JP4780956B2 - 種籾粉衣に用いる農薬固形製剤 - Google Patents

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本発明は、種籾粉衣に用いる農薬固形製剤に関する。
本発明と同様な農薬固形製剤に関する技術としては、次のものが知られている。
(1)本発明で用いられている、ガラス質粉末を担体とする農薬固形製剤は、公知である(例えば、特許文献1〜4参照)。
(2)種子消毒剤を粉衣処理する方法も公知である(例えば、特許文献5〜8参照)。
特許第2931869号公報 特開平09−301801号公報 特開2000−204001号公報 特開2003−146804号公報 特許第3222530号公報 特許第3101065号公報 特開平11−028006号公報 特開平11−049612号公報
従来の稲種籾への粉衣処理に用いる種子消毒剤は、種籾に付着させるまでに時間がかかり、付着した後の種籾がべとつくなど、必ずしも十分な効果があるとはいえなかった。本発明は、このような問題のない種子粉衣用の農薬固形製剤および粉衣方法を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した。その結果、本発明に至った。すなわち、
第1に、(a)農薬活性成分(ただし、ペンタ−4−エニル=N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニナートを除く。)
(b)見かけ比重が0.01〜0.1、アマニ油に対する吸油能が100〜400ml/100gであるガラス質気泡体を粉砕して得られた、不規則な形状の細片からなるガラス質粉末であるか、さらにこれに無機質担体または/および有機質担体を加えてなる
(c)非イオン性界面活性剤または/および陰イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、
(d)種籾粉衣処理に用いる農薬固形製剤、が上記の目的達成に有効であるとの知見を得た。
第2には、上記の農薬固形製剤において、見かけ比重が0.01〜0.1、アマニ油に対する吸油能が100〜400ml/100g、好ましくは200〜300ml/100gであるガラス質気泡体を粉砕して得られた不規則な形状の細片からなるガラス質粉末が種籾への農薬活性成分の付着性改良剤として有効であるとの知見を得た。また、ガラス質気泡体としてパーライトを用いることが好ましいことがわかった。さらに研究の結果、これに無機質担体または/および有機質担体を添加することが好ましく、特に無機質担体を添加することがより好ましいことがわかった。
第3には、上記した農薬固形製剤を用い種籾に粉衣処理する方法が高い種子消毒効果を得るうえで、極めて有効であることがわかった。
(a)農薬活性成分
本発明で用いられる農薬活性成分としては、種子消毒剤として用いられるものであれば特に限定されず、その例としては、以下のようなものがあげられる。
種子消毒用殺菌活性成分の例
カスガマイシン、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル、チウラム、プロクロラズ、トリフミゾール、イプコナゾール、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、水酸化第二銅など。
種子消毒用殺虫活性成分の例
フェニトロチオンなど。
これらの農薬活性成分の製剤中への添加量は、特に限定されるものではないが、一般的には製剤全量の0.1〜90重量%、好ましくは、1〜80重量%である。
本発明で使用される上記の種子消毒剤と混用される各種の殺菌剤、殺虫剤も、本発明の目的を達成しうる範囲内であれば併用することができる。そのような例としては、次のものがあげられる。
殺菌剤の例
無機銅、有機銅、ノニルフェノールスルホン酸銅、DBEDC、テレフタル酸銅、無機硫黄、ジネブ、マンネブ、マンゼブ、アンバム、ポリカーバメイト、有機ニッケル、プロピネブ、ジラム、チアジアジン、キャプタン、スルフェン酸系、TPN、フサライド、IBP、EDDP、トルクロホスメチル、ピラゾホス、ホセチル、カルベンダゾール、ジエトフェンカルブ、イプロジオン、ビンクロゾリン、プロシミドン、フルオルイミド、オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、テクロフタラム、トリクラミド、ペンシクロン、メタラキシル、オキサジキシル、トリアジメホン、ビテルタノール、ミクロブタニル、ヘキサコナゾール、プロピコナゾール、フェナリモル、ピリフェノックス、トリホリン、ブラストサイジンS、ポリオキシン、バリダマイシン、ストレプトマイシン、オキシテトラサイクリン、ミルディオマイシン、PCNB、ヒドロキシイソキサゾール、エクロメゾール、クロロネブ、メタスルホカルブ、メチルイソチオシアネート、有機ひ素、硫酸亜鉛、ジチアノン、ベンゾチアゾール、キノキサリン系、CNA、ジメチリモール、ジクロメジン、トリアジン、フェリムゾン、フルアジナム、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、ピロキロン、オキソリニック酸、イミノクダジン酢酸塩、アルギン酸、対抗菌、シイタケ菌糸体抽出物、こうじ菌産生物、アグロバクテリウムラジオバクター、イミベンコナゾール、など。
殺虫剤の例
CYAP、MPP、MEP、ECP、ピリミホスメチル、エトリムホス、ダイアジノン、キナルホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、フロルピリホスメチル、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、プロフェノホス、マラソン、PAP、ジメトエート、ホルモチオン、チオメトン、エチルチオメトン、ホサロン、PMP、DMTP、プロチオホス、スルプロホス、ピラクロホス、DDVP、モノクロトホス、BRP、CVMP、ジメチルビンホス、CVP、プロパホス、アセフェート、イソフェンホス、サリチオン、DEP、EPN、エチオン、NAC、MTMC、MIPC、BPMC、PHC、MPMC、XMC、エチオフェンカルブ、ベンダイオカルブ、ピリミカーブ、カルボスルファン、ベンフラカルブ、メソミル、チオジカルブ、アラニカルブ、アレスリン、レスメトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンプロパトリン、トラロメトリン、シクロプロトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルバリネート、エトフェンプロックス、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、ブフロフェジン、フェノキシカルブ、除虫菊、デリス、硫酸ニコチン、マシン油、なたね油、CPCBS、ケルセン、クロルベンジレート、フェニソブロモレート、テトラジホン、BPPS、キノキサリン、アミトラズ、ベンゾメート、フェノチオカルブ、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ジエノクロル、フェンピロキシメート、フルアジナム、ピリダベン、クロフェンテジン、DPC、ポリナフチン複合体、ミルベメクチン、DCIP、ダゾメット、ベンゾエピン、メタアルデヒド、DCV、BTなど。
なお、これらの農薬活性成分名は、「農薬ハンドブック2001年度版」(社団法人 日本植物防疫協会 平成13年11月1日発行)などに記載の一般名である。
(b)ガラス質粉末
本発明で用いられるガラス質粉末は、次のいずれかのものを粉砕して得られたものである。すなわち、
(1)黒曜石、真珠岩、松脂石などの天然ガラス質のものをその軟化温度で焼成して得られる中空膨張体であるパーライト、
(2)シラスなどの火山灰由来の物質に含まれる火山ガラス微粒子を高温で熱処理することによって得られる中空体であるシラスバルーン、
(3)微粉炭燃焼を行う火力発電所やボイラーで発生するフライアッシュから浮遊選鉱または風簸によって得られるフライアッシュバルーンなどのガラス質中空体、
のいずれかであってもよい。
このように粉砕して得られた粉末は、不規則な形状であることが、種籾に均一に付着しべとつきのないものとするために重要である。
また、ガラス質粉末のアマニ油に対する吸油能は、一般的に10〜500ml/100gのものが知られている。このうち、アマニ油への吸油能が100ml/100g未満であると、粉衣処理時に籾がべとつき、400ml/100gを超えると農薬固形製剤の種籾への付着が悪くなる。したがって、本発明で用いられるガラス質粉末のアマニ油に対する吸油能は100〜400ml/100gである必要があり、200〜300ml/100gがより好ましい。
また、種籾に均一に付着させるために、見かけ比重は0.01〜0.1である必要がある。
この中で、パーライトを粉砕したものを用いるのがより好ましい。
(c)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤
本発明に使用できる非イオン性、陰イオン性界面活性剤としては特定の界面活性剤のみに限定されるものではない。そのような例をあげると、非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ−テル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、フッ素系界面活性剤(パーフルオロアルキルカルボン酸など)、シリコーン系界面活性剤(ポリオキシアルキレンジメチルポリシロキサンコポリマーなど)、アセチレングリコール系界面活性剤(2,4,7,9,−テトラメチル−デシン−4,7−ジオールなど)などがあるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
陰イオン性界面活性剤の例としては、ポリカルボン酸型界面活性剤、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど)、アルキル硫酸塩(ラウリル硫酸ナトリウム塩など)などがあるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
上記のうち、非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、陰イオン性界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、リグニンスルホン酸塩から選ばれる1種または2種以上を用いるのが好ましい。
また、非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤の併用のときの配合比率は、特に限定されないが、前者1部に対して後者を0.2〜5部の比率がよい。
(d)担体
本発明で使用される担体としては、以下にあげる無機質担体、有機質担体が用いられる。
本発明に使用される無機質担体の例としては、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ジークライト、セリサイト、酸性白土、珪石、ケイソウ土、軽石、ゼオライト、バーミキュライト、ホワイトカーボンなどがあり、有機質担体の例としては、鋸屑、藁、パルプ、モミガラ、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、デンプン、デキストリンなどの単糖類、二糖類、多糖類、などがある。
この中で、無機質担体を用いるのが好ましく、無機質担体としてクレーを用いるのがより好ましい。
(e)農薬固形製剤
本発明の農薬固形製剤は、種籾に粉衣処理できるものであれば、いずれの粒度区分のものも利用できる。一般的には粒子径が1,700μm以下の農薬固形製剤、すなわち、粒子径300〜1,700μmの細粒状、106〜300μmの微粒状、45〜106μmの粗粉状、0.1〜45μmの微粉状のものが用いられる。
本発明において「粒子径」とは、JIS規格の標準フルイを用い、フルイの目開きによって得られる粒度区分を示し、例えば「粒子径300μm〜1700μm」の場合、目開き1700μmのフルイを通過し、目開き300μmのフルイを通過しない粒子を意味する。
具体的な製剤名としては、粒剤、粉粒剤、微粒剤、細粒剤、粉剤(DL粉剤、一般粉剤)、水和剤などがあげられる。この中で粒子径0.1〜45μmの範囲に95%以上含まれる粉状物のものが種籾に均一に処理できるという点で好ましい。
本発明の粒状物において、必要に応じて粘結剤、防腐防黴剤、安定化剤が使用される。このうち粘結剤としては慣用されているいかなるものでもよい。例えば天然物由来のものとしては、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、カルボキシメチルデンプン、デキストリン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、デキストラン、マンナン、ペクチン、トラガントガム、マンニット、ソルビトール、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアゴムあるいはキサンタンガムなどの糖質系のものや、ゼラチン、カゼインなどの蛋白質系のものがある。また、合成物質のものとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、エチレン・プロピレンブロックポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、などがあげられる。
また使用できる防腐防黴剤としては、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラクロロ−メタキシレノール、パラオキシ安息香酸ブチルなどがあげられる。また、農薬活性成分の安定化剤として、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤などを必要に応じて添加してもよい。
(f)付着性改良剤
本発明で付着性改良剤として用いられるガラス質粉末は、上記(b)ガラス質粉末で述べたガラス質粉末であればよく、単独であるいはこれに無機質担体または/および有機質担体を加えて使用される。ガラス質粉末に加えられる無機質担体または/および有機質担体としては、無機質担体が好ましく、その中でもクレーを用いるのがより好ましい。
こうして得られた付着性改良剤は、そのまま使用するか、あるいは必要に応じて、界面活性剤、その他の担体、増量剤を加えて使用される。この中で、非イオン性界面活性剤または/および陰イオン性界面活性剤を加えたものが好ましい。
本発明を実施すると、次のような効果がもたらされる。
第1に、種籾の付着にかかる時間が短縮され、粉衣処理の作業性が向上する。
第2に、種籾に農薬活性成分を均一に付着させることができ、高い種子消毒効果が安定して発揮され、また薬害の発生、効果の変動を抑制できる。
第3に、付着した種籾のべとつきが抑えられ、播種時の作業性が向上する。
本発明の農薬固形製剤は、粒剤、粉粒剤、微粒剤、細粒剤、DL粉剤、一般粉剤、水和剤などであり、それらの一般的な製造方法で調製できる。
すなわち、粉状物の場合、(a)農薬活性成分(ただし、ペンタ−4−エニル=N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニナート(以下、ペフラゾエートという。)を除く。)、(b)見かけ比重が0.01〜0.1、アマニ油に対する吸油能が100〜400ml/100gであるガラス質気泡体を粉砕して得られた、不規則な形状の細片からなるガラス質粉末、(c)非イオン性界面活性剤または/および陰イオン性界面活性剤および(d)無機質担体または/および有機質担体をハンマーミルなどで混合粉砕して粉状物を得る。
粒状物の場合、(a)農薬活性成分(ただし、ペフラゾエートを除く。)(b)見かけ比重が0.01〜0.1、アマニ油に対する吸油能が100〜400ml/100gであるガラス質気泡体を粉砕して得られた、不規則な形状の細片からなるガラス質粉末、(c)非イオン性界面活性剤または/および陰イオン性界面活性剤および(d)無機質担体または/および有機質担体を混合粉砕した後、必要に応じて水、粘結剤や溶剤を加え、押し出し型造粒機で造粒し、粒状物を得る。
農薬活性成分の製剤中への含有量は、一般的に製剤全量の0.1〜90重量%、好ましくは1〜80重量%である。
本発明で用いられるガラス質粉末の製剤中への添加量は、一般的に製剤全量の2重量%以上、好ましくは5〜80重量%である。
本発明で用いられる界面活性剤の製剤中への添加量は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤の単用、これらの併用のいずれの場合も一般的に0.1〜30重量%、好ましくは0.3〜20重量%である。
本発明でガラス質粉末とともに用いられる無機質担体、有機質担体の使用量は、農薬固形製剤中の、農薬活性成分、ガラス質粉末、界面活性剤以外の残りとして、全体として100重量%になるように添加される。
本発明の農薬固形製剤は、以下のような方法で種籾に粉衣処理して用いられる。
第1に、一般的な粉衣処理方法として、オートリバース混合機、ポットミキサーなどを用い、乾燥種籾100kgに対し、水2.5l(リットル)を添加し、混合撹拌後、農薬固形製剤を加え、混合撹拌することで粉衣処理する方法。
第2に、特開平11−028006号公報、特開平11−049612号公報で公知の方法と同一かそれに準じた方法、すなわち、種籾を浸種して水に十分に吸水させ(積算温度として60〜100℃・日)、種子消毒活性成分を含有する農薬固形製剤で粉衣処理する方法。
本発明の粉衣処理方法は、このうちで、後者の処理方法への適用性がより好ましい。
粉衣処理する農薬固形製剤の重量は、一般に乾燥種籾重量あたり0.1〜5%、好ましくは0.2〜2%である。
次に実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例、比較例において、農薬固形製剤の種籾への付着の均一性を確認しやすくするため、製剤が淡灰色になるよう少量(1重量部)のカーボンブラックを添加している。
(粉状物の調製)
a.カスガマイシン(塩酸塩) 10部
b.ガラス質気泡体(パーライト)を粉砕して得られた不規則な形状の粉末(見かけ比重0.05、アマニ油に対する吸油能250ml/100g) 40部
c.ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート(非イオン性界面活性剤) 1部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(陰イオン性界面活性剤) 2部
d.クレー 46部
他 カーボンブラック 1部
全100部をハンマーミルで混合し、粉状物を得た。
(粒状物の調製)
a.チアベンダゾール 10部
b.ガラス質気泡体(パーライト)を粉砕して得られた不規則な形状の粉末(見かけ比重0.05、アマニ油に対する吸油能250ml/100g) 40部
c.ポリオキシエチレン(6)ソルビタンモノステアレート(非イオン性界面活性剤) 1部
ラウリル硫酸ナトリウム塩(陰イオン性界面活性剤) 2部
d.クレー 41部
他 デキストリン(粘結剤) 5部
カーボンブラック 1部
全100部をハンマーミルで混合した後、この混合物100部に対し、水30部を添加し、双腕ニーダーで加水混練する。次に、0.6mm径のスクリーンを付けた押し出し型造粒機で造粒し、整粒した後乾燥し、300〜850μmで篩別して、粒状物を得た。
(種籾消毒剤に付着性改良剤を加える場合)
(1)組成
(イ)種籾消毒剤A(粉状物)
a.カスガマイシン(塩酸塩) 10部
c.ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート(非イオン性界面活性剤) 2部
d.クレー 37部
他 カーボンブラック 1部
計50部
(ロ)付着性改良剤
b.ガラス質気泡体(パーライト)を粉砕して得られた不規則な形状の粉末(見かけ比重0.05、アマニ油に対する吸油能250ml/100g) 35部
c.ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(陰イオン性界面活性剤) 5部
d.クレー 10部
計50部
(2)調製
(イ)、(ロ)ともに、組成物の全量をハンマーミルで混合し、(イ)種籾消毒剤、(ロ)付着性改良剤を得た。
(3)粉衣処理
浸種後の種籾に、(イ)種籾消毒剤、(ロ)付着性改良剤を1:1の重量比で添加して混合し、これを、常法により稲種籾の表面に粉衣処理する。
次に、本発明の効果を示すために、試験例を示し、具体的に説明する。
試験例1 農薬固形製剤の種籾への付着性
5リットル容量の円筒容器を(斜め下向きに水平方向に対し30度となるように)設置し、稲の乾籾1kgを浸種して十分に吸水させた後にこの容器に入れ、この円筒容器を75rpmで回転させる。回転させながら、実施例1〜2に準じて調製した農薬固形製剤10gを入れ、投入直後より、農薬固形製剤が種籾に付着するまでの時間を測定する。
回転を止め、種籾を取り出し、付着の均一性、種籾のべとつきの程度を目視により観察する。次に、この種籾から無作為に1gずつ5か所からサンプリングし、種籾中に含まれる農薬活性成分量を分析し、種籾1gあたりに付着した活性成分量を求める。
次に、5か所の種籾1gあたりに付着した活性成分量の分析値の平均値(mg)、標準偏差値(mg)を算出する。こうして得られた平均値および標準偏差値から下記式により、変動係数(CV)(%)を求める。
なお、本発明においては、CV値が小さいほど、種籾に付着した農薬活性成分量のばらつきが小さく均一に付着していることを示しており、付着性がより優れているといえる。
Figure 0004780956
付着性の評価基準は下記のとおり。
(1)付着の均一性
○:農薬固形製剤が種籾に均一に付着している。
△:農薬固形製剤が種籾に付着しているが、着色に濃淡が認められる。
×:農薬固形製剤が種籾に付着しているもの、付着していないものが認められる。
(2)種籾のべとつき
○:べとつかない。
△:種籾同士が付着しやすい傾向にあるが、容易にほぐれる。
×:種籾同士が付着する。
試験結果を表1、表2に示す。
試験例2 付着性改良剤の添加による種籾への付着性試験
5リットル容量の円筒容器を(斜め下向きに水平方向に対し30度となるように)設置し、稲の乾籾1kgを浸種して十分に吸水させた後にこの容器に入れ、この円筒容器を75rpmで回転させる。回転させながら、実施例3で調製した種籾消毒剤5gを加えて、その直後に回転させながら、表3中の組成になるように実施例3に記載の方法に準じて調製した付着性改良剤5gを加える。付着性改良剤の投入直後より、種籾消毒剤が種籾に付着するまでの時間を測定する。
回転を止め、試験例1と同様の方法で農薬活性成分の付着性を確認し、次に試験例1と同様のサンプリングにより、種籾1gあたりに付着した活性成分量を求め、平均値(mg)、標準偏差値(mg)、CV(%)を算出する。
試験結果を表3に示す。
Figure 0004780956
Figure 0004780956
Figure 0004780956

Claims (10)

  1. (a)農薬活性成分(ただし、ペンタ−4−エニル=N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニナートを除く。)
    (b)見かけ比重が0.01〜0.1、アマニ油に対する吸油能が100〜400ml/100gであるガラス質気泡体を粉砕して得られた、不規則な形状の細片からなるガラス質粉末
    (c)非イオン性界面活性剤または/および陰イオン性界面活性剤、を含むことを特徴とする、
    (d)種籾粉衣処理に用いる農薬固形製剤。
  2. (a)農薬活性成分(ただし、ペンタ−4−エニル=N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニナートを除く。)
    (b)見かけ比重が0.01〜0.1、アマニ油に対する吸油能が100〜400ml/100gであるガラス質気泡体を粉砕して得られた、不規則な形状の細片からなるガラス質粉末
    (c)非イオン性界面活性剤または/および陰イオン性界面活性剤
    (d)無機質担体または/および有機質担体、を含むことを特徴とする、
    (e)種籾粉衣処理に用いる農薬固形製剤。
  3. ガラス質気泡体がパーライトであることを特徴とする、請求項1または2に記載の農薬固形製剤。
  4. ガラス質粉末のアマニ油に対する吸油能が200〜300ml/100gであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の農薬固形製剤。
  5. 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の農薬固形製剤。
  6. 陰イオン性界面活性剤がアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、リグニンスルホン酸塩のうち1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の農薬固形製剤。
  7. 非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、陰イオン性界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、リグニンスルホン酸塩から選ばれる1種または2種以上とを組み合わせて使用することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の農薬固形製剤。
  8. 農薬固形製剤が粒度区分0.1〜1700μmの範囲に95%以上含まれることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の農薬固形製剤。
  9. 農薬固形製剤が粒度区分0.1〜45μmの範囲に95%以上含まれる微粉状物であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の農薬固形製剤。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の農薬固形製剤を用いて種籾に粉衣することを特徴とする、種籾の粉衣処理方法。
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