JP2503547B2 - カルバモイルトリアゾ―ル誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする除草剤 - Google Patents

カルバモイルトリアゾ―ル誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする除草剤

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、新規なカルバモイルトリアゾール誘導およ
びそれを有効成分とする除草剤に関するものである。
<従来の技術> これ迄、特開昭59−39880号公報、米国特許第4280831
号明細書等にある種のカルバモイルトリアゾール誘導体
が、除草剤の有効成分として用いうることが記載されて
いる。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、これらの化合物は、除草効力が不充分
であったり、作物・雑草間の選択性に劣ったりすること
から必ずしも満足すべきものとは言い難い。
<問題点を解決するための手段> 本発明者等は、このような状況に鑑み、種々検討した
結果、下記の一般式〔I〕で示されるカルバモイルトリ
アゾール誘導体が上述のような欠点の少ない、優れた除
草効力を有し、かつ作物・雑草間に優れた選択性を示す
化合物であることを見い出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、一般式〔I〕 〔式中、R1およびR2は同一または相異なり、低級アルキ
ル基、低級アルケニル基またはR1とR2とで環をなす低級
アルキレン基を表わし、XおよびYは同一または相異な
り、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、
アミノ基、アシルアミノ基またはトリフルオロメチル基
を表わし、nは0、1または2の整数を表わす。但し、
R1とR2とが共にメチル基であるものは除く。〕 で示されるカルバモイルトリアゾール誘導体(以下、本
発明化合物と記す。)およびそれを有効成分とする除草
剤を提供するものである。
次にその製造法について詳しく説明する。
本発明化合物は、一般式〔II〕 〔式中、X、Yおよびnは前記と同じ意味を表わす。〕 で示されるトリアゾール誘導体と一般式〔III〕 〔式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表わし、Zはハ
ロゲン原子を表わす。〕 で示されるカルバモイルハライドとを反応させることに
よって製造することができる。
この反応は、通常、溶媒中、脱ハロゲン化水素剤の存
在下で行い、反応温度の範囲は0〜150℃、反応時間の
範囲は10分〜24時間であり、反応に供される試剤の量
は、トリアゾール誘導体〔II〕1当量に対してカルバモ
イルハライド〔III〕は1〜1.5当量、脱ハロゲン化水素
剤は1〜5当量である。
溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石
油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四
塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の
エーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、ニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合
物、アセトニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル
類、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニ
リン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン等の第
三級アミン、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミ
ド、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物
等、あるいはそれらの混合物があげられる。
脱ハロゲン化水素剤としては、ピリジン、トリエチル
アミン、N,N−ジエチルアニリン等の有機塩等、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アル
コキシド等があげられる。反応終了後の反応液は、水を
加えて、有機溶媒抽出および濃縮等の通常の後処理を行
い、必要ならば、クロマトグラフィー再結晶等の操作に
よって精製することもできる。
また、一般式〔I〕においてnが1または2である化
合物は一般式〔I′〕 〔式中、R1、R2、XおよびYは前記と同じ意味を表わ
す。〕 で示されるカルバモイルトリアゾール誘導体を酸化する
ことにより製造することもできる。
このとき、用いられる酸化剤としては、メタクロロ過
安息香酸等の芳香族過酸、過酢酸、過トリフルオロ酢酸
等の脂肪族過酸、過酸化水素等があげられる。該反応は
通常溶媒中で行われ、用いられる溶媒は酸化剤の種類に
より異なり、例えば過酸化水素ならば水、酢酸、アセト
ン等が、芳香族過酸ならばクロロホルム、塩化メチレン
等のハロゲン化炭化水素類や、ジエチルエーテル、ジオ
キサン等のエーテル類、脂肪族過酸ならば対応するカル
ボン酸が通常用いられる。
反応温度の範囲は、通常0〜100℃、反応時間の範囲
は通常10分〜24時間であり、反応に用いられる試剤の量
は、カルバモイルトリアゾール誘導体〔I′〕1当量に
対して酸化剤は通常1〜5当量であるが、一般式〔I〕
においてn=1で示されるものの製造においては、通常
0℃〜室温下に0.9〜1.2当量の酸化剤を用いて行い、n
=2で示されるものの製造においては、通常室温〜100
℃で2〜5当量の酸化剤を用いて行う。
反応終了後は、水を加えて有機溶媒抽出および濃縮等
の通常の後処理を行い目的化合物を得る。また、必要に
よるクロマトグラフィー、再結晶等の操作を行う。
本発明化合物を製造する場合、原料化合物である一般
式〔II〕で示されるトリアゾール誘導体のうちnが1ま
たは2であるものは、nが0であるものを上記の方法に
準じて酸化することにより製造される。
また、一般式〔II〕で示されるトリアゾール誘導体の
うちnが0であるものは一般式〔IV〕 〔式中、XおよびYは前記と同じ意味を表わし、Wはハ
ロゲン原子、HSO4、NO3またはClO4を表わす。〕 で示されるジアゾニウム塩と一般式〔V〕 〔式中、Mはアルカリ金属を表わす。〕 で示される化合物とを反応させることにより製造するこ
とができる。
また、n=0である一般式〔II〕で示されるトリアゾ
ール誘導体のあるものは一般式〔VI〕 〔式中、X′およびY′は同一または相異なり、水素原
子、ハロゲン原子、ニトロ基またはトリフルオロメチル
基を表わし、Vはハロゲン原子を表わす。但し、X′と
Y′とが共に水素原子を表わす。但し、X′とY′とが
共に水素原子であるものは除く。〕 で示される化合物と3−メルカプト−1H−1,2,4−トリ
アゾールとを塩基の存在下に反応させることにより製造
することもできる。
用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド等があげられる。
また、該反応を行う際に触媒量の銅化合物等を添加す
ることもできる。
本発明化合物は、優れた除草効力を有し、かつ作物・
雑草間に優れた選択性を示す。すなわち本発明化合物
は、畑地の茎葉処理および土壌処理において、問題とな
る種々の雑草、例えば、ソバカズラ、サナエタデ、スベ
リヒユ、ハコベ、シロザ、アオゲイトウ、ダイコン、ノ
ハラガラシ、ナズナ、アメリカツノクサネム、イチビ、
アメリカキンゴジカ、フィールドパンジー、アメリカア
サガオ、マルバアサガオ、セイヨウヒルガオ、ヒメオド
リコソウ、ホトケノザ、シロバナチョウセンアサガオ、
イヌホオズキ、オオイヌノフグリ、イヌカミツレ、コー
ンマリーコールド等の広様雑草、ヒエ、イヌビエ、エノ
コログサ、メヒシバ、スズメノカタビラ、ノスズメノテ
ッポウ、エンバク、カラスムギ、セイバンモロコシ、シ
バムギ、ウマノチャヒキ、ギョウギシバ等のイネ科雑草
およびツユクサ等のツユクサ科雑草、コゴメガヤツリ、
ハマスゲ等のカヤツリグサ科雑草等に対して除草効力を
有し、しかも本発明化合物は、トウモロコシ、コムギ、
イネ、ダイズ、ワタ、テンサイ等の主要作物に対して問
題となるように薬害を示さない。
また、本発明化合物は、水田の湛水処理において、問
題となる種々の雑草、例えば、タイヌビエ等のイネ科雑
草、アゼナ、キカシグサ、ミゾハコベ等の広様雑草、タ
マガヤツリ、ホタルイ、マツバイ、ミズガヤツリ等のカ
ヤツリグサ科雑草、コナギ、ウリカワ等に対して除草効
力を有し、しかもイネに対しては問題となるような薬害
を示さない。
本発明化合物を除草剤の有効成分として用いる場合
は、通常固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤
用補助剤と混合して、乳剤、水和剤、懸濁剤、粒剤等に
製剤して用いる。
これらの製剤には有効成分として本発明化合物を、重
量比で0.1〜90%、好ましくは0.2〜80%含有する。
固体担体としては、カオリンクレー、アッタパルジャ
イトクレー、ベントナイト、酸性白土、パイロフィライ
ト、タルク、珪藻土、方解石、クルミ敷粉、尿素、硫酸
アンモニウム、合成含水酸化珪素等の微粉末あるいは粒
状物があげられ、液体担体としては、キシレン、メチル
ナフタレン等の芳香族炭化水素類、イソプロパノール、
エチレングリコール、セロソルブ等のアルコール類、ア
セトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、
大豆油、綿実油等の植物油、ジメチルスルホキシド、N,
N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、水等があ
げられる。
乳化、分散、湿展等のために用いられる界面活性剤と
しては、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸
塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホ
コハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエー
テルリン酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキサシエチレン
アルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシピロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル等の非イオン界面活性剤等があげられる。
その他の製剤用補助剤としては、リグニンスルホン酸
塩、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、アラビアガ
ム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PAP(酸性リ
ン酸イソプロピル)等があげられる。
本発明化合物は、通常製剤化して雑草の出芽前または
出後後に土壌処理、茎葉処理または湛水処理する。土壌
処理には、土壌表面処理、土壌混和処理等があり、茎葉
処理には、植物体の上方からの処理のほか、作物に付着
しないよう雑草に限って処理する局部処理等がある。
また他の除草剤と混合して用いることにより、除草効
力の増強を期待できる。さらに、殺虫剤、殺ダニ剤、殺
線虫剤、殺菌剤、植物生長調節剤、肥料、土壌改良剤等
と混合して用いることもできる。
なお、本発明化合物は、水田、畑地、果樹園、牧草
地、芝生地、森林あるいは非農耕地の有効成分として用
いることができる。
本発明化合物を除草剤の有効成分として用いる場合、
その処理量は、気象条件、製剤形態、処理期間、方法、
場所、対象雑草、対象作物等によっても異なるが、通常
1アールあたり0.2g〜200g、好ましくは0.5g〜100gであ
り、乳剤、水和剤、懸濁剤等は、通常その所定量を1ア
ールあたり1リットル〜10リットルの(必要ならば、展
着剤等の補助剤を添加した)水で希釈して処理し、粒剤
等は、通常なんら希釈することなくそのまま処理する。
展着剤としては、前記の界面活性剤のほか、ポリオキ
シエチレン樹脂酸(エステル)、リグニンスルホン酸
塩、アビエチン酸塩、ジナフチルメタンジスルホン酸
塩、パラフィン等があげられる。
<実施例> 以下、本発明を製造例、製剤例および試験例により、
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみ
に限定されるものではない。
まず、本発明化合物の製造例を示す。
製造例1 3−(3−メトキシ−5−トリフルオロメチルフェニル
チオ)−1,2,4−トリアゾール 2.44gをピリジン20mlに
溶かし、ジエチルカルバモイルクロリド1.45gを加え室
温で12時間攪拌した。次に、減圧下でピリジンを留去
し、残渣に酢酸エチルを加え、1規定塩酸、次いで、飽
和食塩水で3回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥
した後減圧下に溶媒を留去して1−(ジエチルカルバモ
イル)−3−(3−メトキシ−5−トリフルオロメチル
フェニルチオ)−1,2,4−トリアゾール3.40gを得た。
▲n25 D▼1.5215 製造例2 1−ジエチルカルバモイル−3−(2−メチルフェニ
ルチオ)−1,2,4−トリアゾール 1.47gをクロロホルム
120mlに溶かし、メタクロロ過安息香酸(含量70%)1.2
5gをクロロホルム20mlに溶かした液を0〜5℃で滴下し
た。0〜5℃で1時間攪拌した後、20%炭酸カリウム水
溶液で3回洗浄し、次いで飽和食塩水で2回洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後溶媒を減圧下に留去
して1−ジエチルカルバモイル−3−(2−メチルフェ
ニルスルフィニル)−1,2,4−トリアゾール1.20gを得
た。
▲D23.5 D▼1.5638 製造例3 1−ジエチルカルバモイル−3−(3−クロロフェニ
ルチオ)−1,2,4−トリアゾール 1.09gをクロロホルム
120mlに溶かし、メタクロロ過安息香酸(含量70%)2.1
6gを加え、室温で12時間攪拌した。20%炭酸カリウム水
溶液で3回洗浄し、次いで飽和食塩水で2回洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下に留
去して得た残渣をベンゼン、ヘキサン混合溶媒より再結
晶して1−ジエチルカルバモイル−3−(3−クロロフ
ェニルスルホニル)−1,2,4−トリアゾール0.93gを得
た。
融点 118.0〜120.0℃ 次に、上記の方法に準じて製造された本発明化合物の
いくつかを第1表に示す。
次に、原料化合物であるトリアゾール誘導体〔II〕の
製造例を参考例にて示す。
参考例1 3−トリフルオロメチルアニリン14.50gに水150mlお
よび濃塩酸20.4mlを加えた。0〜5℃で攪拌しながら亜
硝酸ナトリウム6.90gを水20mlに溶かした液を加え、さ
らに20分間攪拌を続けた。25%水酸化ナトリウム水溶液
で中和した後、メタノール50mlに水酸化カリウム7.92g
および3−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール12.12
gを溶かした液を滴下した。0〜5℃で2時間、次いで
室温で1時間攪拌した。反応液に食塩を加えて飽和し、
酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水で2
回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減
圧下に留去して得た残渣をカラムクロマトグラフィーに
て処理し3−(3−トリフルオロメチルフェニルチオ)
−1,2,4−トリアゾール15.30gを得た。
融点71.0〜72.5℃ 参考例2 水酸化ナトリウム(含量60%)2.00gをN,N−ジメチル
ホルムアミド100mlに懸濁させ、3−メルカプト−1H−
1,2,4−トリアゾール5.05gを加え、30分間室温で攪拌し
た。3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン1
4.65gおよび触媒層の塩化第一銅を加え、窒素雰囲気下
で5時間加熱還流した。放冷後減圧下に溶媒を留去し、
酢酸エチルを加え飽和食塩水で2回洗浄した。無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去して得た結
晶をベンゼン、ヘキサン混合溶媒で洗浄した後減圧下に
乾燥して3−〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ニルチオ〕−1,2,4−トリアゾール6.00gを得た。
融点110.5〜111.0℃ 上記の参考例に準じて製造されたトリアゾール誘導体
〔II〕のいくつかを第2表に示す。
次に製剤例を示す。なお、本発明化合物は第1表の化
合物番号で示す。部は重量部である。
製剤例1 本発明化合物(12)50部、リグニンスルホン酸カルチ
ウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部および合成含水
酸化珪素45部をよく粉砕混合して水和剤を得る。
製剤例2 本発明化合物(1)〜(62)の各々10部、ポリオキシ
エチレンスチリルフェニルエーテル14部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸カルシウム6部、キシレン30部およびシ
クロヘキサノン40部をよく混合して乳剤を得る。
製剤例3 本発明化合物(38)2部、合成含水酸化珪素1部、リ
グニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部お
よびカオリンクレー65部をよく粉砕混合し、水を加えて
よく練り合せた後、造粒乾燥して粒剤を得る。
製剤例4 本発明化合物(20)25部、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノオレエート3部、CMC3部、水69部を混合し、粒
度が5ミクロン以下になるまで湿式粉砕して懸濁剤を得
る。次に、本発明化合物が除草剤の有効成分として有用
であることを試験例で示す。なお、本発明化合物は、第
1表の化合物番号で示し、比較対照に用いた化合物は第
3表の化合物記号で示す。
また、除草効力および薬害の評価は、調査時の供試植
物(雑草および作物)の出芽および成育の状態が無処理
のそれと比較して全くないしほとんど違いないものを
「0」とし、供試植物が完全枯死または出芽若しくは成
育が完全に抑制されているものを「10」として、0〜10
の11段階に区分し0、1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10で示す。
試験例1 畑地土壌表面処理試験 直径10cm、深さ10cmの円筒型プラスチックポットに畑
地土壌を詰め、ヒエを播種し、覆土した。製剤例2に準
じて供試化合物を乳剤にし、その所定量を1アールあた
り10リットル相当の水で希釈し、小型噴霧器で土壌表面
に処理した。処理後20日間温室内で育成し、除草効力を
調査した。その結果を第4表に示す。
試験例2 畑地茎葉処理試験 直径10cm、深さ10cmの円筒型プラスチックポット畑地
土壌を詰め、ヒエを播種し、温室内で10日間育成した。
その後、製剤例2に準じて供試化合物を乳剤にし、その
所定量を1アールあたり10リットル相当の展着剤を含む
水で希釈し、小型噴霧器で植物体の上方から茎葉処理し
た。処理後20日間温室内で育成し、除草効力を調査し
た。その結果を第5表に示す。
試験例3 水田湛水処理試験 直径8cm、深さ12cmの円筒型プラスチックポットに水
田土壌を詰め、タイヌビエの種子を1〜2cmの深さに混
ぜ込んだ。湛水して水田状態にした後、温室内で育成し
た。6日後(タイヌビエの発生初期)に製剤例2に準じ
て供試化合物を乳剤にし、その所定量を5ミリリットル
の水で希釈し、水面に処理した。処理後20日間温室内で
育成し、除草効力を調査した。その結果を第6表に示
す。
試験例4 水田湛水処理試験 1/5000aワグネルポットに水田土壌を詰め、タイヌビ
エ、広葉雑草(アゼナ、キカシグサ、ミゾハコベ)、ホ
タルイの種子を1〜2cmの深さに混ぜ込んだ。湛水して
水田状態にした後、3葉期のイネを移植し、温室内で育
成した。4日後に、製剤例2に準じて供試化合物を乳剤
にし、その所定量を10ミリリットルの水で希釈し水面に
処理し、その水深を4cmとした。処理後20日間温室内で
育成し、除草効力および薬害を調査した。その結果を第
7表に示す。なお、処理の翌日から2日間は、1日あた
り8cmの水深に相当する量の漏水をおこなった。
<発明の効果> 本発明化合物は、畑地の土壌処理および茎葉処理、さ
らに水田の湛水処理において問題となる種々の雑草に対
して優れた除草効力を有し、主要作物と雑草間に優れた
選択性を示すことから除草剤の有効成分として種々の用
途に用いることができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1およびR2は同一または相異なり、低級アルキ
    ル基、低級アルケニル基またはR1とR2とで環をなす低級
    アルキレン基を表わし、XおよびYは同一または相異な
    り、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、
    アミノ基、アシルアミノ基またはトリフルオロメチル基
    を表わし、nは0、1または2の整数を表わす。但し、
    R1とR2とが共にメチル基であるものは除く。〕 で示されるカルバモイルトリアゾール誘導体。
  2. 【請求項2】一般式 〔式中、R1およびR2は同一または相異なり、低級アルキ
    ル基、低級アルケニル基またはR1とR2とで環をなす低級
    アルキレン基を表わし、XおよびYは同一または相異な
    り、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、
    アミノ基、アシルアミノ基またはトリフルオロメチル基
    を表わし、nは0、1または2の整数を表わす。但し、
    R1とR2とが共にメチル基であるものは除く。〕 で示されるカルバモイルトリアゾール誘導体を有効成分
    として含有することを特徴とする除草剤。
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