JP2006041002A - フェライトコア及びこれを用いたトランス装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 磁気回路への悪影響や部分発熱の危険を回避しながら、軽量化や小型化、コストダウンを図る。
【解決手段】 一次コイル8が巻回される一次コイル用脚部2と、二次コイル9,10,11,12が巻回される二次コイル用脚部3,4,5,6とを有し、これらが連結部(連結板7)により磁気的に連結されてなるフェライトコアである。二次コイル用脚部3,4,5,6の断面積と等価な面積を有する円の半径をrとするとともに、連結部7の脚部形成面に一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6の間を最短距離で結ぶ直線を引き、この直線位置における連結部7の脚部形成面と直交する断面を中心断面とし、中心断面から距離rだけ離れた位置の断面を第1の基準断面、中心断面から距離2rだけ離れた位置の断面を第2の基準断面とするときに、連結部7の周縁が第1の基準断面の内側に入り込んでおらず、且つ周縁の少なくとも一部が第1の基準断面と第2の基準断面の間の領域に存在するように、連結板7に切り欠きを形成する。
【選択図】 図6
【解決手段】 一次コイル8が巻回される一次コイル用脚部2と、二次コイル9,10,11,12が巻回される二次コイル用脚部3,4,5,6とを有し、これらが連結部(連結板7)により磁気的に連結されてなるフェライトコアである。二次コイル用脚部3,4,5,6の断面積と等価な面積を有する円の半径をrとするとともに、連結部7の脚部形成面に一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6の間を最短距離で結ぶ直線を引き、この直線位置における連結部7の脚部形成面と直交する断面を中心断面とし、中心断面から距離rだけ離れた位置の断面を第1の基準断面、中心断面から距離2rだけ離れた位置の断面を第2の基準断面とするときに、連結部7の周縁が第1の基準断面の内側に入り込んでおらず、且つ周縁の少なくとも一部が第1の基準断面と第2の基準断面の間の領域に存在するように、連結板7に切り欠きを形成する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、トランス装置に使用されるフェライトコアに関するものであり、特に、部分発熱を回避するための技術に関する。さらには、これを用いたトランス装置に関する。
例えば液晶表示装置のバックライトを点灯する点灯回路等において電圧変換を行うインバータトランスは、通常、一対の磁心(フェライトコア)を突き合わせることにより閉磁路を構成するとともに、突き合わされたフェライトコアに巻数の異なる一次コイル及び二次コイルを巻回することにより構成される。フェライトコアの基本的な形状としては、例えば連結部の両端に一対の脚部を有するU字形のフェライトコアや、中脚部とその両側に対称に配置される外脚部を連結部により連結したE字形のフェライトコア等が代表的である。
図14は、一般的なU字形のフェライトコア101を用いたインバータトランスの一例を示すものである。U字形のフェライトコア101は、互いに平行な一対の脚部102が連結部103によって磁気的に結合されており、一対のU字形フェライトコア101を脚部102の先端同士を突き合わせることで、ループ状の閉磁路が構成される。そして、一方の脚部102に一次コイル104を巻回し、他方の脚部102に一次コイル104とは巻き数の異なる二次コイル105を巻回することにより、インバータトランスが構成される。このように構成されるインバータトランスでは、一次コイル104及び二次コイル105の巻数の設定により、必要な電圧を得ることができる。
図15は、前記E字形のフェライトコア111を用いたインバータトランスの一例を示すものである。E字形のフェライトコア111では、中脚部112と一対の外脚部113が連結部114によって磁気的に結合されて構成される。E字形のフェライトコア111においても、一対のE字形フェライトコア111を中脚部112及び外脚部113の先端同士を突き合わせることで、閉磁路が構成される。
ところで、例えば液晶表示装置においては、大画面化が進んでおり、液晶パネルの背面に設けられるバックライトの本数が増加する傾向にあり、点灯に必要な高電圧に変換するインバータトランスの数も増やす必要が生じている。前述の各インバータトランスは、一次コイルと二次コイルが一対一で対応しており、バックライト1本に対してインバータトランスを1個使用する必要がある。
しかしながら、バックライト1本に対してインバータトランスを1個使用する構成では、バックライトの本数の増加とともにインバータトランスの数も増やす必要があり、部品点数の増加による作業効率の低下や部品コストの増加を招き、またインバータトランスの実装に必要な面積も増大し、液晶表示装置の小型化の妨げになるおそれもある。そこで、このような状況から、1個で2本のバックライトの点灯が可能なインバータトランスが提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照)。
具体的には、特許文献1には、二次巻線を巻回した外脚部を2個設けるとともに、一次巻線を巻回した外脚部は1個設けて互いの外脚部を対向配置し、外脚部の間に中脚部を対向配置した構成のインバータトランスが開示されている。特許文献2には、2つの二次巻線を一次巻線と同じ磁気結合になるように一次巻線に対向して配置し、閉磁路磁心は、第一ボビンの貫通孔に挿通した第一脚部と第二ボビンの貫通孔に挿通した第二脚部とを連接脚で連接した第一磁心と、偏平状の第二磁心とを突き合わせて形成したインバータトランスが開示されている。
特開2003−22917号公報
特開2003−309026号公報
ところで、例えば液晶表示装置は、ますます大画面化する傾向にあり、バックライトの本数もさらに増加する傾向にあるばかりか、より一層の薄型化や小型化等も進められている。このような状況においては、使用するインバータトランスに対しても、小型化や軽量化、さらにはコストダウンが求められている。
しかしながら、前記各特許文献記載の発明では、単純に矩形板状のフェライト板の上に脚部を形成した構造が開示されるのみで、特にフェライトコア削減のための方策は講じられていない。また、フェライトを削減するには、前記フェライト板の脚部が形成されていない部分を削り取る切り欠きを設ければよいと考えられるが、切り欠きの設定によっては磁束の通る部分が極端に狭くなって、部分的に磁束が集中して発熱の危険を招くおそれがある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、本発明は、磁気回路への悪影響や部分発熱の危険を回避しながら、軽量化や小型化、コストダウンを図り得るフェライトコアを提供することを目的とし、小型、軽量で優れた性能を有するトランス装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上述の目的を達成するために、長期に亘り種々の検討を重ねてきた。その結果、フェライトコアに磁気回路に影響を及ぼさない適切な切り欠きを設けることで、軽量化を図りつつ磁束が通る領域を確保し、部分的に磁束が集中して起こる発熱を回避し得るとの知見を得るに至った。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明のフェライトコアは、一次コイルが巻回される一次コイル用脚部と二次コイルが巻回される二次コイル用脚部とを有し、これら脚部が連結部により磁気的に連結されてなるフェライトコアであって、前記二次コイル用脚部の断面積と等価な面積を有する円の半径をrとするとともに、前記一次コイル用脚部と二次コイル用脚部の間を最短距離で結ぶ直線を引き、この直線位置における前記連結部の断面を中心断面とし、前記中心断面から距離rだけ離れた位置の断面を第1の基準断面、中心断面から距離2rだけ離れた位置の断面を第2の基準断面とするときに、前記連結部の周縁が前記第1の基準断面の内側に入り込んでおらず、且つ前記周縁の少なくとも一部が前記第1の基準断面と第2の基準断面の間の領域に存在することを特徴とする。なお、前記周縁とは、連結部の厚さを制限する表面を含まず、幅方向を制限する表面のみで定義される周縁のことであり、連結部の周縁が前記第1の基準断面の内側に入り込んでいない状態とは、1組の第1の基準面と前記中心断面で制限された領域の内部に連結部が存在し、且つ当該領域の内側に連結部の周縁が存在しない状態を指すものとする。
本発明では、フェライトコアの脚部を連結する連結部を切り欠くことによりフェライトの使用量を削減し、軽量化を図る。このとき、適切な切り欠きを設定することにより、磁束が通る領域が必要以上に狭くならないようにする。これにより、部分的に磁束が集中することを回避し、部分発熱を回避する。
具体的には、二次コイル用脚部の断面積と等価な面積を有する円の半径をrとするとともに、前記一次コイル用脚部と二次コイル用脚部の間を最短距離で結ぶ直線を引き、この直線位置における前記連結部の厚さを制限する表面と直交する断面を中心断面とし、前記中心断面から距離rだけ離れた位置の断面を第1の基準断面、中心断面から距離2rだけ離れた位置の断面を第2の基準断面とするときに、連結部の周縁が第1の基準断面の内側に入り込まないように切り欠きを設ける。連結部の周縁が第1の基準断面よりも内側に入り込むと、一次コイル用脚部と二次コイル用脚部の間の連結部において、磁束の通り得る領域が狭くなって、部分的に磁束が集中して部分発熱する可能性が高くなる。連結部の周縁が第1の基準断面の内側に入り込まなければ、磁束が通る領域が確保され、磁束が狭い領域に集中することがなくなり、発熱が回避される。
また、連結部の周縁の少なくとも一部が前記第1の基準断面と第2の基準断面の間の領域に存在するように切り欠きを設けるが、これは軽量化やコストダウンの観点から決められたものである。前記連結部の周縁が全て第2の基準断面の外側となるような切り欠きとしたのでは、切り欠き量が僅かなものに限られ、軽量化やフェライト使用量の削減は限られたものとなる。前記連結部の周縁の少なくとも一部が前記第1の基準断面と第2の基準断面の間の領域に存在するように切り欠きを設けることで、実効的な軽量化が実現され、それに伴うコストダウンも実現される。
本発明のフェライトコアによれば、磁気回路への悪影響や部分発熱の危険を回避しながら、軽量化や小型化、コストダウンを図ることが可能である。したがって、本発明のフェライトコアを用いることで、小型、軽量、且つ安価で優れた性能を有するトランス装置を提供することが可能である。
以下、本発明を適用したフェライトコア及びトランス装置について、図面を参照して説明する。
図1(a),(b)は、本発明を適用したフェライトコアの一例を示すものである。本実施形態のフェライトコア1は、中心部に一次コイル用脚部2を配置するとともに、その周囲に3以上の、ここでは4本の二次コイル用脚部3,4,5,6を配置し、これらを基端部において板状の連結部である連結板7によって磁気的に結合することで構成されている。換言すれば、連結板7の一面(脚部形成面)に、一次コイル用脚部2及び二次コイル用脚部3,4,5,6が突出形成された形となっている。
一次コイル用脚部2や二次コイル用脚部3,4,5,6、連結板7は、いずれもフェライト材料により形成されており、これらは焼結等の手法により一体的に形成されている。フェライト材料としては、Mn−Znフェライト等、任意のフェライト材料を使用することが可能であるが、性能向上のためには鉄損が小さく磁束密度が高い軟磁気特性に優れたフェライト材料を用いることが好ましい。
また、前記一次コイル用脚部2や二次コイル用脚部3,4,5,6は、本実施形態ではいずれも円柱状とされているが、これに限らず、角柱状、多角柱状等、任意の形状とすることが可能である。なお、一次コイル用脚部2及び二次コイル用脚部3,4,5,6の高さは、全て同じである。
連結板7は、矩形形状を基本形状とし、その中央部に前記一次コイル用脚部2が、四隅に前記二次コイル用脚部3,4,5,6がそれぞれ形成されている。連結板7は、これら一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6の間において、磁路を構成するものであり、磁束の通り道となる。また、本実施形態では、フェライトコア1全体の軽量化やコストダウンを図るために、連結板7に矩形状の切り欠き部7a,7bが形成されている。なお、この切り欠き7a,7bについては、後に詳述する。
前記フェライトコア1においては、図2に示すように、一次コイル用脚部2の周囲に一次コイル8を巻回し、各二次コイル用脚部3,4,5,6にそれぞれ二次コイル9,10,11,12を巻回するとともに、図3に示すように、第2のフェライトコアである板コア13を一次コイル用脚部2や二次コイル用脚部3,4,5,6の先端面と接して突き合わせることにより、トランス装置20が構成される。
このトランス装置20では、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3、及び一次コイル8と二次コイル9によって第1のトランスが構成され、二次コイル9から所定の電圧に変換された出力が取り出される。同様に、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3、及び一次コイル8と二次コイル10によって第2のトランスが構成され、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部5、及び一次コイル8と二次コイル11によって第3のトランスが構成される。さらに、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部6、及び一次コイル8と二次コイル12によって第4のトランスが構成される。すなわち、このトランス装置20は、1入力4出力のトランスとして機能する。
前記構成のトランス装置20では、一次コイル8の巻数と二次コイル9,10,11,12の巻数の比率は、必要な電圧に応じて適宜設定される。一方、各二次コイル9,10,11,12の巻数は、各二次コイル9,10,11,12からの取り出し出力一定とする場合、同じ巻数とする。
以上がフェライトコア1及びトランス装置20の基本的な構成であるが、本実施形態においては、フェライトコア1全体の軽量化やコストダウンを図るために、連結板7に矩形状の切り欠き部7a,7bが形成されている。以下、適切な切り欠き部の設定について説明する。
先にも述べた通り、連結板7に切り欠き部7a,7bを設けるに当たって、切り欠き部7a,7bの切り欠き量が多くなり、切り欠き部7a,7bが連結板7の内部に入り込み過ぎると、磁束の通る領域が極端に狭くなり、部分的に磁束が集中して発熱の危険を招く。逆に、切り欠き部7a,7bの切り欠き量が少なすぎると、フェライト削減の効果が少なくなり、十分な軽量化やコストダウンが難しい。
そこで、本発明では、切り欠き部を許容する基準断面を設定し、この基準断面を基に切り欠き部の適否を判断することとする。具体的には、先ず、連結板7の脚部形成面に対応する平面おいて、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6との間を最短距離で結ぶ直線Lcを引く。一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6の断面形状が円形の場合には、図4に示すように直線Lcを引く。一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6の断面形状が円形でない場合には、前記最短距離を結ぶ直線は、形状に応じて設定する必要がある。例えば、一次コイル用脚部2の断面形状が矩形、二次コイル用脚部3,4,5,6の断面形状が円形の場合、前記直線Lcは、図5に示すように引くことができる。
そして、この直線Lc位置における前記連結板7の断面、すなわち、連結部7の前記直線Lcに沿った前記脚部形成面(連結部7の厚さを制限する表面)と直交する断面を中心断面とする。したがって、連結部7の脚部形成面を見たときには、前記中心断面は直線Lcで表すことができる。
次に、二次コイル用脚部3,4,5,6の半径をrとして、前記直線Lcから距離rだけ離れた第1の基準線L1を、前記直線Lcの両側に平行に引く。この第1の基準線L1は、二次コイル用脚部3,4,5,6の断面形状が円形の場合、その接線に相当する。さらに、この第1の基準線L1の外側に、これと平行に第2の基準線L2を引く。この第2の基準線L2の前記中心線Lcからの距離は2r、したがって第1の基準線L1からの距離はrである。
そして、先の中心断面の場合と同様、これら第1の基準線L1、第2の基準線L2における連結部7の断面(連結部7の各基準線L1、L2の位置における前記脚部形成面と直交する断面)を、それぞれ第1の基準断面、第2の基準断面とする。なお、連結部7の脚部形成面を見たときに、前記第1の基準断面、第2の基準断面は、それぞれ第1の基準線L1、第2の基準線L2で表すことができる。
前記基準断面の設定に当たって、特に距離rに関しては、二次コイル用脚部3,4,5,6の断面形状が円形であることを想定して説明したが、他の形状の場合にも同様の設定が可能である。例えば二次コイル用脚部3,4,5,6の断面形状が円形でない場合には、その断面積と等価な面積を有する円を描き、その半径rを求めて前記距離rとする。
図6は、前記各基準断面と切り欠き形成による連結板7の周縁との位置関係を示すものである。先ず、図6(a)は、連結板7に切り欠き部を形成していない場合である。この場合には、連結板7の周縁7Aや周縁7Bは、いずれも第2の基準断面(脚部形成面における第2の基準線L2)の外側である。このように、連結板7の周縁7A,7Bが第2の基準断面の外側に位置する場合、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3(4,5,6)の間の連結板7において、磁束が通る領域(磁路断面積)は十分に確保され、磁束が集中して部分発熱が起こることはない。ただし、連結板7を切り欠いていないので、フェライトを削減することはできず、軽量化やコストダウンは難しい。
一方、図6(b)は、連結板7に切り欠き部が形成され、周縁7A,7Bの一部が第1の基準断面(脚部形成面における第1の基準線L1)の内側まで入り込んでいる場合である。このように切り欠きを大きくすることで、フェライトを大幅に削減することが可能であり、軽量化やコストダウンが可能である。しかしながら、このように大きな切り欠きを設け、連結板7の周縁7A,7Bが第1の基準断面の内側まで入り込んでくると、磁束の通り得る幅wが制約され、極端に狭くなる。このため、この部分に磁束が集中し、部分発熱が起こる。
図6(c)は、本発明の規定に相当するものであり、結板7に切り欠き部が形成されるが、適切な切り欠きが設定され、連結板7の周縁7A,7Bが、最も内側に入り込んだ部分において、第2の基準断面(脚部形成面における第2の基準線L2)の内側、且つ第1の基準断面(脚部形成面における第1の基準線L1)の外側に位置する。このような設定とした場合、先ず、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3(4,5,6)の間の連結板7において、磁束が通る領域(主に2本の第1の基準線L1の間の領域)は十分に確保される。これは、前記周縁7A,7Bが第1の基準断面の内側に入り込んでいないことから明らかである。したがって、磁束の集中による部分発熱は、これを回避することができる。一方、前記連結板7には切り欠きが形成され、連結板7の周縁7A,7Bが第2の基準断面の内側にまで入り込んでいる。したがって、磁束が通る領域を確保しつつ最大限に切り欠きが設けられるので、軽量化やコストダウンが達成される。
このように、切り欠きの形成には、最適範囲が存在し、二次コイル用脚部3,4,5,6の半径をrとし、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6の最短距離を結ぶ直線に対応する連結板7の断面(中心断面)の両側に、当該中心断面に対して距離rを有する第1の基準断面及び距離2rを有する第2の基準断面を設定したときに、連結板7の周縁7A,7Bが前記第1の基準断面の内側に入り込んでおらず、且つ前記周縁7A,7Bの少なくとも一部が前記第1の基準断面と第2の基準断面の間の領域に存在するように形成することで、部分発熱の防止と軽量化、コストダウンが両立される。
なお、前記切り欠きの規定は、連結板7ばかりでなく、板コア13についても同様に採用することができ、連結板7と板コア13の少なくとも一方に前記規定に基づいて適切な切り欠きを形成すれば、軽量化やコストダウンが可能である。
また、前記設定は、連結板7の厚さに依存する部分もあり、前記設定に当たっては、連結板7の厚さを適正にすることが好ましい。具体的には、前記二次コイル用脚部3,4,5,6の半径rに対して、連結板7の厚さtを、0.5r≦t≦1.5rとすることが好ましい。連結板7の厚さtが薄すぎると、連結板7と一次コイル用脚部2や二次コイル用脚部3,4,5,6の連結部分において磁束が飽和する可能性があり、好ましくない。
以上、本発明を適用したフェライトコア及びトランス装置について説明してきたが、本発明がこの実施形態に限定されるものでないことは言うまでもない。例えば、切り欠き部の形状は、矩形状に限らず、円弧状、曲線状等、任意の形状とすることができる。図7は、連結板7に円弧状の切り欠き部7cを形成した例を示すものである。この場合にも切り欠き部7cの形成により内側に入り込む連結板7の周縁が、前記範囲内にあればよい。
本実施例では、実際に切り込みの設定の異なるサンプルを作製し、本発明の効果を確認した。以下、作製したサンプルの形状及びその評価結果について説明する。
実施例
本実施例においては、第1の基準線L1と第2の基準線L2の間の領域において、ほぼこれら基準線に沿って連結板7を削り落とし、図8に示す形状とした。連結板7は、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6、の間において、磁束が通る領域に対応して残されている。
本実施例においては、第1の基準線L1と第2の基準線L2の間の領域において、ほぼこれら基準線に沿って連結板7を削り落とし、図8に示す形状とした。連結板7は、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6、の間において、磁束が通る領域に対応して残されている。
比較例
先ず、図9に示すように、連結板7に切り欠きを設けていない場合を比較例1とした。また、図10に示すように、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6の間の磁束が通る領域にまで入り込むように切り欠きを設けた場合を比較例2とした。比較例2では、切り欠きの形成により、連結板7の周縁の一部が第1の基準線L1の内側まで入り込んでいる。
先ず、図9に示すように、連結板7に切り欠きを設けていない場合を比較例1とした。また、図10に示すように、一次コイル用脚部2と二次コイル用脚部3,4,5,6の間の磁束が通る領域にまで入り込むように切り欠きを設けた場合を比較例2とした。比較例2では、切り欠きの形成により、連結板7の周縁の一部が第1の基準線L1の内側まで入り込んでいる。
評価
各サンプルについて、一次コイルに電流を供給し、そのときの各部分における磁束の分布を調べた。結果を図11〜図13に示す。図11は実施例についての測定結果、図12は比較例1についての測定結果、図13は比較例2についての測定結果である。なお、これら図面において、色の薄い部分が磁束密度の高いところであり、色の濃い部分が磁束密度の低いところである。
各サンプルについて、一次コイルに電流を供給し、そのときの各部分における磁束の分布を調べた。結果を図11〜図13に示す。図11は実施例についての測定結果、図12は比較例1についての測定結果、図13は比較例2についての測定結果である。なお、これら図面において、色の薄い部分が磁束密度の高いところであり、色の濃い部分が磁束密度の低いところである。
先ず、図12に示すように、切り欠きを設けていない比較例1では、磁束の集中は見当たらず、部分発熱のおそれがないことが明らかである。ただし、比較例1では、切り欠きを設けていないでの、軽量化やコストダウンは難しい。
一方、本発明を適用した実施例では、図11に示すように、やはり磁束の集中は見当たらず、比較例1と同等に円滑な磁束の流れが構成されている。しかも、切り欠きの形成による軽量化やコストダウンも実現されている。具体的には、図11に示す実施例のコア体積は、図12に示す比較例1のコア体積の70%と小さい。
これに対して、大きく切り欠きを設けた比較例2では、狭くなった連結板7において磁束の集中が見られ、この部分で部分発熱のおそれがあることがわかった。実際、鉄損を測定すると、実施例と比較例1のフェライトコアの鉄損は同等であったが、実施例と同一体積を有する比較例2のフェライトコアでは鉄損が24%増大していた。なお、鉄損の測定条件は、100kHz、200mTとした。
1 フェライトコア、2 一次コイル用脚部、3,4,5,6 二次コイル用脚部、7 連結板、7a,7b 切り欠き部、7A,7B 周縁、8 一次コイル、9,10,11,12 二次コイル、13 バックコア、20 トランス装置
Claims (5)
- 一次コイルが巻回される一次コイル用脚部と二次コイルが巻回される二次コイル用脚部とを有し、これら脚部が連結部により磁気的に連結されてなるフェライトコアであって、
前記二次コイル用脚部の断面積と等価な面積を有する円の半径をrとするとともに、前記一次コイル用脚部と二次コイル用脚部の間を最短距離で結ぶ直線を引き、この直線位置における前記連結部の断面を中心断面とし、
前記中心断面から距離rだけ離れた位置の断面を第1の基準断面、中心断面から距離2rだけ離れた位置の断面を第2の基準断面とするときに、
前記連結部の周縁が前記第1の基準断面の内側に入り込んでおらず、且つ前記周縁の少なくとも一部が前記第1の基準断面と第2の基準断面の間の領域に存在することを特徴とするフェライトコア。 - 一次コイル用脚部及び二次コイル用脚部の基端部にフェライト板が一体的に形成されて前記連結部とされ、その厚さtが前記二次コイル用脚部の半径rに対して0.5r≦t≦1.5rとされていることを特徴とする請求項1記載のフェライトコア。
- 前記フェライト板に切り欠きが形成され、切り欠きにより形成された周縁の少なくとも一部が前記第1の基準断面と第2の基準断面の間の領域に存在することを特徴とする請求項1又は2記載のフェライトコア。
- 1の一次コイル用脚部に対して複数の二次コイル用脚部が配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のフェライトコア。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載されるフェライトコアを備え、当該フェライトコアの一次コイル用脚部に一次コイルが巻回されるとともに、各二次コイル用脚部にそれぞれ二次コイルが巻回されていることを特徴とするトランス装置。
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