JP4781821B2 - 量子ドット分散発光素子およびその製造方法 - Google Patents

量子ドット分散発光素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、量子ドット分散発光素子、その製造方法、照明装置および表示装置にかかり、特に同時二極性(ambipolar)半導体中に、ナノ結晶を分散して作製した量子ドット分散発光素子に関する。
通常、発光ダイオードは、基本構造としてpn接合を用いて作製する。すなわち、ドーパントを用いてp型に制御した半導体とn型に制御した半導体の二つを作製し、これを接合した構造を用いる。近年、pn接合を基本構造とした発光ダイオードに於いて、pn接合界面、もしくは、pin接合におけるi層中に量子ドットを分散させ、より高い発光効率を実現しようという試みが進められている。
たとえば特許文献1には、シリコン中にゲルマニウムの量子ドットを分散した発光ダイオードが提案されて開示されている。
この発光素子は、図3に示すように、シリコン中にゲルマニウムの量子ドットを分散した発光ダイオードの例を示すもので、N+シリコン層31の上に、第1のエピタキシャル層32を積層し、この表面に量子ドット35を形成した後、第2のエピタキシャル層33を被せ、さらに、P+エピタキシャル層を積層して、量子ドット分散発光ダイオードとしている。各層は、下地層31の上に、エピタキシャル関係を保って、形成されている。
この発光素子は、間接半導体であるシリコン中に量子ドットを分散させることによって、発光効率を高めようとするものである。
また特許文献2には、n層上にi層を形成し、i層にイオンビームを照射して細孔を穿ち、細孔中に禁制帯幅の狭い半導体を充填して、その後、p層を積層して、pin型発光ダイオードを作製したものが提案されている。
さらに、特許文献3には、III−V化合物半導体表面にこのIII−V化合物半導体のV族元素とは異なるV族元素を供給し、III−V化合物半導体のV族元素と供給したV族元素との間で置換が起こり格子定数のミスマッチによる歪により量子ドット構造体を形成する方法も提案されている。しかしながらこの方法でもエピタキシャル成長を用いている。
特許2559999号 米国特許6,554,808 B2 特開2002−198512号公報
従来、上述したようなpn型もしくはpin型発光ダイオードでは、pn接合が基本構造であるため、p型及びn型の両極には、極性を制御できる半導体材料のみが使用可能であり、両極に制御できない半導体は使用できなかった。たとえば、ZnS半導体の場合、n型制御は可能であるが、p型制御は未だ成功例がなく、現状ではpn接合の作製は困難であった。従来の技術では、量子ドット分散発光ダイオードは、pn接合界面、もしくは、pin構造のi層中に量子ドットを分散させているので、両極制御不能な半導体材料を用いては、量子ドット分散発光ダイオードを作製することができなかった。
また、両極制御可能な半導体を用いる場合でも、単結晶基板上に半導体をエピタキシャル成長させなければ、実用的な発光強度を有する発光ダイオードを作製できなかった。すなわち、例えば、サファイア基板上にGaNをヘテロエピタキシャル成長させたり、ZnSe単結晶基板上にZnSeをホモエピタキシャル成長させたりした場合においてのみ、実用的な発光強度が得られており、ガラス基板などの結晶質でない基板上に作製した実用的な発光ダイオードは存在しなかった。
このように、従来は、無機発光層をエピタキシャル成長させることが発光強度を得る条件となっており、エピタキシャル成長なしに実用的な発光特性を持つ発光素子を得ることはできなかった。しかしながら、エピタキシャル成長条件は、基板材料に制約があり、また基板上にエピタキシャル成長で成膜し得る材料にも制約があり、実用に供し得る発光素子を得るのは困難であった。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、エピタキシャル成長なしに実用的な発光特性を持つ発光素子を得ることを目的とする。
本発明の量子ドット分散発光素子は、基板と、電子注入用電極と、正孔注入用電極と、前記両電極に接触するように配置された無機発光層とを備え、前記無機発光層は、電子と正孔の移動度の比が1/100から100である同時二極性無機半導体材料と、前記同時二極性無機半導体材料中に、発光中心として分散されたナノ結晶とを含み、かつ、前記ナノ結晶の仕事関数は、前記同時二極性無機半導体材料の仕事関数より大きく、かつ、前記ナノ結晶の「仕事関数+禁制帯幅」の値は、前記同時二極性無機半導体材料の「仕事関数+禁制帯幅」より小さく、かつ前記電子注入用電極及び/又は正孔注入用電極との界面でこれらとエピタキシャル関係を有することなく構成され、前記電子注入用電極及び前記正孔注入用電極を介して外部から注入された電子と正孔が再結合して発光することを特徴とする。
本発明は、同時二極性無機半導体材料を発光層として、この発光層内に、大きさ、密度、分散状態などを選択された発光中心としてのナノ結晶を含ませるとともに正孔注入用電極および電子注入用電極を選択することにより、エピタキシャル成長させることなく発光効率の高い半導体装置を得ることができる点に着目してなされたものである。
「エピタキシャル成長」とは、単結晶基板または単結晶膜の上に、蒸着法・スパッタ法等により膜を成長させて単結晶状の薄膜を形成させることをいう。また「エピタキシャル関係を有する」とは、単結晶膜の上に単結晶上の薄膜をエピタキシャル成長させた場合の、単結晶膜や両結晶軸間の関係をいう。
この半導体装置において、電子注入用電極の電位に対して正の電位を正孔注入用電極に印加すると、電子注入用電極から電子が、正孔注入用電極から正孔が、それぞれ無機発光層中に注入される。無機発光層中の電子と正孔は、ともにナノ結晶中に流入し、ナノ結晶内で互いに再結合し、ナノ結晶内の再結合準位間のエネルギー差に相当する波長の光を発する。
ここで、発光源である電子と正孔は、すべて電子注入用電極および正孔注入用電極を介して外部から発光層に注入されるものであり、pn接合は必要としない。
本発明の発光素子(発光ダイオード)からの発光波長は、発光中心を構成するナノ結晶(量子ドット)の材料及び粒径を制御することにより、紫外から赤外の範囲にわたって、任意に選択することができる。このため、紫外から赤外の広範囲にわたる波長の光を単色性良く発することができる。
この構成により、前記無機発光層は、前記電子注入用電極層または正孔注入用電極層との界面でこれらエピタキシャル関係を有することなく形成された同時二極性無機半導体材料を含む構成となっているため、基板を選ぶことなく、容易に形成することができ、発光強度の高い発光素子を形成することが可能となる。そして、電子注入用電極と、正孔注入用電極と、両電極に接触するように配置され、電子輸送性と正孔輸送性を併せ持った同時二極性無機半導体材料を含む構成、かつ、発光中心となるナノ結晶を含有した発光層を具備した二端子型発光素子、すなわち発光ダイオードを含む半導体発光素子を構成する。
従って、本発明の半導体発光素子は、基板としてガラス材料、樹脂材料などを用いることもでき、発光層は多結晶相、好ましくはアモルファス相を持つこと、発光層中にナノ結晶を最適な状態となるように分散させること、発光層内で両キャリアが移動度を持つこと、そして発光層内に両キャリアを注入できるように発光層を挟む両電極のキャリア密度を調製することにより、発光中心を構成するナノ結晶内で正孔と電子の再結合が起こり、効率の良い発光を実現することが可能となる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記同時二極性無機半導体材料が、アモルファス半導体相である。
アモルファス相は、結晶粒界が存在せず、かつ、結晶欠陥が存在しないので、粒界や欠陥における両キャリアの非発光再結合がおこらない。このため、両キャリアを効率よく、ナノ結晶中に導入することができる。また、アモルファス相は、化学組成的、構造的に、均一で、等方的であり、かつ、薄膜としたとき、表面平坦性が得られやすいので、特性の安定した量子ドット分散発光素子を形成することができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記同時二極性無機半導体材料が、多結晶半導体相であるものを含む。
この構成により、移動度が高いこと、バンド端の局在準位による無輻射遷移が少ないことからより効率のよい発光を実現することができる。また多結晶半導体層の場合は、粒界を整列させることにより、よりよい発光効率を得ることができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記同時二極性無機半導体材料が、単結晶半導体相であるものを含む。
単結晶である場合は、粒界がないため、キャリアの移動を阻むものがなく、効率のよい発光が可能となる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記同時二極性無機半導体材料が、ZnS系半導体で構成されたものを含む。
この構成により、可視光の発光が可能となり、低温プロセスが可能となる。またZnS系半導体は低コスト、低環境負荷材料であり、3V程度で駆動する発光素子を作製することができる。また、単結晶を形成しなくても所定値以上のキャリアの移動度を得ることができるという効果がある。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記同時二極性無機半導体材料が、ZnpM1−pSxSeyTe1−x−y(0≦x、y、x+y≦1、0<p≦1、M:アルカリ土類金属、Cd)で構
成されたものを含む。
この構成により、単結晶を形成しなくても所定値以上のキャリアの移動度を得ることができ、可視光の発光が可能となり、3V程度で駆動する素子を作製することができるという効果がある。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記ナノ結晶は、InP、GaAs,GaPのいずれかを主成分とするものを含む。
この構成により、青色から赤色に亘る任意波長の可視光を発光できるため、実用的な発光素子を形成することが可能であるという効果がある。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記ナノ結晶は、粒径の平均値が0.5nm以上20nm以下であるものを含む。
この構成により、良好に量子ドットとして用いることができる。粒径が0.5nm以下では、ナノ結晶は熱的に不安定となり、電流注入に伴う発熱や物質移動により、経時的に機能が劣化する。粒径が20nm以上では、ナノ結晶内に広がるキャリアの波動関数が空間的に広がりすぎ、充分に量子化されない。すなわち、ナノ結晶は、量子ドットとして機能しない。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記ナノ結晶は、粒径の平均値に対する粒径の標準偏差の比が30%以下であるものを含む。
この構成により、発光効率の向上をはかることができる。30%を超える場合には、直径の分散が広すぎて、発光波長の単色性が損なわれるだけでなく、状態密度の先鋭化が不十分となって、発光効率が充分に高まらない。また、ナノ結晶の直径の統計的な標準偏差は、平均値に対する比が30%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記ナノ結晶は、同時二極性を有する無機半導体材料で被覆されたコアシェル構造を有することを特徴とする。すなわち、発光中心となるナノ結晶がコア(核)に相当し、シェル(殻)がコアを被覆する構造を有する。この構成により、発光層からナノ結晶への電子及び正孔の注入が容易となる。
ここで、シェル(被覆層)は、主として「コア(ナノ結晶)への量子閉じ込め」の役割を果たす。シェル材料として、発光層中の同時二極性無機半導体材料と同材料を選定することで、発光層中へのナノ結晶の整合性が高まり、発光効率を高めることが可能である。シェル材料として、発光層中の同時二極性無機半導体材料と異なる材料を選定する場合には、シェル材料として、コア材料よりも価電子帯が深く、かつ、伝導帯が浅い(すなわち、コア材料よりもバンドギャップが広い)材料を選定することにより、量子閉じ込め効果を有することが可能である。この場合、シェルの膜厚は十分に薄くすることが好ましい。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記電子注入用電極および正孔注入用電極の少なくとも一方は、アモルファス相であるものを含む。
この構成により、発光層との格子整合性の問題が生じることなく、発光層の格子欠陥を生成する要因を除くことができる。また、製造が容易でかつ等方的であり、表面の平坦性を得ることができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記電子注入用電極および正孔注入用電極の少なくとも一方が、多結晶相であるものを含む。
この構成により、製造が容易で、基板材料に限定されることなく形成可能である。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記電子注入用電極は1x1018/cm3以上のキャリア密度を持つn型半導体材料で構成されたものを含む。
この構成により、単結晶でなくても電子注入可能な低抵抗の電極を形成することができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記電子注入用電極が、ClドープZn1−pSeTe1−x−y(0≦x、y、x+y≦1、0<p≦1、M:アルカリ土類金属、Cd)で構成されたものを含む。
この構成により、よりキャリアの注入効率を高めることができ、発光層として、ZnS系アモルファス半導体材料あるいはZnS系多結晶質半導体材料を形成した場合にも発光効率を高めることができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記正孔注入用電極が1x1019/cm以上のキャリア密度を持つp型半導体材料で構成されたものを含む。
この構成により、単結晶でなくても正孔注入可能な低抵抗の電極を形成することができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記正孔注入用電極が、CuドープZn1−pSeTe1−x−y(0≦x、y、x+y≦1、0<p≦1、M:アルカリ土類金属、Cd)で構成されたものを含む。
この構成により、よりキャリアの注入効率を高めることができ、発光層として、ZnS系アモルファス半導体材料あるいはZnS系多結晶質半導体材料を形成した場合にも発光効率を高めることができる。また透光性材料であるため、光取り出し側電極に用いることにより、より高効率の発光特性を得ることができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記基板がガラス基板であるものを含む。
この構成により、製造が容易でかつ低コストの量子ドット分散発光素子を得ることができる。また、大面積化が可能となり、大面積の発光素子、ディスプレイ、照明器具などを実現することが可能となる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記基板が樹脂基板であるものを含む。
この構成により、軽量で、耐衝撃性が強く、可撓性があり、携帯に適したディスプレイ、照明器具を得ることができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記電子注入用電極および前記正孔注入用電極は、前記基板上に前記無機発光層を挟むように、積層状に隔離して配置したことを特徴とするものを含む。
この構成により、光の取り出しが容易であり、製造が容易でかつ占有面積の小さい量子ドット分散発光素子を得ることができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記電子注入用電極および前記正孔注入用電極は、前記基板上に平面状に隔離して配置されたものを含む。
この構成により、製造工数が小さく信頼性の向上を図ることができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子は、前記電子注入用電極および前記正孔注入用電極の間にゲート電極を配置したものを含む。
この構成により、より制御性の高い半導体装置を提供することが可能となる。
本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、基板を用意する工程と、電子注入用電極を形成する工程と、正孔注入用電極を形成する工程と、前記電子注入用電極および正孔注入用電極に接触する無機発光層を成膜する工程とを含み、前記成膜する工程は、アモルファス材料または多結晶材料からなる前記電子注入用電極または正孔注入用電極の少なくとも一方の上に同時二極性無機半導体材料を成膜することを特徴とする。
この構成により、作業性よく容易に量子ドット分散発光素子を形成することが可能となる。
また本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、前記成膜する工程が、基板上に同時二極性無機半導体材料を成膜した後に、前記電子注入用電極と前記正孔注入用電極を平面上に隔離して形成する工程を含む。
これにより、簡便な構造で有し、光取り出し効率が高い量子ドット分散発光素子を製造することができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、前記成膜する工程が、基板上に前記電子注入用電極と前記正孔注入用電極を平面上に隔離して形成したのちに、同時二極性無機半導体材料を成膜する工程を含む。
この構成により、電極のパターン形成のためのフォトリソグラフィ工程を経た後同時二極性無機半導体材料が形成されるため、発光層の損傷が少なく信頼性の高い発光層を得ることができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、前記成膜する工程が、基板上に同時二極性無機半導体材料を成膜した後に、前記電子注入用電極と前記正孔注入用電極を平面上に隔離して形成し、両電極間にゲート電極を形成する工程を含む。
この構成により、ゲート電圧の印加により調光が可能な、平面トランジスタ型量子ドット分散発光素子を製造できる。
また本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、前記成膜する工程が、同時二極性無機半導体材料を成膜すると同時に、エレクトロスプレー法により量子ドットを分散させる工程を含む。
この構成により、量子ドットを含む無機発光層を簡潔な工程で作製することができる。ここで、同時二極性無機半導体材料は、分子線エピタキシー(MBE)法やイオンビーム蒸着(IBD)法等の通常の成膜装置により供給しても良いし、量子ドットと同様にエレクトロスプレー法により供給しても良い。エレクトロスプレー法により供給する場合には、同時二極性無機半導体材料のナノ結晶コロイド(後述)を用いて、作製することができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、前記成膜する工程が、同時二極性無機半導体材料を成膜した後に、エレクトロスプレー法により量子ドットを分散させ、さらに同時二極性無機半導体材料を成膜する工程を含む。
この構成により、量子ドットの分散する領域と電極層との距離を調整することができ、両キャリアの量子ドット内への流れを制御することができる。
本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、前記成膜する工程が、基板温度100から400℃で前記ナノ結晶を含むZnpM1−pSeTe1−x−y層からなる発光層を形成する工程を含む。
この構成により組成安定性の高いZn1−pSeTe1−x−yを得ることができる。100℃より低い温度では発光特性を得るのは困難となる。400℃より高い温度ではZn成分が揮発して、目的とする組成を有する発光層を形成するのが困難になる。100℃から400℃で形成することにより、組成の安定した結晶相(固溶体を含む)を得ることができ、高いキャリヤ輸送特性を得ることができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、前記成膜する工程が、室温成膜後、ポストアニールを行なう工程を含む。
この構成により、量子ドットの界面と同時二極性無機半導体材料の界面が緻密となり、両キャリアの量子ドット内への流れを阻害する要因が取り除かれ、発光輝度の向上をはかることができ、発光効率が向上する。また、基板温度を上昇させるのを抑制して形成することができるため、膜形成時に基板温度が上昇するのを防ぐことができる。そして、成膜後に基板温度の上昇を抑制しつつ膜に対して選択的にアニールすればよい。なお室温成膜工程では基板加熱を行なうことなく成膜するが、実際には基板温度の若干の上昇は存在することになる。
また、ナノ結晶コロイド(後述)を原料として用いたエレクトロスプレー法により量子ドットを分散させた場合、分散後にポストアニールを行うことで、ナノ結晶(量子ドット)の表面を被覆している材料(トリオクチルフォスフィン(TOP)やトリオクチルフォスフィン酸化物(TOPO)等)を脱離させることができる。これにより、キャリアの量子ドットへの輸送性が高まり、発光効率を高めることができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、前記ポストアニールを行なう工程が、高周波加熱工程を含む。
この構成により、高周波加熱により任意の層(発光層や電極)を選択的に加熱することができる。例えば、基板温度を上昇させることなく成膜することが可能となるため、樹脂基板やガラス基板上にも基板材料を選ぶことなく信頼性の高い量子ドット分散発光素子を形成することができる。また、耐熱性の低い材料を電極や発光層として用いた場合には、電極や発光層の形成順序・形成位置を選定することで、所望の層のみを加熱処理することができる。
また、本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、前記ポストアニールを行う工程が、レーザアニール工程を含む。レーザアニールは、紫外領域のパルスレーザを用いることが好ましい。
この構成により、パルス幅、レーザ波長、レーザパワー等を制御することにより、任意の層(発光層・電極等)を選択的に加熱することができる。例えば、基板温度を上昇させることなく成膜することが可能となるため、樹脂基板やガラス基板上にも基板材料を選ぶことなく信頼性の高い量子ドット分散発光素子を形成することができる。また、耐熱性の低い材料を電極や発光層として用いた場合には、電極や発光層の形成順序・形成位置を選定することで、所望の層のみを加熱処理することができる。
また本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法では、前記成膜する工程が、基板温度100から250℃で前記ナノ結晶を含むZnS層からなる発光層を形成する工程を含む。
この構成により、信頼性の高いZnSを得ることができる。この温度範囲外では、そのまま発光特性を得るのは困難となる。なお250℃から350℃で成膜すると後で熱処理を必要とすることなく良好な特性を得ることができる。なお基板温度140℃〜160℃で成膜するようにすれば、基板材料を限定することなく、樹脂基板あるいはガラス基板を適用することが可能となる。なおこの場合、成膜後高周波加熱などにより膜を選択的に加熱することにより、より特性の良好な量子ドット分散発光素子得ることが可能となる。
さらに本発明の量子ドット分散発光素子の製造方法は、正孔注入用電極としてCuドープのZn1−pSeTe1−x−y(0≦x、y、x+y≦1、0<p≦1、M:アルカリ土類金属、Cd)を形成する工程と、前記正孔注入用電極上にInPからなるナノ結晶を含むZn1−pSeTe1−x−y(0≦x、y、x+y≦1、0<p≦1、M:アルカリ土類金属、Cd)同時二極性半導体層を成膜する工程と、その上に電子注入用電極としてClドープのZn1−pSeTe1−x−y(0≦x、y、x+y≦1、0<p≦1、M:アルカリ土類金属、Cd)を積層する工程とを含む。
この構成により、より効率よく良好な発光特性をもつ量子ドット分散発光素子を得ることができる。
さらに上記本発明の装置は、表示装置は、上記量子ドット分散発光素子を用いて構成したことを特徴とする。
本発明の照明装置は、上記量子ドット分散発光素子を用いて構成したことを特徴とする。
以上説明してきたように、本発明では、同時二極性無機半導体とこの中に両キャリアを注入可能な正孔注入用電極と電子注入用電極を用いるとともに、前記無機発光層は、前記電子注入用電極または正孔注入用電極に対してエピタキシャル成長することなしに、発光しうるように形成されるため、両極制御不可能な無機半導体を用いて、設計の自由度を制限することなく大面積の発光ダイオードを作製できる。またこの構成により、ガラス基板上のアモルファス発光層を用いて、赤外・可視域から深紫外域の発光ダイオードを得ることができる。
本発明の発光ダイオードの構造を示す図である。 本発明の発光ダイオードの第2の構造を示す図である。 従来の発光ダイオードの構造を示す図である。 本発明の代表的な実施例である発光ダイオードの構造を示す図である。 同発光ダイオードの製造工程を示す図である。 実施例4に記載した、本発明による発光ダイオードの電圧電流曲線を示す図である。 実施例4に記載した、本発明による発光ダイオードの発光スペクトルを示す図である。
符号の説明
11 基板
12 電子注入用電極
13 発光層
14 正孔注入用電極
15 ナノ結晶
21 基板
22 電子注入用電極
23 発光層
24 正孔注入用電極
25 ナノ結晶
26 ゲート電極(トランジスタとする場合)
31 N+シリコン層
32 第一のエピタキシャル層
33 第二のエピタキシャル層
34 P+エピタキシャル層
35 量子ドット
41 無アルカリガラス基板
42 ITO透明電極
43 CuドープZnSe(正孔注入用電極)
44 ZnSe系アモルファス半導体(発光層)
45 ClドープZnSe(電子注入用電極)
46 コア・シェル構造型InP−ZnSeナノ結晶
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
(1)構造
本発明の量子ドット分散発光素子としての発光ダイオードは、図1に示すように、基板11上に、電子注入用電極12と、同時二極性無機半導体材料からなる無機発光層13と、正孔注入用電極14とを順次積層するとともに、前記同時二極性無機半導体材料中に、発光中心として分散されたナノ結晶15を含み、前記無機発光層は、アモルファス相または多結晶相からなる電子注入用電極12および正孔注入用電極14と当接し、これらからそれぞれ電子および正孔が無機発光層13内のナノ結晶に流れ込み、効率のよい発光を実現しうるように形成されたことを特徴とする。
ここで、電子注入用電極と正孔注入用電極とは、相互に交替してもよい。すなわち、正孔注入用電極の上に同時二極性半導体を形成し、さらにその上に電子注入用電極を形成してもよい。
この量子ドット分散発光素子は、図3に示した特許文献1の発光素子のように、各層は、基板としての下地層31の上に、エピタキシャル関係を保って形成されることなく、発光しうるように形成されている点が特徴である。すなわち、各層は、基板としての下地層の上に、結晶格子の連続性が遮断されて形成されている。
なお、この量子ドット分散発光素子は、図1の様な積層構造を取らなくとも良い。すなわち、例えば図2に示すように21基板の上に直接同時二極性無機半導体23を堆積し、その表面上に電子注入用電極22と正孔注入用電極24の両電極を、ある距離を置いて形成しても良い(図2)。またさらに、電子注入用電極22と正孔注入用電極24の間に、ゲート電極26を設けて、トランジスタとしても良い。
電子注入用電極に用いる材料は、発光層中に電子を注入可能な金属、もしくは、半導体である。正孔注入用電極に用いる材料は、発光層中に正孔を注入可能な金属、もしくは、半導体である。一般には、両電極に用いる材料と発光層に用いる材料は、異なる材料であってもよい。
(2)全体動作
以下に、図1を参照して、全体動作を説明する。
電子注入用電極12の電位に対して正の電位を正孔注入用電極14に印加すると、電子注入用電極12から電子が、正孔注入用電極14から正孔が、それぞれ無機発光層13中に注入される。無機発光層13中の電子と正孔は、ともにナノ結晶16中に流入し、ナノ結晶16内で互いに再結合し、ナノ結晶内の再結合準位間のエネルギー差に相当する波長の光を発する。
このように、本発明による発光ダイオードに於いては、発光源である電子と正孔は、すべて電子注入用電極および正孔注入用電極を介して外部から発光層に注入されるものであり、pn接合は必要としない。
本発明の発光ダイオードからの発光波長は、発光中心を構成するナノ結晶(量子ドット)の材料及び粒径を制御することにより、紫外から赤外の範囲にわたって、任意に選択することができる。このため、紫外から赤外の広範囲にわたる波長の光を単色性良く発することができ、RGB三原色を発するデバイスや、白色発光デバイスを作製することができる。このとき、発光ダイオードに印加すべき電圧は、発光層として用いた同時二極性半導体の禁制帯幅で決まり、RGB三原色や白色など、任意のスペクトル分布を有する発光ダイオードを、同一の電圧で駆動することができる。また、熱特性、温度特性、経時特性などの諸特性は、発光色によって大きく変化しない。
(3)各部の詳細(機能・材料・製造法等)
1.基板
基板は、その上に形成する各層の土台となる。基板には、ガラス基板、もしくは単結晶基板、樹脂基板などを用いることができる。ガラス基板は、大面積化することができ、透明であり、表面を原子レベルに平坦化でき、1000℃程度の高温にまで耐え、低価格であるとい
う利点を有する。すなわち、本発明ではガラス基板を用いることができるため、たとえば1m角の大きさを持つ発光ダイオードデバイスを作製可能であり、たとえば自発光型の大型ディスプレイを実現することができる。また、ガラス基板は透明化することができるので、同じく透明なワイドギャップ半導体を用いて発光層および電極層を形成することにより、シースルー・ディスプレイを実現できる。さらに、ガラス基板を用いるので、大型平面照明機器を実現でき、たとえば、天井や壁面に組み込んで、従来に無い室内環境を創造することができる。ガラス基板は曲面でも良く、創造性が高い。加えて、ガラス基板は単
結晶基板に比べて安価であるだけでなく、ガラス基板の主成分であるSiOは無毒であるので、環境負荷が低い。
一方、単結晶基板はエピタキシャル薄膜を作製する場合に適しており、薄膜材料に応じて、単結晶基板材料を選択することによりエピタキシャル薄膜を形成することができるが、本発明では、発光層と電極の少なくとも一方とはエピタキシャルな界面を構成することなく形成することができるため、生産性よく形成することが可能となる。
発光層にZnSeを用いる場合には、ガラス基板、ZnSe単結晶基板、GaAs単結晶基板、Si単結晶基板、サファイア基板などを用いることができる。
発光層にZnSを用いる場合には、ガラス基板、ZnS単結晶基板、GaP単結晶基板、Si単結晶基板、サファイア基板などを用いることができる。
発光層にGaNを用いる場合には、ガラス基板、GaN単結晶基板、SiC単結晶基板、Si単結晶基板、サファイア基板などを用いることができる。
発光層にSiを用いる場合には、ガラス基板、Si単結晶基板などを用いることができる。
発光層にSiCを用いる場合には、ガラス基板、SiC単結晶基板、Si単結晶基板、サファイア基板などを用いることができる。
発光層にC(ダイヤモンド)を用いる場合には、ガラス基板、ダイヤモンド単結晶基板などを用いることができる。
更に基板は、ガラス基板や上記の単結晶基板でなくとも良い。すなわち、無機半導体層や両電極層の形成やパターニングなど、製造上の一連のプロセスに対して充分な耐性を持つものであれば、使用可能である。基板の材質は、例えば、金属でも良く、または、セラミクス、プラスチックなどでも良い。
特にプラスチック基板は、軽量であり、耐衝撃性が高く、可撓性があることから、携帯用の発光素子、ディスプレイや照明器具の作製に適しており、極めて実用性が高い。プラスチック基板は、ガラス基板や単結晶基板に比べて耐熱性が低いため、プロセス温度を十分に低減する必要があるが、適切な同時二極性半導体材料を選択し、かつ、適切な製造工程を選択することにより、プラスチック基板上に本発明の発光素子を製造することができる。プラスチック基板を用いた場合の熱処理には、前述の高周波加熱やレーザーアニール等の手法が有効である。
2.発光層
発光層には同時二極性を有する無機半導体(同時二極性無機半導体)を用いる。ここで同時二極性無機半導体は、単結晶でなくてもよい。しかし、アモルファスであることが、より好ましい。アモルファスは、多結晶と異なり、粒界を有しないので、電子及び正孔が粒界において非発光的に再結合する恐れがない。すなわち、本発明では、発光層に結晶相材料を用いても良いが、アモルファス相材料や多結晶相材料を用いることができる。アモルファス相は、結晶粒界が存在せず、かつ、結晶欠陥が存在しないので、粒界や欠陥における両キャリアの非発光再結合がおこらない。このため、両キャリアを効率よく、ナノ結晶中に導入できる。また、アモルファス相は、化学組成的、構造的に、均一で、等方的であり、かつ、薄膜としたとき、表面平坦性が得られやすいので、特性の安定した発光素子を形成することができる。
また同時二極性無機半導体は、単結晶でも良い。単結晶もまた、多結晶と異なり、粒界を有しないからである。なお、同時二極性無機半導体に多結晶を用いる場合には、光の導出方向に平行となるように柱状構造を作ったり、粒径を充分に大きくしたりして、電子及び正孔の輸送特性や再結合発光特性に粒界ができるだけ関与しないように工夫することが好ましい。さらに同時二極性無機半導体は、欠陥を持たず、ドーパントなどの不純物イオンを含まないことが好ましい。欠陥や不純物イオンは、キャリアの輸送特性を劣化させ、発光効率を低下させるからである。
ここで同時二極性無機半導体とは、電子輸送性と正孔輸送性を同時に有する無機半導体である。同時二極性は、たとえば、パルス光励起による飛行時間法により測定できる。無機半導体が同時二極性を持たない場合、すなわち電子および正孔の少なくとも一方の輸送性が無い場合、電子及び正孔の再結合現象を無機半導体中で誘起することができず、無機半導体を有効な発光層とすることができない。同時二極性無機半導体に注入した電子と正孔は、同時二極性無機半導体内に導入したナノ結晶に流入し、ナノ結晶内で互いに再結合し、発光準位間のエネルギー差に相当した波長で発光する。
ナノ結晶中で、効率的に再結合を起こすためには、同時二極性無機半導体の電子輸送性と正孔輸送性が同程度であることが好ましい。電子の移動度と正孔の移動度が極端に異なると、両キャリアの再結合は、電極と発光層の界面で生じ、量子ドット中で起こらないので、充分に高い発光効率を得ることが困難になる。そこで本発明では、両キャリアの移動度の比が発光層中の発光部位に与える影響を調べ、移動度の比の好ましい範囲を明らかにした。移動度の比の好ましい範囲は、具体的には、1/100〜100である。より好ましくは、1/10〜10である。実験上、移動度はパルス光励起による飛行時間法によって測定できる。移動度の比が、1/100〜100の範囲から逸脱すると、両キャリアをナノ結晶中に効率的に流し込むことができない。
発光強度を得るためには、同時二極性無機半導体の電子及び正孔の移動度は、ともに大きいことが好ましい。移動度が小さくなると、同時二極性無機半導体中の電子電流もしくは正孔電流が小さくなり過ぎ、充分に高い発光強度を得ることができない。移動度は、具体的には、0.1cm/Vs以上が好ましく、より好ましくは1cm/Vs以上であり、さらに好ましくは10cm/Vs以上である。電子の移動度および正孔の移動度が、ともに0.01cm/Vsより小さい場合には、実用的な発光強度を得ることはできない。
同時二極性無機半導体の室温における比抵抗値は大きいことが好ましい。同時二極性無機半導体内には、もともとキャリアが存在せず、電子注入用電極および正孔注入用電極から注入するキャリアのみが同時二極性半導体内を移動するのが理想的である。ここでもともとのキャリアとは、同時二極性無機半導体中に存在する欠陥や不純物イオンによって生成される正孔または電子である。したがって比抵抗値が大きいと言うことは、欠陥が少ない良質な結晶であるという意味もあり、不純物イオンを含まない物質であるという意味もある。具体的には、室温における比抵抗値が10Ωcm以上であることが好ましい。さらに好ましくは、1010Ωcm以上である。直流比抵抗値が10Ωcm以下となると、欠陥もしくは不純物イオンによって生成されるキャリアの密度が高くなり、電子注入用電極および正孔注入用電極から注入されるキャリアの比率が相対的に小さくなって、発光素子としての制御性が阻害される。
比抵抗値の測定には、四端子法など、通常の直流抵抗測定法を用いることは適当でない
。使用する金属電極の仕事関数が、同時二極性無機半導体内に、電子を注入できるほど小さいか、もしくは、正孔を注入できるほど大きい場合には、同時二極性無機半導体内のキャリア密度は電極から流入したキャリアに支配され、同時二極性無機半導体内にもともと存在するキャリアによる抵抗値よりも格段に低い抵抗値が求められる。反面、使用する金属電極の仕事関数が、同時二極性無機半導体内に、電子を注入できるほど小さくなく、かつ、正孔を注入できるほど大きくない場合には、同時二極性無機半導体内に電流を供給することができない。したがって、すべての場合において、同時二極性無機半導体本来の直流抵抗値を測定することはできないからである。
比抵抗値は、パルス光励起による飛行時間法によって同時二極性無機半導体の移動度を求め、かつ、容量電圧測定法によって同時二極性無機半導体内のキャリア密度を求め、両者から算出することができる。また、同時二極性無機半導体内にキャリアを注入しない電極を用いて、交流抵抗を求める方法によっても測定できる。
同時二極性無機半導体内のキャリア密度の観点から見るならば、キャリア密度は1016/cm以下であることが好ましい。更に好ましくは、1014/cm以下である。キャリア密度が1016/cm以上となると、電子注入用電極および正孔注入用電極から注入されるキャリアの比率が相対的に小さくなって、発光素子としての制御性が阻害される。同時二極性無機半導体内のキャリア密度は、容量電圧測定法によって測定できる。
同時二極性無機半導体内のドーパントイオン濃度の観点から見るならば、ドーパントイオン濃度は原子比で0.1%以下であることが好ましい。更に好ましくは1ppm以下である。ドーパントイオン濃度が0.1%以上となると、電子注入用電極および正孔注入用電極から注入されるキャリアの比率が相対的に小さくなって、発光素子としての制御性が阻害される。ドーパントイオン濃度は、X線光電子分光法、X線蛍光測定法、誘導結合プラズマ分析法、二次イオン質量分析法などによって測定できる。
同時二極性無機半導体としては、純度の高い真性半導体を用いるのが最も好ましい。後述するように同時二極性無機半導体として、ZnS系、炭素系、以外にはSiC、他のII−VI族半導体や、III−V族半導体、さらには、CuInO2等の酸化物半導体、Si3N4、AlN等の窒化物半導体等が使用可能である。
ここでII−VI族半導体とは、周期律表上のIIB族元素であるZn、Cd、Hgのうちの少なくとも一つの元素と、VIA族元素であるO、S、Se、Te、Poのうちの少なくとも一つの元素とからなる半導体であり、例えば、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe等である。
また、ここでIII−V族半導体とは、周期律表上のIIIA元素であるB、Al、Ga、In、Tlのうちの少なくとも一つの元素と、VA族元素であるN、P、As、Sb、Biのうちの少なくとも一つの元素とからなる半導体であり、例えば、AlN、AlP、AlAs、GaN、GaP、GaAs、InN、InP、InAs等である。
同時二極性無機半導体として、これらの材料のアモルファス相を用いる利点は、粒界が存在しないことの他に、成膜温度を低くできること、組成の自由度が高いこと、等方的物性を有することなどである。特に成膜温度が低いため、プラスチック材料を基板として使用できるなど、基板の選択範囲が広くなる。一方、同時二極性無機半導体として結晶材料を用いる利点は、移動度が高いこと、バンド端の局在準位による無輻射遷移が少ないことなどである。
発光層である同時二極性無機半導体内に注入した電子と正孔は、ナノ結晶中に流入する。もっとも、両キャリアをナノ結晶中に有効に流入させるためには、ナノ結晶を作る材料は、一定の物理的条件を満たさなければならない。この点については、「3.ナノ結晶」の項で論述する。
以下、発光層として用いる同時二極性無機半導体を物質系ごとに個別に説明する。
(1)ZnS系半導体
ZnS系発光層は、ZnとS、Se、Teから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む物質であり、具体的にはZnS、ZnSe、ZnTe、ZnSxSe(1−x)(0<x<1)等が挙げられる。これらの物質は融点が高く、室温で安定であり、日光に照射しても変質しないので、本発明の発光ダイオードに高い信頼性を与える。
ZnS系発光層は、結晶でも良いが、アモルファスであるのが好ましい。もっとも、材料系の有する結晶構造は、発光層のバンド構造を決定し、発光波長や発光効率を決定するので、重要な要素である。アモルファス相のバンド構造は、後述する各結晶相のバンド構造を基礎に理解できる。たとえば、アモルファス相の禁制帯幅は、各結晶相の禁制帯幅と同等である。ZnS、ZnSeおよびZnTeの結晶は、ZnS型(β−ZnS構造、Znic Blend構造)、もしくは、ウルツ鉱型(α−ZnS構造)の結晶構造を有する。
(A)ZnS結晶相
ZnSにはZnS型結晶構造の他に、ウルツ鉱型結晶構造があり、ZnS型が低温相であり、1,020℃でウルツ鉱型に転移する。ZnSは禁制帯幅3.7eVを持つ。3.7eVのエネルギーは、光の波長として335nmに対応するため、ZnSは335nm以上の波長を持つ、紫外光、可視光及び赤外光の発光に利用できる。発光はZnS発光層中に分散させるナノ結晶により起こる。ナノ結晶の禁制帯幅は、ZnSの禁制帯幅より小さく選ぶので、本発明の発光素子は、波長335nmより短波長の紫外光、可視光および赤外光を発する。
(B)ZnSe結晶相
ZnSeは、ZnS型結晶構造を有し、禁制帯幅2.8eVを持つ、直接遷移型のワイドギャップ半導体である。半導体特性には、ZnSやZnTeより優れている面がある。禁制帯幅はZnSより狭い。2.8eVのエネルギーに対応する光の波長は440nmである。発光はZnSe発光層中に分散させるナノ結晶により起こる。ナノ結晶の禁制帯幅は、ZnSeの禁制帯幅より小さく選ぶので、本発明の発光素子は、波長440nmより長い波長を持つ、可視光及び赤外光の発光に利用できる。
(C)ZnTe結晶相
ZnTeは、ZnS型結晶構造もしくはウルツ鉱型結晶構造を有し、禁制帯幅2.4eVを持つ、直接遷移型のワイドギャップ半導体である。半導体特性には、ZnSやZnTeより優れている面がある。禁制帯幅はZnSeより狭い。2.3eVのエネルギーに対応する光の波長は520nmである。発光はZnTe発光層中に分散させるナノ結晶により起こる。ナノ結晶の禁制帯幅は、ZnTeの禁制帯幅より小さく選ぶので、本発明の発光素子は、波長520nmより長い波長を持つ、可視光及び赤外光の発光に利用できる。
(D)固溶体の結晶相
ZnS、ZnSeおよびZnTeは同一結晶構造を有し、互いに全域固溶するため、ZnSeSe(1−x)やZnSTe(1−y)などの固溶体を作ることができ、本発明の発光層として用いることができ
る。S→Se→Teと置換するに従って、禁制帯幅が狭くなる。禁制帯幅は、ZnSは3.7eVで波長335nmに、ZnSeは2.8eVで波長440nmに、ZnTeは2.4eVで波長520nmに相当する。
Znの一部をCd、Mg、Ca、Sr、Ba等で置き換えることも可能である。例えば、ZnCd(1−x)S、ZnxMg(1−x)Se、ZnxCa(1−x)Te、ZnxCd(1−x)Se(1−y)などを発光層として用いることができる。この場合、置換されるZnはZnのうちの10%程度までである。Znの一部を置き換えることにより、バンドギャップを広げたり狭めたりできるため、発光波長を調整することが可能になる。
(2)GaN系半導体
本明細書においてGaN系半導体とは、Ga、In、Alから選ばれる少なくとも一つの元素とNとを含む物質であり、具体的にはGaN、InN、AlN、GaIn(1−x)N、GaAl(1−x)Nなどを挙げられる。In→Ga→Alと置換するに従って、伝導帯端の位置を制御し、禁制帯幅を広げることができるため、より短波長の発光が可能になる。GaN系半導体は直接半導体であるため、伝導帯にある電子と価電子帯にある正孔間の発光再結合確率が高く、高効率発光を実現できる。GaN系半導体を本発明の発光層に用いる場合には、アモルファス相であることが好ましい。
(3)SiC系半導体
本発明において、SiC系半導体とは、SiとCを含む物質である。SiC結晶には、数多くの多形が存在し、結晶構造ごとに物性値は異なる。禁制帯幅は、3C−SiCで2.39eV、6H−SiCで3.02eV、4H−SiCで3.27eVである。SiC系半導体は間接半導体であるため、伝導帯にある電子と価電子帯にある正孔間の発光再結合確率は低く、量子ドットの導入は、高効率発光を実現するために、大変有効である。SiC系半導体を本発明の発光層に用いる場合には、アモルファス相であることが好ましい。
(4)ダイヤモンド系半導体
本発明において、ダイヤモンド系半導体とは、sp3混成軌道を主として形成している炭素を主たる成分とした物質である。sp3混成軌道を形成していることにより、半導体的な性質が得られる。sp3混成軌道を形成しているかどうか、またその構成比は、NMRや紫外ラマン分光分析、電子線エネルギー損失スペクトル分析等で調べることができる。炭素原子の80at%以上がsp3混成軌道を形成したものであることが好ましい。さらに好ましくは、全組成原子のうち炭素原子の90at%以上がsp3混成軌道を形成したものである。
全体の構成は、アモルファスであることが好ましいが、結晶質でも良い。アモルファス中に結晶質が含まれているものでも良い。これらの場合の結晶質は、ダイヤモンドが多結晶構造であることが好ましい。すなわち全体の構成が結晶質の場合でも、あるいはアモルファス中の結晶質の場合でも、含まれる結晶質はダイヤモンド型結晶構造を有することが好ましい。ダイヤモンド型結晶を有する半導体の中では、単結晶ダイヤモンドが好ましい。全体の構成が結晶質の材料としては、多結晶ダイヤモンドや単結晶ダイヤモンドを挙げることができる。
アモルファス状の物質としては、アモルファス・カーボン(a−C)、水素化アモルファス・カーボン(a−C:H)、アモルファス窒化炭素(a−C)、水素化アモルファス窒化炭素(a−C:H)、窒素化アモルファス・カーボン(a−C:N)、ハロゲン化アモルファス・カーボン(a−C:F,a−C:Cl等)が挙げられる。
(5)Si系半導体
本発明におけるSi系半導体とは、Siを主成分とする半導体である。Siを主成分とする半導体にはアモルファスSiとSi結晶とがあり、本発明では、両者とも用いることができる。
Si結晶はダイヤモンド構造を有し、禁制帯幅は1.1eVである。Si結晶は間接半導体であるので、伝導帯にある電子と価電子帯にある正孔間の発光再結合確率は低く、量子ドットの導入は、高効率発光を実現するために、極めて有効である。本発明の発光層にSiを用いる場合には、アモルファスであることが好ましい。
3.ナノ結晶
本発明の発光層中には、ナノ結晶が導入されている。ここでナノ結晶とは、結晶の粒径がナノ・メートル単位で示される、極めて微細な結晶を意味し、特に本発明では、粒径が0.5nm〜20nmの範囲にある結晶を意味し、発光中心として機能するものとする。特に望ましくは粒径が2〜10nm程度が望ましい。また、ナノ結晶に相当するコア(核)を、シェル(殻)が被覆する構造、すなわち「コアシェル構造」を有する場合には、コアシェル構造におけるシェルの厚みは0.3nm〜1μmが好ましい。より好ましくは、0.6nm〜100nmである。0.3nm以下では、コアを被覆できておらず、シェルで被覆する効果が量子効果として現れない。0.6nm以上であれば、コアを被覆でき、量子効果が高められる。100nm付近の厚みがあれば、量子効果が十分に高められるだけでなく、シェルの格子歪みやマトリックスとの間に存在する隙間に起因する問題が抑制される。また1μm以上では、発光層内におけるコアの充填密度が低くなり、十分な輝度を得にくくなる。
さらにまた、ナノ結晶の材料には、Siや化合物半導体を用いることができる。ナノ結晶は、量子ドットとして機能する。ナノ結晶は、発光再結合確率を高める上で有効であるだけでなく、任意の波長を有する発光を得ることを可能にする。とくにガラス基板上に、アモルファス状、もしくは、多結晶の発光層を形成する場合には、一般に発光効率が低いので、ナノ結晶による発光効率の向上が、実用上、極めて効果的である。
ナノ結晶に用いる材料は、発光層として用いる同時二極性無機半導体の材料に応じて、適切に選択しなければ、発光中心として有効に機能しない。すなわち、a.ナノ結晶材料の伝導帯の位置は、同時二極性無機半導体材料の伝導帯の位置より、深くなければならない。換言すれば、ナノ結晶材料の仕事関数は、同時二極性無機半導体材料の仕事関数より、大きくなければならない。
かつ、これに加えて、
b.ナノ結晶材料の価電子帯の位置は、同時二極性無機半導体材料の価電子帯の位置より、浅くなければならない。換言すれば、ナノ結晶材料の「仕事関数+禁制帯幅」の値は、同時二極性無機半導体材料の「仕事関数+禁制帯幅」より小さくなければならない。
これら、aとbの条件を同時に満たすことにより、同時二極性無機半導体内に注入された正孔と電子とは、ともにナノ結晶中に流入し、ナノ結晶内で再結合して、発光する。
種々の半導体材料の仕事関数および禁制帯幅は、多数の文献によって報告されているので、本発明の発光層およびナノ結晶の材料設計をする際に参考にできる。例えば、II−VI族化合物半導体に関しては、次の文献がある。各文献中にはバンド構造に関する図が含まれており、各半導体のエネルギー関係を把握する上で、有用である。
Edited by Rameshwar Bhargava,″Properties of Wide Band Gap II−VI Semiconductors″,Inspec publication,UK. Zhang et al.,J.Appl.Phys.,Vol.83,No.6,Page 3194.例えば、ZnSからなる無機半導体層内に、CdSeによるナノ結晶を分散させると、量子ドットとして機能する。
また例えば、発光層の同時二極性無機半導体材料としてZnCa(1−x)SeSe(1−y)を用い、ナノ結晶としてZnCd(1−x)Teを用いても良い。また例えば、発光層の同時二極性無機半導体材料としてZnMg(1−x)Se(1−y)を用い、ナノ結晶としてZnCd(1−x)SeTe(1−y)を用いても良い。発光層の同時二極性無機半導体材料のバンドギャップに比べて、発光中心のバンドギャップが狭くなるように選ぶことが必要である。
ナノ結晶の直径は0.5nm〜20nmの範囲にあることが好ましい。粒径が0.5nm以下では、ナノ結晶は熱的に不安定となり、電流注入に伴う発熱や物質移動により、経時的に機能が劣化する。粒径が20nm以上では、ナノ結晶内に広がるキャリアの波動関数が空間的に広がりすぎ、充分に量子化されない。すなわち、ナノ結晶は、量子ドットとして機能しない。
また、ナノ結晶の直径の統計的な標準偏差は、平均値に対する比が30%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。30%を超える場合には、直径の分散が広すぎて、発光波長の単色性が損なわれるだけでなく、状態密度の先鋭化が不十分となって、発光効率が充分に高まらない。
本発明のナノ結晶は、上記の条件を満たせば、どのような方法を用いて、発光層中に分散させても良い。もっとも、前述したように、従来の方法では粒径均一性が高いナノ結晶を高密度に分散させることが困難であった。そこで本発明では、たとえばナノ結晶を量子ドットの一つの材料として採用し、発光層中に分散させてもよい。たとえば、粒径の均一性が高いナノ結晶用の一つの材料として、有機化学的方法によって合成した、化合物半導体のナノ結晶を用いることができる。
ここで化合物半導体とは、二種以上の元素からなる化合物で、半導体の性質を示す物質の総称であるが、構成元素の周期表の族によって、II−VI半導体、III−V半導体などと分類されることが多い(物理学事典、培風館、1986年)。ここでII−VI族半導体とは、周期律表上のIIB族元素であるZn、Cd、Hgのうちの少なくとも一つの元素と、VIA族元素であるO、S、Se、Te、Poのうちの少なくとも一つの元素とからなる半導体であり、例えば、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe等である。また、ここでIII−V族半導体とは、周期律表上のIIIA元素であるB、Al、Ga、In、Tlのうちの少なくとも一つの元素と、VA族元素であるN、P、As、Sb、Biのうちの少なくとも一つの元素とからなる半導体であり、例えば、AlN、AlP、AlAs、GaN、GaP、GaAs、InN、InP、InAs等である。
化合物半導体ナノ結晶の有機化学的合成法は、近年、報告が重ねられている。例えば、Guzelianらは、InClとP(Si(CHを昇温下で反応させ、表面をトリ・オクチル・フォスフィン・酸化物で被覆した、2nm〜5nm径のInPナノ結晶を合成して、報告した(ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー、100巻、7212頁、1996年)。また、Dabbousiらは、表面をZnSで被覆したCdSeナノ結晶を粒径を制御しながら合成して、報告している(ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリーB、101巻、9466頁、1997年)。
本発明では、上記のような有機化学的方法によって合成した化合物半導体のナノ結晶を、ナノ結晶コロイドと呼ぶ。これら、ナノ結晶コロイドは、合成条件を精密に制御することにより、充分に粒径を小さく、充分に粒径分布を狭くすることができる。すなわち、粒径を0.5nm〜10nmの範囲に収め、さらに、粒径の統計的な標準偏差を、平均値に対する比が5%以下、より好ましくは1%以下に収めることができる。
上記のようなナノ結晶コロイドは、本発明の発光層中に分散させ、量子ドットとして有効に機能させることが可能である。
例えば、発光層にZnSeを選択した場合、適当な基板上にZnSeを成長させる際に、InAs、InP、CdTeなどのナノ結晶コロイドを適当な方法で分散させることによって、ナノ結晶を分散させた発光ダイオードを作製することができる。これらのナノ結晶は、ZnSe発光層中で、量子ドットとして機能する。
また特に、例えば、適当な基板上にZnSeを成長させる際に、表面をZnSeで被覆したInAsナノ結晶コロイドを分散させることにより、良好な量子ドットとして機能する。この場合、発光層の化学組成とナノ結晶(コアに相当)を被覆する被覆層(シェルに相当)の化学組成が同一であるので、両者は容易に整合して、成膜過程において、無機半導体層と被覆層間の界面を消失させることができる。すなわち、この例の場合、ZnSe半導体中に、不純物や欠陥の混入無く、InAsなどのナノ結晶を分散することができる。このため、不純物準位や欠陥準位が形成されず、無機半導体中に注入された電子及び正孔は、効率よくInAsナノ結晶により形成されるナノ結晶に流れ込み、効率よく再結合し、発光効率の高い発光ダイオードを実現することができる。
ナノ結晶コロイドは、発光層中に分散させる。その方法は、ナノ結晶を分散した発光層を形成するのに適当な製造法を選択すればよい。
例えば、Danekらは、ナノ結晶コロイドを、無機半導体であるZnSeの薄膜中に分散させ、光励起による蛍光スペクトルを測定した例を報告している(M.Danekら、Applied Phisics Letters,vol.65(1994)page 2795)。ここでは、CdSeのナノ結晶コロイドをピリジンとアセトニトリルの混合液中に分散し、有機金属化学気相堆積法(OMCVD)反応器内に、エレクトロスプレーによって導入し、水素化セレンとジエチル亜鉛から成長させるZnSeとともに、ガラス基板上に堆積させた。成長したZnSe膜は、アモルファスもしくは多結晶体であった。室温における光吸収と蛍光の特性は、導入したCdSeナノ結晶の特性を保持していた。
Danekらが採用したエレクトロスプレー法は、本発明の発光層中に、ナノ結晶を分散させる方法として、有効である。
以上のように、ナノ結晶コロイドは、適当な製造法により、発光層中に分散させることにより、量子ドットとして有効に機能する。もっとも、有機化学的合成法によって作製したナノ結晶コロイドは、ナノ結晶合成法の有効な手段の一つであり、他に、同等以上に有効な手段が見いだされれば、その手段を用いてナノ結晶を合成してもよい。また、ナノ結晶を合成した後、発光層中に分散する方法は、ナノ結晶分散発光層の形成法として有効な手段の一つであり、他に、同等以上に有効な手段が見いだされれば、その手段を用いて、ナノ結晶分散発光層を形成してもよい。
4.電子注入用電極及び正孔注入用電極
電子注入用電極および正孔注入用電極は、電極間に電圧を印加することにより、発光層
に電子および正孔をそれぞれ注入する機能を有する。本発明の同時二極性無機半導体中には、もともとキャリアが存在しないので、電極との間に無障壁接合を実現しないと同時二極性無機半導体中に電子と正孔とを注入することができない。本発明では、発光層を形成している同時二極性無機半導体との間で障壁の無い接合を形成可能な物質を選定する。
電子注入用電極の場合、電子注入用電極の仕事関数が、同時二極性無機半導体の伝導帯端エネルギーよりも小さければ、両者の間に障壁を生じない組み合わせになる。また、正孔注入用電極の場合、正孔注入用電極の仕事関数が、同時二極性無機半導体の伝導帯端エネルギーよりも大きければ、両者の間に障壁を生じない組み合わせになる。同時二極性無機半導体と接合を作る際に、化学反応を誘起するなどして、意図しない障壁が形成されないよう、物質を選定し、プロセスを工夫しなければならない。
同時二極性無機半導体と無障壁接合が可能な物質は、同時二極性無機半導体と異なる化学組成や結晶構造を有しても構わない。例えば、同時二極性無機半導体にZnSeを選定した場合、ZnSeの伝導帯端エネルギーは3.8eVと報告されている(Bhargava編、Properties of Wide Bandgap II−VI Semiconductors、38頁、Inspec社、1997年)。一方、Mgの仕事関数は3.46eVと記載されている(濱川圭弘編著、半導体デバイス工学、31頁、オーム社)。したがって、化学反応などによって両者の間に意図しない障壁が形成されなければ、ZnSeとMgの組み合わせによって無障壁接合が可能になる。
同時二極性無機半導体と無障壁接合が可能な物質は、金属に限定されない。例えば、MoritaらはCu−Al−Se系の新化合物を発見し、ZnSeとの接合を作って、電流電圧特性を調べている(ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス、30巻、3802頁、1991年)。このような物質を見いだして、同時二極性無機半導体と接合を作製し、電子もしくは正孔を注入しても良い。
実際には、正孔注入用電極または電子注入用電極として適当な材料の数は、多くない。
例えば発光層の同時二極性無機半導体にSiを用いる場合には、Ptなどを正孔注入用電極として用いることができ、AlやMgなどを正孔注入用電極として用いることができる。また例えば、発光層の同時二極性無機半導体にZnSeを用いる場合には、NドープZnSeを正孔注入用電極材料として用いることができる。しかし、NドープZnSeの正孔濃度はせいぜい1x1018/cm3であるので、より正孔濃度が高く、より高い導電性を有する材料を用いることが好ましい。また、NドープZnSeの導電性は、NドープZnSeを単結晶膜として作製した場合にのみ有効に発現するので、多結晶膜の場合でも高い導電性を発現する材料を用いることが好ましい。この観点から、CuドープZnSeが好適である。また、ZnSe同時二極性無機半導体に電子を注入する電子注入用電極材料として、たとえば、ClドープZnSeを用いることができる。
正孔注入用電極材料および電子注入用電極材料は、1018/cm以上のキャリア密度を持つ
ことが好ましい。より好ましくは、1019/cm以上、さらに好ましくは、1020/cm以上である。キャリア密度が1018/cm未満の場合には、電極材料の金属性が低いため、加えた電圧が電極材料にかかり、発光層に有効にかからなくなる。この現象は、発光効率を低下させる要因になる。
正孔注入用電極や電子注入用電極にリード線を配線する際には、正孔注入用電極や電子注入用電極を金属電極で被覆するとワイヤボンディング等の工程に適合しやすい。たとえば、正孔注入用電極として、CuドープZnSeを用いたり、電子注入用電極として、ClドープZnSeを用いる場合には、電極上にPdやPt、Au、Al等の金属を載せると良い。特にAuやAlは、ワイヤボンディング工程に好適である。また、特に、PdZnSeなどの化合物系、もしくは、合金系の材料を用いて、ZnSeとの格子整合性を高めたり、バンド構造の整合性を高めたりすることにより、素子の長寿命化あるいは、接触抵抗の低減が可能である。
5.ゲート電極
図2に示すように、本発明では、電子注入用電極22および正孔注入用電極26の中間にゲート電極26を形成しても良い。またゲート電極26と発光層23との接合がショットキー型になるように、ゲート電極の材料を選択する。もしくは、ゲート電極26と発光層23の間に絶縁層を挟み、ゲート電極と発光層の間を絶縁した構造とする。
そしてこのゲート電極の電位を変えることにより、両キャリアの流れを制御して、発光特性を変調することができる。例えば、ゲート電極の電位を基準に正・負の電圧をそれぞれ電子注入用電極22と正孔注入用電極24に印加すると、ゲート電極−電子注入用電極間、ゲート電極−正孔注入用電極間の電圧によって、電子注入用電極から電子が、正孔注入用電極から正孔が、発光層23中に引き込まれ、電子注入用電極22と正孔注入用電極24が作るチャネル部分に分散させたナノ結晶25中に流入し、再結合発光する。このため、電子注入用電極および正孔注入用電極の電位を一定に保っても、ゲート電極の電位だけを変えることにより、両キャリアの流れを制御でき、発光特性を変調することできる。
次に本発明の実施例について説明する。この発光ダイオードは、基板として、ガラス基板を用いるもので、通常のガラス板でも良いが、液晶ディスプレイ用に用いられる無アルカリガラス基板を用いるならば、半導体機能が劣化しにくい点で好適である。この発光ダイオードは、図4に示すように、ガラス基板41上に、透明電極としてITO薄膜42(膜厚300nm)を形成し、その上に正孔注入用電極43として、たとえば、キャリア濃度1×1019/cm3以上のCuドープZnSe薄膜を膜厚300nm堆積し、そのうえに、発光層44(膜厚30nm)として、ZnSe系アモルファス同時二極性無機半導体を形成し、発光層内には、InPを核とし、ZnSeを殻とする、コアシェル構造のInPナノ結晶46を分散させることによって形成される。そして発光層上に金属的導電性を有するキャリア濃度1×1018/cm以上のClドープZnSe薄膜からなる電子注入用電極45(膜厚500nm)の多結晶薄膜を堆積する。また、正孔注入用電極材料が透明物質であるため、発光効率の良好な発光ダイオードを実現できる。なお、ITO上におよび電子注入用電極45上には、Alなどの電極48および電極47が形成されており、正孔注入用電極への給電は、ITO上に形成した電極48によって行われ、一方、電子注入用電極45への給電は電極47によって行われる。
次にこの半導体発光素子の製造方法について説明する。
発光層を形成する同時二極性無機半導体としてZnSeを選択した。ITO薄膜42付き無アルカリガラス基板41を、分子線エピタキシー(MBE)成膜用真空装置(エイコーエンジニアリング製、到達真空度5x10−10Torr)内に、成膜用基板として導入し、基板ホルダー上に保持した(図5(a))。
次に、図5(b)に示すように基板を300℃に昇温し、15分放置した。Znセル、Seセル、Cuセルから、各成分の分子線を放出させ、Cuドープしてp型金属化したZnSe多結晶薄膜からなる正孔注入用電極43を300nm堆積させた。
続いて、図5(c)に示すようにZnセル、Seセルおよび第3の成分を充填したセルから、各成分の分子線を放出させ、ZnSe系アモルファス相を形成した。このとき同時に、第3の成分として有機溶剤に分散したZnSe被覆InPナノ結晶(InP直径1.8nm、粒径平均値に対する粒径標準偏差の比(CV値)10%)を、エレクトロスプレー法により、分子線として放出し、3分子線ともに基板に照射して、ZnSe被覆InPナノ結晶46の分散したZnSe薄膜からなる発光層44を30nm成膜した。
そして図5(d)に示すように、Znセル、Seセル、およびZnCl2セルから各成分の分子線を放出させ、n型金属化したZnSe薄膜からなる電子注入用電極45を500nm堆積させた。
最後に図5(e)に示すように、電子注入用電極45上にもAlなどの電極47を形成する。
このようにして形成した発光ダイオードの電極48と電極47の間に電圧を印加した結果、波長460nmに鋭い発光があり、本発明の発光ダイオードが有効に機能したことを確認した。
ところで、ZnSe多結晶試料では、粒界がキャリア伝導の障壁として作用する。このため、例えばキャリア密度が1x1018/cm程度の場合には、キャリアは粒界を透過することができず、ZnSe多結晶は高抵抗になる。ところがキャリア密度を1x1019/cm程度、さらには1x1020/cm以上に向上させると、ZnSe多結晶の抵抗値は格段に低くなる。これは、二重ショットキーモデルで説明できる。すなわち、二つの粒子内にキャリアが存在し、粒界がエネルギー障壁として機能するモデルである。キャリア密度が低く、キャリアがエネルギー障壁を透過できない場合でも、キャリア密度を高めると印加電圧が粒界に集中してエネルギー障壁の幅が薄くなり、キャリアがトンネルできるようになる。この観点から、正孔注入用電極の場合、CuドープZnSeは好適である。1x1020/cm以上の正孔を生成させることができ、多結晶膜としたときも十分に低い抵抗率を実現できる。電子注入用電極の場合、ClドープZnSeが適している。1x1019/cm以上の電子を生成できるからである。さらに高い電子密度を持つn型ドーパントを見いだせれば、より好ましい。
本実施例1では、正孔注入用電極としてCuドープのZnSeを用いているため、特に単結晶という結晶構造をとらなくともアモルファスあるいは多結晶相において、1019/cm以上の低抵抗を得ることができ、単結晶でない基板上に発光特性の良好な量子ドット分散発光素子を形成することができる。
また正孔注入用電極としてはCuドープのZnSeに限定されることなく、CuドープのZnS系半導体材料であればよい。例えば、前記ZnS系半導体材料は、組成式(Zn1−α−βαBβ)(S1−y−zSeTe)(0≦y≦1、0≦z≦0.2、y+z≦1、0≦α≦0.2、0≦β≦0.2、A,Bはアルカリ土類金属、Cd)で示される半導体材料であり、ドーパントとしての前記Cuの添加濃度が、0.2〜15at%であるものを含む。ここでα、β、y、zの値は、ZnS系半導体材料の価電子帯端が発光層であるZnSe系アモルファス材料の価電子帯端が発光層の同時二極性無機半導体材料であるZnSe系アモルファス材料の価電子帯端よりエネルギー的に深くなるように調整する。これにより、正孔注入用電極から発光層中に正孔を注入することができる。
ここに、ZnS系半導体材料としてはZnSでもZnSeでも、さらにこれらの混晶材料でもよく、本発明の本質は、従来にない多量のCuをZnS、ZnSeあるいはこれらの混晶材料に添加することにより、従来技術から推定することができなかったp型低抵抗半導体化が可能となる。
Cu添加濃度を0.2〜15at%としたとき、ZnS系材料が低抵抗p型半導体化することを本発明者らは発見した。このような添加を施した材料は単結晶、多結晶体、アモルファスのいずれの相であっても、体積抵抗率101Ωcm以下のp型低抵抗半導体特性を示す。また、可視域に強い吸収を生じないため、光透過性は用いた基材すなわちZnS系材料とほとんど変化することがない。可視域で透光性を有し、かつ多結晶体でありながらもこのように抵抗率の小さいZnS系材料はこれまでに見出されていない。このような特性が得られる理由の詳細は不明であるが、Cu濃度が増すことによってCu−Cu間距離が小さくなることにより、Cu−Cu間相互作用が生じZnS系材料の価電子帯上端近傍に新たに電子準位が形成されるものと考えられる。このため、Cu濃度が高い領域ではじめて低濃度域ではまったく見られないこのような電気特性が生じるものと考えられる。
なおこのCuドープのZnS系半導体からなる正孔注入用電極を用いることにより、Au、Pt、Pdなどの大きな仕事関数を有する金属はもとより、Al、Inなどの仕事関数がこれらより小さい金属とも容易にオーミック接続が可能である。これはキャリア濃度が非常に高いためと考えられる。さらには、透光性の導電体であるITO(Indium tin oxide)、ZnO、Ga、SnOなどともオーミック接続が形成可能である。この正孔注入用電極材料は、上記のように一般的に用いられる多様な配線材料と容易にオーミック接続を形成できる点が本発明の半導体材料の優れた特性である。
また、上述したように単結晶相のみならず、多結晶相あるいはアモルファス相であっても低抵抗p型電気伝導特性を有するので、作製に当たってMBEのような超高真空下の成膜技術は必ずしも必要でない。また、基板に対する制限要件が少なく、ガラス、プラスチックなどの基板上にも形成が可能である。
ここでCu添加濃度は、0.2〜15at%であり、望ましくは1〜12at%である。Cu添加濃度が1at%以下のとき若干抵抗率が増加する傾向がある。Cu添加濃度が0.02at%以下の場合には急激に抵抗率は増加し106Ωcm以上にもなってしまい実用性に乏しい。Cu濃度が12at%を超えると、青色波長域の光透過性が若干低下する傾向がある。Cu添加濃度が15at%を超える場合、CuはZnS、ZnSeへの固溶限界を超えてしまうと考えられ、製造時にCuS、CuSあるいはCuSeなどの別相が生じてしまい均質な材料が得られない。またこの場合、CuS、CuSあるいはCuSeは可視域に強い光吸収を有するため可視光域の光透過性が得られなくなるという問題が生じる。
また、実質上可視域の光透過性は、用いた基材すなわちZnS、ZnSeあるいはこれら材料の混晶とほとんど変化することがない。このため、可視域の半導体発光素子に応用する場合、この材料を正孔注入用電極に用いると光透過性が得られるので、高い光取り出し効率を望むことができる点できわめて優れた材料である。
なお、本発明のCuドープのZnS系半導体材料には、従来ZnS系半導体に関して行われてきたように、20%程度を上限として他の元素、すなわち、Zn置換の形でMg、Cdが、またSおよび/あるいはSe置換の形でTeが導入可能である。これらの元素の導入によって本発明の本質的特徴は損なわれることはない。これらの元素導入によって、抵抗率、バンドアライメント、透過波長域、屈折率の調整等が可能である。Mg、Cdの導入によって伝導帯下端エネルギー位置をそれぞれ上昇および下降させることができる。Te導入によって価電子帯上端エネルギー位置を上昇させることができる。
また、上記式中のA,Bは、Mg、Cdのほか、他のアルカリ土類金属元素も適用可能である。
また本発明のCuドープのZnS系半導体は、前記半導体材料が、補償ドーパントとしてCl、Al、Ga、Inから選ばれる少なくとも1種のドーパントを含み、前記補償ドーパント濃度が1017〜1020cm−3(5×10−4〜0.05at%)であるものを含む。
また、Cuはキャリア密度を大きく変化させるため、補償ドーパントを添加し、微調整を行うことが可能である。ここで補償ドーパントとしては、Cl、Al、Ga、Inから選ばれる少なくとも1種のドーパント濃度が1017〜1020cm−3(5×10−4〜0.05at%)であるように構成する。
すなわち本発明のCuドープのZnS系半導体材料は、Cu添加量でなく、補償ドーパント(compensator)を用いてその抵抗率を調整することが可能である。補償ドーパントとして、従来ZnS系半導体のn型ドーパントとして使用されているCl、Al、Ga、Inが利用できる。このような抵抗率調整はn型あるいは真性ZnS系半導体とのホモ接合、他半導体材料とのヘテロ接合を形成して半導体素子を構成する際に、キャリアバランス調整、正孔−電子再結合位置の調整などに利用可能な技術である。
(実施例2〜3)
実施例1と同様の方法で、ZnSe系発光ダイオードを作製した。ただし、ナノ結晶材料は、ZnSe被覆InPとし、InPの粒径は、実施例1の1.8nm(CV値10%)に代えて、2.8nm(同10%)、4.0nm(同30%)の二種類とした。5Vの電圧を印加したときの発光中心波長とスペクトル半値幅は、それぞれ、460nm(半値幅30nm)、550nm(同30nm)、650nm(同70nm)であった。
(変形例1、2)
実施例1〜3と同様の方法で、ZnSe被覆InPナノ結晶分散ZnSe系発光ダイオードを作製した。ただし、InPの粒径およびCV値は、7.1nm(CV値10%)と2.6nm(同40%)の2種類である。5Vの電圧を印加したときの発光中心波長とスペクトル半値幅は、それぞれ、850nm(半値幅40nm)と540nm(同100nm)であった。
(実施例4、5)
実施例4、5として同様の方法でPbSeナノ結晶分散ZnSe系発光ダイオードを作製した。ただし、PbSeの粒径は、4.8nm(CV値10%)および7.2nm(CV値10%)とした。
このようにして形成したPbSeの粒径が4.8nmの発光ダイオードの正孔注入用電極と電子注入用電極の間に電圧を印加した場合の、電圧電流曲線を図6に示す。良好な非線形性曲線が得られた。立ち上がり電圧は、3V付近で、同時二極性無機半導体材料であるZnSeの禁制帯幅に対応する。また、図7は、PbSeの粒径が4.8nmの発光ダイオードに、5Vの電圧を加えた際に得られた発光スペクトルである。波長525nmに鋭い発光があり(緑色)、本発明の発光ダイオードが有効に機能したことを確認した。同様に、PbSeの粒径が7.2nmの発光ダイオードに5Vの電圧を印加したとき、波長620nmに発光を得た。
(変形例3)
実施例4と同様の方法でZnSe被覆PbSeナノ結晶分散ZnSe系発光ダイオードを作製した。ただし、PbSeの粒径は、5nm(CV値40%)とした。5Vの電圧を印加したとき、波長530nmに発光を得た。発光スペクトルの半地幅は、100nmであった。
(実施例6〜17)
実施例1と同様の方法で、ZnSe系発光ダイオードを作製した。ただし、ナノ結晶材料は、ZnSeを被覆したInAs、InSb、GaAs、GaP、GaSb、CdO、CdS、CdSe、CdTe、ZnTe、PbS、PbTeである。いずれのナノ結晶も、粒径は5nmとし、CV値は20%とした。中心発光波長とスペクトル半値幅を表1に示す。
実施例2において、発光層の同時二極性無機半導体材料をZnSとし、PbSeナノ結晶(直径4.8nm、粒径平均値に対する粒径標準偏差の比(CV値10%)を分散させた。電子注入用電極には、GaドープZnSを用い、正孔注入用電極には、CuをドープしたZnSを用いた。この構成により本発明の発光ダイオードを作製し、正孔注入用電極と電子注入用電極間に5Vの電圧を加えたところ、385nmの波長を有する発光を得た。
ここでZnS発光層の成膜温度を検討し、100℃〜250℃が適当であるという結果を得た。100℃以下ではZnS相が結晶化しなかった。250℃以上に昇温すると却って結晶性が悪くなった。特に400℃以上では、Zn成分が蒸発して不適当であった。120〜180℃の範囲で、もっとも結晶性の良いZnS相が得られた。そこで、150℃の基板温度を選んで、発光ダイオードを作製した。
実施例2において、発光層の同時二極性無機半導体材料をZnTeとし、PbSeナノ結晶(直径4.8nm、粒径平均値に対する粒径標準偏差の比(CV値10%)を分散させ、本発明の発光ダイオードを作製し、正孔注入用電極と電子注入用電極間に5Vの電圧を加えたところ、620nmの波長を有する発光を得た。
石英ガラス基板上に、CVD法を用いて、GaPナノ結晶を分散したGaN薄膜を発光層とする、積層型発光ダイオードを形成した。ここで正孔注入用電極材料としては、p−GaN:Mg(Mgドープp型GaN)を用い、また、電子注入用電極材料は、n−GaN:Si(Siドープn型GaN)を用いた。こうして、本発明の発光ダイオードを作製した。発光ダイオードの正孔注入用電極と電子注入用電極の間に電圧を5V印加したところ、550nm付近の波長を有する緑色の発光を得た。
実施例20において、発光層の同時二極性無機半導体材料をAlNに替え、GaPナノ結晶を分散して、本発明の発光ダイオードを作製した。発光ダイオードの正孔注入用電極と電子注入用電極の間に電圧を10V印加したところ、550nm付近の波長を有する緑色の発光を得た。
実施例21において、発光層の同時二極性無機半導体材料をInNに替え、GaPナノ結晶を分散して、本発明の発光ダイオードを作製した。発光ダイオードの正孔注入用電極と電子注入用電極の間に電圧を5V印加したところ、650nm付近の波長を有する緑色の発光を得た。
石英ガラス基板上に、CVD法を用いて、Siナノ結晶を分散したSiC薄膜を発光層とする積層型発光ダイオードを形成した。ここで正孔注入用電極材料としては、SiC:Al(AlドープSiC)を用い、また、電子注入用電極材料は、SiC:N(NドープSiC)を用いた。こうして、本発明の発光ダイオードを作製した。発光ダイオードの正孔注入用電極と電子注入用電極の間に電圧を5V印加したところ、500nm付近の波長を有する緑色の発光を得た。
石英ガラス基板上に、CVD法を用いて、GaNナノ結晶を分散したC薄膜を発光層とする積層型発光ダイオードを形成した。ここで正孔注入用電極材料としては、C:B(BドープC)を用い、また、電子注入用電極材料は、C:N(NドープC)を用いた。こうして、本発明の発光ダイオードを作製した。発光ダイオードの正孔注入用電極と電子注入用電極の間に電圧を5V印加したところ、400nm付近の波長を有する緑色の発光を得た。
(変形例4)
実施例1において、正孔注入用電極として、ホール密度が3x1017/cmのp型ZnSeを用いた。正孔注入用電極と電子注入用電極の間に10Vの電圧を印加したところ、電気抵抗が高く、発光が得られなかった。
実施例1において、無アルカリガラスの代わりに、n型ZnSe単結晶基板を用いて、発光ダイオードを作製した。発光ダイオードの正孔注入用電極と電子注入用電極の間に電圧を5V印加したところ、550nm付近の波長を有する緑色の発光を得た。
実施例1において、無アルカリガラスの代わりに、耐熱性プラスチック材料であるテフロン(登録商標)を基板として用いて、発光ダイオードを作製した。発光ダイオードの正孔注入用電極と電子注入用電極の間に電圧を5V印加したところ、550nm付近の波長を有する緑色の発光を得た。
実施例1において、無アルカリガラス基板上に、直接、PbSeナノ結晶の分散したZnSe薄膜を30nm成膜した。そのうえに、縦1mm、横0.5mm、厚み300nmのClドープZnSe膜を電子注入用電極として形成した。つぎに、同じ形のCuドープZnSe膜を正孔注入用電極として形成した。このとき、電子注入用電極と正孔注入用電極は、縦の辺が向き合うように、平行に位置させ、電極間距離は1mmとした。電子注入用電極に対して5V高い電位を正孔注入用電極に与えたところ、緑色の発光を得た。
実施例27において、電子注入用電極と正孔注入用電極間領域の中央部に、縦1mm、横0.5mm、厚み30nmのSiO膜を形成し、その上に厚み300nmのAu薄膜を積層して、ゲート電極を形成した。電子注入用電極に対して5V高い電位を正孔注入用電極に与え、さらに、電子注入用電極に対して2〜3V高い電位をゲート電極に与えたところ、緑色の発光が得られ、ゲート電極に与える電位によって、発光強度が変化した。
実施例1で作製した発光素子(一辺3mmの正方形)のAl電極47および48にアルミニウム線をワイヤボンディングした。直径6mmのガラス製凹面鏡の内部に透明なエポキシ樹脂を流し込み、発光素子を浸漬し、放置して、樹脂を固化させた。両アルミニウム線間に5Vの電圧を加えたところ、凹面鏡前方に緑色の発光が放射された。この器具は、単色の照明器具として有用である。
実施例1において、ZnSe被覆InPナノ結晶を分散させる際に、実施例2および3で用いたナノ結晶を混合して分子線として放射した。この発光素子を、実施例29と同様に凹面鏡内に固定し、両アルミニウム線間に5Vの電圧を加えたところ、凹面鏡前方に白色の発光が放射された。この器具は、白色の照明器具として有用である。
実施例1において、基板に10mm角、厚み0.5mmのガラス基板(コーニング製7059)を用いて、図4の発光素子を作製した。ただし、Al電極47はベタ膜とせず、一辺500μmの正方形とし、電子注入用電極45上に5行5列のパターンを持って形成させた。電極間の距離は500μmとした。上記25個の電極パターンと同じ配列を持つプローブカードを作製して電子注入用電極に接触させた。一方、Al電極48にアルミニウム線をワイヤボンディングした。任意のプローブとアルミニウム線の間に5Vの電圧を印加することにより、緑色の発光を得た。
さらに任意のプローブの組とアルミニウム線の間に5Vの電圧を印加すると、発光により、文字などを表示することができた。この器具は、緑色のドットマトリックスディスプレイとして有用である。さらに、Al電極47のパターン毎に発光色の異なる、ナノ結晶を分散させるようにすれば、一つの基板上でRGBの発光が可能になり、フルカラーディスプレイを実現することができる。
Figure 0004781821
ガラス基板上に、透明電極としてZnO薄膜(膜厚300nm)を形成し、その上に金属的導電性を有するキャリア濃度1×1018/cm以上のClドープZnS0.35Se0.65薄膜からなる電子注入用電極(膜厚500nm)の多結晶薄膜を堆積した。ここで、ZnO薄膜はウルツ鉱型結晶構造を有し、ClドープZnSe薄膜は閃亜鉛鉱型結晶構造を有しており、ZnO薄膜のC軸とClドープZnSe薄膜の[111]軸とが平行であった。
電子注入用電極の上に、発光層(膜厚30nm)として、まずZnSe系同時二極性無機半導体を15nm形成し、その後、CdSeを核とし、ZnSeを殻とする、コアシェル構造のナノ結晶(CdSe直径6nm、粒径平均値に対する粒径標準偏差の比(CV値)20%)を、ナノ結晶コロイドを用いたエレクトロスプレー法により形成した。ナノ結晶形成後、表面をパルスレーザアニールにより加熱して、ナノ結晶の表面を被覆している材料(トリオクチルフォスフィン(TOP))を昇華脱離させた。さらにZnSe系アモルファス同時二極性無機半導体を15nm形成して、発光層を構成した。
さらに、発光層上に、正孔注入用電極として、キャリア濃度1×1019/cm以上のCuドープZn0.6Mg0.4S薄膜を膜厚300nm堆積した。なお、ZnO上および正孔注入用電極上には、Al電極をそれぞれ形成した。
このようにして形成した発光ダイオードの電極間に電圧を印加した結果、波長540nmに鋭い発光(スペクトル半値幅30nm)があり、本発明の発光ダイオードが有効に機能したことを確認した。
ガラス基板上に、電子注入用電極として(Zn0.7Mg0.3)O薄膜(膜厚300nm)を形成した。続いて、その電子注入用電極上に、発光層(膜厚30nm)として、まずZnSe系同時二極性無機半導体を15nm形成し、その上に、CdSeを核とし、ZnSeを殻とする、コアシェル構造のナノ結晶(CdSe直径6nm、粒径平均値に対する粒径標準偏差の比(CV値)20%)を、ナノ結晶コロイドを用いたエレクトロスプレー法により形成した。ナノ結晶形成後、表面をパルスレーザアニールにより加熱して、ナノ結晶の表面を被覆している材料(トリオクチルフォスフィン(TOP))を昇華脱離させた。さらにZnSe系同時二極性無機半導体を15nm形成して、発光層を構成した。
ここで、(Zn0.7Mg0.3)O薄膜はウルツ鉱型結晶構造を有し、ZnSe系薄膜は閃亜鉛鉱型結晶構造を有しており、(Zn0.7Mg0.3)O薄膜c軸とZnSe系薄膜の[111]軸とが平行であった。すなわち、本実施例では、発光層と電子注入用電極とが、結晶格子の連続性が遮断された関係で、かつ、結晶配向している関係を有している。もちろん、エピタキシャル関係も有していない。
さらに、発光層上に、正孔注入用電極として、キャリア濃度1×1019/cm以上のCuドープZn0.6Mg0.4S薄膜を膜厚300nm堆積した。なお、電子注入用電極上および正孔注入用電極上には、Al電極をそれぞれ形成した。
このようにして形成した発光ダイオードの電極間に電圧を印加した結果、波長540nmに鋭い発光(スペクトル半値幅30nm)があり、本発明の発光ダイオードが有効に機能したことを確認した。
以上説明してきたように、本発明ではガラス基板などの単結晶基板以外の材料基板を用いることができるので、たとえば1m角以上の大きさを持つ発光ダイオードデバイスなどの大型デバイスも作製可能であり、たとえば自発光型の大型ディスプレイを実現できる。また、ガラス基板は透明化できるので、同じく透明なワイドギャップ半導体を用いて発光層および電極層を形成することにより、シースルー・ディスプレイを実現できる。さらに、ガラス基板は単結晶基板に比べて安価であるだけでなく、ガラス基板の主成分であるSiO2は無毒であるので、環境負荷が低い。
本発明では、発光層に結晶相材料を用いても良いが、アモルファス相材料を用いることができる。アモルファス相は、結晶粒界が存在せず、かつ、結晶欠陥が存在しないので、粒界や欠陥における両キャリアの非発光再結合がおこらない。このため、両キャリアを効率よく、ナノ結晶中に導入できる。また、アモルファス相は、化学組成的、構造的に、均一で、等方的であり、かつ、薄膜としたとき、表面平坦性が得られやすいので、特性の安定した発光ダイオードを形成できる。
次に、本発明では、発光層中に、粒径が均一で、粒径分布幅が狭いナノ結晶を分散させるので、粒径が均一な量子ドットを、高密度に充填した発光層を形成できる。この量子ドット内に両キャリアを効率的に量子ドット中に注入し、再結合発光させるので、量子ドットの量子効果により、発光効率が格段に高まる。これにより、ガラス基板上の発光ダイオードは、実用的な発光強度を発現するようになる。
更に、量子ドットの材料と粒径を選択することにより、紫外から赤外の広範囲にわたる波長の光を単色性良く発することができ、RGB三原色を発するデバイスや、白色発光デバイスを作製できる。ここで、発光ダイオードに印加すべき電圧は、発光層として用いた同時二極性半導体の禁制帯幅できまるから、RGB三原色や白色など、任意のスペクトル分布を有する発光ダイオードを、同一の電圧で、諸特性のばらつき無く、駆動できる。
加えて、本発明では、アンバイポーラ半導体として、無機半導体を用いるので、有機半導体に比べて、紫外線照射に強く、熱的に安定であるため、屋外での使用に適し、デバイス寿命が長く、長期信頼性を得ることができる。

Claims (13)

  1. 基板と、
    電子注入用電極と、
    正孔注入用電極と、
    前記両電極に接触するように配置された無機発光層とを備え、
    前記無機発光層は、
    電子と正孔の移動度の比が1/100から100である同時二極性無機半導体材料と、前記同時二極性無機半導体材料中に、発光中心として分散されたナノ結晶とを含み、かつ、
    前記ナノ結晶の仕事関数は、前記同時二極性無機半導体材料の仕事関数より大きく、かつ、
    前記ナノ結晶の「仕事関数+禁制帯幅」の値は、前記同時二極性無機半導体材料の「仕事関数+禁制帯幅」より小さく、かつ
    前記電子注入用電極及び/又は正孔注入用電極との界面でこれらとエピタキシャル関係を有することなく構成され、
    前記電子注入用電極及び前記正孔注入用電極を介して外部から注入された電子と正孔が再結合して発光する、量子ドット分散発光素子。
  2. 請求項1記載の量子ドット分散発光素子において、
    前記同時二極性無機半導体材料は、アモルファス半導体相である量子ドット分散発光素子。
  3. 請求項1記載の量子ドット分散発光素子において、
    前記同時二極性無機半導体材料は、多結晶半導体相である量子ドット分散発光素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の量子ドット分散発光素子において、
    前記無機発光層は、ZnS系半導体相で構成された量子ドット分散発光素子。
  5. 請求項4に記載の量子ドット分散発光素子において、
    前記無機発光層は、ZnpM1-pxSeyTe1-x-y(0≦x、y、x+y≦1、0<p≦1、M:アルカリ土類金属、Cd)で構成された量子ドット分散発光素子。
  6. 請求項4または5に記載の量子ドット分散発光素子において、
    前記ナノ結晶は、InP、GaAs,GaPのいずれかを主成分とする量子ドット分散発光素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の量子ドット分散発光素子において、
    前記正孔注入用電極は、CuドープZnpM1-pSxSeyTe1-x-y(0≦x、y、x+y≦1、0<p≦1、M:アルカリ土類金属、Cd)で構成された量子ドット分散発光素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の量子ドット分散発光素子において、
    前記基板はガラス基板である量子ドット分散発光素子。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の量子ドット分散発光素子において、
    前記電子注入用電極および前記正孔注入用電極は、前記基板上に前記無機発光層を挟むように、積層状に隔離して配置した量子ドット分散発光素子。
  10. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の量子ドット分散発光素子において、
    前記電子注入用電極および前記正孔注入用電極は、前記基板上に平面状に隔離して配置された量子ドット分散発光素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の量子ドット分散発光素子において、
    前記電子注入用電極および前記正孔注入用電極の間にゲート電極を配置した量子ドット分散発光素子。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の量子ドット分散発光素子を用いて構成された表示装置。
  13. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の量子ドット分散発光素子を用いて構成された照明機器。
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