JP4782061B2 - 放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器 - Google Patents

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Description

本発明は放射線遮蔽機能を有する放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器に関する。
原子力発電所等で発生する使用済核燃料等の放射性物質(以下、放射性物質と記す)の輸送あるいは貯蔵容器(キャスク)は、放射性物質を閉じ込めるための密封機能、使用済核燃料に若干残存するウラン235の核分裂による臨界を防止するための臨界防止機能、放射性物質の崩壊熱を逃がし容器の構成部材や使用済核燃料等の温度を適切に下げるための除熱機能、およびガンマ線や中性子を遮蔽し、容器外部の線量率を下げて放射線被曝を防止するための遮蔽機能、の4つの安全機能が要求される。
そして、このキャスクは、落下事故や火災事故などの事象においてこれらの安全機能を維持するための構造強度が要求され、落下衝突条件、耐火条件、浸漬条件など規定で定められた条件下での基準を満足するキャスクである必要がある。よって、キャスクは、総重量が例えば100t以上となる重量物となる。このため、総重量が100t以上という非常に重いキャスクを輸送し貯蔵場所の貯蔵位置まで移動させるための手段や方法に関する多くの技術が、これまでにも提案されている。例えば、以下に示すような技術がある。
従来、一般にトラニオンと呼ばれる円柱状の突起が側面の上部および下部に取り付けられたキャスクが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のキャスクを輸送し貯蔵場所の貯蔵位置まで移動させる際には、例えば、キャスクの上部および下部に取り付けられた少なくともいずれかの円柱状のトラニオンを介して、クレーン等でキャスクを吊り上げたり吊り下げたり姿勢を変えたり(一般に、ハンドリングと呼ばれる)、輸送架台に固定したりするのである。
また、エアパレット搬送装置を用いて放射性物質収納容器を搬送する方法に関する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の放射性物質収納容器の搬送方法は、架台に載せられた放射性物質収納容器を、床面に空気を吹き出す構造を備えたエアパレット搬送装置を用いて貯蔵位置まで搬送する方法である。
さらに、放射性物質保管容器の外周部下側に設けられた複数の突出部(アングル材)または外周部下側に形成された複数の凹所を利用して放射性物質保管容器を搬送する方法に関する技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3に記載の放射性物質保管容器の搬送方法は、外周部下側に設けられた複数の突出部または外周部下側に形成された複数の凹所に対して押し上げ力を与えて放射性物質保管容器を一時的に持ち上げ、下方にエアパレット搬送装置などを挿入し、そして放射性物質保管容器をエアパレット搬送装置上に載置して搬送する方法である。
さらに、キャスクの側部に設けられた複数の支持部材(円柱状のトラニオン)を利用してキャスクの下方にエアパレット搬送装置を挿入することなくキャスクを搬送する装置に関する技術も開示されている(例えば、特許文献4参照)。この特許文献4に記載のキャスク搬送装置は、キャスクの側部に設けられた複数の支持部材に荷重伝達手段(アーム)を介してエアパレット搬送装置の浮力を作用させてキャスクを持ち上げ、そのままエアパレット搬送装置でキャスクを搬送する装置である。
特開2002−250790号公報 特開2003−156594号公報 特開2004−184183号公報 特開2006−58106号公報
しかしながら、放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器であるキャスクは、前記したように、総重量が例えば100t以上という非常に重い重量物である。このため、特許文献1に記載された円柱状の突起からなるトラニオンに対してキャスクのハンドリング時に作用する荷重は非常に大きくなる。よって、円柱状のトラニオンにはキャスクのハンドリング時に耐え得る強度を確保しておく必要があり、例えば、析出硬化型ステンレス鋼であるマルテンサイト系ステンレス鋼などの高強度材をトラニオンの材料に使用する必要がある。この析出硬化型SUS鋼は比較的高価な材料である。
また、特許文献2に記載された放射性物質収納容器を搬送する方法は、放射性物質収納容器を架台に載せたり架台へ固定したりする際には、特許文献1と同様、円柱状のトラニオンを使用している。
また、特許文献3に記載された放射性物質保管容器を搬送する方法で用いられている、複数の突出部は、アングル材であり特許文献1、2に記載の円柱状のトラニオンと同様、ハンドリング時に作用する荷重は非常に大きくなるので高強度材を使用する必要がある。また、複数の凹所は、放射性物質保管容器の放射線遮蔽機能の面からは好ましいものではない。
また、特許文献4に記載されたキャスク搬送装置は、特許文献1、2に記載の円柱状のトラニオンを荷重伝達手段(アーム)を介してエアパレット搬送装置で支持しキャスクを持ち上げ、持ち上げたキャスクをエアパレット搬送装置で搬送するものであり、特許文献1、2と同様、トラニオンに作用する荷重は非常に大きく、かつ搬送時にはトラニオンで重いキャスクを支持し続ける必要がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その課題は、マルテンサイト系ステンレス鋼などの高強度材を用いなくても支持でき、かつハンドリングも容易に行うことができる構造を備えた放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器であるキャスクを提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、従来技術のように円柱状の突起からなるトラニオンを用いるのではなくリング状の突起部を用いることにより、突起部に作用する荷重が分散され、突起部の材料として特別な高強度材を用いることなく容器を支持できるとともに、ハンドリングも容易に行うことができ、これにより、前記課題を解決できることを見出した。本発明は、この知見に基づき完成するに至ったのである。
本発明は、放射線遮蔽機能を有する放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器に関する。そして、本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器は、上記課題を解決するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記課題を達成するための本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器における第1の特徴は、放射性物質を輸送あるいは貯蔵するための容器と、前記容器の外周面に当該容器の軸方向に直交する周方向に設けられたリング状突起部と、を備えていることである。
この構成によると、放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器(キャスク)を、吊り上げたり吊り下げたり姿勢を変えたり等行うハンドリングの際、上記リング状突起部に作用する荷重は分散される。リング状突起部に作用する荷重が分散されることにより突起部に生じる応力が小さくなり、特別な高強度材を用いる必要なくキャスクを支持できるとともに、ハンドリングも容易に行うことができる。
また、本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器における第2の特徴は、前記リング状突起部は、前記周方向に長手方向を有し所定の間隔をおいて配置された複数の円弧状部材からなることである。
この構成によると、上記と同様、キャスクのハンドリングの際、リング状突起部に作用する荷重は分散され、突起部に生じる応力が小さくなり、特別な高強度材を用いる必要なく、キャスクを支持できるとともに、ハンドリングも容易に行うことができる。
また、本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器における第3の特徴は、前記リング状突起部は、前記容器の重心位置よりも上部に配置されていることである。
この構成によると、キャスクのハンドリングの際、キャスクは容器の重心位置よりも上部で支持されるため、キャスクを転倒させることなく安定したハンドリングが可能となる。
また、本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器における第4の特徴は、前記リング状突起部は、前記容器の下部に配置されていることである。
この構成によると、キャスクを貯蔵場所の貯蔵位置で貯蔵する際に耐震のための強固な固定が必要となった場合、容器の下部に配置されたリング状突起部を利用して貯蔵位置にキャスクを簡易かつ省スペースで強固に固定することができる。
また、本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器における第5の特徴は、前記リング状突起部は、前記容器の重心位置よりも上部と、前記容器の下部とに配置されていることである。
この構成によると、キャスクのハンドリングの際は、上部のリング状突起部を用い、貯蔵位置で強固な固定を行う際は、下部のリング状突起部を用いることができる。また、貯蔵位置で固定を行う際、上部および下部のリング状突起部をいずれも用いることができるので、キャスクをさらに強固に固定することも可能である。
また、本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器における第6の特徴は、前記容器は、内胴部と外胴部とを有し、当該内胴部と当該外胴部との間に無機系中性子遮蔽材を挿入していることである。
キャスクに無機系中性子遮蔽材を用いると遮蔽体厚さが厚くなる。無機系中性子遮蔽材を用いたキャスクは、例えば樹脂材料の中性子遮蔽材を用いた金属製のキャスクに比して大重量となり、また従来の円柱状の突起からなるトラニオンではトラニオンに作用する荷重集中の問題もあり、ハンドリングが益々慎重にならざるを得ずハンドリングは容易でない。
本発明に係る上記リング状突起部を用いると、従来の円柱状のトラニオンに比して、格段にキャスクのハンドリング性は向上する。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器(キャスク)は、放射性物質を輸送するための輸送容器、放射性物質を貯蔵するための貯蔵容器、ならびに、放射性物質を輸送および貯蔵するための輸送兼貯蔵容器として用いられるキャスクである。尚、以下で説明するキャスクは、主に放射性物質の貯蔵に用いられる、いわゆるコンクリート系のキャスクであるため、放射性物質の貯蔵容器(以下、貯蔵容器と記す)と表現することとする。図1は、本発明の一実施形態に係る貯蔵容器を示す概略の斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る貯蔵容器の平面視形状を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る貯蔵容器50は、放射性物質を貯蔵するための円筒状の容器9と、容器9の外周面に容器9の軸方向に直交する周方向に設けられたリング状突起部4とを備えている。尚、容器9は、容器9の軸方向に直交する断面形状が円だけでなく、四角形、五角形、六角形などの多角形や楕円などであってもよい。また、前記したように、本実施形態に係る貯蔵容器50は、いわゆるコンクリート系のキャスクであるため、容器9は放射性物質を主に貯蔵するためのものである。しかし、本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器は、放射性物質を輸送したり、放射性物質を貯蔵したり、ならびに、放射性物質を輸送および貯蔵したりするためのキャスクであり、本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器における容器は、放射性物質を輸送したり、放射性物質を貯蔵したり、ならびに、放射性物質を輸送および貯蔵したりするために用いられる容器である。
容器9は、密封容器7と、その外部に配置される遮蔽躯体16とを備える。密封容器7は、その内部に放射性物質Xを収容するバスケット5と、主に遮蔽機能を有する一次蓋3および主に密閉機能を担う二次蓋2とを備え、遮蔽躯体16は、内筒6(内胴部)、外筒8(外胴部)およびこれらの間に挿入される無機系遮蔽材の一つである鉄筋コンクリートの層、並びに遮蔽用の蓋1を備えている。バスケット5、密封容器7、および外筒8は、同軸上に配置されそれぞれ底部を有し、炭素鋼、ステンレス鋼などの金属材料からなる。また、バスケット5の内部は、金属製(例えば、ボロン添加アルミニウム合金、ボロン添加ステンレス鋼等の中性子吸収材料を添加した金属材料)の複数の板状部材を交互に直交させて格子状に配置し放射性物質Xを収容する空間を形成する構造となっている。また、密封容器7の一次蓋3および二次蓋2は、炭素鋼、ステンレス鋼などの金属材料からなり、遮蔽用の蓋1は、炭素鋼、ステンレス鋼などの金属材料の内部にコンクリート材料を有する構造である。
密封容器7との間に間隙を設けて配置される内筒6により、容器9の軸方向に通気層15が形成される。この通気層15の下端は、容器9の下部に設けられた給気口11に連通し、通気層15の上端は、容器9の上部に設けられた排気口10に連通している。ここで、コンクリートが高温環境下にさらされ温度が上昇すると、コンクリートの含水率は低下する傾向を示し、これによりコンクリートの中性子遮蔽能力も低下する。通気層15は、放射性物質Xの熱を空気の自然対流により除熱することで、コンクリート12の温度上昇を防止する。
密封容器7と外筒8との間(内筒6(内胴部)と外筒8(外胴部)との間)に挿入される無機系中性子遮蔽材としては、コンクリート12だけでなくモルタルであってもよい。また、高炉スラグ微粉末などの混和材を入れたコンクリートを用いてもよい。
次に、図2(a)に示すように、容器9の周方向に設けられたリング状突起部4は、容器9の軸方向に直交する周方向に終端なく連続するリング状の部材となっている。図2(b)は、リング状突起部4の変形例であるリング状突起部14を示すための模式図である。図2(b)に示すように、容器9の周方向に設けられたリング状突起部14は、容器9の周方向に長手方向を有し所定の間隔をおいて配置された複数の円弧状部材13からなるものである。
容器9の外周面に設けた突起部を、リング状突起部(4、14)のようなリング状とすることにより、リング状突起部(4、14)に作用する容器9の荷重は分散され、リング状突起部(4、14)に作用する荷重が分散されることにより突起部に生じる応力が小さくなる。よって、リング状突起部(4、14)の材料として特別な高強度材を用いる必要なく貯蔵容器50を支持できるとともに、貯蔵容器50のハンドリングも容易に行うことができる。リング状突起部(4、14)の材料としては、一般構造材料として使用されるSUS304などのオーステナイト系ステンレス鋼や炭素鋼が挙げられる。
特に、本実施形態の貯蔵容器50は、密封容器7と外筒8との間(内筒6と外筒8との間)に無機系中性子遮蔽材の一つであるコンクリート12の層を形成したコンクリート製輸送兼貯蔵容器である。これに対し、中性子遮蔽材として例えばエチレンプロピレン系ゴムなどの樹脂を用い、他の構成部材は金属製材料からなる金属製キャスクもある。コンクリート製キャスクである貯蔵容器50は、金属製キャスクよりも重く、例えば100t〜200tという非常に重い重量物となる。しかし、荷重を分散させて支持することができる形状のリング状突起部(4、14)を用いることにより、前記したような従来の円柱状のトラニオンに比してより容易に貯蔵容器50を操作することができるので、格段に貯蔵容器50のハンドリング性は向上する。すなわち、リング状突起部(4、14)を、本実施形態のようなコンクリート製の貯蔵容器50に適用することで、ハンドリング性の面からより効果が表れるのである。尚、金属製のキャスクにも本発明に係るリング状突起(4、14)を適用できることは言うまでもない。
図1に戻り、本実施形態において、容器9に設けられている2つのリング状突起部4(4a、4b)のうち、容器9の上部に配置されているリング状突起部4aは、容器9の重心位置Gよりも上部に配置されている。これにより、貯蔵容器50のハンドリングの際、貯蔵容器50は容器9の重心位置よりも上部で支持されるため、貯蔵容器50を転倒させることなく安定したハンドリングが可能となる。
また、リング状突起部4bは、容器9の下部に配置されている。これにより、例えば貯蔵容器50を貯蔵場所の貯蔵位置で貯蔵する際に耐震のための強固な固定が必要となった場合、容器9の下部に配置されたリング状突起部4bを利用して貯蔵位置に貯蔵容器50を簡易かつ省スペースで強固に固定することができる。尚、貯蔵容器50を貯蔵位置で固定を行う際、上部および下部のリング状突起部4(4a、4b)をいずれも用いることができるので、貯蔵容器50をさらに強固に固定することも可能である。
次に、本発明に係る放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器におけるリング状突起部について、さらに詳しく説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る貯蔵容器の断面形状の一部を示す模式図である。ここで、図3(a)は、図1に示すリング状突起部4における容器9の軸方向に沿う断面形状を示すための模式図であり、図3(b)は、リング状突起部4の変形例であるリング状突起部4’を示すための模式図である。
図3(a)に示すように、貯蔵容器50のリング状突起部4は、外筒8と面一になるようにコンクリート12の中に埋め込まれる基部22と、基部22よりも容器9の軸方向長さが短く外筒8から容器9の径方向に突出する突出部21とを有するよう一体形成した突起部となっている。基部22の断面形状は長方形であり、突出部21の断面形状は正方形または長方形である。尚、容器9の軸方向に直交する周方向については、リング状突起部4を終端なく一体形成してもよいし、終端なく連続するように複数の円弧状部材を相互に間隙なく隣接させて溶接等によりリング状突起部4を形成してもよい。また、コンクリート12を鉄筋コンクリートとする場合は、あらかじめ鉄筋にリング状突起部4の基部22を溶接仮取付けしておくと作業性が向上する。
図3(b)に示すリング状突起部4’は、図3(a)に示すリング状突起部4の変形例である。図3(b)に示すように、リング状突起部4’は、コンクリート12の中に埋め込まれた凹形部を有する基部22と、容器9の径方向に突出する突出部21とを部品として製造し、ボルトまたは溶接により結合させて形成している。このような構造にすると、基部22と突出部21との接合部に剪断応力が生じることを避けることができる。尚、容器9の軸方向に直交する周方向については、基部22および突出部21のうちの少なくともいずれかを終端なく一体形成してもよいし、終端なく連続するように複数の円弧状部材を相互に間隙なく隣接させて溶接等によりリング状突起部4’を形成してもよい。基部22と突出部21とをボルトまたは溶接により結合させてリング状突起部4’を形成することにより、基部22と突出部21とを例えば削り出し等により一体形成したリング状突起部4よりも製造コストは低減する。コンクリート12を鉄筋コンクリートとする場合は、あらかじめ鉄筋に基部22を溶接仮取付けしておくと作業性が向上する。
また、図4は、リング状突起部4の変形例であるリング状突起部4’’を示すための模式図である。図4に示すように、外筒8の外周面に容器9の軸方向に直交する周方向に突出部21を嵌合するためのミゾを設け、このミゾに突出部21を嵌合させて、突出部21を容器9の外筒8にボルトまたは溶接により結合させてリング状突起部4’’を形成してもよい。
次に、リング状突起部4の突出部21の変形例について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る放射性物質の貯蔵容器の断面形状の一部を示す模式図である。ここで、図5(a)は、図3(b)に示す突出部21の変形例である突出部24を備えたリング状突起部31を示すための模式図であり、図5(b)は、図3(b)に示す突出部21の他の変形例である突出部25を備えたリング状突起部32を示すための模式図である。
図5(a)に示すように、突出部24における容器9の軸方向に沿う断面形状は、突出部24の下方側に底辺を有する三角形状である。また、図5(b)に示すように、突出部25における容器9の軸方向に沿う断面形状は、容器9の径方向外側の一辺が、基部22に接する容器9の軸中心側の他辺よりも長い台形となり、突出部25の下面は、容器9の軸中心から離れるにつれて下方に傾斜する斜面となっている。これら突出部(24、25)の下面に貯蔵容器をハンドリングするための治具を係止して、貯蔵容器を吊り上げたり吊り下げたり姿勢を変えたり等行うのである。尚、突出部25の下面に形成される容器9の軸中心から離れるにつれて下方に傾斜する斜面は、ハンドリング時の治具の外れ防止として好ましい。また、容器9の下側から容器9を支持するための治具を係止できる構造であれば、図5に示す突出部(24、25)のような構造に限られることはない。
次に、リング状突起部4(4a)を利用した貯蔵容器50の吊り上げについて説明する。図6は、図1に示す貯蔵容器50を吊り上げた状態を示す模式図である。
図6に示すように、例えばワイヤーロープ42を取り付けた平面視リング状の鋼製治具41を貯蔵容器50のリング状突起部4aの下方からリング状突起部4aに係止して貯蔵容器50を天井クレーン(不図示)などにより吊り上げ、貯蔵容器50を搬送する(移動させる)。これにより、貯蔵容器50を鉛直方向の貯蔵姿勢のまま搬送することができる。貯蔵容器50の吊り上げる高さを調整すれば床面に多少の凹凸があっても搬送できる。また、リング状突起部4aを使用して貯蔵容器50を天井クレーンにより一時的に吊り上げて、貯蔵容器50の下方に、床面に空気を吹き出す構造を備えたエアパレット搬送装置(不図示)を挿入し、エアパレット搬送装置を用いて貯蔵容器50を搬送してもよい。エアパレット搬送装置を用いれば床面を這うように移動させることができるので安定した搬送が可能である。尚、前記したように、本実施形態の貯蔵容器50は、コンクリート製のキャスクであり、金属製のキャスクに比して非常に重い重量物である。すなわち、貯蔵容器50のような非常に重い重量物に本発明に係るリング状突起部4を使用することは、より好ましい。
次に、リング状突起部4(4b)を利用した貯蔵容器50の固定について説明する。図7は、図1に示す貯蔵容器50を架台43に固定した状態を示す模式図である。
図7に示すように、貯蔵容器50のリング状突起部4bを、例えば2分割した平面視円弧状の鋼製固縛部材44で挟みこみ、貯蔵容器50を鋼製固視縛部材44で挟みこんだ状態で鋼製固視縛部材44をアンカーボルト等で床面43に固定することにより、貯蔵容器50を強固に固定することができる。また、リング状突起部4bが受ける挟みこみの力は、貯蔵容器50の周方向に形成されたリング状突起部4bで分散されるので、挟みこみの力が作用する固縛領域を広く確保することができ貯蔵容器50を安定して固定することが可能となる。
次に、天井クレーンを用いずに、リング状突起部4(4a)を利用して、貯蔵容器50を持ち上げ、施設内を搬送する方法について説明する。図8は、図1に示す貯蔵容器50を搬送するための搬送装置60を示す模式図である。
図8に示すように、貯蔵容器50を搬送するための搬送装置60は、貯蔵容器50のリング状突起部4aをリング状突起部4aの下方から支持する円弧状のアーム61と、アーム61に連結しアーム61を上下方向に上げ下げするアーム駆動装置62と、アーム駆動装置62を搭載し貯蔵容器50を持ち上げた状態で搬送する走行装置63とを備えている。アーム61は、容器9の外周面に沿うような形状および寸法で形成される。アーム駆動装置62は、油圧または電動により駆動される。走行装置63は、電動駆動の車輪64を備えた装置または床面に空気を吹き出す構造を備えたエアパレットなどが挙げられる。また、走行装置63のアーム61側の端部は、図8に示すように容器9の外周面に沿うような形状および寸法で凹状に形成される。
まず、搬送装置60のアーム61をアーム駆動装置62により貯蔵容器50に設けられたリング状突起部4aよりも下方に下げ、搬送装置60により搬送装置60を貯蔵容器50に横付けする。次に、アーム61をアーム駆動装置62により上方に移動させ、リング状突起部4aにゆっくりと当てる。そして、アーム61をさらに上昇させ貯蔵容器50を持ち上げ、貯蔵容器50を持ち上げた状態で走行装置63により施設内を搬送する。このようにして天井クレーンを用いることなく貯蔵容器50を搬送できる。天井クレーンを用いる必要がないので、建屋には天井クレーンを設置する必要がなくなるとともに、天井クレーンのない屋外でも貯蔵容器50を搬送できる。また、搬送装置60を用いれば床面を這うように移動させることができるので安定した搬送が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
本発明の一実施形態に係る放射性物質の貯蔵容器を示す概略の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る放射性物質の貯蔵容器の平面視形状を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る放射性物質の貯蔵容器の断面形状の一部を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る放射性物質の貯蔵容器の断面形状の一部を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る放射性物質の貯蔵容器の断面形状の一部を示す模式図である。 図1に示す放射性物質の貯蔵容器を吊り上げた状態を示す模式図である。 図1に示す放射性物質の貯蔵容器を架台に固定した状態を示す模式図である。 図1に示す放射性物質の貯蔵容器を搬送するための搬送装置を示す模式図である。
符号の説明
4、14:リング状突起部
6 内筒(内胴部)
7:密封容器
8:外筒(外胴部)
9:容器
12:コンクリート(無機系中性子遮蔽材)
13:円弧状部材
50:放射性物質の貯蔵容器

Claims (7)

  1. 放射性物質を輸送あるいは貯蔵するための筒状の容器と、
    前記容器の外周面に当該容器の軸方向に直交する周方向に沿って連続的に形成された溝部と、
    前記周方向に沿った終端なく連続するリング状であり、前記溝部に一部が配置され、前記外周面から前記容器の径方向外側へ突出するように形成されたリング状突起部と、
    を備えていることを特徴とする、放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器。
  2. 放射性物質を輸送あるいは貯蔵するための筒状の容器と、
    前記容器の外周面に当該容器の軸方向に直交する周方向に沿って形成された溝部と、
    前記周方向に沿った円弧状であり、前記溝部に一部が配置され、前記外周面から前記容器の径方向外側へ突出するように形成されたリング状突起部と、
    を備えていることを特徴とする、放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器。
  3. 前記リング状突起部は、
    前記外周面と面一になるように前記溝部に配置される基部と、
    前記基部よりも前記容器の軸方向における長さが短く、かつ、前記外周面から前記容器の径方向外側へ突出する突出部と、
    を有するように形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器。
  4. 前記リング状突起部は、前記容器の重心位置よりも上部に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器。
  5. 前記リング状突起部は、前記容器の下部に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器。
  6. 前記リング状突起部は、前記容器の重心位置よりも上部と、前記容器の下部とに配置されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器。
  7. 前記容器は、内胴部と外胴部とを有し、当該内胴部と当該外胴部との間に無機系中性子遮蔽材を挿入していることを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の放射性物質の輸送あるいは貯蔵容器。
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