JP4525086B2 - 磁性タグを用いた媒体識別方法および磁性タグが付与された媒体 - Google Patents

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Description

この発明は、磁性タグを用いた媒体識別方法および磁性タグが付与された媒体に関し、特に、アモルファス磁歪素子を媒体に固定する固定部の面積を変化させて媒体上に形成された磁性タグが交番磁界を受けて磁歪振動する共振振動周波数に基づいて磁性タグが形成された媒体を識別する磁性タグを用いた媒体識別方法および磁性タグが付与された媒体に関する。
近年、商品や用紙、その他の媒体に情報を記録したタグを形成し、これらの媒体に形成されたタグの情報を非接触またはリモートで授受する装置およびその方法が提供されている。
例えば、物品等の商品を扱う店舗においては、商品の盗難等を防止するために商品の物品にタグを貼付し、このタグが貼付された商品が、店舗の出入口付近にゲート状に設置されたタグ検知装置を通過した際に、これらタグ の状態を1ビットのON/OFFで感知し、清算済みかどうかを判断して万引盗難を防止するシステムがある。
また、より多くの情報の授受が可能なように、ICチップに接続されたアンテナを介してRF帯域の電磁波を送受信するようなICカードも提供されている。
しかし、このICカードは、多くの情報量を扱うことが可能であるが、製造コストや、ICカードの大きさ等により用途が制限される。
そこで、非接触で情報の授受ができ、1ビットのON/OFFよりも、より多くの情報が表現可能な磁歪素子をタグとして用いる方法や装置が提案されている。
例えば、特許文献1や特許文献2および特許文献3に示されるように、磁歪素子であるアモルファス磁歪リボンを用いて、このアモルファス磁歪リボンの共振周波数によって多くの情報量が設定可能な情報記録媒体やデータタグ装置が提案がされている。
特開平08−293010号公報 特開平08−293012号公報 特開平10−143618号公報
ところで、上記に示した特許文献においては、アモルファス磁歪リボンの共振周波数によって得られる情報量を増加させるために、例えば特許文献1では、長さがほぼ等しくかつ幅が互いに異なる複数のアモルファス磁歪リボンを支持体に設けるような構成とし、特許文献2では、アモルファス磁歪リボンに、その磁歪振動を制御して共振周波数を変化させる負荷手段を設けるような構成とし、特許文献3では、アモルファス磁歪リボンの磁化パターンによるバイアス磁界の大きさを異ならせるような構成として、それぞれが、より多くの情報量を表現可能としている。
これらの提案は、いずれも高透磁率性磁歪部材が支持体内に振動可能に装填された場合の共振周波数の変化に対応付けた情報を、より多く表現可能とするような発明であり、紙のような薄い媒体に高透磁率性磁歪部材を形成し、高透磁率性磁歪部材が形成された紙等の媒体を複数重ね合わせて、それぞれの媒体に形成された高透磁率性磁歪部材を検知して媒体を特定可能とするような情報の表現方法については開示されていない。
そこで、この発明は、被識別体である原稿などの記録媒体を容易に特定することができる媒体識別方法および磁性タグが付与された媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明の媒体識別方法は、被識別体である各記録媒体上に、それぞれ同一の長さ厚さからなり、少なくとも一部が該記録媒体上で固定され、かつ該記録媒体に対する固定部の面積がそれぞれ異なり、非固定部が該記録媒体上に存在する磁歪特性を有する薄箔形状の磁歪素子をそれぞれ直接接着し、前記磁歪素子を前記媒体に固定する固定部の面積を異ならせることにより所定の交番磁界中における前記磁歪素子の共振振動周波数を変化させ、前記所定の交番磁界中における前記磁歪素子の共振振動周波数に基づき前記磁歪素子の情報を読み取ることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記磁歪素子は、複数の磁歪素子からなり、前記磁歪素子の情報は、前記複数の磁歪素子の共振振動の周波数パターンに基づき読み取られることを特徴とする。
また、請求項の発明は、少なくとも1つの磁歪素子からなる磁性タグが付与され、所定の交番磁界中における前記磁歪素子の共振振動周波数に基づき読み取られる前記磁性タグのタグ情報により識別される磁性タグが付与された媒体において、前記磁性タグを形成する磁歪素子は、それぞれ同一の長さ厚さからなり、少なくとも一部が前記媒体上に固定され、かつ非固定部が該媒体上に存在し、前記磁歪素子を前記媒体に固定する固定部の面積を異ならせることにより前記所定の交番磁界中における前記磁歪素子の共振振動周波数を変化させることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項の発明において、前記磁歪素子は、複数の磁歪素子からなり、前記タグ情報は、前記複数の磁歪素子の共振振動の周波数パターンに基づき読み取られることを特徴とする。
この発明によれば、被識別体である原稿などの記録媒体を容易に特定することができる。
また、同じ形状の磁性タグであっても磁歪素子が媒体に固定された固定部の面積に対応して、より多くの情報を識別することができる。
また、磁性タグが付与された媒体が重ね合わさった状態であっても各媒体に付与された磁性タグの情報を読み取り、各媒体を特定できるという効果を奏する。
この発明に係わる磁性タグを用いた媒体識別方法および磁性タグが付与された媒体は、例えばダイレクトメール等を配送する場合のように、内容の異なる複数種類の原稿を一セットとして封筒やケース等の中に入れて封印後、封筒やケース等の中に入れるべき複数種類の原稿の入れ忘れがないか否かを開封することなく非接触で検知可能な磁性タグを用いた媒体識別方法および磁性タグが付与された媒体として用いることが可能である。
例えば、この実施例においては、この発明に係わる磁性タグが付与された媒体の複数の原稿を一セットとして封筒内に収納し、封筒外部から非接触で封筒内に収納されている各原稿を書類確認装置を用いて特定して、一セットを構成する全ての原稿が封筒内に収納されているか否かを確認する場合を想定した、この発明に係わる磁性タグを用いた媒体識別方法および磁性タグが付与された媒体について示してある。
図1は、この発明に係わる磁性タグを用いた媒体識別方法および磁性タグが付与された媒体を適用した一例の書類確認装置の全体の構成を示す図である。
図1(a)は、書類確認装置100の概略の平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示した平面図に対応した側面図である。
図1において、書類確認装置100は、この発明に係わる磁性タグが付与された媒体を用いて作成された内容の異なる複数種類の原稿を一セットとして封筒内に収納して封印後、封筒外部から非接触で封筒内に入れるべき原稿の入れ忘れがないか否かを、この発明に係わる磁性タグを用いた媒体識別方法により確認する装置として用いられるものである。
図1に示すように、封筒4内に収納された図示せぬ複数の原稿には、書類確認装置100が封筒4内に収納された原稿の種類を非接触で検知可能とするために、各原稿固有を識別可能とする図示せぬ磁性タグが形成されており、この磁性タグを書類確認装置100が封筒4の外部から非接触で検知することで検知した磁性タグが形成された原稿を特定し、封筒4内に収納された原稿の種類を開封することなく検知できるように構成されている。
この書類確認装置100の構成は、封筒4内に存在する原稿に形成された磁性タグを検知する検知装置1と、検知装置1によって検知された検知結果に基づいて封筒4を封筒回収箱34または封筒配送箱33の何れかへ搬送する搬送機構装置3(一点鎖線で囲まれた部分)と、書類確認装置100全体を統括制御するコンピュータ2とで構成されている。
搬送機構装置3は、搬送用ベルト30と、ゲート31およびゲート31の開閉制御を行うゲート制御装置32と、封筒回収箱34および封筒配送箱33を備えている。
搬送用ベルト30は、図示せぬ駆動装置によって所定方向(図中の矢印35参照)に移動し、配送用ベルト30上に載せられた封筒4を検知装置1の略直下を通過させ、検知装置1の検知結果に基づいて封筒回収箱34または封筒配送箱33へ搬送する。
搬送用ベルト30の検知装置1の出口近傍には、板状のゲート31が配設されており、このゲート31が検知装置1の検知結果及びコンピュータ2の命令指示により開閉し、封筒4を封筒回収箱34または封筒配送箱33の何れかへ搬送するように誘導する。
例えば、検知装置1は、検知装置1の略直下に搬送された封筒4内に収納された各原稿に形成されている磁性タグを検知し、検知した磁性タグの情報に基づいて封筒4内に複数種類の原稿で一セットを構成する全ての原稿が収納されているか否かを判断する。
なお、封筒4内に複数種類の原稿で一セットを構成する全ての種類の原稿が収納されているか否かの判断は、予め登録された一セットを構成する複数種類の各原稿に形成された磁性タグの情報(以下、「参照情報」という。)と、検知装置1が検知した磁性タグの情報(以下、「検知情報」という。)とが全て一致している場合は、検知した封筒4内に複数種類の原稿で一セットを構成する全ての原稿が収納されているとして「入れ忘れ原稿なし」と判断し、参照情報と検知情報とが全て一致していない場合は、検知した封筒4内に入れ忘れの原稿があるとして「入れ忘れ原稿あり」と判断する。
検知装置1が「入れ忘れ原稿なし」と判断した場合は、この判断信号がコンピュータ2へ入力され、コンピュータ2がゲート31を開状態にするようにゲート制御装置32へ命令指示し、ゲート制御装置32によってゲート31が開状態に制御される。
また、検知装置1が「入れ忘れ原稿あり」と判断した場合は、この判断信号がコンピュータ2へ入力され、コンピュータ2がゲート31を閉状態にするようにゲート制御装置32へ命令指示し、ゲート制御装置32によってゲート31が閉状態に制御される。
ゲート31が閉状態に制御されると、板状のゲート31が搬送用ベルト30の搬送方向(図中の矢印35参照)に対して所定角度δだけ閉じるので、封筒4が搬送用ベルト30の移動に伴い封筒回収箱34へ搬送され収納される。
また、ゲート31が開状態に制御されると、板状のゲート31が搬送用ベルト30の搬送方向(図中の矢印35参照)に対して平行な状態で所定位置に格納されるので搬送用ベルト30の移動に伴い封筒4が封筒配送箱33へ搬送され収納される。
封筒配送箱33へ収納された封筒4には、複数種類の原稿で一セットを構成する全ての原稿が適正に収納されているので配送担当者が回収して配送し、封筒回収箱34へ収納された封筒4は、入れ忘れ原稿が存在するような不備な状態であるので、封筒4を開封後、入れ忘れ原稿を封筒4に収納して再度、書類確認装置100で確認後、配送する。
ところで、前述した封筒4内に収納する一セットを構成する複数の各原稿には、各原稿固有を識別可能とする識別情報に対応して磁性タグが形成付与されている。
この磁性タグは、アモルファス磁歪素子で形成されて各原稿にそれぞれ接着固定されている。
このアモルファス磁歪素子は、例えば、アモルファス磁歪素子に対して所定の磁界を与えるとアモルファス磁歪素子が歪み、所定周波数の交番磁界中にアモルファス磁歪素子を置くと、アモルファス磁歪素子が交番磁界の周波数と共振して磁歪振動するような磁歪特性を有している。
また、逆に、この磁歪特性を有すアモルファス磁歪素子に対して外部から力を加えて寸法変化させると、アモルファス磁歪素子の磁化状態が変化し、磁歪振動している状態のアモルファス磁歪素子からは磁歪振動の周波数に対応した電磁波が発せられる。
このように、封筒4内に収納された原稿には、封筒外部から非接触で検知可能なように磁歪特性を有するアモルファス磁歪素子の磁性タグが原稿固有の識別情報に対応して形成されているので、書類確認装置100の検知装置1は、搬送用ベルト30によって検知装置1の略直下に搬送された封筒4に対して所定周波数の交番磁界を送信し、送信した交番磁界によって封筒4内に存在するアモルファス磁歪素子の磁性タグが発する電磁波を検知するように構成されている。
図2は、原稿固有の識別情報に対応して形成されたアモルファス磁歪素子の磁性タグを検知する検知装置1を概略的に示したブロック図であり、図3は、図2で示した検知装置1によって長さの異なるアモルファス磁歪素子で形成された磁性タグを検知した検知信号の一例を示す図である。
図2及び図3を参照しながらアモルファス磁歪素子の磁性タグを検知する方法について説明する。
図2に示すように、検知装置1は、所定周波数の交番磁界を生成する交番磁界生成部211と、交番磁界生成部211で生成された交番磁界を送信する送信コイル212と、送信コイル212を介して送信された交番磁界を受けて原稿200上に形成付与されたアモルファス磁歪素子の磁性タグ201(以下、「磁性タグ201」という。)の磁歪振動によって発する電磁波を受信する受信コイル213と、送信コイル212を介して所定周波数の交番磁界を一定時間送信後停止し、この交番磁界の送信停止期間中に磁性タグの磁歪振動によって発せられる電磁波を受信コイル213を介して受信するタイミング制御を行うタイミング制御部216と、受信コイル213で受信した信号に基づいて所定周波数の交番磁界と共振して磁歪振動した磁性タグの共振周波数を検出する信号検知部214及び周波数解析部215とで構成されている。
原稿200は、検知装置1の送信コイル212と受信コイル213との間に配置され、交番磁界生成部211が周波数を低周波から高周波へ直線的に変化させた交番磁界を生成して送信コイル212を介して原稿200に対して送信する。
原稿200上に形成された磁性タグ201は、送信コイル212を介して送信された所定周波数の交番磁界によって共振して歪み、磁歪振動する。
なお、アモルファス磁歪素子が所定周波数の交番磁界を受けて磁歪振動する共振周波数は、アモルファス磁歪素子の材質や大きさ等によって定まるので、アモルファス磁歪素子は、アモルファス磁歪素子の材質や大きさ等に対応した固有の共振周波数の交番磁界を受けた時に最も振幅の大きな歪みを示して磁歪振動し、電磁波を発する。
このアモルファス磁歪素子の磁歪振動は、交番磁界の送信を停止しても、ある一定時間は収束しながら継続される。
タイミング制御部216は、所定周波数の交番磁界を送信コイル212を介して一定期間送信後停止し、この交番磁界の送信停止期間中に磁性タグ201の磁歪振動により発する電磁波を受信コイル213を介して受信するようなタイミング制御を行う。
受信コイル213で受信した受信信号は、信号検知部214及び周波数解析部215において周波数解析され、受信コイルに流れる電流信号が最大の時の周波数を原稿200上に形成された磁性タグ201固有の共振周波数として検知される。
このように構成された検知装置1を用いて原稿200に対して所定周波数の交番磁界を送信し、原稿200から検出された磁性タグ201の磁歪振動による共振周波数を検知することにより原稿200に形成された磁性タグを特定することが可能となる。
アモルファス磁歪素子の磁歪振動による共振周波数は、前述したように、アモルファス磁歪素子の材質や大きさ等により定まり、検知したアモルファス磁歪素子の共振周波数から当該共振周波数に対応した材質や大きさ等を有するアモルファス磁歪素子の特定が可能となる。
図3において、図3(a)から(c)は、長さの異なる細い薄箔の形状に形成されたアモルファス磁歪素子1M311(以下、「磁歪素子1M311」という。)、2M312(以下、「磁歪素子2M312」という。)、3M313(以下、「磁歪素子3M313」という。)がそれぞれ形成された原稿301、302、303を示す図であり、図3(d)から(f)は、各磁歪素子1M311、2M312、3M313が所定周波数の交番磁界を受けて磁歪振動した各磁歪素子固有の共振周波数特性を示す図である。
各磁歪素子1M311、2M312、3M313は、前述したように、外部から磁界を与えると寸法変化を起こすような、いわゆる磁歪特性を有している。
なお、図3(a)から(c)において、磁歪素子1M311、2M312、3M313の各数値1、2、3は、長さの異なる複数の磁歪素子を識別するために付したものであり、各磁歪素子1M311、2M312、3M313は、それぞれ組成、厚さ、幅が全て同一であり、長さが1M<2M<3Mの順に長いものとする。
図3(a)から(c)に示すように、長さの異なる各磁歪素子1M311、2M312、3M313が形成された各原稿301、302、303を図2で示した検知装置1の送信コイル212と受信コイル213との間にそれぞれ配置して交番磁界の周波数を例えば低周波から高周波へ順次変化させながら交番磁界を一定期間送信後停止し、この交番磁界の送信停止期間中に各原稿301、302、303に形成されたそれぞれの磁歪素子1M311、2M312、3M313が発する電磁波を受信して周波数解析すると、図3(d)から(f)に示すような各磁歪素子1M301、2M302、3M303固有の磁歪振動による共振周波数を波形信号D、E、Fとして検出することができる。
なお、各波形信号D、E、Fは、各磁歪素子1M311、2M312、3M313が発する電磁波を受信し、受信コイルに流れる電流がピークとなった時の各周波数を周波数解析して得た結果の波形信号であり、図3(d)の波形信号Dは、磁歪素子1M311の共振周波数がf4であることを示し、図3(e)の波形信号Eは、磁歪素子2M312の共振周波数がf2、図3(f)の波形信号Fは、磁歪素子3M313の共振周波数がf1であることをそれぞれ示している。
このように、磁歪特性を有する各磁歪素子1M311、2M312、3M313で形成された磁性タグに対して低周波から高周波へ、もしくは高周波から低周波へ順次変化する交番磁界を与え、磁歪素子の磁歪振動によって発する電磁波を検出して共振周波数を検知することにより、検知した共振周波数に対応した磁歪素子を特定することが可能である。
なお、図3の例では、一つの磁歪素子で一つの磁性タグが形成された原稿の例を示したが、複数の磁歪素子を組合わせた磁性タグが形成された原稿であってもよい。
前述の説明の如く、図3に示したアモルファス磁歪素子の磁性タグが所定周波数の交番磁界を受けて磁歪振動した際に検出される共振周波数の検出信号の一例は、いずれも原稿の用紙上にアモルファス磁歪素子の全面を接着形成された場合の例を示したものである。
ところが、同一の組成(例えば、Fe−B−Si)、厚さ、幅、長さを有するアモルファス磁歪素子であってもアモルファス磁歪素子を用紙上に固定する固定部の面積(以下、「接着面積」という。)が異なると、接着面積に対応してアモルファス磁歪素子の磁歪振動による共振周波数が変化して検出される結果を得た。
そこで、この発明に係わる磁性タグが付与された媒体の原稿には、磁性タグを形成する磁歪素子を原稿上に固定する接着面積を変化させて付与し、各原稿固有を識別可能とするように構成されている。
図4は、原稿上に固定された磁歪素子の接着面積に対応して検出された磁歪振動による共振周波数の検出結果を示した表である。
図4(a)は、用紙上に接着固定されたアモルファス磁性素子の接着状態を示す図であり、図4(b)は、図4(a)で示したような用紙上に接着されて固定された磁歪素子の接着面積に対応した共振周波数の測定結果を示した表である。
図4(a)に示すように、この発明に係わる磁性タグが付与された媒体の原稿用紙400には、例えば厚さT、幅W、長さLのアモルファス磁歪素子401をアモルファス磁歪素子401の所定の片端Aから所定の片端Aとは対向する他の片端Cの方向へ長さBのW×Bの面積S(斜線を付した部分、以下、「接着面積S」という。)だけ用紙へ接着固定するように構成されており、アモルファス磁歪素子の長さLがそれぞれ30mm、40mm、50mmの各アモルファス磁歪素子の接着面積Sに対応した共振周波数の測定結果が図4(b)に示されている。
図4(b)に示した表40には、図4(a)で示したアモルファス磁歪素子401の厚さTが25μm、幅Wが7mm、長さLがそれぞれ30mm、40mm、50mmの各アモルファス磁歪素子に対して各アモルファス磁歪素子の所定の片端Aから所定の片端Aとは対向する他の片端Cの方向への長さBmmを変化させて各アモルファス磁歪素子の接着面積Sに対応した各アモルファス磁性素子の共振周波数を測定して得た結果が示してある。
例えば、表40は、「NO.」欄411と、「アモルファス磁歪素子の長さL(mm)欄」412と、「用紙に接着させた磁性素子の長さB(mm)」欄413から構成されており、「用紙に接着させた磁性素子の長さB(mm)」欄413には、アモルファス磁歪素子の長さLが30mm、40mm、50mm・・・の各アモルファス磁歪素子の長さBがそれぞれ2mm、10mm、20mm、30mm、40mm、50mm・・・で形成される各アモルファス磁歪素子の接着面積Sに対応した共振周波数が示されている。
なお、表40で示した長さLが30mm、40mm、50mm・・・の各アモルファス磁歪素子は、厚さTが25μm、幅Wが7mmであり、用紙に接着固定させた磁性素子の長さBが定まればBに対応したアモルファス磁歪素子の接着面積Sが7mm×Bmmで一義的に定まる。
表40によると、「NO.」欄411の「2」には、原稿用紙400上に長さLが40mmのアモルファス磁歪素子を所定の片端Aからの長さBを「2」mm、「10」mm、「20」mm、「30」mm、「40」mmだけ接着固定した各接着面積Sに対応したアモルファス磁歪素子の共振周波数がそれぞれ「58」kHz、「53」kHz、「50」kHz、「45」kHz、「41」kHzで検出されたことが示されている。
なお、長さLが40mmのアモルファス磁歪素子に対して長さBを「40」mmだけ接着させた場合とは、アモルファス磁性素子の全面を原稿用紙400上に接着固定させたことを示している。
また、「NO.」欄411の「1」には、原稿用紙400上に長さLが30mmのアモルファス磁歪素子を所定の片端Aからの長さBを「2」mm、「10」mm、「20」mm、「30」mmだけ接着固定させた各接着面積Sに対応したアモルファス磁歪素子の共振周波数がそれぞれ「75」kHz、「65」kHz、「68」kHz、「57」kHzで検出されたことが示されており、「NO.」欄411の「3」には、原稿用紙400上に長さLが50mmのアモルファス磁歪素子を所定の片端Aからの長さBを「2」mm、「10」mm、「20」mm、「30」mm、「40」mm、「50」mmだけ接着固定した各接着面積Sに対応したアモルファス磁歪素子の共振周波数がそれぞれ「47」kHz、「38」kHz、「41」kHz、「42」kHz、「34」kHzで検出されたことが示されている。
このように、厚さT、幅W、長さLがそれぞれ同一のアモルファス磁歪素子に対して用紙上に接着固定させるアモルファス磁歪素子の接着面積Sを変化させることにより、接着面積Sに対応したアモルファス磁歪素子固有の共振周波数を検出することが可能となる。
更に、長さLが異なる複数のアモルファス磁歪素子に対して用紙上に接着固定させるアモルファス磁歪素子の接着面積Sを変化させることによりモルファス磁歪素子の長さLと接着面積Sとに対応した固有の共振周波数を検出することができる。
したがって、長さLが異なる複数のアモルファス磁歪素子を用紙上に接着固定するアモルファス磁歪素子の接着面積Sを変化させて形成し、アモルファス磁歪素子の長さLと接着面積Sに対応した固有の共振周波数を予め測定して記憶することにより、検知した共振周波数に対応したアモルファス磁歪素子の接着面積Sとアモルファス磁歪素子の長さLを特定することができる。
すなわち、同じ長さのアモルファス磁歪素子であっても用紙上に接着固定させるアモルファス磁歪素子の接着面積によって共振周波数が異なり、更に、長さの異なるアモルファス磁歪素子に対する接着面積に対応してアモルファス磁歪素子の共振周波数が異なるので、これらを対応付けたデータを予め作成し、参照することにより、より多くの情報が表現されて付加された磁性タグの情報を読み取ることが可能となる。
図5は、封筒4内に収納された、この発明に係わる磁性タグが付与された媒体である複数種類の原稿で一セットを構成する各原稿にそれぞれ形成された磁性タグの一例を示す図であり、図6は、図5で示した磁性タグが形成された各原稿が収納された原稿に対して所定周波数の交番磁界を与えることにより検出された各磁性タグの磁歪振動による共振周波数パターンを示す図である。
図5に示すように、第一原稿51には磁性タグ1L511、第二原稿52には磁性タグ2L521、第三原稿53には磁性タグ3L531、第四原稿54には磁性タグ4L541、第五原稿55には磁性タグ5L551がそれぞれ形成されており、各磁性タグは図4(b)の表40、「NO.」欄411の「2」で示した厚さTが25μm、幅Wが7mm、長さLが40mmのアモルファス磁歪素子で構成され、各原稿用紙上に各磁性タグのアモルファス磁歪素子を接着固定する接着面積が異なるように形成されている。
例えば、第一原稿51にはアモルファス磁歪素子をアモルファス磁歪素子の所定の片端Aから長さBを2mmだけ接着固定した磁性タグ1L511が形成されており、第二原稿52、第三原稿53、第四原稿54、第五原稿55にはそれぞれ各原稿に形成されたアモルファス磁歪素子の所定の片端Aから長さBがそれぞれ10mm、20mm、30mm、40mm(全面)だけ接着固定した磁性タグ2L521、3L531、4L541、5L551がそれぞれ形成されている。
このように形成された磁性タグ1L511、2L521、3L531、4L541、5L551が付与された各原稿51、52、53、54、55が収納された封筒4に対して封筒4の外部から周波数を低周波から高周波へ、もしくは高周波から低周波へ直線的に変化させた交番磁界を与えると、各原稿に形成された磁性タグが交番磁界の周波数に共振して磁歪振動する。
この各磁性タグの所定周波数の交番磁界に共振した磁歪振動は、各磁性タグが最も振幅の大きな歪みを示し振動するので、各磁性タグの磁歪振動によって発せられる所定強度の電磁波を検出してみると、図6に示すような共振周波数パターン601が検出される。
共振周波数パターン601には、各磁性タグ1L511、2L521、3L531、4L541、5L551のそれぞれ固有の共振周波数を示す波形信号G、H、I、J、Kが検出されており、波形信号Gは、磁歪素子1L511の共振周波数を示し、波形信号Hは、磁歪素子2L521の共振周波数、波形信号Iは、磁歪素子3L531の共振周波数、波形信号Jは、磁歪素子4L541の共振周波数、波形信号Kは、磁歪素子5L551の共振周波数を示している。
そこで、各磁性タグ1L511、2L521、3L531、4L541、5L551がそれぞれ形成された第一原稿51、第二原稿52、第三原稿53、第四原稿54、第五原稿55を重ねて封筒4の中に入れて封印後、この封筒4内の各原稿を開封することなく封筒4の外部から非接触で封筒4内に収納された原稿を検知確認する方法について説明する。
図7は、図5で示した第一原稿51、第二原稿52、第三原稿53、第四原稿54、第五原稿55の原稿で一セットを構成し、この一セットを構成する各原稿を封筒4内に収納して発送する場合において、いくつかの原稿を封筒4内に入れ忘れた場合の封筒4から、検出された共振周波数パターンを示す図である。
図7(a)は、封筒4内に第三原稿53を入れ忘れた状態の共振周波数パターンを示す図であり、図7(b)は、封筒4内に第二原稿52及び第四原稿54を入れ忘れた状態の共振周波数パターンを示す図、図7(c)は、封筒4内に第三原稿53、第四原稿54及び第五原稿55を入れ忘れた状態の共振周波数パターンを示す図である。
これらの共振周波数パターンに基づいて封筒4内に収納されている原稿の種類を確認し、入れ忘れの原稿がないか否かを判別することができる。
例えば、図7(a)に示すように、第三原稿53を入れ忘れた状態の封筒4に対して周波数を低周波から高周波へ、もしくは高周波から低周波へ直線的に変化させた交番磁界を与えると、封筒4内に収納された第一原稿51、第二原稿52、第四原稿54、第五原稿55に形成されたそれぞれの磁性タグ1L511、2L521、4L541、5L551がそれぞれの固有の共振周波数の交番磁界を受けて磁歪振動して電磁波を発し、検知装置1が各磁性タグ固有の磁歪振動の共振周波数を検出して図7(a)に示すような共振周波数パターン701を検知する。
共振周波数パターン701には、波形信号G、H、J、Kが検出されており、図6で示した共振周波数パターン601と比較してみると、共振周波数パターン701には第三原稿53に形成された磁性タグ3L531の共振周波数である波形信号Iが検出されていないことが分かる。
また、図7(b)に示すように、第二原稿52及び第四原稿54を入れ忘れた状態の封筒4に対して周波数を低周波から高周波へ、もしくは高周波から低周波へ直線的に変化させた交番磁界を与えると、封筒4内に収納された第一原稿51、第三原稿53及び第五原稿55に形成されたそれぞれの磁性タグ1L511、3L531、5L551がそれぞれの固有の共振周波数の交番磁界を受けて磁歪振動して電磁波を発し、検知装置1が各磁性タグ固有の磁歪振動の共振周波数を検出して図7(b)に示すような共振周波数パターン702を検知する。
共振周波数パターン703には、波形信号G、I、Jが検出されており、図6で示した共振周波数パターン601と比較してみると、共振周波数パターン702には第二原稿52及び第四原稿54にそれぞれ形成された磁性タグ2L521及び3L531の共振周波数を示す波形信号H、Kが検出されていないことが分かる。
また、図7(c)に示すように、第三原稿53、第四原稿54及び第五原稿55を入れ忘れた状態の封筒4に対して周波数を低周波から高周波へ、もしくは高周波から低周波へ直線的に変化させた交番磁界を与えると、封筒4内に収納された第一原稿51及び第二原稿52に形成されたそれぞれの磁性タグ1L511、2L521がそれぞれの固有の共振周波数の交番磁界を受けて磁歪振動して電磁波を発し、検知装置1が各磁性タグ固有の磁歪振動の共振周波数を検出して図7(c)に示すような共振周波数パターン703を検知する。
共振周波数パターン703には、波形信号G、Hが検出されており、図6で示した共振周波数パターン601と比較してみると、共振周波数パターン703には第二原稿52、第三原稿53、第四原稿54及び第五原稿55にそれぞれ形成された磁性タグ2L521、3L531、4L541及び5L551の共振周波数を示す波形信号I、J、Kが検出されていないことが分かる。
このように、検知装置1が封筒4に対して周波数を低周波から高周波へ、もしくは高周波から低周波へ直線的に変化させた交番磁界を送信し、送信した各周波数の交番磁界によって封筒4内に収納された各原稿の磁性タグの磁歪振動による電磁波を検出し、各磁性タグのアモルファス磁歪素子が原稿上に接着固定された接着面積に対応した磁歪振動による共振周波数を検知することにより、封筒4内に収納された原稿の種類を封筒4の外部から非接触で原稿4を開封することなく検知確認することができる。
なお、一セットを構成する第一原稿51、第二原稿52、第三原稿53、第四原稿54、第五原稿55の各原稿に形成された各磁性タグ1L511、2L521、3L531、4L541、5L551それぞれ固有の磁歪振動の共振周波数は、予め検知装置1で検出して記憶管理されているものとする。
以上の説明においては、各原稿固有を識別可能とする識別情報がアモルファス磁歪素子の所定の片端Aから所定の片端Aとは対向する他の片端Cの方向へ長さBのW×Bの接着面積Sだけ用紙へ接着固定された構成の例を示したが、図8に示すようなアモルファス磁歪素子をアモルファス磁歪素子の両端A及びCからそれぞれ所定の長さB(1)、B(2)で形成される接着面積S(1)、S(2)の部分(図8(a)の斜線部分を参照)のみを原稿上に接着固定して形成された構成にしてもよく、また、アモルファス磁歪素子の片端A及びC以外の任意の位置から所定の長さB(3)で形成される接着面積S(3)の部分(図8(b)の斜線部分を参照)のみを原稿上に接着固定して形成された構成にしてもよい。
また、アモルファス磁歪素子の厚さ、幅、長さがそれぞれ異なる複数のアモルファス磁歪素子と各アモルファス磁歪素子を原稿へ接着させる接着面積S(4)、S(5)(図8(c)の斜線部分を参照)とを組合わせて原稿上へ接着固定して形成した構成でもよい。
さて、ここで、この発明に係わる磁性タグが付与された媒体を作成する方法について簡単に説明する。
図9は、付加情報が付与された本発明に係わる媒体を作成するための付加情報付与装置の一例の構成を示すブロック図であり、図10は、付加情報付与装置900のうちの搬送機構部80の部分の構造を概略的に示した図である。
なお、図9及び図10において、図9に示した搬送機構部80を平面図とし、図10に示した図を側面図として示してある。
図9及び図10において、付加情報付与装置900(一点鎖線で囲まれた部分)は、画像形成装置であるプリンタ2の用紙搬出側に取り付けられ、プリンタ2によって画像情報が印刷されて排紙された原稿12を取り込み、その原稿12に原稿12固有を識別可能とする識別情報をアモルファス磁歪素子の磁性タグ830で形成付与するように構成されている。
また、原稿12上に形成付与するアモルファス磁歪素子の磁性タグ830は、原稿12固有の識別情報に対応してアモルファス磁歪素子を原稿12上に形成付与する際に、原稿12上に接着固定させるアモルファス磁歪素子の接着面積を変化させて形成付与する。
付加情報付与装置900には、プリンタ2から排紙された原稿12を搬送する搬送機構部80と、搬送機構部80の駆動制御や原稿12上に形成する原稿12固有の識別情報に対応した磁性タグ11を形成するための制御等を行う制御回路部70から構成されている。
搬送機構部80の一対の用紙送りローラ85は、プリンタ2の用紙搬出口の対向の位置に設けられ、プリンタ2から排紙された原稿12を搬送機構部80の内部に取り込み、取り込んだ原稿12を一対の用紙搬出ローラ86が付加情報付与装置900の外部へ搬出する。
図10に示すように、各ローラ85、86の間には、磁歪素子転写装置81(図9においては一点鎖線で囲まれた部分)が配置されており、磁歪素子転写装置81の発熱抵抗体812の対向する位置には、ガイド用ローラ871が設置されている。
プリンタ2から排紙された原稿12は、一対の用紙送りローラ85と、磁歪素子転写装置81とガイド用ローラ871との間と、一対の用紙搬出ローラ86とを通過して搬送機構部80から搬出される。
搬送機構部80の磁歪素子転写装置81には、アモルファス磁歪素子を原稿12上に接着固定させる際に、アモルファス磁歪素子の所望の面積だけ接着可能なように構成した熱転写シート811が十分に巻き付けられたシート送りローラ813と、熱転写シート811の端部に取り付けられたシート巻取ローラ814を備えている。
磁歪素子転写装置81は、アモルファス磁歪素子の厚さ、幅、長さ及び原稿12上にアモルファス磁歪素子を接着させる接着面積に対応した種類の熱転写シートが収納された磁歪素子転写装置と変更することにより、所望の大きさのアモルファス磁歪素子を所望の接着面積で原稿上に接着固定することが可能である。
例えば、図5で示したような第三原稿53に形成付加された磁性タグ3L531を原稿12上に形成する場合は、厚さTが25μm、幅Wが7mm、長さLが40mmのアモルファス磁歪素子をアモルファス磁歪素子の片端Aから長さBを20mmだけ原稿12上に接着可能とするように加工した熱転写シートが収納された磁歪素子転写装置を配置することにより磁性タグ3L531と同一の磁性タグを原稿12上に形成付与することができる。
プリンタ2から排紙された原稿12は、一対の用紙送りローラ85と、磁歪素子転写装置81とガイド用ローラ871との間と、一対の用紙搬出ローラ86とを通過して搬送機構部80から搬出される。
熱転写シート811は、制御回路部70による磁歪素子転写装置81の駆動制御によりシート送りローラ813から送り出され、シート巻取ローラ814により巻き取られる。 熱転写シート811は、制御回路部70による制御に基づいて発熱抵抗体812とガイド用ローラ871との間を原稿12と共に通過するように構成されている。
なお、磁歪素子転写装置81は、ガイド用ローラ871の軸方向に搬送機構部80の内部を摺動可能に取り付けられており、熱転写シート811に含まれるアモルファス磁歪素子を原稿12上の所望位置に熱転写可能なように構成されている。
付加情報付与装置900の制御回路部70は、情報入力部71と、搬送制御部72と磁性タグ形成部73を備えている。
情報入力部71は、プリンタ2により印刷された画像情報をプリンタ2から取得する。
搬送制御部72は、搬送機構部80の駆動制御を行うことでプリンタ2から排紙された原稿12を搬送する。
磁性タグ形成部73は、搬送制御部12と連係して熱転写シート811が収納された磁歪素子転写装置81のシート送りローラ813及びシート巻取ローラ814の動作を制御する。
そして熱転写シート811の搬送制御を行いながら、磁歪素子転写装置81の発熱抵抗体812を発熱させて熱転写シート811の一部を溶解して原稿12上にアモルファス磁歪素子の所定の接着面積だけ熱転写して接着固定する。
このように原稿12の識別情報に対応したアモルファス磁歪素子の接着面積を原稿12上に熱転写して接着固定する。
図11は、磁歪素子転写装置81に収納されている熱転写シート811の構成を示す図である。
図11(a)は、磁歪素子転写装置81に収納された熱転写シート811の基本構成を示した斜視図であり、図11(b)及び図11(c)は、図11(a)で示した熱転写シート811の斜視図を所定方向から見た場合の熱転写シート811の特徴的な構成の部分を拡大して示した図である。
なお、図11においては、説明の便宜上、図5で示した第三原稿53に形成付加された磁性タグ3L531を例に示したものである。
図11に示すように、熱転写シート811は、シート基板8110と、熱溶融材で構成された熱溶融層8111と、厚さTが25μm、幅Wが7mm、長さLが40mmのアモルファス磁歪素子8113と粘着材で構成された粘着層8112の3層で構成されている。
粘着層811は、アモルファス磁歪素子8113を原稿12に接着固定する際に、アモルファス磁歪素子8113の片端Aからの長さBが20mmだけ接着可能なように接着材が付加されている(図11(c)参照)。
熱溶融層8111及び粘着層8112は、熱転写シート811の送り出し方向(図11(a)中の矢印820)とは直交する方向に所定間隔に分割されている。
原稿12へ熱転写シート811を熱転写する場合は、発熱抵抗体812により行われるので、発熱抵抗体812の幅に合わせて予め熱転写シート811を分割しておくことが望ましい。
分割された熱転写シート811の各領域、例えば811a、811bにはアモルファス磁歪素子8113が含まれる。
また、シート基板8110としてはアセトートフィルムを、また粘着材としてはアクリル樹脂系粘着材を用いることができる。
図12は、図11で示した熱転写シート811を原稿上に熱転写する基本的な処理を説明するための説明図である。
図12(a)は、発熱抵抗体812が発熱して熱転写シート811を原稿12上に熱転写する様子を示した斜視図であり、図12(b)及び図12(c)は、図12(a)で示した熱転写シート811の斜視図を所定方向から見た場合の熱転写シート811の様子を示した図、図12(d)は、原稿12上に形成されたアモルファス磁歪素子8113の磁性タグを示す図である。
図12を参照しながら熱転写シートのアモルファス磁性素子を原稿12上に熱転写する基本的な処理について簡単に説明する。
プリンタ2から画像情報が印刷された原稿12が排紙され、付加情報付与装置900の搬送機構部80に搬入されると、用紙送りローラ85によって原稿12が磁歪素子転写装置81の発熱抵抗体812の直下へ搬送される。
磁性タグ形成部73は、原稿12上に印刷された画像情報に対応して原稿12上の所定の位置、例えば画像情報が印刷されていない部分等の位置へ磁性タグが形成可能なように磁歪素子転写装置81を移動させ、磁歪素子転写装置81の発熱抵抗体812を必要に応じて発熱させる。
この発熱抵抗体812の発熱により発熱時点において図12(a)乃至(c)に示すような発熱抵抗体812の位置にあった熱溶融層8111は溶融し、その溶融した熱溶融層8111に対応する位置の粘着層8112がはがれ、図12(d)に示すように、並行して搬送している原稿12上に粘着する。
なお、発熱抵抗体812の発熱時点においては、熱転写シート811と原稿12の各搬送速度が同速に制御されている。
このようにして熱転写シート811に含まれるアモルファス磁性素子813が原稿12上に熱転写され磁性タグ3L531が原稿12上に形成付与される。
この発明に係わる磁性タグが付与された媒体を用いた書類を検知する書類確認装置の全体構成図 この発明に係わる磁性タグが付与された媒体に形成された磁性タグを検知する検知装置1のブロック図 検知装置1によって検知された磁性タグの検知信号の一例を示す図 原稿上に接着固定された磁性タグの接着面積に対応した磁歪振動の共振周波数の検出結果の一例を示す図 封筒4内に収納された複数種類の各原稿に形成された磁性タグの一例を示す図 図5で示した各原稿が収納された封筒から検出された磁歪振動による共振周波数パターンの一例を示す図 図5で示した各原稿を組合わせて収納された封筒から検出された磁歪振動による共振周波数パターンの一例を示す図 図5で示した磁性タグとは他の磁性タグの一例を示す図 付加情報が付与された、この発明に係わる磁性タグが付与された媒体を作成するための付加情報付与装置の一例のブロック図 図9で示した付加情報付与装置のうちの搬送機構部の構造を示した概略図 図10で示した搬送機構部の磁歪素子転写装置81に収納されている熱転写シートの構成を示す図 熱転写シートが原稿上に熱転写される処理動作の説明図
符号の説明
1 検知装置
2 コンピュータ
3 搬送機構装置
4 封筒
12、200、301、302、303、400 原稿
30 搬送用ベルト
31 ゲート
32 ゲート制御装置
33 封筒配送箱
34 封筒回収箱
35 配送用ベルトの搬送方向
51 第一原稿
52 第二原稿
53 第三原稿
54 第四原稿
55 第五原稿
70 制御回路部
71 情報入力部
72 搬送制御部
73 磁性タグ形成部
80 搬送機構部
81 磁性素子転写装置
85 用紙送りローラ
86 用紙搬出ローラ
90 プリンタ
201、401 アモルファス磁性タグ
211 交番磁界生成部
212 送信コイル
213 受信コイル
214 信号検知部
215 周波数解析部
216 タイミング制御部
311 アモルファス磁性タグ(1M)
312 アモルファス磁性タグ(2M)
313 アモルファス磁性タグ(3M)
511 アモルファス磁性タグ(1L)
521 アモルファス磁性タグ(2L)
531 アモルファス磁性タグ(3L)
541 アモルファス磁性タグ(4L)
551 アモルファス磁性タグ(5L)
811 熱転写シート
812 発熱抵抗体
813 シート送りローラ
814 シート巻取ローラ
871 ガイド用ローラ
8110 シート基板
8111 熱溶融層
8112 粘着層とアモルファス磁性素子
8113 アモルファス磁性素子

Claims (4)

  1. 被識別体である各記録媒体上に、それぞれ同一の長さ厚さからなり、少なくとも一部が該記録媒体上で固定され、かつ該記録媒体に対する固定部の面積がそれぞれ異なり、非固定部が該記録媒体上に存在する磁歪特性を有する薄箔形状の磁歪素子をそれぞれ直接接着し、
    前記磁歪素子を前記媒体に固定する固定部の面積を異ならせることにより所定の交番磁界中における前記磁歪素子の共振振動周波数を変化させ、
    前記所定の交番磁界中における前記磁歪素子の共振振動周波数に基づき前記磁歪素子の情報を読み取る
    ことを特徴とする媒体識別方法。
  2. 前記磁歪素子は、
    複数の磁歪素子からなり、
    前記磁歪素子の情報は、
    前記複数の磁歪素子の共振振動の周波数パターンに基づき読み取られる
    ことを特徴とする請求項1記載の媒体識別方法。
  3. 少なくとも1つの磁歪素子からなる磁性タグが付与され、所定の交番磁界中における前記磁歪素子の共振振動周波数に基づき読み取られる前記磁性タグのタグ情報により識別される磁性タグが付与された媒体において、
    前記磁性タグを形成する磁歪素子は、それぞれ同一の長さ厚さからなり、少なくとも一部が前記媒体上に固定され、かつ非固定部が該媒体上に存在し
    前記磁歪素子を前記媒体に固定する固定部の面積を異ならせることにより前記所定の交番磁界中における前記磁歪素子の共振振動周波数を変化させる
    ことを特徴とする磁性タグが付与された媒体。
  4. 前記磁歪素子は、
    複数の磁歪素子からなり、
    前記タグ情報は、
    前記複数の磁歪素子の共振振動の周波数パターンに基づき読み取られる
    ことを特徴とする請求項記載の磁性タグが付与された媒体。
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