JP4778305B2 - 脱着シートのコネクタ接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等のシートをフロアに対して着脱すると同時に、フロア側とシート側の各コネクタを接続・離脱させる脱着シートのコネクタ接続構造に関するものである。
図5は、従来の脱着シートのコネクタ接続構造の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
この脱着シート91は、自動車の車室内のリンク装置92に着脱自在に組み付けられ、リンク装置92から離脱した後は車椅子として使用できるものである。リンク装置92は駆動手段で上下に回動し、脱着シート91は車輪を接地した状態でリンク装置92から離脱する。
シート91のフレーム93とリンク装置92とにコネクタ94,95が設けられ、両コネクタ94,95がシート91の装着と同時に嵌合接続され、シート91の離脱と同時に脱抜遮断される。シート91とリンク装置92とはピン96と孔部97との係合で位置決めされる。両コネクタ94,95の接続によってシート91に電源が供給され、両コネクタ94,95の脱抜によって電源が遮断される。
特開2000−126234号公報(図9)
しかしながら、上記従来の脱着シートのコネクタ接続構造にあっては、例えば位置決めピン96と孔部97との間の隙間(ガタ付き)が大きい場合に、シート91をリンク装置92に組み付けた際に、シート側のコネクタ94とリンク装置側のコネクタ95との位置がずれやすく、その場合にシート91の自重で両コネクタ94,95がかじって接続がスムーズに行われなかったり、斜めにこじるように挿入されて傷付き等を起こし兼ねないという懸念があった。
また、上記従来の脱着シートの接続構造はあくまでも特殊な用途のものであり、例えば一般のユーザーが車室内のスペースを広くする目的等のために、シートをフロアから離脱させるものとは異なっており、この場合は、シートを離脱させた後、フロアにコネクタが突出して残るために、乗員がコネクタを踏んだり、引っ掛けたりして壊す恐れや、それを防ぐためにコネクタをフロア内に配置した場合は、シート装着使用時(コネクタ接続時)に塵や雨の日の水滴等がコネクタに付着して、シートへの給電不良や誤作動等を起こすといった心配があった。
本発明は、上記した点に鑑み、シート側のコネクタとフロア側のコネクタとを効率良くしかもスムーズ且つ確実に接続させることができ、また、シート使用時(コネクタ接続時)にフロア上の水滴や塵等によるコネクタの不具合を起こしたり、シート離脱後(コネクタ離脱後)にフロア側のコネクタを引っ掛ける等して破損等させたりすることのない脱着シートのコネクタ接続構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る脱着シートのコネクタ接続構造は、フロアに回動自在に設けられたフロア側のフックと、該フロア側のフックに連結固定されたアームと、該アームに設けられたフロア側のコネクタとを備え、シートの装着作業時に倒れた状態の該フロア側のフックをシート側のフックが該アームと一体的に起立方向に回動させ、その状態でシート側のコネクタと該フロア側のコネクタとを接続させることを特徴とする。
上記構成により、シートの離脱状態でフロア側のコネクタはアーム及びフックと共に倒れてフロア上又はフロア内に位置し、フロアへのシートの装着作業時にシート側のフックがフロア側のフックを押圧して回動起立させ、同時にフロア側のコネクタがアームと共に起立してフロアよりも高く位置し、この状態でシート側のコネクタとフロア側のコネクタとが接続される。両コネクタの接続はフロア側のフック押圧時のアームの回動力を利用して行わせてもよく、後述のようにフロア側のコネクタの起立状態でシートを回動させて行わせてもよい。フロア側のコネクタはシートの組付方向とはほぼ直交する方向である(シートの組付方向が上下方向であるのに対し、コネクタの接続方向は前後方向又は左右方向となる)。
請求項2に係る脱着シートのコネクタ接続構造は、請求項1記載の脱着シートのコネクタ接続構造において、前記アームの起立状態で前記シートを回動させて前記シート側のコネクタを前記フロア側のコネクタに接続させることを特徴とする。
上記構成により、例えばシートを後方に傾斜させた状態で、シートの後側のフックをフロアの後側のフックに係合させつつフロア側のコネクタをアームと共に起立させ、その状態でシートを前方に回動させて水平にフロアに組み付ける動作中に、シート側の前向きのコネクタをフロア側の後向きのコネクタに接続させる。あるいは、シートの前側のフックをフロアの前側のフックに係合させつつフロア側のコネクタをアームと共に起立させ、その状態でシートを後方に回動させて水平にフロアに組み付ける動作中に、シート側の後向きのコネクタをフロア側の前向きのコネクタに接続させる。
請求項3に係る脱着シートのコネクタ接続構造は、請求項1又は2記載の脱着シートのコネクタ接続構造において、前記フロア側のフックが半環状部と真直部とで構成されて、中間部をフロア側に軸部で支持され、該軸部を介して前記アームが該フロア側のフックに連結固定されたことを特徴とする。
上記構成により、フロア側の略J字状のフックが中間部の軸部でフロア側にスムーズに回動自在に支持される。フックの真直部がシート側のフックで押圧され、それによってフックが軸部を支点に回動して半環状部がシート側のフックに進入係合し、両コネクタが相互に固定される。シート側のフックの形状は環状でもU字状でもJ字状でもL字状でも必要に応じて適宜設定される。軸部を介してフロア側のフックとアームとが固定され、フロア側のフックとアームとは軸部を中心として一体に回動する。
請求項4に係る脱着シートのコネクタ接続構造は、請求項3記載の脱着シートのコネクタ接続構造において、前記フロア側のフックの起立状態で前記半環状部の内側に前記シート側のフックが係合した際に、該シート側のフックの下端部が前記軸部よりも下方で前記真直部に当接することを特徴とする。
上記構成により、シートの装着状態でシート側のフックの下端部が起立状態のフロア側のフックの戻り(倒れ)方向の回動を阻止して両フックの係合(ロック)が維持され、且つフロア側のコネクタの戻り(倒れ)方向の回動が阻止されて、両コネクタの接続が維持される。
請求項5に係る脱着シートのコネクタ接続構造は、請求項3又は4記載の脱着シートのコネクタ接続構造において、前記真直部の先端内側に、前記シート側のフックに対する案内用の突部が設けられたことを特徴とする。
シートを装着する際に、倒れ状態のフロア側のフックの真直部にシート側のフックが押接しつつ真直部を下向きに回動させ、さらに真直部の先端の突部に沿ってシート側のフックが真直部をさらに回動させることで、フロア側のフックが起立方向にスムーズ且つ確実に回動する。
請求項6に係る脱着シートのコネクタ接続構造は、請求項1〜5の何れかに記載の脱着シートのコネクタ接続構造において、前記フロア側のコネクタと前記アームが自重で倒れて前記フロア内に収容されることを特徴とする。
上記構成により、フロアからシートを離脱させた際に、フロア側のコネクタが自重で傾倒してアームと共に自動的にフロア内に収容保護される。例えばアームに対してフロア側のコネクタの重心をコネクタ離脱方向に設定しておく等して、自動的にアームが倒れるようにする。
請求項1記載の発明によれば、シートの装着作業時の押し付け力でフロア側のコネクタを回動させてシート側のコネクタに接続させたり、シート側のコネクタとの接続可能位置に移動させることで、接続方向の無理な力がコネクタに作用せず、両コネクタがスムーズ且つ確実に接続される。また、フロア側のコネクタがアームと共に起立してフロアよりも高い位置でシート側のコネクタに接続されるから、フロア上の塵や水滴等がコネクタに付着せず、コネクタの電気的接続の信頼性が向上する。また、シートの未装着時にフロア側のコネクタがアームと共に倒れて位置するから、乗員等との干渉が防止され、フロア側のコネクタが破損等なく安全に維持される。
請求項2記載の発明によれば、フロア側のコネクタを起立させた状態でシートを手動で回動させつつ両コネクタを無理なくスムーズ且つ確実に接続させることができる。
請求項3記載の発明によれば、フロア側のフックとアームと同軸で回動させて、シート側のフックへの係合と、シート側のコネクタとの接続又は接続位置への回動とをスムーズ且つ確実に行わせることができ、これにより、コネクタ接続がスムーズ且つ確実に行われる。
請求項4記載の発明によれば、シート装着状態でフック同士の係合とコネクタ同士の接続とが維持されて、フロアへのシートの固定とコネクタの接続との信頼性が向上する。
請求項5記載の発明によれば、フロア側のフックの突部に沿ってシート側のフックがフロア側のフックを大きく回動させることができるから、両フックの係合とフロア側のコネクタの回動操作がスムーズ且つ確実に行われ、コネクタ接続の信頼性が向上する。
請求項6記載の発明によれば、シートを離脱させると同時にフロア側のコネクタがフロア内に収容されるから、フロア側のコネクタの収容作業が不要で、収容後は乗員等との干渉が防止されて、フロア側のコネクタやアームの破損や変形等が防止され、コネクタの電気的接続の信頼性が向上する。
図1〜図4は、本発明に係る脱着シートのコネクタ接続構造の一実施形態を示すものである。図2〜図4は脱着シートのコネクタ接続方法としても有効である。
図1の如く、この脱着シート1は自動車のスライドシートであり、底部の前後左右の金属製のフックを車両ボディのフロア(床)2の回動式の金属製のフック(バックル)に係合させて固定される。フロア2にはスライド用の左右一対の溝状のガイドレール3が設けられ、前後一対の回動式のフック61を有するスライド固定部材4が各ガイドレール3にスライド自在に係合している。
スライド固定部材4はスライド板(符号4で代用)の前後に一対の略J字状のフック61を回動自在に軸支して設けたものであり、シート1のスライドロックレバー(図示せず)の操作でガイドレール3の所望位置に固定可能である。本例においてスライド板4には例えば左右一対の立片(軸受)66(図2)が設けられ、一対の立片66の間でフック61が金属製の軸部62で回動自在に支持され、スライド板4の幅方向中央にフック61を下向きに回動させるために逃がし用のスリット67が設けられる。立片66やスリット67等の形状は必要に応じて適宜設定される。
例えば一方の立片66をフロア側のフック61の外側に近接して配置し、他方の立片66を後述のアーム63の外側に近接して配置し、フック61とアーム63を貫通して固定させた軸部62を各立片66で支持することも可能である。
一方のガイドレール3においてスライド固定部材4の後側のフック61に隣接してフロア側のコネクタ64がフック61と一体に回動自在に設けられている。一対のガイドレール3の間で一方のガイドレール3に隣接(近接)してフロア側のコネクタ64のアーム63をシートスライド方向に移動させるための凹溝5が平行にフロア2に設けられ、凹溝5に連通して、水平に傾倒したコネクタ63を収容するための深めの凹部65が設けられている(図2では便宜上、ガイドレール3と凹溝5とを一体的に図示しているが、そのような構成にすることも可能である)。
コネクタ収納用の凹部65は例えばシート1のスライド最後端位置又はスライド最前端位置に設けることが好ましい。凹溝5を深く形成してコネクタ収納用の凹部65を兼ねることも可能である。両ガイドレール3の上部開口(図1の符号3で代用)の幅はシート側のフック58を進入可能な寸法となっている。一方のガイドレール3の下側には図3のように起立したフック61の下端部61bを収容且つシートスライド方向に移動させるための凹溝ないし空間が設けられている。
図2の如く、シート1の未装着時に、フロア側のフック61はフロア2内に横向きに傾倒して軸部62を中心に回動自在に収容される。軸部62には真直なアーム63が連結固定され、アーム63の先端にフロア側のコネクタ64が設けられている。フック61と軸部62とでアーム63の駆動手段60が構成されている。アーム63を軸部62ではなくフック61の真直部61bの側面に固定させることも可能である。
フック61は、先端側の円弧状の半環状部61aと基端側の真直部61bと、真直部61bの先端の内向きの突部61cとで構成されている。軸部62は、フック61の近傍ないしはフック61に接してアーム63を配置するための短いものであることが好ましい。軸部62を延長してフック61から離れた位置にコネクタ64を配置することも可能である。
図1,図2の如く、本例のフロア側のコネクタ64はアーム63と一体に設けられ、合成樹脂製の矩形状のコネクタハウジング(符号64で代用)が合成樹脂製の矩形柱状のアーム63に一体形成されている。コネクタハウジングの後部64bはアーム63よりも嵌合前端面64aとは反対側に大きく突出し、コネクタ64の自重でのアーム63の傾倒を可能としている。コネクタハウジング内に電線付きの端子(図示せず)が複数収容され、各電線(図示せず)はコネクタハウジングから導出されてフロアワイヤハーネスの一部を構成し、コネクタハウジングと電線付きの端子とでコネクタ64が構成されている。
アーム63の基端部(コネクタ64とは反端側の端部)に軸部62が連結され、軸部62はフック61の半環状部61aと真直部61bとの交差部ないしその近傍に連結されている。軸部62はフック61とアーム63とに固定されている。
フック61と共にアーム63とコネクタ64が傾倒した状態で、コネクタ64の嵌合前端面64aは上向きに位置する。例えばフロア側のコネクタ64は電線付の雌端子(図示せず)を収容して、嵌合前端面64aにシート側のコネクタ8の雄端子(図示せず)に対する小さな端子挿入孔(図示せず)を有するものであることが、コネクタ内への塵等の侵入を防止する上で好ましい。端子挿入孔やコネクタ嵌合室の開口(雄端子を収容する場合)をシャッタで開閉式とすることも可能である。
図2の例でフロア側のコネクタ64の嵌合前端面64aはフロア面(符号2で代用)から上方に少し突出し、塵等が入りにくくなっているが、フロア内に完全に収容することも可能である。フロア側のフック61もフロア内に完全に収容することが可能である。
また、アーム63を金属でコネクタ64とは別体に形成し、コネクタ64をアーム63にねじ止めやインサート成形等の手段で固定することも可能である。アーム63やコネクタ64の形状は必要に応じて適時設定される。
シート1の底部には前後に各一対の略逆U字状のフック58がフロア側のフック61とは直交する方向に配置されている。シート1の一側端寄りで後側のフック58の近傍で、シート1の底部寄りの後端側にシート側のコネクタ8が前向きに(嵌合前端面8a(図3)が前を向いて)配置されている。シート側のコネクタ8はシート内のハーネス部分9に続いている。フロア側のコネクタ64が雌端子(図示せず)を収容する場合、シート側のコネクタ8はコネクタハウジング内に雄端子(図示せず)を収容し、コネクタハウジングは雄端子のタブ状ないしピン状の電気接触部を突出させるコネクタ嵌合室(図示せず)を有している。
図2のシート1の離脱状態で、フロア側のフック61とアーム63は軸部62を支点として自重で傾倒して水平に位置し、フロア側のコネクタ64はほぼフロア2内に収容され、コネクタ64の嵌合前端面64aは上向きに位置する。フロア側のコネクタ64がフロア2の凹部65内に収容されることで、乗員等との干渉が防止され、フロア側のコネクタ64の破損や変形等の心配が解消される。図2よりも凹部65を深くしてフロア側のコネクタ64をフロア2内に完全に収容させることも可能である。
図2〜図3の如く、シート1を斜め後方に倒した姿勢で、シート1の後側の左右のフック58をフロア2の後側の左右のフック61に同時に係合させる。フロア側のフック61は図2の状態から時計回りに回動してシート側のフック58を抜け出しなく固定する。フック61の突部61cの内向きの傾斜面ないし湾曲面はシート側のフック58に対するガイド面として作用する。
一方のフック61の回動に伴ってアーム63が垂直に起立し、アーム先端のフロア側のコネクタ64の嵌合前端面64aが後方を向く。図3の如くシート側のフック58の下端部(水平部)58aが、起立したフロア側のフック61の軸部62よりも下側の部分(真直部)61bに接するから、フロア側のフック61の前向きの戻り(傾倒)が阻止される。
その状態で、図4の如くシート1を下向きに回動させつつ前向きに正規位置まで復帰させることで、シート側のコネクタ8がフロア側のコネクタ64に嵌合接続する。フロア2の前側のフック61は後側のフック61と同様にシート1の前側のフック58に押されて時計回りに回動して、シート1のフック58を係合固定させる。
シート側のフック58の下端部58aがフロア側のフック61の軸部62よりも下側の真直部61bに当接することで、フロア側のフック61の前向きの回動が阻止されて、両フック58,61が係合(ロック)状態に維持される。図4において下端部58aと半環状部61aとの間に隙間があるが、下端部58aに続くフック58の左右両側の湾曲部分58bが半環状部61aに当接することで、上下方向のガタ付きが防止される。
この状態でフロア側のフック61を係合解除防止のためにロック手段として例えば水平なピン(図示せず)を挿入してフック61の基端の突部61c等に当接させたり、解除可能な係止手段等(図示せず)でフック61をフロア側のスライド固定部材4等に固定する等して、シート1の固定強度を高めることができる。
シート1の装着時(コネクタ8,64の接続時)には、フロア側のコネクタ64がフロア面2よりも高く位置するので、フロア上の塵や水滴等がコネクタ8,64に付着することが確実に防止される。
シート1の装着位置すなわちコネクタ8,64の接続位置は例えばシート1のスライド最後端位置又はスライド最前端位置と規定することが、シート側のフック58をフロア側のフック61に係合させる作業を容易化し、且つフロア側のコネクタ64をフロア2の所定の凹部65に収容する上で好ましい。フロア2におけるコネクタ64のアーム63をシートスライド方向に移動させる凹溝5(図1)を深く形成して、コネクタ収納用の凹部65を兼ねた場合は、ガイドレール3の長手方向の所望の位置においてシート1の着脱を行うことができる。
シート1の離脱に際しては、図4の状態からフロア側の前側のフック61のロック手段(図示せず)を解除操作してシート1の前側のフック58との係合を解除し、図3の如くシート1を後側のフック58を支点として斜め後方に倒すことで、シート側のコネクタ8をフロア側のコネクタ64から簡単に離脱させることができる。その状態で後側のフック61のロック手段(図示せず)を解除操作してシート側のフック58との係合を解除することで、シート1を簡単に離脱させることができる。両コネクタ8,64の嵌合が解除されると同時に、フロア側のコネクタ64は軸部62を支点に自重で傾倒してフロア2の凹部65内又は凹溝5内に収容保護される。
なお、上記実施形態においては、シート1をガイドレール3に沿って車両前後方向にスライド自在としたが、スライドの必要のないシートの場合は、ガイドレール3やスライド固定部材4やフロア2の凹溝5を廃除し、フロア2にコネクタ64やアーム63を傾倒時に収容する凹部65や、フック61の起立時の下端部を収容する凹部を設けておく。
この場合、シート1の装着方法やコネクタ8,64の嵌合離脱方法は、図1のようにシート1を垂直に組み付けると同時にコネクタ接続させてもよく(詳細は後述する)、図2〜図4のようにシート1を傾斜させて組み付け、その状態でシート1を水平に回動させつつコネクタ接続させてもよい。シートがスライド不能な場合、フロア側のフック61の向きや回動方向は前後方向ではなく左右方向(車両幅方向)とすることも可能である。
また、スライドシート1の場合に、スライド固定部材4をフロアの前側のフック61と後側のフック61とで前後に分割することも可能である。また、前側のフック61や、フロア側のコネクタ64の近傍のフック61を除く他のフックをシート側のフック58と同様な逆U字状のものとしたり、フック形状以外のボルト止め等の他の固定形状のものとすることも可能である。
また、シート1の後側のフック58ではなく前側のフック58でフロア2の前側のフック61を回動起立させつつ、シート1を後方に回動させてシート1の前側のコネクタ(8)をフロア側のコネクタ(64)に接続させるようにすることも可能である。この場合、フロア側のフック61とコネクタ64の向きは図1とは前後反転して配置され、シート側のコネクタ8の嵌合前端面8aは後向きに配置される。
また、シート1の装着作業時にシート1を傾斜させて後側又は前側のフック58でフロア側のフック61を押して回動起立させる代わりに、シート1を傾斜させずに図1の如く水平な状態で上方からフロア2に組み付けつつ、シート1の垂直なフック58でフロア側のフック61を回動起立させ、その回動力でフロア側のコネクタ61をシート側の水平なコネクタ8に嵌合接続させるようにすることも可能である。図1においてシート1を水平な状態で真下に降ろしてフロア2に組み付ける方法は、図2〜図4に示すシート1の装着方法よりもむしろ基本的なものであり、その際に両コネクタ8,64を嵌合させる方がどちらかと言えば効率的でコネクタ接続作業も図3〜図4のシート1の前方への回動操作が不要でむしろ容易である。
この場合、図3のようにフロア側のコネクタ64を垂直に起立させた状態で接続させる代わりに、垂直よりもさらに後方に大きく回動させて、斜め上向きに配置したシート側のコネクタ8に嵌合接続させることも可能である。また、その逆に垂直になる手前までフロア側のコネクタ64を回動させた時点で、斜め下向きに配置したシート側のコネクタ8に嵌合接続させることも可能である。これらの場合においても、コネクタ8,64の離脱操作は図3の如く前側のフック61の固定を解除してシート1を後方へ回動させることで容易に行うことができる。
本発明に係る脱着シートのコネクタ接続構造の一実施形態を示す分解斜視図である。 シートをフロアに装着する状態を示す側面図(円内は要部拡大図)である。 同じくシートの後側のフックをフロアの後側のフックに係合させた状態を示す側面図(円内は要部拡大図)である。 シートをフロアに装着した状態を示す側面図(円内は要部拡大図)である。 従来の脱着シートのコネクタ接続構造の一形態を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 シート
2 フロア
8 シート側のコネクタ
58 シート側のフック
58a 下端部
61 フロア側のフック
61a 半環状部
61b 真直部
61c 突部
62 軸部
63 アーム
64 フロア側のコネクタ

Claims (6)

  1. フロアに回動自在に設けられたフロア側のフックと、該フロア側のフックに連結固定されたアームと、該アームに設けられたフロア側のコネクタとを備え、シートの装着作業時に倒れた状態の該フロア側のフックをシート側のフックが該アームと一体的に起立方向に回動させ、その状態でシート側のコネクタと該フロア側のコネクタとを接続させることを特徴とする脱着シートのコネクタ接続構造。
  2. 前記アームの起立状態で前記シートを回動させて前記シート側のコネクタを前記フロア側のコネクタに接続させることを特徴とする請求項1記載の脱着シートのコネクタ接続構造。
  3. 前記フロア側のフックが半環状部と真直部とで構成されて、中間部をフロア側に軸部で支持され、該軸部を介して前記アームが該フロア側のフックに連結固定されたことを特徴とする請求項1又は2記載の脱着シートのコネクタ接続構造。
  4. 前記フロア側のフックの起立状態で前記半環状部の内側に前記シート側のフックが係合した際に、該シート側のフックの下端部が前記軸部よりも下方で前記真直部に当接することを特徴とする請求項3記載の脱着シートのコネクタ接続構造。
  5. 前記真直部の先端内側に、前記シート側のフックに対する案内用の突部が設けられたことを特徴とする請求項3又は4記載の脱着シートのコネクタ接続構造。
  6. 前記フロア側のコネクタと前記アームが自重で倒れて前記フロア内に収容されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の脱着シートのコネクタ接続構造。
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