JP2005321348A - 燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体とその製造方法 - Google Patents

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敦也 平野
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眞琴 林
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Abstract

【課題】
本発明の目的は、温度変動による衝撃緩衝体の性能の変動を低く抑えることにより、安全性を高めた輸送貯蔵キャスクキャスク用衝撃緩衝体とその製造方法及び輸送貯蔵キャスクキャスクとその製造方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、燃料を収納する筒状のキャスクの両端部を覆う燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体において、円筒形スチールカバー内部に平均含水率が8%以下である木材が充填されていることを特徴とする。
又、本発明は、木材の平均含水率を2%以下まで乾燥処理した後、その木材を円筒形スチールカバー内に充填することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法にある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、核燃料等を輸送及び貯蔵する新規な燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体とその製造方法及びそれを用いた燃料輸送貯蔵キャスクとその製造方法に関する。
一般に、使用済み核燃料は、原子力発電所内に設けられた冷却プールで、放射線量が一定レベル以下に低下するまで保管されたのち、遮蔽機能及び密封機能を有した燃料輸送貯蔵キャスクに納められ、燃料処理施設まで輸送されるか、中間貯蔵施設まで輸送した後キャスクに収納された状態で貯蔵される。輸送時及び取扱い時の万一の事故に備え、キャスクは、9m上方からの落下に対しても、所定の遮蔽機能及び密封機能を有していることが義務づけられている。そこで、輸送時及び取扱い時には、通常、燃料輸送貯蔵キャスクの上下端に衝撃緩衝体を取付け、万一の落下時の衝撃を十分緩和させている。
燃料輸送貯蔵キャスクの衝撃緩衝体の一般的な構成は、スチールカバーの内部に衝撃緩衝材を充填したものである。衝撃緩衝体としては、木材、ポリウレタンフォーム、金属ハニカム材などが用いられているが、現在までの燃料輸送用キャスクの衝撃緩衝体に最も適用例が多いのが木材である。
しかし、燃料輸送貯蔵キャスクは、収納した使用済み核燃料からの伝熱により、表面は環境温度より高くなっている。取付けた衝撃緩衝体の温度も、取付け直後は周囲環境温度とほぼ同じだが、燃料輸送貯蔵キャスクからの伝熱により徐々に温度が上昇し、70℃程度になる。そのため、衝撃緩衝体の温度も、周囲環境温度から70℃程度まで変動する。
特許文献1には、衝撃緩衝体は断面がコの字の軸対称形状であり、内部に緩衝材として木材を充填し、外部をスチールカバーで囲んで構成されている。
特許文献2には、緩衝材として用いられる材料として、衝撃吸収能力が高い、レッドウッド、米杉、米ヒバ、ポリウレタンフォーム、あるいは発泡スチロールであることが示されている。
特許文献3には、衝撃リミッターの環状本体内の衝撃吸収部材にアルミニウムの蜂の巣状を用いる例が示されている。
特許文献4には、ショックアブソーバーとして、バルサーウッド、積層板、ゴム、バーミキュライトコンクリートなどが用いられることが示されている。
非特許文献1の4章(図4−14、表4−15)では木材強度と温度との関係が示されており、繊維方向に圧縮したときの圧縮強度は、室温を基準として50℃の時に、含水率が0%の場合で10%低下し、含水率が12〜45%の場合では25%低下し、含水率が低い方が温度による強度の変動が小さいことが示されている。
非特許文献2の図2.77では、木材の温度と圧縮強度との関係が示され、ブナの全乾(含水率0%の状態)における温度上昇による強度低下の勾配は、ブナの気乾(含水率約12%の状態)より緩やかであることが示されている。
非特許文献3では、輸送・貯蔵兼用金属キャスク緩衝体の使用温度の変動範囲として−10℃程度から70℃程度と想定し、温度変動範囲による強度の変動範囲を考慮した緩衝体性能の変動の評価が示されている。
特開2003−315493号広報 特開2001−83291号広報 特許第3032810号広報 特許第2952283号広報 米国農務省刊行「Wood Handbook」、1999年発行、4-35〜4-36頁 林業試験場編「木材工業ハンドブック」(昭和36年発行、出版社:丸善)141頁 日本原子力学会「2003年春の年会」(2003年3月)要旨集525頁
輸送貯蔵キャスクにおいては、収納燃料の発熱により、取付けた衝撃緩衝体の温度が取付け直後の周囲温度から、70℃程度に上昇する。木材の強度は、温度上昇により軟化するため、衝撃緩衝体は、取付け直後は、剛性が相対的に高く、衝突時の衝撃加速度が高くなり、キャスク構造にかかる応力が大きくなる。そして、70℃程度に上昇後は、剛性が相対的に低く、衝突時の衝撃加速度が低くなるが、衝撃緩衝体の変形量が多くなるため、輸送貯蔵キャスク本体が衝突する可能性が高まる。従来の輸送貯蔵キャスクの衝撃緩衝体では、輸送貯蔵キャスクの温度変動範囲を考えた場合、木材の強度変動範囲が大きく、衝撃加速度と緩衝体変形量の両方を設計要求内に抑えることが難しくなっている。
特許文献1〜4及び非特許文献3のいずれにおいても、輸送貯蔵キャスクの衝撃緩衝体として特定の木材を用いることは示されていないし、非特許文献1及び2においては輸送貯蔵キャスクの衝撃緩衝体について示されていない。
本発明の目的は、温度変動による衝撃緩衝体の性能の変動を低く抑えることにより、安全性を高めた輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体とその製造方法及び輸送貯蔵キャスクとその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体として、その温度変動によってその内容物の使用済み燃料を如何に破損から守り安全に保護することができるかを検討した結果、衝撃緩衝体として用いられる木材の温度変動による強度変動に着目した。その結果、木材の温度変動による強度変動はその平均含水率を小さく抑えることによって小さくできることを見出した。更に、衝撃加速度と緩衝体変形量の両方を設計要求内に抑えることができると共に、その温度変動が生じた際にも木材の強度変動を安定にすることにより燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体としてその内容物の使用済み燃料を破損から守り安全に保護することができることを見出したものである。
本発明は、燃料を収納する筒状のキャスクの両端部を覆う燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体において、円筒状スチールカバー内に含水率が8%以下である木材が充填されていることを特徴とし、特に、木材の含水率を7%未満とすること、更に6%未満にすることが好ましい。
又、本発明は、単位形状のブロックに形成後に乾燥処理された木材が円筒状スチールカバー内に充填されていることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体にある。
前記円筒状スチールカバー内部が複数に分割されその分割された各内部に前記木材が充填されていること、前記木材は、単位形状のブロックに接着剤によって形成され、複数の前記ブロックが前記充填されていること、前記接着剤は、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール・レゾルシノール共縮合樹脂、レゾルシノール樹脂、メラミン・ユリア共縮合樹脂、エポキシ樹脂のいずれかであることが好ましい。
前記スチールカバーは、円筒形の外殻と、該外殻の内周側に設けられた円筒形リブと、前記外殻と円筒形リブとの間に設けられた半径方向リブと、前記キャスクの外側に位置し前記外殻を塞ぐ底面板と、前記キャスク内筒が挿入される保持部と、該保持部に連なり前記キャスク側に位置し前記外殻を塞ぐ環状板とを有し、互いに溶接によって接合されていることが好ましい。
前記木材は、前記保持部の外周部に高比重材が配置され、それ以外の全部に低比重材が配置されていること、前記保持部の外周部にダグラスファ積層合板が配置され、それ以外の全部にバルサ単一材が配置されていること、前記ダグラスファ積層合板は扇形であり、前記バルサ単一材は前記円筒形リブ内に充填される円柱形及びそれ以外に充填される扇形を有することが好ましい。
又、本発明は、燃料を収納する内筒と、該内筒の外周を覆う中性子遮蔽材と、該遮蔽材を覆う外筒と、前記内筒の両端部を各々包み内部に木材が充填され表面を円筒状スチールカバーで覆った上下衝撃緩衝体とを備え、該上下衝撃緩衝体が前述のいずれかに記載の衝撃緩衝体より成ることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスクにある。
更に、本発明は、木材の平均含水率を2%以下まで乾燥処理した後、該乾燥処理した木材を円筒状スチールカバー内部に充填することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法にある。特に、木材の含水率を実質的に0%まで乾燥処理することが好ましい。
更に、木材を接着剤によって単位形状のブロックに作成した後、乾燥処理を行い、次いで、該乾燥処理した前記ブロックを所定形状に加工して円筒状スチールカバー内に充填することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法にある。
前記木材を接着剤によって単位形状のブロックに作成した後、前記乾燥処理すること、前記乾燥処理を高周波減圧乾燥装置によって行うことが好ましい。
前記乾燥処理後、関係湿度30%以下の環境下で保管すること、前記乾燥処理後の前記ブロックを容積の4倍以下の密封空間に保管することが好ましい。
本発明は、乾燥処理された木材を、関係湿度40%以下に保った環境下で円筒状スチールカバー内に充填すること、乾燥処理された木材を、空調装置を備えた室内で円筒状スチールカバー内に充填すること、又、乾燥処理された木材の含水率を8%以下に保って円筒状スチールカバー内に充填することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法にある。
又、前述の燃料輸送貯蔵キャスクの製造方法において、前述に記載の上下衝撃緩衝体を前述に記載の衝撃緩衝体の製造法によって製造することが好ましい。
本発明によれば、温度変動による衝撃緩衝体の性能の変動をを低く抑えることにより、安全性を高めた燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体とその製造方法及び燃料輸送貯蔵キャスクとその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明に係る燃料輸送貯蔵キャスクの部分断面を示す正面図である。燃料輸送貯蔵キャスク1は、原子力発電所で使用済みの燃料集合体8を内部に収納して輸送し、中間貯蔵施設で保管し、所定の期間保存後、再処理施設へ輸送するための機器である。燃料輸送貯蔵キャスク1は、内筒2、内筒内部に収納される燃料集合体8を入れるバスケットとそれを支持するサポートシリンダ(いずれも図示せず)、内筒2の上部に取り付けられる一次蓋3、二次蓋4、一次蓋3と二次蓋4をガスケット14を介して内筒2に固定するボルト13、内筒2の外側に設けた中性子線遮蔽材5、中性子線遮蔽材5を囲む炭素鋼製の外筒6、燃料輸送貯蔵キャスク1の吊り上げ及び固定用のトラニオン7で構成される。燃料輸送貯蔵キャスク1の軸方向両端には、下部衝撃緩衝体9と上部衝撃緩衝体10をボルトで固定する。
下部衝撃緩衝体9、上部衝撃緩衝体10は、断面がコの字の軸対称形状である。スチールカバー11はSUS304ステンレス鋼製で、内部に木材が充填される。下部衝撃緩衝体9、上部衝撃緩衝体10は、いずれも中央部に内筒2の外径に合わせた凹みが形成されており、この凹み部に内筒2を嵌めることによって、内筒2の下端部の側面及びその上端部の側面を覆っている。いずれも基本構造は同一である。
燃料輸送貯蔵キャスク1は、内筒2及び底板12は、溶接によって結合され、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品である。内筒2と外筒6との間には、水素を多く含有する高分子材料の中性子遮蔽材5が充填されている。中性子遮蔽材5は、内部フインが形成される空間に流動状態で注入され、熱硬化反応等で固化される。
一次蓋3と二次蓋4は、γ線を遮蔽するSUS304ステンレス鋼又は炭素鋼製からなる円盤形状であり、二次蓋4がその上面には、中性子遮蔽体として高分子材料が封入されている。一次蓋3及び二次蓋4は、ステンレス鋼製又は炭素鋼製のボルトによって内筒2に取り付けられている。使用済みの燃料集合体8は、セルが構成する中性子吸収性能を持つB又はB化合物を含むアルミニウム複合材又はアルミニウム合金から成るバスケット内に収容される。
図2は、下部衝撃緩衝体9、上部衝撃緩衝体10のスチールカバー11の構造を示す斜視図である。外殻21は断面がコの字形の軸対称形状のほぼ円筒形状である。なお、図2では、スチールカバー11の内部の様子を開示するために外殻21の底面板211を取外している。スチールカバー11は、円筒形の外殻21と、外殻21の内周側に設けられた円筒形のリブ22と、外殻21とリブ22との間に周方向に均等に8分割する形で溶接によって放射状に設けられた8個の半径方向リブ23と、燃料輸送貯蔵キャスク1の外側に位置し外殻21を塞ぐ底面板211と、内筒2が挿入される保持部15と、保持部15に連なり燃料輸送貯蔵キャスク1側に位置し外殻21を塞ぐ環状板18とを有し、互いに溶接によって接合されている。底面板211は円柱部19に対する円板とその外周の環状板とが外殻21とリブ22にそれぞれL型鋼を介して溶接によって接続される。
図3は、本発明に係る燃料キャスク用衝撃緩衝体の製造方法を示すフロー図である。最初に木材を納入31する。木材は、衝突方向によって変わる緩衝体の変形領域を考慮して、強度の異なる複数の種類を納入する。そのうちの高強度材はダグラスファー合板であり、低強度材はバルサ単一材である。ダグラスファー合板は、厚さ約3ミリのダグラスファーの薄板を繊維が互いに直行するように積層したものであり、高比重の0.6g/cm、納入時寸法が2400mm×1200mm×20mmである。バルサ単一材は、低比重の0.1〜0.2g/cm、納入時寸法が800mm×80mm×60mmの角材である。木材は、製材時に乾燥工程を経て、生材から含水率を下げている。納入時の木材の含水率は、8〜10%であり、屋内における木材の平衡含水率12〜15%より乾燥した状態である。
本実施例においては、高比重のダグラスファー合板は扇形であり、前述の保持部15の外周部16に配置され、低比重のバルサ単一材は円柱形及び扇形を有し、円柱部19及び扇部17に配置されている。
納入後の木材を同一材ごとに接着剤で束ねて複数の木材ブロック作成32する。木材ブロックは、スチールカバー11内に充填する時の形状を包含するサイズの単位形状のブロックである。使用する接着剤は、この後の乾燥処理33での加熱温度に耐えられるように熱硬化型樹脂を用いる。接着剤には、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール・レゾルシノール共縮合樹脂、レゾルシノール樹脂、メラミン・ユリア共縮合樹脂、エポキシ樹脂のいずれかの有機溶媒が用いられる。
なお、接着前に木材ブロックの容積v1、重量w1を測定し、検査記録の含水率M1を用いて、次式から全乾(含水率0%の状態)時の比重ρ1を式(1)により求めておく。
ρ1=w1/v1/(M1+1) …式(1)
木材ブロックは、乾燥処理33で、高周波減圧乾燥処理される。処理中の木材重量を逐次測定し、水分の蒸発による重量減少がなくなり、含水率がほぼ0%になった時点で、処理を終了する。処理後の木材ブロックの表面が冷却した後ビニル袋に梱包し、袋の口を閉めて密封し、次の加工まで一時保管34する。保管中のビニル梱包内の水分吸湿を抑えるため、ビニル梱包内の容積は、木材ブロック容積の4倍以下とする。高周波減圧乾燥処理は40〜60torrの減圧下、30〜45℃での木材自身の自己発熱によって行われる。
バルサ単一材のうち、充填時の繊維方向が緩衝体円筒軸方向となるものについては、木口面に防水用樹脂を塗布してから、或いは、防水用接着テープを貼り付けしてから、ビニル袋に梱包する。理由は、木口面からの吸湿速度は速く、充填作業期間に木口面が開放されていると、含水率が上昇してしまい乾燥処理の効果が十分得られないが、防水用樹脂を塗布或いは、防水用接着テープを貼り付けすることで、含水率の上昇を抑えることが可能となる。
続いて、一時保管されている木材ブロックをビニル梱包から取り出し、扇形形状に切出し、扇形ブロックに切断加工35する。扇形ブロックは、充填する時の形状をひとまわり大きくした形状である。作成後は、上記と同様にビニル梱包し、次の加工まで一時保管36する。
木材を充填するスチールカバー11は、図2のように底面板211が取外された状態で別途製作し、図4に示すように、重量計測台61に載せる。重量計測台61の4隅には、ロードセル62を下方に取付け、重量計測台に載せた物体の重量が測定可能である。まず、この時点のスチールカバー11の重量W0を測定する。
続いて、一時保管されている扇形ブロックをビニル梱包から取出し、スチールカバー11内の充填箇所の形状に合うようにやすりがけ加工37し、充填ブロック53を作成する。図4に示すように、充填ブロック53をスチールカバー11内に充填38する。充填は、下から何層にも分けて積上げていく。一層ごとに周方向に並べていき、全周並べ終えたら、次の層に取掛かる。或いは、扇型一区画を全層積み上げてから次の未充填の区画を全層積み上げていく手順でも良い。充填ブロック53同士、及びスチールカバー11との接合面は、接着剤を塗布して接着する。接着剤には、レゾルシノール樹脂を用いる。本接着剤は、含水率の上昇が小さい有機溶剤を媒体とし常温硬化型で、木材に引き起こす劣化反応がほとんどない。充填途中の衝撃緩衝体30の重量W2nと、充填した木材の容積v2nを適宜測定39し、式(2)から木材の平均含水率M2nを算出40する。
M2n=(W2n−W0)/ρ1n/v2n−1 …(2)
ここで、ρ1nは充填した木材の全乾比重であり、各充填ブロック53それぞれの全乾比重ρ1の体積平均値である。
図5は、木材の平均含水率M2nを示す線図である。縦軸は平均含水率M2nであり、横軸は充填作業時間である。平均含水率の増加曲線(A)が予め推定されており、グラフ中に記載してある。この増加曲線(A)は、木材中の水分の拡散理論から求めることができるが、過去の含水率の測定実績から作成してもよい。図5に示すように、木材はその平均含水率を0%まで乾燥処理してもその直後には急速に給湿して平均含水率が約1%になってしまう。
増加曲線(A)の変化傾向を参考にして、プロット点Bn(n=1、2、、、、)の変化傾向を推定し、充填完了時の含水率を見積もることができる。ここで、充填作業は実作業時間として約1週間程度かかる。見積値が6%未満である場合は、そのまま次の検査まで充填作業を進める。見積値が6%以上である場合は、未充填の扇形ブロックを追加乾燥処理して再び全乾状態(含水率0%)にして充填することで、平均含水率の増加を抑えることができる。ただし、充填作業がかなり進み、未充填の扇形ブロックの量が少なくなっている時は、乾燥処理をしても十分な効果が得られない場合があり、この時は、衝撃緩衝体30を乾燥処理する。このような充填作業工程中の平均含水率の検査と対応処理によって、充填完了時の平均含水率を6%未満にすることが可能である。
充填作業中断時および充填完了後、充填木材が露出している開放面24をビニールシートで覆い、外気からの吸湿を絶った状態で、一時保管44する。続いて、ビニールシートを取外し、底面板211を開放面24に被せて溶接し、内部木材を密封する。溶接前に衝撃緩衝体30の重量W3を測定45し、全充填木材の容積v3と、全充填木材の全乾比重の体積平均ρ1allから、式(3)より平均含水率M3が算出46される。
M3=(W3−W0)/ρ1all/v3−1 …(3)
平均含水率M3が6.0%未満であれば、そのまま底面板211を溶接する。6.0%以上の場合は、追加乾燥処理48をする。
底面板211の溶接49の後、JIS Z 2329に準拠した発泡漏れ試験50をスチールカバー11表面に実施し、内部木材が密封されていることを確認し、衝撃緩衝体30が完成51する。
含水率の測定誤差は、ロードセル62の誤差に依存し、1%以内である。従って、誤差分を安全側に見積もり、底面板211溶接時の含水率の上昇を考慮すると、本発明の製造方法により、木材の平均含水率を7.5%未満に抑えた衝撃緩衝体を製造可能である。
製造後、実際に使用されるまでの保管期間において、木材の平均含水率を適宜検査する。その方法を以下説明する。保管中の衝撃緩衝体30の重量W4を測定52し、溶接前に測定した底面板211の重量Wtとから、次式(4)より充填木材の重量w4が求められる。
w4=W4−Wt−W0 …(4)
全充填木材の容積v4と重量w4とから、平均含水率M4が次式(5)で算出53される。
M4=w4/ρ1all/v4−1 …(5)
平均含水率M4が7.0%未満であれば、JIS Z 2329に準拠した発泡漏れ試験57をスチールカバー11表面に実施し、漏洩箇所があれば補修溶接で塞ぐ。平均含水率M4が7.0%以上であれば、底面板211を開封し、乾燥処理55し、再検査時の平均含水率を7.0%未満にする。実際の使用に際しては、上記方法により平均含水率を求め、7.0%未満であることを確認したうえで、燃料キャスクに取付58が実施される。
又、本実施例に加えて、関係湿度40%以下に保った空調装置を備えた室内でスチールカバー11内に各充填ブロック53を充填することによりその含水率を確実に8%以下とすることができる。
以上、本実施例によれば、充填する前の木材の含水率を低めることにより、充填作業中の吸湿を考慮しても、緩衝体製造完了時及び緩衝体使用時の内部木材の平均含水率を8%未満に抑えることが可能となり、更に、衝撃緩衝体製造時の管理方法により、実際の使用時において、測定誤差分を安全側に補正した後の木材の平均含水率を8%未満に抑えることが可能となる。この結果、温度変化による木材強度の変動幅を従来より小さくでき、結果として温度変動による燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の性能の変動幅を低く抑え安全性の高い輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体とその製造方法及び輸送貯蔵キャスクとその製造方法を提供することができる。
本発明に係る燃料輸送貯蔵キャスクの部分断面構造図である。 本発明に係るスチールカバーの構造を示す斜視図である。 本発明に係る燃料キャスク用衝撃緩衝体の製造方法を示すフロー図である。 本発明に係る木材充填作業における衝撃緩衝体と重量測定装置との配置を示す正面図である。 本発明に係る充填作業における木材の平均含水率の変化を示すグラフである。
符号の説明
1…燃料輸送貯蔵キャスク、2…内筒、3…一次蓋、4…二次蓋、5…中性子遮蔽材、6…外筒、7…トラニオン、8…燃料集合体、9…下部衝撃緩衝体、10…上部衝撃緩衝体、11…スチールカバー、13…ボルト、14…ガスケット、15…保持部、16…外周部、17…扇部、18…環状板、19…円柱部、21…外殻、211…底面板、22…リブ、23…半径方向リブ、24…開放面、30…衝撃緩衝体、51…木材ブロック、52…扇形ブロック、53…充填ブロック、61…重量計測台、62…ロードセル。

Claims (19)

  1. 円筒状スチールカバー内に含水率が8%以下である木材が充填されていることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体。
  2. 単位形状のブロックに形成後に乾燥処理された木材が円筒状スチールカバー内に充填されていることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体。
  3. 請求項1又は2において、前記円筒状スチールカバー内が複数に分割されその分割された各内部に前記木材が充填されていることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記木材は、単位形状のブロックに接着剤によって形成され、複数の前記ブロックが前記充填されていることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体。
  5. 請求項4において、前記接着剤は、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール・レゾルシノール共縮合樹脂、レゾルシノール樹脂、メラミン・ユリア共縮合樹脂、エポキシ樹脂のいずれかであることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記円筒状スチールカバーは、円筒形の外殻と、該外殻の内周側に設けられた円筒形リブと、前記外殻と円筒形リブとの間に設けられた半径方向リブと、前記キャスクの外側に位置し前記外殻を塞ぐ底面板と、前記キャスク内筒が挿入される保持部と、該保持部に連なり前記キャスク側に位置し前記外殻を塞ぐ環状板とを有し、互いに溶接によって接合されていることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体。
  7. 請求項6において、前記木材は、前記保持部の外周部に高比重材が配置され、それ以外の全部に低比重材が配置されていることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体。
  8. 請求項7において、前記保持部の外周部にダグラスファ積層合板が配置され、それ以外の全部にバルサー単一材が配置されていることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体。
  9. 燃料を収納する内筒と、該内筒の外周を覆う中性子遮蔽材と、該遮蔽材を覆う外筒と、前記内筒の両端部を各々包み内部に木材が充填され表面を円筒状スチールカバーで覆った上下衝撃緩衝体とを備え、該上下衝撃緩衝体は請求項1〜8のいずれかに記載の衝撃緩衝体より成ることを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク。
  10. 木材の平均含水率を2%以下まで乾燥処理した後、該乾燥処理した木材を円筒状スチールカバー内に充填することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法。
  11. 木材を接着剤によって単位形状のブロックに作成した後、乾燥処理を行い、次いで、該乾燥処理した前記ブロックを所定形状に加工して円筒状スチールカバー内に充填することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法。
  12. 請求項11において、平均含水率を2%以下となるまで前記乾燥処理することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法。
  13. 請求項10〜12のいずれかにおいて、前記乾燥処理を高周波減圧乾燥装置によって行うことを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法。
  14. 請求項10〜13のいずれかにおいて、前記乾燥処理後、関係湿度30%以下の環境下で保管することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法。
  15. 請求項10〜14のいずれかにおいて、前記乾燥処理後、容積の4倍以下の密封空間にて保管することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法。
  16. 乾燥処理された木材を、関係湿度40%以下に保った環境下で円筒状スチールカバー内に充填することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法。
  17. 乾燥処理された木材を、空調装置を備えた室内で円筒状スチールカバー内に充填することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法。
  18. 乾燥処理された木材の含水率を8%以下に保って円筒状スチールカバー内に充填することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスク用衝撃緩衝体の製造法。
  19. 燃料を収納する内筒と、該内筒の外周を覆う中性子遮蔽材と、該遮蔽材を覆う外筒と、前記内筒の両端部を包み内部に木材が充填され表面をスチールカバーで覆った上下衝撃緩衝体とを備えた燃料輸送貯蔵キャスクの製造方法において、前記上下衝撃緩衝体を請求項10〜18のいずれかに記載の衝撃緩衝体の製造法によって製造することを特徴とする燃料輸送貯蔵キャスクの製造方法。
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