JP4780447B2 - 平面フレキシブルアンテナ装置 - Google Patents

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本発明は、非接触で被検知物の検知を行う平面フレキシブルアンテナ装置に関する。
近年、高レベルのセキュリティ管理等を実現可能にすべく、非接触で被検知物の検知を行うアンテナ装置が広く利用されつつある。
例えば、複写機等については、機密情報の漏洩や不正な印刷出力等を防止するための技術として、RFID(Radio Frequency Identification)タグを利用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。RFIDタグとは、情報記録が可能な無線ICチップで、専用リーダとの間でアンテナ装置を介して非接触で信号授受を行う機能を持ち、その埋め込みによって被埋め込み物(原稿等)の識別等に利用されるものである。
また、スーパーマーケット、各種レンタル店等においては、商品等の盗難防止を目的として、商品等に非接触で検知可能な被検知物である磁性テープを付与し、出入口近傍に磁性テープを検知するアンテナ装置を配置した盗難防止装置が広く普及している(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−337426号公報 特開2000−266860号公報
ところで、非接触で被検知物の検知を行うアンテナ装置は、例えば複写機等に用いられる場合には、原稿サイズやRFIDタグの埋め込み位置が必ずしも一律ではないため、ある一定の領域範囲について、被検知物(RFIDタグ)の検知を行い得るようにすることが望ましい。
さらに、アンテナ装置については、様々な箇所に配されて使用されることが考えられる。例えば、複写機等に用いられる場合であれば、原稿が載置されるプラテンに対応して配置されたり、あるいはADF(Automatic Document Feeder)に対応して配置されたりする。また、盗難防止装置を構成する場合についても全く同様に、様々な箇所に配置され得る。このような配置の汎用性を担保するためには、アンテナ装置自体のフレキシビリティが不可欠である。したがって、アンテナ装置については、柔軟性を得るために、その厚さが薄く形成されていることが望ましい。
これらの要望を満たすアンテナ装置としては、ある一定の領域範囲に対応して巻回された送信コイルと、同領域範囲に対応して巻回された受信コイルとが積層されてなり、送信コイルからの磁界が被検知物(RFIDタグや磁性テープ等)を励磁させるとともに、励磁された被検知物からの磁気信号を受信コイルが検知するように構成されたもの、すなわちフレキシビリティを有した平面状のアンテナ装置(以下、このような構成のアンテナ装置を「平面フレキシブルアンテナ装置」という)がある。
しかしながら、平面フレキシブルアンテナ装置では、上述したように、ある一定の領域範囲に対して一様な分布の磁界を発生させるが、その領域範囲が大きくなると、これに伴って送信コイルにおける電気抵抗値が大きくなってしまい、その結果、駆動電力の増大等を招いてしまうことが考えられる。
そこで、本発明は、フレキシビリティを確保しつつ、ある一定の領域範囲に対して非接触での被検知物の検知を可能とし、しかもその場合であっても駆動電力の増大等を招くことのない、平面フレキシブルアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出された平面フレキシブルアンテナ装置で、被検知物を励磁させるために所定領域範囲に交番磁界を発生させる送信コイル部と、前記被検知物からの磁気信号を検知する受信コイル部とが、積層されてなる平面フレキシブルアンテナ装置であって、前記送信コイル部は、複数のパターン層が積層されてなるとともに、各パターン層のそれぞれが前記所定領域範囲を複数に分割した各分割領域別に配されたコイルを有しており、前記各パターン層における前記各分割領域別のコイルが並列に接続されていることを特徴とする。
上記構成の平面フレキシブルアンテナ装置では、各パターン層における各分割領域別に配されたコイルが並列に接続されて送信コイル部が構成されている。したがって、複数領域に分割されており、しかも各分割領域別に並列接続されていることから、例えば所定領域範囲に対応して単一のコイルのみが配されている場合に比べると、一つの分割領域あたりのコイルの電気抵抗値は小さくなり、これにより送信コイル部における電気抵抗値の増大を抑制し得るようになる。
本発明の平面フレキシブルアンテナ装置によれば、送信コイル部を構成する各パターン層および受信コイル部の薄層化を通じて十分にフレキシビリティを確保することを可能にしつつ、送信コイル部が交番磁界を発生させる所定領域範囲について、非接触での被検知物の検知が可能となる。しかも、その場合であっても、その所定領域範囲を複数領域に分割して、各分割領域別のコイルを並列接続していることから、送信コイル部における電気抵抗値の増大を抑制し得るようになる。したがって、電気抵抗値の増大を抑制できれば、これを通じて駆動電力の増大抑制も実現可能となる。
以下、図面に基づき本発明に係る平面フレキシブルアンテナ装置について説明する。
先ず、本発明に係る平面フレキシブルアンテナ装置が用いられるシステム構成について説明する。なお、ここでは、複写機を含むシステムにおいて不正な印刷出力等を防止するために用いられる場合を例に挙げて説明するが、本発明がこれに限定されないことは勿論である。
図1は、平面フレキシブルアンテナ装置が用いられるシステム構成の一具体例を示す説明図である。図例のように、ここで説明する複写機1は、原稿2が載置されるプラテンガラス3と、そのプラテンガラス3上を開閉可能に覆うプラテンカバー4とを備えている。そして、プラテンカバー4には、原稿2に埋め込まれている磁性体を検知するための平面フレキシブルアンテナ装置10が設けられている。この平面フレキシブルアンテナ装置10が検知する磁性体としては、例えばRFIDタグが挙げられる。
また、平面フレキシブルアンテナ装置10には磁性体検知部5が接続されており、その磁性体検知部5が、平面フレキシブルアンテナ装置10での検知信号に基づいて、プラテンガラス3上の原稿に磁性体が埋め込まれているか否か、あるいは埋め込まれている磁性体にどのような情報が格納されているか等を認識するようになっている。さらに、磁性体検知部5には制御部6が接続されており、その制御部6が、磁性体検知部5での認識結果に基づいて、プラテンガラス3上に載置された原稿2に対する光学的な画像読み取りを行う画像読取処理部7の動作を制御するとともに、その画像読取処理部7が読み取った画像データの印刷出力を行う画像生成処理部7の動作を制御するようになっている。
このような構成の複写機1では、プラテンガラス3上に原稿2が置かれ、プラテンカバー4が閉じられると、その原稿2から画像読取処理部7が画像データを読み取るのに先立ち、制御部6が磁性体検知部5を起動し動作させる。この磁性体検知部5の起動により、平面フレキシブルアンテナ装置10からは、所定の交番磁界が発信される。そして、その交番磁界は、プラテンガラス3上の平面内で一様な強度の磁界分布となる。これにより、プラテンガラス3上に配置された原稿2に埋め込まれている磁性体は、交番磁界を受けて磁化し、磁化反転時に急峻な磁気パルス、または磁歪振動による電磁波を発することになる。このようにして、磁性体が磁気パルスまたは電磁波を発すると、その磁気パルスまたは電磁波は、平面フレキシブルアンテナ装置10に起電力を生じさせることで、その平面フレキシブルアンテナ装置10で検知され、磁性体検知部5で認識される。その結果、例えば磁性体が複写禁止のために原稿2に埋め込まれたものであれば、制御部6は、磁性体検知部5での認識結果を受けて、画像生成処理部7での印刷出力動作を禁止するとともに、その旨のアラーム出力を行う。
このように、平面フレキシブルアンテナ装置10を備えた複写機1では、プラテンガラス3上の原稿2についての複写処理動作を行う前に、その平面フレキシブルアンテナ装置10を用いた磁性体の検知を通じて、その原稿2が複写可または複写不可のいずれの原稿であるかが識別し、複写不可の原稿であると識別した場合には印刷出力動作を禁止する制御を行う。したがって、複写不可の原稿が不用意に複写されたり、不正複写されることが防止でき、高レベルのセキュリティを確保しつつ、不要な複写処理動作を抑えて複写機1の省電力化を図ることができる。
なお、プラテンガラス3上の原稿2が複写可または複写不可のいずれであるかの判別は、原稿2がプラテンガラス3上に載置された後、複写機1に対する複写開始の指示後と複写開始の指示前とのどちらで行ってもよく、特に限定されるものではない。
また、ここでは、平面フレキシブルアンテナ装置10がプラテンカバー4に配されている場合を例に挙げたが、その配置位置は原稿2の磁性体を検知可能な位置であれば特に限定されることはなく、例えばプラテンカバー4に替わってADFが設けられている場合には、そのADFにおける原稿搬送路に沿うように平面フレキシブルアンテナ装置10を配することが考えられる。そのとき、平面フレキシブルアンテナ装置10は、十分にフレキシビリティを確保されていれば、その配置について高い柔軟性が得られるようになる。
次に、以上のような複写機1を含むシステムにて用いられる平面フレキシブルアンテナ装置10、すなわち本発明に係る平面フレキシブルアンテナ装置の一具体例について説明する。
図2は本発明に係る平面フレキシブルアンテナ装置の積層構造の構成例を示す側断面図であり、図3はその平面フレキシブルアンテナ装置の回路構成例を示す回路図である。
図2に示すように、本実施形態で説明する平面フレキシブルアンテナ装置10は、被検知物である磁性体を励磁させるために所定領域範囲に交番磁界を発生させる送信コイル部11と、その被検知物である磁性体からの磁気信号(磁気パルスまたは電磁波)を検知するための受信コイル部12と、を備えている。このうち、送信コイル部11は、複数のパターン層11a〜11dが積層されてなるものであり、各パターン層11a〜11dは、いずれも、通電により交番磁界を発生させるコイルが、所定パターン(例えば、後述する分割領域別の渦巻きパターン)で配されてなる。
また、送信コイル部11と受信コイル部12との間には、接続層13が介在している。接続層13は、送信コイル部11への通電を行うための配線と受信コイル部12への通電を行うための配線とが配される層で、その通電のために接続ヴィア13aを介して送信コイル部11および受信コイル部12と接続されている。なお、送信コイル部11への通電を行うの配線と受信コイル部12への通電を行う配線とは、同一層である接続層13に配されていても、それぞれが別配線であることは言うまでもない。
そして、これら各パターン層11a〜11d、受信コイル部12および接続層13のそれぞれの間には、絶縁層14が配されている。絶縁層14は、フレキシビリティを確保しつつ、受信コイル部12、接続層13および各パターン層11a〜11dの間を絶縁し得るものであればよく、具体的には樹脂フィルム材料を用いることが考えられる。
このように、本実施形態で説明する平面フレキシブルアンテナ装置10は、送信コイル部11を構成する各パターン層11a〜11d、受信コイル部12、接続層13および各層間の絶縁層14が、積層されて構成されたものである。その積層後の全体厚さは、特に限定されるものではないが、フレキシビリティの確保を考慮して、例えば400μm程度とすることが考えられる。また、送信コイル部11側の外表面には、例えば白色塗装を施して反射率を高め、スポンジ等の弾性材を貼り付ける一方、受信コイル部12側の外表面には、原稿2を押さえて適切な反射率を得るためのプラスチック等のシート材を貼り付けて、これにより複写機1のプラテンカバー4への貼付を容易にする形状とすることも考えられる。
ところで、以上のような構成の平面フレキシブルアンテナ装置10では、送信コイル部11が、ある一定の領域範囲(所定平面内)について、一様な磁界強度の交番磁界を発生させる必要がある。磁性体が埋め込まれる原稿サイズやその埋め込み位置、プラテンガラス3上における原稿2の載置位置等が必ずしも一律ではなく、それでも磁性体の検知を行い得るようにするためである。このことから、例えば平面フレキシブルアンテナ装置10がプラテンカバー4に配されている場合であれば、そのプラテンカバー4の略全域、具体的にはA3サイズ相当の領域範囲について、一様な磁界強度の交番磁界を発生させるべく、送信コイル部11の各パターン層11a〜11dは、プラテンカバー4の略全域に亘るパターンのコイルによって構成されている。
ただし、そのプラテンカバー4の略全域について、例えば単一のコイルを用いて一様な磁界強度の交番磁界を発生させようとすると、その領域面積が大きくなるに連れて、当該コイルの電気抵抗値も大きくなることから、駆動電力の増大等を招いてしまうことが考えられる。また、磁性体の検知感度や検知性能等を向上させるためには、送信コイル部11が発生させる交番磁界の磁界強度を大きくすることが考えられるが、その場合にも駆動電力の増大等を招くおそれがある。
このことから、本実施形態で説明する平面フレキシブルアンテナ装置10は、以下に述べるような特徴的な構成を有している。すなわち、平面フレキシブルアンテナ装置10では、送信コイル部11が、上述したように複数のパターン層11a〜11dが積層されてなるとともに、各パターン層11a〜11dのそれぞれが所定領域範囲(磁界発生領域範囲)を複数に均等分割した各領域別に配されたコイルを有している。具体的には、例えばA3サイズ相当の領域範囲を均等に4分割するとともに、各分割領域A〜Dについて個別にコイルA11a〜D11dが配されており、これにより各パターン層11a〜11dが構成されている。
そして、各分割領域別のコイルが配された各パターン層11a〜11dからなる送信コイル部11では、図3に示すように、各パターン層11a〜11dにおける各分割領域A〜D別のコイルA11a〜D11dが、電気的に並列に接続されている。つまり、各コイルA11a〜D11dは、各分割領域A〜D別に並列接続されるとともに、各パターン層11a〜11dの層別でも並列接続されている。
このように、本実施形態における平面フレキシブルアンテナ装置10では、各パターン層11a〜11dにおける各分割領域A〜D別に配されたコイルA11a〜D11dが電気的に並列接続されて送信コイル部11が構成されている。つまり、複数領域A〜Dに分割されており、しかも各領域A〜D別に並列接続されていることから、例えば所定領域範囲に対応して単一のコイルのみが配されている場合に比べると、一つの分割領域A〜Dあたりの面積が小さくなることから、その面積に対して交番磁界を発生させるコイルA11a〜D11dの電気抵抗値も小さくて済む。したがって、送信コイル部11における電気抵抗値の増大を抑制することができ、これを通じて駆動電力の増大抑制も実現可能となるのである。
しかも、駆動電力の増大抑制が実現可能であっても、送信コイル部11は、複数のパターン層11a〜11dが積層されてなることから、例えば単層のコイルが配された場合と比べると、同一の駆動電力であっても十分に大きい磁界強度の交番磁界を発生させることが可能となり、この点によっても駆動電力の増大抑制を実現することができる。すなわち、駆動電力の増大抑制を実現可能しつつ、十分な磁性体の検知感度や検知性能等が得られるようになる。
なお、ここでは、例えばA3サイズ相当の領域範囲を4分割し、各分割領域A〜D別にコイルA11a〜D11dを配するとともに、そのような構成のパターン層11a〜11dを4層分積み重ねた場合を例に挙げて説明したが、その分割数および積層数については、これに限定されるものではない。領域の分割数については、その数が大きくなるに連れて一つの分割領域あたりのコイルの電気抵抗値を小さくすることができるが、その数が少なければ各コイルへの通電を行う接続層13の構成の簡素化が実現可能となる。また、パターン層の積層数についても、その数が大きくなればその分だけ磁界強度の増大が期待できるが、その数が少ない場合には平面フレキシブルアンテナ装置10におけるフレキシビリティの確保が非常に容易となる。
また、以上のような構成の平面フレキシブルアンテナ装置10については、その配置について高い柔軟性が得られることから、十分なフレキシビリティが確保されていることが望ましい。すなわち、例えば複写機用またはプリンタ用等といった様々な箇所で共通的に使用するためには、フレキシビリティが不可欠である。具体的には、例えばプリンタの用紙排出部のように、平面でないRを有した部分に沿って平面フレキシブルアンテナ装置10を配置しようとすると、そのRの形状に合わせて平面フレキシブルアンテナ装置10を形成する必要がある。
十分なフレキシビリティを得るためには、平面フレキシブルアンテナ装置10の厚さを薄くすればよい。
しかしながら、上述した構成の平面フレキシブルアンテナ装置10において、その厚さ単に薄くしただけでは、送信コイル部11と受信コイル部12との間の距離が小さくなるため、それぞれの間のクロストークも増大して、良好なS/N比が得られなくなることが考えられる。すなわち、送信駆動波形が受信側に漏洩するおそれが大きくなる。その一方で、受信側の目的信号は、数10μVと小さい場合が多い。したがって、良好なS/N比を得るためには、送信側から受信側への漏洩を抑制する必要がある。
このことから、本実施形態における平面フレキシブルアンテナ装置10では、受信コイル部12も、送信コイル部11の分割領域A〜Dと同様に分割領域別に配されたコイルA12〜D12を有している。すなわち、受信コイル部12についても、例えばA3サイズ相当の領域範囲を4分割し、各分割領域A〜D別にコイルA12〜D12を配して構成されている。そして、その受信コイル部12におけるコイルA12〜D12は、当該コイルA12〜D12と同一の分割領域(当該コイルA12〜D12と接続層13を挟んで対向する分割領域)における送信コイル部11の構成コイルが発生させる交番磁界と、位相が逆相となるように通電される。具体的には、受信コイル部12側への給電接続を、送信コイル部11側とは反対に接続すればよい。
これにより、受信コイル部12側では、送信コイル部11が発生させる交番磁界と位相が逆層になって互いに打ち消し合うことになる。これは、送信コイル部11側と同じ位相の波形で駆動すると、受信コイル部12側で略同じ漏洩電圧が現れることを利用したものである。すなわち、同じ位相の波形ではなく、逆相の波形で駆動することによって、送信駆動波形の漏洩分を打ち消す作用が生じさせるのである。したがって、送信コイル部11と受信コイル部12との間の距離が小さくなった場合であっても、目的信号を除く漏洩電圧が減少してクロストーク増大を抑制し得るようになるので、結果として良好なS/N比が得られるようになる。
ただし、受信コイル部12側での逆相駆動は、上述したような位相が逆相となる通電を行うことによって実現するのではなく、受信コイル部12を構成するコイルA12〜D12のパターンによって実現してもよい。すなわち、送信コイル部11と位相が逆相となるコイルパターンを有しするように、受信コイル部12におけるコイルA12〜D12を形成することも考えられる。具体的には、受信コイル部12におけるコイルA12〜D12を、逆巻きのパターンとすればよい。このようなコイルパターンとした場合にも、目的信号を除く漏洩電圧が減少してクロストーク増大を抑制し得るようになる。
また、本実施形態における平面フレキシブルアンテナ装置10では、送信コイル部11と受信コイル部12との間には、接続層13が介在している。そして、この接続層13における配線よって、送信コイル部11の各パターン層11a〜11dにおける各分割領域別のコイルA11a〜D11dの並列接続が実現されるようになっている。さらに、受信コイル部12側での逆相駆動を、その受信コイル部12における各コイルA12〜D12への逆相通電によって行う場合には、その逆相通電が接続層13における配線よって実現されるようになっている。
このような接続層13は、その機能を果たす上では、必ずしも送信コイル部11と受信コイル部12との間に介在している必要はない。ところが、接続層13を送信コイル部11と受信コイル部12との間に介在させれば、その接続層13およびこれに付随する絶縁層14の分だけ、送信コイル部11と受信コイル部12との間隔が広がることになる。
したがって、接続層13を送信コイル部11と受信コイル部12との間に介在させる積層構造のよっても、送信側から受信側への漏洩を抑制することができるので、良好なS/N比の獲得に寄与することになる。
さらに、本実施形態における平面フレキシブルアンテナ装置10では、受信コイル部12におけるコイルA12〜D12が、以下に述べるように形成されている。
例えば、送信コイル部11における各コイルA11a〜D11dの形成パターンと受信コイル部12における各コイルA12〜D12のパターンとが同一パターン(平面視した場合に重なり合う同一形状となるパターン)である場合に、受信コイル部12における各コイルA12〜D12では、そのコイルA12〜D12のパターン線幅が、送信コイル部11における各コイルA11a〜D11dのパターン線幅よりも小さく形成されている。これにより、送信コイル部11と受信コイル部12との間では、コイルA11a〜D11dとコイルA12〜D12とが平面的に重なり合う面積が、それぞれのパターン線幅が同等の場合と比べて小さくなる。そして、コイルA11a〜D11dとコイルA12〜D12との重なり面積が小さくなれば、各コイルA12〜D12は、送信コイル部11側からの漏洩電圧の影響を受け難くなる。
したがって、受信コイル部12におけるコイルA12〜D12のパターン線幅を、送信コイル部11におけるコイルA11a〜D11dのパターン線幅より小さく形成するパターン構造によっても、送信側から受信側への漏洩を抑制することができるので、良好なS/N比の獲得に寄与し得るようになる。
また、各コイルA12〜D12が送信コイル部11側からの漏洩電圧の影響を受け難くするためには、上述したようにパターン線幅を狭くすることの他に、コイルA11a〜D11dとコイルA12〜D12とが極力重なり合わないような形成パターンとすることも考えられる。具体的には、送信コイル部11の各コイルA11a〜D11dの形成パターンと受信コイル部12の各コイルA12〜D12のパターンとを、平面視した場合に互いに重なり合う同一形状とせずに、重なり合う箇所は主にそれぞれのパターン線が直交する部分のみとなるパターン形状に形成する。このようなパターン構造によっても、コイルA11a〜D11dとコイルA12〜D12との重なり面積を小さく抑えることができるので、送信側から受信側への漏洩を抑制でき、良好なS/N比の獲得に寄与し得るようになる。
以上のような構成の平面フレキシブルアンテナ装置10によれば、駆動電力の増大抑制が実現可能となるのに加えて、送信側から受信側への漏洩を抑制して良好なS/N比を獲得し得る。すなわち、薄厚化によりフレキシビリティを高めた場合であっても、良好なS/N比の獲得を通じて、十分な磁性体の検知感度や検知性能等が得られるようになる。
なお、送信コイル部11の各コイルA11a〜D11dおよび受信コイル部12各コイルA12〜D12におけるパターン形状は、特に限定されることはない。すなわち、交番磁界の発生および磁性体からの磁気信号の検知を行い得るものであれば、渦巻きパターンであっても、あるいは他のパターン形状であっても構わない。
また、上述した実施形態では、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、複写機を含むシステムにおいて不正な印刷出力等を防止するために用いられる平面フレキシブルアンテナ装置を例に挙げて説明したが、本発明は、非接触で被検知物の検知を行うものであれば、他のもの、具体手金はスーパーマーケットや各種レンタル店等に設置される盗難防止装置に用いられるものであっても、全く同様に適用することが可能である。つまり、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
平面フレキシブルアンテナ装置が用いられるシステム構成の一具体例を示す説明図である。 本発明に係る平面フレキシブルアンテナ装置の積層構造の構成例を示す側断面図である。 本発明に係る平面フレキシブルアンテナ装置の回路構成例を示す回路図である。
符号の説明
10…平面フレキシブルアンテナ装置、11…送信コイル部、11a〜11d…パターン層、12…受信コイル部、13…接続層、A〜D…分割領域、A11a〜D11d,A12〜D12…コイル

Claims (4)

  1. 被検知物を励磁させるために所定領域範囲に交番磁界を発生させる送信コイル部と、前記被検知物からの磁気信号を検知する受信コイル部とが、積層されてなる平面フレキシブルアンテナ装置であって、
    前記送信コイル部は、複数のパターン層が積層されてなるとともに、各パターン層のそれぞれが前記所定領域範囲を複数に分割した各分割領域別に配されたコイルを有しており、前記各パターン層における前記各分割領域別のコイルが並列に接続され
    前記受信コイル部は、前記送信コイル部の分割領域と同様に分割領域別に配されたコイルを有しており、
    前記受信コイル部における全ての前記コイルは、当該コイルと同一の分割領域における前記送信コイルの構成コイルと位相が逆相となるように通電される
    ことを特徴とする平面フレキシブルアンテナ装置。
  2. 前記受信コイル部は、前記送信コイル部の分割領域と同様に分割領域別に配されたコイルを有しており、
    前記受信コイル部における前記コイルは、当該コイルと同一の分割領域における前記送信コイルの構成コイルと位相が逆相となるコイルパターンを有している
    ことを特徴とする請求項1記載の平面フレキシブルアンテナ装置。
  3. 前記送信コイル部と前記受信コイル部との間に、前記送信コイル部におけるコイル並列接続を実現するための配線を有した接続層が介在している
    ことを特徴とする請求項1または2記載の平面フレキシブルアンテナ装置。
  4. 前記送信コイル部と前記受信コイル部との間に、前記送信コイル部におけるコイル並列接続および前記受信コイル部における逆相通電を実現するための配線を有した接続層が介在している
    ことを特徴とする請求項記載の平面フレキシブルアンテナ装置。
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