以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して詳しく説明する。
実施例1
[全体構成]
先ず、図1を参照して画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置Aの全体構成を示す縦断面図である。本実施例の画像形成装置Aは、画像情報信号に応じて、電子写真方式により記録材である転写材(例えば、記録用紙、OHPシートなど)にフルカラー画像を形成することのできるフルカラーレーザービームプリンタである。画像情報信号は、装置本体Bに有線若しくは無線により通信可能とされたパソコン、或いは画像読み取り装置、デジタルカメラなどの外部装置から送信される。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリなど任意の形態にて具現化することができる。
画像形成装置Aは、画像形成手段としての4つの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを有する。本実施例では、各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdの構成及び動作は、使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同一である。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、像担持体として略垂直方向に並設された4個のドラム状の感光体、即ち、感光ドラム1a、1b、1c、1dを備えている。詳しくは後述するが、感光ドラムは、図11に示す駆動手段によって、図1中反時計回りに回転駆動される。
感光ドラム1a、1b、1c、1dの周囲には、その回転方向に沿って、感光ドラムの表面を均一に帯電する帯電手段である帯電部材2a、2b、2c、2d、画像情報に基づいてレーザビームを照射し感光ドラム上に静電潜像を形成する露光手段であるスキャナユニット3がある。又、その下流には、静電潜像に現像剤のトナーを付着させてトナー像とする現像手段(現像ユニット)4a、4b、4c、4d、感光ドラム上のトナー像を転写材Sに転写させる静電転写手段5がある。又、その下流には、転写工程後に感光ドラムの表面に残った残トナーを除去するクリーニング手段(クリーニングユニット)6a、6b、6c、6dが配設されている。
本実施例では、感光ドラム1a、1b、1c、1d、帯電部材2a、2b、2c、2d、スキャナユニット3、現像手段4a、4b、4c、4d、クリーニング手段6a、6b、6c、6dなどを備えた4つの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdにより、それぞれ異なる色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像を形成する。尚、以下、イエローをY、マゼンタをM、シアンをC、ブラックをBkとする。
ここで、本実施例では、感光ドラム、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段は一体的にカートリッジ化され、プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dを形成している。プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dは、後述のガイド溝34A1、34A2、34A3、34A4、34B1、34B2、34B3、34B4(図3参照)等の装着手段を介して装置本体Bに対し着脱可能に構成されている。プロセスカートリッジは、本実施例の態様に限らず、感光ドラムと、感光ドラムに作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち少なくとも1つとを一体的にカートリッジ化し、装置本体に対して着脱可能にしたものであればよい。
以下、図2をも参照して、画像形成装置Aの各要素について詳しく説明する。図2は、プロセスカートリッジの縦断面を示す。
ここで、以下の説明において、画像形成装置Aの前側とは、プロセスカートリッジを装置本体Bに挿入する側、即ち、図1中右側をいう。又、画像形成装置Aの左右をいう場合には、前側から見た場合のものである。
感光ドラム1a、1b、1c、1dは、例えば直径25mmのアルミシリンダの外周面に有機光導伝体層を塗布したOPC感光体である。感光ドラム1a、1b、1c、1dは、その両端部を、支持部材によって回転自在に支持されている。そして、感光ドラム1a、1b、1c、1dは、詳しくは後述するように、一方の端部に、駆動モータ(図11参照)からの駆動力が伝達されることにより、図2中矢印X方向(反時計回り)に回転駆動される。
帯電手段2a、2b、2c、2dとしては、感光ドラム1a、1b、1c、1dに接触する帯電部材を備える接触帯電方式のものを使用することができる。本実施例では、帯電部材として、ローラ状に形成された導電性ローラ(帯電ローラ)2a、2b、2c、2dを使用した。帯電ローラ2a、2b、2c、2dを感光ドラム1a、1b、1c、1dの表面に当接させるとともに、この帯電ローラ2a、2b、2c、2dに帯電バイアス電圧を印加することにより、感光ドラム1a、1b、1c、1dの表面を一様に帯電させる。
スキャナユニット3は、感光ドラム1a、1b、1c、1dの略水平方向に配置されている。本実施例では、1つの感光ドラムに対し、1つのレーザーダイオード(図示せず)から、画像信号に対応する画像光が発せられる。この画像光は、スキャナモーター(図示せず)によって高速回転されるポリゴンミラー9に照射される。ポリゴンミラーは、例えば、2つの感光ドラム毎に1つずつ設けられている。本実施例では、第1のポリゴンミラー9aと第2のポリゴンミラー9bの2つのポリゴンミラーが設けられている。第1のポリゴンミラー9aは、Y、Mの各色の画像を形成する画像形成部Pa、Pbに照射する光を走査するためのものである。又、第2のポリゴンミラー9bは、C、Bkの各色の画像を形成する画像形成部Pc、Pdに照射する光を走査するためのものである。ポリゴンミラー9によって反射された画像光は、各感光ドラム1a、1b、1c、1dに対し1つずつ設けられた結像レンズ10a、10b、10c、10dを介して、帯電済みの感光ドラムの表面を選択的に露光する。
こうして、感光ドラム上に画像信号に対応する静電潜像が形成される。又、スキャナユニット3は、図3に示すように感光ドラムの長手方向(感光ドラムの回転軸線方向)において側板32(左側板32A、右側板32B)間のピッチより短く形成されている。そして、スキャナユニット3は、この左右側板32A、32Bの間に立てられて位置決めされた中間フレーム35に取り付けられている。
各現像手段4a、4b、4c、4dは、それぞれY、M、C、Bkの各色の現像剤(本実施例では負帯電性の非磁性一成分現像剤(トナー))を収納する現像剤容器としてのトナー容器41を有する。トナー容器41には、現像剤担持体(現像部材)としての現像ローラ40a、40b、40c、40d、現像剤搬送機構42、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ43、現像剤規制部材としての現像ブレード44等が取り付けられている。トナー容器41内のトナーは搬送機構42によってトナー供給ローラ43へ送り込まれる。トナーは、トナー供給ローラ43及び現像ローラ40a、40b、40c、40dの外周に圧接された現像ブレード44によって、現像ローラ40a、40b、40c、40dの外周に塗布され、且つ電荷が付与される。トナー供給ローラ43は、図2中矢印Z方向(時計回り)に回転する。又、現像ローラは、図2中矢印Y方向(時計回り)に回転する。そして、静電潜像が形成された感光ドラム1a、1b、1c、1dに対向する現像ローラ40a、40b、40c、40dに現像バイアスを印加することにより、潜像に応じて感光ドラム1a、1b、1c、1d上にトナーを供給する。
本実施例では、全ての感光ドラム1a、1b、1c、1dに対向し、接するように循環移動する、記録材担持部材としての転写ベルト(静電転写ベルト)11が設けられている。転写ベルト11は、感光ドラム上のトナー像を記録材に転写するための転写手段を構成する。転写ベルト11は、被転写体としての転写材Sを静電的に吸着担持し搬送する。転写ベルト11は、1011〜1014Ω・cmの体積固有抵抗をもたせた、厚さ約110μmのフィルム状部材である。又、転写ベルト11は、垂直方向に3軸でローラに支持されている。転写ベルト11は、図1中左側の外周面に、転写材Sを静電吸着して、この転写材Sを感光ドラム1a、1b、1c、1dに接触させるようにして循環移動する。こうして、転写材Sは、転写ベルト11により感光ドラム1a、1b、1c、1dに対向する転写部(転写位置)Nまで搬送される。
又、4個の感光ドラム1a、1b、1c、1dのそれぞれに対向した位置において転写ベルト11の内側に当接するように、転写部材としての転写ローラ12a、12b、12c、12dが並設されている。これら転写ローラ12a、12b、12c、12dから、転写ベルト11を介して正極性の電荷が転写材Sに印加される。この電荷により形成される電界により、感光ドラム1a、1b、1c、1dに接触している転写材Sに、感光ドラム1a、1b、1c、1d上の負極性のトナー像が転写される。
更に説明すると、本実施例では、転写ベルト11は、周長約560mm、厚さ110μmのエンドレスベルトであり、駆動ローラ13、従動ローラ14、テンションローラ15の3本のローラに掛け渡されている。そして、転写ベルト11は、駆動源により駆動ローラ13に駆動力が伝達されることで、図1中矢印方向(時計回り)に周回移動(回転)する。これにより、転写ベルト11が循環移動して転写材Sが従動ローラ14側から駆動ローラ13側へ搬送される間に、この転写材Sにトナー像が転写される。
又、転写材Sが不測の事態により給送されず、転写ベルト11上にトナーが残ってしまうことがある。この際には、本実施例では、感光ドラムと転写ベルト11との間に所定の周速差を設けて、転写ベルト11を早く回転させる。これにより、効率良く転写ベルト11上のトナーを感光ドラムに転写して、プロセスカートリッジ内のクリーニング手段で回収し、転写ベルト11をクリーニングすることができる。
給送部16は、画像形成部に転写材Sを供給、搬送するものであり、複数枚の転写材Sが給送カセット17に収納されている。画像形成時には、給送ローラ18(Dカット状ローラ)、レジストローラ対19が画像形成動作に応じて回転駆動される。給送カセット17内の転写材Sは、給送ローラ18により1枚毎に分離給送されると共に、転写材Sの先端はレジストローラ対19に突き当たり、ループを形成する。その後、転写材Sは、所定の画像書出し位置と同期するように、レジストローラ対19によって転写ベルト11へと給送されていく。又、従動ローラ14に対向する位置において、転写材Sを転写ベルト11に静電吸着させるための静電吸着ローラ22が転写ベルト11に当接している。
定着手段としての定着部20は、転写材Sに転写された未定着トナー像を転写材Sに定着させる。定着部20は、回転する定着ローラ対(加熱ローラ21aと、これに圧接する加圧ローラ21b)とを有し、この圧接部で転写材Sに熱及び圧力を与える。即ち、感光ドラム上からトナー像が転写された転写材Sは、定着部20を通過する際に定着ローラ対21a、21bで搬送される。この時、転写材Sは、定着ローラ対21a、21bによって熱及び圧力を与えられる。これによって、例えば後述の多色モードであれば、複数色のトナー像が転写材Sの表面に定着される。
次に、フルカラー画像形成時を例に、画像形成の動作について説明する。各プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dが、画像形成タイミング(転写材Sに記録する画像の形成動作)に合わせて順次駆動され、その駆動に応じて各感光ドラム1a、1b、1c、1dが、図1中矢印方向(反時計回り)に回転駆動される。そして、各プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dの動作に対応し、スキャナユニット3が駆動される。即ち、先ず、帯電ローラ2a、2b、2c、2dが感光ドラム1a、1b、1c、1dの周面に一様な電荷を付与し、次いで、スキャナユニット3が感光ドラム1a、1b、1c、1dの周面に画像信号に応じた露光を行う。
これにより、感光ドラム1a、1b、1c、1dの周面上に静電潜像が形成される。現像手段4a、4b、4c、4d内の現像ローラ40a、40b、40c、40dは、静電潜像の低電位部にトナーを転移させる。これにより、感光ドラム1a、1b、1c、1dの周面上にトナー像が形成(現像)される。次いで、転写材Sの搬送方向最上流側の感光ドラム1a周面上に形成されたトナー像の先端が、転写ベルト11との略対向点に回転搬送されてくる。そのタイミングで、その対向点に転写材Sの記録開始位置が一致するように、レジローラ対19が転写材Sを転写ベルト11へ給送する。
転写材Sは、静電吸着ローラ22と転写ベルト11とによって挟み込まれるようにして転写ベルト11の外周に圧接される。又、転写ベルト11と静電吸着ローラ22との間に電圧が印加されることにより、誘電体である転写材Sと転写ベルト11の誘電体層とに電荷が誘起され、転写材Sは、転写ベルト11の外周に静電吸着される。これにより、転写材Sは転写ベルト11に安定して吸着され、最下流の感光ドラム1dの転写部Nまで搬送される。転写材Sがこのようにして搬送される過程で、各感光ドラム1a、1b、1c、1dと転写ローラ12a、12b、12c、12dとの間に形成される電界によって、各感光ドラム1a、1b、1c、1d上のトナー像が順次転写材Sに転写される。4色のトナー像が転写された転写材Sは、ベルト駆動ローラ13の曲率により転写ベルト11から分離(曲率分離)され、定着部20に搬送される。転写材Sは、定着部20でトナー像が熱定着された後、排出ローラ対23によって、画像面を下にした状態で装置本体外の排出部24に排出される。
[プロセスカートリッジ]
次に、プロセスカートリッジについて更に詳細に説明する。図2は、トナーを収納するプロセスカートリッジ7aの主断面を示している。尚、Y、M、C、Bkの各プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dは同一構成であり、ここではプロセスカートリッジ7aについて説明し、その他のプロセスカートリッジ7b、7c、7dについての説明は省略する。
プロセスカートリッジ7aは、感光ドラム1a、帯電ローラ2a及びクリーニング手段6aを備えた感光体ユニット50と、感光ドラム1a上の静電潜像を現像する現像ローラ40a等を備える現像ユニット4aと、に分かれている。感光体ユニット50において、感光ドラム1aは、軸受(左軸受31A、右軸受31B)(図3参照)を介して、感光体ユニット50の筐体をなすクリーニング枠体51に、回転自在に取り付けられている。感光ドラム1aの周上には、感光ドラム1aの表面を一様に帯電させるための帯電ローラ2a、及び転写工程後に感光ドラム1a上に残ったトナー(残留トナー)を除去するクリーニング部材としてのクリーニングブレード60が設けられている。更に、クリーニングブレード60によって感光ドラム1aの表面から除去された残留トナーは、廃トナー搬送機構52によって廃トナー室53に順次送られる。廃トナー室53は、クリーニング枠体51の後方に設けられている。感光ドラム1aは、その長手方向(感光ドラム1aの回転軸線方向)の一方端側(図2中紙面奥側)の装置本体B内にある駆動源(図11参照)から駆動力が伝達される。これにより、感光ドラム1aは、画像形成動作に応じて図2中矢印X方向(反時計回り)に回転駆動される。
現像ユニット4aは、画像形成時には感光ドラム1aの周上に接触して図2中矢印Y方向(時計回り)に回転する現像ローラ40a、トナーが収容されたトナー容器41を有する。又、現像ユニット4aは、現像ローラ40aの周上に接触して図2中矢印Z方向(時計回り)に回転するトナー供給ローラ43、現像ローラ40aの周上に接触する現像ブレード44を有する。又、現像ユニット4aは、トナー容器41内に収容されたトナーを攪拌すると共にトナー供給ローラ43に搬送する搬送機構42、及び現像ユニット4aの筐体をなす現像枠体45を有する。現像ローラ40aは、軸受部材を介して回転自在に現像枠体45に支持されている。現像枠体45は、現像ローラ40aの保持手段として機能する。尚、本実施例では、感光ドラム1a、現像ローラ40a、更にはトナー供給ローラ43の回転軸線は略平行である。
現像ユニット4aは、現像ローラ40aの長手方向(現像ローラ40aの回転軸線方向)の両端に取り付けられた軸受部材47にそれぞれ設けられた支持軸49を中心に、ピン48によって現像ユニット4aの全体が感光体ユニット50に対して揺動自在に支持されている。このように、現像ユニット4aは、感光体ユニット50に対して吊り構造となっている。
現像ユニット4aは、プロセスカートリッジ7aが単体の状態においては、支持軸49を中心に回転モーメントにより現像ローラ40aが感光ドラム1aに接触するように、付勢手段である加圧バネ54によって常に付勢されている。尚、プロセスカートリッジ7aが単体の状態とは、プロセスカートリッジ7aが装置本体Bに装着されていない状態である。更に、現像ユニット4aのトナー容器41には、現像ローラ40aを感光ドラム1aから離間させる際に装置本体Bの離間手段(後述)が当接するための当接部であるリブ46aが一体的に設けられている。
[プロセスカートリッジの着脱]
次に、図3〜図5を参照して、プロセスカートリッジ7dの着脱動作について説明する。尚、図3においては、構成をわかりやすく説明するため、感光ドラム1d、帯電ローラ2d、現像ユニット4d、クリーニング手段6dを一体的に構成したプロセスカートリッジ7dを、感光ドラム1dと軸受31A、31Bのみで簡略化して示している。
前述したように、プロセスカートリッジ7dは、単体の状態では図2のように現像ローラが感光ドラムに常に接触した状態になっている。プロセスカートリッジ7dは、図3に示すように、装置本体Bに設けられた装着手段としてのガイド溝(左ガイド溝34A4、右ガイド溝34B4)に沿って装着される。尚、左ガイド溝34A1、34A2、34A3、右ガイド溝34B1、34B2、34B3はそれぞれプロセスカートリッジ7a、7b、7c用のガイド溝である。つまり、プロセスカートリッジ7dは、ガイド溝34A4、34B4に沿って、感光ドラム1dを支持する軸受(左軸受31A、右軸受31B)を図中矢印方向から挿入することによって、装置本体Bへ装着される。この時、転写ベルト11は、例えば、装置本体Bの前側の扉C(図1参照)と共に退避して、プロセスカートリッジの挿入部を開放している。そして、図5に示すように、軸受31Aが、ガイド溝34A4の位置決め手段としての突き当て面37、38に押しつけられることで、プロセスカートリッジ7dの位置が決まる。
装置本体B内でのプロセスカートリッジの押圧方法は次のようにする。図4(a)、(b)に示すように、左右側板32A、32Bには、それぞれ軸39が加締められている。この軸39には、押圧部材としての押圧レバー70が、回動可能に取り付けられている。又、この押圧レバー70には、押圧力発生手段としての引張りバネ(ねじりコイルバネ)30の一端が固定されている。引張バネ30の他端は、固定部72に固定されている。この固定部72は、ロッド71に設けられている。ロッド71は、装置本体Bの扉Cの開閉と連動可能であり、又左右側板32A、32Bにそれぞれ設けられたガイド形状(例えば、曲げ起こし)33に沿って図中実線、破線の矢印にて示す方向に移動可能である。
扉Cが開かれると、図4(b)に示すように、図中破線矢印にて示す方向へロッド71が移動し、ロッド71に設けられた作用部73により、押圧レバー70が図中破線矢印にて示す方向(反時計回り)に動く。これにより、プロセスカートリッジ7dの挿入部が開放され、プロセスカートリッジ7dを挿抜できるようになる。この時、引張りバネ30はバネの自然長に近く、押圧力はほとんど働くことはない。
そして、プロセスカートリッジ7dが挿入され、更に扉Cが閉じられると、図4(a)に示すように、図中実線矢印で示す方向へロッド71が移動し、押圧レバー70が図中実線矢印にて示す方向(時計回り)に回転する。これにより、引張りバネ30が引張られることで、図中実線矢印方向に約10Nの力で、軸受31Aが側板32Aの突き当て部37、38に押圧される。
図1及び図6に示すように、装置本体Bのプロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dの挿入方向奥側には、現像ユニット4a、4b、4c、4dの加圧バネ54(図2参照)の付勢力に抗して現像枠体45を揺動させ、現像ローラ40a、40b、40c、40dを感光ドラム1a、1b、1c、1dから離間させるための離間手段が設けられている。この離間手段は、板カム等の離間カム80a、80b、80c、80dである。離間カム80a、80b、80c、80dは、Y、M、C、Bkの各色の現像ユニット4a、4b、4c、4dに設けられたリブ46a、46b、46c、46dを押し上げる。離間カム80a、80b、80c、80dは、各プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dに対応してそれぞれ設けられている。
離間カム80a、80b、80c、80dによる現像ローラ40a、40b、40c、40dの感光ドラム1a、1b、1c、1dに対する当接、離間は、次のようにして行われる。図7に示すように、本実施例では、離間手段の駆動手段としての離間カム駆動装置90は、離間手段駆動源としてステッピングモータ91を有する。これに限定されるものではないが、本実施例では、1個のステッピングモータ91の駆動力が、離間カム駆動装置90が有する駆動伝達ギア列92により分岐されて、全ての離間カム80a、80b、80c、80dに伝達される。これにより、本実施例では、各離間カム80a、80b、80c、80dは、同位相で同一方向に回転することができる。
ステッピングモータ91により離間カム80a、80b、80c、80dが回転し、この回転に伴って離間カム80a、80b、80c、80dはリブ46a、46b、46c、46dを介しプロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dの現像ユニット4a、4b、4c、4dを揺動させる。これにより、現像ローラ40a、40b、40c、40dが感光ドラム1a、1b、1c、1dに対して当接、離間する。即ち、現像ローラ40a、40b、40c、40dの感光ドラム1a、1b、1c、1dに対する位置が、感光ドラム1a、1b、1c、1dに当接する当接位置と、感光ドラム1a、1b、1c、1dから離間する離間位置との間で切り替わる。
本実施例では、
(i)Y、M、C、Bkの全色の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdにおいて離間カム80a、80b、80c、80dがその最大半径でリブ46a、46b、46c、46dと接し、全ての現像ローラ40a、40b、40c、40dと感光ドラム1a、1b、1c、1dとが離間する待機状態(待機モード)、
(ii)Y、M、C、Bkの全色の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdにおいて離間カム80a、80b、80c、80dがその最小半径位置をとり、リブ46a、46b、46c、46dから離間し、全ての現像ローラ40a、40b、40c、40dと感光ドラム1a、1b、1c、1dとが当接するフルカラー状態(第1モードである多色モード)、及び、
(iii)Y、M、Cの画像形成部Pa、Pb、Pcにおいて現像ローラ40a、40b、40cと感光ドラム1a、1b、1cとが離間し、且つ、Bkの画像形成部Pdにおいてのみの現像ローラ40dが感光ドラム1dに当接するモノカラー状態(第2モードである単色モード)、
の3モードの選択が可能となっている。
多色モードにおいては、Y、M、C、Bkの各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdにおいて、所定の時間間隔をもって、この順番で順次に現像ローラ40a、40b、40c、40dが感光ドラム1a、1b、1c、1dに当接し、画像形成を行う。又、現像ローラ40a、40b、40c、40dが感光ドラム1a、1b、1c、1dから離間する場合も、同様に所定の時間間隔をもって、上記の順番で順次に現像ローラ40a、40b、40c、40dが感光ドラム1a、1b、1c、1dから離間する。
離間カム駆動装置90は、画像形成装置Aの動作を統括制御するエンジン制御部のコントローラ200によって制御される。コントローラ200は、演算部、制御部、記憶部を備えており、記憶部に記憶された離間手段の制御プログラムに従って離間カム駆動装置90をシーケンス制御する。即ち、コントローラ200は、離間カム80a、80b、80c、80dの制御手段としての機能を有する。
[プロセスカートリッジ駆動装置]
次に、プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dを装置本体Bに装着した際の動作機構について説明する。
プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dの装置本体Bへの装着の際には、図6に示すように、4色の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdの全ての離間カム80a、80b、80c、80dが、最大半径でリブ46a、46b、46c、46dに接触した状態となっている。
従って、プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dの挿入動作に伴って、現像ユニット4a、4b、4c、4dに設けられたリブ46a、46b、46c、46dが離間カム80a、80b、80c、80dに乗り上げ、現像ローラ40a、40b、40c、40dは感光ドラム1a、1b、1c、1dから所定間隙だけ離間された状態となる。このとき、各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdの離間カム80a、80b、80c、80dは、図7及び図8(b)に示すホームポジションにあり、全ての画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdでリブ46a、46b、46c、46dを押し上げている。
この離間状態は、電源オフ時及び現像が行なわれていない状態で常に維持される。従って、プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dを装着した状態で長時間使用しない場合であっても、現像ローラ40a、40b、40c、40dは、常に感光ドラム1a、1b、1c、1dから離間された状態になる。このため、現像ローラ40a、40b、40c、40dを長期間感光ドラム1a、1b、1c、1dに接触させることにより発生するローラ層の永久変形を確実に防止することができる。
次に、感光ドラム1a、1b、1c、1d及び現像ローラ40a、40b、40c、40dの駆動構成、及び多色モードと単色モードのそれぞれにおけるその動作について説明する。
前述のように、「4モータ方式」では、コストが高くなり易い、装置重量が増加する、駆動装置が占めるスペースが大きくなり易い、という問題がある。又、「1モータ方式」では、クラッチ部の噛み合いによる感光体の回転ムラに起因する問題がある。
そこで、本実施例では、図20に概念図を示すように、「2モータ方式」を採用している。つまり、Y、M、C用の3つの感光ドラム1a、1b、1cを、ギア、ベルト或いはローラを介して1つのモータ101Aで駆動し、残りのBk用の感光ドラム1dをもう1つのモータ101Bで駆動する。
この「2モータ方式」を採用した場合、Bk単色モードにて、Bk用の感光ドラム1dを駆動する一方で、その他の感光ドラム1a、1b、1cに対する駆動伝達の解除を、モータ自体の回転を停止することで実現でき、クラッチ部を省略することができる。そのため、クラッチ部の噛み合い誤差や構成部品の精度による累積偏芯量が増加して起こる、感光ドラムの回転ムラに起因する色ずれ、バンディングの悪化という問題を回避することができる。
尚、「2モータ方式」では、駆動ギア比が一定である条件下では、負荷トルク比が3:1となり、負荷の差が大きくなる。しかし、感光ドラム側だけでなく、同一駆動源から駆動力が伝達される現像ローラ側をも考慮したトルク配分の最適化により、その負荷トルクのアンバランスを解消できる。そのため、同じモータを2つ用いることが可能となる。その結果、組立時に誤って別のモータを取り付けてしまうといったミスを防止することができ、またコスト的にメリットがある。以下、更に詳しく説明する。
先ず、駆動系全体に関する概要を図11に示す。
図11に示すように、本実施例では、プロセスカートリッジ駆動装置(以下、単に「駆動装置」という)100は、第1駆動手段である第1駆動モータ(以下「第1モータ」という)101Aと、第2駆動手段である第2駆動モータ(以下「第2モータ」という)101Bとを有する。駆動装置100は、4つのプロセスカートリッジ7a、7b、7c、7d、より詳細には、少なくとも4つのプロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dそれぞれが備える感光ドラム1a、1b、1c、1dと現像ローラ40a、40b、40c、40dとを駆動するための駆動手段である。
第1モータ101Aは、第1の感光ドラム駆動列(以下「ドラム駆動列」という)Td1に沿って、第1モータ101Aの次段の第1のアイドラギア102A、第1、第2の前段ギア103A1、103A2、感光ドラム駆動ギア(以下「ドラム駆動ギア」という)104a、104b、104cを駆動する。そして、Y、M、Cの各色画像用のプロセスカートリッジ7a、7b、7cがそれぞれ備える感光ドラム1a、1b、1cを回転させる。
同時に、第1モータ101Aは、第1の現像ローラ駆動列Tr1に沿って、2つのアイドラギアを介し、イエロー色の画像を形成する画像形成部Paに該当するクラッチギア107aに接続する。尚、2つのアイドラギアは、第1段アイドラギア105Aと第2段アイドラギア106Aである。そして、最終的に、Y画像用であるプロセスカートリッジ7aの入力ギアに噛み合い、現像ローラ40aを駆動する。
第2モータ101Bは、第1モータ101Aと同様に、第2のドラム駆動列Td2に沿って、第2モータ101Bの次段の第2のアイドラギア102B、第3の前段ギア103B、ドラム駆動ギア104dを駆動する。そして、Bk画像用のプロセスカートリッジ7dが備える感光ドラム1dを回転させる。
同時に、第2モータ101Bは、第1モータ101Aと同様に、第2の現像ローラ駆動列Tr2に沿って、3つのアイドラギアを介し、クラッチギア107b、107c、107dに接続する。尚、3つのアイドラギアは、第1段アイドラギア105B、第2段アイドラギア106B1及び第3段アイドラギア106B2である。又、クラッチギア107b、107c、107dは、M、C、Bkの各色画像を形成する画像形成部Pb、Pc、Pdに該当する。そして、最終的に、M、C、Bkの各色画像用のプロセスカートリッジ7b、7c、7dの入力ギアに噛み合い、現像ローラ40b、40c、40dを駆動する。
つまり複数の像担持体のうち複数の第1像担持体1a、1b、1cは、第1モード時、トナー像が形成され、且つ第2モード時、トナー像が形成されず、複数の像担持体のうち複数の第1像担持体1a、1b、1cとは異なる第2像担持体1dは、第1モード時及び第2モード時共にトナー像が形成される。そして第1駆動手段101Aは複数の第1像担持体1a、1b、1cを駆動し、第2駆動手段101Bは、第2像担持体1dと、第2像担持体1dに作用する被駆動体40dと、複数の第1像担持体1a、1b、1cに作用する少なくとも1つの被駆動体を駆動する。
また本実施例では、第1駆動手段101Aは、複数の第1像担持体1a、1b、1cに作用する少なくとも1つの被駆動体を駆動する。
そして本実施例では、第1駆動手段101Aと第2駆動手段101Bは、駆動力の供給対象の数が同じである。
尚、被駆動体は、駆動手段(駆動源)によって駆動される部材である。
このように、本実施例では、駆動装置100は、画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdの感光ドラム1a、1b、1c、1dを駆動するために、第1モータ101Aと第2モータ101Bとの2つのモータを有する。そして特に、本実施例では、これら2つのモータ101A、101Bは、トルク配分を最適化するため、各々4本のローラの負荷を担うようになっている。
次に、画像出力動作時の駆動装置100の動作を、多色モードと単色モードに分けて説明する。
(多色モード)
上述のように、多色モードでは、画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdにおいて、Y、M、C、Bkの各色の画像を形成することで、フルカラー画像を形成することができる。
多色モードでは、プリント信号により画像出力動作が開始されると、プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dを駆動する2つのモータ101A、101Bと、転写ベルト11の駆動モータとが回転する。このとき、第1、第2の現像ローラ駆動列Tr1、Tr2の全てのクラッチ、即ち、クラッチギア107a、107b、107c、107dが切れており、全ての現像ローラ40a、40b、40c、40dは回転しない。
次に、図8に示すように、離間カム駆動装置90のステッピングモータ91が回転すると、離間カム80a、80b、80c、80dが図8(b)に示すホームポジションから反時計回りに回転し始める。その時に、第1の現像ローラ駆動列Tr1に設けられたクラッチギア107aがONとなり、現像ローラ40aが回転する。そして、その直後に、ステッピングモータ91が所定量回転して全ての離間カム80a、80b、80c、80dが反時計回りに所定量(位相θ分)回転することにより、離間カム80aによるプロセスカートリッジ7aのリブ46aの押し上げが解除される。これにより、プロセスカートリッジ7aの現像枠体45が加圧バネ54の付勢力により揺動することで、現像ローラ40aと感光ドラム1aとが当接し、画像形成が開始される。
同様に、クラッチギア107b、107c、107dが順次ONとなると共に、所定の時間間隔(図8中のカム位相差θだけ離間カム80a、80b、80c、80dが回転する間隔)をもち、現像ローラ40b、40c、40dが順次当接する。
こうして、図8(c)に示すように、全てのプロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dのリブ46a、46b、46c、46dの離間カム80a、80b、80c、80dによる押し上げが解除される。これにより、全てのプロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dにおける現像ローラ40a、40b、40c、40dが感光ドラム1a、1b、1c、1dに当接し、多色モードでの画像形成が可能となる。
この時、図9に示す様に、全ての画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdについて、感光ドラム1a、1b、1c、1dは、転写ベルト11を介して転写ローラ12a、12b、12c、12dと当接している。
画像形成部Paにおける画像形成終了後には、ステッピングモータ91が更に回転し、それに伴い離間カム80a、80b、80c、80dが、図8(c)に示す状態より更に反時計回りに回転する。そして、先ず、画像形成部Paにおいて離間カム80aが、プロセスカートリッジ7aの加圧バネ54の付勢力に抗してリブ46aを押し上げ、現像枠体45が揺動することで、現像ローラ40aが感光ドラム1aから離間する。続いて、クラッチギア107aがOFFになり、現像ローラ40aの回転が停止する。以降、当接時と同様に、所定の時間間隔(カム位相差θ分だけ離間カム80が回転する間隔)をもち、現像ローラ40b、40c、40dが順次感光ドラム1b、1c、1dから離間する。又、クラッチギア107b、107c、107dが順次OFFとなる。こうして、図8(b)に示す状態となり、多色モードでの画像出力が終了となる。
尚、本実施例では、全ての画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdにおいて現像ローラ40a、40b、40c、40dが感光ドラム1a、1b、1c、1dから離間した後に、プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dを駆動する第1モータ101A及び第2モータ101Bと、転写ベルト11の駆動モータとが回転を停止する。
(単色モード)
単色モードでは、先ず、プリント信号により画像出力動作が開始されると、プロセスカートリッジ7dを駆動する第2モータ101Bと、転写ベルトの駆動モータとが回転する。このとき、第2の現像ローラ駆動列Tr2の全てのクラッチ、即ち、クラッチギア107b、107c、107dが切れており、現像ローラ40b、40c、40dは回転しない。尚、このとき、本実施例では、第1モータ101Aが停止しており、又第1の現像ローラ駆動列Tr1のギアクラッチ107aが切れており、当然、現像ローラ40aは回転しない。
次いで、多色モードにおける図8(b)から図8(c)への遷移と同様に、離間カム駆動装置90のステッピングモータ91が回転する。ここで、単色モードでは、図8(a)に示すように、離間カム80dのみが反時計回りにθ’だけ回転する。本実施例では、現像ローラの感光ドラムに対する当接、離間に係る駆動列の内、画像形成部Pa、Pb、Pcに該当する離間カム80a、80b、80cに対する駆動列にクラッチが設けられている。そして、単色モードでは、このクラッチをOFFとすることで、離間カム80dのみ回転させることができる。これにより、現像ローラ40dのみ、感光ドラム1dに当接させることができ、現像ローラ40a、40b、40cを感光ドラム1a、1b、1cに当接させることなく、単色モードでの画像出力が可能となる。
そして、離間カム80dが回転し始めた後、第2の現像ローラ駆動列Tr2に設けられたクラッチギア107dがONとなり、現像ローラ40dが回転する。その直後に、ステッピングモータ91が所定量回転して離間カム80dが反時計回りに所定量(位相θ’分)回転したことにより、離間カム80dによる、プロセスカートリッジ7dのリブ46dの押し上げが解除される。これにより、プロセスカートリッジ7dの現像枠体45が加圧バネ54の付勢力により揺動することで、現像ローラ40dと感光ドラム1dとが当接し、画像形成が開始される。
この時、図10に示すように、カム機構やリンク機構などの移動手段により、単色モードで使用する色の画像形成部、即ち、本実施例では画像形成部Pd以外の感光ドラム1a、1b、1cは、転写ベルト11から離間する。即ち、上記移動手段により、感光ドラム1a、1b、1cから転写ローラ12a、12b、12cを退避させ、感光ドラム1a、1b、1cから転写ベルト11を離間させる。このようにして、単色モード時に使用しない画像形成部Pa、Pb、Pcについては、感光ドラム1a、1b、1cや転写ベルト11の寿命の浪費を防ぐことができる。その結果、製品寿命末期まで高画質な画像出力を維持できる。
そして、単色モード終了時には、ステッピングモータ91を更に回転することで、離間カム80dを、プロセスカートリッジ7dのリブ46dから離間する位置まで更に反時計回りに回転させる。これにより、4色の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdの全てにおいて、現像ローラ40a、40b、40c、40dが、感光ドラム1a、1b、1c、1dから離間した状態となる。続いて、クラッチギア107dがOFFとなり、現像ローラ40dの回転が停止する。こうして、単色モードでの画像出力が終了となる。
尚、本実施例では、画像形成部Pdにおいて、現像ローラ40dが感光ドラム1dから離間した後に、プロセスカートリッジ7dを駆動する第2モータ101Bと、転写ベルト11の駆動モータとが回転を停止する。
この様に、「2モータ方式」を採用することにより、単色モードにおいて、感光ドラム1a、1b、1cを停止する必要がある時においても、第1モータ101Aを停止するだけで対応が可能となる。そして、第1モータ101Aが停止していても、第2モータ101Bが稼働するので、感光ドラム1d及び現像ローラ40dの駆動が可能であり、単色モードでの画像形成が可能である。
即ち、本実施例によれば、画像形成装置Aは、複数の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdのうち画像を形成する画像形成部の数が異なる第1モード(多色モード)と第2モード(単色モード)とを有する。そして複数の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、第1のモード及び第2のモードの両方において画像を形成する第2画像形成部Pdと、第1モードにおいて画像を形成し、第2モードにおいて画像を形成しない複数の第1画像形成部Pa、Pb、Pcとを有する。第2画像形成部は、本実施例ではBk用の画像形成部であり、複数の第1画像形成部は、本実施例ではY、M、C用の画像形成部である。そして、画像形成装置Aは、第1駆動手段(第1モータ)101Aと、第2駆動手段(第2モータ)101Bとを有する。第1駆動手段は、Y、M、C用の画像形成部Pa、Pb、Pcの感光ドラム1a、1b、1cに駆動力を供給する。第2駆動手段は、Bk用の画像形成部Pdの感光ドラム1dと現像ローラ40dとに駆動力を供給する。
ここで、第2駆動手段101Bは更に、Y、M、C用の画像形成部Pa、Pb、Pcのうち少なくとも1つの現像ローラ(本実施例では現像ローラ40b、40c)に駆動力を供給することができる。又、第1駆動手段101Aは更に、Y、M、C用の画像形成部Pa、Pb、Pcのうち少なくとも1つの現像ローラ(本実施例では現像ローラ40a)に駆動力を供給することができる。そして、好ましくは、第1駆動手段101Aと第2駆動手段101Bとは、それぞれ駆動力の供給対象の数が同一である。
こうすることで、単色モード時には、Y、M、Cの各色用のプロセスカートリッジ7a、7b、7cの駆動を担う第1モータ101Aを回転させる必要が無い。このため、単色モードプリント時の稼働音が低減でき、「ブルーエンジェル」に代表されるような騒音規格の観点からも優位性がある。又、装置本体Bの消費電力の面からも省電力化が図れる。
又、画像形成装置Aが備える複数の画像形成部の現像ローラのうち少なくとも1つ(本実施例では全て)に駆動力を伝達する駆動列にクラッチ機構(クラッチ手段)が設けられている。そのため、その画像形成部では、感光ドラムの駆動タイミングとは異なるタイミングで現像ローラを駆動することができる。これにより、現像ローラの感光ドラムに対する当接、離間タイミングに合わせて現像ローラを駆動することで、現像ローラの長寿命化を図ることができる。
ここで、単色モードでの画像出力時であっても、坪量の大きい転写材Sを使用する場合は、温湿度環境により、単一の画像形成部における感光ドラムと転写ベルト11との当接だけでは、転写材Sの搬送力が十分ではなく、画像出力精度が劣ることがある。尚、坪量の大きい転写材Sは、例えば、厚紙、或いはハガキの様な小サイズ紙である。
これに対し、単色モードにおいても、画像形成部Pdの一つだけでなく、複数の画像形成部において感光ドラムと転写ベルト11との当接を行うことで、十分な転写材Sの搬送力の確保が可能になる。この場合、感光ドラムと転写ベルト11との摺擦を防止するため、転写ベルト11に当接する箇所の感光ドラムを駆動する。尚、本実施例では、現像ローラについては、上述のようにクラッチ機構(クラッチギア107a、107b、107c)があるので、第1モータ101Aを回転させても、必ずしも現像ローラ40aはそれに同期して回転しない。従って、単色モードにおいて複数の感光ドラムを転写ベルト11に当接させる場合においても、現像ローラの寿命の浪費を防止することができる。
ところで、本実施例とは異なり、「2モータ方式」であっても、感光ドラムを駆動する上での負荷バランスという観点から、以下の場合が考えられる。つまり、第1モータ101AがY及びM用の感光ドラム1a、1bを駆動し、第2モータ101BがC及びBk用の感光ドラム1c、1dを駆動する場合が考えられる。その場合、Bk単色モード時には、感光ドラム1cへの駆動伝達を絶つために、第2モータ101Bとドラム駆動ギア104cとの間にクラッチ機構を設ける必要が出てくる。
しかしながら、クラッチ機構を設けると、その構成上、偏芯量が増えるなどし、クラッチ出力部の回転速度変動が大きくなる。その結果、4つの感光ドラム1a、1b、1c、1dを1つのモータで駆動する「1モータ方式」と同様、色ずれやバンディングの悪化という問題が懸念される。この問題を回避するために、過度に部品精度を上げると、コスト等の面の問題が懸念される。そのため、4つの感光ドラムに関し、2対2で分岐する場合よりも、本実施例の「2モータ方式」の方が優れている。
本実施例の「2モータ方式」は、第1モータ101AがY、M、Cの3色用の感光ドラム1a、1b、1cを駆動し、第2モータ101BがBk用の感光ドラム1dを駆動し、且つ第2モータ101BはBkとは異なる色の現像ローラも駆動する。これにより、駆動源の負荷を略均等にできるので、駆動源の共通化による構成の簡略化、低コスト化を図ると共に、駆動源の負荷バランスの最適化を図ることが可能となる。
駆動装置100は、画像形成装置Aの動作を統括制御するエンジン制御部のコントローラ200によって制御される。上述のように、コントローラ200は、演算部、制御部、記憶部を備えており、記憶部に記憶された駆動装置100の制御プログラムに従って駆動装置100をシーケンス制御する。即ち、コントローラ200は、駆動装置100の制御手段としての機能を有する。コントローラ200は、各第1モータ101Aと第2モータ101Bとの駆動を独立して制御し得る。
[ドラム駆動列のギア構成]
次に、第1、第2のドラム駆動列Td1、Td2に関する詳細構成について更に説明する。
本実施例では、第1のドラム駆動列Td1において、第1モータ101Aの原動軸の同軸上に設けられたギア(モータギア)は、第1のアイドラギア102Aの大径側ギアに噛み合う。そして、この第1のアイドラギア102Aの小径側ギアが第1、第2の前段ギア103A1、103A2の大径側ギアに噛み合う。そして、第1の前段ギア103A1の小径側ギアがドラム駆動ギア104a、104bに噛み合い、第2の前段ギア103A2の小径側ギアがドラム駆動ギア104cに噛み合う。
一方、第2のドラム駆動列Td2において、第2モータ101Bの原動軸の同軸上に設けられたギア(モータギア)は、第2のアイドラギア102Bの大径側ギアに噛み合う。そして、このアイドラギア102Bの小径側ギアが第3の前段ギア103Bの大径側ギアに噛み合う。そして、第3の前段ギア103Bの小径側ギアがドラム駆動ギア104dに噛み合う。
そして、本実施例では、第1、第2のドラム駆動列Td1、Td2は、それぞれ、噛み合うギア同士の歯数比がある値に設定されている。具体的には、駆動手段である第1、第2のモータ101A、101Bの原動軸の同軸上に設けられたギア(モータギア)から、前段ギア103A1、103A2、103Bまでについて、それぞれ、噛み合うギア同士の歯数比が1/N1にて接続されている。尚、N1は自然数であり、噛み合いごとにN1は異なっていてもよい。前段ギア103A1、103A2、103Bは、それぞれドラム駆動ギア104a、104b、104c、104dと直接噛み合うギアである。又、ドラム駆動ギア104a、104b、104c、104dは、それぞれ感光ドラム1a、1b、1c、1dと同軸上に設けられ、これら感光ドラム1a、1b、1c、1dと同一周期で回転するギアである。
ここで、本実施例では、第1モータ101Aと第2モータ101B、又第1のアイドラギア102Aと第2のアイドラギア102Bは同一構成とされる。更に、第1〜第3の前段ギア103A1、103A2、103B、ドラム駆動ギア104a、104b、104c、104dはそれぞれ同一構成とされる。従って、以下、同一構成とされるモータ或いはギアについて、特に区別する必要のない場合は符号に与えた添え字を省略して総括的に説明する。
本実施例では、ドラム駆動列において各ギアの歯数は次のように設定されている。
(i)モータ101の原動軸上のギア :歯数18
(ii)アイドラギア102の大径側 :歯数72
小径側 :歯数24
(iii)前段ギア103の大径側 :歯数48
このように、本実施例では、(i)と(ii)の間の歯数比は1/4、(ii)と(iii)の歯数比は1/2としている。
ここで、理解を容易とするために、例えば、モータ101の原動軸上のギア→アイドラギア102→前段ギア103というように2段減速の場合において、噛み合うギア間の減速比をそれぞれ1/2とした場合を考える。この時の前段ギア103の1回転時の速度変動の模式図を、図12に示す。尚、一般に、ギアの速度変動は正弦波の形態をとっていることが多い。本例においてもそれに従う。
図12の合成波を見ると分かるように、減速比1/2で駆動列を接続することにより、それらの駆動がもつ回転変動周期の中で、前段ギア103の1回転ごとに必ず同じ速度で前段ギア103が回転するようになる(図12ではゼロ)。減速比については、N1=2に限らず、1/N1の場合、同じように前段ギア103の1回転ごとに前段ギア103が同じ速度で回転するようになる。即ち、前段ギア103より上流のギアの速度変動量や位相が如何様でも、前段ギア103までの間で、それらをキャンセルすることができる。
又、図13(a)、(b)に示すように、感光ドラム1の周方向においてスキャナユニット3により光像が照射される位置を露光点Peとし、感光ドラム1の周方向において転写材Sに感光ドラム1からトナー像が転写される位置を転写点Ptとする。感光ドラム1の回転中心を基準として、露光点Peと転写点Ptとの間の角度(感光ドラム1の回転方向に開く角度)が360/N2[°](N2は自然数)である時、ドラム駆動ギア104の歯数をZ2、ドラム駆動ギア104と直接噛み合う前段ギア103の歯数をZ1として、前段ギア103とドラム駆動ギア104との間には、
Z1/Z2=1/(N2×N3)
(N3は自然数)
の関係が成立することが好ましい。これにより、感光ドラム1の回転速度に関し、露光時(図13(a))と、転写時(図13(b))との速度を同一にすることができる。
より具体的には、本実施例では、N2=2であり、Z1=30、Z2=120である。
従って、本実施例では、Z1/Z2=30/120=1/4=1/(2×N3)、N3=2となる。
これにより、1つの感光ドラム1ごとに、駆動手段であるモータ101からドラム駆動ギア104までの駆動列におけるギア速度変動成分による、感光ドラム1の回転ムラ、即ち、画像のピッチムラをキャンセルすることができる。
次に、ドラム駆動列Tdについて、複数色の画像間での色ずれ低減方法について述べる。
複数色の画像間での色ずれ低減のためには、ドラム駆動列Tdに対し、以下の2点のことが重要となる。
(I)複数の画像形成部の全てに対し、1回転当たりのドラム駆動ギアの速度変動履歴(プロファイル)が同じであること。
(II)(I)に加え、複数の画像形成部の全てにおいて、ドラム駆動ギアのもつ1回転中の速度変動の中で、同じ速度で転写が行われること。
(I)に関して、複数の画像形成部間、例えば2つの画像形成部Pa、Pb間でドラム駆動ギア104a、104bの速度変動履歴が違う場合、図15(a)のように、2つの画像形成部Pa、Pb間でドラム駆動ギア104a、104bの速度差が生まれる。この速度差が色ずれに繋がる。
これを防止するために、ドラム駆動ギアに関し、全ての画像形成部について同一型成形、又は同時一体加工により形成された、同一形状の歯車を使用することが好ましい。
(II)に関しては、図14に示すように、隣り合う2つのドラム駆動ギア104a、104bの組合せにおける位相関係を次のようにすることが好ましい。即ち、隣り合う2つのドラム駆動ギア104a、104bは、少なくとも画像形成時において、その最大偏芯方向が同一ではないことが好ましい。又、その最大偏芯方向の位相が、ドラム駆動ギア104a、104bと前段ギア103A1との噛み合い位置を基準として、転写順の遅い方の感光ドラム1bに対応するドラム駆動ギア104bについて角度θだけ進んだ位相関係を有することが好ましい。この角度θは、感光ドラムの直径をd、隣り合う感光ドラムの回転中心間距離をLpとすると、
θ=(πd−Lp)/πd×360[°]
の関係を満たすことが好ましい。これにより、隣り合う画像形成部間で、同じドラム駆動ギアの回転速度、即ち、感光ドラムの周速度で転写を行うことを実現することが可能となる。この思想に基づき、本実施例では、d=25mm、Lp=75mmであることから、θを16.2°になるように構成した。
上述のように複数ギアの速度変動履歴を合わせ、加えて位相を角度θだけずらすことで、図15(b)に示すように、複数のドラム駆動ギア104a、104b間での回転速度差による色ずれをキャンセルすることができる。
より具体的には、本実施例では、隣り合う画像形成部のドラム駆動ギア間で角度θの位相差をつける方法は次のようにする。駆動列が直接接続されている第1モータ101A側では、各ドラム駆動ギアを、上述のように角度θだけ位相差をもって組み付ける。尚、駆動列が直接接続されている第1モータ101A側は、ドラム駆動ギア104aとドラム駆動ギア104bとの間、及びドラム駆動ギア104bとドラム駆動ギア104cとの間である。
しかし、前述のような本実施例の駆動構成上、直接接続されていないドラム駆動ギア104cとドラム駆動ギア104dに関しては、位相差を付けて組み付けることでは、上記角度θの位相差を維持できない。そこで、本実施例では、ドラム駆動ギア104cとドラム駆動ギア104dとに関しては、電気的制御による位相合わせを行う。
図16に、本実施例の画像形成装置Aが備える、ドラム駆動ギア104cとドラム駆動ギア104dとの位相合わせを行う位相合わせ装置108の概略図を示す。
ドラム駆動ギア104c、104dには、それぞれ位相を検知するための被検知部であるスリット104cs、104dsが設けられている。又、これらスリット104cs、104dsの近傍には、それぞれ位相検知手段としてのフォトインタラプタ(フォトセンサ)109c、109dが設けられている。フォトインタラプタ109c、109dの出力は、画像形成装置Aの動作を統括制御するエンジン制御部のコントローラ200に接続されている。これにより、コントローラ200は、ドラム駆動ギア104c、104dの回転時に、スリット104cs、104dsの通過タイミングをフォトインタラプタ109c、109dを介して把握することができる。コントローラ200は、そのタイミングから、ドラム駆動ギア104c、104dの両者の位相差を調べることができる。
コントローラ200は、モータ制御部を介して、ドラム駆動ギア104c、104dとの間に所望の位相差がつくように、第1、第2のモータ101A、101Bを電気的にフィードバック制御する。本実施例では、コントローラ200は、この位相差を、画像形成前、例えば装置初期化時に調べ、第1、第2のモータ101A、101Bのフィードバック制御を行う。このように、本実施例では、コントローラ200が、ドラム駆動ギア104c、104dの位相合わせの制御手段としての機能を有する。
これにより、直接駆動列が繋がっておらず、位相組みを行えないドラム駆動列に関しても、複数のドラム駆動ギア間で所定の角度θの位相差をつけることが可能となる。
更に、上述のような感光ドラムの回転速度変動の条件を最適化することと共に、転写ベルト11の回転速度変動の条件を最適化することが好ましい。
具体的には、転写材S上における複数色の画像間での色ずれを低減するためには、各色画像の転写位置における転写材Sの搬送速度、即ち、転写ベルト11の速度も同じにする必要がある。そのためには、転写ベルト11の駆動ローラ(転写ベルト11を駆動する軸)13の直径Dと、転写ベルト11の厚みtと、隣り合う感光ドラムの回転中心間距離をLpとの間に、
Lp=π(D+t)
の関係が成立することが好ましい。
より具体的には、本実施例では、駆動ローラ13の直径Dは23.8mm、転写ベルト11の厚みtは110μm、隣り合う感光ドラムの回転中心間距離Lpは75mmである。
これにより、駆動ローラ13の振れによる転写ベルト11の速度変動の中で、各色画像の転写時に転写ベルト11の速度を同じにすることが可能となる。
又、色ずれの低減のために、上述のように転写ベルト11の速度変動の条件を最適化することに加えて、又は替えて、以下の条件であることが好ましい。
つまり、転写材Sの搬送方向において隣り合う2つの画像形成部それぞれの、感光ドラムから転写材Sへのトナー像の転写位置の間の距離が、転写ベルト11の駆動ローラ(転写ベルト11を駆動する軸)の外周距離の略整数倍であることが好ましい。
より具体的には、本実施例では、転写位置間の距離は、隣り合う感光ドラムの回転中心間距離と同じで75mmである。又、駆動ローラ13の直径は23.8mmである。従って、転写位置間の距離は、駆動ローラ13の外周距離の略1倍である。
以上説明したように、本実施例によれば、画像形成に係る駆動伝達構成に関し、「2モータ方式」を採用している。これにより「4モータ方式」を採用した時の、コストが高くなり易い、装置重量が増加する、駆動装置が占めるスペースが大きくなり易い、という問題を回避することができる。また「1モータ方式」を採用した時に必要となる、ドラム駆動列に設けられるクラッチの噛み合いによる、感光ドラムの回転ムラに起因する色ずれ、バンディングの悪化の問題を回避し、低コスト且つ高画質を達成することができる。
本実施例によれば、「2モータ方式」を採用して、少なくともY、M、C用の感光ドラム1a、1b、1cを1つのモータ101Aで、そして、もう1つのモータ101BによりBk用の感光ドラム1dと現像ローラ40dを駆動する。これにより、転写ベルトと感光ドラムとの当接離間を伴う多色モード/単色モードの切換えなどに柔軟に対応し、それぞれのモードでの画像形成動作を制御することができる。従って、単色画像出力時の稼働音の低減や、転写ベルト及びプロセスカートリッジの寿命の浪費を防ぎ、画像形成装置の寿命末期まで、高い画質の画像を提供することができる。
また1つのモータ101Aは、3つの感光ドラムと1つの現像ローラを駆動し、もう1つのモータ101Bは、1つの感光ドラムと3つの現像ローラを駆動するので、それぞれのモータの負荷を略同等にすることができ、モータを共通化して低コスト化及び組立性の向上を図ることができる。
実施例2
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成は実施例1のものと同様である。従って、ここでは、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略し、異なる部分について説明する。
実施例1では、イエロー用の現像ローラ40aを第1モータ101Aで駆動し、M、C、Bk用の現像ローラ40b、40c、40dを第2モータ101Bで駆動した。そして現像ユニットの寿命等の観点から、多色モードでの画像出力中にM、C用の現像ローラ40b、40cを感光ドラム1b、1cから離間させ、又その駆動伝達を断つことを行った。この場合、第2モータ101Bの負荷変動が発生する場合があり、結果的に、感光ドラム1dの局所的な速度変動や画像形成装置Aの全体へのショックが発生するおそれがあった。そのため、極端な場合には、画像不良につながることが考えられる。
それを防止するために、感光ドラム1dの転写工程が完了するまでM、C用の現像ローラ40b、40cの駆動伝達を断たない場合、特に、M、C用のプロセスカートリッジ7b、7cの寿命を浪費することになる。
そこで、本実施例では、図17のように、Y、M用の現像ローラ40a、40bを第1モータ101Aで駆動し、C、Bk用の現像ローラ40c、40dを第2モータ101Bで駆動する。
即ち、本実施例では、第1モータ101Aは、第1の現像ローラ駆動列Tr1に沿って、第1段アイドラギア105A、第2段アイドラギア106Aを介して、Y、M用のクラッチギア107a、107bに接続する。そして、最終的に、Y、Mの各色画像用であるプロセスカートリッジ7a、7bの入力ギアに噛み合い、現像ローラ40a、40bを駆動する。一方、第2モータ101Bは、第2の現像ローラ駆動列Tr2に沿って、第1段アイドラギア105B、第2段アイドラギア106Bを介して、C、Bk用のクラッチギア107c、107dに接続する。そして、最終的に、C、Bkの各色画像用であるプロセスカートリッジ7c、7dの入力ギアに噛み合い、現像ローラ40c、40dを駆動する。
ここで、ショック回避のために、それぞれの現像ローラに関し、それに駆動を伝達する第1又は第2のモータ101A、101Bが駆動する感光ドラムからの画像の転写工程が完了するまで、その現像ローラの駆動を停止しないという条件とする。
この場合、本実施例によれば、C及びBkの各色用の画像形成部Pc、Pdに関して、Bk用の画像形成部での転写工程完了までC用の現像ローラの離間を待つだけで良くなる。このため、プロセスカートリッジの寿命を無駄にすることを抑制することができる。
実施例3
次に、本発明に係る更に他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成は実施例1のものと同様である。従って、ここでは、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略し、異なる部分について説明する。
Y、M、C用の現像ローラ40a、40b、40cについては、モータの出力や、現像ローラなどを含むプロセスカートリッジの寿命に余裕があれば、実施例1及び実施例2以外の駆動構成をとることも可能である。例えば、Y、M、C用の現像ローラ40a、40b、40cの全てを第2モータ101Bで駆動することもできる。このように、Y、M、C用の現像ローラ40a、40b、40cについては、第1モータ101Aと第2モータ101Bとのどちらで駆動しても、本発明は適用可能である。そして、この場合にも、上記実施例1、2と同様に、単色モード/多色モード切換え時に、ドラム駆動列にクラッチ機構を設ける必要が無く、バンディングや色ずれの悪化の問題を回避することが可能である。
又、場合によっては、Bk用の現像ローラ40dに対する駆動列と、Y、M、C用の現像ローラ40a、40b、40cとに1つずつクラッチ機構を設ける構成とすることもできる。これにより、Y、M、Cの3色中の2つのクラッチ機構が削減可能となり、コスト低減を図ることができる。そして、転写材Sの搬送性の向上のために単色モードにおいて転写ベルト11と感光ドラムとを複数箇所で当接させ、且つ、回転させる画像出力モードに対してもフレキシブルな制御が可能である。
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施例1〜3では、画像形成装置は、複数の感光ドラムから転写ベルトによって搬送される転写材にトナー像を順次転写して記録画像を形成する直接転写方式の画像形成装置であるとして説明した。
しかし、本発明は転写ベルトを使用した画像形成装置に限定されるものではない。例えば、図21に示す様な中間転写方式の画像形成装置がある。つまり、中間転写方式の画像形成装置は、例えば、各々が感光ドラム1a、1b、1c、1dと、この感光ドラムに作用するプロセス手段としての帯電手段2a、2b、2c、2d、現像手段40a、40b、40c、40d、クリーニング手段6a、6b、6c、6dなどを備えた複数の画像形成部7a、7b、7c、7dを有する。そして、感光ドラム上のトナー像は、各画像形成部に対向して周回移動する被転写体としての中間転写体(例えば、無端ベルト状の中間転写ベルト)300に、一次転写ローラ301a、302b、302c、302dによって順次重ねて転写される。中間転写体300は、感光ドラム上のトナー像を記録材に転写するための転写手段を構成する。その後このトナー像は、別途設けられた転写材搬送系によって搬送される転写材Sに、二次転写ローラ302により一括して二次転写される。その後転写材Sは定着手段20を通過し、転写材上に画像が形成される。斯かる中間転写方式の画像形成装置に対しても本発明は等しく適用可能であり、上記同様の効果を得ることができることは、上記説明から明らかである。
又、複数の画像形成部により被転写体に転写するトナー像の順番は、上記各実施例のものに限定されるものではない。即ち、上記各実施例の画像形成装置においてY、M、C、Bkの各色の画像を形成するものとした画像形成部は、被転写体の搬送方向において任意の順番で配置することができる。
また上記実施例では、画像形成部は、Y、M、C、Bkに対応した4つのもので説明した。しかしながら、少なくとも画像形成部が3つあれば本発明は適用可能であり、第1モータで2つの感光ドラムを駆動し、第2モータで1つの感光ドラムと少なくとも2つの現像ローラを駆動するものであれば、本発明の効果を得ることができる。
また上記実施例では、被駆動体として現像ローラを例に挙げ説明したが、感光ドラムに作用し駆動されるものであれば、被駆動体は帯電ローラやクリーニング部材であっても良い。