JP4779577B2 - ディファレンシャル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドライブシャフトのスプラインと、該ドライブシャフトと同軸上でかつ軸方向移動不能なパワートレーンユニットの入力軸のスプラインとが、それぞれドライブシャフト接続部の第1スプラインとパワートレーンユニット接続部の第2スプラインとにスプライン係合するディファレンシャル装置に係り、詳しくは、それら二重のスプラインの組立性の向上を図ったディファレンシャル装置に関する。
一般に、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車やRR(リヤエンジン・リヤドライブ)車等をベースにしたエンジン横置き型の四輪駆動車では、エンジンより出力した回転をトランスミッションで変速してフロントディファレンシャル装置に入力し、該フロントディファレンシャル装置にて前輪と後輪とに分配する形で伝達している。
該フロントディファレンシャル装置は、本体ケース内部に、トランスミッションの出力ギヤに噛合するデフケースと、該デフケースの回転を左右の差回転を許容しつつ伝達するディファレンシャルギヤ部とを有していると共に、該ディファレンシャルギヤ部の両サイドギヤに例えば左右前輪のドライブシャフトが接続され、該デフケースに後輪に回転を伝達するパワートレーンユニット(以下、「PTU」という)の入力軸が接続されて構成されている(特許文献1)。
ディファレンシャルギヤ部よりドライブシャフトに入力された回転は例えば左右前輪に伝達され、また、フロントディファレンシャル装置のデフケースよりPTU入力軸に入力された回転は、例えばPTU内部の傘歯車機構等を介して、車両の前後方向を軸とするプロペラシャフトに伝達され、更に例えばリヤディファレンシャル装置、左右後輪のドライブシャフトを介して左右後輪に伝達される。
特開2004−314796号公報
ところで、上述の四輪駆動車においては、上記PTUの入力軸(以下、単に「PTU入力軸」という)が、スリーブ状に形成されており、左右ドライシャフトの一方(例えば右側)の外周側に被覆して該ドライブシャフトに回転自在に支持されるように配設され、いわゆる二重軸構造をなしている。このようなものの中で、例えばPTU入力軸をフロントディファレンシャル装置のリングギヤに直接的にスプライン係合させるものにおいては、上記ドライブシャフト接続部と上記PTU接続部とが、同軸上の内外周の位置関係となるように構成され、それら2つの接続部にドライブシャフトとPTU入力軸とがそれぞれスプライン係合するような二重軸のスプライン係合構造を成すことになる。
このような二重軸のスプライン係合構造を成すフロントディファレンシャル装置、ドライブシャフト、及びPTUを組立てる際には、ドライブシャフトとPTUとを一体的に組立てた後、フロントディファレンシャル装置をそれらドライブシャフト及びPTUのセットに組付けることがある。この場合、ドライブシャフトとPTU入力軸とが軸方向移動不能に組立てられた後、ドライブシャフトのスプライン及びPTU入力軸のスプラインを、フロントディファレンシャル装置のドライブシャフト接続部のスプライン及びPTU接続部のスプラインに、略々同時に挿入しつつスプライン位置合わせを行って、組立てることになってしまう。このため、これらの組立時においては、2つのスプラインを同時に位置合わせするという困難性が伴ってしまうという問題があった。
そこで、ドライブシャフト接続部のスプライン及びPTU接続部のスプラインの一方を延設し、つまり組立時に一方のスプラインの挿入が先に行われるように構成することが考えられる。しかしながら、PTU接続部は、一般にドライブシャフト接続部より突出しており、即ちフロントディファレンシャル装置の最端部に位置するため、例えばスプラインを延設するために外周側にあるPTU接続部を延設すると、フロントディファレンシャル装置の肥大化を招いてしまう。また、PTU接続部を延設することは、先にPTU接続部とPTU入力軸とをスプライン係合させることが可能となるものの、後からスプライン係合されるドライブシャフト接続部とドライブシャフトとが内周側に位置するため、目視することができず、結局は組立時において困難性が生じてしまう。
一方、ドライブシャフト接続部とPTU接続部との間には、特にドライブシャフト接続部の先端部分の外周側に、当該ディファレンシャル装置内の潤滑油を封入するためのオイルシールが配設されており、該ドライブシャフト接続部の先端部分は、該オイルシールの厚みを確保するため、肉厚が薄くなるように形成されている。このため、例えば内周側にあるドライブシャフト接続部のスプラインを延設すると、回転伝達時に上記肉厚の薄いドライブシャフト接続部の先端部分までトルク伝達を行うことになり、耐久性として問題を生じる虞がある。
なお、例えばドライブシャフト接続部自体を延設したとしても、PTU接続部のスプライン係合部分の長さ(即ちトルク伝達容量)を確保するためには、該PTU接続部の軸方向位置がオフセットされる形で延設されるだけであり、組立時の困難性に変わりがないと共に、上述したようにフロントディファレンシャル装置の肥大化を招くだけである。
そこで本発明は、肥大化の防止や耐久性の確保を可能とするものでありながら、組立性を向上することが可能なディファレンシャル装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1乃至図10参照)、円筒状に形成され、内周部に第1スプライン(21s、21s’)を有し、左右のドライブシャフト(50)の差回転を許容しつつデフケース(14)の回転を伝達するディファレンシャルギヤ部(20)の一方のサイドギヤ(21)に接続されるドライブシャフト接続部(21a)と、前記ドライブシャフト接続部(21a)と同軸上外周側にて円筒状に形成され、内周部に第2スプライン(14s)を有し、前記デフケース(14)に接続されるパワートレーンユニット接続部(14a)と、を備え、
前記ドライブシャフト接続部(21a)の第1スプライン(21s、21s’)が、前輪及び後輪の一方における左右車輪の一方に接続されるドライブシャフト(50)の先端外周部分に形成されたスプライン(50s、50s’)にスプライン係合すると共に、前記パワートレーンユニット接続部(14a)の第2スプライン(14s)が、前輪及び後輪の他方に回転を伝達する前記ドライブシャフト(50)を軸方向(X1−X2方向)移動不能に被覆したスリーブ状のパワートレーンユニット(40)の入力軸(42)の先端外周部分に形成されたスプライン(42s)にスプライン係合する、ディファレンシャル装置(1)において、
前記ドライブシャフト接続部(21a)の内周部における前記第1スプライン(21s、21s’)の軸方向(例えばX2方向)先端側に、前記第1スプライン(21s、21s’)と前記ドライブシャフト(50)のスプライン(50s、50s’)とがスプライン係合した状態で、前記ドライブシャフト(50)のスプライン(50s、50s’)の溝部(50sb、50sb’)内に突出するように形成されると共に、前記ドライブシャフトのスプラインのスプライン歯(50sa、50sa’)との間に非接触部(A、A’)を形成され、組立時において、前記第2スプライン(14s)に前記パワートレーンユニット(40)の入力軸(42)のスプライン(42s)が係合する前に先立ち、前記ドライブシャフト(50)のスプライン(50s、50s’)の周方向(ω1−ω2方向)位置を前記第1スプライン(21s、21s’)にスプライン係合する周方向位置に案内する案内部材(25,125)を備え、
前記パワートレーンユニット接続部(14a)は、前記第2スプライン(14s)が、前記ドライブシャフト接続部(21a)より軸方向(例えばX2方向)に突出するように形成され、
前記第1スプライン(21s)と前記第2スプライン(14s)との軸方向(X1−X2方向)における間にて、前記ドライブシャフト接続部(21a)の外周面(21c)と前記パワートレーンユニット接続部(14a)の内周面(14c)との間をシールするシール部材(7)を備え、
前記ドライブシャフト接続部(21a)は、前記案内部材(25,125)及び前記シール部材(7)と軸方向(X1−X2方向)にオーバーラップする部分(21b)が、前記第1スプライン(21s)と軸方向(X1−X2方向)にオーバーラップする部分(21d)に比して、肉厚が薄く形成されてなる、
ことを特徴とするディファレンシャル装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図3乃至図5参照)、前記ドライブシャフト接続部(21a)の第1スプライン(21s)のスプライン歯(21sa)と、前記ドライブシャフト(50)のスプライン(50s)のスプライン歯(50sa)とは、インボリュート歯形状からなり、
前記案内部材(25)は、前記インボリュート歯形状のスプライン同士の接触位置(P)よりも歯丈の低いスプライン歯(25a)に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項1記載のディファレンシャル装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図9及び図10参照)、前記案内部材(125)は、前記ドライブシャフト接続部(21a)の内周面(21e)に一体的に形成されると共に、前記第1スプライン(21s’)のスプライン歯(21sa’)よりも周方向(ω1−ω2方向)の幅が小さいスプライン歯(125a)に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項記載のディファレンシャル装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図9及び図10参照)、前記案内部材(125)は、前記案内部材(125)のスプライン歯(125a)の側面(125ab)と前記第1スプライン(21s’)のスプライン歯(21sa’)の側面(21sc’)とを滑らかに接続するテーパ状のテーパ面(125ta)を有する、
ことを特徴とする請求項記載のディファレンシャル装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図1乃至図10参照)、前記ドライブシャフト(50)は、前輪に接続されてなり、
前記パワートレーンユニット(40)は、前記デフケース(14)の回転を後輪に伝達してなる、
請求項1ないし4のいずれか記載のディファレンシャル装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、案内部材は、ドライブシャフト接続部の第1スプラインとドライブシャフトのスプラインとがスプライン係合した状態で、ドライブシャフトのスプラインのスプライン歯との間に非接触部を形成しているので、ドライブシャフト接続部ドライブシャフトとの間でトルク伝達が行われる状態であっても、案内部材やドライブシャフト接続部の第1スプラインが形成されていない部分にトルクが生じないようにすることができる。これにより、ドライブシャフト接続部の第1スプラインが形成されていない部分の肉厚を厚くしなくても、耐久性を確保することができる。即ち、ドライブシャフト接続部の外周面とパワートレーンユニット接続部の内周面との間にシール部材を備えて、ディファレンシャル装置内の潤滑油をシール可能にするものでは、ドライブシャフト接続部のシール部材と軸方向にオーバーラップする部分の肉厚が薄く形成されてしまうが、上記案内部材によって該案内部材とドライブシャフトとの間でトルクが生じないようにすることができるため、耐久性を確保することができる。
また、組立時において案内部材は、パワートレーンユニットの入力軸のスプラインが第2スプラインに係合する前に先立ち、ドライブシャフトのスプラインの周方向位置を第1スプラインにスプライン係合する周方向位置に案内することができるので、組立時の位置合わせを容易化することができ、組立性を向上することができる。
更に、上述のように案内部材を備えることで組立性を向上することができるため、パワートレーンユニット接続部を延設して第2スプラインを延設することを不要とすることができ、ディファレンシャル装置における肥大化も防止することができる。
請求項に係る本発明によると、第1スプラインのスプライン歯とドライブシャフトのスプライン歯とがインボリュート歯形状からなり、案内部材はインボリュート歯形状のスプライン同士の接触位置よりも歯丈の低いスプライン歯に形成されているので、ドライブシャフトのスプラインのスプライン歯との間を非接触にすることができる。また特に、第1スプラインのスプライン歯を延設し、該スプライン歯を歯丈方向に切削加工して高さを低くするだけで形成することができ、安価にかつ容易に案内部材を形成することができる。
請求項に係る本発明によると、案内部材は、ドライブシャフト接続部の内周面に一体的に形成され、第1スプラインよりもスプライン歯の周方向の幅が小さいスプライン歯に形成されているので、ドライブシャフトのスプラインの溝部との間を非接触にすることができる。これにより、ドライブシャフト接続部ドライブシャフトとの間でトルク伝達が行われる状態であっても、案内部材やドライブシャフト接続部の第1スプラインが形成されていない部分にトルクが生じないようにすることができる。
請求項に係る本発明によると、案内部材は、該案内部材のスプライン歯の側面と第1スプラインのスプライン歯の側面とを滑らかに接続するテーパ状のテーパ面を有しているので、ドライブシャフトドライブシャフト接続部との組立時において、第1スプラインにスプライン係合する周方向位置に案内したドライブシャフトのスプラインを、第1スプラインに引っ掛かることなく滑らかに係合させることができる。
請求項に係る本発明によると、ドライブシャフトは前輪に接続され、パワートレーンユニットはデフケースの回転を後輪に伝えるので、例えばFF車やRR車等をベースにした、エンジン横置き型の四輪駆動車に用いて好適とすることができる。
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図1乃至図8に沿って説明する。
本発明に係るフロントディファレンシャル装置(以下、単に「フロントデフ」という)1は、例えばFF車をベースにしたエンジン横置き型の四輪駆動車に搭載されるものであり、エンジンより出力した回転をトランスミッションで変速して入力し、前輪と後輪とに分配する形で伝達可能に構成されている。
図1に示すように、フロントデフ1は、詳しくは後述するトランスミッションケース内にデフケース14と、該デフケース14内にデフピニオンギヤ26,27及びサイドギヤ21,22を有するディファレンシャルギヤ部20とを備えて構成されている。該デフケース14は、不図示のトランスミッションの出力ギヤに噛合されており、デフサイドギヤ21が右前輪に接続されるドライブシャフト50に接続され、デフサイドギヤ22が左前輪に接続されるドライブシャフト51に接続されている。また、該ドライブシャフト50の外周側を被覆するようにスリーブ状に形成されたPTU入力軸42を介してPTU(パワートレーンユニット)40に接続している。
該PTU40には、上記PTU入力軸42と、該PTU入力軸42に一体的に連結された第1ギヤ42aと、該第1ギヤ42aに噛合する第2ギヤ43と、該第2ギヤ43と一体的に連結された第1シャフト47とが備えられている。また、該PTU40には、該第1シャフト47に一体的に連結された傘歯車48と、該傘歯車48に噛合する傘歯車49とが備えられており、該傘歯車49がプロペラシャフト60に接続されている。
フロントデフ1は、詳細には図2に示すように、トランスミッションケース11,12と、該トランスミッションケース11,12に内包されたデフケース14と、該デフケース14内に収納されたディファレンシャルギヤ部20と、デフケース14にボルトにより連結された図不示のデフリングギヤとで構成されている。
上記トランスミッションケース11,12は、不図示の車体(シャーシ等)やトランスミッションに対して固着されていると共に、PTU40のPTUケース41,46にボルト19等により固定されており、デフケース14等を内部に収納するように、ボルト18等によって互いに固定されている。該トランスミッションケース11,12内において、デフケース14は、スラストベアリング5等によって挟持されると共に回転自在に支持されている。該デフケース14は、内部に空間を有するように互いに固定されており、その内部空間には後述するディファレンシャルギヤ部20が備えられている。
また、デフケース14には、X2方向先端側にPTU入力軸42と接続し得るPTU入力軸接続部14aが円筒凹状にデフケース14と一体的に形成されており、その内周面には、PTU入力軸42のスプライン42sとスプライン係合する第2スプライン14sが形成されている。該PTU入力軸接続部14aの外周面と上記トランスミッションケース11の内周面との間には、オイルシール6が備えられており、上記トランスミッションケース11,12の内部の潤滑用オイルをシールしている。なお、PTU入力軸42のスプライン42sと第2スプライン14sとのスプライン歯の形状は、詳しくは後述する第1スプラインとドライブシャフトのスプラインとのスプライン歯の形状と同様に、インボリュート形状に形成されている。
一方、ディファレンシャルギヤ部20は、デフピニオンシャフト28,29と、デフピニオンギヤ26,27と、デフサイドギヤ21,22とで構成されている。該デフピニオンシャフト28,29は、該デフケース14の内部に、該デフケース14の回転軸とは垂直な回転軸を有して、同軸上に直列的に並設されている。また、該デフピニオンシャフト28,29は、それぞれピン16a,16bによりデフケース14に固定されている。
上記デフピニオンギヤ26,27は、該デフケース14の内周面に接するように、互いに対向した形で配設された一対の傘歯車であり、上記デフピニオンシャフト28,29のそれぞれに回転自在に支持されている。
デフサイドギヤ21,22は、上述したデフピニオンギヤ26,27の双方に噛合するように対向して配設される一対の傘歯車である。また、該デフケース14とは同軸上に配設されており、デフサイドギヤ21,22の中心部分の端部には、潤滑用オイルの流出を防ぐための蓋部23,24がそれぞれに固定されている。
また、デフサイドギヤ21には、軸方向であるX2方向に対して、ドライブシャフト50と接続するためのドライブシャフト接続部21aが円筒凹状に一体的に形成されている。該ドライブシャフト接続部21aは、上記デフサイドギヤ21の内周部、肉厚の厚い円筒本体部21d、及び該円筒本体部21dに比して肉厚の薄い先端部21bを有して構成されている。
上記ドライブシャフト接続部21aの円筒本体部21dの外周面とデフケース14のデフサイドギヤ支持部14bの内周面14cとの間には、ベアリング8が備えられており、つまり該デフサイドギヤ21はデフケース14に回転自在に支持されている。また、デフサイドギヤ支持部14bの内周面14cと先端部21bの外周面21cとの間にはオイルシール(シール部材)7が備えられており、デフケース14の内部の潤滑用オイルをシールしている。
上記ドライブシャフト接続部21aの内周面21eには、上記円筒本体部21dの軸方向に対してオーバーラップする部分に、ドライブシャフト50のスプライン50sとスプライン係合する第1スプライン21sが形成されている。更に内周面21eには、第1スプライン21sよりX2方向先端部分であって、上記先端部21bの軸方向に対してオーバーラップする部分、つまりオイルシール7と軸方向にオーバーラップする部分に、後述する案内部材25がドライブシャフト接続部21aと一体的に形成されている。なお、本第1の実施の形態で用いられているスプライン歯は、インボリュート曲面を有した歯形となっている。
該案内部材25は、図3乃至図5に示すように、第1スプライン21sがそのまま延設され、かつスプライン歯の高さが低くなるように高さ方向に対して切削加工されて形成され、つまり第1スプライン21sの周方向位置と同位置であるスプライン形状に形成されており、スプライン歯部25aと、テーパ部25tと、先端部25bとで構成されている。該スプライン歯部25aは、第1スプライン21sのスプライン歯21saとドライブシャフト50のスプライン50sのスプライン歯50saとが、回転伝達時に接触する接触位置Pよりも歯丈が低くなるように形成されており、これによって、スプライン50sのスプライン歯50saと接触しない非接触部A(即ち空隙)が形成されている。また、案内部材25のスプライン歯部25aの内周面25aa及び内周面21sdとは、案内部材25の内周面側テーパ面25taによって滑らかに接続されており、つまり軸方向に対して段差がないように形成されている。更に、先端部25bは、内周側傾斜面25baを有しており、つまり軸方向に対して段差がないように形成されている。
一方、図2に示すように、上記PTU40においては、略々円筒状のPTUケース41に対してスリーブ状(中空軸状)のPTU入力軸42が回転自在に支持されており、その中空軸部分にドライブシャフト50を回転自在に支持している。また、該PTU入力軸42のX1方向先端部分外周面には上述したPTU入力軸接続部14aのスプライン14sとスプライン係合するスプライン42sが形成されている。
なお、該PTUケース41と上記PTU入力軸接続部14aとの間には、シール部材44が備えられ、また、該PTUケース41とPTU入力軸42との間にはシール部材45が備えられ、これによってPTU40内部の潤滑用オイルをシールしている。
上記ドライブシャフト50は円柱状に形成されており、PTU入力軸42の中空軸部分を通って、右前輪に接続されている。また、該ドライブシャフト50のX1方向先端部分外周面には、上述したドライブシャフト接続部21aのスプライン21sとスプライン係合する、スプライン歯50sa及び溝部50sbからなるスプライン50sが形成されている(図3参照)。
なお、左前輪に接続しているドライブシャフト51は、ドライブシャフト50と同様に、デフサイドギヤ22に対してスプライン係合により接続されている。
以上のように、フロントデフ1には、上記ドライブシャフト50とPTU入力軸42とが同軸上でスプライン係合する二重軸のスプライン係合構造2を備えていることになる。この二重軸のスプライン係合構造2におけるドライブシャフト50とドライブシャフト接続部21aとのスプライン係合部分にあっては、図3乃至図5に示すように、それらスプライン歯21sa,50における歯幅方向であるY1−Y2方向の隙間(いわゆるガタ)とは別に、案内部材25のスプライン歯25aとドライブシャフト50のスプライン50sのスプライン歯50saとの間に非接触部Aが形成されている。
つづいて本発明に係るフロントデフ1の動力伝達について図1乃至図5に沿って説明する。
まず、通常の直進走行状態におけるフロントデフ1においては、例えばエンジンで出力され、トランスミッションで変速された出力回転が、デフケース14に入力される。該デフケース14は、該デフケース14の内部に配設されたディファレンシャルギヤ部20と共に回転する。このとき、ディファレンシャルギヤ部20のデフサイドギヤ21はデフケース14と同軸上に配設されているので、該デフサイドギヤ21と一体に形成されているドライブシャフト接続部21aから該ドライブシャフト接続部21aとスプライン係合しているドライブシャフト50にそのまま回転を伝達し、これによって右前輪に回転を伝達する。同様に対向した位置に配設されたデフサイドギヤ22からもドライブシャフト51を介して左前輪に回転を伝達する。
これは、直進走行状態では左右の前輪にかかる抵抗は同じであり、この状態では左右のデフサイドギヤ21,22にも同じ抵抗がかかりデフピニオンギヤ26,27は公転はするが自転はせず、即ち、フロントデフ1は左右の前輪に同速度の回転を伝達する。
また、このときデフケース14は、該デフケース14と一体に形成されているPTU入力軸接続部14aから該PTU入力軸接続部14aとスプライン係合しているPTU入力軸42に回転を伝達する。この回転は上述したようにPTU40、プロペラシャフト60、リヤディファレンシャルギヤ(図示せず)、及びリヤドライブシャフト(図示せず)等を介して後輪まで伝達され、これによって車輌は四輪駆動状態になる。
ここで、車輌の走行状態が不図示のステアリングホイールを操作するなどして、例えば右方向へ旋回動作を開始すると、内側の車輪、つまり右前輪の移動距離が短くなり、回転数差を生じ、外側の車輪、つまり左前輪に比べると右前輪の方が抵抗が大きくなる。すると、右側のデフサイドギヤ21は抵抗によりデフピニオンギヤ26,27に力を生じるようになり、該デフピニオンギヤ26,27は回転を始める。つまり該デフピニオンギヤ26,27は公転をしながらそれぞれ逆方向に自転を行う。
これにより、左側のデフサイドギヤ22が抵抗のない状態より早く回転するようになり、回転数差を相殺して円滑に旋回できるようになる。また、旋回動作中であっても出力回転は後輪にも伝達され、車輌の四輪駆動状態は維持される。なお、上述の説明では右旋回時で説明したが、左旋回時でも同様の動作をする。
以上のようにフロントデフ1により回転伝達を行う状態にあって、ドライブシャフト接続部21aとドライブシャフト50とのスプライン係合部分においては、図3に示すように、例えばエンジンからのトランスミッションを介して伝達される前進回転が、デフケース14を介してドライブシャフト接続部21aに矢印ω4方向に伝達され、第1スプライン21sのスプライン歯21saの側面21scがドライブシャフト50のスプライン50sのスプライン歯50saに接触位置Pで当接して、該ドライブシャフト50を矢印ω2方向に押圧駆動する。
この状態にあって案内部材25においては、図3乃至図5に示すように、スプライン50sのスプライン歯50saとの間に非接触部Aを有しているため、案内部材25のスプライン歯部25aにトルクが生じることはなく、これによってオイルシール7が外周側に配設されている肉厚の薄い先端部21bに駆動に伴ってトルクが生じることはない。
また、同様に、例えばエンジンからのトランスミッションを介して後進回転が伝達された場合(矢印ω3方向の駆動回転に基づき矢印ω1方向に回転する場合)や、コースト状態(非駆動状態)で右前輪からの駆動回転がドライブシャフト50よりドライブシャフト接続部21aに逆伝達される場合(矢印ω1又はω2方向の駆動回転に基づき矢印ω3方向又は矢印ω4方向に回転する場合)であっても、案内部材25や先端部21bにトルクが生じることはない。
つづいて、本発明に係るフロントデフ1とPTU40及びドライブシャフト50のセット(アッセンブリ)との組立時について図2乃至図8に沿って説明する。
組立時においては、まず、図6に示すように、フロントデフ1と、ドライブシャフト50及びPTU入力軸42等が組付けられたアッセンブリとを、デフサイドギヤ21,22の回転軸とドライブシャフト50及びPTU入力軸42の回転軸とが一直線上に並ぶように配置し、フロントデフ1とPTU40とをその軸方向に対して近づけていく。
すると、図7に示すように、PTU入力軸接続部14aとPTU入力軸42とがスプライン係合するのに先立って、案内部材25の先端部25bがドライブシャフト50に形成されたスプライン50sの溝部50sbに到達し、ドライブシャフト50或いはデフサイドギヤ21の周方向位置を回転調整しつつ、スプライン係合を開始させる。これによって、案内部材25が、該スプライン50の周方向位置を第1スプライン21sにスプライン係合する周方向位置に案内する。この際、ドライブシャフト50とドライブシャフト接続部21aとは、スプライン50sと案内部材25と係合しているので相対回転しない。また、この案内部材25が案内を行っている際、PTU入力軸接続部14aの第2スプライン14sとPTU入力軸42のスプライン42sとはスプライン係合していない。
続いて、更にフロントデフ1とPTU40とを軸方向に対して近づけていくと、図8に示すように、PTU入力軸42のスプライン42sの先端がPTU入力軸接続部14aの第2スプライン14sの先端に到達し、該PTU入力軸42或いはデフケース14の周方向位置を回転調整しつつ、スプライン係合を開始させる。また、この状態で、ドライブシャフト50のスプライン50sと第1スプライン21sとのスプライン係合が同時に開始される。
この際、ドライブシャフト50のスプライン50sの周方向位置は第1スプライン21sの周方向位置に合せてあると共に、図3乃至図5に示すように、案内部材25のテーパ部25tの特にテーパ面25taが、ドライブシャフト50のスプライン50sを第1スプライン21sに滑らかに案内するため、特にドライブシャフト50とドライブシャフト接続部21aとのスプライン位置合わせは不要となる。
その後は、更にフロントデフ1とPTU40とを軸方向に対して近づけ、図2に示すように、トランスミッションケース11とPTUケース46とをボルト19等により固定し、これによって、フロントデフ1とPTU40及びドライブシャフト50のアッセンブリとの組立が完了する。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係るフロントデフ1によると、案内部材25は、ドライブシャフト接続部21aの第1スプライン21sとドライブシャフト50のスプライン50sとがスプライン係合した状態で、第1スプライン21sのスプライン歯21saとの間に非接触部Aを形成しているので、ドライブシャフト接続部21aとドライブシャフト50との間でトルク伝達が行われる状態であっても、案内部材25やドライブシャフト接続部21aの先端部21bにトルクが生じないようにすることができる。これにより、ドライブシャフト接続部21aの先端部21bの肉厚を厚くしなくても、耐久性を確保することができる。
また、組立時において案内部材は、PTU入力軸42のスプライン42sがPTU入力軸接続部14aのスプライン14sに係合する前に先立ち、ドライブシャフト50のスプライン50sの周方向(ω1−ω2方向)位置をドライブシャフト接続部21aのスプライン21sにスプライン係合する周方向(ω3−ω4方向)位置に案内することができるので、組立時のスプライン位置合わせを容易化することができ、組立性を向上することができる。
更に、上述のように案内部材25を備えることで組立性を向上することができるため、PTU入力軸接続部14aを延設してスプライン14sを延設することを不要とすることができ、二重軸のスプライン係合構造2における肥大化も防止することができる。
また、案内部材25は、組立時においては、PTU入力軸42のスプライン42sがPTU入力軸接続部14aのスプライン14sに係合する前に先立ち、ドライブシャフト50のスプライン50sがドライブシャフト接続部21aのスプライン21sにスプライン係合するので、スプライン50sの周方向(ω1−ω2方向)位置をスプライン21sの周方向(ω3−ω4方向)位置に案内することができる。
また、スプライン21sのスプライン歯21saとドライブシャフト50のスプライン歯50saとがインボリュート歯形状からなり、案内部材25はインボリュート歯形状のスプライン同士の接触位置Pよりも歯丈の低いスプライン歯25aに形成されているので、ドライブシャフト50のスプラインのスプライン歯50saとの間に非接触部Aを形成することができる。また特に、スプライン21sのスプライン歯21saを延設し、該スプライン歯21saを歯丈方向に切削加工して高さを低くするだけで形成することができ、安価にかつ容易に案内部材25を形成することができる。
また、ドライブシャフト50,51は前輪に接続され、PTU40はデフケース14の回転を後輪に伝えるので、例えばFF車やRR車等をベースにした、エンジン横置き型の四輪駆動車に用いて好適とすることができる。
また、ドライブシャフト接続部21aの外周面21cとPTU入力軸接続部14aの内周面14cとの間にオイルシール7を備えているので、フロントデフ1内の潤滑油をシール可能にするものの、ドライブシャフト接続部21aのオイルシール7と軸方向(X1−X2方向)にオーバーラップする部分である先端部21bの肉厚が薄く形成されてしまうが、案内部材25によって該案内部材25とドライブシャフト50との間でトルクを生じないようにすることができるため、耐久性を確保することができる。
<第2の実施の形態>
つづいて、本発明の第2の実施の形態を図9及び図10に沿って説明する。なお、本第2の実施の形態においては、一部の変更を除き、第1の実施の形態と同様な部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
第2の実施の形態におけるフロントデフ1においては、第1の実施の形態で説明したようなスプライン歯の形状がインボリュートではなく、第1スプライン21s’のスプライン歯21sa’の側面21sc’とドライブシャフト50のスプライン歯50sa’の側面とが平面形状からなり、つまり第1スプライン21s’とドライブシャフト50のスプライン50s’とのトルク伝達が面同士の当接により行われるものである。
案内部材125は、図9及び図10に示すように、第1スプライン21s’とスプライン歯の周方向位置が同位置である略スプライン形状に形成されており、スプライン歯部125aと、テーパ部125tと、先端部125bとで構成されている。該スプライン歯部125aは、スプライン21s’よりも歯幅及び歯丈共に小さくなるように形成されている。また、案内部材125のスプライン歯部125aの内周面125aa及び側面(外面)125abと第1スプライン21s’のスプライン歯部21sa’の側面(外面)21sc’及び内周面21sd’とは、案内部材125の側面側テーパ面125ta及び内周側テーパ面125tbによって滑らかに接続されており、つまり軸方向に対して段差がないように形成されている。更に、先端部125bは、内周側傾斜面125ba及び側面側傾斜面125bbを有しており、つまり軸方向に対して段差がないように形成されている。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係るフロントデフ1には、上記ドライブシャフト50とPTU入力軸42とが同軸上でスプライン係合する二重軸のスプライン係合構造2を備えていることになる。この二重軸のスプライン係合構造2におけるドライブシャフト50とドライブシャフト接続部21aとのスプライン係合部分にあっては、図9及び図10に示すように、それらスプライン歯21sa’,50sa’における歯幅方向であるY1−Y2方向の隙間(いわゆるガタ)Dとは別に、案内部材125のスプライン歯125aの側面125abとドライブシャフト50のスプライン50s’のスプライン歯50sa’との間に歯幅方向であるY1−Y2方向の非接触部A’が形成されている。
以上のような第2の実施の形態に係るフロントデフ1を組立てる際には、PTU入力軸接続部14aとPTU入力軸42とがスプライン係合するのに先立って(図7参照)、案内部材125の先端部125bがその傾斜面125bbに沿ってドライブシャフト50に形成されたスプライン50s’の溝部50sb’に入り込み、スプライン歯部125aが、該スプライン50s’の溝部50sb’に係合を開始する。これによって、案内部材125が、大よそ該スプライン50s’の周方向位置を第1スプライン21s’にスプライン係合する周方向位置に案内する。この状態では、ドライブシャフト50とドライブシャフト接続部21aとは、スプライン50s’と案内部材125と係合しているので相対回転しない。その後、PTU入力軸接続部14aとPTU入力軸42とがスプライン係合する際には(図8参照)、ドライブシャフト50のスプライン50s’が、テーパ部125tによって、引っかからず滑らかに第1スプライン21s’の周方向位置に案内される。
このように、第2の実施の形態における案内部材125は、第1の実施の形態で説明した案内部材25に比して加工が複雑だが、組立時において、先端部125bの側面側傾斜面125bbや側面側テーパ面125taが、ドライブシャフト50のスプライン50s’を第1スプライン21s’の周方向位置に滑らかに案内するので、特に内側にある第1スプライン21s’とドライブシャフト50のスプライン50s’との係合開始時等におけるスプライン位置あわせを容易にすることができる。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係るフロントデフ1によると、案内部材125は、ドライブシャフト接続部21aの内周面21eに一体的に形成され、スプライン21s’のスプライン歯21sa’よりも周方向であるω1−ω2方向(即ち歯幅方向)の幅が小さいスプライン歯125aに形成されているので、ドライブシャフト50のスプライン50s’の溝部50sb’との間に歯幅方向(Y1−Y2方向)に対して非接触部A’を形成することができる。これにより、ドライブシャフト接続部21aとドライブシャフト50との間でトルク伝達が行われる状態であっても、案内部材125やドライブシャフト接続部21aの先端部21bにトルクが生じないようにすることができる。
また、案内部材125は、該案内部材125のスプライン歯125aの外面125abと第1スプライン21s’のスプライン歯21sa’の外面21sc’とを滑らかに接続するテーパ状のテーパ面125taを有しているので、ドライブシャフト50とドライブシャフト接続部21aとの組立時において、第1スプライン21s’にスプライン係合する周方向位置に案内したドライブシャフト50のスプライン50s’を、第1スプライン21s’に引っ掛かることなく滑らかに係合させることができる。
なお、本第2の実施の形態においては、この他の構成、作用、及び効果は第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
なお、以上説明した第1及び第2の実施の形態においては、第1軸がドライブシャフト50、第2軸がPTU入力軸42、第1接続部がドライブシャフト接続部21a、第2接続部がPTU入力軸接続部14aである二重軸のスプライン係合構造2に本発明を適用したものを説明したが、これに限らず、組立時に先に第1軸及び第2軸が軸方向移動不能に組立てられ、かつ第1接続部及び第2接続部に対してスプライン係合する構造を有するものであれば、どのようなものであっても本発明を適用することが可能である。
また、本第1及び第2の実施の形態において、案内部材25,125は、第1スプライン21s、21s’と同じ歯数であるスプライン形状であるものを例に説明したが、案内部材は第1スプラインの周方向位置へ第1軸のスプラインを案内できるものであればよいので、案内部材の歯数は第1スプライン21s、21s’の歯数より少なくても足り、勿論、1箇所だけ歯が形成されているものであってもよい。
更に、案内部材の歯形状は、スプライン形状でなくても足り、例えば軸方向先端側にピン形状のように植設されたものであってもよく、これに限らず、第1軸のスプラインを第1スプラインに案内できるものであればよい。この際、案内部材の形状は、第1軸のスプラインを第1スプラインに滑らかに引っ掛かることなく案内できるのが好ましい。
また、本第1及び第2の実施の形態においては、第2スプライン14sのスプライン歯の形状とPTU入力軸42のスプライン歯の形状がインボリュート形状であるものについて説明したが、第2スプライン14sとPTU入力軸42のスプライン42sとのトルク伝達が面同士の当接により行われるものであってもよい。
また、本第1及び第2の実施の形態において説明したパワートレーンユニットは一例であって、例えばビスカス・カップリング機構を有するものやトランスファー機構を有するものであってもよく、これらに限らず、どのようなものであってもよいことは、勿論のことである。
また、本第2の実施の形態において、案内部材125は第1スプライン21’よりも歯丈が低く形成されるように説明したが、該案内部材125は歯幅方向にも小さくなるように形成されており、トルク伝達は行われないので、歯丈の高さは同じであっても構わない。
ドライブシャフト及びPTUと本発明に係るディファレンシャル装置とを示すスケルトン図。 ドライブシャフト及びPTUと本発明に係るディファレンシャル装置とを示す断面図。 ドライブシャフト及びドライブシャフト接続部のスプライン係合を示す横断面図。 ドライブシャフト及びドライブシャフト接続部のスプライン係合を示す展開説明図。 ドライブシャフト及びドライブシャフト接続部のスプライン係合を示す縦断面図。 ドライブシャフト及びPTUとディファレンシャル装置とを組立てる前の状態を示す断面図。 組立時におけるドライブシャフトと案内部材との係合開始状態を示す断面図。 組立時におけるPTU入力軸とPTU接続部との係合開始状態を示す断面図。 第2の実施の形態に係るドライブシャフト及びドライブシャフト接続部のスプライン係合を示す断面図。 第2の実施の形態に係るドライブシャフト及びドライブシャフト接続部のスプライン係合を示す展開説明図。
符号の説明
1 ディファレンシャル装置(フロントデフ)
2 二重軸のスプライン係合構造
7 シール部材(オイルシール)
14 デフケース
14a 第2接続部、PTU入力軸接続部
14s 第2スプライン
20 ディファレンシャルギヤ部
21 サイドギヤ(デフサイドギヤ)
21a 第1接続部、ドライブシャフト接続部
21b ドライブシャフト接続部のシール部材と軸方向にオーバーラップする部分(先端部)
21c ドライブシャフト接続部の外周面
21d ドライブシャフト接続部の第1スプラインと軸方向にオーバーラップする部分(円筒本体部)
21e 第1接続部の内周面、ドライブシャフト接続部の内周面
21s 第1スプライン
21s’ 第1スプライン
21sa 第1スプラインのスプライン歯
21sa’ 第1スプラインのスプライン歯
21sc 第1スプラインのスプライン歯の側面
21sc’ 第1スプラインのスプライン歯の側面
25 案内部材
25a 案内部材のスプライン歯
40 パワートレーンユニット(PTU)
42 第2軸、パワートレーンユニットの入力軸(PTU入力軸)
42s 第2軸のスプライン(PTU入力軸のスプライン)
50 第1軸、ドライブシャフト
50s 第1軸のスプライン(ドライブシャフトのスプライン)
50s’ 第1軸のスプライン(ドライブシャフトのスプライン)
50sa 第1軸のスプラインのスプライン歯
50sa’ 第1軸のスプラインのスプライン歯
50sb 第1軸のスプラインの溝部(ドライブシャフトのスプラインの溝部)
50sb’ 第1軸のスプラインの溝部(ドライブシャフトのスプラインの溝部)
125 案内部材
125a 案内部材のスプライン歯
125ab 案内部材のスプライン歯の側面
125ta テーパ面(側面側テーパ面)
A 非接触部
A’ 非接触部
P 接触位置
X1−X2方向 軸方向
ω1−ω2方向 周方向

Claims (5)

  1. 円筒状に形成され、内周部に第1スプラインを有し、左右のドライブシャフトの差回転を許容しつつデフケースの回転を伝達するディファレンシャルギヤ部の一方のサイドギヤに接続されるドライブシャフト接続部と、前記ドライブシャフト接続部と同軸上外周側にて円筒状に形成され、内周部に第2スプラインを有し、前記デフケースに接続されるパワートレーンユニット接続部と、を備え、
    前記ドライブシャフト接続部の第1スプラインが、前輪及び後輪の一方における左右車輪の一方に接続されるドライブシャフトの先端外周部分に形成されたスプラインにスプライン係合すると共に、前記パワートレーンユニット接続部の第2スプラインが、前輪及び後輪の他方に回転を伝達する前記ドライブシャフトを軸方向移動不能に被覆したスリーブ状のパワートレーンユニットの入力軸の先端外周部分に形成されたスプラインにスプライン係合する、ディファレンシャル装置において、
    前記ドライブシャフト接続部の内周部における前記第1スプラインの軸方向先端側に、前記第1スプラインと前記ドライブシャフトのスプラインとがスプライン係合した状態で、前記ドライブシャフトのスプラインの溝部内に突出するように形成されると共に、前記ドライブシャフトのスプラインのスプライン歯との間に非接触部を形成され、組立時において、前記第2スプラインに前記パワートレーンユニットの入力軸のスプラインが係合する前に先立ち、前記ドライブシャフトのスプラインの周方向位置を前記第1スプラインにスプライン係合する周方向位置に案内する案内部材を備え、
    前記パワートレーンユニット接続部は、前記第2スプラインが、前記ドライブシャフト接続部より軸方向に突出するように形成され、
    前記第1スプラインと前記第2スプラインとの軸方向における間にて、前記ドライブシャフト接続部の外周面と前記パワートレーンユニット接続部の内周面との間をシールするシール部材を備え、
    前記ドライブシャフト接続部は、前記案内部材及び前記シール部材と軸方向にオーバーラップする部分が、前記第1スプラインと軸方向にオーバーラップする部分に比して、肉厚が薄く形成されてなる、
    ことを特徴とするディファレンシャル装置
  2. 前記ドライブシャフト接続部の第1スプラインのスプライン歯と、前記ドライブシャフトのスプラインのスプライン歯とは、インボリュート歯形状からなり、
    前記案内部材は、前記インボリュート歯形状のスプライン同士の接触位置よりも歯丈の低いスプライン歯に形成されてなる、
    ことを特徴とする請求項1記載のディファレンシャル装置
  3. 前記案内部材は、前記ドライブシャフト接続部の内周面に一体的に形成されると共に、前記第1スプラインのスプライン歯よりも周方向の幅が小さいスプライン歯に形成されてなる、
    ことを特徴とする請求項1記載のディファレンシャル装置
  4. 前記案内部材は、前記案内部材のスプライン歯の側面と前記第1スプラインのスプライン歯の側面とを滑らかに接続するテーパ状のテーパ面を有する、
    ことを特徴とする請求項記載のディファレンシャル装置
  5. 前記ドライブシャフトは、前輪に接続されてなり、
    前記パワートレーンユニットは、前記デフケースの回転を後輪に伝達してなる、
    請求項1ないし4のいずれか記載のディファレンシャル装置。
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