JP3575330B2 - 紙葉類収納装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一括して投入された紙幣のような紙葉類(媒体)を1枚ずつ搬送または繰り出し、装置内部に整列した状態で一時集積し、上位装置からの指令により、一時保留した媒体を装置内部に収納したり返却したりする媒体取引装置に適用して好適なものであって、媒体取引装置が受け入れた多数枚の紙幣などの紙葉類を堆積収納し、収納された紙幣を回収するときには媒体取引装置から取り外すことができる紙葉類収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
媒体取引装置、たとえば紙幣入金機などにおいては、複数枚の紙幣を一括して受け入れ、それを1枚ずつ分離して金種の判定、金種ごとの計数、真偽判定などを行い、その結果が入金者によって確認されると、内部に装着された紙幣収納庫まで搬送されて収納され、入金者の確認が取れなければ、返却するような構成になっている。
【0003】
ここで、従来の紙幣入金機の構造の一例について説明する。
図24は紙幣入金機の概略構成を示す図である。
この図24において、紙幣入金機1は、少なくとも1枚以上の紙幣を入金または返却可能な入金・返却部2と、入金された複数枚の紙幣を1枚ずつに分離して繰り出しを行う分離部3と、紙幣の金種や搬送状態を判定する鑑別部4と、鑑別部4の判定結果を基に紙幣の搬送路を切り換える分岐部5と、紙幣を集積する一時保留部6と、紙幣を収納する紙幣収納庫7と、分岐部5および一時保留部6でそれぞれ返却された紙幣が合流する合流部8と、一時保留部6で保留された紙幣の搬送路を収納指令または返却指令に基づいて切り換える分岐部9とで構成されている。
【0004】
このような構成の紙幣入金機1の動作を紙幣の流れを中心に説明する。まず、1枚または複数枚の紙幣が入金・返却部2に投入されると(矢印10a)、その紙幣は分離部3に一括して搬送される(矢印10b)。分離部3では、複数枚の紙幣が1枚ずつに分離されて鑑別部4へ順次繰り出される(矢印10c)。鑑別部4は入力された紙幣に対して、金種の判定、金種ごとの計数、真偽判定、分離搬送状態の適否判定などを行い、判定を終了した紙幣を出力する(矢印10d)。分岐部5は鑑別部4の判定結果に応じて紙幣の搬送路の切り換え動作を行う。分岐部5は、判定結果が肯定ならば、紙幣が一時保留部6への進入を許可する方向に搬送路の切り換え制御を行い(矢印10e)、判定結果が否定ならば、紙幣が合流部8へ進む方向に搬送路の切り換え制御を行う(矢印10f)。合流部8へ進んだ紙幣は、入金・返却部2へ搬送される。
【0005】
一時保留部6へ搬送された紙幣は順次集積され、所定の集積が終了すると、集積された紙幣は一括して出力される。その後、入金者の確認に従って分岐部9は紙幣の搬送路切り換え動作を行う。分岐部9は、入金者による収納指令があると、紙幣が紙幣収納庫7へ進む方向へ搬送路の切り換え制御を行い、一括して出力された紙幣は紙幣収納庫7へ搬送されて収納される(矢印10g)。入金者による返却指令があると、分岐部9は紙幣が合流部8へ進む方向に搬送路の切り換え制御を行い、一括して出力された紙幣は合流部8の方向へ向けられ、入金・返却部2へ搬送される(矢印10h)。
【0006】
ここで、紙幣収納庫7は、紙幣入金機1から着脱可能な構造(カセット構造)となっており、管理者は紙幣入金機1から取り外した紙幣収納庫7のみを、別の場所に運搬して収納された紙幣を回収することができるようになっている。そのため、紙幣収納庫7は、カセット金庫として防盗性が必要とされる。そこで、紙幣収納庫7は、紙幣入金機1に取り付けたときに搬送されてきた紙幣を受け入れる紙幣入口を持つが、運搬時の紙幣収納庫7内の紙幣の防盗性を確保するため、その紙幣入口にシャッタを設置し、紙幣収納庫7を紙幣入金機1から取り外したときにその紙幣入口を塞ぎ、かつ紙幣入金機1に取り付けない限りは開閉動作しないようなロック機構を持つようにしている。
【0007】
このような紙幣収納庫7は、そのガイドレールを紙幣入金機1に設けられた案内溝に沿うように挿入することで、紙幣入金機1に装着される。紙幣収納庫7が装着されることによって、ロック機構が解除されて、シャッタが開き、紙幣入口が開口し、紙幣入金機1側に設けられた搬送路が紙幣入口の前方に位置するようになる。これにより、紙幣収納庫7に紙幣の収納が可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の紙収納庫のロック機構は、紙収納庫が紙幣入金機から取り外された際にシャッタが完全に閉じることでシャッタをロックしているため、紙幣が紙幣収納庫に搬送されている途中で、紙幣ジャムまたは停電があると、搬送途中の紙幣が紙幣収納庫の紙幣入口で滞留し、シャッタを完全に閉めることはできない。このような場合、ロック機構はシャッタをロックすることができないため、そのまま紙収納庫を紙幣入金機から取り外すと、半開状態のシャッタを自由に開けることができ、紙幣入口から既に収納された紙幣に容易にアクセスすることができることから、紙幣収納庫内部の紙幣の防盗性が確保できないという問題点があった。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、シャッタが半開状態のまま紙幣入金機から取り外した場合においても、中に収納済みの紙幣に対する防盗性を確保することができる紙葉類収納装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、装置本体に設けられた搬送部からの紙葉類媒体を受容可能に一側面に開口された紙葉類搬入口と、前記紙葉類搬入口を開閉するシャッタ部材と、前記紙葉類搬入口を閉口するように前記シャッタ部材を上方に保持する付勢手段と、前記シャッタ部材の開閉運動を規制するロック部材とを備え、前記装置本体の収容部への装着操作により前記装置本体に設けられた開口手段が前記付勢手段に抗して前記シャッタ部材を下方へ移動して前記紙葉類搬入口が開口され、前記収容部からの取り外し操作により前記開口手段が前記シャッタ部材より待避し前記付勢手段により前記シャッタ部材を上方へ移動して前記紙葉類搬入口が閉口されかつ前記ロック部材により前記シャッタ部材の開閉運動が規制される紙葉類収納装置において、前記紙葉類搬入口が半開状態で前記取り外し操作を行ったときに前記ロック部材と当接される前記シャッタ部材の当接部分に、前記シャッタ部材の移動方向に対して直交し前記ロック部材と係合する水平の下辺と前記シャッタ部材の移動方向に対して傾斜された上辺とを有する鋸歯状突起部を複数備えていることを特徴とする紙葉類収納装置が提供される。
【0011】
このような紙葉類収納装置によれば、紙葉類搬入口が半開状態のまま装置本体からの取り外し操作を行ったとき、シャッタ部材の当接部分は、シャッタ部材が紙葉類搬入口を閉口する位置よりも下方にあるため、ロック部材は、シャッタ部材のロック位置でシャッタ部材の当接部分に位置することになる。このとき、シャッタ部材の当接部分には鋸歯状突起部が設けられているので、ロック部材は、その鋸歯状突起部と係合し、シャッタ部材をその位置よりも下方へ移動しないようにする。これにより、シャッタ部材はそれ以上開かないので、中に収納された紙幣に対する防盗性を確保することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、紙幣入金機の紙幣収納庫に適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。まず、紙幣入金機に装着される紙幣収納庫の外観について、図1〜図3を参照して説明する。
【0013】
図1は紙幣収納庫の前方から見た外観を示す斜視図、図2は紙幣収納庫の後方から見た外観を示す斜視図、図3はシャッタが下がって紙幣入口が開口した状態を示す斜視図である。
【0014】
これらの図において、紙幣収納庫7は、正面に紙幣入口11が設けられた筐体12を有し、この筐体12内には、紙幣入口11の近傍に上下方向に摺動自在に支持されたシャッタ13と、紙幣入口11を介して搬送された入金紙幣を収納するための収納部14とが設けられている。
【0015】
筐体12の後方には、収納部14に収納された紙幣を取り出すための開口部(図示せず)と筐体12に回転自在に保持された扉15とが設けられている。この扉15には、扉15を開けるときに用いられるつまみ部16が設けられている。また、筐体12の上面には、この紙幣収納庫7を運搬するときに用いる取っ手17が設けられている。さらに、この紙幣収納庫7を紙幣入金機1に装着するときの案内に用いるガイドブロック18が筐体12の両側面におのおの設けられている。
【0016】
この紙幣収納庫7において、紙幣入金機から取り外されたときは、図1に示すように、シャッタ13は上方位置に保持されて紙幣入口11は閉止状態になり、紙幣入金機に装着されると、図3に示すように、シャッタ13は下方位置に保持されて紙幣入口11は開口状態となる。
【0017】
次に、このような紙幣収納庫7の内部構造について、図4〜図7を参照して説明する。
図4は紙幣収納庫の正面図、図5は図4におけるa−a断面図、図6は図5におけるb−b断面図、図7は図6におけるc−c断面図である。
【0018】
これらの図において、シャッタ13は、正面および右側面側に屈曲されてL字状に形成され、その右側面に形成された長円穴19a,19bと収納部14を構成している右側壁20に固定されたピン21a,21bとにより上下方向に摺動自在に支持されている。また、シャッタ13は、その右側面に形成された孔22と筐体12の頂部に形成されたフック23との間に掛けられた引っ張りばね24により上向き方向にばね力で付勢されており、初期状態において、紙幣入口11を閉じるようになっている。さらに、シャッタ13の下方にはローラ25が取り付けられ、下方後端にはストッパ28が形成されている。
【0019】
また、筐体12の右側面の内側には、L字状のロック29が、筐体12に固定されたピン30を中心として回転するよう取り付けられている。このとき、このロック29は、シャッタ13と並列した位置で、シャッタ13のストッパ28の真下に位置するようになっている。また、ロック29は、これに形成された孔31と筐体12に形成されたフック32との間に掛けられた引っ張りばね33により図5中反時計回りの方向にばね力で付勢されており、初期状態においてシャッタ13のストッパ28の上下(開閉)進路を塞ぐようになっている。これにより、紙幣収納庫7が紙幣入金機1から取り外されているときには、シャッタ13がロックされて開くことができない。さらに、ロック29の前方にはピン34が取り付けられている。
【0020】
ここで、シャッタ13のローラ25およびロック29のピン34は、紙幣入金機1に取り付けられる工程にて、紙幣入金機1に設けられた後述のシャッタ開閉板26と係合される部分で、そのシャッタ開閉板26と係合することにより、ロック29の規制が外れ、シャッタ13が上下動作(開閉動作)する。このため、筐体12の正面には、図4に示すように、孔27が形成され、この孔27からシャッタ開閉板26が挿入されて、ローラ25およびピン34と係合できるようになっている。
【0021】
次に、紙幣収納庫7が装着される紙幣入金機1の収納庫収容部の構成について説明する。
図8は収納庫収容部の縦断面図、図9は図8におけるd−d矢視図である。
【0022】
紙幣入金機1の収納庫収容部1aは、側板35a,35bによって囲まれた空間で形成されている。側板35a,35bには、それぞれ水平方向にガイドレール36a,36bおよび36c,36dが取り付けられている。これらガイドレール36aと36bおよび36cと36dの間に紙幣収納庫7のガイドブロック18を挿入することにより、紙幣収納庫7の脱着方向の案内を行う。収納庫収容部1aの奥(図8における左端)には、紙幣を搬送する搬送部37、紙幣収納庫7の装着方向の位置決め部材であるストッパ軸38a,38b、およびシャッタ開閉板26が設けられている。
【0023】
搬送部37は、収納庫収容部1aの中に紙幣収納庫7を装着した状態では、先端部が紙幣収納庫7の紙幣入口11を介して中に入るような位置に設けられている。
【0024】
また、シャッタ開閉板26は、紙幣収納庫7が案内されてくる方向に配置されており、傾斜部26a,26bと水平部26cとを有している。シャッタ開閉板26の傾斜部26aは上述したロック29のピン34が、また、傾斜部26bおよび水平部26cはシャッタ13のローラ25が係合するようになっている。
【0025】
次に、紙幣収納庫7を収納庫収容部1aに装着するときのこれらの動作について、説明する。
図10は紙幣収納庫を装着する前の状態を示す収納庫収容部および紙幣収納庫の斜視図、図11は紙幣収納庫の装着初期の状態を示す縦断面図である。
【0026】
紙幣収納庫7は、紙幣入口11が設けられた面を収納庫収容部1aの方に向けた状態で装着を行う。このとき、紙幣収納庫7の両側壁に設けられた各ガイドブロック18を収納庫収容部1a内のガイドレール36aと36bおよび36cと36dの間に挿入する。これにより、紙幣収納庫7はガイドブロック18によって下側のガイドレール36b,36d上に載架された状態になり、この状態で、紙幣収納庫7を矢印eの方向に押し込むことで紙幣収納庫7が装着方向に案内されていき、装着することができる。
【0027】
図12はシャッタ開閉板の第1の係合状態を示す縦断面図、図13はシャッタ開閉板の第2の係合状態を示す縦断面図、図14はシャッタ開閉板の第3の係合状態を示す縦断面図、図15は紙幣収納庫の装着完了の状態を示す縦断面図、図16は紙幣収納庫を収納庫収容部に装着したときの斜視図である。
【0028】
まず、紙幣収納庫7をガイドレール36a〜36dに沿って収納庫収容部1aに挿入していくと、図12に示したように、シャッタ開閉板26が孔27を通過して、その傾斜部26aがロック29に設けたピン34に当たり始める。このとき、図13に示したように、ロック29のピン34はシャッタ開閉板26の傾斜部26aに沿ってピン30を中心に図中時計回り方向に回転する。これにより、ロック29は、シャッタ13のストッパ28の進路の外に移動するため、シャッタ13のロックが解除され、下方向に摺動可能な状態になる。
【0029】
この状態のまま、紙幣収納庫7がさらに収納庫収容部1a内に挿入されていくと、図13に示したように、シャッタ開閉板26の傾斜部26bにシャッタ13のローラ25が当たり始める。さらに紙幣収納庫7の挿入を続けると、ローラ25はシャッタ開閉板26の傾斜部26bに沿って下降していき、図14に示したように、ローラ25の下降に伴ってシャッタ13が下降していき、紙幣入口11が開き始める。
【0030】
ローラ25がシャッタ開閉板26の水平部26cに達すると、図15に示したように、シャッタ13は最も下がった位置に達し、紙幣入口11は完全に開口する。さらに、紙幣収納庫7の挿入を進めると、搬送部37が紙幣入口11内に挿入されていき、紙幣収納庫7がストッパ軸38a,38bに当接することで、紙幣収納庫7の装着が完了する。
【0031】
以上のようにして紙幣収納庫7が装着された紙幣入金機1は、通常の入金動作を行い、入金された紙幣を搬送部37により紙幣収納庫7へ搬送し、収納する。その後、管理者は紙幣収納庫7のみを、別の場所に運搬して収納された紙幣を回収するため、紙幣入金機1から紙幣収納庫7を取り外す。このときは、取り付け動作と全く逆の手順により、紙幣収納庫7は紙幣入金機1から取り外される。
【0032】
つまり、取り外しに伴ってシャッタ開閉板26が紙幣収納庫7から抜け出ていくが、その際、シャッタ13が引っ張りばね24の力に上方へ付勢されているので、ローラ25がシャッタ開閉板26の傾斜部26bに沿って上昇することによりシャッタ13が上昇し、ローラ25がシャッタ開閉板26の傾斜部26bから外れることで、紙幣入口11を完全に閉じる。それから、引っ張りばね33により図中反時計方向にばね力で付勢されているロック29は、ピン34がシャッタ開閉板26の傾斜部26aに沿って下降し、さらにシャッタ開閉板26から外れることで、図中反時計回りに回転し、紙幣収納庫7の取付け前の初期状態に戻る。これにより、シャッタ13はロック29によって開(下)方向の動きが規制され、紙幣収納庫7の防盗性が保たれる。
【0033】
ここで、紙幣収納庫7に紙幣を搬送している途中で紙幣ジャム、停電などのトラブルが発生した場合について説明する。
図17は紙幣搬送途中の状態を示す紙幣収納庫の部分破断縦断面図、図18は紙幣搬送未完了のまま収納庫収容部から取り出した状態を示す紙幣収納庫の縦断面図、図19は図18におけるf−f矢視図である。
【0034】
入金された紙幣39は、図17に示すように、搬送部37から紙幣収納庫7へ搬送されるが、そのときに、紙幣ジャムや停電によって、紙幣39の搬送が最後までできずに紙幣39が紙幣収納庫7の紙幣入口11で滞留することがある。この状態のまま紙幣収納庫7を収納庫収容部1aから取り外すと、図18に示すように、紙幣入口11で滞留した紙幣39がシャッタ13と筐体12の間に挟まれたまま取り出されることになる。
【0035】
このとき、シャッタ13は紙幣入口11で滞留した紙幣39に阻まれて紙幣入口11のすべてを隠すまで上昇できていないため、滞留した紙幣39を取り外すと、シャッタ13が半開状態となってしまう。また、この状態では、図19に示すように、シャッタ13のストッパ28がロック29の下または並列に位置し、シャッタ13のストッパ28とロック29とが係合できないため、シャッタ13が自由に押下げ可能であり、したがって紙幣収納庫7に既に収納された内部の紙幣の防盗性を確保することができない。
【0036】
そこで、本発明では、シャッタ13が紙幣入口11を全閉にしているとき以外にも、ロック29がシャッタ開閉板26の作用を受けていないときはいつでもシャッタ13を開方向に移動するのを阻止するようにした。以下、この機構について説明する。
【0037】
図20はシャッタのストッパ近傍を示す部分拡大図である。
シャッタ13のストッパ28は、ロック29が設けられている側の縁部に複数の鋸歯状突起40を有している。この鋸歯状突起40は、図示の例では、3箇所設けられており、各鋸歯状突起40はシャッタ13の移動方向に直交する水平部40aと、シャッタ13の移動方向に対して傾斜させた傾斜部40bとを有している。また、ストッパ28の鋸歯状突起40は、ロック29が引っ張りばね33によりその初期位置まで戻されているときには、ロック29の係合部29aによってシャッタ13の移動が遮られる位置まで突出している。
【0038】
次に、ストッパ28に鋸歯状突起40を有しているシャッタ13の動作および防盗性について、説明する。
図21は紙幣搬送未完了のまま収納庫収容部から取り出したときの図18におけるf−f矢視図、図22はシャッタが規制された状態を示す図18におけるf−f矢視図、図23は図21におけるg−g矢視図である。
【0039】
ここで、紙幣39が搬送部37によって紙幣収納庫7へ搬送されている途中に、紙幣ジャムあるいは停電があって、紙幣39が紙幣収納庫7の紙幣入口11で滞留したまま紙幣収納庫7を収納庫収容部1aから取り外した場合、ロック29はその初期位置に戻るが、シャッタ13はシャッタ13と筐体12との間に挟まれた紙幣39により完全に上昇するのを妨げられて途中で止まる。このとき、図21に示すように、ロック29の係合部29aの縁部は、ストッパ28の鋸歯状突起40に当接された状態になっている。
【0040】
以上のような状態で、紙幣収納庫7内の紙幣を取り出すことを目的にシャッタ13をさらに押し下げると、図22に示すように、シャッタ13のストッパ28に形成された鋸歯状突起40の水平部40aとロック29の係合部29aとが係合する。これによって、シャッタ13が規制(ロック)され、シャッタ13をそれ以上押し下げすことはできなくなり、紙幣入口11の高さは紙幣39が挟まれている高さとなる。このシャッタ13のロックにより、十分に紙幣入口11が開かず、紙幣収納庫内の紙幣を取り出すことが困難となる。このとき、シャッタ13のストッパ28に鋸歯状突起40を多数個形成することにより、滞留した紙幣39の枚数(厚み)に拘らずシャッタ13をロックさせることが可能となっている。
【0041】
また、図21の状態から滞留した紙幣39を取り除いた場合には、シャッタ13のストッパ28に形成されている鋸歯状突起40の傾斜部40bがロック29に当接するが、シャッタ13が引っ張りばね24によるばね力で図上上向き方向に付勢されているため、このばね力によって、シャッタ13のストッパ28が弾性変形内で変形してロック29から逃げ、ストッパ28の鋸歯状突起40の傾斜部40bに沿ってロック29が乗り越える(図23)。これを、ロック29が乗り越えた位置より下側に存在する鋸歯状突起40の個数分だけ繰り返すことによって、シャッタ13は初期状態に戻り、紙幣入口11を完全に閉じる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、脱着可能な紙幣収納庫を有する紙幣収納装置において、紙幣ジャムや停電などのトラブルによって紙幣収納庫の紙幣入口に紙幣が挟まった状態で紙幣入口を塞ぐためのシャッタが半開となっても、その滞留した紙幣の枚数(厚み)に応じて、シャッタに設けられた複数の鋸歯状突起のどれか1つにロック部材が係合し、シャッタのロックが可能となる。
【0043】
また、シャッタ半開状態から滞留した紙幣を取り除くと、シャッタの付勢手段によってシャッタがロック部材を乗り越えて紙幣入口を完全に閉じることが可能となる。
【0044】
以上のことにより、紙幣ジャムや停電などのトラブル時にも紙幣収納庫内の紙幣の防盗性が保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙幣収納庫の前方から見た外観を示す斜視図である。
【図2】紙幣収納庫の後方から見た外観を示す斜視図である。
【図3】シャッタが下がって紙幣入口が開口した状態を示す斜視図である。
【図4】紙幣収納庫の正面図である。
【図5】図4におけるa−a断面図である。
【図6】図5におけるb−b断面図である。
【図7】図6におけるc−c断面図である。
【図8】収納庫収容部の縦断面図である。
【図9】図8におけるd−d矢視図である。
【図10】紙幣収納庫を装着する前の状態を示す収納庫収容部および紙幣収納庫の斜視図である。
【図11】紙幣収納庫の装着初期の状態を示す縦断面図である。
【図12】シャッタ開閉板の第1の係合状態を示す縦断面図である。
【図13】シャッタ開閉板の第2の係合状態を示す縦断面図である。
【図14】シャッタ開閉板の第3の係合状態を示す縦断面図である。
【図15】紙幣収納庫の装着完了の状態を示す縦断面図である。
【図16】紙幣収納庫を収納庫収容部に装着したときの斜視図である。
【図17】紙幣搬送途中の状態を示す紙幣収納庫の部分破断縦断面図である。
【図18】紙幣搬送未完了のまま収納庫収容部から取り出した状態を示す紙幣収納庫の縦断面図である。
【図19】図18におけるf−f矢視図である。
【図20】シャッタのストッパ近傍を示す部分拡大図である。
【図21】紙幣搬送未完了のまま収納庫収容部から取り出したときの図18におけるf−f矢視図である。
【図22】シャッタが規制された状態を示す図18におけるf−f矢視図である。
【図23】図21におけるg−g矢視図である。
【図24】紙幣入金機の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 紙幣入金機
1a 収納庫収容部
11 紙幣入口
12 筐体
13 シャッタ
14 収納部
18 ガイドブロック
19a,19b 長円穴
20 右側壁
21a,21b ピン
22 孔
23 フック
24 引っ張りばね
25 ローラ
26 シャッタ開閉板
26a,26b 傾斜部
26c 水平部
27 孔
28 ストッパ
29 ロック
29a 係合部
30 ピン
31 孔
32 フック
33 引っ張りばね
34 ピン
35a,35b 側板
36 ガイドレール
36a,36b,36b,36d ガイドレール
37 搬送部
38a,38b ストッパ軸
39 紙幣
40 鋸歯状突起
40a 水平部
40b 傾斜部
Claims (2)
- 装置本体に設けられた搬送部からの紙葉類媒体を受容可能に一側面に開口された紙葉類搬入口と、前記紙葉類搬入口を開閉するシャッタ部材と、前記紙葉類搬入口を閉口するように前記シャッタ部材を上方に保持する付勢手段と、前記シャッタ部材の開閉運動を規制するロック部材とを備え、前記装置本体の収容部への装着操作により前記装置本体に設けられた開口手段が前記付勢手段に抗して前記シャッタ部材を下方へ移動して前記紙葉類搬入口が開口され、前記収容部からの取り外し操作により前記開口手段が前記シャッタ部材より待避し前記付勢手段により前記シャッタ部材を上方へ移動して前記紙葉類搬入口が閉口されかつ前記ロック部材により前記シャッタ部材の開閉運動が規制される紙葉類収納装置において、
前記紙葉類搬入口が半開状態で前記取り外し操作を行ったときに前記ロック部材と当接される前記シャッタ部材の当接部分に、前記シャッタ部材の移動方向に対して直交し前記ロック部材と係合する水平の下辺と前記シャッタ部材の移動方向に対して傾斜された上辺とを有する鋸歯状突起部を複数備えていることを特徴とする紙葉類収納装置。 - 前記シャッタ部材は、前記紙葉類搬入口の半開状態が解除されたとき前記付勢手段の力により前記シャッタ部材の弾性変形内で変形して前記鋸歯状突起部がロック部材を乗り越えることで前記紙葉類搬入口を閉口する方向に移動することを特徴とする請求項1記載の紙葉類収納装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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