JP4780491B2 - ブラックマトリックス用カーボンブラックとその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置用カラーフィルターやプラズマディスプレイなどに用いられるブラックマトリックス用の顔料として、高度の遮光性および黒色度を有し、導電性が極めて低いブラックマトリックス形成に好適なカーボンブラックとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイは、液晶となる結晶材料を透明電極間に挟み、電極間に電圧を印加して液晶の分子配列を変えることにより入射光の透過を制御し、反射板と偏光板を組み合わせることにより画像や文字などを表示するものであり、消費電力が少なくて済むため、携帯電話、時計、カメラ、各種電気機器などの表示装置として広く使用されている。
【0003】
この液晶ディスプレイをカラー化したカラー液晶ディスプレイは、画素ごとに赤、青、緑のカラーフィルターを付けて光の三原色をつくり、各画素の明暗を制御して色の変化を表現するものである。すなわち、カラーフィルターは透明基板上に赤、青、緑の三原色の画素をつくり、各画素を透過する光量を制御して三原色の加色による発色によってカラー表示を行うものであり、各画素間の漏光を防止し、コントラストおよび色純度の低下を防止するために各画素間の光を遮断するための遮断層(ブラックマトリックス)が形成されている。
【0004】
このブラックマトリックスには、当然、遮光性に優れていることが要求されるが、その他に、表面が平滑で、層の厚さが薄いこと、導電性が小さいこと、などが必要とされている。すなわち、表面平滑性が劣り、層厚が厚いと三原色の色パターンを形成する際に凹凸が生じることになり、また導電性が高いと印加電圧により半導体素子が誤作動を起こすおそれがあるためである。
【0005】
このブラックマトリックスには従来から▲1▼フォトリソグラフィ法によるCr、Ni、Alなどの金属薄膜からなるブラックマトリックス、▲2▼黒色顔料を分散した黒色有機樹脂膜からなるブラックマトリックス、が用いられてきた。このうち▲1▼の金属薄膜により形成されたブラックマトリックスは、遮光率や光学濃度が高く解像度に優れている反面、導電性が高く、また光反射率が大きいので反射光による写り込みが生じ易く、表示品位が損なわれる難点がある。
【0006】
一方、▲2▼の黒色有機樹脂膜からなるブラックマトリックスには上記のような難点が少なく、特に、カーボンブラックは黒色顔料として優れた黒色度を備えているのでブラックマトリックス用の黒色顔料として好適である。そこで、カーボンブラックを分散した光重合性樹脂組成物を透明基板に塗布してブラックマトリックスを形成する方法やカーボンブラックを含有するインキを透明基板に印刷してブラックマトリックスを形成する方法などが開発されている。このブラックマトリックス用のカーボンブラックあるいはカーボンブラックを用いたブラックマトリックスのカーボンブラックの特性を規制するものとして、例えば、下記の技術などが開発、提案されている。
【0007】
樹脂中に少なくともカーボンブラックを含むインキにおいて、前記カーボンブラックが、カーボンブラック100g 当たり40〜130mlの吸油量を有し、かつ950℃で7分間加熱したときの揮発減量分が3重量%以上であって、樹脂100重量部に対して10〜50重量部の割合で配合されることを特徴とする液晶カラーフィルター遮光層用インキ(特開平8−262223号公報)、樹脂中に遮光剤を分散せしめてなる樹脂ブラックマトリックスにおいて、該遮光剤として下記(A)〜(D)のうち少なくとも1つを満たすカーボンブラックを用いることを特徴とする樹脂ブラックマトリックス。但し、(A)PH値が6.5以下、(B)表面のカルボキシル基濃度〔COOH〕が、全炭素原子あたりのモル比で、0.001<〔COOH〕、(C)表面の水酸基濃度〔OH〕が全炭素原子あたりのモル比で、0.001<〔OH〕、(D)表面のスルホン基濃度〔SO3 H〕が、全炭素原子あたりのモル比で0.001<〔SO3 H〕、(特開平9−15403 号公報)。
【0008】
また、黒色顔料としてカーボンブラックを含有するブラックマトリックスにおいて、該カーボンブラックの平均粒子径が40〜300nmであることを特徴とするカラーフィルター用ブラックマトリックス(特開平9−15419 号公報)、黒色顔料としてカーボンブラックを含有するブラックマトリックスにおいて、該カーボンブラックは、950℃における揮発分中のCO及びCO2 から算出した全酸素量が、カーボンブラックの表面積100m2当たり7mg以上であることを特徴とするカラーフィルター用ブラックマトリックス(特開平9−22653 号公報)、平均粒径50〜200nm、DBP吸油量10〜40ml/100g の範囲にあるカーボンブラックを含有することを特徴とするブラックマトリックス用カラーフィルターレジスト(特開平9−80220 号公報)、平均一次粒子径35〜150nm、凝集体径60〜300nm、ジブチルフタレート吸油量30〜90ml/100g のカーボンブラックを樹脂で被覆してなることを特徴とする黒色レジストパターン形成用カーボンブラック(特開平11−80583 号公報)、なども提案されている。
【0009】
更に、全酸素量が15mg/g以上、全酸素量/比表面積が0.10mg/m2 以上であるカーボンブラックを樹脂で被覆処理してなる絶縁性ブラックマトリックス用カーボンブラック(特開平9−95625 号公報)や表面のカルボキシル基濃度〔COOH〕、表面の水酸基濃度〔OH〕、表面のスルホン酸基濃度〔SO3 H〕の少なくとも1つが、全炭素原子あたりのモル比で、0.005より大きいカーボンブラックを遮光剤として含む樹脂からなるブラックマトリックスであって、比抵抗率が、7×104 Ω・cm以上であることを特徴とする樹脂ブラックマトリックス(特開平9−265006号公報)などが提案されている。
【0010】
一般に、ブラックマトリックスには黒色度および遮光性が高く、遮光層の膜厚が薄くても高い遮光率を有し、また遮光層の表面が平滑で、遮光層の導電性が小さいこと、などが必要とされている。そこで、本発明者はこれらのブラックマトリックスに要求される諸性能の向上について別異の観点から研究を行い、カーボンブラック粒子表面にビニルポリマーを化学結合させることにより、導電性を著しく低位にするとともにブラックマトリックス形成用樹脂液中への分散性も向上できることを見出した。
【0011】
この知見を基に、本発明者は窒素吸着比表面積(N2SA)50m2/g以上、DBP吸収量140cm3/100g以下のカーボンブラックを湿式酸化して、X線光電子分光法により測定した全炭素原子当たりの全酸素原子の原子比(酸素結合エネルギーの強度/炭素結合エネルギーの強度)の値が0.1以上に酸化処理されたカーボンブラック表面の官能基を基幹として、ビニルモノマーを反応させてカチオン重合によりビニルポリマーが化学結合されてなることを特徴とするブラックマトリックス用カーボンブラック顔料(特願2000−257473号)を開発、提案した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は引き続き研究を行う過程で、カーボンブラック表面に酸化生成した官能基をアゾ基に変換して基幹とし、ビニルモノマーをグラフト重合して化学結合させると、樹脂液中への分散性が優れるとともに導電性を著しく低位にできることを確認した。すなわち、本発明はブラックマトリックス用の顔料として、高度の遮光性および黒色度を有し、導電性が極めて低いブラックマトリックス形成に好適なカーボンブラックとその製造方法の提供を目的として開発されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明によるブラックマトリックス用カーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)50m2/g以上、DBP吸収量140cm3/100g以下のカーボンブラックを酸化処理して、X線光電子分光法により測定した全炭素原子当たりの全酸素原子の原子比(酸素結合エネルギーの強度/炭素結合エネルギーの強度)の値を0.1以上に酸化処理したカーボンブラック表面の官能基に対し、ポリイソシアネート化合物および末端官能基を有するジアゾ化合物を順次反応させることによってアゾ基に変換して基幹とし、該基幹にビニル基を含むモノマーがラジカルグラフト重合して生成したビニルポリマーが化学結合されてなることを構成上の特徴とする。
【0014】
また、その製造方法は、窒素吸着比表面積(N2SA)50m2/g以上、DBP吸収量140cm3/100g以下のカーボンブラックを酸化剤水溶液中に入れ、攪拌混合したのち分離精製して、カーボンブラック表面の官能基をX線光電子分光法により測定した全炭素原子当たりの全酸素原子の原子比(酸素結合エネルギーの強度/炭素結合エネルギーの強度)の値が0.1以上に酸化処理し、該酸化カーボンブラックを溶媒中に分散させ、ポリイソシアネート化合物および末端官能基を有するジアゾ化合物を順次加えて反応後、溶媒および未反応物を除去して前記カーボンブラック表面の官能基をアゾ基に変換し、次いでビニル基を含むモノマーを添加した溶媒中に入れてラジカルグラフト重合反応させたのち、未グラフトポリマーおよび未反応モノマーを溶媒中に抽出除去することを構成上の特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
カーボンブラックには窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g以上、DBP吸収量が140cm3/100g以下の特性のものが用いられる。窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g未満であると溶媒に分散させた際に、分散液中におけるカーボンブラックの平均粒径が大きくなるためブラックマトリックスの黒色度および遮光力が低下することとなり、遮光層の膜厚が厚くなる。またDBP吸収量が140cm3/100gを越えると樹脂と混合した場合、粘度が増大して遮光層の平滑性が損なわれることとなるためである。
【0016】
本発明のブラックマトリックス用カーボンブラックは、上記の窒素吸着比表面積(N2SA)50m2/g以上、DBP吸収量140cm3/100g以下の特性を有するカーボンブラックを対象として酸化処理を行って、カーボンブラック粒子表面に官能基を生成させ、生成した官能基をアゾ基に変換して基幹とし、該基幹にビニル基を含むモノマーをラジカルグラフト重合して生成したビニルポリマーが化学結合されて、表面変性したものである。
【0017】
一般に、カーボンブラックを分散媒中に分散させる場合、カーボンブラック表面に存在する官能基は分散媒との濡れ性を左右する主要因となり、またカーボンブラック粒子相互の界面における接触電気抵抗に影響する。すなわち、官能基はブラックマトリックス形成用のカーボンブラック分散樹脂組成物を作製する際の分散媒中への分散性能および形成したブラックマトリックスの電気抵抗などを決定する要因となる。
【0018】
酸化処理されたカーボンブラック粒子表面にはカルボキシル基(−COOH)やヒドロキシル基(−OH)などの官能基が形成される。本発明のブラックマトリックス用カーボンブラックは、これらの官能基量としてX線光電子分光法により測定した全炭素原子当たりの全酸素原子の原子比(酸素結合エネルギーの強度/炭素結合エネルギーの強度)の値が0.1以上になるように酸化処理する。
【0019】
すなわち、XPSやESCAなどのX線光電子分光法により測定される全炭素原子当たりの全酸素原子の原子比(酸素結合エネルギーの強度/炭素結合エネルギーの強度)の値は、カルボキシル基やヒドロキシル基などの生成量に関連し、この値が0.1未満の場合にはカルボキシル基やヒドロキシル基の生成量が少ないために、変換したアゾ基も少量となり、ビニル基を含むモノマーをラジカルグラフト重合させた場合に、生成し、化学結合したビニルポリマーが少なく、かつ不均一化し易い。その結果、カーボンブラック自体の電気抵抗が小さくなり、またブラックマトリックス形成用の樹脂組成物を作製する場合に樹脂中への分散性能が低下する。なお、通常のファーネスブラックではこの強度比(原子比)の値は0.003〜0.02程度であり、またオゾンなどの気相酸化では強度比(原子比)の値を0.1以上に効率よく酸化処理することが難しいため、湿式酸化処理が好ましい。
【0020】
カーボンブラックの湿式酸化処理は、例えば、酸化剤として過硫酸塩、過硼酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩などのペルオキソ酸塩あるいはペルオキソ酸が好適に用いられ、ペルオキソ酸塩としてはアルカリ金属塩やアンモニウム塩などが好ましい。湿式酸化処理は、これらの酸化剤水溶液中にカーボンブラックを入れて攪拌、混合することにより行われ、酸化剤水溶液の濃度、カーボンブラックの添加量、反応温度、反応時間などを適宜に制御することにより、全炭素原子当たりの全酸素原子の原子比(酸素結合エネルギーの強度/炭素結合エネルギーの強度)の値が0.1以上となるように酸化処理される。
【0021】
湿式酸化処理したカーボンブラック分散液は電気透析あるいは分離膜(逆浸透膜、限外濾過膜、ルーズR.O など)によりカーボンブラックを分離、精製する。この場合、カーボンブラック分散液中の残塩濃度が高いと、例えばカルボキシル基とビニルモノマーとの反応に障害が生じることになるので、カーボンブラック分散液中の残塩濃度は、カーボンブラック含有濃度を20wt%として、電導度が0.2s/m 未満となるように精製することが好ましい。次いで、真空乾燥などにより110℃程度に加熱して乾燥し、粉砕して酸化処理されたカーボンブラックが得られる。
【0022】
このようにして酸化処理され、カーボンブラックの粒子表面に形成されたカルボキシル基やヒドロキシル基などの官能基を、次いで、アゾ基に変換する。アゾ基への変換は、 2,2′- アゾビス (2-シアノ-n- プロパノール)(ACP)、 4,4′- アゾビス (4-シアノバレリン酸)(ACV)、あるいは 4,4′- (4-シアノバレリン塩化物)(ACV-COCl) などに代表されるアゾビス系の薬品が用いられるが、この限りではない。
【0023】
本発明のブラックマトリックス用カーボンブラックは、このようにして酸化処理されてカーボンブラックの表面に生成したカルボキシル基やヒドロキシル基などの官能基をアゾ基に変換して基幹とし、該基幹に、ビニル基を含むモノマーがラジカルグラフト重合により生成したビニルポリマーが化学結合した構造からなるものである。この場合、モノマーがラジカルグラフト重合した割合(グラフト化率)は10重量%以上であることが望ましい。グラフト化率が10重量%未満では化学結合したビニルポリマーが少ないためにブラックマトリックス形成用の樹脂液を作製する際に樹脂液中への分散性の改善が充分でなく、またブラックマトリックスの電気抵抗を低位にすることが困難となるためである。但し、グラフト化率は、グラフト化したモノマー重量 (g)/カーボンブラック重量 (g)×100から算出される値である。
【0024】
ビニルモノマーとしては、N-ビニル-2- ピロリドン(ピロリジノン)、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、α- メチルスチレン、N-ビニルカルバゾール、イソブチルビニルエーテル、N-ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、4-ビニルピリジン、メタクリル酸メチル、グリシジルメタクリレート、アクリル酸メチル、アクリロニトリルなどが用いられ、ビニル基を含むモノマーを添加した所定の溶媒中にカーボンブラックを入れ、所定の温度下に所定時間、攪拌、反応させて、例えば下記 (1)式に示す反応式にしたがってラジカルグラフト重合によりビニルポリマーが化学結合される。なお、未グラフトポリマー(ホモポリマー)および未反応モノマーはメタノールやエタノールなどの溶媒中に抽出除去する。
【0025】
【化1】
【0026】
このカーボンブラックを溶媒および樹脂中に混合してブラックマトリックス形成用の樹脂組成物を作製し、樹脂組成物を基板に塗布しフォトレジスト法により形成する方法、樹脂組成物を透明基板に印刷する方法あるいはスピンコートにより透明基板に塗布する方法などによりブラックマトリックスが形成される。
【0027】
溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、N-メチル-2- ピロリドン、 N,N′- ジメチルホルムアミド、 N,N′- ジメチルアセトアミド、 N,N′- ジメチルスルホオキシド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、乳酸エチル、ピリジン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン、ベンゼンなど樹脂の溶解性やカーボンブラックの分散性に支障を来さない限り、種々の溶媒を使用することができる。
【0028】
また樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、アルキルベンゼン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエステル樹脂、など耐熱性、流動性、カーボンブラックの分散性に支障を来さない限り、各種の樹脂が用いられる。
【0029】
ブラックマトリックス形成用の樹脂組成物は、カーボンブラックと溶媒および樹脂とを、カーボンブラック2〜20重量%、溶媒60〜96重量%、樹脂2〜20重量%の割合で混合することにより調製される。このような量比に調整するのはカーボンブラックが2重量%未満であると遮光性が低く、20重量%を越えると膜厚が厚くなり、溶媒が60重量%未満であると流動性が低下し、96重量%を越えると遮光性が低下し、また、樹脂分が2重量%未満であると膜強度が低下し、20重量%を越えると粘度が増大して膜厚の制御が困難となる、などの傾向があるためである。
【0030】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。
【0031】
実施例1〜3
(1) 酸化処理;
窒素吸着比表面積(N2SA)およびDBP吸収量が異なるカーボンブラックを用いて、カーボンブラック100g を濃度1.0mol/dm3 の過硫酸ナトリウム水溶液3dm3 に添加し、反応温度60℃、反応時間10時間、毎分500回転の攪拌速度で処理した。この酸化反応液から限外濾過膜(旭化成製、AHP-1010、分画分子量 50000)により反応液中に残存する塩を分離したのち、濃縮精製した。次いで真空乾燥機により110℃で乾燥し、ミキサーで粉砕してカーボンブラック試料85g を得た。
【0032】
これらの酸化処理したカーボンブラック試料について、Surface Science Ins-truments社製 S-Probe ESCA 2803型を用いて酸素結合エネルギーの強度および炭素結合エネルギーの強度を測定し、全炭素原子当たりの全酸素原子の原子比を求めた。
【0033】
(2) アゾ基に変換処理;
2000cm3 のセパラブルフラスコに、溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)500cm3 、トリレンジイソシアネート(TDI) 5.0cm3 、および少量のα−ピコリンを加え、この溶液中にカーボンブラック試料30g を入れ、窒素雰囲気中、毎分300回転の攪拌速度で攪拌しながら、60℃の温度で4時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、 4,4′- アゾビス (4-シアノバレリン酸ACV)20g を加え、窒素雰囲気中、30℃で8時間反応させた。反応後、未反応のACV や溶媒を除去するため大量のメタノール中に反応スラリーを入れ、デカンテーションおよび遠心分離によりカーボンブラックを沈殿させた。沈殿したカーボンブラックは30℃で真空乾燥して、表面官能基をアゾ基に変換したカーボンブラック試料を作製し、冷暗所に保存した。
【0034】
(3) ラジカルグラフト重合;
次に、2000cm3 のセパラブルフラスコに、これらのカーボンブラック試料25g およびビニル基を含むモノマーとしてメタクリル酸モノマー500cm3 を入れ、窒素雰囲気中、毎分300回転の攪拌速度で攪拌しながら70℃の温度で8時間反応させた。反応後、生成物を大量のメタノール中に入れ、カーボンブラックを含むポリマーを沈殿させた。沈殿したカーボンブラックを40℃で真空乾燥して、カーボンブラック表面に、ラジカルグラフト重合により生成したビニルポリマーが化学結合した、本発明のブラックマトリックス用カーボンブラック試料を作製した。
【0035】
比較例1〜3
上記実施例1〜3において、(3) ラジカルグラフト重合反応を行わない他は、実施例1〜3と同一のカーボンブラックを用い、同一の条件で(1) 酸化処理および(2) アゾ基に変換処理を施してカーボンブラック試料を作製した。
【0036】
比較例4〜6
窒素吸着比表面積(N2SA)、DBP吸収量が本発明の要件を外れるカーボンブラックを用いた他は、実施例1〜3と同一の条件で(1) 酸化処理、(2) アゾ基に変換処理、(3) ラジカルグラフト重合反応を施してカーボンブラック試料を作製した。
【0037】
比較例7〜9
上記実施例1〜3において、(1) 酸化処理を下記の方法によりオゾン酸化を行って、全酸素原子/全炭素原子の原子比の値を0.1未満に酸化した他は、実施例1〜3と同一のカーボンブラックを用い、同一の条件で(2) アゾ基に変換処理、(3) ラジカルグラフト重合反応を施してカーボンブラック試料を作製した。
オゾン酸化処理;カーボンブラック150g をオゾン処理器中に入れて、オゾン発生機(日本オゾン社 (株) 製 IOT-4A6)により、発生電圧200V、オゾン発生量5mg/sの条件で5時間保持する。
【0038】
これらのカーボンブラック試料について、カーボンブラックの特性、酸化処理後の全炭素原子当たりの全酸素原子の原子比、および下記の方法によりグラフト化率を測定して、その結果を表1に示した。なお、比較例7〜9は酸化処理が充分でなく、グラフト化率が低く、またカーボンブラックの粉体抵抗も小さい例である。
グラフト化率の測定;カーボンブラック試料をシクロヘキサノンに分散させ、1×104rpmで遠心分離を行ってカーボンブラックを完全に沈降させる。沈降したカーボンブラックを円筒ろ紙へ移し、ソックスレー抽出を行って残存する非グラフトポリマーを完全に除去し、次式よりグラフト化率(重量%)を算出した。
グラフト化したモノマー重量 (g)/カーボンブラック重量 (g)×100
【0039】
【表1】
【0040】
〔樹脂組成物の調製〕
カーボンブラック10g 、シクロヘキサノン70g 、メタクリル酸樹脂20g を軽く混合した後、ホモジナイザーによりカーボンブラックを微分散させてブラックマトリックス形成用の樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物の粘度、表面張力および樹脂組成物中のカーボンブラックの粒径を下記の方法により測定し、その結果を表2に示した。
【0041】
粘度;
回転振動式粘度計(山一電機株式会社製、VM-100A-L )を用いて、温度25℃における粘度を測定した。
表面張力;
協和界面科学社製表面張力測定装置を用いて測定した。
粒径;
ヘテロダインレーザドップラー方式粒度分布測定装置(マイクロトラック社製UPA model 9340)を用いて測定した。なお、樹脂組成物中の粒度分布の累積度数分布曲線から、50%累積度数の値を平均粒径、99%累積度数の値を最大粒径とした。
【0042】
表2から、比較例1〜3、比較例7〜9の樹脂組成物は粘度が高く、また樹脂組成物中のカーボンブラックの粒子凝集体も大きいことが認められる。
【0043】
【表2】
【0044】
〔ブラックマトリックスの形成〕
調製した樹脂組成物をトリクロロエチレンにて洗浄した透明ガラス板上にスピンコーターを用いて回転数16.7/s で塗布し、常温で30分間保持した後、120〜250℃のホットプレート上で120秒間処理した。次いで、500W超高圧水銀灯を用い、ブラックマトリックスパターンの描かれたフォトマスクを通して100mJ/cm2のエネルギーを塗膜上から照射した。その後、0.05%炭酸ナトリウム、0.4%エマルゲンA−60(花王製)からなる現像液(25℃)を用いて、流量8.33cm3/s 、吐出圧0.098MPaでシャワー洗浄を60秒間行った。水洗後、表面温度250℃のホットプレート上でポストベークしてブラックマトリックスを形成した。
【0045】
このようにして形成したブラックマトリックスについて下記の方法により測定評価を行い、その結果を表3に示した。
光学的濃度(OD値);
マクベス濃度計(コルモーゲン社製、RD-927)を用いて測定し、膜厚1μm 当たりの光学濃度を求めた。
膜厚;
膜断面をSEM(電子顕微鏡、日立製作所製 S-2100B)により観察して、膜厚を測定した。
表面粗さ;
SPM(走査型プローブ顕微鏡、AFM モード SII社製 SPI-3100 )にて表面を観察し、表面の粗さを測定した。
体積固有抵抗;
ガラス板をクロム蒸着基板に変更した以外は、ブラックマトリックスと同じ方法で塗膜を形成し、硬化した塗膜上に面積0.28cm2(S)の円形電極を銀ペーストにより形成し、この電極と対向電極であるクロム蒸着面との間に一定電圧発生装置(ケンウッド社製 PA36-2A レギュレーテッド DC パワーサプライ)を用いて一定の電圧(100V)を印加し、膜に流れる電流(I) を電流計(アドバンテスト社製 R644C デジタルマルチメーター)にて測定した。次に、黒色膜の膜厚(d) cmを測定し、下記式から体積固有抵抗Rを求めて、その対数値(log10R)を算出した。
R(Ω・cm)=(V・S)/(I・d)
鉛筆硬度;
JIS K5400「鉛筆ひっかき試験」により測定した。
【0046】
【表3】
【0047】
表1〜3の結果から、本発明のカーボンブラックを用いて形成した実施例1〜3のブラックマトリックスは、光学的濃度、膜厚、表面粗さ、体積固有抵抗、鉛筆硬度などがいずれも良好なレベルにあることが認められる。一方、カーボンブラック表面官能基にビニルポリマーが化学結合していないカーボンブラックを用いて形成した比較例1〜3のブラックマトリックスでは、カーボンブラックの樹脂中への分散性能が低く、また樹脂組成物中のカーボンブラックの粒子凝集体が大きいため、樹脂組成物の粘度が高く、均一で薄い膜形成が困難となり、膜厚が厚く、膜厚1μm 当たりの光学的濃度および体積固有抵抗が低く、また膜面の表面粗さも大きくなることが判る。
【0048】
カーボンブラック特性が本発明の要件を外れるカーボンブラックを用いて形成した比較例4〜6のブラックマトリックスでは、実施例1〜3のブラックマトリックスに比べ光学的濃度や表面平滑性が低位にあることが判る。また、酸化処理による全酸素原子と全炭素原子の原子比の値が0.1未満のカーボンブラックを用いた比較例7〜9のブラックマトリックスは、光学的濃度、膜厚、表面粗さ、体積固有抵抗、鉛筆硬度のいずれも実施例1〜3のブラックマトリックスに比べ著しく劣ることが認められる。
【0049】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明のブラックマトリックス用カーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)およびDBP吸収量が特定範囲にあるカーボンブラックを酸化処理して、生成した表面官能基をアゾ基に変換し、該アゾ基にビニル基を含むモノマーがラジカルグラフト重合して生成したビニルポリマーが化学結合して表面変性した点に特徴があり、このカーボンブラックを遮光剤として形成したブラックマトリックスによれば、遮光層の膜厚が薄くても高い遮光率を示し、また遮光層の表面が平滑で、遮光層の導電性も小さく、優れた遮光性能を付与することが可能となる。 また、本発明の製造方法によれば、これらのブラックマトリックス用カーボンブラックを容易に製造することが可能である。
Claims (3)
- 窒素吸着比表面積(N2SA)50m2/g以上、DBP吸収量140cm3/100g以下のカーボンブラックを酸化処理して、X線光電子分光法により測定した全炭素原子当たりの全酸素原子の原子比(酸素結合エネルギーの強度/炭素結合エネルギーの強度)の値を0.1以上に酸化処理したカーボンブラック表面の官能基に対し、ポリイソシアネート化合物および末端官能基を有するジアゾ化合物を順次反応させることによってアゾ基に変換して基幹とし、該基幹にビニル基を含むモノマーがラジカルグラフト重合して生成したビニルポリマーが化学結合されてなることを特徴とするブラックマトリックス用カーボンブラック。
- 下記式で算出したグラフト化率が10重量%以上である請求項1記載のブラックマトリックス用カーボンブラック。
グラフト化したモノマー重量(g)/カーボンブラック重量(g)×100 - 窒素吸着比表面積(N2SA)50m2/g以上、DBP吸収量140cm3/100g以下のカーボンブラックを酸化剤水溶液中に入れ、攪拌混合したのち分離精製して、カーボンブラック表面の官能基をX線光電子分光法により測定した全炭素原子当たりの全酸素原子の原子比(酸素結合エネルギーの強度/炭素結合エネルギーの強度)の値が0.1以上に酸化処理し、該酸化カーボンブラックを溶媒中に分散させ、ポリイソシアネート化合物および末端官能基を有するジアゾ化合物を順次加えて反応後、溶媒および未反応物を除去して前記カーボンブラック表面の官能基をアゾ基に変換し、次いでビニル基を含むモノマーを添加した溶媒中に入れてラジカルグラフト重合反応させたのち、未グラフトポリマーおよび未反応モノマーを溶媒中に抽出除去することを特徴とする、請求項1記載のブラックマトリックス用カーボンブラックの製造方法。
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