JPH08208613A - 2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導体及び植物病害防除剤 - Google Patents

2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導体及び植物病害防除剤

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JPH08208613A
JPH08208613A JP1739595A JP1739595A JPH08208613A JP H08208613 A JPH08208613 A JP H08208613A JP 1739595 A JP1739595 A JP 1739595A JP 1739595 A JP1739595 A JP 1739595A JP H08208613 A JPH08208613 A JP H08208613A
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仁 近藤
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宏幸 坪井
Teruhiro Koiso
彰宏 小磯
Toru Asada
亨 朝田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式 [式中、Rは水素原子、アリル基、プロパルギル基、
アシル基、低級アルキルスルホニル基、無置換若しくは
置換基を有するベンジル基、又は無置換若しくは置換基
を有するアリールスルホニル基を表し、Rは水素原
子、フェニル−p−クロロフェニルメチル基、又はCH
(ここでRは、水素原子、トリフルオロメチル
基、シアノ基、低級アルキル基などである。)を表す。
ただし、R及びRが同時に水素原子を表すことはな
く、またR及びRが同時に水素原子を表すことはな
い。]で示される2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコ
チン酸誘導体及びそれを有効成分とする植物病害防除
剤。 【効果】 植物病原ウイルス、細菌及び糸状菌による各
種の植物病害、特にイネいもち病の防除に優れた効果を
示すと共に、薬害の心配もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2−クロロ−6−ヒド
ロキシイソニコチン酸誘導体に関し、当該誘導体は、植
物病害防除剤、特に水田用の植物病害防除剤として用い
ることができる。
【0002】
【従来の技術】イソニコチン酸誘導体に関する農業用殺
菌剤としての生理活性の検討例としては、例えば2,6
−ジハロゲン化イソニコチン酸及びそのエステル誘導体
が植物病害防除剤として有効であることが知られている
(特開昭63−93766号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の化
合物においては、保護すべき植物体に薬害が生ずる場合
があり、植物に対してより安全な薬剤が求められてい
た。本発明の目的は、薬害が少なく優れた植物病害防除
活性を有する新規化合物及び薬剤を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題を解決するため種々検討した結果、下記一般式(1)
〜(3)で表される2−クロロ−6−ヒドロキシイソニ
コチン酸誘導体が植物に対する薬害の心配がなく、優れ
た植物病害防除活性を示すことを見いだし、本発明を完
成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、一般式(1)
【0006】
【化4】
【0007】[式中、R1は水素原子、アリル基、プロ
パルギル基、アシル基、低級アルキルスルホニル基、無
置換若しくは置換基を有するベンジル基、又は無置換若
しくは置換基を有するアリールスルホニル基を表し、R
2は水素原子、フェニル−p−クロロフェニルメチル
基、又はCH23(ここでR3は、水素原子、トリフル
オロメチル基、シアノ基、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、低級アルケニル基、アラルキル基、又は無置換
若しくは置換基を有するフェニル基である。)を表す。
ただし、R1及びR2が同時に水素原子を表すことはな
く、またR1及びR3が同時に水素原子を表すことはな
い。]、一般式(2)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R4は水素原子、アリル基、又は
無置換若しくは置換基を有するベンジル基を表し、R5
は水素原子、無置換若しくは置換基を有する低級アルキ
ル基、又は無置換若しくは置換基を有するアラルキル基
を表し、R6は水素原子、無置換若しくは置換基を有す
る低級アルキル基、低級アルケニル基、無置換若しくは
置換基を有するアラルキル基、無置換若しくは置換基を
有するアリール基、ヘテロアリール基、又は無置換若し
くは置換基を有するアリールスルホニル基を表し、或い
は−NR56は環状アミノ基を表す。)、又は一般式
(3)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R7は水素原子、又はベンジル基
を表し、R8は水素原子、アシル基、無置換若しくは置
換基を有するアリールスルホニル基、N−アリールアミ
ノカルボニル基、又はヘテロアリール基を表す。)、で
示される2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘
導体及びこれを有効成分とする植物病害防除剤に関す
る。
【0012】まず、本発明の一般式(1)で示される2
−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導体につい
て説明する。一般式(1)中のR1は、水素原子、アリ
ル基、プロパルギル基、アシル基、低級アルキルスルホ
ニル基、無置換若しくは置換基を有するベンジル基、又
は無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基
を表す。
【0013】ここでいうアシル基としては、例えばアセ
チル基、プロピオニル基等のアルカノイル基、ベンゾイ
ル基等のアロイル基等が挙げられ、好ましくはアセチル
基が挙げられる。また低級アルキルスルホニル基として
は、例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基等
の炭素数1〜4の低級アルキル基を有するスルホニル基
等が挙げられ、アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良
い。好ましくは、直鎖状の炭素数1〜3の低級アルキル
スルホニル基が挙げられる。より好ましくはメタンスル
ホニル基が挙げられる。
【0014】無置換若しくは置換基を有するベンジル基
としては、例えばベンジル基や、4−メトキシベンジル
基、2,4−ジメトキシベンジル基、3,4−ジメトキ
シベンジル基、2,3−ジメトキシベンジル基、ピペロ
ニル基等のアルコキシベンジル基等が挙げられ、好まし
くは、ベンジル基、メトキシベンジル基が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基と
しては、例えばベンゼンスルホニル基や、p−トルエン
スルホニル基等のアルキル置換アリールスルホニル基が
挙げられ、好ましくはp−トルエンスルホニル基が挙げ
られる。
【0015】R1としては、特に水素原子、無置換若し
くは置換基を有するベンジル基が好ましい。R2は水素
原子、フェニル−p−クロロフェニルメチル基、又はC
23(ここでR3は、水素原子、トリフルオロメチル
基、シアノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低
級アルケニル基、アラルキル基、又は無置換若しくは置
換基を有するフェニル基である。)を表す。
【0016】R3で定義される低級アルキル基として
は、直鎖状でも分枝状でも良く、例えばメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜
4の低級アルキル基、好ましくはメチル基、エチル基の
炭素数1〜2の低級アルキル基が挙げられ、低級アルコ
キシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等の炭
素数1〜4の低級アルコキシ基、好ましくは炭素数1〜
2の低級アルコキシ基が挙げられ、低級アルケニル基と
しては、例えばビニル基、アリル基等の炭素数2〜4の
低級アルケニル基、好ましくはビニル基が挙げられ、ア
ラルキル基としては、例えば2−フェニルエチル基、ベ
ンジル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基が置換した
フェニル基、好ましくは2−フェニルエチル基が挙げら
れ、無置換若しくは置換基を有するフェニル基として
は、例えばフェニル基や、4−メトキシフェニル基等の
アルコキシフェニル基、4−クロロフェニル基等のハロ
ゲン置換フェニル基等が挙げられ、好ましくはフェニル
基、アルコキシフェニル基が挙げられる。
【0017】R2としては特に水素原子、CH23(た
だし、R3は水素原子、シアノ基、低級アルケニル基、
アラルキル基、又はアルコキシ基で置換されたフェニル
基である)が好ましい。
【0018】ただし、一般式(1)において、R1及び
2が共に水素原子である化合物並びにR1及びR3共に
水素原子である化合物は本発明の範囲外である。R1
2の組み合わせのうち特に好ましいものとしては、R1
として水素原子、ベンジル基、4−メトキシベンジル
基、3,4−ジメトキシベンジル基又はピペロニル基
が、R2として水素原子、メチル基、エチル基、シアノ
メチル基、アリル基、4−メトキシベンジル基又は3−
フェニルプロピル基が挙げられる。
【0019】尚、一般式(1)で示される化合物の具体
的構造を例示すれば、表1の通りである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】次に本発明の一般式(2)で示される2−
クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導体について
説明する。一般式(2)中のR4は、水素原子、アリル
基、又は無置換若しくは置換基を有するベンジル基を表
す。ここでいう無置換若しくは置換基を有するベンジル
基としては、例えばベンジル基や、4−メトキシベンジ
ル基等のアルコキシベンジル基、好ましくはベンジル基
が挙げられる。
【0024】R4としては特に水素原子、無置換若しく
は置換基を有するベンジル基が好ましい。またR5は水
素原子、無置換若しくは置換基を有する低級アルキル
基、又は無置換若しくは置換基を有するアラルキル基を
表す。
【0025】R5で定義される無置換若しくは置換基を
有する低級アルキル基としては、炭素数1〜6の低級ア
ルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、ブチ
ル基、イソプロピル基等の直鎖状又は分岐状のアルキル
基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等の環
状アルキル基、2−メトキシエチル基、2−テトラヒド
ロピラニルメチル基等のアルコキシ置換アルキル基、2
−シアノエチル基等のシアノ置換アルキル基等、より好
ましくは直鎖状アルキル基が挙げられ、無置換若しくは
置換基を有するアラルキル基としては、例えばベンジル
基や、4−メトキシベンジル基等のアルコキシベンジル
基、フルフリル基等のヘテロ原子を有するアラルキル基
等、好ましくはアルコキシベンジル基が挙げられる。
【0026】R5としては特に水素原子、無置換若しく
は置換基を有する低級アルキル基、無置換若しくは置換
基を有するアラルキル基が好ましい。より好ましくは水
素原子、アルコキシ基で置換されたアラルキル基であ
る。
【0027】またR6は水素原子、無置換若しくは置換
基を有する低級アルキル基、低級アルケニル基、無置換
若しくは置換基を有するアラルキル基、無置換若しくは
置換基を有するアリール基、ヘテロアリール基、又は無
置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基を表
す。
【0028】R6で定義される無置換若しくは置換基を
有する低級アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキ
ル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、ブチル
基、イソプロピル基等の直鎖状又は分枝状のアルキル
基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等の環
状アルキル基、2−メトキシエチル基、2−テトラヒド
ロピラニルメチル基等のアルコキシアルキル基、シアノ
メチル基、2−シアノエチル基等のシアノ基で置換され
た低級アルキル基、2,2,2−トリフルオロエチル基
等のハロゲン置換低級アルキル基等が挙げられ、低級ア
ルケニル基としては、例えばアリル基、クロチル基等の
炭素数3〜4のアルケニル基が挙げられ、好ましくはア
リル基が挙げられる。
【0029】無置換若しくは置換基を有するアラルキル
基としては、例えばベンジル基等の無置換アラルキル
基、4−メトキシベンジル基、2−メトキシベンジル
基、3,4−ジメトキシベンジル基等のアルコキシベン
ジル基、4−フルオロベンジル基、4−クロロベンジル
基、3−クロロベンジル基等のハロゲン置換ベンジル
基、4−メチルベンジル基、4−t−ブチルベンジル
基、4−トリフルオロメチルベンジル基等のアルキル置
換ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエ
チル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル
基、1−フェニル−1−メチルエチル基等のフェニル置
換アルキル基、フルフリル基等のヘテロ原子を有するア
ラルキル基、1−ナフチルメチル基、4−ジメチルアミ
ノベンジル基等が挙げられ、好ましくはフェニル置換ア
ルキル基が挙げられる。
【0030】無置換若しくは置換基を有するアリ−ル基
としては、例えばフェニル基、2,4−ジフルオロフェ
ニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、2−ベ
ンゾイルフェニル基等、好ましくは、4−トリフルオロ
メトキシフェニル基、2−ベンゾイルフェニル基が挙げ
られ、ヘテロアリ−ル基としては、例えば2−ピリミジ
ル基、3−ピリジル基等のヘテロ原子として窒素原子を
もつヘテロアリール基等が挙げられ、無置換若しくは置
換基を有するアリールスルホニル基としては、例えばフ
ェニルスルホニル基等の無置換アリールスルホニル基、
p−トルエンスルホニル基等のアルキル置換アリールス
ルホニル基、2−フルオロフェニルスルホニル基等のハ
ロゲン置換アリールスルホニル基等、好ましくはアルキ
ル又はハロゲン置換アリールスルホニル基が挙げられ
る。
【0031】R6としては低級アルケニル基、無置換若
しくは置換基を有するアラルキル基、無置換若しくは置
換基を有するアリール基がより好ましく、特に低級アル
ケニル基、無置換のアラルキル基、フルフリル基若しく
はフルオロアルキル基で置換されたアラルキル基が好ま
しい。
【0032】また、一般式(2)において−NR56
環状アミノ基を表す化合物も本発明に含まれる。−NR
56で定義される環状アミノ基としては、例えばテトラ
ヒドロイソキノリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、
3,5−ジメチルモルホリノ基、ベンゾモルホリノ基
等、好ましくはテトラヒドロイソキノリノ基が挙げられ
る。
【0033】R4、R5、R6において特に好ましい組み
合わせとしては、R4として水素原子、ベンジル基、4
−メトキシベンジル基又はアリル基が、R5として水素
原子又は4−メトキシベンジル基が、R6として4−フ
ルオロベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニ
ルプロピル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、2
−ベンゾイルフェニル基、フルフリル基、アリル基、4
−トリフルオロメトキシフェニル基又はシアノメチル基
が、また−NR56が環状アミノ基としてテトラヒドロ
イソキノリノ基が挙げられる。
【0034】尚、一般式(2)で示される化合物の具体
的構造を例示すれば、表2のとおりである。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】
【表9】
【0041】
【表10】
【0042】
【表11】
【0043】最後に本発明の一般式(3)で示される2
−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導体につい
て説明する。一般式(3)中のR7は水素原子、又はベ
ンジル基を表す。R7として好ましくはベンジル基であ
る。R8は水素原子、アシル基、無置換若しくは置換基
を有するアリールスルホニル基、N−アリールアミノカ
ルボニル基又はヘテロアリール基を表す。
【0044】ここでいうアシル基としては、例えばアセ
チル基、プロピオニル基等のアルカノイル基、ベンゾイ
ル基、4−アミノベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル
基等のアロイル基、好ましくはアロイル基であり、より
好ましくは4−ニトロベンゾイル基が挙げられる。また
無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基と
しては、例えばフェニルスルホニル基、p−トルエンス
ルホニル基等、好ましくはp−トルエンスルホニル基が
挙げられ、N−アリールアミノカルボニル基としては、
例えばN−フェニルアミノカルボニル基、N−p−トル
イルアミノカルボニル基等が挙げられ、ヘテロアリール
基としては、例えば2−ピリジル基等のヘテロ原子とし
て窒素原子を有するヘテロアリール基が挙げられる。
【0045】R8として好ましくはアシル基である。
尚、一般式(3)で示される化合物の具体的構造を例示
すれば、表3のとおりである。
【0046】
【表12】
【0047】
【表13】
【0048】本発明における一般式(1)〜(3)で示
される化合物の製造法は、例えば下記の方法を挙げるこ
とができる。但し、当該化合物は、これらの製造法に限
定されるものではない。尚、説明中に使用しているR1
〜R8の定義は、特にことわりがない限り、上記で説明
したR1〜R8の定義と同じである。
【0049】一般式(1)においてR1が水素、アリル
基、プロパルギル基又は、無置換若しくは置換基を有す
るベンジル基である場合下記の方法で製造することがで
きる。 A法:
【0050】
【化7】
【0051】2,6−ジクロロイソニコチン酸と、一般
式(4)(Mはナトリウム、カリウム等の金属を表し、
1は水素、アリル基、プロパルギル基、無置換若しく
は置換基を有するベンジル基を表す。)で示される水酸
化物又はアルコラートとを反応させて得たカルボン酸
(1A)(一般式(1)においてR2が水素である化合
物)に塩化チオニルを反応させ、酸塩化物(5)を得
る。これに塩基の存在下、一般式(6)(R2は上記定
義のうちで水素を除くものを表す。)で示されるアルコ
ール類とを反応させることにより化合物(1B)、即ち
一般式(1)で示される化合物を製造することができ
る。 B法:
【0052】
【化8】
【0053】(1A)で示されるカルボン酸を塩基の存
在下、一般式(7)(式中、R2は上記定義のうちで水
素を除き、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるハロ
ゲン化物と反応させることにより(1B)で示される化
合物が製造できる。
【0054】また一般式(1)においてR1がアシル
基、低級アルキルスルホニル基又は無置換若しくは置換
基を有するアリールスルホニル基である化合物は、以下
の方法で製造できる。 C法:
【0055】
【化9】
【0056】化合物(1D)は、溶媒中、塩基の存在
下、化合物(1C)(一般式(1)においてR1が水素
である化合物)と一般式(8)(式中R1はアシル基、
低級アルキルスルホニル基又は無置換若しくは置換基を
有するアリールスルホニル基を表す。)で示される酸塩
化物とを反応することにより製造することができる。
【0057】A〜C法の各工程の反応を行う際、溶媒を
用いるのが好ましく、例えば水、メタノール、エタノー
ル等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、クロ
ロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等の非プロトン性極性溶媒、アセトニトリル、プロピオ
ニトリル等のニトリル類が挙げられ、反応に関与しない
あらゆる溶媒が使用できる。塩基としては例えばトリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、
4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]−7−ウンデセン等の有機塩基、炭酸カ
リウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸化カリウム、水
酸化ナトリウム等の水酸化物が使用できる。反応温度に
ついては、0℃〜溶媒還流温度が好ましい。反応時間は
用いる溶媒、原料等により異なるが、通常0.5〜35
時間である。
【0058】次に本発明における前記一般式(2)の化
合物は下記の方法で製造することができる。 D法:
【0059】
【化10】
【0060】酸塩化物(9)を適当な溶媒中、塩基の存
在下に、一般式(10)で示されるアミンと反応させる
ことにより(2A)で示される化合物が製造できる。反
応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン等のエーテ
ル類、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭
化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。塩
基としては例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセ
ン等の有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
の水酸化物、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩が
使用できる。反応温度については、−10〜50℃が好
ましい。更に一般式(2A)においてR4=CH2Phの
場合、溶媒中、適当な触媒の存在下、水素化分解反応を
行うことにより一般式(2)においてR4=Hの化合物
が製造できる。この反応の溶媒としては、メタノール、
エタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が
挙げられる。触媒としてはPd,PtO2等が使用でき
る。反応温度としては、室温〜40℃が好ましい。反応
時間は用いる溶媒、原料等により異なるが、通常0.5
〜24時間である。
【0061】次に、本発明における一般式(3)の化合
物は、下記の方法で製造することができる。 E法:
【0062】
【化11】
【0063】カルボン酸(11)を酸触媒存在化、メタ
ノール又はエタノール中、加熱還流すことにより式(1
2)(Wはメチル基又はエチル基を表す。)で示される
エステルが得られる。酸触媒としては塩酸、硫酸、p−
トルエンスルホン酸、塩化アセチル等が使用できる。エ
ステル(12)とヒドラジンをエタノール中加熱還流す
ることにより一般式(3)においてR8=Hの化合物
(3A)が得られる。この化合物をピリジン中、一般式
(13)で表される酸ハロゲン化物又は酸無水物と反応
させることにより一般式(3)(R8が水素であるもの
を除く。)の化合物が得られる。更にR7=CH2Phの
場合、溶媒中、触媒の存在下、水素化分解反応を行うこ
とにより一般式(3)においてR7=Hの化合物が得ら
れる。この反応において溶媒としては、メタノール、エ
タノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が
使用でき、触媒としてはPd,PtO2等が使用でき
る。反応温度としては、室温〜40℃が好ましい。反応
時間は用いる溶媒、原料等により異なるが、通常0.5
〜24時間である。 F法:
【0064】
【化12】
【0065】酸塩化物(14)を溶媒中、塩基存在下、
一般式(15)で示されるヒドラジン誘導体と反応させ
ることにより化合物(3D)が得られる。この反応にお
いて、溶媒としては例えばジクロロメタン、クロロホル
ム等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン等の
エーテル類が使用でき、塩基としては例えばトリエチル
アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−
ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]−7−ウンデセン等の有機塩基、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、炭酸カリウ
ム、炭酸セシウム等の炭酸塩が使用できる。反応温度に
ついては、0〜50℃が好ましい。反応時間は用いる溶
媒、原料等により異なるが、通常0.5〜24時間であ
る。 G法:
【0066】
【化13】
【0067】一般式(3)においてR8がN−アリール
アミノカルボニル基の場合、化合物(3A)とアリール
イソシアナート(16)(式中Arはアリール基を表
す。)を溶媒中で反応させることにより製造することが
できる。この反応において、溶媒としてはテトラヒドロ
フラン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム
等のハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒
等が使用できる。反応温度については、0〜50℃が好
ましい。反応時間は用いる溶媒、原料等により異なる
が、通常0.5〜24時間である。
【0068】本発明はまた、上記一般式(1)〜(3)
で示される2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸
誘導体を有効成分とする植物病害防除剤に関する。本発
明の植物病害防除剤は、植物病原ウィルス、細菌及び糸
状菌による各種の植物病害防除に適用し得るが、特にイ
ネの主要病害であるいもち病に優れた効果を示す。
【0069】本薬剤は、有効成分を単独で使用すること
も可能であるが、通常、農薬の製剤に用いられる固体及
び液体坦体、並びに分散剤、希釈剤、乳化剤、展着剤、
増粘剤等の補助剤と混合して、水和剤、液剤、油剤、粉
剤、粒剤、ゾル剤(フロアブル)等の剤型に製剤して使
用することができる。
【0070】固体及び液体坦体としては、例えばタル
ク、クレー、ベントナイト、カオリン、けいそう土、モ
ンモリロナイト、雲母、バーミキュライト、石膏、炭酸
カルシウム、ホワイトカーボン、木粉、澱粉、アルミ
ナ、珪酸塩、糖重合体、ワックス類、水、アルコール類
(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアル
コール、エチレングリコール、ベンジルアルコール
等)、石油溜分(石油エーテル、ケロシン、ソルベント
ナフサ等)、脂肪族又は脂環式炭化水素類(n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベン
ゼン、クメン、メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化
水素類(クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル
類(イソプロピルエーテル、エチレンオキシド、テトラ
ヒドロフラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン
等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレン
グリコールアセタート、酢酸アミル等)、酸アミド類
(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアニリド
等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、アクリロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチル
スルホキシド等)、アルコールエーテル類(エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル等)等が挙げられる。
【0071】補助剤としては、例えば非イオン型界面活
性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン
アルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等)、
陰イオン型界面活性剤(アルキルベンゼンスルホナー
ト、アルキルスルホサクシナート、ポリオキシエチレン
アルキルスルファート、アリールスルホナート等)、陽
イオン型界面活性剤(アルキルアミン類、ポリオキシエ
チレンアルキルアミン類、第四級アンモニウム塩類
等)、両性型界面活性剤(アルキルアミノエチルグリシ
ン、アルキルジメチルベタイン等)、ポリビニルアルコ
ール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、アラビアゴム、トラガントガム、キサン
タンガム、ポリビニルアセタート、ゼラチン、カゼイ
ン、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
【0072】更に、本薬剤は、各種の農園芸用殺菌剤、
除草剤、植物生長調節剤、殺虫剤、殺ダニ剤等の農薬
や、肥料等と混合して用いることができる。本薬剤にお
ける有効成分含有量は、製剤形態、施用方法、その他の
条件によって種々異なる。通常は0.5〜95%(重
量)、好ましくは2〜70%(重量)である。本薬剤の
施用方法としては、植物への施用(茎葉散布)、植物の
生育土壌への施用(土壌施用)、田面水への施用(水面
施用)、種子への施用(種子処理)等が可能である。本
薬剤の施用量に関しては、適用植物、適用病害等によっ
ても異なるが、茎葉散布の場合には有効成分濃度1〜1
0000ppm、好ましくは10〜1000ppmの溶
液を10アール当たり50〜300l施用するのが好ま
しく、土壌施用及び水面施用の場合には、有効成分量で
10アール当たり0.1〜5000g、特に好ましくは
1〜1000g施用するのが好ましい。また、種子処理
の場合には、種子1kgに対して、0.001〜50g
の有効成分を施用するのが好ましい。
【0073】
【実施例】次に本発明を製造例、製剤例及び試験例によ
って説明するが、本発明はこれらの実施例のみによって
限定されるものではない。
【0074】(製造例1)化合物No.(1−17)の
合成 テトラヒドロフラン50mlに4−メトキシべンジルア
ルコール6.33gを溶解し、水素化ナトリウム(60
%オイルサスペンジョン)1.75gを加え、室温で3
0分間撹拌した。この溶液を冷却しながら、2,6−ジ
クロロイソニコチン酸4.0gのテトラヒドロフラン溶
液を加え、3時間加熱還流した。反応液を冷却後、減圧
濃縮し、残さに水を加え、エーテルで抽出した。水層を
濃塩酸で酸性とし、クロロホルムで抽出し、クロロホル
ム層を水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。クロロ
ホルム層を減圧濃縮し、得られた残さを5%NaOH水
溶液100mlに溶解し、少量のクロロホルムを加える
とカルボン酸塩が沈殿した。沈殿を濾別し、エーテルで
洗い、化合物No.(1−17)のナトリウム塩を得
た。これを10%HCl水100mlに溶解し、クロロ
ホルムで抽出後、クロロホルム層を水、飽和食塩水で順
次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。クロロホル
ム層を減圧濃縮し、化合物No.(1−17)3.6g
を粉末として得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS): 表4
中に示した。
【0075】(製造例2)化合物No.(1−21)の
合成 テトラヒドロフラン10mlに化合物No.(1−1
7)0.50gを溶解し、ピリジン0.34mlを加え
た。この溶液を冷却し、テトラヒドロフラン3mlに溶
解した塩化チオニル0.15mlを滴下し、室温で10
分間撹拌した。この溶液を冷却し、3−フェニル−1−
プロパノール0.24g、トリエチルアミン0.71m
lをテトラヒドロフラン5mlに溶解した溶液を滴下し
た。反応液を室温で一晩撹拌した後、クロロホルムを加
え、希塩酸、水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得ら
れた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン/酢酸エチル=5/1)で精製し、化合物No.
(1−21)を得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS): 表4
中に示した。
【0076】(製造例3)化合物No.(1−19)の
合成 化合物No.(1−17)0.20gをN,N−ジメチ
ルホルムアミド7mlに溶解し、トリエチルアミン0.
13ml、クロロアセトニトリル62mgを順次加え、
室温で1日、50℃で7時間撹拌した。反応液を減圧濃
縮し、残さをクロロホルムに溶解し、希塩酸、水、飽和
重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ベンゼン/酢酸エチル=20
/1)で精製し、化合物No.(1−19)0.19g
を得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS)、融点:
表4中に示した。
【0077】(製造例4)化合物No.(1−31)の
合成 2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸0.95g
をテトラヒドロフラン5mlに溶かし、トリエチルアミ
ン1.11g、p−トルエンスルホニルクロリド1.0
5gを加え、室温で7時間攪拌した。反応液を減圧濃縮
し、残さに飽和重曹水とベンゼンを加え分液し、水層を
塩酸で酸性としてベンゼンで抽出した。ベンゼン層を硫
酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮し、残さにベンゼンを
加え、濾過により不溶物をのぞき、濾液を濃縮して化合
物No.(1−31)0.74gを得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS)、融点:
表4中に示した。
【0078】(製造例5)化合物No.(2−22)の
合成 2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸10.0g
をN,N−ジメチルホルムアミド15gに溶かし、室温
で塩化チオニル15mlを滴下した。混合物を60℃で
2時間攪拌後、減圧下に塩化チオニルを留去し、2−ク
ロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸塩化物のN,N−
ジメチルホルムアミド溶液を得た。トリエチルアミン1
0ml、p−トリフルオロメチルベンジルアミン1.0
g、酸塩化物溶液2.9gをテトラヒドロフラン15m
lに溶かし、室温で7時間攪拌した。反応液を氷−希塩
酸にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩
水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮
して得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム/メタノール=5/1)で精製し、化
合物No.(2−22)0.94gを結晶として得た。 マススペクトル、融点: 表4中に示した。
【0079】(製造例6)化合物No.(2−52)及
び化合物No.(2−28)の合成 化合物No.(1−7)1.0g、ピリジン0.67m
lをテトラヒドロフラン10mlに溶かし、この溶液に
氷冷下、塩化チオニル0.33mlのテトラヒドロフラ
ン溶液を滴下し15分間攪拌した後、4−トリフルオロ
メトキシアニリン0.71g、トリエチルアミン1.6
mlのテトラヒドロフラン溶液を滴下し、室温で2時間
攪拌した。反応液を氷−希塩酸にあけ、クロロホルムで
抽出し、有機層を水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順
次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して残
さをベンゼン−ヘキサンより結晶化して化合物No.
(2−52)1.25gを得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS)、融点:
表4中に示した。 次に化合物No.(2−52)0.30gをエタノール
15ml+酢酸エチル5mlに溶かし、5%Pd−C4
0mgを加え室温で攪拌した。tlcで反応の終了を確
認した後、反応液を濾過して濾液を濃縮し、残さをクロ
ロホルム−ヘキサンより結晶化して化合物No.(2−
28)145mgを得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS)、融点:
表4中に示した。
【0080】(製造例7)化合物No.(3−7)、化
合物No.(3−10)、化合物No.(3−4)の合
成 化合物No.(1−7)7.0gをエタノール35ml
に溶かし、硫酸0.5mlを加え、7時間還流した。放
冷後、濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ベンゼン)により精製し、化合物No.(1−
9)4.9gを得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS): 表4
中に示した。 次に化合物No.(1−9)1.1gをエタノール15
mlに溶かし、無水ヒドラジン0.26gを加えて20
時間還留した。反応液を濃縮し、残さをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ベンゼン/ヘキサン=1/1)
で精製し、化合物No.(3−7)0.86gを得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS): 表4
中に示した。 次に化合物No.(3−7)0.60gをピリジン5m
lに溶かし、4−ニトロ安息香酸塩化物0.44gを加
え室温で一晩攪拌した。反応液を10%塩酸水にあけ、
生じた沈殿を濾別して水、クロロホルムで洗浄し、乾燥
後、エタノールより再結晶して化合物No.(3−1
0)0.42gを得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS): 表4
中に示した。 次に化合物No.(3−10)0.40gをエタノール
−テトラヒドロフランに溶かし、10%Pd−C90m
gを加え、室温で攪拌した。tlcで原料消失を確認
し、反応液を濃縮して化合物No.(3−4)を得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS): 表4
中に示した。
【0081】(製造例8)化合物No.(3−12)の
合成 化合物No.(3−7)0.35gをN,N−ジメチル
ホルムアミド5mlに溶かし、フェニルイソシアナート
0.18gを加え、室温で3時間攪拌した。反応液を濃
縮し、残さをクロロホルム−テトラヒドロフランに溶か
して水洗した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮
し残さをベンゼンより結晶化した。結晶をベンゼン−ヘ
キサンより再結晶して化合物No.(3−12)0.3
1gを得た。 60MHz−1H−NMR(内部標準TMS)、融点:
表4中に示した。
【0082】(製造例9)製造実施例1〜8のいずれか
の方法と同様に、表4記載の各化合物を合成した。各化
合物の物性値は、表4中に示した。
【0083】
【表14】
【0084】
【表15】
【0085】
【表16】
【0086】
【表17】
【0087】
【表18】
【0088】
【表19】
【0089】
【表20】
【0090】
【表21】
【0091】
【表22】
【0092】
【表23】
【0093】
【表24】
【0094】
【表25】
【0095】(製剤例1)粉剤 表4に示す2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸
誘導体2重量部をそれぞれ、クレー98重量部と混合粉
砕し、粉剤とした。
【0096】(製剤例2)水和剤 表4に示す2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸
誘導体20重量部をそれぞれ、クレー68重量部、ホワ
イトカーボン8重量部及びポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル4重量部と混合粉砕し、水和剤とした。
【0097】(製剤例3)粒剤 表4に示す2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸
誘導体5重量部をそれぞれ、ベントナイト及びタルクの
等量混合物90重量部及びアルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム5重量部を混合粉砕し、粒剤に成型した。
【0098】(試験例1)イネいもち病防除試験(土壌
施用) ポット(直径6cm,高さ5.5cm)で育種した2葉
期のイネ(品種:愛知旭)に、(製剤例2)記載の水和
剤と同様に調製した各薬液を、各々土壌施用した(有効
成分量で3mg/ポット)。14日後にイネいもち病菌
(Pyricularia oryzae)の胞子懸濁
液を噴霧接種し、25℃の湿室に24時間置いた後、温
室内で発病させ、胞子懸濁液接種10日後に病斑数を調
査し、下記式より防除価を算出した。対照薬剤として、
2,6−ジクロロイソニコチン酸についても同様の方法
で試験を行った。結果を表5に示す。
【0099】
【数1】
【0100】
【表26】
【0101】
【発明の効果】本発明に係る2−クロロ−6−ヒドロキ
シイソニコチン酸誘導体を有効成分とする植物病害防除
剤は、植物病原ウィルス、細菌及び糸状菌による各種の
植物病害、特にイネの主要病害であるいもち病の防除に
優れた効果を示すと共に薬害の心配もない。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、R1は水素原子、アリル基、プロパルギル基、
    アシル基、低級アルキルスルホニル基、無置換若しくは
    置換基を有するベンジル基、又は無置換若しくは置換基
    を有するアリールスルホニル基を表し、R2は水素原
    子、フェニル−p−クロロフェニルメチル基、又はCH
    23(ここでR3は、水素原子、トリフルオロメチル
    基、シアノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低
    級アルケニル基、アラルキル基、又は無置換若しくは置
    換基を有するフェニル基である。)を表す。ただし、R
    1及びR2が同時に水素原子を表すことはなく、またR1
    及びR3が同時に水素原子を表すことはない。]で示さ
    れる2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導
    体。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、R1が水素原
    子、又は無置換若しくは置換基を有するベンジル基であ
    り、R2が水素原子、又はCH23(ただし、R3は、水
    素原子、シアノ基、低級アルケニル基、アラルキル基、
    又は無置換若しくは置換基を有するフェニル基を表
    す。)であり、かつR1及びR2が同時に水素原子でな
    く、またR1及びR3が同時に水素原子ではない、請求項
    1記載の2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘
    導体。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、R1が水素原
    子、無置換ベンジル基、又はアルコキシ基で置換された
    ベンジル基であり、R2がCH23(ただし、R3は水素
    原子、シアノ基、低級アルケニル基、アラルキル基、ア
    ルコキシ基で置換されたフェニル基を表す。)であり、
    かつR1及びR3が同時に水素原子ではない、請求項2記
    載の2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導
    体。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化2】 (式中、R4は水素原子、アリル基、又は無置換若しく
    は置換基を有するベンジル基を表し、R5は水素原子、
    無置換若しくは置換基を有する低級アルキル基、又は無
    置換若しくは置換基を有するアラルキル基を表し、R6
    は水素原子、無置換若しくは置換基を有する低級アルキ
    ル基、低級アルケニル基、無置換若しくは置換基を有す
    るアラルキル基、無置換若しくは置換基を有するアリー
    ル基、ヘテロアリール基、又は無置換若しくは置換基を
    有するアリールスルホニル基を表し、或いは−NR56
    は環状アミノ基を表す。)で示される2−クロロ−6−
    ヒドロキシイソニコチン酸誘導体。
  5. 【請求項5】 一般式(2)において、R4が水素原
    子、又は無置換若しくは置換基を有するベンジル基であ
    り、R5が水素原子、無置換若しくは置換基を有する低
    級アルキル基、無置換若しくは置換基を有するアラルキ
    ル基であり、R 6が低級アルケニル基、無置換若しくは
    置換基を有するアラルキル基、又は無置換若しくは置換
    基を有するアリール基であり、或いは−NR56が環状
    アミノ基である請求項4記載の2−クロロ−6−ヒドロ
    キシイソニコチン酸誘導体。
  6. 【請求項6】 一般式(2)において、R4が水素原
    子、又は無置換のベンジル基であり、R5が水素原子、
    アルコキシ基で置換されたアラルキル基であり、R6
    低級アルケニル基、無置換のアラルキル基、又はフルフ
    リル基若しくはフルオロアルキル基で置換されたアラル
    キル基である請求項5記載の2−クロロ−6−ヒドロキ
    シイソニコチン酸誘導体。
  7. 【請求項7】 一般式(3) 【化3】 (式中、R7は水素原子、又はベンジル基を表し、R8
    水素原子、アシル基、無置換若しくは置換基を有するア
    リールスルホニル基、N−アリールアミノカルボニル
    基、又はヘテロアリール基を表す。)で示される2−ク
    ロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導体。
  8. 【請求項8】 一般式(3)において、R7がベンジル
    基であり、R8がアシル基である請求項7記載の2−ク
    ロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導体。
  9. 【請求項9】 ヘテロアリール基が、窒素原子をヘテロ
    原子とするものである請求項4又は7記載の2−クロロ
    −6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸誘導体を有
    効成分として含有する植物病害防除剤。
  11. 【請求項11】 請求項2記載の2−クロロ−6−ヒド
    ロキシイソニコチン酸誘導体を有効成分として含有する
    植物病害防除剤。
  12. 【請求項12】 請求項5記載の2−クロロ−6−ヒド
    ロキシイソニコチン酸誘導体を有効成分として含有する
    植物病害防除剤。
  13. 【請求項13】 請求項8記載の2−クロロ−6−ヒド
    ロキシイソニコチン酸誘導体を有効成分として含有する
    植物病害防除剤。
  14. 【請求項14】 水田用である請求項10〜13のいず
    れか1項に記載の植物病害防除剤。
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