JP4734676B2 - 紙幣払い出し装置及び払い出し装置用紙幣金庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両替用の紙幣を払い出すための紙幣払い出し装置に対して着脱可能に構成された紙幣金庫及び、同紙幣金庫が収容される紙幣払い出し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、バス等に備えられる運賃箱には、乗客が所有する現金を両替するための両替機能が備えられている。そして、例えば、1万円札や五千円札等の高額紙幣が両替される場合に対応して、両替用の紙幣としての例えば千円札を払い出す紙幣払い出し装置が前記運賃箱に取り付けられたものも知られている。
【0003】
この紙幣払い出し装置に対して、両替用の千円札を補充等する場合は、バスの乗務員が乗車時に両替用の千円札の札束を袋等に入れて、そのまま持ち運ぶ。そして、紙幣払い出し装置に予め固設されている紙幣収納ケースに挿入設置する。このようにして、紙幣払い出し装置に両替用の千円札は使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来において、乗務員が両替用の紙幣の札束をそのまま持ち運び、紙幣払い出し装置の紙幣収納ケースに補充作業をするため、車両にまで持ち運ぶ間に両替用の紙幣が紛失してしまったり、盗難等のおそれが生じ、紙幣の持ち運びの際におけるセキュリティに不安がある。
【0005】
このため、前記紙幣収納ケースを紙幣金庫として紙幣払い出し装置に対して着脱可能なカートリッジ式にして、紙幣を乗務員に一切触らせないようにすることが考えられる。しかし、このようにした場合、紙幣のセキュリティの問題は解決されるが、紙幣払い出し装置に別部材である紙幣金庫を取り付けるため、走行時の振動にて紙幣金庫が揺れ、内部に収納される紙幣がスムーズに紙幣払い出し装置に供給されないというおそれが生じる。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、振動に影響されることなく、紙幣金庫から紙幣をスムーズに供給させることができ、且つ容易に紙幣金庫を取着できる紙幣払い出し装置、及び振動に影響されることなく紙幣を紙幣払い出し装置にスムーズに供給でき、且つ容易に紙幣払い出し装置へ取着できる払い出し装置用紙幣金庫を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、装置本体に対して着脱可能に取付けられる紙幣金庫を備えた紙幣払い出し装置であって、
前記装置本体及び前記紙幣金庫の互いに相対する相対面のいずれか一方には係合部を設け、他方には、該係合部との係合が解除される離脱位置、及び前記紙幣金庫の前記装置本体に対する取着位置との間において、装置本体と紙幣金庫の所定方向の相対移動を許容する被係合部を設け、
前記装置本体及び前記紙幣金庫の互いに相対する相対面の少なくともいずれか一方には、前記紙幣金庫の前記装置本体からの、相対面が離間する方向への離脱を防止する第1の移動防止手段と、
前記紙幣金庫が取着位置に位置する際、その位置に保持するとともに、前記紙幣金庫の取り外しする際には、その保持を解除する第2の移動防止手段を設け、
前記被係合部は、係止フランジを有する係合突起であり、前記係合部は、該係合突起を係止保持するとともに、同突起との相対移動を許容する保持部と、係合突起の離脱を許容する離脱許容部とから構成された係合孔であり、
前記第1の移動防止手段は、前記係止フランジと、同係止フランジと係合して、前記両相対面が離間する方向への離脱を防止する保持部とを含む、ことを要旨とする。
【0008】
請求項7に記載の発明は、
装置本体に対して着脱可能に取付けられる紙幣金庫を備えた紙幣払い出し装置であって、
前記装置本体及び前記紙幣金庫の互いに相対する相対面に連続して形成された前記装置本体の側面及び前記紙幣金庫の側面の少なくともいずれか一方には係合部を設け、他方には、該係合部との係合が解除される離脱位置、及び前記紙幣金庫の前記装置本体に対する取着位置との間において、装置本体と紙幣金庫の所定方向の相対移動を許容する被係合部を設け、
前記装置本体及び前記紙幣金庫の互いに相対する相対面に連続して形成された前記装置本体の側面及び前記紙幣金庫の側面の少なくともいずれか一方には、前記紙幣金庫の前記装置本体からの、相対面が離間する方向への離脱を防止する第1の移動防止手段と、
前記紙幣金庫が取着位置に位置する際、その位置に保持するとともに、前記紙幣金庫の取り外しする際には、その保持を解除する第2の移動防止手段を設け、
前記被係合部は、係止フランジを有する係合突起であり、前記係合部は、該係合突起を係止保持するとともに、同突起との相対移動を許容する保持部と、係合突起の離脱を許容する離脱許容部とから構成された係合孔であり、
前記第1の移動防止手段は、前記係止フランジと、同係止フランジと係合して、前記両相対面が離間する方向への離脱を防止する保持部とを含む、
ことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、
前記装置本体には、前記紙幣金庫に備えられた鍵装着部に対して装着可能な鍵を有する鍵保持部材が設けられ、同鍵保持部材は、前記紙幣金庫が取着位置に位置する際に、前記鍵装着部に対して相対する位置に、前記紙幣金庫を離脱位置に位置させる場合には、待避位置へ移動自在に支持されており、
前記第2の移動防止手段は、前記鍵保持部材にて構成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記鍵保持部材は、前記装置本体に対して固設された支軸にて回動可能に取着されるとともに、前記係合部と前記被係合部との相対移動方向に対して直交する仮想平面に面して配置され、前記紙幣金庫には、同紙幣金庫が離脱位置に配置されるときに前記鍵保持部材の回動を規制する回動規制部が設けられていることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1において、前記装置本体には、前記係合部と前記被係合部とが取着位置にて係合保持された状態で、前記紙幣金庫の異常時に、前記係合部と前記被係合部とを離脱不能にするロック部が備えられていることを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記装置本体(10)の金庫収容室(16)よりも僅かに小さい略直方体状に形成され、かつ、着脱可能なメインケースを備え、
同メインケースには、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の紙幣払い出し装置に設けられる被係合部又は係合部に相対し、互いの係合が解除される離脱位置及び係合保持される取着位置との間で、所定方向の相対移動を許容する係合部又は被係合部と、
紙幣払い出し装置からの離脱を防止する第1の移動防止手段と、
前記紙幣払い出し装置に設けられた第2の移動防止手段に相対した保持手段とを備えた払い出し装置用紙幣金庫であることを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記メインケース内には、紙幣を保持する紙幣保持手段と弾性部材が設けられ、前記紙幣保持手段は弾性部材にて紙幣を押圧保持するように付勢されていることを要旨とする。
【0014】
(作用)請求項1又は請求項7の発明によれば、装置本体に対して紙幣金庫を取着する際には、装置本体又は紙幣金庫の係合部を他方の被係合部に対して離脱位置から取着位置へ相対移動させ、第1の移動防止手段にて紙幣金庫及び装置本体の両相対面が離間する方向への離脱を防止させた後、第2の移動防止手段にて取着位置に保持させることにより、紙幣金庫は装置本体に対して何れの方向にも揺れ動くことなく容易に固定される。又、第2の移動手段の保持を解除し、係合部と被係合部を取着位置から離脱位置へと相対移動させると、第1の移動防止手段は互いの相対面が離間することを許容し、紙幣金庫は容易に取り外される。
【0015】
更に請求項1又は請求項7の発明によれば、係止フランジと保持部とにより、取着位置において紙幣金庫と装置本体の互いの相対面が離間する方向への離脱防止が容易に実現される。
【0016】
請求項2の発明によれば、装置本体の鍵保持部材に備えられた鍵を紙幣金庫の鍵装着部に装着することにより、紙幣金庫の取着位置における保持が容易に実現される。また、鍵を鍵装着部から抜き外して、鍵保持部材を待避位置に移動させることにより、紙幣金庫の保持解除も容易に実現される。
【0017】
請求項3の発明によれば、鍵保持部材は、係合部と被係合部の相対移動方向に対して直交する仮想平面に面して配置されるため、紙幣金庫が装置本体に対して正常に設置されていない状態、即ち、離脱位置では、回動規制部にて鍵保持部材の回動は規制される。従って、紙幣金庫が装置本体に対して誤装着されたまま使用されることはない。
【0018】
請求項4の発明によれば、払い出し装置用紙幣金庫の異常時には、ロック部にて前記紙幣金庫は装置本体から取り外しが不能にされるため、異常時にもかかわらず無理に紙幣金庫が取り外されることはない。
【0019】
請求項5の発明によれば、請求項1と同様の作用を奏す。請求項6の発明によれば、紙幣金庫のメインケース内では、紙幣が紙幣保持手段を介して弾性部材にて押圧保持されているため、紙幣は車両側からの振動が紙幣金庫にあったとしても、振動の影響を受けない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をバスの運賃箱に設置される紙幣払い出し装置及び同紙幣払い出し装置に用いられる払い出し装置用紙幣金庫に具体化した一実施形態を図1〜図16に従って説明する。
【0021】
まず、紙幣払い出し装置の構成について説明する。
なお、本実施形態では、図2における正面側を前とし、右方を右、左方を左
とし、紙面裏側を後とする。
【0022】
図2に示すように、本実施形態における紙幣払い出し装置(以下、「払い出し装置」という。)Aの装置本体10は、運賃回収部11、乗客が両替するための紙幣挿入部12、硬貨投入部13及び硬貨払い出し部14等を備える運賃箱Cに隣接して取り付けられている。前記紙幣挿入部12は千円札による運賃の支払いにも対応している。また、高額紙幣については、図示しない切替えスイッチにより、両替専用または運賃の支払い処理が可能で、高額紙幣による運賃支払いの場合、釣銭が返却される。
【0023】
前記装置本体10の中央部前面には、紙幣を払い出すための払い出し口15が設けられていると共に、図1に示すように、同装置本体10の上部には、後述する払い出し装置用紙幣金庫(以下、「紙幣金庫」という。)Bを収容可能とする金庫収容室16が設けられている。また、前記払い出し装置Aの上部左側縁には、同金庫収容室16を上方から覆う蓋部材17が図示しないヒンジを介して開閉可能に設けられている。そして、前記金庫収容室16の下方に位置する装置本体10内には、後述する紙幣金庫Bから供給される両替用紙幣Mを計数し、払い出し口15に払い出すための払い出し機構(図示しない)が設けられている。
【0024】
前記金庫収容室16の底部(払い出し装置Aのケース天板)において右側部には、上方に突出した段部18が設けられており、前記底部における払い出し口15側(前側)には、後述する鍵保持レバー21のために凹部が形成され、回動許容空間19とされている。また、図6〜図9に示すように、前記段部18に連なる金庫収容室16の底面には、後述する紙幣金庫Bから供給される紙幣を払い出し機構(図示しない)へ導入するための導入口20が設けられている。そして、前記導入口20から導入された紙幣は払い出し機構(図示しない)の導入口20側に備えられるローラ(図示しない)によって機構内部に送出されるようになっている。
【0025】
図1及び図3に示すように、前記段部18における払い出し口15側側面(前面)には、第2の移動防止手段及び鍵保持部材としての鍵保持レバー21が設けられている。前記鍵保持レバー21は、段部18に固設された支軸22にて回動可能に軸支されており、その先端部は鍵23を前後方向に摺動可能に保持する鍵保持部21aとされている。前記鍵保持部21aは、その内部に円柱状の摺動空間25を備えており、同摺動空間25には鍵23を固着したスライド部材26が前記支軸22の軸線方向と同一方向(前後方向)に摺動自在に、かつ、摺動空間25を仕切る鍵保持部21aの内周面に対して相対回動自在に配設されている。前記摺動空間25における鍵23の先端側にはバネ27(本実施形態ではコイルバネ)が挿通されており、同バネ27は鍵23及びスライド部材26を前側に付勢している。また、鍵23の先端部は鍵保持部21aに設けられた断面円形をなす挿通孔28を介して鍵保持部21aから、図3に2点鎖線で示す位置へ突出可能になっている。なお、通常は、前記鍵保持レバー21はその自重により、図1に2点鎖線で示すように鉛直下方に垂下した状態(待避位置)にされ、鍵保持レバー21の基端部が金庫収容室16の底部から上方へ突出しないようにされている。
【0026】
図1に示すように、紙幣金庫Bの相対面に相当する前記段部18の前部寄り位置及び金庫収容室16の底面の後部寄り位置には、被係合部としての第1及び第2係合突起29,30が突設されている。図6、図8に示すように、両係合突起29,30は上下方向に延びる軸部29a,30aに、その径よりも大径のヘッド部29b,30bがT字状に一体形成されている。前記ヘッド部29b,30bは係止フランジに相当する。
【0027】
前記金庫収容室16の前後方向において前記第2係合突起30を通過する直線上の所定位置には孔31が設けられており、同孔31には、払い出し装置A内に配置された図示しないソレノイドのプランジャ32が挿通可能に設けられている。前記プランジャ32は、通常は前記金庫収容室16の底面よりも下方に位置し、図示しないソレノイドが励磁されることにより上方に突出動作を行うようになっている。なお、前記プランジャ32がロック部に相当する。
【0028】
次に、装置本体10の金庫収容室16に収容される紙幣金庫Bについて説明する。
図6乃至図9に示すように、紙幣金庫Bは、メインケース41と、同メインケース41に対して上下方向に移動自在に設けられたサブケース42を備えている。そして、前記メインケース41は装置本体10の金庫収容室16に対して収納可能な大きさ、即ち、金庫収容室16よりも僅かに小さい略直方体状に形成され、かつ、着脱可能とされており、いわゆるカートリッジ式とされている。
【0029】
メインケース41側が備える構成について説明する。
メインケース41の上面には収納口45が形成されており、メインケース41の内部は供給口44及び収納口45側に開口した移動許容室46を形成している。尚、前記供給口44は払い出し装置Aの導入口20に対応して配置されている。
【0030】
図6乃至図9に示すように前記段部43の上側に位置するメインケース41の内部は、移動許容室46との間を内壁47にて仕切られたロック機構収納室48とされており、同収納室48には、図11及び図12に示すように、第1ロック機構49が配設されている。第1ロック機構49は、保持手段としての鍵装着部50、第1〜第3連結軸51〜53、第1,第2ロックプレート54,55、リンク56、連係レバー57、及び第1,第2傘歯車58,59とから構成されている。
【0031】
前記鍵装着部50は、メインケース41の前面において固定されたケーシング50aと、同ケーシング50aに対して自身の軸心の回りで回動自在に収納されたロータ50bとから構成されている。そして、前記ロータ50bの外端面(前端面)には、短手方向(左右方向)に沿った面に露出する鍵穴60が設けられている(図1参照)。前記ロータ50bは公知の錠構造とされており、同ロータ50bに対して鍵23は、その基端部が上下方向に沿った状態、即ち起立した状態で装着及び抜脱が可能とされている。そして、ロータ50bは鍵23が起立した状態から反時計回り方向(図11(a)、(b)において)に、略90度の鍵23の回転を許容するようになっている。なお、略90度回転された位置では、鍵23のロータ50bからの抜脱は不能にされるとともに、この略90度回転された位置が施錠動作が完了した位置である。
【0032】
そして、鍵保持レバー21が鉛直上方、即ち、鍵装着部50に相対する位置へ回動された際に、鍵装着部50(ロータ50b)の外端面(前端面)が鍵保持レバー21に当接し、前記鍵穴60が払い出し装置Aの鍵保持レバー21に取着された鍵23に相対可能にされるようになっている。
【0033】
前記ロータ50bの内端面(後端面)には第1連結軸51が一体に固定されている。前記第1連結軸51には、第1ロックプレート54が固設されており、同第1ロックプレート54はロータ50bの回動により、鉛直位置と水平位置との間で第1連結軸51を支点として回動可能になっている。さらに、前記内壁47において、第1ロックプレート54の回動軌跡に対応して、第1係入孔61が形成されており、第1ロックプレート54が回動された際には、前記第1係入孔61を介して第1ロックプレート54は、反ロック機構収納室48側(左側)へ突出することが可能とされている。なお、前記鉛直位置は、図11(a)に示すように、鍵23の施錠動作が行われておらず、第1ロックプレート54が鉛直方向に起立した位置であり、前記水平位置は、図11(b)に示すように、鍵23の施錠動作が完了して、第1ロックプレート54が水平状態にされた位置である。
【0034】
前記第1ロックプレート54の基端部には、前記第1連結軸51に対して偏位した第2連結軸52が設けられている。同第2連結軸52には上下方向に延びるリンク56の一端部が回動可能に軸着されており、前記リンク56の他端部には第3連結軸53が連結されている。又、第3連結軸53には連係レバー57の一端部が回動可能に連結されている。連係レバー57の他端部は、メインケース41に回動可能に支持された第1傘歯車58の回転軸58aに対して一体に連結されている。そして、前記第1ロックプレート54、リンク56、連係レバー57とにより、平行四節リンク機構が構成されている。
【0035】
この結果、鍵23の施錠動作が行われる際は、ロータ50bの回転により第1ロックプレート54、リンク56、連係レバー57を介して、第1傘歯車58は回転軸58aを中心に反時計回り(図11(a)、(b)において)に回動するようになっている。
【0036】
前記第1傘歯車58には、メインケース41の内頂面に対して回転自在に支持された第2傘歯車59が噛合されている。前記第2傘歯車59の上側には、第2ロックプレート55が第2傘歯車59と一体に連結されており、前記第2ロックプレート55は、第2傘歯車59が回転することにより、ロック位置とアンロック位置との間を移動する。すなわち、ロック位置の際は、図11(a)に示すように、第2ロックプレート55は内壁47を貫通する第2係入孔62を介して、反ロック機構収納室48側(左側)へ突出するようになっているとともに、アンロック位置の際は、図11(b)に示すように、内壁47より突出しないロック機構収納室48内に収納されるようになっている。
【0037】
又、第1ロックプレート54が鉛直位置の際に、第2ロックプレート55はロック位置に配置されるとともに、第1ロックプレート54が水平位置の際に第2ロックプレート55はアンロック位置に配置されるようになっている。
【0038】
図11(a)、(b)及び図13に示すように、前記メインケース41における移動許容室46と、前記鍵穴60が配されたメインケース41の前側壁41a(図1参照)の間には上下方向に延びる内壁63が設けられており、前記前側壁41aと内壁63との間は介在空間64とされている。そして、前記第1係入孔61は介在空間64に連通して形成されている。
【0039】
前記介在空間64には、支持枠65、係止プレート66、回転軸67及び第1捻りコイルバネ68とから構成されたロック許容部69が設けられている。前記支持枠65は、コ字状に形成され、内壁63に対して固着されている。前記回転軸67は、支持枠65にその両端が支持されている。前記係止プレート66と回転軸67とは一体に連結されており、同回転軸67には第1捻りコイルバネ68が挿通されている。第1捻りコイルバネ68は、一端が支持枠65に、他端が係止プレート66に係止されることにより前記係止プレート66を内壁63側(後側)に付勢する。前記係止プレート66の先端部には、突部66aが内壁63側に一体形成されており、内壁63における同突部66aに相対した位置には、貫通孔70が形成されている。
【0040】
そして、前記係止プレート66は、許容位置と規制位置との間で回転軸67を支点として回動可能とされている。即ち、許容位置では、図13で2点鎖線で示すように、第1捻りコイルバネ68の付勢力により突部66aが貫通孔70を介して移動許容室46側(後側)へ大きな突出量にて突出された状態に、前記係止プレート66は配置される。この状態では、内壁47の第1係入孔61を介して介在空間64側へ突出した第1ロックプレート54が係止プレート66の反内壁63側(前側)を通過することを許容する。
【0041】
また、規制位置では、図13で実線にて示すように、係止プレート66が第1捻りコイルバネ68の弾性力に抗して、反内壁63側(前側)へ回動配置されて、突部66aが前方へ退出する。このとき、突部66aの突出量は後記供給位置に位置するサブケース42に規制されて小さな突出量となる。そして、この状態では係止プレート66はその先端部にて水平位置にある第1ロックプレート54の移動を規制するようになっている。なお、前記係止プレート66の許容位置と規制位置間での移動の起因となる構成については後述する。
【0042】
図6、図7及び図8に示すように、移動許容室46の短手方向(左右方向)に沿った前側内側面及び後側内側面には、相対向するようにガイド凹部71が設けられている。なお、ガイド凹部71は、二枚の金属板を張り合わせ、内面側(移動許容室46側)に位置する一方の金属板の所定部分を切り除くことにより形成されている。なお、以下の説明では、ガイド凹部71の上部を仕切るとともに、下方に向いた面を備えた部分を第1面といい、ガイド凹部71の下部を仕切るとともに上方を向いた面を備えた部分を第2面という。前記ガイド凹部71の第1面及び第2面は互いに平行に配置されており、メインケース41のロック機構収納室48側から下方へ傾斜する斜状部を中央として、その左右両端にはそれぞれ水平部を備えている。以下、第1面の斜状部を第1ガイド面71aといい、第2面の斜状部を第2ガイド面71bという。そして、左端部は移動許容室46の上下方向における略中央寄りに位置しているとともに、その右端部は移動許容室46の下隅部寄りに位置している。
【0043】
図15に示すように、供給口44を挟んで対向するメインケース41の底面と、段部43の底面には、係合部としての第1及び第2係合孔72,73がそれぞれ設けられている。前記第1及び第2係合孔72,73は、前記払い出し装置Aの第1及び第2係合突起29,30と対応する位置に配設されている。そして、前記メインケース41の底面と、段部43の底面が装置本体10に相対する相対面に相当する。
【0044】
前記第1及び第2係合孔72,73は円形の離脱許容部72a,73aと、メインケース41の長手方向(前後方向)、即ち、第1ロック機構49の鍵装着部50側(前側)へ直線状に延びる保持部72b,73bとから形成されている。図16に示すように、前記係合孔72,73の保持部72b,73bの開口幅は係合突起29,30の軸部29a,30aの外径よりは若干大きく、係合突起29,30のヘッド部29b,30bの外径よりは若干小さく形成されており、離脱許容部72a,73aの開口径は、係合突起29,30のヘッド部29b,30bの外径よりも若干大きく形成されている。また、前記メインケース41の底板の板厚は、前記軸部29a,29bの装置本体10よりも突出した部位における上下方向の長さと略同一とされている。
【0045】
この結果、前記保持部72b,73bは係合突起29,30を係止保持するとともに、同係合突起29,30との相対移動を許容し、離脱許容部72a,73aは係合突起29,30の離脱を許容するようになっている。そして、前記保持部72b,73bの端部にて係合突起29,30を係止保持した状態が取着位置に相当し、離脱許容部72a,73aと係合突起29,30とが係合した状態が離脱位置に相当する。また、本実施形態では、メインケース41の長手方向(前後方向)が所定方向に相当し、前記ヘッド部29b,30bと保持部72b,73bにて第1の移動防止手段は構成されている。
【0046】
一方、前記鍵保持レバー21は金庫収容室16の段部18における前面に設けられており、保持部72b,73bと係合突起29,30との相対移動方向(前後方向)と直交する仮想平面上に位置している。このため、第1及び第2係合突起29,30が第1及び第2係合孔72,73における保持部72b,73bの端部に係止されている場合、メインケース41は鍵保持レバー21の回動軌跡上に位置せずに、払い出し装置Aの鍵保持レバー21と干渉しないようになっている。又、前記係合突起29,30が前記係合孔72,73における離脱許容部72a,73aに係合する場合は、メインケース41は、鍵保持レバー21の回動軌跡上に位置し、その底面41bが鍵保持レバー21に干渉して、鍵保持レバー21の鉛直上方への回動を阻止するようになっている。なお、本実施形態では、前記メインケース41の底面41bが回動規制部に相当すると共に、前記底面41bは段部43の底面も含むものとする。
【0047】
また、メインケース41の長手方向(前後方向)において、前記第1係合孔72を通過する直線上には円形の挿入孔74が形成されている。前記挿入孔74は払い出し装置Aに配設されたプランジャ32に対応して配設されており、挿入孔74の開口径は、前記プランジャ32の外径よりも若干大きく形成されている。そして、図16(b)に示すように、挿入孔74は、第1及び第2係合突起29,30が第1及び第2係合孔72,73における保持部72b,73bの端部に係止される場合に、プランジャ32と相対し、プランジャ32が挿入可能に配置される。
【0048】
次に、サブケース42側が備える構成について説明する。
前記サブケース42は略直方体状に形成されており、前記メインケース41の収納口45に配設されているとともに、その上部には把手部80が設けられている。前記サブケース42の内部は、紙幣収納室81とされており、同紙幣収納室81は、メインケース41の供給口44に対応してサブケース42の右側下隅部に形成された通過口82にて下方に開口している。通過口82の近傍において、サブケース42の下側には、被覆部材83が通過口82を下側から被覆可能に、且つ移動可能に配設されている。そして、サブケース42の底板42aとともに、前記被覆部材83は通過口82側に向かうほど(右側へ向かうほど)下方に傾斜して配設されている。
【0049】
サブケース42の短手方向(左右方向)に沿った前後両側壁の外面側には一対を一組とする2組のスライドアーム85が設けられている。各組におけるスライドアーム85同士は互いに左右方向に離間して配置されている。又、サブケース42の前側壁にそれぞれ配置された各スライドアームは、後側壁に配置された各スライドアーム85に対してそれぞれ相対する位置関係に配置されている。図6及び図7に示すように、各組をなすスライドアーム85のうち、左側のスライドアーム85は、右側のスライドアーム85よりも上方に偏位して配置されているとともに同一長に形成されている。そして、両スライドアーム85の上端部はサブケース42の前後各側壁に回動可能に軸支されており、下端部は前記被覆部材83に回動可能に軸支されている。そして、前記各組のスライドアーム85及び被覆部材83にてそれぞれ平行四節リンク機構が構成されている。
【0050】
また、図6及び図10に示すように、各スライドアーム85における下端部のメインケース41側には、それぞれガイド突起86が設けられている。各組において、左方に配置されたスライドアーム85のガイド突起86はメインケース41のガイド凹部71の第1ガイド面71aに摺接可能に配置されている。又、各組において、右方に配置されたスライドアーム85のガイド突起86はメインケース41のガイド凹部71の第2ガイド面71bに対して摺接可能に配置されている。
【0051】
尚、図10において、サブケース42とメインケース41との間隔は説明の便宜上概略化されている。
そして、サブケース42が下方に移動する際には、右側のスライドアーム85のガイド突起86が、ガイド凹部71の第2ガイド面71bに摺接するため、同第2ガイド面71bにより、スライドアーム85の上端部が、サブケース42に対して時計回り方向(図6において)へ回動する。それと共に、ガイド突起86とスライドアーム85を介して一体に連結されている被覆部材83は、図6に示すような前記通過口82を下側から塞ぐ覆い位置から、図8に示すサブケース42の反通過口82側(左側)へ移動し、前記供給口44を開放状態にする開放位置へ配置される。
【0052】
又、サブケース42が上方に移動する際には、左側のスライドアーム85のガイド突起86が、ガイド凹部71の第1ガイド面71aに摺接するため、同第1ガイド面71aにより、スライドアーム85の上端部が、サブケース42に対して反時計回り方向(図8において)へ回動する。それと共に、ガイド突起86とスライドアーム85を介して一体に連結されている被覆部材83は、図8に示す通過口82を開放状態としている開放位置から、図6に示すサブケース42の通過口82側(右側)へ移動し、供給口44を閉鎖状態にする覆い位置へ配置される。
【0053】
この結果、前記スライドアーム85とガイド凹部71にて、サブケース42は、図6に示すような非供給位置と図8及び図9に示すような供給位置との間で往復移動可能とされている。なお、前記非供給位置は、被覆部材83が覆い位置となり、サブケース42がメインケース41の上面よりも突出し、前記通過口82とメインケース41の供給口44とが非相対とされ、通過口82を介してサブケース内に配設される紙幣Mの外部への取り出しを不能にする位置である。又、前記供給位置は、被覆部材83が開放位置となり、サブケース42の上面がメインケース41の上面よりも下方に位置し、前記通過口82とメインケース41の供給口44とが相対する位置のことである。
【0054】
また、図11(a)に示すように、前記サブケース42におけるロック機構収納室48側の側部(右側部)には、第2ロックプレート55に対応してスロット42cが形成されており、前記サブケース42が非供給位置に配置される際に、ロック機構収納室48から突出した第2ロックプレート55が係合されるようになっている。
【0055】
さらに、前記サブケース42が供給位置に配置される際は、図13に示すように、サブケース42における内壁63側(前側)の側壁外面42bにて、内壁63の貫通孔70を介して突出する突部66aを反サブケース42側(前側)へ押圧し、係止プレート66を規制位置(図13で実線にて示す位置)に位置するように押込み操作するようになっている。反対にサブケース42が非供給位置に配置される際は、前記側壁外面42bはロック許容部69の突部66aの突出を妨げないようにして、その突部66aを大きな突出量にて突出させ、前記突部66aを有する係止プレート66を許容位置(図13で二点鎖線にて示す位置)に位置させるようになっている。
【0056】
前記サブケース42の紙幣収納室81には、紙幣保持機構87が設けられている。前記紙幣保持機構87は、支軸88、揺動アーム89、回動軸90、及びプッシャ91から構成されている。前記支軸88は、通過口82側の側壁(右側壁)近傍に固設されており、サブケース42の長手方向(前後方向)に延びるように形成されている。一対の揺動アーム89は、略コ字状に形成されており、その基端部が支軸88に対して回動可能に支持されているとともに、その先端部が下方、即ち底板42a側を向くように屈曲形成されている。両揺動アーム89の先端部間には、回動軸90が長手方向に延びるように固設されており、前記回動軸90には板状をなすプッシャ91が回動可能に片持ち支持されている。プッシャ91の先端部は、通過口82側に向かって延出されている。
【0057】
前記支軸88には、第2捻りコイルバネ92が挿通されており、回動軸90には、第3捻りコイルバネ93が挿通されている。前記第2捻りコイルバネ92の一端はサブケース42の内面に係止されているとともに、他端は揺動アーム89の基端側に掛止されている。また、前記第3捻りコイルバネ93の一端はプッシャ91の上面に係止されているとともに、他端は揺動アーム89の先端側に掛止されている。そして、前記第2及び第3捻りコイルバネ92,93にて、プッシャ91が底板42a側、即ち、下方に付勢されているとともに、さらに第2捻りコイルバネ92にて、揺動アーム89を介してプッシャ91が通過口82側(右側)へ付勢されている。又、プッシャ91は、底板42aに当接した際に、底板42aと平行となるように、その基端部が、揺動アーム89の先端に係止するように形成されている(図6参照)。なお、本実施形態では、前記第2及び第3捻りコイルバネ92,93が弾性部材に相当する。
【0058】
そして、図7に示すように、第2及び第3捻りコイルバネ92,93の付勢力に抗して、揺動アーム89の先端部を上方に回動させ、プッシャ91を上方に持ち上げることにより、前記プッシャ91と底板42aの間に両替用紙幣Mが保持可能とされている。この結果、本実施形態では、前記紙幣保持機構87とサブケース42の底板42aにて紙幣保持手段が構成されている。
【0059】
一方、図7に示すように、サブケース42の反通過口82側側部には扉口42dが設けられていると共に、前記扉口42dには扉部材94が設けられている。前記扉部材94はサブケース42の上部に設けられた支軸94aを支点として上下に開閉可能に設けられている。また、図4に示すように、前記扉部材94には施錠装置110が設けられている。前記施錠装置110は公知の構成であるため詳説はしないが、その一部を構成するロータ110aの内端には、互いに反対方向に延出された一対のレバー(図示しない)が固定され、各レバーにサブケース42の長手方向において互いに反対方向へ延びる長尺状の一対の係止アーム110bが回動自在に支持されている。そして、図示しない鍵が挿入され、ロータ110aがその軸心を中心に図4において、時計回り方向に回動されると、各係止アーム110bの先端部が扉口42d周縁のサブケース42内側面内にそれぞれ係入されることにより、扉部材94の開放を不能とする施錠状態(図4で実線で示す)となる。又、図示しない鍵を介して、ロータ110aがその軸心を中心に図4において、反時計回り方向に回動されると、各係止アーム110bの先端部がサブケース42内側面から離脱して扉部材94の裏面側に退避し、扉部材94が開放可能となる解錠状態(図4で2点鎖線で示す)となる。なお、図6乃至図9においては前記施錠装置110は省略されている。
【0060】
図14に示すように、前記紙幣収納室81には、第2ロック機構95が設けられている。第2ロック機構95は、押込みノブ96、筒体97、当接ピン98、収納ケース99、摺動部材100等から構成されている。前記押込みノブ96の上部はサブケース42上面よりも突出するように配設されており、前記押込みノブ96の下部には筒体97が固設されている。前記筒体97は略四角筒状に形成されており、その下端部には、下方に延出され、互いに対向配置された一対の突片97aが二股状に一体形成されている。そして、前記両突片97aの先端部間には、当接ピン98が架設されている。
【0061】
前記筒体97の下側には、サブケース42の右側壁、即ち、紙幣収納室81の内面に固定された収納ケース99が設けられている。そして、前記筒体97内であって、収納ケース99と押込みノブ96の間には、押込みノブ96を上方に付勢するバネ103が介挿されている。本実施形態では、バネ103はコイルバネにて形成されている。前記収納ケース99にはサブケース42の右側壁側に向かって開口する収容部99aが設けられており、同収容部99aには、その上部にカム面100aを有する摺動部材100が摺動可能に配設されている。
【0062】
一方、収納ケース99の前後両側壁には前記収容部99aに連通するように上下方向に延びる長孔102が貫通形成されている。そして、同長孔102内に前記当接ピン98が摺動可能に挿通されているとともに、当接ピン98は摺動部材100のカム面100aに対して当接している。この結果、当接ピン98が長孔102にて許容される上下移動範囲内で、そのカム面100aを介して押圧することにより摺動部材100を移動させるようになっている。
【0063】
また、前記摺動部材100と、収容部99aの反開口側(左側)側面との間には、摺動部材100を開口側に付勢するバネ104が介挿されている。そして、通常バネ104は、その弾性力にて、摺動部材100をサブケース42の右側壁の挿通孔108を介してメインケース41側(右側)に突出させるとともに、カム面100aに当接する当接ピン98を長孔102の上端部に係止させている。また、メインケース41における内壁47の上部であり、摺動部材100の突出部位に相対する位置には、第1係止孔106が設けられている。そして、摺動部材100が同第1係止孔106に係止保持されることにより、サブケース42は前記非供給位置にて保持されるようになっている。さらに、サブケース42が供給位置に位置したときに、前記第1係止孔106の下方において挿通孔108に相対する位置には、第2係止孔107が設けられている。そして、同第2係止孔107は、サブケース42が供給位置に配置された際に、摺動部材100が同第2係止孔107に係止保持されることにより、サブケース42は供給位置にて保持されるようになっている。
【0064】
なお、図5において、105は、メインケース41の側面に設けられた紙幣残量センサ(図示しない)用のセンサ孔である。
次に上記のように構成された払い出し装置A及び紙幣金庫Bの作用を説明する。
【0065】
まず、紙幣金庫Bをバスに搭載された装置本体10の金庫収容室16に設置する場合について説明する。
まず、銀行等で、非供給位置に配置されているサブケース42に対して、図7に示すように、施錠装置110を解錠してサブケース42の扉部材94を開放する。その後、揺動アーム89を第2及び第3捻りコイルバネ92,93の弾性力に抗して持ち上げ、紙幣保持機構87のプッシャ91とサブケース42の底板42aの間に札束状とされている例えば千円札等の複数の両替用紙幣Mを押圧保持させる。この後、扉部材94を閉め、施錠装置110を施錠した後、バスの乗務員は両替用紙幣Mが収納された紙幣金庫Bを払い出し装置Aまで運搬する。このとき、被覆部材83は覆い位置とされ、通過口82を閉鎖しているため、サブケース42内に配置された両替用紙幣Mが外部から視認されることはない。
【0066】
又、被覆部材83を覆い位置から開放位置へ、メインケース41の供給口44を介して外部から無理に移動操作させようとしても、開放位置への移動は、サブケース42が供給位置へ移動しない限り、不能とされる。一方、このサブケース42自体は、図11(a)に示すように第2ロックプレート55がスロット42c内に係入したロック位置に位置しているため、同第2ロックプレート55にて被供給位置に保持されている。さらに、第2ロックプレート55を有する第1ロック機構49は鍵23が装着されていないため作動不能にされている。従って、結局、被覆部材83は外部からの開放位置への外部操作が不能となっており、開放位置へ移動することは確実にない。
【0067】
この結果、前記通過口82及びメインケース41の供給口44を介して両替用紙幣Mが外部へ取り出されることはない。又、前述のように第1ロック機構49の第2ロックプレート55がロック位置とされ、サブケース42のスロット42cに係合されているため、第2ロック機構95の押込みノブ96を押圧してもサブケース42が下方に摺動することはない。
【0068】
そして、メインケース41を装置本体10に設置する場合は、まず、図16(a)に示すように、メインケース41における第1及び第2係合孔72,73の離脱許容部72a,73aを第1及び第2係合突起29,30に係合させ、離脱位置に配置する。この状態では、鍵保持レバー21はメインケース41の下側に垂下状態(待避位置)に配置されており、メインケース41が前記鍵保持レバー21の回動軌跡上に位置しているため、その底面41bにて鉛直上方への回動は規制される。
【0069】
そして、図16(b)に示すように、メインケース41を反鍵保持レバー21側(後側)へスライド移動させる。即ち、前記第1及び第2係合突起29,30の軸部29a,30aと第1及び第2係合孔72,73の保持部72b,73bを相対移動させ、軸部29a,30aを前記保持部72b,73bの端部にて係止させ、取着位置に配置する。すると、前記メインケース41の底面が鍵保持レバー21の回動軌跡上には位置しなくなり、前記鍵保持レバー21は鉛直上方への回動が可能となる。そして、垂下状態(待避位置)にある鍵保持レバー21を支軸22を支点として鉛直上方に回動させ、同鍵保持レバー21の鍵23がメインケース41の鍵装着部50に相対するように配置させるとともに、鍵保持レバー21を鍵装着部50(ロータ50b)の外端面(前端面)に当接させる。
【0070】
次いで、鍵保持レバー21において、図3に示すように、鍵23をスライド部材26と共に前記鍵装着部50の鍵穴60へ、バネ27の弾性力に抗して押圧する。そして、鍵23を鍵装着部50に装着させた後、反時計回り方向(図11(a)、(b)において)に略90度回動させる。
【0071】
すると、第1ロック機構49において、ロータ50bを介して第1連結軸51が回動される。これに伴って、図8(b)に示すように、鉛直位置にあった第1ロックプレート54は、第1連結軸51を支点として回動され、第1係入孔61を介して介在空間64側(左側)へ突出する。このとき、サブケース42は非供給位置に配置されているため、その側壁外面42bにて係止プレート66の突部66aに対して干渉せず、ロック許容部69の係止プレート66は、図13で2点鎖線で示すように、第1捻りコイルバネ68の付勢力により許容位置とされている。この結果、前記第1ロックプレート54は、係止プレート66の反内壁63側(前側)を通過して、水平位置に配置される。
【0072】
一方、第1ロックプレート54の回動により、リンク56、連係レバー57、を介して前記第1傘歯車58、第2傘歯車59が回動される。
この結果、第2傘歯車59と一体にされた第2ロックプレート55は、ロック位置からアンロック位置へと移動する。即ち、サブケース42のスロット42cと第2ロックプレート55の係合状態が解除される。
【0073】
その後、押込みノブ96を下方に押込み操作する(図14参照)。すると、バネ103の弾性力に抗して、前記押込みノブ96に連結された筒体97は下がり、当接ピン98が長孔102内を下方に摺動する。そして、当接ピン98の下動により、カム面100aを介して摺動部材100は、バネ104の付勢力に抗して収容部99aの反開口側(左側)へ移動し、係合関係にあったメインケース41の第1係止孔106から離脱する。
【0074】
この状態で、サブケース42は下方に移動可能となり、前記押込みノブ96を押込み操作したままで、前記サブケース42を押し下げる。
すると、図8に示すように、右側のスライドアーム85のガイド突起86がガイド凹部71の第2ガイド面71bに摺接して斜め下方に移動する。このため、前記スライドアーム85の上端部がサブケース42に対して時計回り方向(図6において)へ回動する。これに伴い、各スライドアーム85の下端部に連結された被覆部材83も、覆い位置から開放位置へ移動する。
【0075】
そして、押込みノブ96に対しての押込み操作を解除して、前記第2ロック機構95の摺動部材100をメインケース41の第2係止孔107に係合させる。このようにして、サブケース42の供給位置への移動配置は完了し、図9に示すように、サブケース42の通過口82からメインケース41の供給口44を介して払い出し装置Aの導入口20へ両替用紙幣Mの供給が可能になる。その後、装置本体10の蓋部材17を閉鎖し、メインケース41を蓋部材17にて被覆して紙幣払い出し装置Aは使用状態とされる。
【0076】
このとき、図13に示すように、前記サブケース42が非供給位置から供給位置に移動する間は、内壁63の貫通孔70を介して移動許容室46側(後側)へ突出した係止プレート66の突部66aは、側壁外面42bにて、を反サブケース42側(前側)へ押込まれ、係止プレート66を許容位置から規制位置に配置する。このため、鍵保持レバー21の鍵23を回動操作し、水平位置にある第1ロックプレート54を鉛直位置へ回動させようとしても、係止プレート66の先端部に第1ロックプレート54が干渉し、同第1ロックプレート54の回転が規制される。従って、サブケース42が供給位置に配置された際は、前記係止プレート66及びロータ50bにて鍵23の回動操作及び抜脱が不能になり、さらには、鍵23が取着された鍵保持レバー21が払い出し装置Aに固定されているため、紙幣金庫Bの払い出し装置Aからの離脱が不能となる。
【0077】
次に、払い出し装置Aに対して、バスが走行することにより車両から振動が伝播した場合について説明する。
まず、前記メインケース41は装置本体10に対して、装置本体10側の第1及び第2係合突起29,30とメインケース41側の第1及び第2係合孔72,73が取着位置にて係合されている。詳述すると、係合突起29,30の軸部29a,30aが、係合孔72,73の保持部72b,73bの先端部に係止されていることにより、前記メインケース41は、その短手方向(本実施形態では左右方向)及び後方に揺れ動くことは防止されている。また、メインケース41における底板の板厚が軸部29a,29bの装置本体10よりも突出した部位における上下方向の長さと略同一であり、係合突起29,30のヘッド部29b,30bが前記保持部72b,73bに係止されるため、メインケース41は上下方向に揺れ動くことはない。なお、本実施形態では、上方が相対面が離間する方向に相当する。
【0078】
また、メインケース41は装置本体10に固定された鍵保持レバー21に対して鍵23を介して連結されており、その鍵保持レバー21はメインケース41における短手方向に沿った側面に面して、即ち、鍵装着部50(ロータ50b)の外端面(前端面)に当接した状態で配設されているため、メインケース41が前方に揺れ動くことは防止されている。この結果、装置本体10に対する紙幣金庫Bの外部からの取付けに際して、走行時に装置本体10を介して振動が伝播してきても、メインケース41が何れの方向に対して揺れ動くことはない。
【0079】
さらに、両替用紙幣Mを保持するプッシャ91は、第2及び第3捻りコイルバネ92,93にて底板42a方向(即ち、両替用紙幣Mを押圧保持する方向)に付勢されているとともに、第2捻りコイルバネ92にて揺動アーム89を介して通過口82側に付勢されている。このため、両替用紙幣Mは前記プッシャ91とサブケース42の底板42aにて確実に挟持される。従って、装置本体10、メインケース41及びサブケース42を介して走行時の振動がサブケース42にあったとしても、その影響を両替用紙幣Mが受けることはなく、図示しない払い出し機構に備えられたローラによってスムーズに払い出し機構内に送出される。
【0080】
さらに、前記サブケース42が供給位置に配置された状態において、例えば、両替用紙幣Mがなくなった場合は、図示しない紙幣残量センサによりメインケース41の下部に設けられたセンサ孔105を介してその状態が検出され、装置本体10に付設された報知装置(図示しない)を介して乗務員に報知される。
【0081】
次に、業務が終了し、紙幣金庫Bを再び持ち運ぶ場合について説明する。
紙幣金庫Bを装置本体10の金庫収容室16から取り外す際は、まず、第2ロック機構95の押込みノブ96を下方に押込み操作し、第2ロック機構95の摺動部材100とメインケース41の第2係合孔73との係合状態を解除する。そして、前記押込みノブ96を押込み操作したままで、供給位置にあるサブケース42を持ち上げる。
【0082】
すると、サブケース42の側壁に取り付けられた左側のスライドアーム85のガイド突起86がガイド凹部71の第1ガイド面71aに摺接して斜め上方に摺動する。このため、前記スライドアーム85の上端部がサブケース42に対して反時計回り方向(図8において)へ回動する。これに伴い、各スライドアーム85に連結された被覆部材83も開放位置から、覆い位置へ移動し、通過口82を下側から閉鎖する。
【0083】
そして、押込みノブ96に対しての押込み操作を解除して前記第2ロック機構95の摺動部材100をメインケース41の第1係止孔106に係合させる。この結果、サブケース42の非供給位置への移動配置は完了する。
【0084】
このとき、サブケース42の非供給位置への移動により、係止プレート66における突部66aのサブケース42側への突出を妨げるものがなくなる。このため、第1捻りコイルバネ68の付勢力にて前記突部66aは大きな突出量にて移動許容室46側(後側)へ突出し、サブケース42の側壁外面42bにて規制位置に配置されていた係止プレート66は許容位置に配置される。この結果、前記係止プレート66にてその回動が規制されていた第1ロックプレート54及び鍵23も回動可能となる。
【0085】
その後、図11(a)に示すように、鍵保持レバー21に取着された鍵23を時計回り(図11(a)、(b)において)に略90度回動操作する。すると、第1連結軸51を支点として、第1ロックプレート54は回動され、再び係止プレート66の反サブケース42側(前側)を通過して、水平位置から鉛直位置に配置される。また、リンク56、連係レバー57、第1傘歯車58、第2傘歯車59を介して第2ロックプレート55は、アンロック位置からロック位置へと移動する。即ち、サブケース42のスロット42cに再び第2ロックプレート55が係合される。
【0086】
次いで、鍵保持レバー21の鍵23を鍵穴60から抜き外し、前記鍵保持レバー21を、鉛直下方へ待避位置となるように回動させる。そして、メインケース41を鍵保持レバー21側(前側)へスライド移動させる。即ち、取着位置にある第1及び第2係合突起29,30と第1及び第2係合孔72,73の保持部72b,73bを相対移動させ、第1及び第2係合突起29,30を第1及び第2係合孔72,73の離脱許容部72a,73aに離脱位置となるように配置させる。そして、前記第1及び第2係合突起29,30を第1及び第2係合孔72,73の離脱許容部72a,73aから抜き外すことで、メインケース41は装置本体10から取り外され、乗務員は紙幣金庫Bを外部へ持ち運び可能となる。
【0087】
なお、前記サブケース42が供給位置の際、即ち、サブケース42から通過口82及び供給口44を介して装置本体10の導入口20に紙幣Mを供給している間に、紙幣Mの紙詰まり等の異常事態が発生した場合、装置本体10内に配置された紙幣M詰まり検出器(例えば、紙幣Mが移動する軌跡内に配置され、移動軌跡上で詰まった紙幣を検出する光学センサ等)が検出作動して、図示しないソレノイドが励磁され、装置本体10内からプランジャ32が突出し、メインケース41の挿入孔74に係合される。そして、紙幣Mの紙詰まりが解消されない間は、例えサブケース42を非供給位置に配置し、鍵保持レバー21に取着された鍵23をメインケース41から抜き外しても、装置本体10の係合突起29,30がメインケース41の離脱許容部72a,73aに配置されず、保持部72b,73bに係合されたままになる。この結果、紙詰まり状態等の異常時においては、メインケース41は払い出し装置Aから取り外し不能となるため、例えば、外部から視認可能な位置に両替用紙幣Mが詰まったまま紙幣金庫Bが持ち運ばれるおそれもない。
【0088】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、メインケース41における第1及び第2係合孔72,73を、装置本体10における第1及び第2係合突起29,30に係合させ、係合孔72,73における保持部72b,73bの先端部に、同保持部72b,73bの開口幅より僅かに小径な係合突起29,30の軸部29a,30aを係止保持させることにより、装置本体10に対して、前記メインケース41の短手方向(左右方向)及び後方に揺れ動くことなくメインケース41を確実に固定保持できる。従って、走行時の振動の影響を両替用紙幣Mが受けることなくサブケース42からスムーズに紙幣払い出し機構(図示しない)へ紙幣Mを供給できる。
【0089】
(2)上記実施形態では、係合突起29,30は、ヘッド部29b,30bと軸部29a,30aとから構成され、前記ヘッド部29b,30bの外径は、係合孔72,73の保持部72b,73bの開口幅よりも僅かに大きく形成されており、メインケース41の底板の板厚は軸部29a,30aの装置本体10よりも突出した部位における上下方向の長さと略同一であるため、前記保持部72b,73bと軸部29a,30aが係合され、メインケース41が装置本体10にセットされている際に、上下方向に揺れ動くことなく、更に走行時の振動の影響を両替用紙幣Mが受けることはない。
【0090】
(3)上記実施形態では、メインケース41が装置本体10に取り付けられる際には、鍵保持レバー21に離脱不能に取着された鍵23をメインケース41の鍵装着部50に連結させたため、更に確実にメインケース41を装置本体10に固定保持できる。
【0091】
(4)また、前記鍵保持レバー21を保持部72b,73bと軸部29a,29bの相対移動方向(前後方向)に対して直交する仮想平面に面して設け、鍵装着部50に当接させた上でメインケース41を固定させたため、同メインケース41は装置本体10に対して、前方に揺れ動くことなく、更に走行時の振動の影響を両替用紙幣Mが受けることを防止できる。
【0092】
(5)上記実施形態では、メインケース41の係合孔72,73を係合突起29,30に係合させ、鍵保持レバー21に取着された鍵23をメインケース41の鍵装着部50に装着させるだけで、メインケース41を装置本体10に容易に固定保持できる。
【0093】
(6)上記実施形態では、紙幣金庫Bと紙幣払い出し装置Aとの間で紙詰まり等のトラブルが発生した場合には、ソレノイド(図示しない)が励磁され、装置本体10側からプランジャ32が突出し、メインケース41の挿入孔74に係合され、係合突起29,30を係合孔72,73の離脱許容部72a,73aへ移動配置することは不能となる。従って、例えば、外部から視認可能な位置に両替用紙幣Mが詰まったまま紙幣金庫Bが持ち運ばれるおそれはない。
【0094】
(7)上記実施形態では、係合孔72,73の保持部72b,73bがメインケース41の長手方向、即ち、第1ロック機構49の鍵装着部50側(前側)へ直線状に延びるように形成されていたため、係合突起29,30が係合孔72,73の離脱許容部72a,73aに位置する場合、換言すれば、メインケース41が装置本体10に対して正常に設置されていない場合は、メインケース41の底面41bにより、鍵保持レバー21の回動は規制され、鍵23が鍵装着部50に装着されることはない。従って、紙幣金庫Bが確実に装置本体10に取り付けられないまま使用されるおそれはない。
【0095】
(8)上記実施形態では、両替用紙幣Mを保持するプッシャ91は第2及び第3の捻りコイルバネ92,93にてサブケース42の底板42a方向に付勢されていたため、両替用紙幣Mをプッシャ91と底板42aとで確実に挟持でき、装置本体10、メインケース41及びサブケース42を介して走行時の振動が伝わってきたとしても、紙幣Mに振動の影響を与えることはない。
【0096】
なお、上記実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
・上記実施形態では、紙幣金庫Bのメインケース41に係合孔72,73を設け、払い出し装置Aの装置本体10に係合突起29,30を設けたが、前記メインケース41に係合突起を設け、装置本体10に係合孔を設けてもよい。このようにしても、メインケース41確実に固定できる。
【0097】
・上記実施形態では、鍵保持レバー21をメインケース41の短手方向に沿った側面に面して設けたが、メインケース41の長手方向に沿った側面に面して設けてもよい。
【0098】
・上記実施形態では、紙幣Mの紙詰まりの際等に、ソレノイドが励磁されることによってメインケース41の挿入孔74に係合するプランジャ32を設けたが、前記プランジャ32を設けなくてもよい。
【0099】
・上記実施形態では、紙幣保持機構87のプッシャ91を底板42a側へ第2及び第3捻りコイルバネ92,93にて付勢していたが、両捻りコイルバネ92,93を設けず、前記プッシャ91と紙幣保持機構87の揺動アーム89の自重にて両替用紙幣Mを保持する構成にしてもよい。また、前記第2及び第3捻りコイルバネ92,93については、何れか一方のみを設ける構成にしてもよい。
【0100】
・上記実施形態では、係合突起29,30はヘッド部29b,30bと軸部29a,30aとからT字状に形成されていたが、軸部29a,30aのみで棒状に形成してもよい。この場合、係合孔72,73も円形状でよい。
【0101】
・上記実施形態では、係合孔72,73はメインケース41の底面に設けられていたが、側面に設けてもよい。この場合、装置本体10側の係合突起29,30も前記係合孔72,73に対応して、金庫収容室16の側面に設けられる。また、係合孔72,73及び係合突起29,30を側面に設けた場合、相対面が離間する方向は左右方向又は前後方向となる。
【0102】
・上記実施形態では、係合孔72,73の保持部72b,73bはメインケース41の長手方向(前後方向)に延びるように形成されていたが、メインケース41の短手方向(左右方向)に延びるように形成してもよい。
【0103】
・上記実施形態では、係合突起29,30と係合孔72,73にて装置本体10に対して、メインケース41を取り付けたが、メインケース41の長手方向における両下隅部にガイドレールを設け、装置本体10における前記ガイドレールに相対する部位にガイド突部を設け、同ガイド突部とガイドレールとを相対移動させることによって、メインケース41と装置本体10とを係合保持させてもよい。勿論、ガイド突部をメインケース41に設けて、ガイドレールを装置本体10側に設けてもよい。なお、この場合、ガイドレールとガイド突部にて係合部及び被係合部は構成される。
【0104】
・上記実施形態では、紙幣金庫Bは、メインケース41とサブケース42とから構成された上下動可能な構成であったが、メインケース41のみから構成された紙幣金庫Bであってもよい。
【0105】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、紙幣金庫の揺れ動きが防止されるため、振動に影響されることなく、紙幣金庫から払い出し装置へ紙幣をスムーズに供給させることができ、且つ容易に紙幣金庫を取着できる。
【0106】
本発明によれば、係止フランジと保持部とにより、取着位置において紙幣金庫と装置本体の互いの相対面が離間する方向への離脱防止を容易に実現できる。
【0107】
本発明によれば、装置本体の鍵保持部材に備えられた鍵を紙幣金庫の鍵装着部に装着することにより、紙幣金庫の取着位置における保持を容易に実現できる。
【0108】
本発明によれば、紙幣金庫が正常な位置にない際には、回動規制部にて鍵保持部材の回動は規制されるため、紙幣金庫が装置本体に対して誤装着されることはない。
【0109】
本発明によれば、払い出し装置用紙幣金庫の異常時には、ロック部にて前記紙幣金庫は装置本体から離脱不能になるため、異常時にも関わらず無理に装置本体から紙幣金庫が取り外されることはない。
【0110】
本発明によれば、振動に影響されることなく紙幣を紙幣払い出し装置にスムーズに供給でき、且つ容易に紙幣払い出し装置へ取着できる。また、本発明によれば、紙幣が紙幣保持手段を介して弾性部材にて押圧保持されることにより、確実に紙幣を保持でき、車両側からの振動が紙幣金庫にあったとしても、紙幣は振動の影響を受けない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態における払い出し装置用金庫及び紙幣払い出し装置を示す分解斜視図。
【図2】 同じく紙幣払い出し装置を示す正面図。
【図3】 同じく鍵保持部材を示す要部断面図。
【図4】 同じく払い出し装置用紙幣金庫を示す側面図。
【図5】 同じく払い出し装置用紙幣金庫を示す背面図。
【図6】 同じく非供給位置ある払い出し装置用紙幣金庫の内部構造を示す断面図。
【図7】 同じく紙幣が補充される際の払い出し装置用紙幣金庫の内部構造を示す断面図。
【図8】 同じく供給位置の際のスライドアームの配置位置を示す断面図。
【図9】 同じく供給位置ある払い出し装置用紙幣金庫のサブケース内を示す断面図。
【図10】 同じくスライドアームを示す概略断面図。
【図11】 同じく(a)、(b)は第1ロック機構を示す断面図。
【図12】 同じく第1ロック機構を示す概略図。
【図13】 同じくロック許容部を示す断面図。
【図14】 同じく第2ロック機構を示す断面図。
【図15】 同じく払い出し装置用紙幣金庫の底面を示す底面図。
【図16】 同じく(a),(b)は係合突起と係合孔の組み付け状態を示す概略図。
【符号の説明】
10…装置本体、21…鍵保持レバー(鍵保持部材、第2の移動防止手段)、23…鍵、29,30…係合突起(被係合部)、32…プランジャ(ロック部)、72,73…係合孔(係合部)、29b,30b…ヘッド部(係止フランジ、第1の移動防止手段)、41…メインケース、41b…底面(回動規制部)50…鍵装着部(保持手段)、72a,73a…離脱許容部、72b,73b…保持部(第1の移動防止手段)、92…第2捻りコイルバネ(弾性部材)、93…第3捻りコイルバネ(弾性部材)。
Claims (7)
- 装置本体に対して着脱可能に取付けられる紙幣金庫を備えた紙幣払い出し装置であって、
前記装置本体及び前記紙幣金庫の互いに相対する相対面の少なくともいずれか一方には係合部を設け、他方には、該係合部との係合が解除される離脱位置、及び前記紙幣金庫の前記装置本体に対する取着位置との間において、装置本体と紙幣金庫の所定方向の相対移動を許容する被係合部を設け、
前記装置本体及び前記紙幣金庫の互いに相対する相対面の少なくともいずれか一方には、前記紙幣金庫の前記装置本体からの、相対面が離間する方向への離脱を防止する第1の移動防止手段と、
前記紙幣金庫が取着位置に位置する際、その位置に保持するとともに、前記紙幣金庫の取り外しする際には、その保持を解除する第2の移動防止手段を設け、
前記被係合部は、係止フランジを有する係合突起であり、前記係合部は、該係合突起を係止保持するとともに、同突起との相対移動を許容する保持部と、係合突起の離脱を許容する離脱許容部とから構成された係合孔であり、
前記第1の移動防止手段は、前記係止フランジと、同係止フランジと係合して、前記両相対面が離間する方向への離脱を防止する保持部とを含む、
ことを特徴とする紙幣払い出し装置。 - 前記装置本体には、前記紙幣金庫に備えられた鍵装着部に対して装着可能な鍵を有する鍵保持部材が設けられ、同鍵保持部材は、前記紙幣金庫が取着位置に位置する際に、前記鍵装着部に対して相対する位置に、前記紙幣金庫を離脱位置に位置させる場合には、待避位置へ移動自在に支持されており、
前記第2の移動防止手段は、前記鍵保持部材にて構成されている請求項1に記載の紙幣払い出し装置。 - 前記鍵保持部材は、前記装置本体に対して固設された支軸にて回動可能に取着されるとともに、前記係合部と前記被係合部との相対移動方向に対して直交する仮想平面に面して配置され、
前記紙幣金庫には、同紙幣金庫が離脱位置に配置されるときに前記鍵保持部材の回動を規制する回動規制部が設けられている請求項2に記載の紙幣払い出し装置。 - 前記装置本体には、前記係合部と前記被係合部とが取着位置にて係合保持された状態で、前記紙幣金庫の異常時に、前記係合部と前記被係合部とを離脱不能にするロック部が備えられている請求項1に記載の紙幣払い出し装置。
- 前記装置本体の金庫収容室よりも僅かに小さい略直方体状に形成され、かつ、着脱可能なメインケースを備え、
同メインケースには、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の紙幣払い出し装置に設けられる被係合部又は係合部に相対し、互いの係合が解除される離脱位置及び係合保持される取着位置との間で、所定方向の相対移動を許容する係合部又は被係合部と、
紙幣払い出し装置からの離脱を防止する第1の移動防止手段と、
前記紙幣払い出し装置に設けられた第2の移動防止手段に相対した保持手段とを備えた払い出し装置用紙幣金庫。 - 前記メインケース内には、紙幣を保持する紙幣保持手段と弾性部材が設けられ、前記紙幣保持手段は弾性部材にて紙幣を押圧保持するように付勢されている請求項5に記載の払い出し装置用紙幣金庫。
- 装置本体に対して着脱可能に取付けられる紙幣金庫を備えた紙幣払い出し装置であって、
前記装置本体及び前記紙幣金庫の互いに相対する相対面に連続して形成された前記装置本体の側面及び前記紙幣金庫の側面の少なくともいずれか一方には係合部を設け、他方には、該係合部との係合が解除される離脱位置、及び前記紙幣金庫の前記装置本体に対する取着位置との間において、装置本体と紙幣金庫の所定方向の相対移動を許容する被係合部を設け、
前記装置本体及び前記紙幣金庫の互いに相対する相対面に連続して形成された前記装置本体の側面及び前記紙幣金庫の側面の少なくともいずれか一方には、前記紙幣金庫の前記装置本体からの、相対面が離間する方向への離脱を防止する第1の移動防止手段と、
前記紙幣金庫が取着位置に位置する際、その位置に保持するとともに、前記紙幣金庫の取り外しする際には、その保持を解除する第2の移動防止手段を設け、
前記被係合部は、係止フランジを有する係合突起であり、前記係合部は、該係合突起を係止保持するとともに、同突起との相対移動を許容する保持部と、係合突起の離脱を許容する離脱許容部とから構成された係合孔であり、
前記第1の移動防止手段は、前記係止フランジと、同係止フランジと係合して、前記両相対面が離間する方向への離脱を防止する保持部とを含む、
ことを特徴とする紙幣払い出し装置。
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