JP4780956B2 - 種籾粉衣に用いる農薬固形製剤 - Google Patents
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(1)本発明で用いられている、ガラス質粉末を担体とする農薬固形製剤は、公知である(例えば、特許文献1〜4参照)。
(2)種子消毒剤を粉衣処理する方法も公知である(例えば、特許文献5〜8参照)。
第1に、(a)農薬活性成分(ただし、ペンタ−4−エニル=N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニナートを除く。)
(b)見かけ比重が0.01〜0.1、アマニ油に対する吸油能が100〜400ml/100gであるガラス質気泡体を粉砕して得られた、不規則な形状の細片からなるガラス質粉末であるか、さらにこれに無機質担体または/および有機質担体を加えてなる
(c)非イオン性界面活性剤または/および陰イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、
(d)種籾粉衣処理に用いる農薬固形製剤、が上記の目的達成に有効であるとの知見を得た。
本発明で用いられる農薬活性成分としては、種子消毒剤として用いられるものであれば特に限定されず、その例としては、以下のようなものがあげられる。
カスガマイシン、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル、チウラム、プロクロラズ、トリフミゾール、イプコナゾール、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、水酸化第二銅など。
フェニトロチオンなど。
無機銅、有機銅、ノニルフェノールスルホン酸銅、DBEDC、テレフタル酸銅、無機硫黄、ジネブ、マンネブ、マンゼブ、アンバム、ポリカーバメイト、有機ニッケル、プロピネブ、ジラム、チアジアジン、キャプタン、スルフェン酸系、TPN、フサライド、IBP、EDDP、トルクロホスメチル、ピラゾホス、ホセチル、カルベンダゾール、ジエトフェンカルブ、イプロジオン、ビンクロゾリン、プロシミドン、フルオルイミド、オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、テクロフタラム、トリクラミド、ペンシクロン、メタラキシル、オキサジキシル、トリアジメホン、ビテルタノール、ミクロブタニル、ヘキサコナゾール、プロピコナゾール、フェナリモル、ピリフェノックス、トリホリン、ブラストサイジンS、ポリオキシン、バリダマイシン、ストレプトマイシン、オキシテトラサイクリン、ミルディオマイシン、PCNB、ヒドロキシイソキサゾール、エクロメゾール、クロロネブ、メタスルホカルブ、メチルイソチオシアネート、有機ひ素、硫酸亜鉛、ジチアノン、ベンゾチアゾール、キノキサリン系、CNA、ジメチリモール、ジクロメジン、トリアジン、フェリムゾン、フルアジナム、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、ピロキロン、オキソリニック酸、イミノクダジン酢酸塩、アルギン酸、対抗菌、シイタケ菌糸体抽出物、こうじ菌産生物、アグロバクテリウムラジオバクター、イミベンコナゾール、など。
CYAP、MPP、MEP、ECP、ピリミホスメチル、エトリムホス、ダイアジノン、キナルホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、フロルピリホスメチル、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、プロフェノホス、マラソン、PAP、ジメトエート、ホルモチオン、チオメトン、エチルチオメトン、ホサロン、PMP、DMTP、プロチオホス、スルプロホス、ピラクロホス、DDVP、モノクロトホス、BRP、CVMP、ジメチルビンホス、CVP、プロパホス、アセフェート、イソフェンホス、サリチオン、DEP、EPN、エチオン、NAC、MTMC、MIPC、BPMC、PHC、MPMC、XMC、エチオフェンカルブ、ベンダイオカルブ、ピリミカーブ、カルボスルファン、ベンフラカルブ、メソミル、チオジカルブ、アラニカルブ、アレスリン、レスメトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンプロパトリン、トラロメトリン、シクロプロトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルバリネート、エトフェンプロックス、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、ブフロフェジン、フェノキシカルブ、除虫菊、デリス、硫酸ニコチン、マシン油、なたね油、CPCBS、ケルセン、クロルベンジレート、フェニソブロモレート、テトラジホン、BPPS、キノキサリン、アミトラズ、ベンゾメート、フェノチオカルブ、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ジエノクロル、フェンピロキシメート、フルアジナム、ピリダベン、クロフェンテジン、DPC、ポリナフチン複合体、ミルベメクチン、DCIP、ダゾメット、ベンゾエピン、メタアルデヒド、DCV、BTなど。
本発明で用いられるガラス質粉末は、次のいずれかのものを粉砕して得られたものである。すなわち、
(1)黒曜石、真珠岩、松脂石などの天然ガラス質のものをその軟化温度で焼成して得られる中空膨張体であるパーライト、
(2)シラスなどの火山灰由来の物質に含まれる火山ガラス微粒子を高温で熱処理することによって得られる中空体であるシラスバルーン、
(3)微粉炭燃焼を行う火力発電所やボイラーで発生するフライアッシュから浮遊選鉱または風簸によって得られるフライアッシュバルーンなどのガラス質中空体、
のいずれかであってもよい。
本発明に使用できる非イオン性、陰イオン性界面活性剤としては特定の界面活性剤のみに限定されるものではない。そのような例をあげると、非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ−テル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、フッ素系界面活性剤(パーフルオロアルキルカルボン酸など)、シリコーン系界面活性剤(ポリオキシアルキレンジメチルポリシロキサンコポリマーなど)、アセチレングリコール系界面活性剤(2,4,7,9,−テトラメチル−デシン−4,7−ジオールなど)などがあるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
本発明で使用される担体としては、以下にあげる無機質担体、有機質担体が用いられる。
本発明の農薬固形製剤は、種籾に粉衣処理できるものであれば、いずれの粒度区分のものも利用できる。一般的には粒子径が1,700μm以下の農薬固形製剤、すなわち、粒子径300〜1,700μmの細粒状、106〜300μmの微粒状、45〜106μmの粗粉状、0.1〜45μmの微粉状のものが用いられる。
本発明で付着性改良剤として用いられるガラス質粉末は、上記(b)ガラス質粉末で述べたガラス質粉末であればよく、単独であるいはこれに無機質担体または/および有機質担体を加えて使用される。ガラス質粉末に加えられる無機質担体または/および有機質担体としては、無機質担体が好ましく、その中でもクレーを用いるのがより好ましい。
第1に、種籾の付着にかかる時間が短縮され、粉衣処理の作業性が向上する。
第2に、種籾に農薬活性成分を均一に付着させることができ、高い種子消毒効果が安定して発揮され、また薬害の発生、効果の変動を抑制できる。
第3に、付着した種籾のべとつきが抑えられ、播種時の作業性が向上する。
a.カスガマイシン(塩酸塩) 10部
b.ガラス質気泡体(パーライト)を粉砕して得られた不規則な形状の粉末(見かけ比重0.05、アマニ油に対する吸油能250ml/100g) 40部
c.ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート(非イオン性界面活性剤) 1部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(陰イオン性界面活性剤) 2部
d.クレー 46部
他 カーボンブラック 1部
全100部をハンマーミルで混合し、粉状物を得た。
a.チアベンダゾール 10部
b.ガラス質気泡体(パーライト)を粉砕して得られた不規則な形状の粉末(見かけ比重0.05、アマニ油に対する吸油能250ml/100g) 40部
c.ポリオキシエチレン(6)ソルビタンモノステアレート(非イオン性界面活性剤) 1部
ラウリル硫酸ナトリウム塩(陰イオン性界面活性剤) 2部
d.クレー 41部
他 デキストリン(粘結剤) 5部
カーボンブラック 1部
全100部をハンマーミルで混合した後、この混合物100部に対し、水30部を添加し、双腕ニーダーで加水混練する。次に、0.6mm径のスクリーンを付けた押し出し型造粒機で造粒し、整粒した後乾燥し、300〜850μmで篩別して、粒状物を得た。
(1)組成
(イ)種籾消毒剤A(粉状物)
a.カスガマイシン(塩酸塩) 10部
c.ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート(非イオン性界面活性剤) 2部
d.クレー 37部
他 カーボンブラック 1部
計50部
(ロ)付着性改良剤
b.ガラス質気泡体(パーライト)を粉砕して得られた不規則な形状の粉末(見かけ比重0.05、アマニ油に対する吸油能250ml/100g) 35部
c.ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(陰イオン性界面活性剤) 5部
d.クレー 10部
計50部
(2)調製
(イ)、(ロ)ともに、組成物の全量をハンマーミルで混合し、(イ)種籾消毒剤、(ロ)付着性改良剤を得た。
(3)粉衣処理
浸種後の種籾に、(イ)種籾消毒剤、(ロ)付着性改良剤を1:1の重量比で添加して混合し、これを、常法により稲種籾の表面に粉衣処理する。
5リットル容量の円筒容器を(斜め下向きに水平方向に対し30度となるように)設置し、稲の乾籾1kgを浸種して十分に吸水させた後にこの容器に入れ、この円筒容器を75rpmで回転させる。回転させながら、実施例1〜2に準じて調製した農薬固形製剤10gを入れ、投入直後より、農薬固形製剤が種籾に付着するまでの時間を測定する。
(1)付着の均一性
○:農薬固形製剤が種籾に均一に付着している。
△:農薬固形製剤が種籾に付着しているが、着色に濃淡が認められる。
×:農薬固形製剤が種籾に付着しているもの、付着していないものが認められる。
(2)種籾のべとつき
○:べとつかない。
△:種籾同士が付着しやすい傾向にあるが、容易にほぐれる。
×:種籾同士が付着する。
5リットル容量の円筒容器を(斜め下向きに水平方向に対し30度となるように)設置し、稲の乾籾1kgを浸種して十分に吸水させた後にこの容器に入れ、この円筒容器を75rpmで回転させる。回転させながら、実施例3で調製した種籾消毒剤5gを加えて、その直後に回転させながら、表3中の組成になるように実施例3に記載の方法に準じて調製した付着性改良剤5gを加える。付着性改良剤の投入直後より、種籾消毒剤が種籾に付着するまでの時間を測定する。
Claims (10)
- (a)農薬活性成分(ただし、ペンタ−4−エニル=N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニナートを除く。)
(b)見かけ比重が0.01〜0.1、アマニ油に対する吸油能が100〜400ml/100gであるガラス質気泡体を粉砕して得られた、不規則な形状の細片からなるガラス質粉末
(c)非イオン性界面活性剤または/および陰イオン性界面活性剤、を含むことを特徴とする、
(d)種籾粉衣処理に用いる農薬固形製剤。 - (a)農薬活性成分(ただし、ペンタ−4−エニル=N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニナートを除く。)
(b)見かけ比重が0.01〜0.1、アマニ油に対する吸油能が100〜400ml/100gであるガラス質気泡体を粉砕して得られた、不規則な形状の細片からなるガラス質粉末
(c)非イオン性界面活性剤または/および陰イオン性界面活性剤
(d)無機質担体または/および有機質担体、を含むことを特徴とする、
(e)種籾粉衣処理に用いる農薬固形製剤。 - ガラス質気泡体がパーライトであることを特徴とする、請求項1または2に記載の農薬固形製剤。
- ガラス質粉末のアマニ油に対する吸油能が200〜300ml/100gであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の農薬固形製剤。
- 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の農薬固形製剤。
- 陰イオン性界面活性剤がアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、リグニンスルホン酸塩のうち1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の農薬固形製剤。
- 非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、陰イオン性界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、リグニンスルホン酸塩から選ばれる1種または2種以上とを組み合わせて使用することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の農薬固形製剤。
- 農薬固形製剤が粒度区分0.1〜1700μmの範囲に95%以上含まれることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の農薬固形製剤。
- 農薬固形製剤が粒度区分0.1〜45μmの範囲に95%以上含まれる微粉状物であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の農薬固形製剤。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の農薬固形製剤を用いて種籾に粉衣することを特徴とする、種籾の粉衣処理方法。
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