JP4783516B2 - インバータトランス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯点灯用のDC/ACインバータ回路に使用されるインバータトランスの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶表示装置のバックライト等に用いる放電灯点灯用のDC/ACインバータ回路に用いられるトランスとして、一般的に1次巻線と2次巻線を、磁性体からなる1対のコアで挟持し、所定の電磁結合を行わせるようにしたものが知られている。また、このようなインバータトランスは、設置される場所が狭い間隔のところであり薄型のものが求められる。従来この種のトランスとして、例えば、1次巻線は高周波を発生する発振回路(インバータ)の出力端に接続され、2次巻線はバラストコンデンサー等を介して放電灯に接続されている構造のものが知られており、また、バラストコンデンサーの部分をチョークコイルに置き換えた構造のものも知られている。
【0003】
1次巻線と2次巻線と、互いに対向して配置されて閉磁路を形成する1対のコアとを備え、1次巻線と2次巻線とコアとによって電磁結合を形成する従来一般に用いられているインバータトランスとしては、例えば、図16に示すような構造のものがある。図16において、101はE型コアを示し、701、601はそれぞれ前記E型コアの外側脚103に巻線した1次巻線および2次巻線である。201はE型コアに対向して配置されるI型コアであり、E型コア101の中央脚102とI型コア201との間にギャップ202が形成されている。このE型コアの外側脚103と対向するI型コアとの間には通常、絶縁材料からなるスペーサー203が挟みこまれ、E型コアとI型コアはスペーサー203を通して閉磁路を形成している。このような構造のトランスでは、スペーサーの厚みを変えることによって閉磁路の磁気抵抗を変化させ、1次巻線と2次巻線の結合度を調整することができる。しかしながら、結合度を調整するためには種々の厚みのスペーサーを準備し、所望する結合度によって使い分けする必要があり、部品の点数が増えるうえに組み立て作業が煩雑になる。またスペーサーには厚みがあるためにトランスの高さ寸法を低くすることができず薄型のものを作製し難い欠点がある。さらに、上記構造の場合にはスペーサー部分から磁束が外部に漏れ、トランスに近接した電子部品や周辺機器などに磁気的な悪影響を与える危険性がある。
【0004】
特開平10−335157号公報には、1次巻線と2次巻線の結合係数の調整を容易にしたインバータトランスとして、閉磁回路を形成する1対のコアと、1次巻線と2次巻線とを備えてなり、一対のコアのうち、下側のコアは四角形の平板状の部分とその両端部に一体成形された二つの円柱状の突出部とからなり、各突出部にはボビンの巻軸を取り付け、二つの巻軸にそれぞれ1次巻線、2次巻線を巻回し、1次巻線の一部を2次巻線の上に巻回して構成したものが開示されている。また、特開2000−124045号公報には、多灯用のインバータトランスとして、1次巻線を中心にして対称の位置に、同一巻数の第1、第2の2次巻線をそれぞれ配置し、1次巻線と第1の2次巻線、1次巻線と第2の2次巻線とをそれぞれ略同一の結合度で電磁結合させた一個のインバータトランスで複数の出力が得られるように構成したものが開示されている。
これらの発明はいずれも、1次巻線と2次巻線とを並列に配置した構成となっている。特開平10−335157号公報記載の発明においては、1次巻線の一部を2次巻線の上に巻回するように構成してあるために、低圧側の巻線すなわち1次巻線の引出し線が高圧側の巻線すなわち2次巻線と交叉して配置されることになり、その結果、各巻線における絶縁性を高めなければトランス性能に支障を来すおそれがある。また、同発明においてはコアの接合部から磁束が外部に漏れる虞があるという欠点がある。
一方、特開2000−124045号公報に記載の発明においては、1次巻線を中心に、その両側に2次巻線が配置されているため、1次巻線と第1の2次巻線、1次巻線と第2の2次巻線において、それぞれ1次巻線と2次巻線との間の結合係数の調整を行うことが難しいという欠点がある。
【0005】
特開平2000−68132号公報には、外形寸法が大きく幅の狭い部分に取り付ける形状のインバータトランスとして、ボビンの巻軸の横断面の外形を長円形とし、幅が狭い側をボビンのベース部の端子が取り付けられた側面側に向けて巻軸をベース部に一体成形し、一方のコアの中央部に断面が長円形の中央脚を、四隅に外脚をそれぞれ形成し、中央脚を前記巻軸の孔に挿入し、外脚を他方のコアに突き合わせてなる構造のものが開示されている。この特開2000−68132号公報に記載のものはコアの側面部が開放状態となっており磁束の漏洩の虞があり、周辺の電子部品や電子機器に磁気的な悪影響を与える虞がある。
【0006】
また特開2000−243633号公報には、従来の1次巻線と2次巻線とを上下に配置した構造のトランスを薄型化するためのボビンを開示している。すなわち同公報には、ベース部の上面に一体成形された円筒状の巻軸を備えたボビンであって、巻軸の外側の位置に巻軸と同心状の円筒形の第2の巻軸を設け、この第2の巻軸の上端に、外側に張り出した鍔を形成したインバータトランス用ボビンが開示されている。この特開2000−243633号公報記載の発明は、2次巻線を中心軸側に配置し、1次巻線を外側に同心状に配置した構成を有する。しかしながら同公報図3にみられるように1次巻線は外部に露出した状態で配置されており、そのため磁束が外部に漏れ、周辺の電子部品や電子機器に磁気的な悪影響を与える虞がる。さらにボビンに端子部が一体的形成されていることから巻線をボビンに巻回する際の作業性が悪いという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、高さ寸法を低くして薄型化を図り、1対のコア同士の接合部から磁束が外部に漏れる虞のないインバータトランスとして、互いに対向して配置されて閉磁路を形成する1対のコアのうちの少なくとも一方のコアを、中央脚と外周壁とを有するとともに、中央脚と外周壁との間に隔壁を有し、かつ中央脚と隔壁との間、および隔壁と外周壁との間にそれぞれ溝部を同心状に形成してなる溝形成コアとして構成し、この溝形成コアの中央脚と隔壁との間の溝部に2次巻線を、隔壁と外周壁との間の溝部に1次巻線をそれぞれ同心状に配置し、対向して配置される板状コアと溝形成コアの中央脚、隔壁との間にギャップを形成し、かつ、溝形成コアの外周壁と板状コアとが密閉されて閉磁路を形成するインバータトランスを提供した。
【0008】
上記の構造からなるインバータトランスは外部への磁束の漏れがなく性能上優れたものであるが、放熱性に難点があること、組立て作業上、またコアの成形加工の点においても難点があること等があり、本発明者は、さらに検討を加え、本発明を為した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は(1)同一面上に配置された1次巻線および2次巻線と、互いに対向して配置されて閉磁路を形成する一対のコアと、を備え、少なくとも一方のコアは、中央脚と、外周壁と、該中央脚及び該外周壁の間に形成され、一部が切開された不連続の隔壁と、該中央脚及び該隔壁の間に形成された凹部と、該外周壁及び該隔壁の間に形成された溝部と、が形成された溝形成コアであり、前記溝部及び凹部には、前記1次巻線及び2次巻線のそれぞれが前記中央脚に対して同心状に配置されてなるインバータトランスにおいて、前記外周壁の側面には、放熱用の開口部が形成されており、互いに対向して配置されて閉磁路を形成する1対のコアは、溝形成コアと、該溝形成コアの溝形成面に対向して配置される板状コアとからなり、板状コアの溝形成コアに対向する面に形成された中脚突起および隔壁突起の高さが外側脚よりも低く形成され、中央脚と中脚突起、隔壁と隔壁突起との間にギャップが形成されており、前記2次巻線は、前記凹部に配置され、前記1次巻線は前記溝部に配置されていることを特徴とするインバータトランスに関する。
(2)前記隔壁は、前記開口部に対応する位置が切開されていることを特徴とする上記(1)記載のインバータトランスに関する。
【0012】
(3)溝形成コアに対向して配置される板状コアは、溝形成コアと対向する面に、溝形成コアにおける中央脚および隔壁に対応する位置にそれぞれ中脚突起および隔壁突起が有り、溝形成コアの外周壁に当接する外側脚を有し、中脚突起と隔壁突起との間および外側脚と隔壁突起との間にそれぞれ凹部が形成されていることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のインバータトランスに関する。
(4)前記板状コアは、1次巻線端子板および2次巻線端子板とで挟持され、一体化されるように構成されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のインバータトランスに関する。
(5)前記板状コアは、相対する側面に1次巻線端子板および2次巻線端子板を装着するための装着窪み部が形成されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のインバータトランスに関する。
【0014】
(6)2次巻線はボビンに巻回されて溝形成コアの中央脚と隔壁との間に形成された凹部に配置され、1次巻線はボビンレスの形態で外周壁と隔壁との間に形成された溝部に配置されていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のインバータトランスに関する。
【0015】
(7)ボビンは1次巻線端子板および2次巻線端子板と一体的に構成されており、ボビンと端子板との結合部において、ボビンの下鍔に連なる係合突出部を端子板上面に形成してボビンの下鍔と端子板が一体的に構成されていることを特徴とする上記(6)記載のインバータトランスに関する。
【0016】
(8)端子板上面に形成されたボビンの下鍔に連なる係合突出部は、溝形成コアの隔壁の切開部分と係合するように形成したことを特徴とする上記(7)記載のインバータトランスに関する。
【0017】
(9)2次巻線端子板には2次巻線端末引出し切込み部が形成されていることを特徴とする上記(6)〜(8)のいずれか1つに記載のインバータトランスに関する。
【0018】
また、(10)2次巻線は主巻線と補助巻線とに分割して形成され、主巻線はボビンに巻回されて溝形成コアの中央脚と隔壁との間に形成された凹部に配置され、補助巻線は隔壁を介して外周壁と隔壁との間に形成された溝部に同心状に配置され、該溝部において、補助巻線の外側に隣接して1次巻線が、主巻線、補助巻線と同心状に配置されていることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載のインバータトランスに関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明を図面により説明する。図1は、本発明インバータトランスの外観斜視図、図2は、本発明インバータトランスの上面図、図3は、底面図を示す。また図4、図5は、本発明インバータトランスの別々の実施態様を示す分解斜視図であり、図4は1次巻線と2次巻線が共にボビンレス巻線の場合を示し、図5は2次巻線を端子板と一体に構成したボビンに巻回し、1次巻線をボビンレス巻線とした場合を示す。図6は、前記分解斜視図で示したインバータトランスを組立てた状態の断面図であって図2のA−A断面図を示し、図6(1)は図4に対応し、図6(2)は、図5に対応する断面図である。図7は、本発明の溝形成コアの裏面図(溝形成面)、図8は開口部を有する外周壁側面図をそれぞれ示し、図9は、図7のB−B断面図を示す。図10は本発明の板状コアの裏面図(溝形成コアと対向する面)、図11は、板状コア側面図をそれぞれ示す。図12は本発明において端子板とボビンとが一体に構成された端子板の側面図、図13は、同上面図、図14は、同底面図をそれぞれ示す。図15は本発明の別の実施態様(2次巻線を主巻線と補助巻線とに分割して配置した例)の断面図を示す。
各図において、1は本発明のインバータトランスを構成する溝形成コア、4は溝形成コアの外周壁、6は溝形成コア側面に設けられた開口部、2は板状コアをそれぞれ示す。12は2次巻線、13は1次巻線をそれぞれ示し、10a、10bはそれぞれ1次巻線端子板、2次巻線端子板を示す。11a、11bはそれぞれ外部接続端子を示す。9はボビン、91はボビンの下鍔、14は係合突出部をそれぞれ示す。
【0020】
本発明の溝形成コア1は、図7〜図9に示すように、中央脚3と外周壁4とを有し、外周壁4の相対する側面に開口部6が形成されている。中央脚3と外周壁4との間に隔壁5が形成されており、該隔壁は、外周壁4に形成された開口部6,6に対応する位置において切開されて不連続の隔壁5を形成している。中央脚3と隔壁5との間には凹部7が形成されており、隔壁5と外周壁4との間には溝部8が形成されている。
【0021】
溝形成コアに対向して配置される本発明の板状コア2は、図10に示されるように、その側面には端子板の装着窪み部19a、19bが形成されている。また、板状コアの一方の面、すなわち、溝形成コアに対向して配される面には、溝形成コア1における中央脚3、隔壁5に対応する中脚突起31、隔壁突起51がそれぞれ設けられ、溝形成コアの溝部8、凹部7に対応してそれぞれ凹部81、凹部71が形成されている。
そして溝形成コア1と板状コア2とは、中央脚3と中脚突起31との間、隔壁5と隔壁突起51との間にギャップ20、22を形成し、溝形成コアの外周壁4と板状コアの外側脚41が密に当接されて前記板状コア2と溝形成コア1は閉磁路を形成する。板状コア2は、端子板の装着窪み部19a、19bに、端子板の対応する突部18a、18bが嵌め込まれ、端子板10a、および10bとで挟持され、一体化されるように構成されている。
【0022】
本発明において、2次巻線12は、ボビン9に巻回して、またはボビンに巻回することなく扁平な巻線として、溝形成コア1の中央脚3と隔壁5との間に形成された凹部7に配置される。1次巻線13は、一般にボビンに巻回されることなくボビンレスの形態で扁平な巻線として隔壁5と外周壁4との間の溝部8に配置される。1次巻線および2次巻線の引出し線端末はそれぞれ端子板に埋設された外部接続端子部にそれぞれ接続される。
【0023】
本発明の実施態様の一つは、図4および図6(1)に示されるように、1次巻線および2次巻線は共に扁平なボビンレスの巻線として、2次巻線は前記溝形成コアの中央脚3と隔壁5との間に形成された凹部7に配置し、1次巻線は隔壁5と外周壁4との間の溝部8に配置し、中央脚を中心に同心状に配置される。そして対向して配置される板状コアと、端子板とにより挟持して一体的に構成される。
【0024】
本発明における別の実施態様は、図5および図6(2)に示すように、図12〜図14に示すボビンと端子板とを一体に構成したボビンを使用した形態であり、本発明における好ましい態様の一つである。
この実施態様についてさらに説明すると、図12、図14に示されるように、ボビン9は溝形成コアの中央脚に挿入される挿入孔24を有し、ボビンの下鍔91が、板状コアの端子板の装着窪み部19a、19bに対応する端子板10a、10bにおける突部形成部分で一体的に結合されている。そして図12、図13に示されるように、端子板10a、10bとボビンとの結合部分で、両方の端子板上面にボビンの下鍔91に連なって係合突出部14を形成してボビン下鍔と端子板が一体的に構成されている。この係合突出部14は、溝形成コアにおける隔壁5の切開部分に係合するように切開部の幅と同一の幅をもって形成されている。
したがって、溝形成コアに組み込まれる際に、前記係合突出部が切開部に係合し、回転等することがなく、位置決めが容易に行なわれ、組立て作業が容易である。端子板10a、10bの突部18a、18bと板状コアの端子板の装着窪み部19a、19bとが嵌合するように形成されており、板状コアの組み込み、位置あわせも容易に行うことができる。また、2次巻線端子板10bは巻線端末引出し切込み部17が形成されており2次巻線端末の引出しが容易で引出し線が1次巻線と交叉することもない。端子板裏面には引出し線案内溝21が設けられており、2次巻線端末は、2次巻線端子板に設けられた巻線端末引出し切込み部17、引出し線案内溝21を通して、端子板に埋設された端子11bに接続されている。
【0025】
本発明におけるさらに別の実施態様として、図15に示したように、2次巻線12を主巻線12mと補助巻線12sとに分割して、主巻線12mはボビン9に巻回して、中央脚3と隔壁5との間に形成された凹部7に、ボビンの中央脚挿入孔24を中央脚3に挿入して配置し、補助巻線12sはボビンレスの扁平な巻線として隔壁5を介して外周壁4と隔壁5との間に形成された溝部8に、1次巻線13の内側で、かつ1次巻線と隣接して配置される。すなわち、溝形成コア1の中央脚3を中心にして2次巻線12の主巻線12m、補助巻線12s、1次巻線13が順次同心状に配置されている。
このように2次巻線を主巻線と補助巻線に分割して上記のように配置することにより、1次巻線13は、2次巻線12の一部を構成する補助巻線12sと強く結合し、主巻線12mとは弱く結合するために結合度の調整は補助巻線12sの巻数を変えることにより容易に調整することができる。
【0026】
本発明においては上記したように、端子板10a、10bと一体に構成されたボビンは、2次巻線が巻回されて中央脚挿入孔24により溝形成コアの中央脚に挿入され、中央脚と隔壁との間に形成された凹部7に装着される。1次巻線は隔壁5と外周壁4との間の溝部8に配置され、溝形成コアと板状コアとにより、溝形成コアの中央脚3と板状コアの中脚突起31との間、溝形成コアの隔壁5と板状コアの隔壁突起51との間においてそれぞれギャップ20、22を形成して、溝形成コアの外周壁4と板状コアの外側脚41とが密に当接して一体に形成されている。この際、板状コアの端子板の装着窪み部19a、19bに対応する、端子板の突部18a、18bが嵌合して一体化される。このようにして構成される本発明における構造のインバータトランスでは溝形成コアの中央脚および隔壁と、板状コアの対応する中脚突起および隔壁突起との間に形成されるギャップを通して閉磁路が形成されるのである。
【0027】
而して、1次巻線に電流を流すと、磁束は、溝形成コア1の中央脚3−外周壁4−外側脚41−板状コア2−中脚突起31−ギャップ20−中央脚3を循環する経路と、中央脚3−隔壁5−ギャップ22−隔壁突起51−板状コア2−中脚突起31−ギャップ20−中央脚3を循環する経路とに分岐して発生する。発生する磁束は2次巻線12と鎖交するので2次巻線12の両端に昇圧された電圧が発生する。
このとき、2次巻線12は1次巻線13の内側に同心状に配置されているので、磁束はすべて2次巻線12と鎖交する。したがって1次巻線と2次巻線の結合度の調整は,前記中央脚3と中脚突起31との間のギャップ20、および隔壁5と隔壁突起51との間のギャップ22をそれぞれに適宜変えることにより行なうことができる。また、本発明のインバータトランスは上記のように溝形成コアの外周壁4と、板状コアの外側脚41とは密に当接されて構成されており、さらに、板状コア2と端子板10a、10bによって溝形成コア1の溝形成面が閉塞されているので、磁束が外部に漏れることがなく効率的である。
【0028】
また、本発明の構造においては、溝形成コア1の外周壁4の相対する側面に開口部6が形成されている。この開口部6は、図7に見られるように中央脚3と隔壁5との間の凹部7、および隔壁5と外周壁4との間の溝部8と連通した構造になっており、これによりコア内に発生した発熱を外部に放熱する機能を有する。
【0029】
【発明の効果】
本発明のインバータトランスは、組立て、製造が容易であり、1次巻線と2次巻線との間の磁気的結合度を容易に調整することができ、かつ一対のコアの接合部から磁束が漏れるおそれがなく、一方溝形成コアの側面に開口部が形成されておりコア内に発生した発熱を放熱する機能を有するものであり、放電灯点灯用DC/ACインバータ回路に使用した場合に利用価値が大きく有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明インバータトランスの外観斜視図。
【図2】本発明インバータトランスの上面図。
【図3】本発明インバータトランスの底面図。
【図4】本発明インバータトランスの分解斜視図。
【図5】本発明インバータトランスの分解斜視図。
【図6】図2のA−A断面図。(1)は巻線をボビンレスで配置した例を、(2)は2次巻線をボビンに巻回して配置した例をそれぞれ示す。
【図7】本発明の溝形成コアの裏面図(溝形成面)。
【図8】開口部を有する外周壁側面図。
【図9】図7のB−B断面図。
【図10】本発明の板状コアの裏面図(溝形成コアと対向する面)。
【図11】板状コア側面図。
【図12】端子板とボビンとが一体に構成された端子板の側面図。
【図13】同上面図。
【図14】同底面図。
【図15】本発明の別の実施態様(2次巻線を主巻線と補助巻線とに分割して配置した例)の断面図。
【図16】従来使用のインバータトランスの一例の断面図。
【符号の説明】
1 溝形成コア
2 板状コア
3 中央脚
31 中脚突起
4 外周壁
41 外側脚
5 隔壁
51 隔壁突起
6 開口部
7 凹部
8 溝部
71、81 板状コアの凹部
9 ボビン
91 ボビンの下鍔
10a、10b 端子板
11a、11b 端子
12 2次巻線
13 1次巻線
14 係合突出部
15 巻線端末案内溝
17 切込み部
18a、18b 嵌合突部
19a、19b 嵌合凹部
20、22 ギャップ
21 2次巻線案内溝
24 中央脚挿入孔
Claims (10)
- 同一面上に配置された1次巻線および2次巻線と、
互いに対向して配置されて閉磁路を形成する一対のコアと、を備え、
少なくとも一方のコアは、中央脚と、外周壁と、該中央脚及び該外周壁の間に形成され、一部が切開された不連続の隔壁と、該中央脚及び該隔壁の間に形成された凹部と、該外周壁及び該隔壁の間に形成された溝部と、が形成された溝形成コアであり、
前記溝部及び凹部には、前記1次巻線及び2次巻線のそれぞれが前記中央脚に対して同心状に配置されてなるインバータトランスにおいて、
前記外周壁の側面には、放熱用の開口部が形成されており、
互いに対向して配置されて閉磁路を形成する1対のコアは、溝形成コアと、該溝形成コアの溝形成面に対向して配置される板状コアとからなり、
板状コアの溝形成コアに対向する面に形成された中脚突起および隔壁突起の高さが外側脚よりも低く形成され、中央脚と中脚突起、隔壁と隔壁突起との間にギャップが形成されており、
前記2次巻線は、前記凹部に配置され、前記1次巻線は前記溝部に配置されていることを特徴とするインバータトランス。 - 前記隔壁は、前記開口部に対応する位置が切開されていることを特徴とする請求項1記載のインバータトランス。
- 溝形成コアに対向して配置される板状コアは、溝形成コアと対向する面に、溝形成コアにおける中央脚および隔壁に対応する位置にそれぞれ中脚突起および隔壁突起が有り、溝形成コアの外周壁に当接する外側脚を有し、中脚突起と隔壁突起との間および外側脚と隔壁突起との間にそれぞれ凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインバータトランス。
- 前記板状コアは、1次巻線端子板および2次巻線端子板とで挟持され、一体化されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインバータトランス。
- 前記板状コアは、相対する側面に1次巻線端子板および2次巻線端子板を装着するための装着窪み部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインバータトランス。
- 2次巻線はボビンに巻回されて溝形成コアの中央脚と隔壁との間に形成された凹部に配置され、1次巻線はボビンレスの形態で外周壁と隔壁との間に形成された溝部に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインバータトランス。
- ボビンは1次巻線端子板および2次巻線端子板と一体的に構成されており、ボビンと端子板との結合部において、ボビンの下鍔に連なる係合突出部を端子板上面に形成してボビンの下鍔と端子板が一体的に構成されていることを特徴とする請求項6記載のインバータトランス。
- 端子板上面に形成されたボビンの下鍔に連なる係合突出部は、溝形成コアの隔壁の切開部分と係合するように形成したことを特徴とする請求項7記載のインバータトランス。
- 2次巻線端子板には2次巻線端末引出し切込み部が形成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のインバータトランス。
- 2次巻線は主巻線と補助巻線とに分割して形成され、主巻線はボビンに巻回されて溝形成コアの中央脚と隔壁との間に形成された凹部に配置され、補助巻線は隔壁を介して外周壁と隔壁との間に形成された溝部に同心状に配置され、該溝部において、補助巻線の外側に隣接して1次巻線が、主巻線、補助巻線と同心状に配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインバータトランス。
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JP2001129617A JP4783516B2 (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | インバータトランス |
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JP2001129617A JP4783516B2 (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | インバータトランス |
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