JP6866118B2 - 紙葉類処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、紙葉類を処理する紙葉類処理装置に関する。
従来から、複数の紙幣束を、出金口から一括して出金可能な紙葉類処理装置が知られている。出金対象の紙幣束は、出金口の後方の集積空間に集積される。下記特許文献1では、集積空間において、複数の紙幣束は水平なステージ(爪部材)の上に載置されている。出金口は、シャッタによって閉塞されている。集積空間の前面紙幣束の払出し時にはシャッタが開かれ、利用者は、集積空間から紙幣束を取り出す。
特許第5957355号公報
ところで、紙幣束の厚みは、各紙幣の状態(新札か、流通券か。折り目やしわの有無や位置。等)に依存し、一定ではない。(紙幣毎に異なる。一つの束でも厚い部分と薄い部分が生じる。)そして、複数の紙幣束を集積すると個体差が蓄積されて、集積された紙幣束が垂直姿勢を保持できずに、前方へ傾斜することも考えられる。そして、集積された紙幣束が前方へ傾斜した状態でシャッタが開かれると、ステージの上で積層されている紙幣束が前方へ崩れ、その結果、紙幣束(紙葉類束)が周囲に散乱するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、払出口からの紙葉類束の払出し時における紙葉類束の散乱を抑制または防止できる紙葉類処理装置を提供することである。
の発明は、紙葉類束を払い出すための払出口と、前記払出口に横方向に対向して、前記払出口から払い出される紙葉類束を複数個集積可能な集積領域と、前記集積領域に集積される複数の前記紙葉類束を、前記集積領域に対し前記払出口と反対側に向かうに従って下がる傾斜姿勢を各紙葉類束がなすように支持する紙葉類束支持部とを含む、紙葉類処理装置を提供する。
この発明の一実施形態では、前記紙葉類束支持部は、前記集積領域に集積された前記複数の紙葉類束のうち最下位の紙葉類束に下方から接触して、当該最下位の紙葉類束を前記傾斜姿勢に支持する下方支持部を含む。
この発明の一実施形態では、前記下方支持部は、前記集積領域の前後に配置された2つ以上の支持部材を含む。そして、前記支持部材のうち前記集積領域に対し前記払出口側の第1の支持部材による前記最下位の紙葉類束との接触位置が、前記支持部材のうち前記集積領域に対し前記払出口と反対側の第2の支持部材による前記最下位の紙葉類束との接触位置よりも高く設けられている。
この発明の一実施形態では、前記紙葉類処理装置は、前記集積領域に集積された前記複数の紙葉類束を、前記集積領域に対し前記払出口と反対側からガイドするガイド部材をさらに含む。そして、前記ガイド部材は、鉛直方向に対し上側が、前記集積領域に対し前記払出口と反対側に傾斜する傾斜ガイド面を含む。
この発明の一実施形態では、前記払出口の下端縁から下方に窪む凹みが形成されている。
この発明の一実施形態では、前記紙葉類処理装置は、前記払出口を開閉するためのシャッタであって、前記集積領域に集積された前記複数の紙葉類束を払い出す際に前記払出口を開放するシャッタをさらに含む。
この発明の一実施形態では、前記紙葉類処理装置は、前記紙葉類束を収納する紙葉類束収納部と、前記集積領域と前記紙葉類束収納部との間で、前記紙葉類束を搬送する紙葉類束搬送部とをさらに含む。
前記集積領域が、前記払出口に対して移動不能に設けられていてもよい。
また、前記紙葉類処理装置は、前記紙葉類束を支持しながら昇降するリフトを有し、前記紙葉類束を、前記集積領域と前記集積領域と別に設けられた他領域との間で搬送する紙葉類束搬送部をさらに含んでいてもよい。前記リフトは、紙葉類束を下方から接触支持して、前記集積領域を含む縦搬送路を昇降してもよい。
前記リフトと前記下方支持部とが平面視において重複しないように、前記リフトには切欠き部が形成されていてもよい。
また、前記集積領域における前記リフトの昇降により、前記リフトに支持されている前記紙葉類束が前記紙葉類束支持部に引き渡されていてもよい。この場合、前記紙葉類束を支持している状態の前記リフトを、前記縦搬送路において前記集積領域を経由して前記下方支持部の下方に降下させることにより、前記下方支持部が前記切欠き部を通過してもよい。
また、前記リフトは、前記紙葉類束を水平姿勢に支持しながら前記縦搬送路を昇降してもよい。
本発明によれば、払出口からの紙葉類束の払出し時における紙葉類束の散乱を抑制または防止できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を含む貨幣処理システムを、前側から見た斜視図である。 図2は、前記紙幣処理装置を右側から見た模式的な縦断面図である。 図3は、前記紙幣処理装置に含まれる紙幣束出金部を右側から見た模式的な縦断面図である。 図4は、図3に示す前側爪部材および後ろ側爪部材の拡大図である。 図5は、図3を、切断面線V−Vから見た模式的な図である。 図6は、前記紙幣束出金部を前側から見た斜視図である。 図7は、前記貨幣処理システムの電気的構成を示すブロック図である。 図8は、前記紙幣処理装置の内部構成の概要を示す模式図である。 図9Aは、前記紙幣束出金部の内部に設けられた集積領域に複数の紙幣束が集積されている状態を示す縦断面図である。 図9Bは、爪部材の上方において、複数の紙幣束がリフト上に載置されている状態を示す縦断面図である。 図10は、変形例に係る紙幣束出金部の斜視図である。 図11は、上部ユニットを前側へと引き出した状態を示す斜視図である。 図12は、シャッタ機構の開状態における前記紙幣束出金部を前側から見た斜視図である。 図13は、シャッタ機構の開状態における前記紙幣束出金部を前側から見た斜視図である。 図14は、鍵穴に鍵が挿されていない状態の紙幣束出金部を後ろ側から見た斜視図である。 図15は、鍵穴に鍵が挿されている状態の紙幣束出金部を後ろ側から見た斜視図である。 図16は、紙幣搬送機構の開状態を示す、上部ユニットの斜視図である。 図17は、前記紙幣搬送機構の第1の開姿勢を示す正面図である。 図18は、前記紙幣搬送機構の第2の開姿勢を示す正面図である。 図19は、前記紙幣搬送機構の開状態における、ロック機構の拡大斜視図である。 図20は、前記紙幣搬送機構の開状態における、前記ロック機構の模式的な背面図である。 図21は、前記紙幣搬送機構の第1の開姿勢における、前記ロック機構の模式的な背面図である。 図22は、前記紙幣搬送機構の第2の開姿勢における、前記ロック機構の模式的な背面図である。 図23は、シャッタ(蓋部材)の閉状態を示す、紙幣束収納部の拡大斜視図である。 図24は、前記シャッタ(蓋部材)の開状態を示す、前記紙幣束収納部の拡大斜視図である。 図25は、前記シャッタ(蓋部材)の開状態を示す、前記紙幣束収納部の拡大斜視図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置2Aを含む貨幣処理システム1を、前側から見た斜視図である。
貨幣処理システム1は、主に銀行等の金融機関に設置される。貨幣処理システム1は、貨幣処理装置2と、操作端末3と、プリンタ4とを含む。貨幣処理システム1の利用者は、たとえば金融機関の係員である。
貨幣処理装置2は、紙葉類の一例としての紙幣を処理する紙幣処理装置2Aと、硬貨の入金処理および出金処理を行う硬貨入出金機2Bとを含む。紙幣処理装置2A、硬貨入出金機2B、操作端末3およびプリンタ4は、互いに通信可能に接続されている。
紙幣処理装置2Aは、紙幣の入金処理および出金処理を行うための装置である。紙幣処理装置2Aは、たとえば縦長のボックス状の装置本体10を含む。装置本体10において利用者に臨む前面部10Aの略上半分には、紙幣束出金口(払出口)11と、入金口12と、取出口13とが、上側からこの順に配置されている。
紙幣束出金口11からは、たとえば100枚といった所定数毎に帯封された紙幣によって構成された紙幣束が、払い出される。紙幣束出金口11は、複数の紙幣束を一括して払い出すことができるようなサイズを有している。紙幣束出金口11に関連して、装置本体10の内部には複数の紙幣束を集積して払い出すための紙幣束出金部9が設けられている。装置本体10には、紙幣束出金口11を開閉するためのシャッタ機構(シャッタ)16が設けられている。シャッタ機構16は、モータ等のシャッタ駆動部91(図7参照)の駆動力を受けて紙幣束出金口11を開閉する。
入金口12に関連して、装置本体10には、入金口12から装置本体10内へ窪んだ凹状の入金部14が設けられている。入金処理の際に、入金用のバラ紙幣が利用者によって入金口12から入金部14に入金される。入金口12および入金部14は、図1の例では、常に機外に露出されているが、入金口12を開閉するシャッタを設けても構わない。
取出口13に関連して、装置本体10には、取出口13から装置本体10内へ窪んだ凹状の出金部15が設けられている。装置本体10には、モータ等の駆動部(図示しない)の駆動力を受けて取出口13を開閉する開閉部の一例としてのシャッタ17が設けられている。出金処理の際には、出金用のバラ紙幣が装置本体10内から出金部15に出金され、かつシャッタ17が開かれる。これにより、利用者は、出金部15の紙幣を取出口13から取り出すことができる。
操作端末3には、タッチパネルディスプレイ等によって構成された操作表示部3Aが設けられている。操作表示部3Aには、貨幣処理装置2の動作に関する様々な情報が表示されるとともに、操作を受け付ける。
プリンタ4は、貨幣処理装置2において実行された処理の内容を記したレシート等を発行する。なお、操作端末3およびプリンタ4を、貨幣処理装置2とは別に設ける構成に限られず、貨幣処理装置2の一部として装置本体の外壁の内側に配置されていてもよい。
図2は、紙幣処理装置2Aを右側から見た模式的な縦断面図である。図2を参照して、装置本体10内には、バラ紙幣処理部20と、バラ紙幣処理部20の上側に位置する紙幣束処理部21とが設けられている。図2では、バラ紙幣処理部20と紙幣束処理部21との境界線が、一点鎖線によって示されている。
バラ紙幣処理部20は、前述した入金部14、出金部15およびシャッタ17の他に、出金リジェクト部24、収納部25、環状搬送路26、取込搬送路27、取出搬送路28、識別部29、反転部30および供給路31を含む。出金リジェクト部24は、例えば出金部15の真下に配置された空間である。
収納部25は、箱状に形成され、複数(ここでは5つ)存在し、前後(図2では左右)に並んで配置されている。これらの収納部25は、扉18と共にスライドすることによって、装置本体10から前側(図2では左側)へ引き出し可能である。5つ並んだ収納部25のうち、前後に隣り合う3つの収納部25は、バラ紙幣が金種毎に積層状態にて収納される金種別収納部25Aである。別の1つの収納部25は、複数金種のバラ紙幣が混合状態にて一括収納されたり、他の収納部25に収納しきれないオーバーフロー紙幣が収納されたりする一括収納部25Bであり、残りの1つの収納部25は、入金されたバラ紙幣を一時的に収納する一時保留部25Cである。金種別収納部25A、一括収納部25Bおよび一時保留部25Cは、後側(図2では右側)からこの順番にて並んでいる。各収納部25内には、水平な板状のステージ34が配置され、積層状態にて収納されたバラ紙幣は、ステージ34上に配置される。ステージ34は、モータ等の駆動部(図示しない)の駆動力を受けて昇降する。また、各収納部25の出入口には繰出機構47が設けられ、分岐路35〜39からのバラ紙幣を収納部25内に取り込んだり、収納部25内のバラ紙幣を当該分岐路へ送り出したりする。
環状搬送路26は、上下に扁平なループ状をなしている。環状搬送路26内のバラ紙幣は、5つの収納部25の上方において、図2における時計回りおよび反時計回りのいずれかに循環するように搬送される。環状搬送路26の下側部分には、分岐路35、36、37、38、39および40の各一端が、環状搬送路26内におけるバラ紙幣の搬送方向に沿って、この順番にて接続されている。分岐路35、36および37の各他端は、3つの金種別収納部25Aのそれぞれに1つずつ上側からつながっている。分岐路38の他端は、一括収納部25Bに上側からつながっている。分岐路39の他端は、一時保留部25Cに上側からつながっている。分岐路40の他端は、出金リジェクト部24につながっている。取込搬送路27は、入金部14に入金されたバラ紙幣を1枚ずつ取り込み、環状搬送路26へ送るための搬送路である。取出搬送路28は、環状搬送路26内のバラ紙幣を出金部15に送るための搬送路である。
識別部29は、環状搬送路26の上側部分の途中領域、より詳しくは、環状搬送路26において取込搬送路27に接続された部分と分岐路35に接続された部分との間の領域に配置されている。識別部29は、環状搬送路26において搬送されるバラ紙幣の金種、正損、真偽、表裏等を識別する一般的なセンサである。損傷のあるバラ紙幣や偽のバラ紙幣(すなわち、異常のある紙幣)は、リジェクト紙幣であると識別部29によって識別される。また、識別部29は、バラ紙幣を1枚ずつ識別することによって計数することもできる。
反転部30は、反転路45と分岐爪46とを含む。反転路45は、略V字に折れ曲がっていて、環状搬送路26から一旦分岐した後に環状搬送路26に合流するように環状搬送路26に対して並列的に接続されている。詳しくは、反転路45は、環状搬送路26において識別部29が設けられた部分と分岐路35に接続された部分との間の領域に対して接続されている。分岐爪46は、反転路45において環状搬送路26から分岐した分岐位置45Aに設けられている。分岐爪46の向きは、ソレノイド等の駆動部(図示しない)の作動に応じて切り換わる。これによって、環状搬送路26内において分岐位置45Aに到達したバラ紙幣を、引き続き環状搬送路26内において搬送したり、反転路45へ搬送したりすることができる。表裏が逆であると識別部29によって識別されたバラ紙幣は、反転路45においてスイッチバックされて表裏が直されてから、環状搬送路26に合流する。供給路31は、環状搬送路26において反転路45が接続された部分と分岐路35に接続された部分との間の領域から分岐して紙幣束処理部21まで延びている。
環状搬送路26、取込搬送路27、取出搬送路28、供給路31、分岐路35、36、37、38、39および40ならびに反転路45といった搬送路には、バラ紙幣を搬送するために回転する搬送ローラ(図示しない)や、周回移動する搬送ベルト(図示しない)が設けられている。モータ等の駆動部(図示しない)の駆動力を受けて、搬送ローラが回転したり搬送ベルトが周回移動したりする。
環状搬送路26と分岐路35〜40のそれぞれとの接続位置には、前述した分岐爪46と同様の分岐爪(図示しない)が設けられており、各分岐爪の向きは、ソレノイド等の駆動部(図示しない)の作動に応じて切り換わる。これによって、環状搬送路26内の紙幣を分岐路35〜40へ搬送することができる。この分岐爪は、取出搬送路28および供給路31のそれぞれと環状搬送路26との接続位置にも設けられていて、この分岐爪の向きが切り換わることによって、環状搬送路26内の紙幣を取出搬送路28や供給路31へ搬送することができる。
紙幣束処理部21は、前述したシャッタ機構16の他に、集積部50と、帯封機構(他領域)51と、縦搬送路52と、リフト53(紙葉類束搬送部)と、横搬送路54と、紙幣搬送機構(紙葉類束搬送部)55と、紙幣束収納部(他領域、紙葉類束収納部)56とを含む。集積部50は、箱状に形成され、複数(ここでは2つ)存在し、上下に並んで配置されている。環状搬送路26から分岐した供給路31は、各集積部50に接続されている。
帯封機構51は、供給路31を経由してバラ紙幣処理部20から集積部50まで搬送されてきたバラ紙幣のまとまりを受け取って帯封することによって紙幣束を作成するためのものであって、帯封機構51の構成として、特許第5955906号公報に示す帯封部のような公知の構成を用いることができる。帯封機構51は、バラ紙幣のまとまりを受け取って帯封することによって紙幣束を作成するだけでなく、紙幣束の帯封紙に所定の印影を押印すると共に、紙幣束の帯封紙に、日付やシリアルナンバーを印字する。
縦搬送路52は、帯封機構51の前方から上側へ垂直に延びる空間である。縦搬送路52の中段高さ位置の前方は、前述した紙幣束出金口11に連通している。。
リフト53は、水平な板状に形成されて縦搬送路52内に配置されていて、モータ等のリフト駆動部81(図3等参照)の駆動力を受けて昇降する。リフト53の上面に、紙幣束を載置することができ、リフト53は、紙幣束を昇降させる。リフト53は、縦搬送路52における次に述べる集積領域60の下端部よりも下方では、紙幣束を1つずつしか昇降させることができないが、集積領域60の下端部よりも上方では、複数の紙幣束(最大10つ)を一括して昇降することが可能である。リフト53の上限位置は縦搬送路52の上端直下であり、リフト53の下限位置は縦搬送路52の下端の直下である。図2では、リフト53の上限位置を破線で示し、リフト53の下限位置を実線で示している(図8においても同様)。
横搬送路54は、縦搬送路52の上端から後側へ水平に延びる空間である。紙幣搬送機構55は、上下に扁平な無端状のベルト57と、ベルト57を周回移動させるモータ等のベルト駆動部82とを含む。ベルト57は、図2における時計回りおよび反時計回りのどちらにも周回移動できる。ベルト57の外周面には、複数の突起57Aが設けられている。複数の突起57Aは、ベルト57の周回移動方向において等間隔にて配置されている。また、横搬送路54には、ベルト57に保持されて横搬送路54内を移動している紙幣束の下面の画像を検出する識別部85が配置されている。識別部85は、搬送される紙幣束の金種を識別する。識別部85は、搬送される紙幣束の金種だけでなく、当該紙幣束の帯封紙を検出して、紙幣束の結束状態を識別してもよい。
紙幣束収納部56は、箱状に形成され、複数(ここでは4つ)存在し、ベルト57の下側において前後に並んで配置されている。各紙幣束収納部56の上面には、出入口56Aが形成されていると共に、シャッタ58が設けられている。シャッタ58は、モータ等のシャッタ駆動部83(図7参照)の駆動力を受けて出入口56Aを開閉する。各紙幣束収納部56には、紙幣束が金種毎に積層状態にて収納される。各紙幣束収納部56内には、水平な板状のステージ59が配置され、積層状態にて収納された紙幣束は、ステージ59上に配置される。ステージ59は、モータ等のステージ駆動部84(図7参照)の駆動力を受けて昇降する。これらの紙幣束収納部56の上面とベルト57とによって上下から挟まれた空間が、横搬送路54である。この実施形態では、紙幣搬送機構55およびリフト53が、集積領域60と紙幣束収納部56との間で紙幣束を搬送する紙幣束搬送部(紙葉類束搬送部)として機能する。
紙幣束出金部9は、紙幣束出金口11の後方に設けられ、紙幣束出金口11から払い出される紙幣束を複数個集積可能な縦長の集積領域60と、集積領域60において複数の紙幣束を支持する紙幣束支持部61(紙葉類束支持部)とを含む。集積領域60は、縦搬送路52のうち紙幣束出金口11の後方に対向する領域に形成されている。紙幣束支持部61は、複数の爪部材(下方支持部)62を含む。
この実施形態では、縦搬送路52のうち、集積領域60を含みかつ集積領域60の下端部よりも上方の領域と、横搬送路54と、紙幣搬送機構55と、紙幣束収納部56と、ベルト57とがユニット化されており、装置本体10に対して前方に引き出し可能に設けられている。前面部10Aのうち、これらの部材の前方を覆う上部カバー8も、これらの部材と共に一体に引き出される。このユニットを上部ユニット10Bと呼ぶことがある。
図3は、紙幣束出金部9を右側から見た模式的な縦断面図である。図4は、図3に示す前側爪部材62Aおよび後ろ側爪部材62Bの拡大正面図である。図4では、説明の関係上、前側爪部材62Aおよび後ろ側爪部材62Bを互いに前後方向に近づけて示している。図5は、図3を、切断面線V−Vから見た模式的な断面図である。図6は、紙幣束出金部9を前側から見た斜視図である。図6では、紙幣束出金口11の開放状態、すなわちシャッタ機構16が開状態にある状態を示している。
紙幣束出金部9は、上面および下面が開放された略箱状のハウジング78(図5参照)と、ハウジング78の内部に設けられた前述の集積領域60と、前述の紙幣束支持部61とを含む。集積領域60は、平面視横長の縦長空間からなり、紙幣束出金口11から後方に連続して設けられている。集積領域60には、最大13個程度の紙幣束を集積可能である。集積領域60には、集積領域60における紙幣束の残留を検知するための有無センサ86(図3〜図6では図示しない。図7参照)が配置されている。有無センサ86は、たとえば光学センサであるが、その他のセンサ(たとえば機械式センサ等)を検知手段として採用してもよい。
集積領域60は、後ろ側ガイド部材63、左側ガイド部材64および右側ガイド部材65によって区画されている。各ガイド部材63〜65は、鉛直姿勢をなす板状である。左側ガイド部材64および右側ガイド部材65は、それぞれ、前後方向に沿うように延びて集積領域60の左右の側面を構成し、集積領域60に集積される紙幣束をそれぞれ左右からガイドする。後ろ側ガイド部材63は、鉛直な後ろ側ガイド面63Aを備えている。後ろ側ガイド面63Aは、左右方向に沿うように延びて集積領域60の後面を構成し、集積領域60に集積される紙幣束を後ろ側からガイドする。
紙幣束支持部61の複数の爪部材62は、この実施形態ではたとえば5つであり、集積領域60の下端位置に配置されている。複数の爪部材62は、集積領域60に集積されている複数の紙幣束のうち最下位の紙幣束に下方から接触して、当該最下位の紙幣束および当該最下位の紙幣束上に載置された紙幣束を支持する。図5および図6に示すように、複数の爪部材62は、集積領域60の前端縁において左右に間隔を空けて配置された2つの前側爪部材(第1の支持部材)62Aと、集積領域60の後端縁において左右に間隔を空けて配置された2つの後ろ側爪部材(第2の支持部材)62Bと、集積領域60の左端縁の中央部に配置された左側爪部材62Cとを含む。各爪部材62A,62B,62Cは共通の諸元である。図5および図6に示す例では、2つの前側爪部材62Aと2つの後ろ側爪部材62Bとは、それぞれ前後に対向している。
リフト53の外縁には、平面視で各爪部材62に対応する位置に合計5つの切欠き部79が形成されている。各爪部材62を上下に跨るようにリフト53を昇降させても、各爪部材62は切欠き部79を通過して、リフト53とは干渉しない。
各爪部材62は、回動軸80に支持されている。各爪部材62は、略横方向に延びる支持姿勢(図3および図4にて実線で図示)から先端側が上方に向かう方向にのみ回動可能に設けられている。すなわち、各爪部材62の支持姿勢では、先端側が下方に向かう方向には回動しない。また、各爪部材62は、当該爪部材62を支持姿勢に弾性的に押圧するための弾性部材(図示しない)が設けられている。これにより、爪部材62に外方からの力が作用する場合を除き、各爪部材62は支持姿勢をなしている。
前側爪部材62Aに対応する回動軸80は、ハウジング78の前板下部分を構成する前側構成部材66に支持されている。前側爪部材62Aの先端部は、集積領域60の内部に入り込んでいる。後ろ側爪部材62Bに対応する回動軸80は、ハウジング78の後面板に支持されている。後ろ側爪部材62Bは、後ろ側ガイド部材(ガイド部材)63に形成された挿通穴67(図5参照)を介して、その先端部が集積領域60の内部に入り込んでいる。左側爪部材62Cに対応する回動軸80は、ハウジング78の後面板に支持されている。左側爪部材62Cは、左側ガイド部材64に形成された挿通穴68(図5参照)を介して、その先端部が集積領域60の内部に入り込んでいる。
この実施形態では、紙幣束支持部61は、集積領域60に集積される複数の紙幣束を、後方に向かって下がる傾斜姿勢を各紙幣束がなすように支持する。
具体的には、図4に示すように、それぞれの支持姿勢において、前側爪部材62Aがやや斜め上向きに延びているのに対し、後ろ側爪部材62Bは水平に延びている。また、各爪部材62に対応する回動軸80の高さ位置は互いに等しい。すなわち、それぞれの支持姿勢において、前側爪部材62Aの先端部は、後ろ側爪部材62Bの先端部よりも高く設けられている。また、それぞれの支持姿勢において、左側爪部材62Cの先端部は、後ろ側爪部材62Bの先端部と同じ高さであってもよいし、前側爪部材62Aの先端部より低く、かつ後ろ側爪部材62Bの先端部よりも高くされていてもよい。
前側爪部材62Aの先端部は、後ろ側爪部材62Bの先端部よりも高く設けられているので、後述する図9Aに示すように、集積領域60に複数の紙幣束Tが集積される際には、集積領域60での紙幣束の集積状態における、前側爪部材62Aによる最下位の紙幣束Tとの接触位置が、後ろ側爪部材62Bによる最下位の紙幣束Tとの接触位置よりも高くなる。集積領域60に集積される複数の紙幣束Tのうち最下位の紙幣束Tが傾斜姿勢に支持される。前側爪部材62Aおよび後ろ側爪部材62Bの支持姿勢は、それぞれ、最下位の紙幣束Tの傾斜角度が所期の角度(約4°〜約10°、好ましくは約7°)をなすように設定されている。そして、最下位の紙幣束の上に載置されている各紙幣束Tも、最下位の紙幣束Tと同様の傾斜姿勢をなす。これにより、集積領域60に集積されている各紙幣束Tは、後方に向かって下がる傾斜姿勢に保たれる。
また、集積領域60に複数の紙幣束Tが集積される際には、各紙幣束Tの荷重が後方に加わるが、これら後方への荷重は、後ろ側ガイド部材63によって受け止められる。すなわち、この実施形態では、後ろ側ガイド部材63も紙幣束支持部61に含まれる。
図3および図5に示すように、シャッタ機構16は、外側シャッタ16Aおよび内側シャッタ16Bを含む2重構造である。シャッタ機構16は、紙幣束の払出し時以外は、常時閉じられている。シャッタ機構16の閉状態では、外側シャッタ16Aおよび内側シャッタ16Bが左右に並んで紙幣束出金口11を閉じている。紙幣束出金口11を開放する際には、まず内側シャッタ16Bが左に向けて移動(スライド)させられる。そして、内側シャッタ16Bが外側シャッタ16Aに前後に揃った状態で、外側シャッタ16Aおよび内側シャッタ16Bが左に向けて同伴移動させられる。
図3および図5に示すように、シャッタ機構16の内側には、板状の前側ガイド部材69が設けられている。前側ガイド部材69は、前後方向に垂直に延び、連結部70を介して外側シャッタ16Aに同伴移動可能に連結されている。シャッタ機構16の閉状態で、前側ガイド部材69は、集積領域60を含む縦搬送路52に存在する紙幣束を前側からガイドする。
集積領域60に集積される紙幣束Tは、後方に向かって下がる傾斜姿勢に保たれているので、前方に傾倒するおそれはないのであるが、水平なリフト53上に載置されて集積領域60を搬送される複数の紙幣束は、前側に倒れる可能性がある。前側ガイド部材69による前方からのガイドによって、このような紙幣束Tの前方への傾倒を効果的に抑制できる。
図6に示すように、前側構成部材66の上面66Aは、紙幣束出金口11の下端縁を構成している。前側構成部材の上面66Aには左右方向の中央部に、下方に窪む凹み71が形成されている。凹み71は、左右方向に広く形成されており、その底部には、後方に向かって下がる緩やかな傾斜面72が形成されている。凹み71は、紙幣束の出金時において、集積領域60に集積された複数の紙幣束のうち最下位の紙幣束の下方に、利用者が指を挿れるための凹部である。
図7は、貨幣処理システム1の電気的構成を示すブロック図である。図7を参照して、紙幣処理装置2Aの電気的構成について説明する。
紙幣処理装置2Aは、制御装置75と、通信I/F部76と、記憶装置77とを含む。制御装置75は、たとえばマイクロコンピュータによって構成されている。制御装置75には、通信I/F部76および記憶装置77のそれぞれと、バラ紙幣処理部20と、紙幣束処理部21と、シャッタ駆動部91とが電気的に接続されている。
制御装置75は、通信I/F部76を介して、硬貨入出金機2B、操作端末3およびプリンタ4や他の外部機器と通信することができる。そのため、制御装置75は、利用者による操作端末3の操作表示部3A(図1参照)の操作を受け付けたり、操作表示部3Aの表示を制御したりする。また、制御装置75は、プリンタ4によってレシートを発行する。
図3を参照して、記憶装置77は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されていて、紙幣処理装置2Aに関する様々な情報を記憶している。
制御装置75は、バラ紙幣処理部20における前述した駆動部(図示しない)の動作を制御する。また、制御装置75は、シャッタ駆動部91の動作を制御する。さらに、紙幣束処理部21における駆動部、すなわち、リフト駆動部81やベルト駆動部82、シャッタ駆動部83、ステージ駆動部84、帯封機構51を制御する。また、制御装置75には、識別部85および有無センサ86から検出出力が入力されるようになっている。
図8は、紙幣処理装置2Aの内部構成の概要を示す模式図である。図9Aは、集積領域60において各爪部材62上に複数の紙幣束Tが集積されている状態を示す縦断面図である。図9Bは、爪部材62の上方において、複数の紙幣束Tがリフト53上に載置されている状態を示す縦断面図である。
紙幣処理装置2Aでは、前述のように帯封機構51がバラ紙幣を結束して紙幣束Tを形成する。図7および図8を参照しながら紙幣束Tの結束について説明する。制御装置75は、出金対象の金種の金種別収納部25Aから必要枚数のバラ紙幣を取り出して、環状搬送路26において図8の反時計回りに搬送し(図8の実線の矢印Y1を参照)、供給路31を経由して集積部50に集積させる。集積部50に所定枚数(たとえば100枚)のバラ紙幣が集積されると、制御装置75は、帯封機構51を制御して、集積部50に集積されているバラ紙幣を結束して紙幣束Tにし、結束後の紙幣束Tを1つずつリフト53上に載置する。リフト53の上昇より、縦搬送路52内を紙幣束Tが上昇する。結束後の紙幣束Tは、その後直ちに紙幣束出金部9から出金されてもよいし、紙幣束収納部56に一旦収納した後に紙幣束出金部9から出金されてもよい。
まず、図7〜図9Aを参照しながら、結束後の紙幣束Tを直ちに出金する場合の動作について説明する。この場合には、縦搬送路52の途中部に設けられた集積領域60に紙幣が集積される。
リフト53上に1つの紙幣束Tが載置された状態で、制御装置75はリフト駆動部81を制御してリフト53を上昇させる。上昇する紙幣束Tは、やがて複数の爪部材62に下方から接触する。上昇する紙幣束Tによって、各爪部材62は、先端側が上方に押し上げられる(図3に二点鎖線で示す)。リフト53がさらに上昇させられると、紙幣束Tと各爪部材62との接触が解除され、爪部材62は支持姿勢(図3に実線で示す姿勢)に復帰する。
その後、制御装置75がリフト駆動部81を制御してリフト53を下降させる。リフト53が爪部材62より下方に下降させられることにより、リフト53上に載置されている1つの紙幣束Tが爪部材62に引き渡されて、集積領域60に載置される。このとき、紙幣束Tは、後ろ下がりの傾斜姿勢となる。
次に、制御装置75は、リフト53を下限位置(図8に実線で示す位置)まで一旦下降させた後、リフト53上に、帯封機構51によって結束後の紙幣束Tを1つ載置させる。その後、制御装置75は、リフト駆動部81を制御してリフト53を上昇させる。上昇する紙幣束Tは、やがて複数の爪部材62に下方から接触し、爪部材62に既に載置されている紙幣束Tごと、各爪部材62の先端側を上方に押し上げる。制御装置75がリフト53をさらに上昇させると、紙幣束Tと各爪部材62との接触が解除され、爪部材62は支持姿勢に復帰する。
その後、制御装置75がリフト駆動部81を制御してリフト53を下降させることにより、複数の爪部材62に紙幣束Tが引き渡される。これにより、既に載置されている紙幣束Tの下側に、新たに1つの紙幣束Tを新たに載置することができる。このようなリフト53の昇降動作は、出金すべき数の紙幣束Tが集積領域60に集積されるまで繰り返される。これにより、図9Aに示すように、複数の紙幣束Tが集積領域60に集積される。
そして、集積領域60に集積されている紙幣束Tが出金すべき数に達すると、制御装置75は、シャッタ駆動部91を制御してシャッタ機構16を開放する。このとき、紙幣束Tは、後ろ下がりの傾斜姿勢となっており、シャッタ機構16が開放されても、前方への崩れを起こしにくくなっている。この状態で、各爪部材62上に複数の紙幣束Tが載置されている。そして、シャッタ機構16の開状態において、利用者は、爪部材62上に載置された複数の紙幣束Tを一括して取り出す。紙幣束出金部9に凹み71(図6参照)が形成されているので、紙幣束Tの出金時において、集積領域60に集積された複数の紙幣束Tのうち最下位の紙幣束Tの下方に、利用者が自身の指を挿れることが可能である。これにより、集積領域60に集積された複数の紙幣束Tの一括取出しを行い易い。
その後、集積領域60の内部に紙幣束Tが残留していないことが有無センサ86によって検知されると、制御装置75は、シャッタ駆動部91を制御してシャッタ機構16を閉じる。
出金動作が引き続き行われる場合には、制御装置75は、前述のようなリフト53の昇降動作を繰り返す。
次に、図7〜図9Aを参照しながら、結束後の紙幣束Tを紙幣束収納部56に収納する場合の動作について説明する。
リフト53上に1つの紙幣束Tが載置された状態で、制御装置75はリフト駆動部81を制御してリフト53を上限位置(図8に破線で示す位置)まで上昇させる。これにより、紙幣束Tは、縦搬送領域42を上昇させられ、集積領域60の上方に設定されたベルト引渡し位置(ベルト57によって引き渡し可能な位置。図示しない)に配置される。また、制御装置75はベルト駆動部82を制御してベルト57を図2の反時計回り(図8の実線の矢印Y2を参照)に周回移動させる。これにより、リフト53上の紙幣束Tは、ベルト57の突起57Aによって引っ掛けられ、リフト53からベルト57に引き渡される。その後、リフト53は、横搬送路54内において水平移動させる。このとき、横搬送路54内を移動する紙幣束Tの金種が識別部85によって識別される。横搬送路54内の紙幣束Tが収納先すべき金種の紙幣束収納部56の真上まで到達すると、制御装置75は、ベルト57の周回移動を停止させ、この紙幣束収納部56のシャッタ58を開く。そして、紙幣束Tが、収納先の紙幣束収納部56の上面の出入口56Aから落下して紙幣束収納部56内に収納される。なお、識別部85の検知によって、横搬送路54内を移動する紙幣束Tの金種だけでなく、その紙幣束Tの結束状態を確認するようにしてもよい。
なお、結束後の紙幣束Tを紙幣束収納部56に収納する場合において、複数個の紙幣束Tをリフト53上に載置した状態でベルト引渡し位置まで上昇させてもよい。この場合には、複数の紙幣束Tが集積領域60に集積されている状態(図9Aに示す状態)から、制御装置75は、リフト駆動部81を制御してリフト53を上昇させる。これにより、集積領域60に集積されている複数の紙幣束Tがリフト53に引き渡される。その後、制御装置75は、リフト53をさらに上昇させて、リフト53に載置されている最上位の紙幣束Tをベルト捕獲位置(ベルト57によって捕獲可能な位置。図示しない)に配置する。この場合、ベルト57に紙幣束Tが1つ引き渡される毎に、制御装置75は、リフト53の高さを紙幣束Tの厚み1つ分だけ上昇させる。
次に、図7〜図9Bを参照しながら、紙幣束収納部56に収納されている紙幣束Tを出金する場合の動作について説明する。
制御装置75は、ステージ駆動部84を制御して、出金対象の紙幣束Tを収納している紙幣束収納部56のステージ59を上昇させる。また、シャッタ駆動部83を制御してシャッタ58を開く。さらに、制御装置75は、ベルト駆動部82を制御して、ベルト57を図2に示す時計回り(図8の破線の矢印Y3を参照)に周回移動させる。これにより、紙幣束収納部56内の紙幣束Tが、最上位のものから順に、ベルト57の突起57Aによって引っ掛けられて、横搬送路54内を水平移動し、縦搬送路52のリフト53に1つずつ引き渡される。リフト53に紙幣束Tが1つ引き渡される毎に、制御装置75は、リフト53の高さを紙幣束Tの厚み1つ分だけ下降させる。図9Bには、複数の紙幣束Tがリフト53上に載置されている状態を示す。
そして、集積領域60に集積されている紙幣束Tが出金すべき数に達すると、リフト53を下降させて、紙幣束Tを爪部材62に受け渡す。このとき、紙幣束Tは後ろ下がりの傾斜姿勢に支持される。次に、制御装置75は、シャッタ駆動部91を制御してシャッタ機構16を開放する。紙幣束Tが後ろ下がりの傾斜姿勢に支持されるため、前方への崩れを起こしにくくなっている。そして、シャッタ機構16の開状態において、利用者は、爪部材62上に載置された複数の紙幣束Tを一括して取り出す。紙幣束出金部9に凹み71(図6参照)が形成されているので、紙幣束Tの出金時において、集積領域60に集積された複数の紙幣束Tのうち最下位の紙幣束Tの下方に、利用者が自身の指を挿れることが可能である。これにより、集積領域60に集積された複数の紙幣束Tの一括取出しを行い易い。
その後、集積領域60の内部に紙幣束Tが残留していないことが有無センサ86によって検知されると、制御装置75は、シャッタ駆動部91を制御してシャッタ機構16を閉じる。
出金動作が引き続き行われる場合には、制御装置75は、前述のようなリフト53の昇降動作を繰り返す。
以上のように、この実施形態によれば、複数の紙幣束Tが集積領域60に集積されている状態で、各紙幣束Tが、集積領域60に対し後方に向かうに従って下がる傾斜姿勢をなしている。そのため、集積領域60に集積されている複数の紙幣束Tが、紙幣束出金口11側に崩れることを抑制または防止できる。これにより、紙幣束出金口11からの紙幣束Tの払出し時における紙幣束Tの散乱を抑制または防止できる。
また、前側爪部材62Aによる最下位の紙幣束Tとの接触位置を、後側爪部材62による前記最下位の紙幣束Tとの接触位置よりも高く設けることにより、集積領域60に集積されている複数の紙幣束Tのうち最下位の紙幣束Tが傾斜姿勢に支持される。このとき、最下位の紙幣束Tの上に載置されている各紙幣束Tも、最下位の紙幣束Tと同様の傾斜姿勢をなす。これにより、集積領域60に集積されている各紙幣束Tを傾斜姿勢に保つことができる。
また、紙幣束出金部9に、紙幣束出金口11の下端縁から下方に窪む凹み71が形成されているので、紙幣束Tの出金時において、集積領域60に集積されている複数の紙幣束Tのうち最下位の紙幣束Tの下方に、紙幣束出金口11から指を挿れることが可能である。これにより、集積領域60に集積された複数の紙幣束Tの一括取出しを行い易い。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、図10に示すように、後ろ側ガイド部材63が鉛直姿勢でなく、上斜め後方に傾斜していてもよい。具体的には、後ろ側ガイド部材63の後ろ側ガイド面(傾斜ガイド面)63Bが、上斜め後方に傾斜している。鉛直方向に対する後ろ側ガイド面63Bの傾斜角度は、前側爪部材62Aと後ろ側爪部材62Bとによって支持される紙幣束(集積領域60に集積されている最下位の紙幣束)の水平方向に対する傾斜角度に合わされている。この場合、後ろ側ガイド面63Bは、集積領域60においてそれぞれ傾斜している各紙幣束Tの後端面を面接触でガイドする。これにより、集積領域60に集積されている複数の紙幣束Tの前端面を、同一平面内に揃えることができる。
また、回動軸80の高さを異ならせることで、前側爪部材62Aの先端部を後ろ側爪部材62Bの先端部よりも高く設けてもよい。この場合には、前側爪部材62Aの支持姿勢を、後ろ側爪部材62Bの支持姿勢と同様な形態としてもよい。
紙幣束Tを支持する支持部材(爪部材)の構成(形状、個数、配置、等)は、限定されない。例えば、集積空間60の前後面に、幅方向全域にわたる長尺の板部材を配置してもよい。また、集積空間60の側面(この実施形態の左右のガイド部材64,65に相当)に、上方に揺動可能な板部材を後ろ下がり姿勢に配置してもよい。なお、支持部材が支持姿勢から退避する機構は、上方への回動機構に限らず、水平方向へスライドする機構を採用してもよい。
また、紙幣束出金部9からの出金態様を、複数個の紙幣束Tをリフト53に載置された状態で紙幣束出金口11から出金させる態様とする場合には、リフト53の載置面を、後方に向かうに従って下がる傾斜姿勢にしてもよい。この場合、リフト53が本発明に係るに下支持部材に相当する。
また、紙幣搬送機構55は、ベルト57を含む構成に限られない。紙幣搬送機構55は、係合爪を有するスライダを有していてもよい。このスライダが紙幣束を掴んだ状態で横方向に移動することにより、横搬送路54を、紙幣束を横方向に移動させてもよい。
また、前述の説明では、紙幣束を内部に収納可能なタイプの紙幣処理装置2Aを例に挙げて説明したが、本発明は、紙幣束を内部に収納不能な(すなわち、紙幣搬送機構55や紙幣束収納部56を備えていない)タイプの紙幣処理装置に適用してもよい。
また、紙幣処理装置2Aは、貨幣処理システム1の一部に含まれるものとして説明したが、貨幣処理システム1から独立して設けられてもよい。
また、紙幣処理装置2Aは、紙幣束を集積空間に払い出すものに限られず、紙幣以外の商品券や小切手等の紙葉類束を集積空間に払い出すものであってもよい。
次に、紙幣処理装置2Aの他の特徴について幾つか説明する。
まず、1つ目の特徴について説明する。
図11は、上部ユニット10Bを前側へと引き出した状態を示す斜視図である。図12は、シャッタ機構16の開状態における紙幣束出金部9を前側から見た斜視図である。図13は、シャッタ機構16の開状態における紙幣束出金部9を前側から見た斜視図であり、図12の状態から紙幣束Tを取り除いた状態を、さらに拡大して示している。
前述のように、上部ユニット10Bは、装置本体10に対し前側に引き出し可能に設けられている。紙幣束収納部56(図2等参照)内においてジャムが発生している場合等に、利用者やサービスマンが、上部ユニット10Bを引き出して紙幣束収納部56に発生しているジャムを解消させる。
紙幣処理装置2Aは、上部ユニット10Bを、装置本体10への収納状態で施錠するユニットロック機構101(図13参照)を含む。そのため、上部ユニット10Bを引き出す際には、ユニットロック機構101を解錠する必要がある。ユニットロック機構101は鍵穴102を含む。鍵穴102は、図13に示すように、紙幣束出金口11から見て集積領域60の奥側、具体的には、後ろ側ガイド部材63に配置されている。後ろ側ガイド部材63には、鍵穴102に隣接して指挿入穴103が配置されている。
次に、利用者(またはサービスマン)による上部ユニット10Bの引出し作業について説明する。なお、上部ユニット10Bの引出し作業(すなわち、ユニットロック機構101の解錠作業)は、利用者のうち権限を有する者しか行えない。サービスマンは、上部ユニット10Bを引き出す権限を有している。
利用者(またはサービスマン)は、まず、シャッタ機構16を手動で開く。シャッタ機構16には次に述べるシャッタロック機構104が設けられている。通常時には、シャッタ機構16の閉状態でロックされているから、シャッタ機構16を手動で開けることはできない。但し、装置本体10の下部の前面扉(図示しない)を開き、装置本体10の内部に配置されている取っ手(図示しない)を操作すれば、シャッタロック機構104を解錠することができる。
利用者(またはサービスマン)は、この取っ手(図示しない)を操作してシャッタロック機構104を解錠させ、解錠状態にあるシャッタ機構16を手動で開く。その後、利用者は、自身が保持する鍵100を、集積領域60の奥側に配置された鍵穴102に挿して解錠操作を行う。これにより、ユニットロック機構101が解錠されて、上部ユニット10Bが前側に引き出し可能になる。その後、利用者は、上部ユニット10Bを引き出し、その状態で、メンテナンス対象の紙幣束収納部56に対してメンテナンスを行う。なお、シャッタ機構16は、手動で開かれた後、シャッタロック機構104によってその開状態のまま施錠される。
一方、縦搬送路52や横搬送路54の前端近傍においてジャムが発生している場合等には、上部ユニット10Bの引出しは行わない。つまり、上部ユニット10Bが装置本体10内に収容されている状態で、紙幣束出金口11のシャッタを開放して、利用者はメンテナンス作業を行う。このようなメンテナンス作業は、利用者のうち権限を有さない者でも行うことができる。
具体的には、利用者は、装置本体10の内部に配置されている取っ手を操作して、シャッタロック機構104を解錠させ、解錠状態にあるシャッタ機構16を手動で開く。その後、利用者は、紙幣束出金口11から手を挿し入れて、縦搬送路52や横搬送路54の前端近傍で詰まっている紙幣束等を取り出す。しかし、紙幣束出金口11から手を挿し入れる手法では、紙幣束収納部56まで手が届かない。したがって、上部ユニット10Bの、装置本体10への収納状態では、紙幣束収納部56から紙幣束を取り出すことは不可能である。
ユニットロック機構101は、上部ユニット10B側の被ロック部材(図示しない)と係合して上部ユニット10Bを施錠/解錠する施解錠部(図示しない)と、前述の鍵穴102とを含む。鍵穴102に鍵100が挿されている状態で一方向に回すことにより、施解錠部が施錠状態になり、鍵穴102に鍵100が挿されている状態で反対方向に回すことにより、施解錠部が解錠状態になる。施解錠部は、メカ式のロック構造であってもよいし、電磁ロックであってもよい。
紙幣処理装置2Aは、シャッタ機構16を開状態(紙幣束出金口11の開放状態)または閉状態(紙幣束出金口11の閉塞状態)で施錠するシャッタロック機構104を含む。このシャッタロック機構104は、単にシャッタ機構16を施解錠するだけでなく、鍵穴102に鍵100が挿されている状態では、シャッタ機構16を施錠できない構成となっている。
図14は、鍵穴102に鍵100が挿されていない状態の紙幣束出金部9を後ろ側から見た斜視図である。図15は、鍵穴102に鍵100が挿されている状態の紙幣束出金部9を後ろ側から見た斜視図である。図14および図15では、見易さのため、ハウジング78の右側板を透過して示している。また、図14および図15では、要部について見る方向を変え、かつ拡大して示している。
シャッタロック機構104は、シャッタ機構16に連結され、前後方向に延びる係合ピン105と、係合ピン105と係合するためのロックレバー106と、鍵穴102および指挿入穴103の少なくとも一部を閉塞可能に設けられた鍵カバー107と、ロックレバー106と、鍵カバー107とを連結するリンク機構108とを含む。
ロックレバー106は左右方向に延び、基端側(右側)の前後に延びる回動軸(図示しない)まわりに回動自在に設けられている。ロックレバー106の先端(左端部)には、係合ピン105に係合するための鉤部109が形成されている。
鍵カバー107は、左右方向に長い長尺の板状部材である。鍵カバー107の左端部(基端部)は、前後方向に延びる回動軸110まわりに回動自在に設けられている。
リンク機構108は、鍵カバー107の左端部(先端部)に接続され、左右に延びる回動軸111まわりに回動自在に設けられた第1のリンク部材112と、ロックレバー106における回動軸(図示しない)と鉤部109との間の部分に接続され、上下動可能に設けられた第2のリンク部材114とを含む。
鍵穴102に鍵100が挿されていない状態では、図14の拡大図に示すように、ロックレバー106の鉤部109と係合ピン105とが係合している。これにより、シャッタロック機構104はシャッタ機構16を施錠している。
この状態では、図14に示すように、鍵カバー107が、鍵穴102および指挿入穴103の後方に対向する位置にあり、鍵穴102および指挿入穴103のそれぞれの一部が鍵カバー107によって閉塞されている。この状態では、鍵穴102に鍵100を挿し入れることができない。
図14に示す状態において、利用者(またはサービスマン)は、指挿入穴103に指を挿入して、指の動きにより鍵カバー107を上方に押し退ける。これにより、鍵穴102の後方から鍵カバー107が退避するために、利用者は、鍵100を鍵穴102に挿し入れることができる。
図15に示す状態(鍵穴102に鍵100が挿されている状態)では、鍵カバー107の左端部(先端部)が上昇し、これに伴い、リンク機構108の働きにより、ロックレバー106の基端側(右側)が下降して、鉤部109が下降する。これにより、図15の拡大図に示すように、ロックレバー106の鉤部109と係合ピン105との係合が解除される。
すなわち、図15に示す状態(鍵穴102に鍵100が挿されている状態)では、シャッタロック機構104はシャッタ機構16を施錠しておらず、シャッタ機構16は解錠状態である。鍵穴102に鍵100を挿されている間は鍵カバー107が下がらないから、鍵穴102から鍵100を抜かない限り、シャッタ機構16の解錠状態が維持される。鍵穴102から鍵100を抜けば、鍵カバー107は図14に示す位置まで下がり、シャッタ機構16は解錠状態になる。
また、紙幣処理装置2Aは、シャッタロック機構104がシャッタ機構16を施錠しているか否かを検知するためのロックセンサ115を備えている。ロックセンサ115は、たとえば遮光センサによって構成されており、所定位置に鉤部109が位置しているか否かを検出して、シャッタ機構16の有無(すなわち、鍵穴102に鍵100を挿されているか否か)を検知している。ロックセンサ115の検出出力は、制御装置(図7参照)に与えられるようになっている。
シャッタロック機構104がシャッタ機構16を閉状態で施錠できていないときには、制御装置75は、次の処理に進行しないように紙幣処理装置2Aを制御する。したがって、鍵穴102に鍵100が挿されている状態ではシャッタ機構16に施錠できないため、次の処理に進行できず、(またはサービスマン)は、鍵100の抜き忘れに気付く。これにより、鍵100の抜き忘れを、利用者に確実に気付かせることができる。
鍵穴102に鍵100が挿されている状態では、鍵100が集積領域60(すなわち、縦搬送路52)に入り込むため、このままの状態で紙幣処理装置2Aが処理を再開すると、リフト53の昇降により、鍵100がリフト53と干渉するおそれがある。しかし、鍵穴102に鍵100が挿されている状態では、次の処理に進行しないので、鍵100とリフト53との干渉を未然に防止できる。
以上により、図11〜図15の構成では、上部ユニット10Bにロック機構(ユニットロック機構)を設けている。これにより、それぞれの紙幣束収納部56にロック機構を設けることなく、紙幣束収納部56の防盗性を確保することができる。後述するように、各紙幣束収納部56のシャッタ58には、ロック機構が設けられていない。上部ユニット10Bのロック機構は1つで足りるので、4つの紙幣束収納部56にそれぞれロック機構を設ける場合と比較して、コストダウンを図ることができる。
また、鍵穴102が、紙幣束出金部9の内部(紙幣束出金口11から見て集積領域60の奥側)に配置されている。したがって、防盗性を高めることができる。
制御装置75は、シャッタロック機構104がシャッタ機構16を閉状態で施錠できていないと、次の処理に進行しないように紙幣処理装置2Aを制御する。したがって、鍵穴102に鍵100が挿されている状態ではシャッタ機構16に施錠できないため、次の処理に進行できず、利用者は、鍵100の抜き忘れに気付く。これにより、鍵100の抜き忘れを、利用者に確実に気付かせることができる。
図16は、紙幣搬送機構55の開状態を示す、上部ユニット10Bの斜視図である。図17は、紙幣搬送機構55の第1の開姿勢を示す正面図である。図18は、紙幣搬送機構55の第2の開姿勢を示す正面図である。
図16に示すように、紙幣搬送機構55は、右側から上方に片開き可能に設けられている。紙幣搬送機構55を開くことにより、紙幣束収納部56の上部を露出させることができる。この状態で、紙幣束収納部56に対してメンテナンス作業が行われる。
紙幣搬送機構55は、互いに開き度合いの異なる2つの姿勢(第1および第2の開姿勢)に保持される。図17に示す、紙幣搬送機構55の第1の姿勢は、身長の低い人でも開姿勢の紙幣搬送機構55に触れることができるように、紙幣搬送機構55の開き角度がたとえば約60度に設定されている。ジャム解消等のために利用者が作業する場合には、紙幣搬送機構55は第1の姿勢に保持される。
図18に示す、紙幣搬送機構55の第2の姿勢は、紙幣搬送機構55の開き角度が約95度に設定されている。サービスマンが紙幣束収納部56のメンテナンス作業を行う場合には、広い視野や作業空間が必要とされることがあるため、紙幣搬送機構55は第2の姿勢に保持される。紙幣搬送機構55が第2の姿勢にあるときには、身長の低い人は、紙幣搬送機構55に触れることができない。紙幣搬送機構55は、ロック機構202(図19参照)により、第1および第2の開姿勢のそれぞれに保持される。
図19は、紙幣搬送機構55の開状態における、ロック機構202の拡大斜視図である。図20は、紙幣搬送機構55の開状態における、ロック機構202の模式的な背面図である。図21は、紙幣搬送機構55の第1の開姿勢における、ロック機構202の模式的な背面図である。図22は、紙幣搬送機構55の第2の開姿勢における、ロック機構202の模式的な背面図である。なお、図示の関係上、図20〜図22における左右方向は、紙面における左右方向と逆方向である。
ロック機構202は、上部ユニット10Bの本体をなすベース部201と、紙幣搬送機構55とを結合する金属製のヒンジであり、ベース部201の左端部に1または複数(この実施形態では、たとえば前後に合わせて2つ)設けられている。
ロック機構202は、ベース部201の所定位置に左右方向に相対変位可能に取り付けられた第1の部材203と、紙幣搬送機構55に固定された第2の部材204と、第1の部材203を左方向に向けて付勢するばね部材205とを含む。ばね部材205は、ベース部201に固定されたばね支持部206(図21等参照)に一端が接続され、他端が第1の部材203の下端部207に接続されている。ばね部材205は、たとえば引っ張りコイルばねを用いて構成されている。
第1の部材203は、第1の板状部208と第2の板状部209とを有するL字金具である。第1の部材203は、第1の板状部208が鉛直姿勢をなし、かつ第2の板状部209が水平姿勢をなすように、ベース部201に取り付けられている。
第1の部材203は、ベース部201に対している。具体的には、第1および第2の板状部208,209には、それぞれ左右方向に長い第1および第2の長穴210,211が形成されている。第1および第2の長穴210,211には、それぞれベース部201に結合されたピン212,213が挿通している。これらのピン212,213は、対応する長穴210,211からの抜止めが達成されている。第1の板状部208の背面には、回転ローラ214が配置されている。回転ローラ214は、前後方向に延びる回転軸(図示しない)まわりに回転自在である。
第2の部材204は、紙幣搬送機構55の所定位置に固定されている。また、第2の部材204は、ベース部201に対し、前後に延びる回動軸216まわりに回動可能に取り付けられている。第2の部材204は、互いに平行な第3および第4の板状部217,218を含む。第3および第4の板状部217,218は、前後方向に直交する方向に沿うように延びている。第3の板状部217が前側に、第4の板状部218が後ろ側に配置されている。第3の板状部217は、第1の板状部208の後方に、微小間隔を隔てて対向している。
第3の板状部217は、所望の形状に切り欠かれている。第3の板状部217の端面217aは、第1の部材203の回転ローラ214と係合し、第1の部材203の左右方向位置を案内している。第3の板状部217の端面217aは、紙幣搬送機構55の閉状態において左右に延びる規制部219と、紙幣搬送機構55の閉状態において、規制部219の左端(図20等の右端)から下方に向かって延びる略円弧状の案内部220と、案内部220の下端から、回動軸216側に向けて窪む係合部221と、係合部221の下端から、回動軸216と反対側に突出する突出部222とを含む。案内部220は、下方に向かうにしたがって回動軸216との距離が短くなるような略円弧状である。また、突出部222の先端と回動軸216との間の距離は、規制部219の左端(図20等の右端。すなわち案内部220の上端)と回動軸216との間の距離と同程度あるいは短く設定されている。
紙幣搬送機構55の閉状態では、図20に示すように、回転ローラ214が規制部219の左端(図20等の右端。すなわち案内部220の上端)と係合している。この状態では、第1の部材203が右側(図21等の左側)に進出する進出位置(図20に示す位置)にある。この状態から紙幣搬送機構55を開くと、紙幣搬送機構55の開動作に連動して、第2の部材204が回動軸216まわりに上向きに回動する。このとき、回転ローラ214は、案内部220の上端から案内部220の下端に向けて案内部220に沿って相対移動する。紙幣搬送機構55の開度を高めると、やがて、図21に示すように、回転ローラ214が係合部221に嵌るようになる。この状態では、第1の部材203が左側(図21等の右側)に退避する退避位置(図21に示す位置)にある。
回転ローラ214と係合部221との嵌合状態では、回転ローラ214は突出部222を乗り越えることができない。これにより、紙幣搬送機構55は、図21に示す第1の開姿勢に保持される。第1の開姿勢にある紙幣搬送機構55に対し、利用者が上向きの力を加えても、それ以上に紙幣搬送機構55は開かない。
一方、第1の開姿勢にある紙幣搬送機構55に対し、利用者が下向きの力を加えると、回転ローラ214は係合部221から離脱し、案内部220と係合しながら、規制部219の左端(図20等の右端。すなわち案内部220の上端)まで相対移動する。これにより、紙幣搬送機構55は、図20に示す閉じ状態に戻る。
紙幣搬送機構55を第2の開姿勢を開く際には、サービスマンが工具(たとえば六角レンチ)を、第2の板状部209に形成されたメンテナンス用穴223(図19参照)に挿入する。メンテナンス用穴223に工具を挿した状態では、第1の部材203が、進出位置(図20および図22参照)にロックされる。
前述のように、突出部222の先端と回動軸216との間の距離は、規制部219の左端(すなわち案内部220の上端)と回動軸216との間の距離と同程度あるいは短く設定されている。そのため、メンテナンス用穴223に工具を挿した状態のまま(すなわち、第1の部材203を、進出位置にロックした状態のまま)、閉状態にある紙幣搬送機構55を開く。この場合、図22に示すように、回転ローラ214が突出部222を乗り超えて相対移動し、その結果、第3の板状部217の端面217aと回転ローラ214との係合が外れる。これにより、紙幣搬送機構55を第2の開姿勢に開くことができ、そして、紙幣搬送機構55を第2の開姿勢に保持することができる。
図23は、シャッタ58の閉状態を示す、紙幣束収納部56の拡大斜視図である。図24および図25は、シャッタ58の開状態を示す、紙幣束収納部56の拡大斜視図である。
出入口56Aを開閉するシャッタ58は、左右方向にスライド可能な一対の蓋部材301,302を含む。一対の蓋部材301,302は、樹脂材料を用いて形成された矩形の板状部材である。各蓋部材301,302の上面は、略平坦面にされている。シャッタ58の閉状態では、図23に示すように、蓋部材301,302が互いに接近して、一方、シャッタ58の開状態では、図24に示すように、蓋部材301,302が互いに離反している。この蓋部材301,302はモータ駆動によって開閉されるが、蓋部材301,302にはロック機構が設けられていない。そのため、メンテナンス作業を行う際に、利用者あるいはサービスマンは、閉じ状態にある蓋部材301,302を手動で開くことができる。このように、蓋部材301,302に直接手を触れて手動で開く構成としているために、蓋部材301,302を開くための構成(ハンドルや伝達機構)を別に設ける必要がない。
ある紙幣束収納部56に対し紙幣束Tを収納する場合、またはある紙幣束収納部56から紙幣束Tを出金する場合、当該収納や出金の対象の紙幣束収納部56のシャッタ58は開状態であるが、それ以外の紙幣束収納部56のシャッタ58は閉状態である。シャッタ58の閉状態において、蓋部材301,302は、横搬送路54内を移動する紙幣束Tの下面をガイドする。換言すると、蓋部材301,302は搬送ガイドを兼ねる。
図24に示すように、サービスマンは、蓋部材301,302を開放した後、ステージ59(図2等参照)に連結されたレバー303を引き上げることにより、紙幣束収納部56ステージ59を上昇させる。これにより、図25に示すように、紙幣束収納部56に収納されている紙幣束Tを取り出すことができ、これにより、紙幣束収納部56におけるジャムの解消を行うことができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
2 紙幣処理装置
9 紙幣束出金口(払出口)
16 シャッタ機構(シャッタ)
53 リフト(紙葉類束搬送部。下方支持部)
55 紙幣搬送機構(紙葉類束搬送部)
56 紙幣束収納部(紙葉類束収納部)
60 集積領域
61 紙幣束支持部(紙葉類束支持部)
62 爪部材 (下方支持部)
62A 前側爪部材(第1の支持部材)
62B 後ろ側爪部材(第2の支持部材)
63 後ろ側ガイド部材(ガイド部材)
63B 後ろ側ガイド面(傾斜ガイド面)
T 紙幣束

Claims (8)

  1. 紙葉類束を払い出すための払出口と、
    前記払出口に横方向に対向して、当該払出口に対して移動不能に設けられ、前記払出口から払い出される紙葉類束を複数個集積可能な集積領域と、
    前記集積領域に集積される複数の前記紙葉類束を、前記集積領域に対し前記払出口と反対側に向かうに従って下がる傾斜姿勢を各紙葉類束がなすように支持する紙葉類束支持部と、
    前記紙葉類束を下方から接触支持するリフトであって、前記集積領域を含む縦搬送路を昇降するリフトを有し、前記紙葉類束を、前記集積領域と前記集積領域と別に設けられた他領域との間で搬送する紙葉類束搬送部と、を含み、
    前記紙葉類束支持部が、前記集積領域に集積される前記複数の紙葉類束のうち最下位の紙葉類束に下方から接触して、当該最下位の紙葉類束を前記傾斜姿勢に支持する下方支持部を含み、
    前記リフトと前記下方支持部とが平面視において重複しないように、前記リフトには切欠き部が形成されており、
    前記紙葉類束を支持している状態の前記リフトを、前記縦搬送路において前記集積領域を経由して前記下方支持部の下方に降下させることにより、前記下方支持部が前記切欠き部を通過して、前記リフトに支持されている前記紙葉類束が前記下方支持部に引き渡される、紙葉類処理装置。
  2. 前記リフトは、前記紙葉類束を水平姿勢に支持しながら前記縦搬送路を昇降する、請求項1に記載の紙葉類処理装置。
  3. 前記紙葉類束を収納する紙葉類束収納部をさらに含み、
    前記他領域が、前記紙葉類束収納部を含む、請求項1または2に記載の紙葉類処理装置。
  4. 紙葉類束を払い出すための払出口と、
    前記払出口に横方向に対向し、前記払出口から払い出される紙葉類束を複数個集積可能な集積領域と、
    前記集積領域に集積される複数の前記紙葉類束を、前記集積領域に対し前記払出口と反対側に向かうに従って下がる傾斜姿勢を各紙葉類束がなすように支持する紙葉類束支持部とを含み、
    前記紙葉類束支持部は、
    前記集積領域に集積され前記複数の紙葉類束のうち最下位の紙葉類束に下方から接触して、当該最下位の紙葉類束を前記傾斜姿勢に支持する下方支持部を含み、
    前記下方支持部は、前記集積領域の前後に配置された2つ以上の支持部材を含み、前記支持部材のうち前記集積領域に対し前記払出口側の第1の支持部材による前記最下位の紙葉類束との接触位置が、前記支持部材のうち前記集積領域に対し前記払出口と反対側の第2の支持部材による前記最下位の紙葉類束との接触位置よりも高く設けられている、紙葉類処理装置。
  5. 前記紙葉類束を収納する紙葉類束収納部と、
    前記集積領域と前記紙葉類束収納部との間で、前記紙葉類束を搬送する紙葉類束搬送部とをさらに含む、請求項に記載の紙葉類処理装置。
  6. 前記集積領域に集積された前記複数の紙葉類束を、前記集積領域に対し前記払出口と反対側からガイドするガイド部材をさらに含み、
    前記ガイド部材は、鉛直方向に対し上側が、前記集積領域に対し前記払出口と反対側に傾斜する傾斜ガイド面を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の紙葉類処理装置。
  7. 前記払出口の下端縁から下方に窪む凹みが形成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の紙葉類処理装置。
  8. 前記払出口を開閉するためのシャッタであって、前記集積領域に集積された前記複数の紙葉類束を前記払出口から払い出す際に前記払出口を開放するシャッタをさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の紙葉類処理装置。
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