JP2001206810A - 誘引駆除剤 - Google Patents

誘引駆除剤

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JP2001206810A
JP2001206810A JP2000350357A JP2000350357A JP2001206810A JP 2001206810 A JP2001206810 A JP 2001206810A JP 2000350357 A JP2000350357 A JP 2000350357A JP 2000350357 A JP2000350357 A JP 2000350357A JP 2001206810 A JP2001206810 A JP 2001206810A
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ethanol
sake
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JP2000350357A
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English (en)
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Kazuteru Ogawa
一輝 小川
Mikio Sekiguchi
幹夫 関口
Tsutomu Yonekawa
努 米川
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘引駆除剤を用いて害虫を駆除する誘引剤で、
製造が容易であり、誘引性に優れ、効力が安定した製剤
を提供する。 【解決手段】農薬活性成分、酒粕、エタノールおよび水
を含有する誘引駆除剤であって、誘引駆除剤中のエタノ
ールの含有量が0.001〜5重量%、水の含有量が1
〜20重量%、前記酒粕の乾燥固形分が30〜90重量
%である造粒した粒状誘引駆除剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は害虫、特に腹足綱動
物及び昆虫を駆除するのに適した誘引駆除剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、軟体動物である腹足綱動物に属す
るナメクジ、カタツムリ等は、観賞用の花卉類(ラン、
シクラメンなど)の新芽を好んで食し、手塩にかけてき
た花卉類の商品価値を著しく低下させる。そのため栽培
農家は夜行性の腹足綱動物を駆除するために、夜の巡回
が不可欠となり、その労力は甚だしい。また、野菜類
(キャベツ、レタスなど)を栽培している農家でも腹足
綱動物による被害は大きく、これらの動物は特にレタス
などの柔らかい葉を食べ大きな被害を与えている。更に
はヨーロッパ等麦の産地では前年に刈り取った麦わら内
で越冬し、播種した小麦の種を食してしまうため重要な
駆除害虫となっている。
【0003】そのため、様々な腹足綱動物駆除剤が開発
されている。腹足綱動物に直接薬剤を散布する方法とし
てスプレー剤や水中懸濁製剤が市販されているが、これ
らでは直接充分な薬剤が腹足綱動物に接触する必要があ
り、落ち葉や物陰などに隠れている腹足綱動物を駆除す
るには不十分である。また、広範囲に大量の薬剤を散布
する必要性が生じるため、環境上好ましくない。腹足綱
動物は銅などの金属を忌避する性質、特に銅が酸化され
て緑青が生じた銅を非常に嫌う性質があり、その性質を
利用した金属類を含有する製剤が開発されており、シー
ト剤や微粉剤(特開昭54−122723)等がある
が、忌避だけでは根本的な解決にならず、忌避場所以外
で被害が生じてしまう。これらの理由から腹足綱動物を
誘引して殺す”誘引駆除剤”が腹足綱動物駆除剤の主流
となっており、多数開発または販売されている。この誘
引駆除剤の中核を占める誘引剤の開発は既に数多く行わ
れているが、腹足綱動物は糖類、穀物類などを好む性質
があるので、これらを利用することを中心に開発が行わ
れている。例えば、バナナの実を含有した難水溶性のナ
メクジ駆除剤(特開平2−28103)、植物質粉体や
動物質粉体などのナメクジ類可食性粉体、メタアルデヒ
ド、糊剤及びpH調整剤を必須成分とするナメクジ類駆
除剤(特開平8−175906)、支持フィルム上に糖
質を含む層を形成してなる陸棲無脊椎動物誘引シート
(特開平7−59498)、マイクロカプセル化された
殺虫活性成分、結晶性セルロース及び穀物粉末を打錠し
た害虫駆除用毒餌剤(特開平8−13729)などが開
発されているがその効力は誘引性の面で不十分である。
腹足綱動物の喫食性を促すものとして脂肪族多価アルコ
ールを含有させ10万から200万cpの粘度に調節し
た腹足綱動物誘引防除毒餌剤(特開平9−11060
3)があるが粘性が高いため施用性が良好ではなく、効
力的に充分とはいえない。
【0004】また、腹足綱動物には酒や酢を好む性質が
あることが知られている(昭和37年植物防疫第16巻
8月号35頁)。そのため、米糠、ふすま、ビール粕、
酒粕などの餌成分とメタアルデヒド(殺虫活性成分)を
含有する軟膏状腹足類駆除用塗布剤(特開平3−900
03)、穀物粉中に存在する微生物で穀物類を発酵させ
た毒餌剤(特開平4−235902)、メタアルデヒド
と酒粕を用いることを特徴とするナメクジ・カタツムリ
駆除剤(特開平10−25207)が開発されている。
しかし、これらはいずれも、入手する酒粕や発酵物によ
り誘引性・誘殺性に大きなふれが生じやすく、効力が不
安定になる。更にこれら製剤はナメクジの動きの鈍い低
温時には夏のような高温多雨時に比べ大きく効力が低下
する問題がある。また酒粕のロットや酒類により、酒粕
中の乾燥固形分が大きく変化する(乾燥固形分約25%
〜55%)。つまり酒粕水分含有量が一定化していない
ため、製剤組成の一律化や製造が困難であった。また、
これら腹足綱動物駆除剤は効力的に不十分、不安定であ
るという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】誘引物質として有効な
酒粕を用い、製造が容易であり、誘引性に優れ、効力が
安定し、腹足綱動物及び昆虫を効率よく誘引駆除する誘
引駆除剤が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな要望に答える技術を鋭意研究した結果、誘引駆除剤
に含まれる特定の成分を規定することによって上記課題
が解決されることを見出し、本発明に至ったものであ
る。即ち本発明は、(1)農薬活性成分及び酒粕を含有
する誘引駆除剤であって、誘引駆除剤中のエタノールの
含有量が0.001〜5重量%、水の含有量が1〜20
重量%、前記酒粕の乾燥固形分が30〜90重量%であ
る造粒した粒状誘引駆除剤、(2)さらに吸油量が10
0ml以上/100gである担体を5〜40重量%含有
する(1)記載の粒状誘引駆除剤、(3)前記担体の5
0重量%以上が、1種以上の可食性担体である(2)に
記載の粒状誘引駆除剤、(4)前記担体の50重量%以
上が、ホワイトカーボン及び無水酸化アルミニウムから
なる群より選ばれる1種以上である(2)に記載の粒状
誘引駆除剤、(5)粒径が0.5〜4mmである(1)
乃至(4)のいずれか1項に記載の粒状誘引駆除剤、
(6)酸素透過量が1000ml/m2・24hr・atm以下である包
材によって包装されている(1)乃至(5)のいずれか
1項に記載の粒状誘引駆除剤、に関する。
【発明の実施の形態】
【0007】本発明で使用可能な殺虫活性成分として
は、害虫、特に腹足綱動物に殺虫力を示すものであれば
何でもよく、有機リン系殺虫性化合物、カーバメイト系
殺虫性化合物、ピレスロイド系殺虫性化合物、昆虫幼若
ホルモン様化合物、昆虫キチン質形成阻害化合物や殺虫
活性を有する天然物などを使用することができる。ま
た、これらの殺虫活性成分を一種または二種以上を組み
合わせて使用することができる。
【0008】使用しうる有機リン系殺虫性化合物の具体
例としては、たとえば、カルビンホス、クロルピリホ
ス、クロルピリホスメチル、シアノフェンホス、シアノ
ホス、ダイアジノン、ジクロルボス、フェニトロチオ
ン、フェンチオン、マラチオン、ピリミホスメチル、プ
ロチオホス、ピリダフェンチオン、サリチオン、テトラ
クロルビンホス、トリクロルホン、プロモホス、プロペ
タンホスなどが、また、同じくカーバメイト系殺虫性化
合物の具体例としては、たとえば、BPMC、CPM
C、エチオフェンカーブ、MPMC、MTMC、プロメ
カルプ、スエップ、プロポキサー、NAC(カルバリ
ル)、XMC、IBPなどが、さらにピレスロイド系殺
虫性化合物の具体例としてはサイパーメスリン、サイフ
ェノトリン、デルタメスリン、フェンプロパスリン、フ
ェンバレレート、カデスリン、ペルメトリン、フェノト
リン、プロパルスリン、レスメスリン、シフルスリン、
アルファーメスリン、トラロメスリン、フルサイスリネ
ート、ビフェノトリン、サイハロスリン、フルメトリ
ン、フェンクルスリン、シクロプロトリン、フルバリネ
ート、エトフェンプロックス、シラネオファンなどがそ
れぞれ挙げられる。その他、メタアルデヒド、ヘキサフ
ルムロン、イミダクロプリド、ヒドラメチルノン、スル
フルラミドなども挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0009】本発明の誘引駆除剤における上記殺虫活性
成分の含有量は、使用する殺虫活性成分の殺虫活性や対
象害虫などを考慮して適宜決めることができるが、通常
0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%の
範囲である。
【0010】本発明の誘引駆除剤において使用すること
ができる酒粕としては、一般的に流通しているものであ
れば使用が可能であり、例えば、普通酒粕、本醸造酒
粕、純米酒酒粕、吟醸酒粕、大吟醸酒粕、融米酒粕等が
挙げられる。次にこれらの酒粕を得るための日本酒につ
いて説明する。普通酒は一般的に店頭に並んでおり、普
通酒の原材料に、醸造用のアルコールを添加したものを
普通醸造酒、更に醸造用糖類、有機酸、アミノ酸等の調
味料を加えたものを増醸酒という。また、本醸造酒は添
加するアルコールの量を一定量(白米1tあたり100%ア
ルコールとして120リットル)以下に制限したものであ
り、精米歩合が70%以下にしたものである。純米酒は
米、米麹、水のみで醸造した酒。アルコールは添加して
いない。吟醸酒はアルコール添加が無く、精米歩合が6
0%以下の酒であり、大吟醸酒は精米歩合が50%以下
とされるものを指している。これら清酒の中でも融米酒
は特に害虫の誘引剤として好ましい。融米酒は近年にな
り開発されたものであり、熱風及び/または熱湯及び/
または酵素で米を処理し、米を溶融させて製造した日本
酒である。これらの処理は米の中の澱粉・タンパク質等
の成分を変化させ、更に脂肪分を減少させる効果があ
る。また材料を無駄なく使用し、短時間に効率よく仕込
むために考案された方法で“焙炒造り”、“融米仕込
み”、“姫飯造り”等が挙げられる。これらの方法は米
を溶融する工程があり同じ発想から生じている。例え
ば、焙炒造りとはお米を10%程度精米し、そこで熱風
を当てて米を溶解し、仕込む方法(日本酒用語辞典:製
法特許第1816776号(宝酒造(株)))であり、
融米造りは、酵素を用いて米の澱粉を液状化させる仕込
み方法であり、更に姫飯造りは熱湯で米を溶融させる仕
込み方法(日本酒用語辞典)であり、仕込み方法によっ
て酒粕の成分は様々に変わる。
【0011】酒粕中には一般的にタンパク質、糖類など
の乾燥固形分以外に、主に水分、エタノール、その他に
微量成分としてシュウ酸、リン酸、クエン酸、リンゴ
酸、コハク酸、乳酸、酢酸、ピログルタミン酸、ピルビ
ン酸等の有機酸類、香気成分としてアセトアルデヒド、
酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸エステル、n−プロ
パノール、i−ブタノール、酢酸イソアミル、i−アミ
ルアルコール、カプロン酸エチル、カプリル酸エチルな
どが含まれているが、これらの成分を含有している酒粕
がより好ましい。腹足綱動物に対してはこれらの成分を
単独または2〜3成分を組み合わせて誘引剤として用い
ても誘引性が弱いことから、酒粕特有の種々の成分が様
々な比率で複合した香気に引き寄せられていると考えら
れている。
【0012】本発明の粒状誘引駆除剤のエタノール含有
量は、粒状誘引駆除剤中に通常0.001〜5重量%、
好ましくは0.1〜3重量%である。この範囲のエタノ
ールを含有させることによって、害虫に対する誘引力が
増し、非常に有効である。このエタノール含有量は香気
成分の含有量の一つの目安として確認するのに有効であ
る。
【0013】エタノール含有量を0.001〜5重量%
に保持するためには、粒状誘引駆除剤中の水分含有量が
1〜20重量%、酒粕の乾燥固形分含有量を30〜90
重量%にすることが好ましい。これは酒粕中に多量に存
在する水分(約20〜70重量%)を乾燥機等で粒状誘
引駆除剤作製時に除去する際に、乾燥後の粒状誘引駆除
剤中の水分含有量が1〜20重量%及び酒粕の乾燥固形
分含有量を30〜90重量%の範囲でない場合には以下
の問題が生じるおそれがあるからである。水分含有量が
1重量%未満では乾燥時に水分と共に揮発性の強いエタ
ノール等の誘引成分が除去され(即ちエタノール含有量
が0.001重量%未満となり)誘引力が著しく下がる
おそれがある。また、水分含有量が20重量%より多い
場合には粒状誘引駆除剤の強度が低下し、保存時のブロ
ッキング、粒の崩壊等の物理的な問題が生じるおそれが
ある。また、粒状誘引駆除剤中の酒粕乾燥固形分含有量
が30重量%未満では害虫の誘引力の大幅な低下をもた
らし、90重量%超では粒剤作製時の長時間の乾燥が必
要になりエタノール含有量が0.001重量%未満にな
るおそれがある。また、エタノールの含有量は、粒状誘
引駆除剤に日本酒もしくはエタノール等の香気成分など
を添加するなどして調整することもできる。
【0014】本発明の粒状誘引駆除剤の優れた誘引効果
を保持しつつ適切な粒剤の物理性(粒剤の硬度等)、製
造の容易性を確保するためには、吸油量が100ml以
上/100g、より好ましくは吸油量が100〜300
ml/100gである担体を用いることが好ましい。用
いる酒粕は含水分量が約20〜70重量%であり、吸油
量が100ml/100g未満では、エタノール等の揮
発分の保持が悪く、水分吸収率も良好でないため、粒剤
の硬度が軟らかく、保存時の粒剤のブロッキング、輸送
時における粒の崩壊、更には粒剤の製造時の造粒性不良
等の問題が生じる。また吸油量が低いと適切な吸油量を
保持するためには多量の担体使用が必要となる。ところ
が、吸油量が100ml以上/100gの担体を用いる
ことは、粒剤の硬度が良好で、粒のブロッキングや崩壊
等の問題がなく、造粒性が良好な粒状物を得る上で一層
有効である。
【0015】本発明で用いる担体の吸油量の測定法は、
サンプル2gを精密に量り、ガラス板(約250×25
0×10mm)上に取り、精製アマニ油(酸価1以下)を
ビュレットから少量づつサンプルの中央部分に添加し、
その都度全体を鋼製ヘラで十分練り合わせる。添加、練
り合わせの作業を繰り返して全体がはじめて固いパテ状
の一つの塊となり、更にアマニ油の1滴で急激に硬くな
り、ガラス板に粘り着く直前を終点とし、要した精製ア
マニ油の量を求め、本品100gに対する精製アマニ油
の量に換算して吸油量とする。
【0016】本発明の粒状誘引駆除剤に用いることがで
きる担体には、可食性担体と非可食性担体とがある。可
食性担体としては、ホワイトカーボン、無水酸化アルミ
ニウム、デンプン類、糖類、油脂類等を1種または2種
以上組み合わせたものが挙げられる。デンプン類として
はパン粉、小麦粉、トウモロコシ粉等の穀物粉、ジャガ
イモの粉等が、糖類としては砂糖、乳糖、グルコース、
マルトース、蜂蜜等が、油脂類としては牛脂、脂肪酸
(ステアリン酸、パルミチン酸)等がそれぞれ挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。これら可食性担
体より選ばれる1種以上を用いることで害虫の摂食を阻
害しない摂食性に優れる粒状誘引駆除剤が得られる。害
虫はクレー、タルク等の粘土質物質を多く含有している
と、誘引物質に誘引されるが、誘引駆除剤中の害虫の好
む可食性部分を摂食する傾向があり、可食性部分が少な
い場合には、摂食可能な部分が小さくなり、それに伴い
害虫の摂食量も減少し、十分な効力を発現させるために
は誘引駆除剤の施用量を多くする必要が生じる。
【0017】これら各種可食性担体の中でも、害虫が忌
避することなく誘引物質及び農薬活性成分を摂食する物
質としてホワイトカーボン及び無水酸化アルミニウムが
担体としてより好ましい。また、担体としてこのホワイ
トカーボン及び無水酸化アルミニウムより選ばれる1種
以上を用いると、粒状物に用いる担体の50重量%以上
であれば、害虫の摂食不良は見られないことも明らかに
なった。本発明で用いることができるホワイトカーボン
の例としては、カープレックス(商品名、塩野義製薬
製)、トクシール(商品名、徳山曹達製)、Nipsil(商
品名、日本シリカ工業製)ゼオシール(商品名、多木化
学製)などが挙げられるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0018】本発明の誘引駆除剤においてホワイトカー
ボン及び無水酸化アルミニウム以外の担体としては、珪
藻土、ベントナイト等を1種または2種以上組み合わせ
たものが挙げられる。また、結晶性セルロース、タル
ク、クレー、カオリン、ゼオライト等も任意に組み合わ
せ使用することが可能である。また、対象害虫が水中や
水面に生息している場合には、本発明の誘引駆除剤に浮
遊性物質を含有させ、水面や水中に漂わせ誘引し駆除す
る方法もある。この浮遊性物質としては水に浮くもので
あれば適しており、例えば高分子中空体であるマツモト
マイクロスフェアー(商品名、松本油脂製薬製)、シラ
スバルーン、バーミキュライト、木粉などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0019】本発明の誘引駆除剤はその他に必要によ
り、着色剤、酸化防止剤、保存剤、誤食防止剤などを単
独または組み合わせて使用することができる。例えば、
着色剤としては、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化
クロムなどの無機顔料や食用赤色2号、食用赤色3号、
食用緑色3号、食用青色1号等の食用色素、クロロフィ
ル、リボフラビン、ベニバナ等の天然色素などが、酸化
防止剤としては、2,6−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール、n−オクタデシル 3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、アル
キルジフェニルアミン、ジトリデシル 3,3’−チオ
ジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール
などが、防菌防黴剤としては、ソルビン酸及びその塩、
安息香酸及びその塩、デヒドロ酢酸及びその塩、パラオ
キシ安息香酸エステル類、チアベンダゾール、BIT、
チアゾロン、BNPK、ネオメッキンス(上野製薬
(株)製)、ホクサイトLX−2(北興化学工業(株)
製)、デルトップ、デルトップ33(以上、武田薬品工
業(株)製)、ビオサイド800A、ビオサイド800
S(以上、台商(株)製)、プロクセルCRL、プロク
セルGXL、プロクセルBDN、プロクセルXL−2、
プロクセルTN(以上、アイ・シー・アイ社製)、バイ
オタック、バイオエース、バイオホープ(以上、ケイ・
アイ化成(株)製)などが、誤食防止剤としては唐辛子
粉末、フロキシン、タートランジ、β−カロチン、デナ
トニウムベンゾエートなどがそれぞれ使用できる。
【0020】本発明の誘引駆除剤は流通や保管の便など
のために包材によって包装しておくことができる。この
ような目的のために使用しうる包材としては、一般の農
薬の分野において包材として用いられるものなどが挙げ
られるが、本発明の誘引駆除剤中の揮発性成分、特に、
酒粕中のエタノールやその他の香気成分が流通や保管の
際に揮散しないためには、ガスバリア性のある包材を採
用することが好ましい。
【0021】ガスバリア性のある包材としては、酸素透
過量(MOCON法)が好ましくは1000ml/m2・24hr・atm以
下、より好ましくは500ml/m2・24hr・atm以下、更に好
ましくは250ml/m2・24hr・atm以下のものがよい。酸素
透過量(MOCON法)が1000ml/m2・24hr・atm以下の包材
を用いて本発明の誘引駆除剤を包装したものを40℃恒温
槽での加速過酷保存試験(3ヶ月)したところ、重量変
化:0.5重量%以下、エタノール含有量:0.001
重量%以上を維持した。
【0022】また、本発明の誘引駆除剤は保存時に熟成
が進むと酒粕から炭酸ガス等が発生し、包装袋を破裂さ
せてしまうことがあるため、密閉性の高い包材を使用す
る場合には炭酸ガス等の透過性があり、尚かつ香気成分
が逃れない状態にすることが好ましい。このため、炭酸
ガス透過量が10ml/m2・24hr・atm以上、好ましくは100m
l/m2・24hr・atm以上の包材を用いるのがよい。炭酸ガ
ス透過量が少なく破裂しやすい包材を用いる場合は、包
材に穴を1カ所或いは2ヶ所以上開ければ対処ができる
が、揮発性成分の揮散を考慮して、その開穴面積が1平
方センチメートル辺り0.00002cm2以下(0.00002cm2/cm2
以下)にするのが好ましい。
【0023】以上、述べたような包材の例としては以下
のものが挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン
(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(P
C)、エチレン・ビニルアルコールランダム共重合樹脂
(EvOH)、塩化ビニリデン共重合体(PVDC)、ポリ塩化
ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイ
ロン(ポリアミド)、ポリアクリロニトリル(PAN)、アル
ミ箔更にこれら包材のアルミ蒸着フィルムやシリカ蒸着
フィルムなどが挙げられる。これらの包材はフィルムの
厚さを調整したり、さらには酸素透過度が低いフィルム
とのラミネートフィルム化、共押し出し処理、コーティ
ング化を行い、フィルムの多層化を行うことで、酸素透
過度が1000ml/m2・24hr・atmを超えてる包材を利用する
ことができる。
【0024】上記の包材による誘引駆除剤の包装形態は
特に限定はなく、包材を袋状にして誘引駆除剤を包み込
む包装形態、包材をボトル形状にして誘引駆除剤を充填
する包装形態などが挙げられる。ボトルを用いた包装形
態を採用する場合、上記の包材よりなる蓋を用いたり、
ボトルの口の部分をシールしたりすることにより密封す
ることができる。なお、ボトルの口の部分のシールを行
わず蓋(内蓋及び外蓋、もしくは外蓋のみ)を使用する
場合には、ボトルの蓋部分の非常に僅かな隙間から炭酸
ガス等が排出されるため、開穴処理と同様な効果が期待
でき、炭酸ガスの透過量が低く破裂しやすい包材でも開
穴を行うことなく用いることができる。
【0025】また、上記のような包材を使用すれば、包
材への包装時に誘引駆除剤のエタノール含有量が0.0
01重量%以下の場合でも、保存時に発酵が進み香気成
分を生産するのに伴い香気成分中のエタノール含有量が
増加して0.001重量%以上にすることができる。
【0026】次に本発明の誘引駆除剤の製造法について
説明する。本発明の誘引駆除剤の製造方法としては、乾
式造粒法及び湿式造粒法などがあげられる。
【0027】乾式造粒法としては以下の方法などがあげ
られる。 (1)殺虫活性成分、酒粕、必要によりエタノール及び
/または日本酒、担体を加え、乾式造粒が可能な状態
(原材料がさらさらな状態)に調整し、更に必要に応じ
誤食防止剤、防菌防黴剤等のその他成分を加え、混合機
(スパルタンリューザー及び/またはニーダー)で均一
に混合し、混合物を打錠機を用いて錠剤を製造する方
法。更に必要に応じ、破砕機(フラッシュミル)で製粒
し、フルイで篩い粒状誘引駆除剤を得る方法。 (2)殺虫活性成分、酒粕、必要によりエタノール及び
/または日本酒、担体を加え、乾式造粒が可能な状態に
調整し、更に必要に応じ誤食防止剤、防菌防黴剤等のそ
の他成分を加え、混合機(スパルタンリューザー及び/
またはニーダー)で均一に混合し、圧縮機(ブリケット
マシーン)で圧縮物を作製し、破砕機(フラッシュミ
ル)で製粒し、フルイで篩い粒状誘引駆除剤を得る方
法。 (3)殺虫活性成分、酒粕、必要によりエタノール及び
/または日本酒、担体を加え、乾式造粒が可能な状態に
調整し、更に必要に応じ誤食防止剤、防菌防黴剤等のそ
の他成分を加え、混合機(スパルタンリューザー及び/
またはニーダー)で均一に混合し、造粒機(ディスクペ
レッター)で造粒を行い、破砕機(フラッシュミル)で
製粒し、フルイで篩い粒状誘引駆除剤を得る方法。
【0028】湿式造粒法としては以下の方法などがあげ
られる。
【0029】(1)殺虫活性成分、酒粕、必要によりエ
タノール及び/または日本酒、担体を加え、湿式造粒が
可能な状態(酒粕含有の水分を利用して加水せずに造粒
できる状態:乾式造粒混合品よりも湿った状態)に調整
し、更に必要に応じ誤食防止剤、防菌防黴剤等のその他
成分を加え、混合機(スパルタンリューザー及び/また
はニーダー)で均一に混合し、横だし造粒機(EXDS
−60型:不二パウダル製)で造粒を行い、破砕機(フ
ラッシュミル:不二パウダル製)または整粒機(マルメ
ライザー:不二パウダル製)で整粒し、流動層乾燥機
(ミゼットドライヤー:不二パウダル製)で乾燥を行
い、フルイで篩い粒状誘引駆除剤を得る方法。
【0030】(2)殺虫活性成分、酒粕、必要によりエ
タノール及び/または日本酒、担体を加え、湿式造粒が
可能な状態に調整し、更に必要に応じ誤食防止剤、防菌
防黴剤等のその他成分を加え、混合機(スパルタンリュ
ーザー及び/またはニーダー)で均一に混合し、造粒機
(ディスクペレッター:不二パウダル製)で造粒を行
い、破砕機(フラッシュミル:不二パウダル製)で製粒
し、流動層乾燥機(ミゼットドライヤー:不二パウダル
製)で乾燥後、フルイで篩い粒状誘引駆除剤を得る方
法。
【0031】本発明の粒状誘引駆除剤の粒径は、誘引物
質の残存性、使用者の散布性及び害虫の喫食しやすさな
どの観点から、0.5〜4mmであることが好ましい。
粒径が0.5mm未満であると、重量当りの表面積が大
きいため誘引物質の揮散が著しくなり、残効性が悪化し
たり、粒状誘引駆除剤の散布性が悪くなる傾向がみら
れ、また粒径が4mmより大きい場合には、重量当りの
表面積の低下により、害虫の摂食量が低下し、効力的に
不十分になる傾向がみられる。
【0032】本発明の粒状誘引駆除剤は、ナメクジ、フ
タスジナメクジ、キイロナメクジ、アシヒダナメクジ、
ノナメクジ、コウラナメクジ、チャコウラナメクジ、ウ
スカワマイマイ、オナジマイマイ、ヒダリマキマイマ
イ、オオケマイマイ、ミスジマイマイ、オカチョウジガ
イ、アフリカマイマイ、ジャンボタニシなどの腹足綱動
物に非常に効果が高く、更に土壌表面に生息または移動
し作物を加害するヤガ科に代表される鱗翅目害虫、ダン
ゴムシ科に代表される等脚目害虫、オサムシ科に代表さ
れる甲虫目害虫、コオロギ科に代表される直翅目害虫に
も使用できる。
【0033】本発明品の粒状誘引駆除剤を害虫が発生す
る場所に施用すると、誘引物質に誘われた害虫が誘引剤
に集まり、摂食し、死に至たる。粒状誘引駆除剤はその
まま散布したり、カップなどの容器に入れて使用するこ
とができる。また、施用量は、好ましくは1平方メート
ル当り0.1〜10g、より好ましくは1平方メートル
当り1〜5gである。特に湿った地面に直接施用する場
合、酒粕を含有する本発明の誘引駆除剤はカビが生える
おそれがある。カビが生えても効力的には問題はない
が、誘引駆除剤を容器等に入れ、地面に直接触れないよ
うに使用するとカビの発生は著しく抑えられる。この場
合、使用するカップはナメクジが入りやすい高さである
必要があり、高さが5cm以下のものが好ましく、高さ
2cm以下が更に好ましい。
【0034】
【実施例】実施例により本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこの実施例のみに限定されるものではな
い。実験例1では本発明誘引駆除剤の効力比較試験を、
実験例2では包材試験を行った。
【実験例1】効力比較試験
【0035】実施例1 メタアルデヒド5重量部、普通酒粕(乾燥固形分60
%、大宮池上製)89.6重量部、カープレックス#1
00(商品名、塩野義製薬製、ホワイトカーボン)35
重量部を混合し、これを横出し造粒機で造粒し、篩別を
行い、流動層乾燥機で乾燥し、酒粕乾燥固形分53.8
重量%、水分6重量%、エタノール0.2重量%を含有
し、粒径1〜1.5mmの本発明の粒状の誘引駆除剤を
得た。
【0036】実施例2 メタアルデヒド5重量部、普通酒粕(乾燥固形分51
%、千駒酒造場製)92重量部、トクシールU(商品
名、徳山曹達製、ホワイトカーボン)30重量部を混合
し、これを横出し造粒機で造粒し、篩別を行い、流動層
乾燥機で乾燥し、その後日本酒3重量部を加えた。酒粕
乾燥固形分46.5重量%、水分14重量%、エタノー
ル4.5重量%を含有する、本発明の粒状の誘引駆除剤
を得た。
【0037】実施例3 メタアルデヒド5重量部、吟醸酒粕(乾燥固形分75
%、月桂冠製)116重量部を混合し、これをディスク
ペレッターで造粒し、篩別を行い、流動層乾燥機で乾燥
し、酒粕乾燥固形分87重量%、水分6.5重量%、エ
タノール1.5重量%を含有し、粒径1〜3mmの本発
明の粒状の誘引駆除剤を得た。
【0038】実施例4 メタアルデヒド1.25重量部、普通酒粕(乾燥固形分
60%、宝酒造製)92.6重量部、カープレックス#
100(商品名、塩野義製薬製、ホワイトカーボン)3
5重量部を混合し、これを横出し造粒機で造粒し、篩別
を行い、流動層乾燥機で乾燥した。酒粕乾燥固形分5
5.6重量%、水分5重量%、エタノール3.2重量%
を含有し、粒径0.5〜1mmの本発明の粒状の誘引駆
除剤を得た。
【0039】実施例5 メタアルデヒド0.625重量部、普通酒粕(乾燥固形
分70%、宝酒造製)102重量部、カープレックス#
100(商品名、塩野義製薬製、ホワイトカーボン)2
0重量部を混合し、これを横出し造粒機で造粒し、篩別
を行い、流動層乾燥機で乾燥し、酒粕乾燥固形分71.
7重量%、水分6.7重量%、エタノール1重量%を含
有し、粒径0.5〜1mmの本発明の粒状の誘引駆除剤
を得た。
【0040】実施例6 NAC0.625重量部、融米酒粕(乾燥固形分70
%、宝酒造製)102重量部、カープレックス#100
(商品名、塩野義製薬製、ホワイトカーボン)20重量
部を混合し、これを横出し造粒機で造粒し、篩別を行
い、流動層乾燥機で乾燥し、フラッシュミルで破砕し、
破砕物を打錠機で打錠し、酒粕乾燥固形分71.7重量
%、水分1重量%、エタノール0.2重量%を含有し、
直径2mmの本発明の誘引駆除剤を得た。
【0041】実施例7 NAC5重量部、融米酒粕(乾燥固形分75%、宝酒造
製)116重量部、カープレックス#80(商品名、塩
野義製薬製、ホワイトカーボン)30重量部を混合し、
これを横出し造粒機で造粒し、篩別を行い、流動層乾燥
機で乾燥した。酒粕乾燥固形分66重量%、水分7重量
%、エタノール0.05重量%を含有し、粒径2mmの
本発明の粒状誘引駆除剤を得た。
【0042】実施例8 メタアルデヒド5重量部、普通酒粕(乾燥固形分60
%、勝山酒造場製)95重量部、カープレックス#10
0(商品名、塩野義製薬製、ホワイトカーボン)35重
量部を混合し、これを横出し造粒機で造粒し、篩別を行
い、流動層乾燥機で乾燥した。乾燥後、フラッシュミル
で破砕し、破砕物を打錠機で打錠し、酒粕乾燥固形分5
5重量%、水分5重量%、エタノール0.5重量%を含
有し、直径2mmの本発明の誘引駆除剤を得た。
【0043】比較例1(特開平10−25207記載の
実施例1に対応) メタアルデヒド5.3重量部、普通酒粕(乾燥固形分6
5%、勝山酒造場製)75重量部、昭和クレー(商品
名、昭和ケミカル製、クレー)及びキサンタンガム2
0.7重量部を混合し、これを横出し造粒機で造粒し
た。酒粕乾燥固形分48重量%、水分20重量%、エタ
ノール7重量%を含有する粒状の誘引駆除剤を得た。
【0044】比較例2 メタアルデヒド5重量部、ふすま(日糖製粉製)65重
量部、クレー29.5重量部、キサンタンガム0.5重
量部を混合し、これを横出し造粒機で造粒し、篩別を行
い、流動層乾燥機で乾燥し、粒径1mmの粒剤を得た。
【0045】比較例3 メタアルデヒド5重量部、米糠55重量部、煮干しの粉
38重量部、キサンタンガム2重量部を混合し、これを
横出し造粒機で造粒し、篩別を行い、流動層乾燥機で乾
燥し、粒径1mmの粒剤を得た。
【0046】試験1 試験温度:気温:13℃(低温時)、気温:20℃
(最高気温) 試験場所:雑木林内 試験方法:プラスチックカップ(直径7.5cm、高さ
4cm)に前記で得られた各製剤1gづつを入れ、ナメ
クジ(チャコウラナメクジ、ノナメクジ)が発生する場
所に1m間隔で、4カ所(A地点〜D地点)に設置し
た。 調査方法:上記各温度において設置してから1日後にカ
ップ内で誘殺されているナメクジ数を数えた。
【0047】 第1表 各製剤のナメクジの誘殺試験結果 ナメクジの誘殺数(匹) (13℃) (20℃) A B C D 合計 A B C D 合計 実施例1 3 5 7 4 19 8 10 7 8 33 実施例2 7 2 5 8 22 9 5 8 8 30 実施例3 6 3 3 9 21 10 8 7 9 34 実施例4 3 8 5 6 22 7 12 10 5 34 実施例5 5 5 4 5 19 5 9 7 9 30 比較例1 3 0 0 0 3 2 5 3 4 14 比較例2 0 0 0 0 0 0 0 2 1 3 比較例3 0 0 0 0 0 1 1 0 0 2
【0048】第1表より、実施例1〜5は、比較例1よ
りも2倍以上の効力があり、更にナメクジの行動が鈍い
低温時の日でも誘殺された個体が多く、優れた効果が認
められた。また、比較例2,3よりも安定的に効力を示
した。又、メタアルデヒド含有量が1.25%、0.6
25%(実施例4及び5)と低濃度でも、その誘殺効果
はメタアルデヒド含有量が5%(実施例1〜3)と変わ
らず、比較例よりも殺虫活性成分量で比較すると5倍以
上の効果があり、優れた誘引性を有しているといえる。
【0049】試験2 試験温度:気温:15℃〜18℃ 試験場所:芝生 試験方法:プラスチックカップ(直径7.5cm、高さ
4cm)に前記で得られた各製剤1gづつを入れ、ナメ
クジ(チャコウラナメクジ、ノナメクジ)が発生する場
所に1m間隔で、4カ所(A地点〜D地点)に設置し
た。 調査方法:上記各温度において設置してから1日後にカ
ップ内で誘殺されているナメクジ数を数えた。
【0050】
【0051】第2表より、実施例1、3、6は、比較例
よりも誘殺数に大きな差がみられた。低温時での誘引性
が再確認された。又、剤形が粒でも錠剤でも効果に差は
みられなかった。
【0052】試験3 試験期日:気温:20℃〜25℃(最低〜最高気温) 試験場所:芝生 試験方法:プラスチックカップ(直径7.5cm、高さ
4cm)に実施例1の誘引駆除剤を1g、比較例1〜3
の各誘引駆除剤をそれぞれ2g、比較例4、5をそれぞ
れ4gづつ入れ、ナメクジ(チャコウラナメクジ、ナメ
クジ)が発生する場所に1m間隔で5カ所(A地点〜E
地点)に設置した。 調査方法:設置してから1日後にカップ内で誘殺されて
いるナメクジ数を数えた。
【0053】 第3表 各製剤の施用量とナメクジの誘殺数との関係 ナメクジの誘殺数(匹) 施用量g A B C D E 合計 実施例1 1 8 13 17 22 12 72 比較例1 2 3 5 6 5 3 22 比較例2 4 0 3 0 2 1 6 比較例3 4 0 0 0 0 1 1
【0054】第3表より、本発明の誘引駆除剤(実施例
1)は、施用量が比較例1〜3の1/2〜1/4でも効
力的に勝ることが明らかになった。
【0055】
【実験例2】包材試験
【0056】実施例9 実施例1の誘引駆除剤500gをEvOH(酸素透過量1.0ml/m2
・24hr・atm)製の包材(縦240cm×横170cm)に封入し
た。
【0057】実施例10 実施例1の誘引駆除剤500gをEvOH(酸素透過量1.0ml/m2
・24hr・atm)製の包材(縦240cm×横170cm)に封入
し、直径0.4mmの穴を開けた(0.000003cm2/cm2)。
【0058】実施例11 実施例1の誘引駆除剤500gをポリエチレン・ナイロンラ
ミネートフィルム(酸素透過量750ml/m2・24hr・atm)
製の包材(縦240cm×横170cm)に封入した。
【0059】実施例12 実施例1の誘引駆除剤500gをPET/PE/Al/PE(酸素透過量
0.2ml/m2・24hr・atm)製の包材(縦240cm×横170cm)
に封入し、直径0.3mmの穴を開けた(0.00000055cm2/c
m2)。
【0060】実施例13 実施例1の誘引駆除剤100gをHDPE(酸素透過量250ml/m2
・・24hr・atm)製の200mlボトルに封入した。
【0061】実施例14 実施例1の誘引駆除剤500gをEvOH(酸素透過量1.0ml/m2
・24hr・atm)製の包材(縦240cm×横170cm)に封入
し、直径2.0mmの穴を開けた(0.000077cm2/cm2)。
【0062】実施例15 実施例1の誘引駆除剤500gをEvOH(酸素透過量1.0ml/m2
・24hr・atm)製の包材(縦240cm×横170cm)に封入
し、直径1.2mmの穴を開けた(0.000028cm2/cm2)。
【0063】実施例16 実施例1の誘引駆除剤500gをPET/PE/Al/PE(酸素透過量
0.2ml/m2・24hr・atm)製の包材(縦240cm×横170cm)
に封入した。
【0064】実施例17 実施例1の誘引駆除剤500gをLDPE(酸素透過量10000ml/
m2・24hr・atm)製の包材(縦240cm×横170cm)に封入
した。
【0065】実施例18 実施例1の誘引駆除剤500gをHDPE(酸素透過量2300ml/m
2・24hr・atm)製の包材(縦240cm×横170cm)に封入し
た。
【0066】実施例19 実施例1の誘引駆除剤100gをHDPE(酸素透過量1200ml/m
2・24hr・atm)製の200mlボトルに封入した。
【0067】試験4 試験方法:各誘引駆除剤入りの包装袋を40℃恒温槽に
3ヶ月保存し、保存終了後、保存前後の重量測定、エタ
ノール含量測定及び上記試験2記載の方法で効力比較を
行った(気温20℃〜28℃)。
【0068】 第4表 各包装袋の重量変化とナメクジの誘殺数との関係 ナメクジの誘殺数(匹) 保 存 後 A B C D 合計 重量減率 EtOH含量 実施例9 10 15 13 19 57 0.0% 0.25 % 実施例10 15 12 15 20 62 0.2% 0.28 % 実施例11 20 11 11 22 64 0.2% 0.35 % 実施例12 9 15 17 15 56 0.3% 0.35 % 実施例13 16 13 20 13 62 0.3% 0.30 % 実施例14 5 3 6 3 17 3.0% 0.0008 % 実施例15 5 3 6 3 17 2.5% 0.0005 % 実施例16 0 1 0 0 1 破 裂 0.000 % 実施例17 1 0 0 0 1 5.3% 0.000 % 実施例18 0 0 2 0 2 2.8% 0.000 % 実施例19 0 0 3 0 3 3.0% 0.000 %
【0069】第4表より、実施例9〜13は実施例14
〜19に比べ明らかにナメクジの誘殺力に優れた。ま
た、保存後の重量変化も実施例9〜13は0.5%以下
であり良好であった。この結果より酸素透過度が1000ml
/m2・24hr・atm以下が包材としては適しており、更に、
酸素透過度が低く、炭酸ガス透過度も低い包材で破裂し
やすい包材については場合によっては開穴面積が1平方
センチメートル辺り0.00002cm2以下にして穴を開ければ
エタノール含有量を維持して効力低下を抑えることがで
きることが明らかになった。また、実施例9〜13の保
存後のエタノール含有量が初期の0.2%より若干増加
しているが、これは酒粕中の酵母の活動によりエタノー
ルを含む香気成分が生産されたものと考えられる。
【0070】
【発明の効果】本発明の誘引駆除剤は、従来の誘引駆除
剤に比べ非常に優れた誘殺力があり、誘引力のふれが少
なく、低温時でも高温多雨時の夏場と誘引性に差が少な
い。また、より安定的に効力が保持でき、効果的に害虫
を駆除することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】農薬活性成分及び酒粕を含有する誘引駆除
    剤であって、誘引駆除剤中のエタノールの含有量が0.
    001〜5重量%、水の含有量が1〜20重量%、前記
    酒粕の乾燥固形分が30〜90重量%である造粒した粒
    状誘引駆除剤。
  2. 【請求項2】さらに吸油量が100ml以上/100g
    である担体を5〜40重量%含有する請求項1記載の粒
    状誘引駆除剤。
  3. 【請求項3】前記担体の50重量%以上が、1種以上の
    可食性担体である請求項2に記載の粒状誘引駆除剤。
  4. 【請求項4】前記担体の50重量%以上が、ホワイトカ
    ーボン及び無水酸化アルミニウムからなる群より選ばれ
    る1種以上である請求項2に記載の粒状誘引駆除剤。
  5. 【請求項5】粒径が0.5〜4mmである請求項1乃至
    4のいずれか1項に記載の粒状誘引駆除剤。
  6. 【請求項6】酸素透過量が1000ml/m2・24hr・atm以下で
    ある包材によって包装されている請求項1乃至5のいず
    れか1項に記載の粒状誘引駆除剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005220125A (ja) * 2004-01-07 2005-08-18 Hokko Chem Ind Co Ltd 種籾粉衣に用いる農薬固形製剤
JP2006282618A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Nippon Nohyaku Co Ltd 農園芸用毒餌剤
JP2009161560A (ja) * 2009-04-20 2009-07-23 Kao Corp 腹足類の誘引剤および誘引・殺虫剤
JP2012209477A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Tokyo Electron Ltd 温度制御方法及びプラズマ処理システム
JP2021029191A (ja) * 2019-08-27 2021-03-01 アース製薬株式会社 害虫誘引剤

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