JP4780263B2 - フタルイソイミド誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、農薬及び化学品等の製造原料又は中間体として有用な一般式(I) で表されるフタルイソイミド誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フタルイソイミド誘導体は、農薬、医薬及び化学品等の合成中間体又は原料として有用であり、農薬用としては、例えば本願出願人が出願の特開平11−240857号公報および特願平11−338715号公報等に記載の農園芸用殺虫剤の原料化合物又は中間体として有用な化合物である。
【0003】
フタルイソイミド類の製造法に関しては、大別すると以下のような方法が報告されている。
▲1▼. 無水フタル酸類をアミン類と反応させてN−置換フタラミン酸を製造し、これを各種脱水剤を用いて脱水縮合することによりフタルイソイミド誘導体を製造する方法。例えば、J.Org.Chem.,1973,38,4164、J.Med.Chem.,1967,10,982、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1988,2149、J.Org.Chem.,1963,28,2018、J.Am.Chem.Soc.,1975,97,5582及び特開平11−240857号等。
▲2▼. フタル酸ジクロリド類とアミン類を反応させフタルイソイミド誘導体を製造する方法。例えば、Khim.Geterotsikl.Soedin.,1984,9,1280等。
▲3▼. 3,3−ジクロロフタリド類とアミン類を反応させフタルイソイミド誘導体を製造する方法。例えば、Tetrahedron Letters,1991,32(23),2637等。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、▲1▼の方法は脱水縮合剤としてクロロギ酸エステル、無水トリフルオロ酢酸、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド等の高価な試薬を多量に必要とし、工業化には適していない。▲2▼の方法では、一般的に水に対して不安定と考えられる酸クロリド類を原料とすることから、非水系で高価なトリエチルアミンを塩基として用いるもので、嵩高い2当量のトリエチルアミン塩酸塩が析出するため、溶媒量も通常より大量に要する等の課題がある。又、▲3▼の方法では、毒性上製造従事者の健康に影響を与える恐れのあるアセトニトリルを溶媒として使用する為、安全性上及び設備上工業化には課題がある。更に、前述の▲2▼と同様な問題も含んでいる。
従来技術では、諸々の課題点、即ち、高価な塩基及び脱水縮合剤等の試薬を必要とし、大量の析出物が生成するため生産効率が低くなる、あるいは溶媒等の毒性が高く、取り扱いや後処理に安全性や設備等の面での対応にコストがかかること等により工業化に課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記問題を解決し、新規なフタルイソイミド類の製造方法を開発すべく鋭意検討を重ねた結果、フタル酸ジハライド類又は3,3−ジハロゲノフタリド類を水及び有機溶媒の2相系溶媒中、塩基性条件下でアミン類と反応させることにより上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0006】
即ち、本発明は一般式(II):
【化4】
(式中、Xは同一又は異なっても良く、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、 (C1-C6)アルキル基、ハロ (C1-C6)アルキル基、 (C1-C6)アルコキシ基、ハロ (C1-C6)アルコキシ基、 (C1-C6)アルキルチオ基、ハロ (C1-C6)アルキルチオ基又は置換されていても良いフェニル基を示し、nは0乃至4の整数を示す。又、Xはベンゼン環上の隣接する炭素原子と一緒になって縮合環を形成することができ、該縮合環は同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 (C1-C6)アルキル基、ハロ (C1-C6)アルキル基、 (C1-C6)アルコキシ基、ハロ (C1-C6)アルコキシ基、 (C1-C6)アルキルチオ基又はハロ (C1-C6)アルキルチオ基から選択される一以上の置換基を有することもできる。Halは同一又は異なっても良いハロゲン原子を示す。)
で表されるフタル酸ジハライド類、又は一般式(II'):
【0007】
【化5】
(式中、X、n及びHalは前記に同じ。)
で表される3,3−ジハロゲノフタリド類を水及び有機溶媒からなる二相系溶媒中、塩基の存在下に、一般式(III):
R−NH2 (III)
【0008】
(式中、Rは (C1-C8)アルキル基、ハロ (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルコキシ (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルキルチオ (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルキルスルフィニル (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルキルスルホニル (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルコキシイミノ (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルキルアミノカルボニルオキシ (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルコキシカルボニル (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルコキシカルボニルアミノ (C1-C8)アルキル基、1以上の同一又は異なっても良い置換基を有しても良いフェニル基、環上に1以上の同一又は異なっても良い置換基を有しても良いフェニル (C1-C4)アルキル基、環上に1以上の同一又は異なっても良い置換基を有しても良い芳香族複素環基又は環上に1以上の同一又は異なっても良い置換基を有しても良い芳香族複素環 (C1-C4)アルキル基を示す。)
で表されるアミン類とを反応させることを特徴とする一般式(I):
【0009】
【化6】
(式中、X、n及びRは前記に同じ。)
で表されるフタルイソイミド誘導体の製造方法に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明における各置換基の例を示す。本発明における化学式の略式表記において、「i」は「イソ」を「sec」は「セカンダリー」を、「t」は「ターシャリー」を意味する。
本発明の一般式(I) で表されるフタルイソイミド誘導体の置換基の定義において、「ハロゲン原子」とは塩素原子、臭素原子、沃素原子又はフッ素原子を示し、「(C1-C6 )アルキル」とは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、「ハロ(C1-C6 )アルキル」とは、同一又は異なっても良い1以上のハロゲン原子により置換された直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を示す。
【0011】
芳香族複素環基としては、例えばフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、オキサゾリン、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン等が挙げられ、分子中の窒素原子は酸化されていても良い。又そのベンゾ誘導体であっても良く、「ベンゾ誘導体」とは、例えばベンゾフラン、イソベンゾフラン、1−ベンゾチオフェン、2−ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、1,2−ベンゾチアゾール、1,3−ベンゾチアゾール、2,1−ベンゾチアゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、シンノリン、フタラジン、1,2,3−ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾキサジン、ベンゾチアジン、ベンゾピリダジン、1−オキソ−4−アザナフタレン、1−チア−4−アザナフタレン等が挙げられ、その置換位置に関しては特に制限はない。
【0012】
本発明の一般式(I) で表されるフタルイソイミド誘導体の製造方法は、例えば図式的に示すと以下の通りである。
【化7】
(式中、X、n及びRは前記に同じ。)
【0013】
即ち、一般式(II)で表されるフタル酸ジハライド類又は一般式(II') で表される3,3−ジハロゲノフタリド類と一般式(III) で表されるアミン類を有機溶媒と水からなる2相系溶媒中、塩基の存在下に反応させることにより一般式(I) で表されるフタルイソイミド誘導体の製造することができる。
本反応で使用する一般式(III) で表されるアミン類の使用量は、一般式(II)で表されるフタル酸ジハライド類又は一般式(II') で表される3,3−ジハロゲノフタリド類に対して0.5〜2当量の範囲から経済性に応じて適宜選択して使用すれば良く、好ましくは0.9〜1.1当量の範囲である。
【0014】
本反応で使用する塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子の水酸化物又は炭酸塩等の無機塩基が使用できる。塩基の使用量としては、一般式(II)で表されるフタル酸ジハライド類又は一般式(II') で表される3,3−ジハロゲノフタリド類に対して1/2〜過剰量の範囲で使用することができ、好ましくは2〜2.5当量の範囲である。
本反応における水溶媒の使用量は、一般式(II)で表されるフタル酸ジハライド類又は一般式(II') で表される3,3−ジハロゲノフタリド類1gに対して1〜50mlの範囲から適宜選択して使用すれば良く、好ましくは5〜20mlの範囲が良い。
【0015】
本反応に使用する有機溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害せず、しかも、水に混和又は溶解し難いものであれば良く、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、フルオロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン等のニトロ系炭化水素類、プロピオニトリル、ブチロニトリル等の炭素原子数3以上のニトリル系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等を使用することができる。これらの有機溶媒は単独で又は二種以上を混合して使用することもできる。有機溶媒の使用量は一般式(II)で表されるフタル酸ジハライド類又は一般式(II') で表される3,3−ジハロゲノフタリド類1gに対して0.5〜50mlの範囲から適宜選択して使用すれば良く、好ましくは1〜10mlの範囲が良い。
【0016】
本反応の温度は、−10〜100℃の範囲で行えば良く、好ましくは0〜20℃の範囲である。
本反応の反応時間は反応温度、反応規模等により一定しないが、数分乃至48時間の範囲から選択すれば良い。
反応終了後、目的物を含む反応系より常法に従って単離し、必要に応じて精製することにより一般式(I) で表されるフタルイソイミド誘導体を製造することができる。又、反応終了後、単離することなくそのまま、本誘導体を利用する次工程の反応に供することもできる。
【0017】
本反応の原料である一般式(II)で表されるフタル酸ジクロリド類又は一般式(II') で表される3,3−ジハロゲノフタリド類は、対応する無水フタル酸類より公知の方法により製造することができ、例えば、Organic Syntheses Coll.vol.2,528に記載の方法により製造することができる。又、一般式(II)で表されるフタル酸ジハライド類の別製造法としては、例えば、J.Org.Chem.,1973,38,2557等があり、一般式(II)で表される3,3−ジハロゲノフタリド類の別製造法としては、例えば、Indian J.Chem.,Sect.B,1980,1913(6),473等がある。
【0018】
【実施例】
以下に本発明の代表的な実施例及び参考例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1.N−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)フタルイソイミドの製造(フタル酸ジクロリドを原料とする場合)。
50mlガラス製反応器に、水酸化ナトリウム0.40g(0.01モル)を水10mlに溶解した溶液を加え、更にジクロロエタン5ml及び1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミン0.59g(4.9ミリモル)を加えた後、氷冷下、20℃以下でフタル酸ジクロリド1.0g(4.9ミリモル)を滴下した。室温下に30分間撹拌した後、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去することにより目的物1.18g(収率97%)を得た。
1H-NMR (δ値,ppm/DMSO-d6)
1.53(s.6H), 2.24(s.3H), 2.89(s.2H), 7.65-7.80(m.2H),
7.87-7.93(m,2H).
【0019】
実施例2.N−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)フタルイソイミドの製造(3,3−ジクロロフタリドを原料とする場合)。
50mlガラス製反応器に、水酸化ナトリウム0.40g(0.01モル)を水10mlに溶解した溶液を加え、更にジクロロエタン5ml及び1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミン0.59g(4.9ミリモル)を加えた後、氷冷下、20℃以下で3,3−ジクロロフタリド1.0g(4.9ミリモル)を滴下した。室温下に30分間撹拌した後、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去することにより目的物1.15g(収率94%)を得た。
【0020】
実施例3.N−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−7−クロロフタルイソイミドの製造。
50mlガラス製反応器に、水酸化ナトリウム0.35g(8.6ミリモル)を水10mlに溶解した溶液を加え、更にジクロロエタン5ml及び1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミン0.51g(4.2ミリモル)を加えた後、氷冷下、20℃以下で3−クロロフタル酸ジクロリド1.0g(4.2ミリモル)のジクロロエタン(2ml)溶液を滴下した。室温下に30分間撹拌した後、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去することにより目的物1.15g(収率97%)を得た。
1H-NMR (δ値,ppm/DMSO-d6)
1.52(s.6H), 2.23(s.3H), 2.89(s.2H), 7.6-7.7(m,2H), 7.83(d,1H).
【0021】
実施例4.N−(4−ヘプタフルオロイソプロピル−2−メチルフェニル)−7−ブロモフタルイソイミドの製造。
50mlガラス製反応器に、水酸化ナトリウム0.42g(10ミリモル)を水10mlに溶解した溶液を加え、更にジクロロエタン5ml及び4−ヘプタフルオロイソプロピル−2−メチルアニリン0.58g(2.1ミリモル)を加えた後、室温下に3−ブロモフタル酸ジクロリド1.0g(3.5ミリモル)のジクロロエタン(2ml)溶液を滴下した。30分間撹拌した後、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去して得られた濃縮物をヘキサンから結晶化することにより目的物0.87g(収率86%)を得た。
1H-NMR (δ値,ppm/DMSO-d6)
2.34(s.3H), 7.25(dd.1H), 7.45(d.1H),7.47(s.1H), 7.72(t.1H),
7.94(d.1H), 8.09(d.1H).
【0022】
実施例5.N−(2−メチル−4−トリフルオロメトキシフェニル)−7−ブロモフタルイソイミドの製造。
50mlガラス製反応器に、水酸化ナトリウム0.42g(10ミリモル)を水10mlに溶解した溶液を加え、更にジクロロエタン5ml及び2−メチル−4−トリフルオロメトキシアニリン0.61g(3.2ミリモル)を加えた後、室温下に3−ブロモフタル酸ジクロリド1.0g(3.5ミリモル)のジクロロエタン(2ml)溶液を滴下した。30分間撹拌した後、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去して得られた濃縮物をヘキサンから結晶化することにより目的物1.09g(収率85%)を得た。
1H-NMR (δ値,ppm/DMSO-d6)
2.34(s.3H), 7.08(d.1H), 7.11(s.1H), 7.29(d.1H), 7.70(t.1H),
7.91(d.1H), 8.07(d.1H).
【0023】
実施例6.N−(2−メチル−4−トリフルオロメトキシフェニル)−7−ヨードフタルイソイミドの製造
50mlガラス製反応器に、水酸化ナトリウム0.36g(9ミリモル)を水10mlに溶解した溶液を加え、更にジクロロエタン5ml及び2−メチル−4−トリフルオロメトキシアニリン0.57g(3.0ミリモル)を加えた後、室温下に3−ヨードフタル酸ジクロリド1.0g(3.0ミリモル)のジクロロエタン(2ml)溶液を滴下した。30分間撹拌した後、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去して得られた濃縮物をヘキサンから結晶化することにより目的物1.1g(収率82%)を得た。
1H-NMR (δ値,ppm/DMSO-d6)
2.33(s.3H), 7.08(d.1H), 7.10(s.1H), 7.28(d.1H), 7.51(t.1H),
8.09(d.1H), 8.19(d.1H).
【0024】
実施例7.N−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−7−ヨードフタルイソイミドの製造。
20mlガラス製反応器に、水酸化ナトリウム0.12g(3ミリモル)を水3mlに溶解した溶液を加え、更にジクロロエタン2ml及び1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミン0.12g(1.0ミリモル)を加えた後、室温下に3−ヨードフタル酸ジクロリド、3,3−ジクロロ−7−ヨードフタリド及び3,3−ジクロロ−4−ヨードフタリドの混合物(1:1:1)0.33g(1.0ミリモル)のジクロロエタン(2ml)溶液を滴下した。60分間撹拌した後、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去して得られた濃縮物をヘキサンから結晶化することにより目的物0.30g(収率80%)を得た。
1H-NMR (δ値,ppm/DMSO-d6)
1.56(s.6H), 2.13(brs.3H), 2.95(brs.2H), 7.45(t.1H), 8.13(d.1H),
8.14(d.1H).
【0025】
参考例1.N1-(2−メチル−4−トリフルオロメトキシフェニル)−N2-(1−メチルエチル)−3−ヨードフタル酸ジアミド(以下「参考化合物」という)の製造。
N−(2−メチル−4−トリフルオロメトキシフェニル)−7−ヨードフタルイソイミド(実施例7の化合物)1.0g(2.2ミリモル)をアセトニトリル10mlに溶解し、該溶液にイソプロピルアミン0.15g(2.5ミリモル)を加え、1時間室温下に反応を行った。反応終了後、析出した結晶を濾集することにより目的物0.90g(収率81%)を得た。
物性:m.p.219〜220℃
【0026】
参考例2.コナガ(Plutella xylostella) に対する殺虫試験。
ハクサイの実生にコナガの成虫を放飼して産卵させ、放飼2日後に産下卵の付いたハクサイの実生を参考化合物を有効成分とする薬剤を500ppmに希釈した薬液に30秒間浸漬し、風乾後に25℃の恒温室に静置した。薬液浸漬6日後に孵化幼虫数を調査し、下記の式により死虫率を算出し、下記に基準に従って判定を行った。1区3連制。
〔数1)
結果、参考化合物は100%の死虫率を示した。
【0027】
参考例3.ハスモンヨトウ(Spodoptera litura) に対する殺虫試験。
参考化合物を有効成分とする薬剤を500ppmに希釈した薬液にキャベツ葉片(品種:四季穫)を約30秒間浸漬し、風乾後に湿潤濾紙を敷いた直径9cmのプラスチックシャーレに入れ、ハスモンヨトウ3令幼虫を接種した後、25℃、湿度70%の恒温室に静置した。1区10頭3連制。
結果、参考化合物1は100%の死虫率を示した。
【0028】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、副生物も殆ど生成せず、簡便・短工程で安全にフタルイソイミド類を製造することができる。又、安価で高い品質の製品を供給することができる等工業的に有利に該フタルイソイミド類を製造することができる。
Claims (5)
- 一般式(II-1):
で表されるフタル酸ジハライド類、又は一般式(II'-1):
で表される3,3−ジハロゲノフタリド類を水及び有機溶媒からなる二相系溶媒中、塩基の存在下に、一般式(III):
R−NH2 (III)
(式中、Rは (C1-C8)アルキル基、ハロ (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルコキシ (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルキルチオ (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルキルスルフィニル (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルキルスルホニル (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルコキシイミノ (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルキルアミノカルボニルオキシ (C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルコキシカルボニル(C1-C8)アルキル基、 (C1-C4)アルコキシカルボニルアミノ (C1-C8)アルキル基、1以上の同一又は異なっても良い置換基を有しても良いフェニル基、環上に1以上の同一又は異なっても良い置換基を有しても良いフェニル (C1-C4)アルキル基、環上に1以上の同一又は異なっても良い置換基を有しても良い芳香族複素環基又は環上に1以上の同一又は異なっても良い置換基を有しても良い芳香族複素環 (C1-C4)アルキル基を示す。)
で表されるアミン類とを反応させることを特徴とする一般式(I-1):
- 一般式(II-1)で表されるフタル酸ジハライド類と一般式(III)で表されるアミン類とを、水と有機溶媒の二相系混合溶媒中で反応させる請求項1記載のフタルイソイミド誘導体の製造方法。
- フタル酸ジハライド類がフタル酸ジクロリド類である請求項2記載のフタルイソイミド誘導体の製造方法。
- 一般式(II'-1) で表される3,3−ジハロゲノフタリド類と一般式(III) で表されるアミン類とを、水と有機溶媒の二相系混合溶媒中で反応させる請求項1記載のフタルイソイミド誘導体の製造方法。
- 3,3−ジハロゲノフタリド類が3,3−ジクロロフタリド類である請求項4記載のフタルイソイミド誘導体の製造方法。
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