JP4777908B2 - 生物学的材料ならびに生物学的材料の保存のための方法および溶液 - Google Patents

生物学的材料ならびに生物学的材料の保存のための方法および溶液 Download PDF

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Description

発明の分野
この発明は、低温保存、凍結および凍結乾燥を含む生物学的材料の保存に関するものである。より詳しくは、生物学的材料が保存される媒体の組成物に関する。本発明はまた、貯蔵および/または凍結保存プロセスの後、その生存を向上させる生物学的材料の保存の方法に関する。
参照文献のリスト
以下の参考文献は、本発明の背景を理解するために適切であると考慮される:
1. WO 03/020874, ImprovedMethodfor Freezing able Cells ;
2. WO 99/60849, CryopreservationofHuman Red Blood Cells ;
3. US 5,827,741, Cryopreservation of Human Adult and Fetal Pancreatic Cells and Human Platelets ;
4. US 6,723, 497, Therapeutic Platelets and Methods ;
5. US 5,869, 092, Prevention of leakage and phase separation duringthermotropic phasetransition in liposomes and biological cells ;
6. Chen et al. 2001,Beneficial effect of intracellular trehalose on the membrane integrity of dried mammalian cells. Cryobiology 43 (2):168-81.
7. Crowe et al. 2003, Stabilization of membranes in human platelets freeze-dried with trehalose. Chem. Phys. Lipids. 122 (1-2): 41-52.
8. De Korte and Verhoeven 2004, Quality Determinants of erythrocytedestinedfor transfusion. Cell. Mol. Biol. 50 (2): 187-195.
9. Fujiki et al. 1999, Mechanistic Findings of Green Tea as Cancer
Preventive for Humans. Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 220 (4) 225-228;
10. Goodrich et al. 1992, Preservationof metabolic activity in lyoplzilized human erythrocytes. Proc Natl Acad Sci U S A. 89 (3):967-71.
11.Kumazawa et al. 2004, Direct evidence of interaction of a green tea polyphenol, epigallocatechin gallate, with lipid bilayers by solid-state Nuclear Magnetic Resonance. Biosci Biotechnol Biochem. 68, 1743-7.
12. Lelkens et al. 2003, Stability after thawingof RBCs f ozen with the high and low glycerol method. Transfusion 43: 157-364.
13. Satpathy et al. 2004, Loading red blood cells with trehalose : a step towards biostabilization. Cryobiology 49 (2): 123-36.
14. Suganuma et al. 1999, Green Tea and Chemprevention Mutation
Research 428,339-344.
15. Sherry Chow et al. 2001, Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention 10,53-58
発明の背景
生物学的材料は、貯蔵の間、生物学的プロセスから生じる傷害を防止するために、しばしば低温に保たれる。貯蔵の比較的短い期間(通常数週間)については、生物学的材料は、凍結(低温保存)温度を上回る低温に保たれ得る。例えば、赤血球細胞(RBCまたはerythrocyte)通常約4℃で冷蔵庫に最長42日間まで貯蔵される。42日間後、RBC回復率が許容可能なレベル未満に低下するので、これらは捨てなければならない。
0℃未満の温度での保存(「低温保存法」として定義)は、非常に長時間にわたる貯蔵を可能にし、0℃未満の任意の温度、例えば-20℃、-70℃、-135℃、または液体窒素中での保存とし得る。凍結保存は、凍結またはガラス化によって達成可能である。ガラス化において、氷晶は形成されないが、しかしながら、高濃度の潜在的に有毒な凍結保護物質を、生物学的材料に加えなければならない。
生物学的材料のレシピエントを傷つけないために、生体試料が使用される前に、これらの凍結保護物質は除去されなければならない。凍結はまた、損傷を引き起こすことが知られている。例えば、溶液中に生じる氷晶は、細胞外の機械的ストレスを及ぼす。細胞内ストレスは、例えば、細胞外間隙への水の浸透によって生じ、すでに凍結された水を置換する。
凍結保存の成功上での主要な効果を有する一つの要素は、生物学的材料が凍結前に浸漬される溶液の組成物である。現在、多くの異なる凍結保存溶液が知られている。通常、このような溶液には、平衡塩類溶液、例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)、および凍結保護物質(CPA)が含まれる。大部分の凍結溶液には、ジメチルスルホキシド(DMSO)および一以上の多価アルコール、例えばグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびブタンジオールおよびメタノールを含む他の分子から選択される凍結保護物質が含まれる。さらに、糖、タンパク質、炭水化物、例えばヒドロキシエチルスターチ(HES)、デキストランおよび他の巨大分子がまた、使用される。トレハロースは、例えば、脂質極性基と結合し、水と置き換えることによって保護すると思われる。さらに、WO 99/60849において、例えば、生化学的変化を引き起こす試薬は、凍結融解サイクルの間、RBCの溶血を減少させることを主張する。
例えば、RBCについての現在の凍結方法は、高濃度のグリセロールの追加を行う。グリセロールで凍結するための2つの主要な方法がある:グリセロールの最終濃度が約40%である高濃度グリセロール方法(HGM)、およびグリセロールの最終濃度が約19%である低濃度グリセロール方法(LGM)。HGMが使用されるとき、貯蔵は-80℃の冷凍庫で行われる。一方、LGMが使用されるとき、貯蔵はLN(-196℃)中で行われる。グリセロールは毒性であるので、解凍後に洗浄されなければならない。これは、「脱グリセロール化」として知られるプロセスにおいて行われ、融解したRBCが遠心処理を施され、上清が除去され、ペレットがグリセロールを含まない溶液中で懸濁される。これは、塩化ナトリウム濃度を減少させながら、通常3回は繰り返される(12% NaCl、その後1.6% NaClおよび0.9% NaClで攪拌)、細胞内のグリセロールが除去される。さらに、このプロセスは通常約60分間かかるので、凍結された血液供給に緊急使用のための非実用的な溶液を与える。
RBCの保存と関連する一つの問題は、サンプル中の遊離ヘモグロビンであり、貯蔵時間およびRBCに対する損傷を増加させる。遊離ヘモグロビンは、RBC内に存在しないヘモグロビンであり、溶血(すなわち、RBCに対する損傷)の徴候があるだけでなく、患者に対する危険性があるので、輸血のためのRBCサンプルにおいて望ましくないと考えられる。遊離ヘモグロビンは通常、サンプル中のヘモグロビンの総量に対する上清ヘモグロビンのパーセントとして算出される。輸血のためのRBCについての米国における現在の規制要件は、遊離ヘモグロビンの存在が1%未満であり、インビボ輸血24時間後に75%の細胞が循環する必要がある(De Korte et al. 2004)。欧州の規制では、遊離ヘモグロビンが0.8%未満であるというより高い要件が課されている。
HGMまたはLGMにおけるRBC凍結の測定された解凍後の溶血(但し、洗浄前)は、それぞれ4.4±1.0% および10±2.0%である(Lelkens et al. 2003)。脱グリセロール化(すなわち、解凍された細胞の洗浄)後のみ、解凍されたRBCが、輸血される血液についての品質要求を満たす。WO 99/60849において、凍結された血液には、遊離ヘモグロビンが少ない。しかしながら、この結果は、おそらく(a)グリセロール、(b)DMSOまたは(c)多くの異なるCPAの同時使用に起因しているだろう。
大部分の凍結保存プロトコルにおいて、凍結された生物学的材料の保存は、-130℃未満の温度である。これは、液体窒素(LN)の容器において、LNまたはLN蒸気における生物学的材料の浸漬によって、通常行われる。これは、長期間にわたる保存の費用を著しく増す。さらに、容器内のLNが蒸発してしまったという事件が知られ(容器の故障または人間のミスが原因)、生物学的材料が損傷を受ける。
これらの障害を克服することができる一つの方法は、凍結された生物学的材料の凍結乾燥である(例えば、WO 03/020874)。凍結乾燥は、氷晶が昇華および脱離によって除去され、乾燥物質が生じるプロセスである。凍結乾燥された材料は、長い期間にわたって室温で貯蔵され得、単に水を加えることによって、使用に適した再水和状態になる。凍結乾燥は、空気乾燥または加熱よりも高い生存率をもたらすが、損傷プロセスは依然として残る。
凍結乾燥法プロセスを耐えぬく生物学的材料の能力を増強するために、細胞間のおよび/または細胞外凍結乾燥保護剤(LPA)がしばしば生物学的材料に加えられる。そのようなLPAの一つは、トレハロースである。例えば、トレハロース、またはトレハロースおよびDMSOを含む血小板の添加は、早発性の不活性化のない、凍結保存に耐えるそれらの能力を向上させることを示した(例えば、米国特許5,827,741および米国特許6,723,497)。
RBCの商業的な凍結乾燥は行われず、今日使用のために承認された既知の方法または製品は存在しない。Goodrich R.P et al.(1992)は、RBCの凍結乾燥を行い、これらの酵素活性を評価した。凍結乾燥の後、大部分のRBC酵素が主としてその濃度を維持することが解った。しかしながら、2つの主要な有機燐酸塩ATPおよび2,3-ジホスホグリセリン酸(2,3-DPG)は、細胞内の濃度が減少した。米国特許第4,874,690号では、遊離ヘモグロビンが報告されなかった。しかしながら、ヘモグロビン回復レベルおよび細胞回復レベルは、70%以下であった。この結果は、細胞の少なくとも30%がこの実験で破砕され、かつ遊離ヘモグロビンが少なくとも30%となったことを示す。
細胞の凍結乾燥に対する他のアプローチは、細胞へのトレハロースの導入である。トレハロースは、乾燥した状態で細胞膜を保護することが知られている(Chen et al., 2001)。また、凍結乾燥した後に血小板の生存状態を向上させることが示された(Crowe et al., 2003)。Satpathy G.R. et al.(2004)は、凍結させることを試みてはいないものの、トレハロースをRBCに導入し、RBC上での効果および添加の方法を評価している。彼らは、トレハロースの取り込みがその濃度に応じて増加すること、しかしながら付随的に溶血もまた著しく増加することを見出した。
米国特許第6,770, 478号は、RBC膜からのコレステロールの欠乏による、細胞へのトレハロースの導入のための方法を開示し、トレハロースを細胞に入れることを可能にする。この特許においては、凍結乾燥後の、RBCの膜性質のみが評価され、細胞の回復率(細胞数および血漿浮遊ヘモグロビンの観点)は評価されていない。しかしながら、Satpathy G R. et al.(2004)は、RBCへのトレハロースの導入が著しい溶血を引き起こすことを示している。事実、彼らは細胞を凍結または凍結乾燥しなかったので、この研究は、新鮮なRBCにおいて溶血が起こったことから、トレハロースを細胞に導入すると溶血が生じることを示した。
RBC以外に、他の細胞タイプが、血液中に存在することが知られている。これらは通常、単球、リンパ球、顆粒球、血小板およびマクロファージを含む、白血球(WBC)と称される。通常条件下でのリンパ球(Bリンパ球およびTリンパ球)は、全ての白血球のうち約20%〜35%を占めるが、感染に直面すると急速に増殖する。単球は通常、白血球の4%〜8%を占める。
臍帯血(UCB)は、造血幹細胞(HSC)についての源である。HSCは、全ての血球に分化することができる細胞である。HSCについての他の源は骨髄であり、末梢血中において循環する非常に小量のHSCが見出され得る(WBCとして)。形態学的に、HSCは、単核白血球(リンパ球および単球)に類似の丸い核を有する。これらはリンパ球に酷似しており、わずかにより大きい。これらを区別する方法は、細胞膜抗原にある。HSCは通常、CD34抗原の発現によって同定される。HSC(末梢血、骨髄またはUC由来の)は、免疫系に損傷を受けている患者に投与される。免疫系の損傷は、例えば、化学療法および/または放射線療法が原因で、ならびに、異なる疾患、例えば:急性および慢性白血病、骨髄異形成症候群、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、および多発性骨髄腫、無形成性貧血、地中海貧血症、鎌状赤血球性貧血、神経芽細胞腫およびそれ以外の疾患が原因である。
HSCの保存のための現在の方法は、10%DMSOおよび液体窒素(LN)での貯蔵を採用している。UCBおよび末梢血からHSCを採取するとき、細胞はフィコール-パク(ficol-paque)を使用して分離され、貯蔵される画分はMNCである。
エピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)は、例えば、緑茶および紅茶で天然に見出されるポリフェノール(MW 458.4)である。このようなお茶と関連する周知の薬効は、少なくとも一つにはEGCGに付随する。EGCGの薬効と関連する機構が抗酸化剤として機能する能力にあるとき、その能力は、細胞膜のリン脂質二重層(Fujiki et al. 1999)およびリポソームの脂質頭部基(Kumazawa et al.,2004)などに関連する。EGCGが緑茶の主要な構成要素であるとき、緑茶中に見出される他のポリフェノール、例えば、エピカテキン(epicatechin)没食子酸塩(ECG)、エピガロカテキン(EGC)およびエピカテキン(EC)がまた、緑茶中に見出される。これらは、EGCGのように非毒性であると考えられる。これらのポリフェノールは、構造上のおよび機能的な性質をEGCGと共有する(Suganuma et al. 1999)。
発明の概要
本明細書中で使用された用語およびその意味は以下のとおりである:
用語「保存」は、様々な条件下で生物学的材料を維持するプロセスを意味するその生物活性はかなり低下するが、保存状態から解放されたときに、生存可能な状態を維持し、主として正常な生物活性を再開する。保存の特定の例は、低温保存および凍結保存である。
用語「保存液」は、その生存状態を維持する、生物学的材料の保存を可能にする溶液に関する。保存液の特定の実施態様には、低温で生物学的材料を保存するためのものがある。このような溶液には、生物学的材料を保存に耐えさせる成分が含まれ、時にまた、保存されている間、生物学的材料を維持する。それには通常、保存状態に耐える生物学的材料の能力を向上させることが知られている平衡塩類溶液、例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)または塩化ナトリウム(NaCl)および他の成分が含まれる。低温保存液および凍結保存溶液は、保存液の例である。
用語「低温保存溶液(hypothermic preservation)」は、凍結温度以上であるが生理学的温度未満の温度での保存を意味する。生物学的プロセスは減速し、その結果、生物学的材料の長期にわたる貯蔵が可能になる(通常8℃未満および0℃超、多くの場合4℃と8℃の間)。
用語「低温の保存液(hypothermic preservation solution)」は、生物学的材料を8℃未満の温度に耐えさせる成分およびこのような温度でその生存度を維持するために必要な代謝産物を含む保存液を意味する。それには、平衡塩類溶液、例えばリン酸緩衝食塩水(PBS)または塩(例えば0.9%のNaClおよび一以上のエネルギー源(例えば糖、アデニン、リン酸塩源その他)が含まれ得る。低温の保存液においてよく使用される追加的な成分は、一以上の抗生物質であり、血液サンプルの場合はまた、抗凝固剤である。このような低温の保存液のための既知の例には、CPDA-1 (クエン酸ナトリウム、クエン酸、一塩基リン酸ナトリウムおよびアデニン)、およびRBCの低温貯蔵のために使用されるADSOL (Baxter, USA)がある。
用語「凍結保存(cryopreservation)」は、生物学的材料(または生物学的材料が浸漬する溶液)の凍結温度よりも高い温度から生物学的材料の温度を低下させ、凍結温度を下回る温度に至らせる少なくとも一つの工程を含むプロセスを意味する。凍結保存には、凍結、ガラス化および凍結乾燥が含まれる。用語「凍結保存溶液」は、生物学的材料が、凍結保存の前に浸漬される任意の溶液または培養液をいう。典型的には、凍結保存溶液には、リン酸緩衝食塩水(PBS)またはNaClのような平衡塩類溶液および少なくとも一つの(細胞内および/または細胞外)凍結保護物質(CPA)または細胞内および/または細胞外凍結乾燥保護剤(LPA)または多価アルコールが含まれる。凍結保存溶液は、凍結溶液、ガラス化溶液、凍結乾燥溶液および/または上記溶液の混合物であってもよい。
用語「凍結(freezing)」は、凍結された材料内部に氷晶の形成を生じさせる凍結保存のプロセスを意味する。
用語「適切な凍結状態(appropriate freezing conditions)」は、生存可能な状態で生物学的材料の細胞を維持する凍結状態を意味する。関連のあるケースにおいて、RBCの場合には、このような溶液は、解凍後にある一定のパーセンテージを超える遊離ヘモグロビンを生じさせない。このような状態は、凍結溶液およびその構成成分(例えば、大量の多価アルコールCPAおよび/またはグリセロールおよび/またはDMSOおよび/または他の望ましくない化学物質、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールおよび他のアルコール類、ブタンジオールおよびメタノールを任意的には含まない、従来の凍結溶液にポリフェノールが加えられたもの)、冷却の速度を含む凍結プロトコル、温度療法、指向性凍結または定常凍結などに関係する。このような適切な条件についての制限のない実施態様には、本明細書中に記載された実施態様および例が含まれる。
用語「凍結溶液(freezing solution)」は、生物学的材料が凍結前に浸漬される任意の溶液または溶媒を意味する。これには、生物学的材料を維持することを目的とする構成成分が含まれ、凍結および/または解凍によって生物学的材料に生じる損傷を減少させる。凍結溶液には通常、細胞間および/または細胞外のCPAが含まれる。
用語「凍結乾燥(lyophilization)」または「凍結乾燥(freeze-drying)」は、生物学的材料が凍結および乾燥される、凍結保存のプロセスを意味する。従って、本発明において、生物学的材料が、凍結乾燥(freeze-dried)または凍結乾燥(lyophilized)されたと言われる場合、これは少なくとも二つの工程が行われたことを意味する。一つの工程は材料を凍結することであり、もう一つの工程は材料を乾燥させる工程である。
用語「凍結乾燥溶液(lyophilization solution)」は、生物学的材料が凍結乾燥の前に浸漬される任意の溶液または溶媒を意味する。典型的には、凍結乾燥溶液には、生物学的材料を維持することを目的とする構成成分が含まれ、貯蔵および/または再水和の間、凍結、乾燥によって生物学的材料に生じる損傷を減少させる。凍結乾燥溶液には通常、一以上の細胞間および/または細胞外LPAが含まれる。凍結乾燥は通常、一次的乾燥として始まり(生物学的材料の含水量は90〜95%まで減少)、その後二次的乾燥として始まる(含水量は90〜95%を下回るまで減少)。
用語「凍結保護物質」は、溶液中において凍結保存される生物学的材料の解凍後の生存度を向上させる、溶液に加えられる任意の物質を意味する。細胞内のCPAは、細胞内部の水を置換すると考えられ、従って、その内部の結晶化を防止し、凍結された溶液の凍ってない割合を増大し、モル浸透圧濃度を緩衝し、および/または膜を安定させて氷晶によって生じる機械的損傷を防止する。CPAの例には、DMSO、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、糖、例えば、スクロース、ブドウ糖、トレハロース、およびタンパク質、炭水化物、例えばヒドロキシエチルスターチ(HES)、デキストランなどがある。
用語「凍結保護物質」は、溶液に加えられる物質であって、前記溶液における凍結乾燥中および/または貯蔵中において生物学的材料を安定化させる物質を意味し、より高い生存率をもたらし得る。LPAの例には、抗酸化剤、糖、膜安定化物質、高分子量の分子などが含まれる。
用語「生物学的材料」は、細胞、細胞凝集体、組織、器官、生物学的液体および他の任意の膜状物質、例えばリポソーム(天然または合成)を意味する。このような生物学的材料には、これらに限定されないものの、任意の以下のものが含まれる: 全血またはその画分、赤血球(RBC)、白血球(WBC)、臍帯血(UCB)またはその画分、UCB細胞、幹細胞、骨髄、卵母細胞、精子、卵子、胚、軟骨、卵巣、心臓、皮膚、腎臓、肝臓、肺。さらに、このような生物学的材料には、細胞性生命体が含まれる。前記生命体は、バクテリアおよび酵母などを含む真核細胞または原核生物であってもよい。さらに、生物学的材料にはまた、線虫のような凍結保存を耐えぬくことのできる全ての多細胞生物が含まれる。血液の画分には、血球(白血球および/または赤血球)、血漿および/または溶質および/または細胞下の成分(例えば細胞の画分、例えば血小板、分解された細胞の成分など)、タンパク質、脂質、抗体などを含む、血液の任意の画分が含まれ得る。
用語「生存可能な生物学的材料」は、代謝的に活性であるかまたは保存状態からの解放後に代謝的に活性になる、いくつかの生存可能な細胞または細胞の画分を含む生物学的材料を意味する。好ましくは、生存可能な生物学的材料において、少なくとも10%の細胞が生存可能な細胞であり、あるいは好ましくは少なくとも30%または50%、およびより好ましくは75%を超える細胞が生存可能な細胞である。RBCのケースにおいて、例えば、生存可能な細胞の好ましいパーセンテージは、あるケースにおいては75%を超えてもよい。保存は、多くの異なるプロセスを使用して中断され得る。このプロセスは、生物学的材料の温度の上昇、凍結乾燥された生物学的材料の水和、および/または溶質の除去を含む、保存の方法および生物学的材料の性質に合うように選択されるべきである。細胞を含まない生物学的材料の場合には、用語「生存可能な」は、その材料がその生物学的機能を維持する構造的統合性を維持することを意味するかまたは、保存状態から取り出された後に前記構造的統合性を維持することを意味する。
本発明の内容における用語「洗浄」(または「洗浄すること」)は、細胞が溶液から取り出されるプロセスを意味する。少なくとも一度、二度以上、新しい溶液中に浸漬および懸濁される。用語「ポリフェノール」は、天然および/または合成ポリフェノールを意味する。例えば、カテキン、例えば、緑茶中に見出される物質を含む。カテキンの例としては、エピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)、エピカテキン没食子酸塩(ECG)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、DL-カテキン(DLC)ガロカテキン没食子酸塩(GCG)、および、任意の他のカテキン、天然または合成およびこれらの任意の混合物がある。用語「ポリフェノール」はまた、これらに限定はされないものの、カテキンおよびその任意のカテキン含有画分を含む緑茶エキス(GTE)を意味する。より少量のカテキンはまた、他の源、例えば紅茶、ブドウおよびワイン中に見出される。ポリフェノールを含む生物学的材料が本発明において請求されるとき、ポリフェノールの量は関連した生物学的材料で天然に見出される量を上回る。
本発明は、とりわけ、EGCGが冷却の間、凍結および解凍のサイクルの間、凍結乾燥および水和の間、生物学的材料を保護するという発明者の発見に基づいている。EGCGを使用する利点の一つは、この化合物が有益な食品添加物と考えられること、および、生物学的材料を使用する前に生物学的材料から取り除く必要性がないことである。
本発明の一側面によれば、生物学的材料の保存のための方法が開示され、前記方法は以下の工程を含む:
(a) 前記生物学的材料に、一以上のポリフェノールを含む保存液を加える工程;
(b) 生物学的材料を冷却する工程;および
(c) 適切な貯蔵状態で生物学的材料を貯蔵する工程。
本発明のある実施態様において、少量の一以上の多価アルコール、例えば生物学的材料の保存(特に、保存手順は、凍結温度を下回る冷却に関係する)に使用されてきたグリセロールが、保存溶液中において含まれ得る。しかしながら、保存溶液中に多価アルコールを使用せずに生物学的材料を保存できることは、本発明によって見出された驚くべき事実であった。本発明において使用される保存溶液は、好ましくは主に任意の多価アルコール、例えばグリセロールを含まない。用語「主として含まない」は、任意の多価アルコール、例えばグリセロールを含まないこと、あるいは溶液中に存在する多価アルコールの量が、保存状態から取り出された後、保存プロセス、保存プロセスの結果または生物学的材料の性質上(例えば、生物質(例えば細胞)の生存度)でのあらゆる影響を有さない程、非常に少ないことを意味する。
従って、本発明は、他の側面によって、生物学的材料の保存のための方法を提供し、該方法は以下の工程を含む:
(a) 前記生物学的材料に、任意の多価アルコールを主として含まない保存溶液を加える工程;
(b) 前記生物学的材料を冷却する工程;および
(c) 適切な貯蔵状態で生物学的材料を貯蔵する工程。
本発明に基づいて保存された生物学的材料は、たとえ1 mlを超える体積をもっていても、その性質においてあらゆる実質的変化を伴わずに保存され得、約40日間を越える期間、さらには60日間を超える期間にわたって、生物質の生存度を維持する。従って、本発明は、他の側面において、40日間を越える期間にわたって保存された、1mlを超える体積をもつ保存された生存している生物材料を提供する。
本発明の方法は、低温の保存のために、あるいは凍結および凍結乾燥を含む凍結保存のために使用され得、かつ、赤血球(RBC)、白血球(WBC)、単核細胞(MNC)、臍帯血細胞(UCB)、造血幹細胞(HSC)およびバクテリアから選択される細胞を含む、任意の生物学的材料で使用され得る。
本発明の適切な貯蔵状態には、生物学的材料を維持する任意の状態が含まれる。上記状態は通常、凍結サンプルの場合において、0℃未満、好ましくは−20℃未満、−70℃未満、-135℃未満、または-190℃未満(例えばLN中)でなければならない温度が含まれる。低温保存の場合には、温度は通常8℃と0℃との間にある。凍結乾燥されたサンプルの場合、材料が湿気から隔離される限りにおいて、温度は、0℃を超える温度(例えば室温)であっても0℃未満の温度であってもよい。通常、乾燥機で凍結乾燥された生物学的材料は、乾燥していない材料と比べて最小の損傷でより高温下で維持され得る。さらに、凍結乾燥溶液の成分の性質は、保存温度に影響を及ぼす。貯蔵には溶液の成分が液化しない温度が最適である。明らかに、前記材料はまた、汚染されないように、無菌の環境(例えば、密封された試験管またはバッグ)において維持されるべきである。生物学的材料が凍結乾燥され、所定の温度(例えば室温)で貯蔵されることを目的とするとき、保存溶液が所定の温度で液体になる物質(例えば CPAまたはLPA)を含まないことが好ましいということが認識される。最後に、貯蔵は、光およびあらゆる他の波長の放射線から隔離されることが望まれる(全ての温度で)。本発明の当業者は、保存溶液の添加が一以上の工程で行われ得、一以上の溶液の成分が別々に加えられることを認識する。好ましくは、但し必然ではないが、保存溶液には、使用の前に生物学的材料から取り除かれる必要性のある物質は含まれない。
異なる側面によれば、本発明は、一以上のポリフェノールを含む生物学的材料を保存するための保存溶液を提供する。
本発明の保存溶液で使用されるポリフェノールは、一つ以上のカテキン(例えばEGCG)を含み、または緑茶エキス(GTE)として提供される。EGCGは、例えば0〜1Mの間、好ましくは約50μM〜約4mMの間の任意の濃度で加えられる。本発明の利点の一つは、生物学的材料の保存において従来使用された、危険でまたは毒性であることを知られている添加物、例えばグリセロール、他の多価アルコール、DMSOまたは任意の他の望ましくない化学薬品を、加える必要性がないことである。
本発明の当業者は、保存される生物学的材料の保存および型の期間および目的に応じて、保存溶液の中身を調整することが可能である。例えば、目的が低温保存であるとき、保存溶液は低温の保存溶液である。保存が凍結保存であるとき、保存溶液は凍結保存溶液である。このような場合、溶液は例えば凍結溶液(その場合には、生物学的材料は、凍結される)または凍結乾燥溶液(その場合には、生物学的材料は、凍結乾燥される)である。同様に、任意の生理的に許容可能なバッファーまたは塩は、PBSまたはNaClに加えてまたはその代わりに使用される。このようなバッファーの非制限的例は、Hepes Talp、RPMI-1640およびF-12である。溶液で使用される追加的な成分の例は、デキストラン(例えば20%〜30%)を含む、細胞を機械的損傷(例えば糖)から保護する巨大分子である。他の潜在性添加物は、トレハロース(例えば0.1M)である。
好ましくは、保存溶液は、その使用の前に、生物学的材料から除去される必要性のある物質を含まない。好ましくはまた、保存溶液が、安全であると考えられる要素のみを含むかまたは、既知の危険な効果のない血液中で見出されることが知られている要素のみを含む。例えば、EGCGは緑茶の消費の後、ヒト被験者の血液中で循環していることが見出された(Sherry Chow et al. 2001)。
本発明のさらに他の側面によれば、方法は、RBCを含む生物学的材料の保存のために開示され、「低遊離のヘモグロビン方法」と称される。
これは以下の工程を含む:
(a) 適切な凍結状態で生物学的材料を凍結する工程と;
(b)適切な貯蔵している状態で生物学的材料を貯蔵する工程。
低遊離のヘモグロビン方法は、適切な解凍条件において解凍した後、生物学的材料の遊離ヘモグロビン濃度が2パーセントを下回るという点で、特徴づけられる。
低遊離のヘモグロビン方法の適切な凍結状態には、凍結溶液、例えば、本発明の任意の凍結溶液の使用が含まれる。低遊離のヘモグロビン方法の適切な解凍状態は、2%を超える材料において遊離ヘモグロビンの出現を生じさせない。このような解凍のための一例には、それが視覚的に解凍されるように見えるまで、約37℃の水浴中における生物学的材料のインキュベーションがある。好ましくは、その後、例えば4℃より低い温度または氷上に直接移動させる。このような適切な凍結および解凍状態の非制限的例は、以下に例証される実施態様で提供される。
一つのオプションによれば、この低遊離のヘモグロビン方法はまた、生物学的材料を解凍する工程と、解凍された細胞を、それらを懸濁した液体から分離する工程とを含む。この分離は、例えば、遠心分離の単一工程または濾過によって行われ得る。このような分離の結果は、直ちに輸血されるRBCの形態であるパックされたRBCの獲得(すなわち80%以上の血球容量のRBC)である。従って、このプロセスのための他の用語は、RBCのパッキングという。このような分離によって、遊離ヘモグロビンのレベルは、1未満のレベルに縮小可能である。
低遊離のヘモグロビン方法の利点の中では、解凍された細胞を洗浄する必要性が潜在的に放棄される。
さらに他の側面によれば、本発明はまた、生存可能な生物学的材料および一つ以上のポリフェノールを含む生物学的材料を提供する。このようなポリフェノールは、一つ以上のカテキン、例えばEGCGを含み、または緑茶エキス(GTE)から誘導される。本発明の利点の一つは、生物学的材料が、危険でまたは毒性であることを知られている添加物、例えばDMSOまたは多価アルコール、例えばグリセロールおよび他の望ましくない化学物質、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールおよび他のアルコール類、ブタンジオールおよびメタノールを実質的に含まないことである。用語「実質的に含まない」は、添加物が5%未満、好ましくは3%未満であることを意味する。本発明の生物学的材料は、RBC、WBC、MNC、UCB、HSCおよび細菌から選択され得、生物学的材料が生存可能である、凍結保存または室温の温度を含むゼロの上下の、任意の温度を有し得る。さらに、生物学的材料は、乾燥状態またはほとんど完全な乾燥状態(その最初の含水量の10%以下を含む)になり得る。
さらに他のオプションによれば、適切な解凍条件において解凍後、生物学的材料の遊離ヘモグロビンのレベルが2パーセント未満を下回るという点で特徴づけられる、RBCを含む凍結された生存可能な生物学的材料が提供される。この凍結された生存可能な生物学的材料は、本発明の保存溶液を凍結してもしなくてもよい。
本発明の生物学的材料は、従って、低温、凍結または冷凍乾燥させた状態で提供され得る。また、生物学的材料の型および状態と適合する当該技術において知られた任意の方法を使用して、温め、解凍および/または水和後に、復活した生存可能な形態で提供され得る。
本発明による凍結乾燥法および凍結保存は、問題の生物学的材料に適した任意の方法で行われ得る。本発明の上記の方法を凍結することは、当該技術において知られている任意の方法または装置で行われ得る。好ましい例は、WO 03/020874に記載されるような指向性凍結装置を使用している。それにもかかわらず、機械式フリーザー、段階的凍結装置、Planner凍結装置、軟氷凍結、低温貯蔵液体での凍結、制御された速度での凍結を行うフリーザー、液体浴フリーザーまたは冷気フリーザーなどを使用することを含む、生物学的材料の凍結保存を可能にする任意の凍結方法が、使用され得る。同様に、生物学的材料は、当業者に知られる一以上の方法(例えば、US 5,827,741またはUS 6,723,497で記載されるもの)でさらに処理され得る。
発明の詳細な説明
以下において、いくつかの非制限的例が提供され、本発明がどのように行われるかについて示す。本発明を理解するために、およびそれが実際にはどのように行われ得るかを見るために、好ましい実施態様は、非制限的例によって、付随的図面に関して記載される。
実験
材料および方法
特に言及がない限り、全ての材料は、Sigma社(St. Louis. Missouri, USA)から購入し、PBSはリン酸緩衝食塩水(Ca+2 & Mg+2フリー)を意味する。
1.赤血球細胞(RBC)
以下の手順を、特定の修飾または他の方法が詳述されない限り、関連する全ての例において使用した。
パックされた赤血球の調製
赤血球(RBC)は、イスラエル血液銀行から受け取られる全血から分離した。
血液を1500gで10分間遠心処理し、血漿を廃棄した。ペレットを等しい体積のリン酸緩衝食塩水(PBS)(カルシウムおよびマグネシウムフリー)に懸濁し、10分間にわたって再度1500gで遠心処理した。その後、上清を廃棄し、表1における溶液から選択された等しい体積の凍結保存溶液を、パックされたRBCに加えた。異なる体積(2.5-50ml)のRBC懸濁液を、16〜25mm直径のガラス試験管(Manara, Israel)に移した。
200mlのRBC懸濁液を凍結する実験は、2000mlの凍結バッグ(Baxter-Fenwal, USA)で行った。サンプルを、冷凍した後に37℃の水浴中で解凍するか、あるいは凍結乾燥した後に37℃の二重蒸留水(DDW)で再水和した。
Figure 0004777908
凍結
RBCを含むガラス試験管を、WO03/020874に記載されているような、修飾されたMTG凍結装置(IMT, Israelによって製造)において凍結した。冷却単位の熱勾配は、-50℃、-100℃または-150℃の最終温度で、5.5℃/mm、10.5℃/mmまたは15.5℃/mm(以下に詳述されるように)に設定した。試験管挿入の速度(インタフェース速度)は、0.5、1、1.5および3mm/秒であり、165、330、500、1000または2000℃/分の算出冷却速度を得た。試験管を凍結する間、2.5mlのサンプルを56rpmの速度で回転させた。凍結後、生物学的材料を、細胞生存率について試験する各試験管から取り出した。
凍結乾燥および再水和
凍結乾燥を、72時間にわたる-82℃のコンデンサ温度で商業的な凍結乾燥機(Labconco, USA)において行った。生物学的材料を、サンプルの原物の体積に達するまでDDWを加えることによって再水和した。
解凍
凍結された(但し、凍結乾燥されなかった)材料を、37℃の水浴中における液浸によって解凍した。融解を、視覚的に観察した。
生存細胞の評価
a.細胞カウント
製造業者のマニュアルに従って、PENTRA 60セルカウンター(ABX, France)を使用して細胞をカウントした。この装置は、以下のパラメータを含む完全な細胞数(CBC)を提供する:細胞数、血球容量、平均赤血球容積、ヘモグロビン、その他。
b.形態学的評価
赤血球の形態学的評価は、光学顕微鏡(Zeiss, Germany)のもと、赤血球の5μl液滴の観察によって、およびMay-Gruenwaldギムザ染色液の分染によって行った。手短に言えば、細胞懸濁液をガラススライド上で広げ、標本を風乾させた。次に、標本を室温で2〜3分間にわたって無水メタノールで固定した。そして、標本をMay-Gruenwald 染色液(等しい体積の蒸留水、pH 6.8で新たに希釈)で15分間にわたって染色した。15分後、標本をギムザ染色液(蒸留水(1 : 9の比率)、pH6.8で新たに希釈)で10分間にわたって染色した。その後、標本を流水で洗浄し、蒸留水中に3〜4分間にわたって静置した。最後に、標本を乾燥させ、浸漬油を使用して光学顕微鏡(Zeiss, Germany)のもとで観察した。
例1 2.5mlの体積での凍結および凍結乾燥RBC
表2は、細胞を1,000および2,000℃/分で凍結後のRBCの生存率を示す。カラム1Aは、1,000℃/分で凍結されて解凍されるが凍結乾燥はされない細胞についての結果を示す。カラム1Bは、1,000℃/分で凍結および凍結乾燥され、その後DDWを使用して再水和された細胞についての結果を示す。カラム2Aおよび2Bは、2,000℃/分で凍結され、その後、(A) 解凍されるが凍結乾燥はされない、あるいは(B)凍結乾燥され、その後DDWを使用して再水和された細胞についての結果を示す。結果は、カウントされた全新鮮細胞から生き残った細胞のパーセンテージとして提示される。これらの実験では、細胞懸濁液体積は、2.5mlであった。
図1は、上述したように解凍後にMay-Gruenwaldギムザを使用して染色された、1,000℃/分で凍結されたサンプルの写真を示す。
Figure 0004777908
光学顕微鏡下またはMay-Gruenwaldギムザ染色(図1)後、EGCGおよびデキストランで凍結されたRBCは、形態学的に正常であると認められ、他の全てのグループにおいて、多くの細胞形骸のみならず、多くの不規則に形成された細胞が観察された(すなわち、細胞膜が損傷を受け、ヘモグロビンが漏れ出るが、溶解は起こっていない)。Pentra60は細胞形骸をカウントするので、さらなる形態学的な評価は重要である。
例2 9mlの体積での凍結RBC
500、1000、2000および2500℃/分の異なる冷却速度で、MTG凍結装置を使用して9mlの体積でRBCを凍結した。凍結溶液を、PBS中30%(w/v)デキストランおよび0.412mM EGCGで構成した。サンプルを37℃の水浴中で解凍した。解凍後、細胞をPentra60(ABX, France)を使用してカウントし、形態学的観察をMay-Gruenwaldギムザ染色および光学顕微鏡を使用して行った。
結果は、図1および3において示され、Pentra60機器によって検出されたときに、EGCGおよびデキストランで構成された溶液で凍結されたサンプルが、より高い生存率を有することを、我々は見出すことができた。さらに、形態学的評価はまた、EGCGおよびデキストランで凍結されたRBCが実質的に正常な形態学的状態を有することを示した。
例3 50mlの体積での凍結RBC
RBCを、50mlの体積で凍結した。以下の異なる冷却速度でのMTG凍結装置を使用する:165、330、500および1000 C/分。凍結溶液を、PBS中30%(w/v)デキストランおよび0.412mM EGCGで構成した。解凍を、37℃の水浴中で行った。結果を図4に示した。
最も高い生存率は330℃/分の冷却速度で達成された。この冷却速度は、前の実験における最良の冷却速度のそれよりも低い。この差異は、サンプルの非常に大きな体積に起因する。大きな体積では、熱伝達はよりゆるやかなので、非常に速い冷却速度で、より著しい熱勾配をサンプル全体に展開させる。これらの温度差を回避し、かつサンプルに沿ってより良好な熱伝達を達成する一つの方法は、より低い冷却速度の使用である。
例4 200mlの体積での凍結RBC
この実験では、我々は200mlの細胞懸濁液で凍結されたRBCを使用する。凍結溶液を、PBS中30%(w/v)デキストランおよび0.412mM EGCGで構成した。細胞懸濁液を、2000ml体積凍結バッグ(Baxter-Fenwal, USA)中に静置した。バッグをMTG凍結装置内に静置した。凍結を330℃/分の冷却速度で行った。解凍を、上述した通り、37℃の水浴中において行った。細胞をPentra60(ABX, France)を使用してカウントした。結果は、新鮮な細胞数および血球容量のパーセンテージとして図5において示される。我々は、200mlのRBC懸濁液を凍結するとき、細胞のほぼ80%が生存したということを知ることができる。発明者にとって、このような大きな体積における高い生存率は、細胞内凍結保護物質を含まない細胞を凍結するとき、これまで不可能であると考えられていた。
例5 RBC溶血
遊離したヘモグロビン濃度の検出を、Drabkin溶液(Sigma, USA) を使用するシアンメテモグルビン試験法を使用し、かつ、ELISA読取機(Bio Tek Instruments, USA)を使用して540nmで吸光度を読み取ることによって行った。ヘモグロビン(Hb)濃度を、上清中およびペレット中で測定し、溶血パーセンテージを以下の式Iを使用して算出した:
式I. 溶血パーセンテージの算出
100×[(上清Hb) (上清容積)]/[(全Hb) (全容積)]
例5A 異なるEGCG濃度で凍結されたRBC
凍結溶液を、二重蒸留水中0.8%NaCl(Sigma, USA)において、4.12mMまたは2.06mM EGCG(>90%純度、Taiyo, China)を補充した、20%(w/v)Dextran 40(Amersham bioscience, USA)で構成した。凍結溶液を、パックされた赤血球と1:1の割合で混合した。
RBCを、MTG凍結装置を使用して、16mm直径の試験管(Manara, Israel)中に、2.5 mlの体積で凍結した。温度勾配は5℃〜-100℃、氷界面速度(ice interface velocity)は3mm/秒であり、1890℃/分の算出冷却速度になる。凍結中、試験管を60回転/分で回転させた。凍結後、サンプルを-80℃のフリーザー(Forma, USA)で24時間にわたって貯蔵した。解凍は、1分未満の短い時間にわたって、37℃の水浴中にサンプルを沈めることによって行われ、このとき、サンプルは視覚的に完全に解凍されたように見える。
後の解凍後の溶血レベルは:2.06mMのEGCGを有する溶液中において凍結されたRBCについて2.55%であり、4.12mMのEGCGを有する溶液中において凍結されたRBCについて3.5%であった。0.8%NaClのみのデキストランの溶液で凍結されたとき、解凍後の溶血は10%を超えた。
例5B 異なる緑茶エキス(GTE)濃度で凍結されたRBCの解凍後溶血速度
GTEを、少なくとも以下のポリフェノールを含む、〜80%カテキンの純度でTaiyo, Chinaから購入した: 48%EGCG、10.8%のエピガロカテキン(EGC)、1.4%DL-カテキン(DLC;(2S,3R)-2-(3、4-ジヒドロキシフェノール)-3,4-ジヒドロ-1(2H)-ベンゾピラン-3,5,7-トリオール)、5.6%のエピカテキン(EC)、2.6%ガロカテキン没食子酸塩(GCG)、および14.5%エピカテキン没食子酸塩(ECG)。他の全ての実験条件は例5Aにおいて記載された通りとした。
解凍後の溶血レベルは、それぞれ、0.47、0.945および1.89mg/ml GTEのため、式Iを使用して1.75、1.5および2.56%と算出された。これらのGTEの量は、1.03、2.06および4.12mM EGCGの等量である。
例5C 解凍後溶血速度上での熱勾配の効果
凍結溶液は、二重蒸留水中0.8%(w/v)NaCl (Sigma, USA)において、2.06mM EGCG(Taiyo, Chinaから購入 >90%純度)を補充した20%(w/v)デキストラン40(Amersham Bioscience, USA)で構成された。
氷界面速度は3mm/秒であり、以下の熱勾配は、5℃〜-100℃、37℃〜-100℃および37℃〜-112℃と評価され、それぞれ、1890, 2466および2680℃/分の算出冷却速度となった。サンプルを60RPMで回転させた。他の全ての実験的状態は、例SAに記載された通りである。
Figure 0004777908
例5D 異なるEGCG濃度で凍結乾燥されたRBCの水和溶血後速度
パックされたRBCを、二重蒸留水中0.8%(w/v)NaCl(Sigma, USA)において、1.03, 2.06または4.12mM EGCG(97%>純度、Cayman、USA)を補充した、20% (w/v) Dextran 40(Amersham bioscience, USA)で構成された凍結溶液と1:1(v/v)の割合で混合した。
凍結を、例5Aに記載された通りに行った。凍結後、サンプルを商業的な凍結乾燥器(Labconco, USA)へ移した。2.4mlの二重蒸留水を37℃でサンプルに加えることによって再水和を行った後、サンプルを72時間にわたって凍結乾燥した。再水和の後、サンプルをカウントし、平均赤血球容積(MCV)をPentra 60(ABX, France)自動血球計数器を使用して測定した。遊離したヘモグロビン濃度を上述したように測定し、かつ溶血パーセンテージを式Iを使用して算出した。
Figure 0004777908
表4から解るように、凍結溶液中2.06mM EGCGという濃度によって、わずか溶血率48.8%という最良な結果が得られた。さらに、この濃度における再水和後の細胞数は、新鮮な対照群の67%であった。算出された溶血速度よりもカウントされた細胞数が多いのは、Pentra 60カウンターが細胞形骸(すなわち、主としてヘモグロビンで減少したRBC)をカウントするという事実によるものと思われる。一方、MCVに関して、最高の結果が、4.12mMのEGCGを使用して得られた。
例5E RBCからの遊離ヘモグロビンの分離
2つの血液ユニット(異なるドナーから各々)を、イスラエル血液銀行から受け取った。各ユニットを、10分間にわたって1500rpmで遠心処理した。血漿を廃棄し、PBS(Biological industries Beit Ha-Emek)を加えた。懸濁液を再び遠心処理し(10分間の1500rpm)、上清を廃棄した。凍結溶液(0.8% NaCl DDW中に溶解された20%(w/v)デキストラン40および2mM EGCG)を、1:1の割合でペレットに加えた。2.5mlの得られたサンプルは、その後MTG-516装置を使用して凍結した。熱勾配は室温〜-100℃、氷界面速度は3mm/秒であり、2250℃/分の算出冷却速度を得た。凍結が完了した後、サンプルを-80℃フリーザー(Forma, USA)で24時間にわたって保存した。サンプルが視覚的に完全に解凍されたように見えるまで、1分間以上にわたって37℃の水浴中に試験管を沈めることによって解凍を行った。解凍後、各ドナーからの2本の試験管を、表5に示された通り、各々の遠心状態で混合した。
溶血は、以下の通りに算出された:遠心分離後、各上清からのサンプルおよびペレットを取り出し、ヘモグロビンについて測定し、「サンプルの溶血率」を、式Iによって算出した。さらに、ペレットを、血球容量(すなわち、ペレット体積の部分が細胞状である)についてアッセイした。ペレットのヘモグロビン(Hb)は、主としてRBC内のヘモグロビンであって、遊離したヘモグロビンを少量含み、上清と同じ濃度であるとみなされる。従って、ペレット溶血は、以下の式IIによって算出された。
式II。ペレット溶血パーセンテージの計算
100×[(上清Hb)(ペレットの細胞体積)]/[(合計Hb)(ペレットの細胞体積+ペレットの細胞体積)]
Figure 0004777908
分離品質を、遠心温度と相対遠心力(RCF)の関数として向上させた。37℃、3000gのRCFは、最良の分離品質(細胞数およびHCT)および最も遅い溶血速度をもたらした。サンプル溶血値はまた、より高いRCFおよびより高温の遠心温度でより低かった。
例5F 新鮮血液の遊離ヘモグロビンからの分離
新鮮血(イスラエル血液サービスから受け取られる)を、2つのサンプルに分け;一つのサンプルはそのままの状態であり、もう一つのサンプルは、完全な溶血が達成されるまで、数回にわたって液体窒素に沈められた。2つのサンプルの部分は、溶血率5、10および15%を達成するために、異なる割合で組み合わせた。
混合性サンプルを、25℃または37℃で10分間にわたり3000gで遠心分離した。
対照の新鮮血を同じ状態で遠心分離した。遊離ヘモグロビン濃度を測定し、例5Eにおいて記載したように算出した。
Figure 0004777908
サンプルの溶血結果から、Drabkin溶液を使用する遊離ヘモグロビンの測定が予想された結果に匹敵しうるものであったことを我々は確認することができた。見て解るように、サンプルの遠心沈殿法は遊離ヘモグロビンの除去を可能にした。遊離ヘモグロビンのプレ遠心濃度が8%以下であったとき(温度とは無関係)、遠心後濃度は0.65%以下であった。本発明が、5%未満のヘモグロビンを有する解凍されたRBCサンプルを提供するので、遠心後パックされたRBCは、より少ない遊離ヘモグロビン、潜在的には0.65%未満、または0.35%未満の遊離ヘモグロビンを有すると予想される。
実際には、8%まで(および37℃で10%まで)の溶血速度で、分離は、1%未満の溶血(さらに0.8%未満)を生じる。
例6 赤血球脆弱度
パックされたRBCは、DDW中0.9mg/ml EGCG(>90%純度、Taiyo, China)および0.8%(w/v)NaClを補充した20%(w/v)デキストラン40kDで構成された凍結溶液と、1:1(v/v)の比率で混合された。対照群は全血であった。EGCG補充の各々の部分とコントロールは、以下の異なる塩化ナトリウム濃度にさらされた: 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5, 0.6, 0.7, 0.8 and 0.9% (w/v)。
遊離ヘモグロビンを、上述したように測定し、溶血パーセンテージは式Iを使用して算出した。この実験の結果は、図8において示される。0.6%(w/v)を超えるNaCl濃度については、有意差がコントロールとEGCGとの間に検出されなかったということを我々は読み取ることができる。サンプルが増加性の低浸透圧性環境(0.5%NaCl未満)にさらされたときに、EGCGが補充されたサンプルがより低い溶血速度を示した。
結論として、EGCGの追加は、浸透ストレスでの細胞の耐久性を変えた。これは、EGCGが低浸透性ストレスによる影響を受けにくいRBC膜上で安定した効果を有し得ることを示す。
例7 NaCl濃度を変える熱勾配を伴わない凍結RBC
パックされたRBCを、以下に記載されたような異なるNaCl濃度において、EGCG(2.06mM)、20%(w/v)デキストラン40kDで構成された凍結溶液と1:1の割合で混合した。サンプル体積は1mlであった。サンプルを、少なくとも5℃で10分間にわたって維持し、その後に従来の凍結装置(Forma, USA)内の金属プレートに移し、-80℃で24時間にわたって静置した。サンプルを、それらが視覚的に解凍されたように見えるまで(1分未満)、37℃の水浴中に静置することによって解凍し、その後にカウントし、平均細胞体積(MCV)を、Pentra 60(ABX, France)自動血球計数器を使用して測定した。結果を、表7にまとめた。示されたパーセンテージは、新鮮なサンプルと比較したときの解凍されたサンプルである。
Figure 0004777908
例8 赤血球の低温保存
全血ユニット(2日前)を、それぞれ500ml、イスラエルの血液サービスから受け取った。2ml PBSを一つのバッグに加え、0.236グラムのGTE(Taiyo, China)を含む2mlPBSを、もう一つのバッグに加えた。このGTEは、少なくとも以下のポリフェノールを含む〜80%カテキンを含む:48%EGCG、10.8%エピガロカテキン(EGC)、1.4%DL-カテキン(DL-C; (2S,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェノール)-3,4-ジヒドロ-1(2H)-ベンゾピラン-3,5,7-トリオール)、5.6%エピカテキン(EC)。2.6%ガロカテキン没食子酸塩(GCG)および14.5%エピカテキン没食子酸塩(ECG)。GTEの最終濃度は、0.4725mg/mlであった。送達および貯蔵間、血液を冷蔵庫内に4℃貯蔵で維持した。
1mlのサンプルを、以下の時間:(a)ユニットが到着したとき、(b)EGCGのPBSを添加15分後、および(c) 1週間後に各バッグから取り出した。サンプルをカウントし、平均の細胞値をPentra 60(ABX, France)を使用して測定した。細胞数およびMCVは、主として全てのサンプルにおいて同一であった。
各サンプルのATP含量は、製造業者マニュアルに基づいて、ATP Bioluminescence Kit CLS II(Roche, Switzerland) を使用して試験した。この試験法では、光発光はサンプルでATPの含量に正比例する。光の強度は、照度計(Turner Biosystems, USA)を使用して測定され、結果は表8に要約される。
Figure 0004777908
例9 凍結されたRBCの延長された貯蔵
このセットの実験において、パックされたRBCは、 0.8%NaCl中の20%(w/v)デキストラン40kD および2.06mMまたは4.12mM EGCG(Cayman, USA)で構成された凍結溶液と、1:1の割合で混合した。0.8%NaCl中の20%(w/v)デキストラン40kDおよび0.8%のNaClで構成された溶液と混合されたパックされたRBCは、コントロールとして使用した。サンプル体積は、1mlであった。
凍結は、1890℃/分の算出冷却速度のMTG装置を使用して直接的に行った。貯蔵は、-80 ℃フリーザー(Forma, USA)において行った。サンプルは、異なる貯蔵期間:24時間、1週間または8週間の後、取り出した。解凍サンプルが視覚的に解凍されるように見えるまで、37℃の水浴中において解凍後、サンプルをカウントし、MCVをPentra 60(ABX, France)を使用して評価した。ATPを上述したように評価し、遊離ヘモグロビンの評価を例5において記載されたように行った。
結果は、表9(細胞数)表10(MCV)および表11(血球容量)において示した。結果は、新鮮なレベルと比較したときの細胞数およびMCVのパーセンテージとして提示する。
Figure 0004777908
Figure 0004777908
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2.単核細胞
例10 臍帯血細胞(UCB)から誘導された単核細胞(MNC)
血液を、1000gで30分間フィコール-パク勾配上で分離した。その後、単核層を引き抜いて、200gで10分間にわたってPBS中で二回にわたって洗浄した。各ペレットに、以下の凍結溶液のうちの一つを加えた:
1) PBS中O.1Mトレハロース、12.5%(w/v)HAS。
2) PBS中0.1Mトレハロース、12.5%(w/v)HASおよび0.412mM EGCG。
3) PBS中12.5%(w/v)HASおよび0.412mM EGCG。
4) 0.1MトレハロースPBSを含む51.5μM EGCG。
5) PBS中30% (w/v)デキストランおよび0.412mM EGCG。
凍結融解および凍結乾燥
2.5mlの細胞懸濁液を、16mm直径のガラス試験管(Manara, Israel) に入れ、MTG凍結装置(IMT, Israel)を使用して凍結した。温度勾配は、1.5℃/mmおよび0.428℃/mmであり、速度はそれぞれ18℃/分および5.1℃/分の冷却速度をもたらす0.2mm/秒とした。接種温度に達するまで、第1の冷却速度を適用した。サンプルは、1分あたり56回転(RPM)で回転させた。
凍結サンプルを液体窒素(LN)中に沈めた後、サンプルを水浴中37℃で解凍するか、あるいは-80℃のコンデンサ温度を有する商業的な凍結乾燥器(Labconco, USA)に入れた。乾燥の後、細胞を37℃のDDWで再水和した。凍結されたが、凍結乾燥を受けなかった細胞を、37℃の水浴で解凍した。
細胞生存の評価
細胞は、上述したように、PENTRA 60セルカウンターを使用してカウントした。生存度の評価は、SYBR14+プロピジウムヨウ化物(PI)(Molecular Probes, USA)生/死蛍光染色を使用して細胞膜強度を評価することによって行われた。これらの染色は核酸染色であり、SYBR14は膜浸透性分子であり、PIは、膜が損傷を受けている場合だけ細胞に入ることができる。
結果
A.異なる凍結溶液(上述に記載されたような)で凍結および凍結乾燥後の細胞の生存度を評価した。図6は、細胞の膜整合性によって実証された生存率を示す。図6は、凍結融解および凍結乾燥後、EGCGおよびトレハロースで構成された溶液が最良の結果を与えることを示す。
B.EGCGおよびトレハロースを含む溶液中における異なるEGCG濃度の効果を評価した。
EGCG濃度は、以下の通りであった:0.412(×1 EGCG)、1.03(×2.5 EGCG)、2.06(×5 EGCG)および4.12mM EGCG(×10 EGCG)(いずれもPBS中0.1Mのトレハロースを含む)。コントロールとして、我々は、0.1Mトレハロースおよび12.5(w/v)ヒト血清アルブミン(HSA)で構成された溶液を使用した。図7は、凍結融解および凍結乾燥後にEGCG濃度とともに生存率が増加したことを示す。
C.この例において、PBS中0.1Mトレハロースと、0.47mg/ml EGCG(×2.5)または1.89mg/ml EGCG(×10)で構成された凍結溶液を使用した。サンプル体積は2.5mlであり、サンプルを上述したように凍結し、その後に凍結乾燥させた。72時間にわたる凍結乾燥の後、サンプルを取り出し、37℃で2.4mlのDDWで再水和した。再水和後、サンプルは、小さな変更を加えながらHuiling et al. The Journal of Immunology 2003, 171 :4824-4829に記載された方法に従ってFACS (蛍光活性化細胞分取機)を使用して、CD3について試験した。
CD3は、他の単核細胞中にはなく成熟したリンパ球中に存在する既知の細胞マーカーである。従って、その存在は、成熟したリンパ球がサンプル中に存在することを示す。
サンプルの膜整合性は、SYBR 14およびPI(Molecular Probes, USA)を使用して、再水和の前後に評価した。膜整合性およびCD3の発現結果は、表12に要約される。
Figure 0004777908
さらに、細胞増殖試験法が行われた。簡潔には、チミジン組み入れに基づいた増殖試験法が行われた後(Promega, USA)、水和された細胞を、48時間にわたってインキュベートした。増殖試験法の結果を図9において示した。ここでは、細胞の増殖指数が、初期播種の細胞数の関数として示される。見て解るように、×10 EGCGの濃度で凍結乾燥された全ての細胞は、×2.5 EGCGにおいて凍結乾燥されたものと比較して、より高い増殖指数を示した。さらに、細胞の初期播種数が増加するにつれて、増殖指数が増加する。×10 EGCGサンプルの一つについて示されたほ直線部のほとんどが、新鮮細胞で観察された結果に類似する。
3.細菌
例11 大腸菌の凍結乾燥
大腸菌を、LB培地(1L 蒸留水中、10gr Bacto-トリプトン(Difco, USA)、5gr 酵母抽出物(Difco, USA)、10gr NaCl)に静置した。10mlの総容積を、各々5mlの二つのバッチに分けた。LB培地中の大腸菌の第1のバッチに、我々は、PBS中30%(w/v)デキストランおよび1.03mM EGCG(Cayman Chemical, USA)で構成された5mlの凍結溶液を加えた。他のバッチは、そのままで放置した。各2.5mlの細胞懸濁液サンプル(各バッチから二つ)を、16mm直径のガラス試験管(Manara, Israel)に入れ、合計4本の試験管を調製した。試験管を1000℃/分で凍結した(3mm/秒の速度で5〜-50℃および56RPM)。凍結を完了した後、試験管を液体窒素中に置いた。その後、4本の試験管を、72時間にわたって凍結乾燥器(Labcono, USA)中に静置した。凍結乾燥が完了した後、各試験管から「粉末状の」細胞をペトリ皿にこすりつけた。1時間後、37℃の2mlのDDWを、各皿に加えた。各皿から、寒天を含む3つのペトリ皿をプレートした。以下のAgarプレートのプロトコルを、使用した:10gr Bacto-トリプトン、5gr 酵母抽出物、l0gr Na+Cl-、10gr 寒天(BD, USA)。水を、1リットルの体積まで加え、オートクレーブし、65℃まで冷却し、ペトリ皿に注いだ。合計12のペトリ皿が、24時間にわたって37℃でインキュベートされた。その翌日、コロニーをカウントした。表13は、寒天ペトリ皿上で増殖したコロニーの数を示す。表13において解るように、大腸菌のコロニーが全てのプレートにおいて観察され、デキストランおよびEGCGの添加が、凍結乾燥の細菌の生存を向上させた。
Figure 0004777908
図1は、May-GruenwaldギムザでのRBC(赤血球)の分染を示す、光学顕微鏡を使用して撮られた写真を示す。A1〜A4は、30%(w/v)デキストランおよび0.412mM EGCGを含む凍結溶液で1:1混合されたRBCを示す。A1は、新鮮な赤血球を示し(×1000)、A2(×1000)およびA3(×400)は凍結融解された赤血球であり、画像A4(×1000)は再水和後の冷凍乾燥された赤血球である。B1〜B3(×1000)は、生理食塩水のみで凍結された赤血球を示す。B1は、新鮮な赤血球を示し、B2およびB3は凍結融解された赤血球を示す。 図2は、9ml体積、2つの異なる溶液で、異なる冷却速度での凍結および解凍(凍結融解法)後における、赤血球の生存度を示すチャート図である。 図3は、1000℃/分の冷却速度での9mlの赤血球の凍結融解後に撮られた光学顕微鏡画像を示す。AおよびBは、DextranおよびEGCGで構成される溶液で凍結された。CおよびDは、生理食塩水で凍結された。 図4は、異なる冷却速度での、DextranおよびEGCGを含む凍結溶液50mlの体積での凍結融解後における、赤血球の生存率を示すチャート図である。 図5は、従来の凍結バッグにおいて315℃/分の冷却速度で200mlを凍結した後における、赤血球数および血球容量のパーセンテージを示すチャート図である。 図6は、異なる溶液で凍結され、その後に解凍または乾燥された臍帯血(UCB)から誘導された単核細胞(MNC)を示すチャート図である。 図7は、EGCGの異なる濃度での凍結融解および凍結乾燥後のUCBから誘導されたMNCを示すチャート図である。×1 EGCG = 0.412mM EGCG; HSA & Trehaloseは、PBS(Ca+2 & Mg+2フリー)中0.1Mトレハロースおよび12.5%(w/v)HASの濃度にある。 図8は、新鮮なRBCの、および異なるNaCl濃度でのEGCGを含む新鮮なRBCの、赤血球脆弱度試験の結果、ならびにEGCGの効果を示すチャート図である。 図9は、本発明のいくつかの実施態様による(×2.5 EGCG=1.03mM; ×10 EGCG=4.12mM)、凍結および解凍後の、ならびに凍結乾燥および再水和後の単核細胞(MNC)の増殖を示すグラフである。

Claims (9)

  1. 細胞を凍結乾燥するための方法であって、以下の工程を具備する方法:
    (a) 平衡塩類溶液およびエピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)を含む凍結乾燥溶液を、前記細胞のサンプルに添加する工程と、
    (b) 前記エピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)を含む前記細胞のサンプルを凍結乾燥し、凍結乾燥された細胞を得る工程と、
    (c) 前記凍結乾燥された細胞を貯蔵する工程。
  2. 前記凍結乾燥溶液が、デキストランおよびトレハロースからなる群から選択された少なくとも1以上の巨大分子を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記細胞が、赤血球(RBC)、白血球(WBC)、単核細胞(MNC)、臍帯血細胞(UCB)および造血性幹細胞(HSC)からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 生存可能な細胞およびEGCGを含む乾燥された細胞サンプルであって、平衡塩類溶液およびEGCGを含む凍結乾燥溶液の存在下において前記細胞を凍結乾燥させることによって得られうる、乾燥された細胞サンプル。
  5. 乾燥前のH2O含量と比較したときに10%未満のH2Oを有する、請求項4に記載の乾燥された細胞サンプル。
  6. 前記細胞が、赤血球(RBC)、白血球(WBC)、単核細胞(MNC)、臍帯血細胞(UCB)および造血性幹細胞(HSC)からなる群から選択される、請求項4または5に記載の乾燥された細胞サンプル。
  7. デキストランおよびトレハロースからなる群から選択された少なくとも1つの巨大分子を含む、請求項4〜6のいずれか1項に記載の乾燥された細胞サンプル。
  8. 生存可能な細胞の凍結乾燥のための凍結乾燥溶液であって、平衡塩類溶液およびEGCGを含む凍結乾燥溶液。
  9. デキストランおよびトレハロースから選択された巨大分子を含む、請求項8に記載の凍結乾燥溶液。
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