JP3257896B2 - 種子消毒用水和剤 - Google Patents
種子消毒用水和剤Info
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Description
分を含有する種子消毒用水和剤であって、この水和剤を
水で希釈して特に高濃度希釈液としたときに、一旦沈殿
した固体沈殿物を簡単な撹拌または振とうで水によく再
分散できる種子消毒用水和剤に関する。
は、種子消毒用農薬活性成分、界面活性剤およびクレー
などの鉱物質担体を用いて水和剤を調製し、これを水で
20〜200倍(水和剤1重量部に対して水19〜19
9重量部を意味する)に希釈した希釈液とし、これに種
籾を浸漬する方法が一般的に行われている。
るため、水和剤を水で3〜20倍に希釈した希釈液(以
下、これを従来の希釈液と対比して「高濃度希釈液」と
いう)とし、乾燥種籾重量の3%相当量を種子消毒用吹
き付け装置を用いて種子に吹き付ける方法が普及してき
ている。ところがクレーなどの鉱物質微粉末を担体とし
て調製したこれまでの水和剤を水で希釈して高濃度希釈
液を調製して種子吹き付けを行う場合、この希釈液を常
に撹拌しておかないと希釈液中で鉱物質微粉末や農薬活
性成分粒子の懸濁物が沈殿してしまう。しかも、作業終
了後に薬液タンクや吹き付け装置の薬液の流路に高濃度
希釈液が残っている場合には、これを放置しておくと希
釈液中に沈殿物が集積してハードケーキを生じる。した
がって、このような場合はこれを再分散させることが容
易ではなく、吹き付け装置を再起動することは極めて難
しい。
改良するため、クレーなどの鉱物質担体を含有する水和
剤に、分散剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロックポリマー硫酸エステルアンモニウム塩を
配合する方法(特公平02−44802号公報)やポリ
オキシエチレントリスチリルフェニルエーテルサルフェ
ートナトリウム塩を配合する方法(特開昭63−543
01号公報)などが知られている。
ル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ−1,3−ジオキソ
ロ(4,5−g)キノリン−7−カルボン酸を含み、且
つ(b)アルカリ金属またはアンモニウムの硫酸塩、硝
酸塩または塩化物などの水溶性無機塩と(c)界面活性
剤とを含む水和剤とすることにより、少容量の水で希釈
して高濃度希釈液にしたときに、ハードケーキなどの問
題のない種子処理用水和剤が得られることが知られてい
る(特開平5−124914号公報)。
ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤、ケイソウ土、
合成含水ケイ酸、糖類、デンプン、デキストリンなどの
不活性担体からなる種子処理用農薬水和剤を水で希釈す
るに際して、ポリオキシアルキレンの高級脂肪酸エステ
ル、特にそのモンタン酸エステルを加えて種子消毒用水
和剤の水希釈液を調製する方法が知られている(特開平
5−339104号公報)。
の既存の水和剤を種子吹き付け用に高濃度希釈液とした
場合、一旦生じた沈殿物の再分散性の点で必ずしも満足
しうるものではない。したがって、このような欠点のな
い種子消毒用水和剤の開発が望まれている。
水で希釈して高濃度希釈液を調製したときに生ずる沈殿
物を容易に再分散できる種子消毒用水和剤を提供するこ
とにある。
題を解決すべく鋭意検討した。その結果、下記に示す組
成と特性とを有する水和剤を調合すると、これを水で種
々の濃度となるように高濃度希釈液を調製しても、いず
れの場合でも、水で希釈したときに生ずる沈殿物を撹拌
するだけで容易に再分散させることができることを見い
だし、本発明を完成した。
下記の〜の組成、すなわち、 農薬活性成分、 水溶性増量剤として、尿素、糖類および変性デンプン
類から選ばれた少なくとも1種、 非イオン性界面活性剤および/または陰イオン性界面
活性剤、からなる水和剤であって、該水和剤を10重量
倍の水へ分散させて得た希釈液の表面張力が20℃で2
5〜55mN/mの範囲になる量の界面活性剤を添加し
てなることを特徴とする、種子消毒用水和剤にある。
具体的に説明する。
ごま葉枯病などの種子病害や種子消毒による害虫防除に
用いられる農薬活性成分であれば使用することができ、
これらは1種または2種以上を併用してもよい。このよ
うな農薬活性成分としては、例えば次のものが挙げられ
る。 (イ)メチル−1−(n−ブチルカルバモイル)−2−
ベンゾイミダゾールカーバメート(以下「ベノミル」と
いう) (ロ)2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール(以
下「チアベンダゾール」という) (ハ)2−(メトキシカルボニルアミノ)ベンゾイミダ
ゾール(以下「MBC」という) (ニ)1,2−ビス(3−メトキシカルボニル−2−チ
オウレイド)ベンゼン(以下「チオファネートメチル」
という) (ホ)ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド
(以下「チウラム」という) (ヘ)塩基性塩化銅 (ト)水酸化第二銅 (チ)(N−プロピル−N−[2−(2,4,6−トリ
クロロフェノキシ)エチル]イミダゾール−1−カルボ
キサミド(以下「プロクロラズ」という) (リ)(E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ
−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシ
エチリデン)−o−トルイジン(以下「トリフルミゾー
ル」という) (ヌ)2−(4−クロロベンジル)−5−イソプロピル
−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメ
チル)−1−シクロペンタノール(以下「イプコナゾー
ル」という) (ル)0,0−ジメチル−0−(3−メチル−4−ニト
ロフェニル)チオホスフェート(以下「フェニトロチオ
ン」という)
の化学名および( )内の一般名は「農薬ハンドブッ
ク」(1992年7月30日、日本植物防疫協会発行)
などに、また上記(ヌ)の化合物は、特開平1−935
74号公報などにそれぞれ記載されている化合物であ
る。
量は特に限定されるものではないが、水和剤の全組成中
に5〜50重量%である。
量剤として、尿素、糖類または変性デンプン類を使用す
ることができる。有効に用いることができる糖類または
変性デンプン類とは、20℃の水に対する溶解度が10
%以上の糖類および変性デンプン類である。具体的に
は、糖類としては、ブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖など
がある。また変性デンプン類としては、デキストリン、
酸分解デンプン、酸化デンプン、α化デンプン、デンプ
ン誘導体などが挙げられる。
デンプン類はおのおの1種または2種以上を併用しても
よい。また、これらの水溶性増量剤は、農薬活性成分の
1重量部に対して0.2〜20重量部、好ましくは0.
5〜5重量部の比率で配合できる。また、水和剤の全組
成中に25〜90重量の割合で含有することが好まし
い。
非イオン性界面活性剤または陰イオン性界面活性剤か、
この両剤を併用することができ、いずれの場合も本発明
の水和剤に水和性、湿潤性を付与するため通常用いられ
るものであればよく、特に限定されるものではない。そ
の例としては、次のようなものが挙げられる。
レン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアリールフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコー
ルポリプロピレングリコールブロックポリマーなどが挙
げられるが、好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアリールフェニ
ルエーテルである。
エーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル
硫酸塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル
サルフェートアンモニウム塩、ポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールブロックポリマー硫酸塩、リ
グニンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネー
ト、アルキルナフタレンスルホネートホルマリン縮合
物、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、アルキ
ルベンゼンスルホネート、ポリオキシエチレンアリール
フェニルエーテルスルホネート塩、ポリオキシエチレン
アリールフェニルエーテルホスフェートなどが挙げられ
るが、好ましくは、リグニンスルホネート、ナフタレン
スルホネートホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンア
リールフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
リールフェニルエーテルホスフェートである。
わせて用いることができる。その好ましい組み合わせの
例としては、非イオン性界面活性剤としてポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステルと陰イオン性界面活性
剤としてリグニンスルホネートまたはナフタレンスルホ
ネートホルマリン縮合物の併用である。
性剤もしくは陰イオン性界面活性剤の単独またはこれら
を併用して、本発明の水和剤の1重量部に水10重量部
を加えて分散させて得られた希釈液(10重量倍の水へ
の希釈液)の表面張力が20℃で25〜55mN/m
(ミリニュートン/メートル)の範囲となるのに十分な
量を水和剤に添加すればよい。そしてその量は、農薬活
性成分の1重量部に対して0.05〜5重量部、好まし
くは0.1〜3重量部である。また、界面活性剤の量は
その効果と経済性の観点からみて水和剤の全組成中に
0.5〜50重量%、好ましくは1〜15重量%を添加
すればよい。
由としては、希釈液の表面張力が20℃で25mN/m
未満となると、固体粒子の分散性がわるく沈殿物も固く
なり、逆に希釈液の表面張力が20℃で55mN/mを
超えると、適当な水和性、分散性、種子への付着性が得
られず、沈殿物の再分散性もわるくなることが挙げられ
る。
ある場合は、液状物を担持するために吸油剤を添加する
ことができる。この場合、液状の農薬活性成分と界面活
性剤を先に加えて、これに吸油剤を加えてもよく、これ
を逆に加えて液状物を吸油剤に担持させてもよく、場合
により液状の農薬活性成分と界面活性剤を順序を換えて
吸油剤に吸油して用いてもよい。このような吸油剤とし
ては、ホワイトカーボンまたはシリカと通称される微粉
ケイ酸、ゼオライト、ケイソウ土などがあげられる。
は、通常の水和剤と同様に、農薬活性成分、非イオン性
界面活性剤および/または陰イオン性界面活性剤、水溶
性増量剤に、必要であればあらかじめ液体の農薬活性成
分と界面活性剤を単独または両方を上記したような吸油
剤に担持させ、あるいはその他の補助剤を加えて均一に
混合した後、微粉砕すればよい。また、通常の水和剤調
製用の装置により調製することができ、なんら特別の装
置を必要としない。この場合、微粉砕の方法としては、
ジェットオーマイザーのような気流式粉砕、ハンマーミ
ルのような衝撃式粉砕などが例として挙げられる。
て、例えば、酸化防止剤、光分解防止剤などの安定剤、
抑泡剤などを必要に応じて1種または2種以上を配合し
て用いてもよい。
オン性界面活性剤および/または陰イオン性界面活性剤
および水溶性増量剤が何らかの相互作用を発揮し、この
ことにより乳化分散粒子間に弱い凝集が生じ、粒子は見
かけ上は大きくなり、弱い凝集状態の沈殿となって、密
にはならないため、軽い撹拌または振とうにより再び水
中によく再分散できるようになると考えられる。
明はこれらの例示に限定されるものではない。
部を意味する。
脂肪酸エステル 5部および尿素 75部を混合し、ハ
ンマーミルで微粉砕して水和剤を得た。
脂肪酸エステル 3部、リグニンスルホネート[日本製
紙株式会社、商品名「サンエキス P252」(登録商
標)] 2部および尿素 75部を混合し、ハンマーミ
ルで微粉砕して水和剤を得た。
脂肪酸エステル 3部、リグニンスルホネート 4部お
よびデキストリン(松谷化学株式会社、商品名「パイン
デックス#3」) 63部を混合し、ハンマーミルで微
粉砕して水和剤を得た。
脂肪酸エステル 3部、ナフタレンスルホネートホルマ
リン縮合物 4部および尿素 63部を混合し、ハンマ
ーミルで微粉砕して水和剤を得た。
脂肪酸エステル 3部、ナフタレンスルホネートホルマ
リン縮合物 4部およびショ糖 63部を混合し、ハン
マーミルで微粉砕して水和剤を得た。
リールフェニルエーテルホスフェート 10部、微粉ケ
イ酸 5部、尿素 20部およびデキストリン45部を
混合し、ハンマーミルで微粉砕して水和剤を得た。
ルビタン脂肪酸エステル 5部、リグニンスルホネート
5部、尿素 20部およびショ糖 50部を混合し、
ハンマーミルで微粉砕して水和剤を得た。
リールフェニルエーテルホスフェート 5部、尿素 7
0部および微粉ケイ酸 5部を混合し、ハンマーミルで
微粉砕して水和剤を得た。
リールフェニルエーテルホスフェート 3部、ショ糖
72部および微粉ケイ酸 5部を混合し、ハンマーミル
で微粉砕して水和剤を得た。
リールフェニルエーテルホスフェート 5部、デキスト
リン 70部および微粉ケイ酸 5部を混合し、ハンマ
ーミルで微粉砕して水和剤を得た。
リールフェニルエーテルホスフェート 2部、尿素 2
5部、ショ糖 48部および微粉ケイ酸 5部を混合
し、ハンマーミルで微粉砕して水和剤を得た。
に希釈した高濃度希釈液を調製したとき、一旦撹拌した
後に静置しても、希釈液中の固体懸濁物が沈殿しにく
い。また、たとえ長時間放置した後に沈殿物が生じた場
合でも、沈殿物が固くならずにハードケーキを生じな
い。そのため、沈殿物を含む高濃度希釈液を撹拌すれば
沈殿物は容易に再分散できる。したがって、薬液タンク
や吹き付け機の薬液流路を目詰りさせることがなく、種
子吹き付け装置を簡単に再起動し、吹き付け作業を容易
に行うことができる。しかも、本発明の水和剤の高濃度
希釈液は適当な水和性、分散性および種子への付着性が
得られる。
剤と同様に水で20〜200倍に希釈したときにも再分
散性がよい。したがって、この希釈液に種籾を浸漬すれ
ば従来と同様に種子消毒できる。
水希釈液の表面張力と、水希釈時に生じた沈殿物の再分
散性を評価する試験例を示す。
スコにとり、実施例1〜11に準じて調製した水和剤1
0gを加えて密栓する。それを20回反復し、倒立して
水和剤を分散させ、希釈液とする。CBVP式表面張力
計A3型(協和界面科学株式会社製)により希釈液の表
面張力を20℃で測定する。その結果を表1〜2に示し
た。
じて調製した水和剤20gを入れ、水道水を加えて20
0mlに定容する。このシリンダーを20回反復して倒
立し、水和剤が水に分散された水希釈液を調製する。こ
れを15℃の恒温水槽中に48時間静置する。静置後、
シリンダーを反復して倒立させ、沈殿物が完全に水中に
再分散するのに要する倒立回数を求める。この倒立回数
が20回以下であれば、水和剤が吹き付け装置による吹
き付け作業に支障なく実用できる。
1の方法に準じて調製し、これらの水希釈液の表面張力
と沈殿物の再分散性を試験例1〜2と同様に測定した。
これらの結果も表3〜4に示す。
量剤、界面活性剤についてのみ表記し、吸油剤として用
いた微粉ケイ酸の使用とその量(100重量部より表中
の部数の含量を引いた残部)の記載は省略した。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の〜の組成、すなわち、 農薬活性成分、 水溶性増量剤として、尿素、糖類および変性デンプン
類から選ばれた少なくとも1種、 非イオン性界面活性剤および/または陰イオン性界面
活性剤、からなる水和剤であって、該水和剤を10重量
倍の水へ分散させて得た希釈液の表面張力が20℃で2
5〜55mN/mの範囲になる量の界面活性剤を添加し
てなることを特徴とする、種子消毒用水和剤。 - 【請求項2】 農薬活性成分が下記(イ)〜(ル)であ
る請求項1に記載の種子消毒用水和剤。 (イ)メチル−1−(n−ブチルカルバモイル)−2−
ベンゾイミダゾールカーバメート (ロ)2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール (ハ)2−(メトキシカルボニルアミノ)ベンゾイミダ
ゾール (ニ)1,2−ビス(3−メトキシカルボニル−2−チ
オウレイド)ベンゼン (ホ)ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド (ヘ)塩基性塩化銅 (ト)水酸化第二銅 (チ)N−プロピル−N−[2−(2,4,6−トリク
ロロフェノキシ)エチル]イミダゾール−1−カルボキ
サミド (リ)(E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ
−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシ
エチリデン)−o−トルイジン (ヌ)2−(4−クロロベンジル)−5−イソプロピル
−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメ
チル)−1−シクロペンタノール (ル)0,0−ジメチル−0−(3−メチル−4−ニト
ロフェニル)チオホスフェート - 【請求項3】 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、陰イオン性界面活性剤
がリグニンスルホネート、ナフタレンスルホネートホル
マリン縮合物またはポリオキシエチレンアリールフェニ
ルエーテルホスフェートであるか、または非イオン性界
面活性剤としてのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステルと、陰イオン性界面活性剤としてのリグニンス
ルホネートまたはナフタレンスルホネートホルマリン縮
合物の混合物のいずれかである、請求項1に記載の種子
消毒用水和剤。
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