保持部72b,73bの開口幅は係合突起29,30の軸部29a,30aの外径よりは若干大きく、係合突起29,30のヘッド部29b,30bの外径よりは若干小さく形成されており、離脱許容部72a,73aの開口径は、係合突起29,30のヘッド部29b,30bの外径よりも若干大きく形成されている。
【0047】
そして、第1及び第2係合突起29,30が第1及び第2係合孔72,73における保持部72b,73bの端部に係止されている場合、メインケース41は鍵保持レバー21の回動軌跡上に位置せずに、払い出し装置Aの鍵保持レバー21と干渉しないようになっている。又、前記係合突起29,30が前記係合孔72,73における離脱許容部72a,73aに係合する場合は、メインケース41は、鍵保持レバー21の回動軌跡上に位置し、その底面が鍵保持レバー21に干渉して、鍵保持レバー21の鉛直上方への回動を阻止するようになっている。
【0048】
また、メインケース41の長手方向(前後方向)において、前記第1係合孔72を通過する直線上には円形の挿入孔74が形成されている。前記挿入孔74は払い出し装置Aに配設されたプランジャ32に対応して配設されており、挿入孔74の開口径は、前記プランジャ32の外径よりも若干大きく形成されている。そして、図16(b)に示すように、挿入孔74は、第1及び第2係合突起29,30が第1及び第2係合孔72,73における保持部72b,73bの端部に係止される場合に、プランジャ32と相対し、プランジャ32が挿入可能に配置される。
【0049】
次に、サブケース42側が備える構成について説明する。
前記サブケース42は略直方体状に形成されており、前記メインケース41の収納口45に配設されているとともに、その上部には把手部80が設けられている。前記サブケース42の内部は、収納空間としての紙幣収納室81とされており、同紙幣収納室81は、メインケース41の供給口44に対応してサブケース42の右側下隅部に形成された通過口82にて下方に開口している。通過口82の近傍において、サブケース42の下側には、被覆部材83が通過口82を下側から被覆可能に、且つ移動可能に配設されている。そして、サブケース42の底板42aとともに、前記被覆部材83は通過口82側に向かうほど(右側へ向かうほど)下方に傾斜して配設されている。
【0050】
サブケース42の短手方向(左右方向)に沿った前後両側壁の外面側には一対を一組とする2組のスライドアーム85が設けられている。各組におけるスライドアーム85同士は互いに左右方向に離間して配置されている。又、サブケース42の前側壁にそれぞれ配置された各スライドアームは、後側壁に配置された各スライドアーム85に対してそれぞれ相対する位置関係に配置されている。図6及び図7に示すように、各組をなすスライドアーム85のうち、左側のスライドアーム85は、右側のスライドアーム85よりも上方に偏位して配置されているとともに同一長に形成されている。そして、両スライドアーム85の上端部はサブケース42の前後各側壁に回動可能に軸支されており、下端部は前記被覆部材83に回動可能に軸支されている。そして、前記各組のスライドアーム85及び被覆部材83にてそれぞれ平行四節リンク機構が構成されている。
【0051】
また、図6及び図10に示すように、各スライドアーム85における下端部のメインケース41側には、それぞれガイド突起86が設けられている。各組において、左方に配置されたスライドアーム85のガイド突起86はメインケース41のガイド凹部71の第1ガイド面71aに摺接可能に配置されている。又、各組において、右方に配置されたスライドアーム85のガイド突起86はメインケース41のガイド凹部71の第2ガイド面71bに対して摺接可能に配置されている。
【0052】
尚、図10において、サブケース42とメインケース41との間隔は説明の便宜上概略化されている。
そして、サブケース42が下方に移動する際には、右側のスライドアーム85のガイド突起86が、ガイド凹部71の第2ガイド面71bに摺接するため、同第2ガイド面71bにより、スライドアーム85の上端部が、サブケース42に対して時計回り方向(図6において)へ回動する。それと共に、ガイド突起86とスライドアーム85を介して一体に連結されている被覆部材83は、図6に示すような前記通過口82を下側から塞ぐ覆い位置から、図8に示すサブケース42の反通過口82側(左側)へ移動し、前記供給口44を開放状態にする開放位置へ配置される。
【0053】
又、サブケース42が上方に移動する際には、左側のスライドアーム85のガイド突起86が、ガイド凹部71の第1ガイド面71aに摺接するため、同第1ガイド面71aにより、スライドアーム85の上端部が、サブケース42に対して反時計回り方向(図8において)へ回動する。それと共に、ガイド突起86とスライドアーム85を介して一体に連結されている被覆部材83は、図8に示す通過口82を開放状態としている開放位置から、図6に示すサブケース42の通過口82側(右側)へ移動し、供給口44を閉鎖状態にする覆い位置へ配置される。
【0054】
この結果、前記スライドアーム85とガイド凹部71にて、サブケース42は、図6に示すような非供給位置と図8及び図9に示すような供給位置との間で往復移動可能とされている。なお、前記非供給位置は、被覆部材83が覆い位置となり、サブケース42がメインケース41の上面よりも突出し、前記通過口82とメインケース41の供給口44とが非相対とされ、通過口82を介してサブケース内に配設される紙幣Mの外部への取り出しを不能にする位置である。又、前記供給位置は、被覆部材83が開放位置となり、サブケース42の上面がメインケース41の上面よりも下方に位置し、前記通過口82とメインケース41の供給口44とが相対する位置のことである。
【0055】
また、図11(a)に示すように、前記サブケース42におけるロック機構収納室48側の側部(右側部)には、第2ロックプレート55に対応してスロット42cが形成されており、前記サブケース42が非供給位置に配置される際に、ロック機構収納室48から突出した第2ロックプレート55が係合されるようになっている。
【0056】
さらに、前記サブケース42が供給位置に配置される際は、図13に示すように、サブケース42における内壁63側(前側)の側壁外面42bにて、内壁63の貫通孔70を介して突出する突部66aを反サブケース42側(前側)へ押圧し、係止プレート66を規制位置(図13で実線にて示す位置)に位置するように押込み操作するようになっている。反対にサブケース42が非供給位置に配置される際は、前記側壁外面42bはロック許容部69の突部66aの突出を妨げないようにして、その突部66aを大きな突出量にて突出させ、前記突部66aを有する係止プレート66を許容位置(図13で二点鎖線にて示す位置)に位置させるようになっている。そして、本実施形態においては、サブケース42の側壁外面42b、ロック許容部69及び第1ロック機構49の第1ロックプレート54にて許容手段は構成されている。
【0057】
前記サブケース42の紙幣収納室81には、紙幣保持機構87が設けられている。前記紙幣保持機構87は、支軸88、揺動アーム89、回動軸90、及びプッシャ91から構成されている。前記支軸88は、通過口82側の側壁(右側壁)近傍に固設されており、サブケース42の長手方向(前後方向)に延びるように形成されている。一対の揺動アーム89は、略コ字状に形成されており、その基端部が支軸88に対して回動可能に支持されているとともに、その先端部が下方、即ち底板42a側を向くように屈曲形成されている。両揺動アーム89の先端部間には、回動軸90が長手方向に延びるように固設されており、前記回動軸90には板状をなすプッシャ91が回動可能に片持ち支持されている。プッシャ91の先端部は、通過口82側に向かって延出されている。
【0058】
前記支軸88には、第1及び第2の弾性部材としての第2捻りコイルバネ92が挿通されており、回動軸90には、第1の弾性部材としての第3捻りコイルバネ93が挿通されている。前記第2捻りコイルバネ92の一端はサブケース42の内面に係止されているとともに、他端は揺動アーム89の基端側に掛止されている。また、前記第3捻りコイルバネ93の一端はプッシャ91の上面に係止されているとともに、他端は揺動アーム89の先端側に掛止されている。そして、前記第2及び第3捻りコイルバネ92,93にて、プッシャ91が底板42a側、即ち、下方に付勢されているとともに、さらに第2捻りコイルバネ92にて、揺動アーム89を介してプッシャ91が通過口82側(右側)へ付勢されている。又、プッシャ91は、底板42aに当接した際に、底板42aと平行となるように、その基端部が、揺動アーム89の先端に係止するように形成されている(図6参照)。
【0059】
そして、図7に示すように、第2及び第3捻りコイルバネ92,93の付勢力に抗して、揺動アーム89の先端部を上方に回動させ、プッシャ91を上方に持ち上げることにより、前記プッシャ91と底板42aの間に両替用紙幣Mが保持可能とされている。この結果、本実施形態では、前記紙幣保持機構87とサブケース42の底板42aにて紙幣保持手段が構成されている。
【0060】
一方、図7に示すように、サブケース42の反通過口82側側部には扉口42dが設けられていると共に、前記扉口42dには扉部材94が設けられている。前記扉部材94はサブケース42の上部に設けられた支軸94aを支点として上下に開閉可能に設けられている。また、図4に示すように、前記扉部材94には施錠装置110が設けられている。前記施錠装置110は公知の構成であるため詳説はしないが、その一部を構成するロータ110aの内端には、互いに反対方向に延出された一対のレバー(図示しない)が固定され、各レバーにサブケース42の長手方向において互いに反対方向へ延びる長尺状の一対の係止アーム110bが回動自在に支持されている。そして、図示しない鍵が挿入され、ロータ110aがその軸心を中心に図4において、時計回り方向に回動されると、各係止アーム110bの先端部が扉口42d周縁のサブケース42内側面内にそれぞれ係入されることにより、扉部材94の開放を不能とする施錠状態(図4で実線で示す)となる。又、図示しない鍵を介して、ロータ110aがその軸心を中心に図4において、反時計回り方向に回動されると、各係止アーム110bの先端部がサブケース42内側面から離脱して扉部材94の裏面側に退避し、扉部材94が開放可能となる解錠状態(図4で2点鎖線で示す)となる。なお、図6乃至図9においては前記施錠装置110は省略されている。
【0061】
図14に示すように、前記紙幣収納室81には、第2ロック手段としての第2ロック機構95が設けられている。第2ロック機構95は、押込みノブ96、筒体97、当接ピン98、収納ケース99、摺動部材100等から構成されている。前記押込みノブ96の上部はサブケース42上面よりも突出するように配設されており、前記押込みノブ96の下部には筒体97が固設されている。前記筒体97は略四角筒状に形成されており、その下端部には、下方に延出され、互いに対向配置された一対の突片97aが二股状に一体形成されている。そして、前記両突片97aの先端部間には、当接ピン98が架設されている。
【0062】
前記筒体97の下側には、サブケース42の右側壁、即ち、紙幣収納室81の内面に固定された収納ケース99が設けられている。そして、前記筒体97内であって、収納ケース99と押込みノブ96の間には、押込みノブ96を上方に付勢するバネ103が介挿されている。本実施形態では、バネ103はコイルバネにて形成されている。前記収納ケース99にはサブケース42の右側壁側に向かって開口する収容部99aが設けられており、同収容部99aには、その上部にカム面100aを有する摺動部材100が摺動可能に配設されている。
【0063】
一方、収納ケース99の前後両側壁には前記収容部99aに連通するように上下方向に延びる長孔102が貫通形成されている。そして、同長孔102内に前記当接ピン98が摺動可能に挿通されているとともに、当接ピン98は摺動部材100のカム面100aに対して当接している。この結果、当接ピン98が長孔102にて許容される上下移動範囲内で、そのカム面100aを介して押圧することにより摺動部材100を移動させるようになっている。
【0064】
また、前記摺動部材100と、収容部99aの反開口側(左側)側面との間には、摺動部材100を開口側に付勢するバネ104が介挿されている。そして、通常バネ104は、その弾性力にて、摺動部材100をサブケース42の右側壁の挿通孔108を介してメインケース41側(右側)に突出させるとともに、カム面100aに当接する当接ピン98を長孔102の上端部に係止させている。また、メインケース41における内壁47の上部であり、摺動部材100の突出部位に相対する位置には、第1係止孔106が設けられている。そして、摺動部材100が同第1係止孔106に係止保持されることにより、サブケース42は前記非供給位置にて保持されるようになっている。さらに、サブケース42が供給位置に位置したときに、前記第1係止孔106の下方において挿通孔108に相対する位置には、第2係止孔107が設けられている。そして、同第2係止孔107は、サブケース42が供給位置に配置された際に、摺動部材100が同第2係止孔107に係止保持されることにより、サブケース42は供給位置にて保持されるようになっている。
【0065】
なお、図5において、105は、メインケース41の側面に設けられた紙幣残量センサ(図示しない)用のセンサ孔である。
次に上記のように構成された払い出し装置A及び紙幣金庫Bの作用を説明する。
【0066】
まず、紙幣金庫Bをバスに搭載された払い出し装置Aの金庫収容室16に設置する場合について説明する。
まず、銀行等で、非供給位置に配置されているサブケース42に対して、図7に示すように、施錠装置110を解錠してサブケース42の扉部材94を開放する。その後、揺動アーム89を第2及び第3捻りコイルバネ92,93の弾性力に抗して持ち上げ、紙幣保持機構87のプッシャ91とサブケース42の底板42aの間に札束状とされている例えば千円札等の複数の両替用紙幣Mを押圧保持させる。この後、扉部材94を閉め、施錠装置110を施錠した後、バスの乗務員は両替用紙幣Mが収納された紙幣金庫Bを払い出し装置Aまで運搬する。このとき、被覆部材83は覆い位置とされ、通過口82を閉鎖しているため、サブケース42内に配置された両替用紙幣Mが外部から視認されることはない。
【0067】
又、被覆部材83を覆い位置から開放位置へ、メインケース41の供給口44を介して外部から無理に移動操作させようとしても、開放位置への移動は、サブケース42が供給位置へ移動しない限り、不能とされる。一方、このサブケース42自体は、図11(a)に示すように第2ロックプレート55がスロット42c内に係入したロック位置に位置しているため、同第2ロックプレート55にて被供給位置に保持されている。さらに、第2ロックプレート55を有する第1ロック機構49は鍵23が装着されていないため作動不能にされている。従って、結局、被覆部材83は外部からの開放位置への外部操作が不能となっており、開放位置へ移動することは確実にない。
【0068】
この結果、前記通過口82及びメインケース41の供給口44を介して両替用紙幣Mが外部へ取り出されることはない。又、前述のように第1ロック機構49の第2ロックプレート55がロック位置とされ、サブケース42のスロット42cに係合されているため、第2ロック機構95の押込みノブ96を押圧してもサブケース42が下方に摺動することはない。
【0069】
そして、メインケース41を払い出し装置Aに設置する場合は、まず、図16(a)に示すように、メインケース41における第1及び第2係合孔72,73の離脱許容部72a,73aを第1及び第2係合突起29,30に係合させる。この状態では、鍵保持レバー21はメインケース41の下側に垂下状態で位置しており、メインケース41が前記鍵保持レバー21の回動軌跡上に位置しているため、その底面にて鉛直上方への回動は規制される。
【0070】
そして、図16(b)に示すように、メインケース41を反鍵保持レバー21側(後側)へスライド移動させる。即ち、前記第1及び第2係合突起29,30の軸部29a,30aと第1及び第2係合孔72,73の保持部72b,73bを相対移動させ、軸部29a,30aを前記保持部72b,73bの端部にて係止させる。すると、前記メインケース41の底面が鍵保持レバー21の回動軌跡上には位置しなくなり、前記鍵保持レバー21は鉛直上方への回動が可能となる。そして、垂下状態にある鍵保持レバー21を支軸22を支点として鉛直上方に回動させ、同鍵保持レバー21の鍵23がメインケース41の鍵装着部50に相対するように配置させる。
【0071】
次いで、鍵保持レバー21において、図3に示すように、鍵23をスライド部材26と共に前記鍵装着部50の鍵穴60へ、バネ27の弾性力に抗して押圧する。そして、前記鍵23を反時計回り方向(図11(a)、(b)において)に回動させる。
【0072】
すると、第1ロック機構49において、ロータ50bを介して第1連結軸51が回動される。これに伴って、図8(b)に示すように、鉛直位置にあった第1ロックプレート54は、第1連結軸51を支点として回動され、第1係入孔61を介して介在空間64側(左側)へ突出する。このとき、サブケース42は非供給位置に配置されているため、その側壁外面42bにて係止プレート66の突部66aに対して干渉せず、ロック許容部69の係止プレート66は、図13で2点鎖線で示すように、第1捻りコイルバネ68の付勢力により許容位置とされている。この結果、前記第1ロックプレート54は、係止プレート66の反内壁63側(前側)を通過して、水平位置に配置される。
【0073】
一方、第1ロックプレート54の回動により、リンク56、連係レバー57、を介して前記第1傘歯車58、第2傘歯車59が回動される。この結果、第2傘歯車59と一体にされた第2ロックプレート55は、ロック位置からアンロック位置へと移動する。即ち、サブケース42のスロット42cと第2ロックプレート55の係合状態が解除される。
【0074】
その後、押込みノブ96を下方に押込み操作する(図14参照)。すると、バネ103の弾性力に抗して、前記押込みノブ96に連結された筒体97は下がり、当接ピン98が長孔102内を下方に摺動する。そして、当接ピン98の下動により、カム面100aを介して摺動部材100は、バネ104の付勢力に抗して収容部99aの反開口側(左側)へ移動し、係合関係にあったメインケース41の第1係止孔106から離脱する。
【0075】
この状態で、サブケース42は下方に移動可能となり、前記押込みノブ96を押込み操作したままで、前記サブケース42を押し下げる。すると、図8に示すように、右側のスライドアーム85のガイド突起86がガイド凹部71の第2ガイド面71bに摺接して斜め下方に移動する。このため、前記スライドアーム85の上端部がサブケース42に対して時計回り方向(図6において)へ回動する。これに伴い、各スライドアーム85の下端部に連結された被覆部材83も、覆い位置から開放位置へ移動する。
【0076】
そして、押込みノブ96に対しての押込み操作を解除して、前記第2ロック機構95の摺動部材100をメインケース41の第2係止孔107に係合させる。このようにして、サブケース42の供給位置への移動配置は完了し、図9に示すように、サブケース42の通過口82からメインケース41の供給口44を介して払い出し装置Aの導入口20へ両替用紙幣Mの供給が可能になる。その後、払い出し装置Aの蓋部材17を閉鎖し、メインケース41を蓋部材17にて覆い紙幣払い出し装置Aは使用状態とされる。
【0077】
このとき、図13に示すように、前記サブケース42が非供給位置から供給位置に移動する間は、内壁63の貫通孔70を介して移動許容室46側(後側)へ突出した係止プレート66の突部66aは、側壁外面42bにて、を反サブケース42側(前側)へ押込まれ、係止プレート66を許容位置から規制位置に配置する。このため、鍵保持レバー21の鍵23を回動操作し、水平位置にある第1ロックプレート54を鉛直位置へ回動させようとしても、係止プレート66の先端部に第1ロックプレート54が干渉し、同第1ロックプレート54の回転が規制される。従って、サブケース42が供給位置に配置された際は、前記係止プレート66にて鍵23の回動操作及び抜脱が不能になり、さらには、鍵23が取着された鍵保持レバー21が払い出し装置Aに固定されているため、紙幣金庫Bの払い出し装置Aからの離脱が不能となる。
【0078】
また、サブケース42が供給位置に配置された状態において、両替用紙幣Mを保持するプッシャ91は、第2及び第3捻りコイルバネ92,93にて、底板42a方向(即ち、両替用紙幣Mを押圧保持する方向)に付勢されているとともに、第2捻りコイルバネ92にて揺動アーム89を介して通過口82側に付勢されている。このため、両替用紙幣Mは、前記プッシャ91とサブケース42の底板42a間にて確実に挟持されるとともに、前記プッシャ91にて通過口82側へ押し出される。この結果、図示しない払い出し機構に備えられたローラ(図示しない)は紙幣金庫Bからの両替用紙幣Mの受け取りがし易くなり、スムーズに紙幣Mは、払い出し機構側へ送出される。
【0079】
さらに、前記サブケース42が供給位置に配置された状態において、例えば、両替用紙幣Mがなくなった場合は、図示しない紙幣残量センサによりメインケース41の下部に設けられたセンサ孔105を介してその状態が検出され、払い出し装置Aに付設された報知装置(図示しない)を介して乗務員に報知される。
【0080】
次に、業務が終了し、紙幣金庫Bを再び持ち運ぶ場合について説明する。
紙幣金庫Bを払い出し装置Aの金庫収容室16から取り外す際は、まず、第2ロック機構95の押込みノブ96を下方に押込み操作し、第2ロック機構95の摺動部材100とメインケース41の第2係合孔73との係合状態を解除する。そして、前記押込みノブ96を押込み操作したままで、供給位置にあるサブケース42を持ち上げる。
【0081】
すると、サブケース42の側壁に取り付けられた左側のスライドアーム85のガイド突起86がガイド凹部71の第1ガイド面71aに摺接して斜め上方に摺動する。このため、前記スライドアーム85の上端部がサブケース42に対して反時計回り方向(図8において)へ回動する。これに伴い、各スライドアーム85に連結された被覆部材83も開放位置から、覆い位置へ移動し、通過口82を下側から閉鎖する。
【0082】
そして、押込みノブ96に対しての押込み操作を解除して前記第2ロック機構95の摺動部材100をメインケース41の第1係止孔106に係合させる。この結果、サブケース42の非供給位置への移動配置は完了する。
【0083】
このとき、サブケース42の非供給位置への移動により、係止プレート66における突部66aのサブケース42側への突出を妨げるものがなくなる。このため、第1捻りコイルバネ68の付勢力にて前記突部66aは大きな突出量にて移動許容室46側(後側)へ突出し、サブケース42の側壁外面42bにて規制位置に配置されていた係止プレート66は許容位置に配置される。この結果、前記係止プレート66にてその回動が規制されていた第1ロックプレート54も回動可能となる。
【0084】
その後、図11(a)に示すように、鍵保持レバー21に取着された鍵23を時計回り(図11(a)、(b)において)に回動操作する。すると、第1連結軸51を支点として、第1ロックプレート54は回動され、再び係止プレート66の反サブケース42側(前側)を通過して、水平位置から鉛直位置に配置される。また、リンク56、連係レバー57、第1傘歯車58、第2傘歯車59を介して第2ロックプレート55は、アンロック位置からロック位置へと移動する。即ち、サブケース42のスロット42cに再び第2ロックプレート55が係合される。
【0085】
次いで、鍵保持レバー21の鍵23を鍵穴60から抜き外し、前記鍵保持レバー21を、鉛直下方に回動させる。そして、メインケース41を鍵保持レバー21側(前側)へスライド移動させる。即ち、前記第1及び第2係合突起29,30と第1及び第2係合孔72,73の保持部72b,73bを相対移動させ、第1及び第2係合突起29,30を第1及び第2係合孔72,73の離脱許容部72a,73aに配置させる。そして、前記第1及び第2係合突起29,30を第1及び第2係合孔72,73の離脱許容部72a,73aから抜き外すことで、メインケース41は払い出し装置Aから取り外され、乗務員は紙幣金庫Bを外部へ持ち運び可能となる。
【0086】
なお、前記サブケース42が供給位置の際、即ち、サブケース42から通過口82及び供給口44を介して払い出し装置Aの導入口20に紙幣Mを供給している間に、紙幣Mの紙詰まり等の異常事態が発生した場合、払い出し装置A内に配置された紙幣M詰まり検出器(例えば、紙幣Mが移動する軌跡内に配置され、移動軌跡上で詰まった紙幣Mを検出する光学センサ等)が検出作動して、図示しないソレノイドが励磁され、払い出し装置A内からプランジャ32が突出し、メインケース41の挿入孔74に係合される。そして、紙幣Mの紙詰まりが解消されない間は、例えサブケース42を非供給位置に配置し、鍵保持レバー21に取着された鍵23をメインケース41から抜き外しても、払い出し装置Aの係合突起29,30がメインケース41の離脱許容部72a,73aに配置されず、保持部72b,73bに係合されたままになる。この結果、紙詰まり状態等の異常時においては、メインケース41は払い出し装置Aから取り外し不能となるため、例えば、外部から視認可能な位置に両替用紙幣Mが詰まったまま紙幣金庫Bが持ち運ばれるおそれもない。
【0087】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、両替用紙幣Mを収納するサブケース42を備えた紙幣金庫Bが払い出し装置Aに対して着脱可能であり、前記サブケース42は、紙幣金庫Bの運搬時には、サブケース42から紙幣を送出するための開口部分である通過口82が被覆部材83で閉鎖された非供給位置となり、さらに、前記被覆部材83は開放位置への移動が不能とされるため、外部から両替用紙幣Mは視認不能、且つ供給口44を介しての取出し不能となる。従って、従来と異なり、乗務員が両替用紙幣Mに一切触れる必要がなくなり、且つ払い出し装置Aに対して安全に両替用紙幣Mの設置及び持ち運びができる。
【0088】
(2)上記実施形態では、サブケース42の下側に配設された被覆部材83は、同被覆部材83に連結されたスライドアーム85のガイド突起86とガイド凹部71との摺接により、サブケース42が供給位置に配置される際には、通過口82と供給口44並びに導入口20の連通の妨げとならないように、開放位置に移動され、サブケース42が非供給位置に配置される際には、覆い位置となり通過口82を下側から閉鎖するため、紙幣金庫Bの持ち運び時における両替用紙幣Mの視認不能な状態、及び払い出し装置設置時における紙幣供給可能な状態を容易に実現できる。
【0089】
(3)上記実施形態では、払い出し装置A側の鍵保持レバー21に離脱不能に取付けられた鍵23が回動操作されて、第2ロックプレート55がスロット42cから離脱し、サブケース42は非供給位置からの移動及び被覆部材83の覆い位置からの移動が可能になるため、運搬時等の払い出し装置A以外の場所でサブケース42が供給位置、換言すれば、被覆部材83が開放位置に配されることはなく紙幣金庫Bの安全性を高めることができる。
【0090】
(4)また、第1ロック機構用の鍵23は、前記鍵保持レバー21から離脱不能に取り付けられていたため、乗務員が鍵23を持ち歩く場合と異なり、鍵23の紛失のおそれもない。
【0091】
(5)上記実施形態では、サブケース42が供給位置に配された際には、ロック許容部69の係止プレート66が前記サブケース42の側壁外面42bにて、規制位置に配置され、第1ロック機構49の第1ロックプレート54の回動を規制する一方、サブケース42が非供給位置に配置された際には、前記係止プレート66は、第1ロックプレート54の回動を許容する許容位置に配置される。このため、供給位置では第1ロック機構49に連結された鍵23の回動操作が不能となり、さらには、紙幣金庫Bの払い出し装置Aからの取り外しが不能となるため、サブケース42が供給位置のままで紙幣金庫Bが持ち運ばれることは確実にない。
【0092】
(6)上記実施形態では、第2ロック機構95の押込みノブ96を押込み操作することにより、同第2ロック機構95の摺動部材100はメインケース41の第1又は第2係止孔106,107から離脱し、サブケース42は移動可能となり、供給位置若しくは非供給位置にて再び、前記摺動部材100は第1又は第2係止孔106,107に係合保持される。このため、サブケース42の前記両位置での位置決めを容易に且つ確実に行うことができる。
【0093】
(7)上記実施形態では、両替用紙幣Mを保持するプッシャ91は、第2及び第3捻りコイルバネ92,93にて、底板42a側(下側)に付勢されているとともに、第2捻りコイルバネ92にて揺動アーム89を介して通過口82側に付勢されている。このため、前記プッシャ91とサブケース42の底板42a間に挟持される両替用紙幣Mをスムーズに払い出し装置Aの導入口20側へ供給できる。
【0094】
(8)上記実施形態では、払い出し装置Aに対して着脱可能とした紙幣金庫Bを払い出し装置Aの金庫収容室16に収容配置し、前記紙幣金庫Bを蓋部材17にて覆ったため、前記紙幣金庫Bを払い出し装置Aの外部に取付ける場合と比較して、安全に払い出し装置Aに保持することができる。
【0095】
なお、上記実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
・上記実施形態では、払い出し装置Aの段部18に対して軸支した鍵保持レバー21に第1ロック機構用の鍵23を離脱不能に取着したが、前記鍵保持レバー21を設けず、払い出し装置Aにチェーン等で第1ロック機構用の鍵23を備え付けてもよい。このようにしても、運搬時等の払い出し装置A以外の場所でサブケース42が供給位置に配されることはない。また、前記第1ロック機構用の鍵23を乗務員が持ち歩くようにしてもよい。
【0096】
・上記実施形態では、サブケース42を非供給位置で保持するためにメインケース41に第1ロック機構49を設け、サブケース42に第1ロック機構49の第2ロックプレート55と係合可能なスロット42cを形成したが、前記第1ロック機構49及びスロット42cを設けなくてもよい。このようにした場合は、払い出し装置A側に設けられた鍵保持レバー21も必要なくなる。
【0097】
・また、サブケース42を非供給位置にて固定保持するために、メインケース41にスロット42cを設け、サブケース42に前記スロット42cに係合可能なロックプレート55を備えた第1ロック手段としてのロック機構を設けてもよい。
【0098】
・上記実施形態では、サブケース42を供給位置及び非供給位置で位置決め保持するためにサブケース42内に第2ロック機構95を設け、メインケース41に第1及び第2係止孔106,107を設けたが、前記第2ロック機構95及び両係止孔106,107を設けなくてもよい。また、第2ロック機構95をメインケース41側に設け、第1及び第2係止孔106,107をサブケース42側に設けてもよい。
【0099】
・上記実施形態では、サブケース42が供給位置に配され、第1ロック機構49の第1ロックプレート54が水平位置に配された際に、同第1ロックプレート54の回動を規制するロック許容部69を設けたが、前記ロック許容部69を設けなくてもよい。このようにした場合は、第1ロック機構49の第1ロックプレート54も必要なくなる。
【0100】
・上記実施形態では、紙幣保持機構87のプッシャ91を通過口側及び底板42a側へ第2及び第3捻りコイルバネ92,93にて付勢していたが、両捻りコイルバネ92,93を設けず、前記プッシャ91と紙幣保持機構87の保持アームの自重にて両替用紙幣Mを保持する構成にしてもよい。
【0101】
・上記実施形態では、上下動することにより、サブケースは供給位置及び非供給位置に配置されたが、側方へ往復動することで供給位置及び非供給位置に配置される構成にしてもよい。
【0102】
・上記実施形態では、供給口44はメインケース41の底板の段部側を前後方向に前後両側壁まで延びて切欠くとともに、段部43までの右側壁を同じく前後両側壁まで延びて切り欠いた構成とされていたが、メインケース41の底板の段部側のみを切欠いた構成としてもよいし、メインケース41の段部43までの右側壁のみを切欠いた構成としてもよい。
【0103】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、紙幣が収納されるサブケースは非供給位置においては供給口から紙幣の外部への取り出しが不能となるため、紙幣払い出し装置に対して安全に両替用紙幣の設置及び持ち運びができる。
【0104】
本発明によれば、非供給位置では、サブケースの通過口が被覆部材で閉鎖されることにより、紙幣金庫の持ち運び時における供給口からの紙幣の取り出し不能な状態は容易に実現できる。
【0105】
本発明によれば、サブケースを非供給位置にて固定保持する第1ロック手段を備えたため、第1ロック手段を解除しない限り持ち運び時に誤ってサブケースが供給位置に配されることはない。
【0106】
本発明によれば、第1ロック手段を外部からの鍵が装着されることによってサブケースの非供給位置からの移動を許容する構成にしたため、払い出し装置用紙幣金庫の安全性を高めることができると共に、例えば、第1ロック手段用の鍵を払い出し装置に固定しておけば、運搬時にサブケースが誤って供給位置に配されることは確実にない。
【0107】
本発明によれば、サブケースが供給位置に配された状態では、許容手段にて前記第1ロック手段は作動不能にされ、非供給位置にて第1ロック手段は作動可能とされるため、例えば、第1ロック手段用の鍵を払い出し装置に固定しておけば、供給位置のままで、払い出し装置用紙幣金庫が持ち運ばれることは確実にない。
【0108】
本発明によれば、第2ロック手段にてサブケースを供給位置及び非供給位置にてサブケースを固定保持するため、両位置での位置決めを容易に行うことができる。
【0109】
本発明によれば、第1の弾性部材にて紙幣を押圧保持し、第2の弾性部材にて紙幣を通過口側へ付勢しているため、サブケースを供給位置に配置した際に、スムーズに通過口並びに供給口側へ紙幣の供給ができる。
【0110】
本発明によれば、カートリッジ式の払い出し装置用紙幣金庫は払い出し装置の収容室に収容されるため、前記金庫を払い出し装置の外部に取付ける場合と比較して、安全に保持することができる。
【0111】
本発明によれば、払い出し装置用紙幣金庫を紙幣払い出し装置に設置して始めて第1ロック手段がロック解除されることになるため、前記紙幣金庫の運搬時にサブケースが誤って供給位置に配されることは確実にない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態における払い出し装置用金庫及び紙幣払い出し装置を示す分解斜視図。
【図2】 同じく紙幣払い出し装置を示す正面図。
【図3】 同じく鍵保持部材を示す要部断面図。
【図4】 同じく払い出し装置用紙幣金庫を示す側面図。
【図5】 同じく払い出し装置用紙幣金庫を示す背面図。
【図6】 同じく非供給位置ある払い出し装置用紙幣金庫の内部構造を示す断面図。
【図7】 同じく紙幣が補充される際の払い出し装置用紙幣金庫の内部構造を示す断面図。
【図8】 同じく供給位置の際のスライドアームの配置位置を示す断面図。
【図9】 同じく供給位置ある払い出し装置用紙幣金庫のサブケース内を示す断面図。
【図10】 同じくスライドアームを示す概略断面図。
【図11】 同じく(a)、(b)は第1ロック手段を示す断面図。
【図12】 同じく第1ロック手段を示す概略図。
【図13】 同じく許容手段を示す断面図。
【図14】 同じく第2ロック手段を示す断面図。
【図15】 同じく払い出し装置用紙幣金庫の底面を示す底面図。
【図16】 同じく(a),(b)は係合突起と係合孔の組み付け状態を示す概略図。
【符号の説明】
16…金庫収容室、21…鍵保持レバー(鍵保持部材)、23…鍵、41…メインケース、42…サブケース、42a…底板(紙幣保持手段)、42b…側壁外面(許容手段)、44…供給口、49…第1ロック機構(第1ロック手段)、50…鍵装着部、54…第1ロックプレート(許容手段)、69…ロック許容部(許容手段)、81…紙幣収納室、82…通過口、83…被覆部材、87…紙幣保持機構(紙幣保持手段)、92…第2捻りコイルバネ(第1,第2の弾性部材)、93…第3捻りコイルバネ(第1の弾性部材)、95…第2ロック機構(第2ロック手段)。
Claims (8)
- 複数の紙幣を収納する収納空間を備え、同紙幣の通過を許容する通過口を備えたサブケースと、
紙幣を外部へ供給するための供給口を備え、前記サブケースを前記通過口と前記供給口とが連通しない非供給位置と、前記通過口と前記供給口とが連通する供給位置との間を移動自在に支持するメインケースとを含み、
前記非供給位置に前記サブケースが位置する際には、前記供給口から同紙幣の外部への取り出しを不能にしたことを特徴とする払い出し装置用紙幣金庫。 - 前記サブケースにおける通過口の近傍には、該サブケースが前記供給位置の際には前記通過口の開放を許容し、該サブケースが前記非供給位置の際には通過口を閉鎖する被覆部材が設けられている請求項1に記載の払い出し装置用紙幣金庫。
- 前記メインケース又は前記サブケースのうち少なくともいずれか一方には、前記サブケースを前記メインケースに対して前記非供給位置にて固定保持する第1ロック手段が設けられている請求項1又は請求項2に記載の払い出し装置用紙幣金庫。
- 前記第1ロック手段は、外部からの鍵を装着可能な鍵装着部に連係されており、前記鍵装着部に鍵が装着されていない非装着状態で、前記サブケースをメインケースに対して非供給位置にて固定保持するものであることを特徴とする請求項3に記載の払い出し装置用紙幣金庫。
- 前記第1ロック手段の近傍には、前記サブケースが前記供給位置に配置される際には前記第1ロック手段を作動不能とし、前記サブケースが前記非供給位置に配置される際のみに前記第1ロック手段の作動を許容する許容手段が設けられている請求項3又は請求項4に記載の払い出し装置用紙幣金庫。
- 前記メインケース又は前記サブケースのうち少なくともいずれか一方には、前記サブケースを前記メインケースに対して前記供給位置及び前記非供給位置の両位置で位置決め保持する第2ロック手段が設けられている請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の払い出し装置用紙幣金庫。
- 前記サブケース内には、底板と該底板上の紙幣を挟んで保持するプッシャと該プッシャを回動可能に支持する揺動アームとから構成される紙幣保持機構を備え、
前記紙幣保持機構には更に、第2捻りコイルバネを前記揺動アームの基端部に回動可能に固設された支軸に挿通するとともに、第3捻りコイルバネを前記揺動アームの先端部と前記プッシャの先端部とを揺動可能に支持する回動軸に挿通し、
前記第2捻りコイルバネ及び前記第3捻りコイルバネにて、前記プッシャを前記底板側へ付勢するとともに、前記第2捻りコイルバネにて、前記揺動アームを介して前記プッシャを前記通過口側へ押し出すように付勢する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の払い出し装置用紙幣金庫。 - 請求項1〜請求項7のうちいずれか1項に記載の払い出し装置用紙幣金庫を収容可能な金庫収容室を備えた紙幣払い出し装置。
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