ところで、記録用紙に対して感光体ドラムなどの像担持体上のトナー像を転写する場合、モノクロ(白黒)画像では中間調が縞模様になったり、複数の画像形成部毎の像担持体上のトナー像を順次転写するタンデム型カラー電子写真プロセスにあっては、各画像形成部間の高精度な画素の位置合せ、いわゆるカラーレジストレーションが悪化することがある。これは、画像形成部の回転角速度変動が原因とされ、これについては、画像形成部、特に像担持体の回転角速度の変動を低減することが重要であり、このうち、周期的な変動要素としては、変動の周期が長ければ長いほど、中間調の縞模様が顕著に現れたり、カラーレジストレーションが悪化したりするという特徴がある。一般的には、像担持体とこれを駆動する駆動ギア(またはプーリ)の1回転周期が、駆動手段の周期としては最も長周期であり、この周期的な変動は一般に部品の回転中心軸に対する偏心によって発生する。
そのため、像担持体の回転周期と等しい変動によるモノクロ画像での中間調の縞模様の顕著化またはカラーレジストレーションの悪化を低減する上で、像担持体の偏心に対し、像担持体の中心軸として貫通させたシャフト自体を駆動軸としたり、像担持体の精度を極限まで向上させるなどの方策や、像担持体自身の周面をボールベアリングで保持するなどして、像担持体の偏心成分の影響をなくす方策が採られている。
一方、像担持体を駆動する駆動ギア(またはプーリ)は、通常ポリアセタールの射出成型品により製造され、駆動軸に対する偏心は、ほぼ金型によって決定されている。この偏心を低減させるには、一般的に部品精度を向上させるしかないのが現状であった。
ところが、上述のように像担持体や駆動ギア(またはプーリ)の部品精度を向上させると、一般に歩留まりが悪くなったり、高い部品精度を得るために特殊な成型機を必要とするなど、非常に高価なものとなってしまう。しかも、像担持体自身をボールベアリングで保持するような場合には、ボールベアリングの内径がφ30mm以上となってしまい、非常に高価なシステムとなってしまう。
そこで、像担持体の偏心に伴う周期的な変動を部品精度で抑えるだけではなく、これに加えて画像形成部の偏心の位相を所定値に維持することが考えられる。これによれば、高い部品精度により低減された中間調の縞模様の顕著化またはカラーレジストレーションの悪化を、更に像担持体の変動位相を所定値に維持することで、中間調の縞模様が消えた良好なモノクロ画像または良好なカラーレジストレーションを確保できるようにすることが可能となる。
しかしながら、このような手法では、像担持体が取り替えられたときに、それまでの像担持体の変動位相がズレてしまうことがある。この場合、中間調の縞模様が消えた良好なモノクロ画像または良好なカラーレジストレーションを確保する上で、像担持体の交換時に再度像担持体の変動位相を所定値に調整するように制御すれば、元の良好な状態を維持できるといった利点があるものの、その反面、制御系が複雑になるといった欠点があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、像担持体の偏心に伴う周期的な変動を抑制する部品精度を低下させることなく像担持体交換時の像担持体の変動位相を簡単な構成で所定値に維持して、像担持体交換後も中間調の縞模様が消えた良好なカラーレジストレーションを継続して得ることができる画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、タンデム型カラー電子写真プロセスにおいて良好なカラーレジストレーションを確保し得るように構成された画像形成装置に適用している。
具体的に、本発明は、像担持体上に形成された画像情報を可視像に現像する複数の画像形成部を転写材移動方向に並列に配置し、これらの画像形成部の像担持体上の可視像を順次画像形成媒体に対し転写するようにした画像形成装置を前提とし、上記各画像形成部の像担持体は、それぞれ駆動手段に対し駆動軸を介して同軸上に連結する。そして、上記各画像形成部の像担持体と駆動手段との間には、駆動軸の軸線方向に移動可能かつ周方向に移動不能に支持された駆動カップリングを円筒形状の像担持体の駆動側フランジに所定の状態で嵌合する嵌合部をそれぞれ設けている。上記各嵌合部は、駆動カップリングの外周面上における周方向複数箇所で互いに嵌合する複数の突起部と駆動側フランジの内周面上における周方向複数箇所に形成された凹部とを備えているとともに、上記突起部および凹部は、それぞれ駆動軸方向に直線状に延びて設けられ、そのうちの1つの突起部および凹部が駆動軸上における単一箇所でのみ嵌合するように、該1つの突起部および凹部の周方向の幅が他の突起部および凹部の周方向の幅よりも大きく形成していることによって、各画像形成部における偏心の位相が所定値に維持されるように駆動カップリングと駆動側フランジとが嵌合され、かつ、駆動軸の像担持体側先端に形成された穴部に像担持体のシャフト軸の駆動側端部が同軸上に嵌合されている。
この特定事項により、記録用紙に対して感光体ドラムなどの像担持体上のトナー像を転写する場合、カラーレジストレーションの悪化を低減させる上で部品精度を向上させた各画像形成部の像担持体や駆動ギア(またはプーリ)などの駆動手段は、嵌合部によって、駆動軸上における周方向単一箇所でのみそれぞれ像担持体と駆動手段とが周方向へ移動不能に嵌合して駆動することになる。このため、互いに周方向の定められた位置で各画像形成部の偏心の位相が所定値に維持されるように像担持体と駆動手段とが嵌合されていれば、任意の画像形成部の像担持体が取り替えられたときにそれまで所定値に維持されていた各像担持体の変動位相がズレてしまうことがなく、像担持体の交換時にその像担持体と駆動手段とが駆動軸上における周方向単一箇所でのみ嵌合して当該画像形成部の偏心の位相が再び所定値に維持されることになり、再度像担持体の変動位相を所定値に調整するように制御する必要もなくなって、非常に簡単な構成で各画像形成部の偏心の位相が元の良好な状態に維持され、像担持体交換後も良好なカラーレジストレーションを継続して得ることが可能となる。
特に、嵌合部を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
つまり、駆動手段に対し回転一体に連結された駆動軸と、像担持体の中心に貫通支持されたシャフト軸とを嵌合させるように嵌合部を構成している。
この特定事項により、駆動手段の駆動軸に対し像担持体中心のシャフト軸が同軸上で嵌合されることになり、像担持体の偏心成分による影響が可及的に抑制され、像担持体交換後における中間調の縞模様が消えた良好なモノクロ画像または良好なカラーレジストレーションを継続して得る上で非常に有利なものとなる。
また、嵌合部を、画像形成部の像担持体と駆動手段とを駆動軸方向に相対移動可能とするキー形状に形成している場合には、画像形成部の像担持体と駆動手段とが駆動軸方向に相対移動して嵌合し易くなり、像担持体の交換作業をスムーズに行うことが可能となる。
そして、駆動手段とこれに対し軸線方向に移動可能に支持された駆動軸との間に、像担持体に対し駆動軸を嵌合させる方向へ付勢する付勢手段を設けている場合には、像担持体の交換時にその像担持体と駆動手段とが未嵌合状態であっても、駆動手段の回転により嵌合可能な位置まで回転した際に駆動軸上における周方向単一箇所でのみ確実に像担持体に対し嵌合することが可能となる。
特に、複数の画像形成部の像担持体に連結される駆動手段を駆動する駆動源を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
つまり、駆動源を少なくとも2つ以上備えている。具体的には、画像情報を黒色の現像剤により可視像に現像する画像形成部に連結される駆動手段を駆動する駆動源と、画像情報を黒色とは異なる他の各色の現像剤により可視像に現像する画像形成部にそれぞれ連結される駆動手段を単独で駆動する駆動源との合計2つの駆動源を備えていたり、画像情報を黒色の現像剤により可視像に現像する画像形成部に連結される駆動手段を駆動する駆動源と、画像情報を黒色とは異なる他の3色の現像剤により可視像に現像する画像形成部に連結される駆動手段をそれぞれ個別に駆動する3つの駆動源との合計4つの駆動源を備えている。
そして、各画像形成部の駆動手段にそれぞれ設けられた回転位相検出用の被検出部と、この各被検出部により駆動手段の回転位相を個別に検出する位相検出手段と、この各位相検出手段により検出された駆動手段の個々の回転位相信号に基づいて各駆動源の回転を制御する制御手段とを備えている。
これらの特定事項により、複数の画像形成部の像担持体に連結される駆動手段の駆動源を必要に応じて、具体的には、各被検出部により駆動手段の回転位相を個別に検出する位相検出手段からの駆動手段個々の回転位相信号に基づいて、各駆動源の回転がそれぞれ個別に制御されることになる。これにより、各画像形成部の偏心の位相が像担持体交換後も常時所定値に維持されることになり、良好なカラーレジストレーションを効果的に継続して得ることが可能となる。
また、被検出部として、駆動手段の側面に設けられた突起を適用している場合には、透過型の位相検出手段によって駆動手段の回転位相信号を円滑に検出することが可能となる。これに対し、被検出部として、駆動手段の側面に設けられた反射板を適用している場合には、反射型の位相検出手段によって駆動手段の回転位相信号を円滑に検出することが可能となる上、一般的に透過型の位相検出手段に比して駆動軸のスラスト方向に短い反射型の位相検出手段によって画像形成部のコンパクト化を図ることが可能となる。
そして、複数の駆動源のうちの所定の駆動源からの駆動力により回転する駆動手段の回転位相を基準にして、他の駆動源からの駆動力により回転する駆動手段の回転位相を所定値に維持するように制御手段により制御している場合には、各画像形成部の偏心の位相が常時所定値に維持されることになり、良好なカラーレジストレーションをより効果的に継続して得ることが可能となる。
特に、複数の画像形成部の駆動手段を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
つまり、各駆動手段として、射出成形により成形される樹脂製のギヤまたはプーリをそれぞれ適用している。
そして、複数の画像形成部全ての樹脂製のギヤまたはプーリを、ダイとパンチとで周囲が形成された単一のキャビティのみを有する同一の金型により成形している。
これらの特定事項により、駆動手段としての樹脂製のギヤまたはプーリは、各画像形成部において全て同じ精度で同一のものが成形されることになり、各画像形成部の偏心の位相が所定値に円滑に維持されることになり、良好なカラーレジストレーションをより一層継続して得ることが可能となる。
特に、感光体ドラムを特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
つまり、感光体ドラムに、円筒形状のアルミニウム合金の表面に感光体層を塗布して形成された素管と、この素管の一端に圧入され、駆動手段に対し駆動軸を介して嵌合する樹脂製の駆動側フランジと、上記素管の他端に圧入され、画像形成装置本体に対し支持される樹脂製の反駆動側フランジとを備えている。
そして、複数の画像形成部全ての樹脂製の駆動側および反駆動側フランジは、それぞれ個々にダイとパンチとで周囲が形成された単一のキャビティのみを有する同一の金型により成形している。
これらの特定事項により、感光体ドラムを構成する素管の両端部に圧入された駆動側および反駆動側フランジは、各画像形成部においてそれぞれ全て同じ精度で同一のものが成形されることになり、各画像形成部の偏心の位相が所定値に円滑に維持されることになり、良好なカラーレジストレーションを円滑に継続して得ることが可能となる。
以上、要するに、駆動軸上における周方向単一箇所でのみ画像形成部の像担持体と駆動手段とを周方向へ移動不能に嵌合することで、像担持体を取り替えても像担持体の変動位相をズレさせることがない上、再度像担持体の変動位相を所定値に調整するように制御する必要もなく、非常に簡単な構成で画像形成部の偏心の位相を元の良好な状態に維持し、像担持体交換後における中間調の縞模様が消えた良好なモノクロ画像または良好なカラーレジストレーションを継続して得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本形態ではカラープリンタに本発明を適用した場合について説明する。
(画像形成装置の全体構成の説明)
図1は本形態に係る画像形成装置Aの内部構成の概略を示している。本画像形成装置Aは、外部(例えばパーソナルコンピュータ等の端末機器)から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色(フルカラー)画像や単色(モノクロ)画像を形成するものである。そして、図示するように、本画像形成装置Aは、露光ユニット1、現像装置2(2a〜2d)、像担持体としての感光体ドラム3(3a〜3d)、帯電器5(5a〜5d)、クリーナユニット4(4a〜4d)、中間転写ベルトユニット8、定着装置12、用紙搬送路S、給紙カセット10、排紙トレイ15等を備えて構成されている。
なお、本画像形成装置Aにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置2(2a〜2d)、感光体ドラム3(3a〜3d)、帯電器5(5a〜5d)、クリーナユニット4(4a〜4d)は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、図1では、それぞれaがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに設定され、4つの画像ステーション(画像形成部)を構成している。
感光体ドラム3は、本画像形成装置Aの上部に配置(装着)され、後述する如く露光ユニット1からのレーザ光の照射によって画像データに応じた静電潜像が形成されるようになっている。そして、図2に示すように、感光体ドラム3は、円筒形状のアルミニウム合金の表面に感光体層(図示せず)を塗布して形成された素管31と、この素管31の一端(図2では右端)に圧入された樹脂製の駆動側フランジとしてのリヤフランジ32と、上記素管31の他端(図2では左端)に圧入された樹脂製の反駆動側フランジとしてのフロントフランジ33と、上記リヤフランジ32およびフロントフランジ33にそれぞれ回転一体に連結され、素管31の中心に貫通支持されたシャフト軸34とを備えている。上記フロントフランジ33は、画像形成装置Aの前面に対し軸受け(図示せず)を介して回転自在に支持されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面(感光体層)を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すように、接触タイプのローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられることもある。
露光ユニット1は、レーザ照射部1Aおよび反射ミラー1B,1B,…を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)で構成されている。上記レーザ照射部1Aは、受信した画像データに基づいた各色相毎のレーザ光を照射するものである。そのほかに、発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法もある。そして、この露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を、入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有している。
現像装置2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を各色(K、C、M、Y)のトナー(現像剤)により顕像化するものである。
クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、中間転写ベルト従動ローラ72、1次転写ローラとしての中間転写ローラ6(6a〜6d)、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、中間転写ローラ6、中間転写ベルト従動ローラ72は、中間転写ベルト7が架け渡され、中間転写ベルト駆動ローラ71の回転駆動に伴って中間転写ベルト7を矢印B方向に走行させるものである。
中間転写ローラ6は、上記中間転写ベルトテンション機構73におけるローラ取付部に回転可能に支持されている。これにより、これら中間転写ローラ6a〜6dは、各感光体ドラム3に対向する中間転写ベルト7の内面側に回転可能に配設された状態となっており、また、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスが与えられている。
中間転写ベルト7は、それぞれの感光体ドラム3に接触可能に設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト7上にカラーのトナー像(多色トナーの合成像)が形成されるようになっている。尚、この中間転写ベルト7は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側(内面側)に接触している中間転写ローラ6によって行われる。つまり、中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施例では転写電極としてローラ形状のものを使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述のように各感光体3a〜3d上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は中間転写ベルト7上で積層され、装置に入力された画像情報となる。このように、積層された画像情報(多色トナーの合成像)は、中間転写ベルト7の走行によって、後述の用紙と中間転写ベルト7との接触位置に配置される転写ユニットを構成する転写ローラ11によって用紙上に転写される。
この時、中間転写ベルト7と転写ローラ11とは所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ11にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ11は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは上記中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等)としている。
また、上記のように、感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、若しくは、転写ローラ11によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去・回収されるようになっている。この中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレード91が備えられており、このクリーニングブレード91が接触する中間転写ベルト7に対して、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72で支持されている。そして、このクリーニングブレード91によって回収された残留トナーは、クリーニングブレード91の下方に設置された収納部92へ落下し蓄積されることになる。
給紙カセット10は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を収容しておくためのカセットであり、本画像形成装置の最下部、つまり露光ユニット1の下側に設けられている。また、本画像形成装置の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのトレイである。
また、本画像形成装置Aには、給紙カセット10のシートを転写ローラ11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るための用紙搬送路Sが設けられている。この用紙搬送路Sは、給紙カセット10の排紙部から排紙トレイ15に向けて略鉛直方向に延びている。さらに、給紙カセット10から排紙トレイ15までの用紙搬送路Sには、ピックアップローラ16(16−1),レジストローラ14、転写ローラ11、定着装置12、シートを搬送する搬送ローラ25(25−1,25−2,25−3)等が配設されている。
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙カセット10の端部に備えられ、給紙カセット10から、シートを1枚ずつ用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
また、レジストローラ14は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写部(転写ローラ11と中間転写ベルト駆動ローラ71との間のニップ部)に搬送する機能を有している。
定着装置12は、ヒートローラ31,加圧ローラ32等を備えており、これらヒートローラ31及び加圧ローラ32は、シートを挟んで回転するようになっている。また、ヒートローラ31は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ32とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。
なお、多色トナー像の定着後のシートは、搬送ローラ25…によって用紙搬送路Sを搬送され、多色トナー像を下側に向けて排紙トレイ15上に排出されるようになっている。
次に、シート搬送経路を詳細に説明する。本画像形成装置には予めシートを収納する給紙カセット10が配置されると共に、ユーザが少数枚の印字を行う時に上記給紙カセット10の開閉動作を行わなくても良い手差しトレイ20が配置されている。
両給紙方法には、各々ピックアップローラ16(16−1,16−2)が配置され、1枚ずつを搬送路に導くようになっている。
給紙カセット10から搬送されるシートは搬送路中の搬送ローラ25−1によってレジストローラ14まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト7上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ11に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着装置12を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、搬送ローラ25−2を経て排紙ローラ25−3から排紙トレイ15上に排出される(片面印字要求の時)。
他方、手差しトレイ20に積載されるシートはピックアップローラ16−2によって給紙され、複数の搬送ローラ(25−6、25−5、25−4)を経てレジストローラ14に到達し、それ以降は給紙カセット10から給紙されるシートと同様の経過を経て排紙トレイ15に排出される(片面印字要求の時)。
このとき、印字要求内容が両面印字要求の場合には、上記のように片面印字が終了し定着装置12を通過したシートの後端が上記排紙ローラ25−3でチャックされ、排紙ローラ25−3が逆回転することによって、搬送ローラ(25−7、25−8)を備えたスイッチバック搬送路S1に導かれた後、レジストローラ14を経て裏面印字が行われ、その後に排紙トレイ15に排出されることになる。
そして、実際の画像形成動作時にあっては、中間転写ベルト7と感光体ドラム3との接触による感光体ドラム3の劣化等を軽減するために、印字要求に応じて中間転写ローラ6を中間転写ベルト7に対して接離する方向に移動させ、その移動に伴い中間転写ベルト7と感光体ドラム3との離接が可能となっている。
つまり、印字要求としてはカラーモードとモノクロモードとがあり、カラーモード時は、各中間転写ローラ6(6a〜6d)が中間転写ベルト7の裏面に接触するように移動し、これによって、中間転写ベルト7の表面と各感光体ドラム3(3a〜3d)とが接触して各色相のトナー像を中間転写ベルト7に一次転写可能な状態となる。一方、モノクロモード時は、黒画像形成用の中間転写ローラ6aのみが中間転写ベルト7の裏面に接触するように移動し、これによって、中間転写ベルト7の表面と黒画像形成用の感光体ドラム3aとが接触して黒色トナー像を中間転写ベルト7に一次転写可能な状態となる。
(駆動機構)
次に、本発明の特徴部分である駆動機構50を図3および図4に基づいて説明する。
この駆動機構50は、図3および図4に示すように、4つの画像ステーションの感光体ドラム3(3a〜3d)にそれぞれ駆動軸としての駆動ギヤ軸505とシャフト軸34とを同軸上に連結し、駆動ギヤ軸505を中心にドラム駆動カップリング501と駆動ギヤ502とを有する駆動手段と、この各駆動ギヤ502(502a〜502d)を駆動する駆動源としての駆動モータ503−1,503−2と、上記各駆動ギヤ502(502a〜502d)のドラム駆動カップリング501と感光体ドラム3(3a〜3d)のリヤフランジ32とを嵌合する嵌合部504とを備えている。
ドラム駆動カップリング501は、駆動ギヤ502に回転一体に連結された駆動ギヤ軸505に対し図示しないキーを介して軸線方向に移動可能にかつ周方向に移動不能に支持されている。そして、図5の(a)〜(c)に示すように、上記駆動ギヤ軸505上のドラム駆動カップリング501よりも駆動ギヤ502側寄りにはストッパ506が固設され、このストッパ506とドラム駆動カップリング501との間には、ドラム駆動カップリング501を感光体ドラム3のリヤフランジ32に対し嵌合させる方向(リヤフランジ32側)へ付勢する付勢手段としての付勢スプリング507が縮装されている。
上記ドラム駆動モータ503−1,503−2のうちの一方のドラム駆動モータ503−1は、トナー色がブラックに設定された画像ステーションの感光体ドラム3aを駆動するものであり、他方のドラム駆動モータ503−2は、トナー色がシアン、マゼンタ、イエローに設定された画像ステーションの感光体ドラム3b〜3dを駆動するものである。上記一方のドラム駆動モータ503−1の出力ギヤ503−1aは、上記中間転写ベルト駆動ローラ71に回転一体に連結された中間転写ベルト駆動ギヤ71−1に対し、互いに同軸上で回転一体に連結された大小2つの中間ギヤ503−11,503−12を介して動力伝達可能に連結されているとともに、トナー色がブラックに設定された画像ステーションの感光体ドラム3aに連結される駆動ギヤ502aに対し、大径の中間ギヤ503−13および互いに同軸上で回転一体に連結された大小2つの中間ギヤ503−14,503−15を介して動力伝達可能に連結されている。上記他方のドラム駆動モータ503−2の出力ギヤ503−2aは、トナー色がシアンに設定された画像ステーションの感光体ドラム3bに連結される駆動ギヤ502bに対し、大径の2つの中間ギヤ503−16,503−17および互いに同軸上で回転一体に連結された大小2つの中間ギヤ503−18,503−19を介して動力伝達可能に連結されているとともに、トナー色がマゼンタに設定された画像ステーションの感光体ドラム3cに連結される駆動ギヤ502cに対し、大径の2つの中間ギヤ503−20,503−21および互いに同軸上で回転一体に連結された大小2つの中間ギヤ503−22,503−23を介して動力伝達可能に連結され、更に、トナー色がイエローに設定された画像ステーションの感光体ドラム3dに連結される駆動ギヤ502dに対し、上記大径の2つの中間ギヤ503−20,503−21および互いに同軸上で回転一体に連結された大小2つの中間ギヤ503−24,503−25を介して動力伝達可能に連結されている。
嵌合部504は、各駆動ギヤ502(502a〜502d)のドラム駆動カップリング501の外周面上における周方向所定間隔置きの3箇所において半径方向外方に突出するキー形状の突起部504−1,504−2,504−3と、感光体ドラム3(3a〜3d)のリヤフランジ32の内周面上における周方向所定間隔置きの3箇所において半径方向外方に凹設されたキー溝形状の凹部504−4,504−5,504−6とを備えている。上記各突起部504−1,504−2,504−3のうちの1つの突起部504−1は、他の突起部504−2,504−3よりも周方向の幅が大きく形成されている。また、上記凹部504−4,504−5,504−6のうちの1つの凹部504−4は、他の凹部504−5,504−6よりも周方向の幅が大きく形成されていて、この周方向の幅が大きい凹部504−4にのみ上記周方向の幅が大きい1つの突起部504−1のみが嵌合するようになっている。このような嵌合部504により、各ドラム駆動カップリング501の軸上における周方向単一箇所でのみ感光体ドラム3(リヤフランジ32)と駆動ギヤ502(ドラム駆動カップリング501)とを軸方向へ相対移動可能にかつ周方向へ移動不能に嵌合するようになっている。更に、駆動ギヤ軸505の先端(感光体ドラム3側端)は、リヤフランジ32の中心を貫通する貫通孔32a内に嵌挿されている。そして、駆動ギヤ軸505の先端には穴部505aが設けられ、この穴部505aに対し上記感光体ドラム3のシャフト軸34の後端が嵌挿されて、駆動ギヤ軸505とシャフト軸34とが嵌合するようになっている。
そして、図6に示すように、上記各駆動ギヤ502(502a〜502d)のフロント側面(感光体ドラム3側面)には、駆動ギヤ502の回転位相検出用の被検出部としての突起502−1が突設されている。また、図4に示すように、上記トナー色がブラックに設定された画像ステーションの感光体ドラム3aおよび上記トナー色がシアンに設定された画像ステーションの感光体ドラム3bのリヤ側の一側方(図4では左側方)には、上記突起502−1により駆動ギヤ502の回転位相をそれぞれ個別に検出する位相検出手段としての透過型のフォトインタラプタ508,508が設置されている。そして、各フォトインタラプタ508により検出された駆動ギヤ502(502a〜502d)の個々の回転位相信号に基づいて各ドラム駆動モータ503−1,503−2の回転を上記制御部により制御するようにしている。この制御部は、2つのドラム駆動モータ503−1,503−2のうちの一方のドラム駆動モータ503−1の駆動力により回転する駆動ギヤ502aの回転位相を基準にして、他方のドラム駆動モータ503−2の駆動力により回転する駆動ギヤ502b〜502dの回転位相を許容値(所定値)に維持するように制御している。
更に、各画像ステーションの全ての駆動ギヤ502(502a〜502d)は、図示しないダイとパンチとで周囲が形成された単一のキャビティのみを有する所謂一個取りの金型つまり同一の金型により射出成形されている。また、各画像ステーションの全ての感光体ドラム3(3a〜3d)のリヤフランジ32は、図示しないダイとパンチとで周囲が形成された単一のキャビティのみを有する所謂一個取りの金型つまり同一の金型により射出成形されている一方、各画像ステーションの全ての感光体ドラム3(3a〜3d)のフロントフランジ33も、図示しないダイとパンチとで周囲が形成された単一のキャビティのみを有する所謂一個取りの金型つまり同一の金型により射出成形されている。
したがって、上記実施形態では、シートに対して感光体ドラム3(3a〜3d)上のトナー像を転写する場合、カラーレジストレーションの悪化を低減させる上で部品精度を向上させた各画像ステーションの感光体ドラム3a〜3dや駆動ギア502(502a〜502d)は、嵌合部504によって、各ドラム駆動カップリング501の軸上における周方向単一箇所でのみ感光体ドラム3(リヤフランジ32)と駆動ギヤ502(ドラム駆動カップリング501)とが軸方向へ相対移動可能にかつ周方向へ移動不能に嵌合するして駆動することになる。このため、互いに周方向の定められた位置で各画像ステーションの偏心の位相が所定値に維持されるように感光体ドラム3(リヤフランジ32)と駆動ギヤ502(ドラム駆動カップリング501)とが嵌合されていれば、任意の画像ステーションの感光体ドラム3が取り替えられたときにそれまで所定値に維持されていた各感光体ドラム3の変動位相がズレてしまうことがなく、感光体ドラム3の交換時にその感光体ドラム3と駆動ギヤ502とが各ドラム駆動カップリング501の軸上における周方向単一箇所でのみ嵌合して当該画像ステーションの偏心の位相が再び所定値に維持されることになり、再度感光体ドラム3の変動位相を所定値に調整するように制御する必要もなくなって、非常に簡単な構成で各画像ステーションの偏心の位相を元の良好な状態に維持することができ、感光体ドラム3交換後も良好なカラーレジストレーションを継続して得ることができる。
また、嵌合部504は、各駆動ギヤ502(502a〜502d)のドラム駆動カップリング501の外周面上における周方向所定間隔置きの3箇所において半径方向外方に突出するキー形状の突起部504−1,504−2,504−3と、感光体ドラム3(3a〜3d)のリヤフランジ32の内周面上における周方向所定間隔置きの3箇所において半径方向外方に凹設されたキー溝形状の凹部504−4,504−5,504−6とを備えているので、各画像ステーションの感光体ドラム3(3a〜3d)のリヤフランジ32と各駆動ギヤ502(502a〜502d)のドラム駆動カップリング501とが軸方向へ相対移動して嵌合し易くなり、感光体ドラム3(3a〜3d)の交換作業をスムーズに行うことができる。
そして、駆動ギヤ軸505上のドラム駆動カップリング501よりも駆動ギヤ502側寄りのストッパ506と駆動ギヤ502のドラム駆動カップリング501との間に、ドラム駆動カップリング501を感光体ドラム3のリヤフランジ32に対し嵌合させる方向(リヤフランジ32側)へ付勢する付勢スプリング507が縮装されているので、図5の(a)に示すように、感光体ドラム3の交換時にその感光体ドラム3のリヤフランジ32と駆動ギヤ502のドラム駆動カップリング501とが未嵌合状態であっても、図5の(b)に示すように、駆動ギヤ502の回転によりドラム駆動カップリング501が嵌合可能な位置まで回転した際に、各駆動ギヤ502(502a〜502d)のドラム駆動カップリング501の突起部504−1,504−2,504−3と、リヤフランジ32の凹部504−4,504−5,504−6とが合致し、図5の(c)に示すように、その軸上における周方向単一箇所でのみ確実に感光体ドラム3のリヤフランジ32に対し嵌合させることができる。
また、駆動ギヤ軸505の先端(感光体ドラム3側端)の穴部505aに対し感光体ドラム3のシャフト軸34の後端が嵌挿されて、駆動ギヤ軸505とシャフト軸34とが嵌合するようになっているので、駆動ギヤ502のドラム駆動カップリング501に対し感光体ドラム3中心のシャフト軸34が同軸上で嵌合されることになり、感光体ドラム3の偏心成分による影響が可及的に抑制され、感光体ドラム3交換後の良好なカラーレジストレーションを得る上で非常に有利なものとなる。
そして、2つのドラム駆動モータ503−1,503−2を備え、そのうちの一方のドラム駆動モータ503−1は、トナー色がブラックに設定された画像ステーションの感光体ドラム3aを駆動する駆動ギヤ502aに連結され、他方のドラム駆動モータ503−2は、トナー色がシアン、マゼンタ、イエローに設定された画像ステーションの感光体ドラム3b〜3dを駆動する駆動ギヤ502b〜502dに連結されており、各駆動ギヤ502(502a〜502d)のフロント側面(感光体ドラム3側面)に突設された突起502−1により各駆動ギヤ502の回転位相をそれぞれ個別に検出し、その検出された駆動ギヤ502(502a〜502d)の個々の回転位相信号に基づいて各ドラム駆動モータ503−1,503−2の回転を制御部により制御するようにしているので、複数の画像ステーションの感光体ドラム3(3a〜3d)に連結される駆動ギヤ502(502a〜502d)の各ドラム駆動モータ503−1,503−2を必要に応じて、具体的には、各駆動ギヤ502a〜502dの回転位相を個別に検出する各フォトインタラプタ508からの駆動ギヤ502a〜502d個々の回転位相信号に基づいて、各ドラム駆動モータ503−1,503−2の回転がそれぞれ個別に制御されることになる。これにより、各画像ステーションの偏心の位相が常時所定値に維持されることになり、感光体ドラム3交換後も良好なカラーレジストレーションを効果的に継続して得ることができる。
しかも、各駆動ギヤ502の回転位相が、各駆動ギヤ502(502a〜502d)のフロント側面(感光体ドラム3側面)に突設された突起502−1によりそれぞれ個別に検出されることにより、透過型のフォトインタラプタ508によって駆動ギヤ502a〜502dの回転位相信号を円滑に検出することができる。
また、制御部は、2つのドラム駆動モータ503−1,503−2のうちの一方のドラム駆動モータ503−1の駆動力により回転する駆動ギヤ502aの回転位相を基準にして、他方のドラム駆動モータ503−2の駆動力により回転する駆動ギヤ502b〜502dの回転位相を許容値(所定値)に維持するように制御しているので、各画像ステーションの偏心の位相が常時所定値に維持されることになり、感光体ドラム3交換後も良好なカラーレジストレーションをより効果的に存続して得ることができる。
そして、各画像ステーション全ての樹脂製の駆動ギヤ502a〜502dが、ダイとパンチとで周囲が形成された単一のキャビティのみを有する同一の金型により成形されている上、各画像ステーション全てのリヤフランジ32およびフロントフランジ33は、それぞれ個々にダイとパンチとで周囲が形成された単一のキャビティのみを有する同一の金型により成形されているので、各画像ステーションの駆動ギヤ502a〜502d、並びにリヤフランジ32およびフロントフランジ33は、各画像ステーションにおいて全て同じ精度で同一のものが成形されることになり、各画像ステーションの偏心の位相が所定値に円滑に維持されることになり、感光体ドラム交換後も良好なカラーレジストレーションをより一層存続して得ることができる。
なお、上記実施形態では、複数の画像ステーションの偏心の位相を所定値に維持するように各ドラム駆動カップリング501の軸上における周方向単一箇所でのみ感光体ドラム3(リヤフランジ32)と駆動ギヤ502(ドラム駆動カップリング501)とを嵌合させてカラーレジストレーションの悪化を低減させる場合について述べたが、単一の画像ステーションのみを有するモノクロ画像形成用の画像形成装置においてその画像ステーションの偏心の位相が所定値に維持されるようにドラム駆動カップリングの軸上における周方向単一箇所でのみ感光体ドラムと駆動ギヤとを嵌合させることで、モノクロ画像における中間調の縞模様を低減させる場合に適用してもよい。この場合、感光体ドラムが取り替えられたときにそれまで所定値に維持されていた感光体ドラムの変動位相がズレてしまうことがなく、感光体ドラムの交換時に感光体ドラムと駆動ギヤとがドラム駆動カップリングの軸上における周方向単一箇所でのみ嵌合して画像ステーションの偏心の位相が再び所定値に維持されることになり、再度感光体ドラムの変動位相を所定値に調整するように制御する必要もなくなって、非常に簡単な構成で画像ステーションの偏心の位相が元の良好な状態に維持され、感光体ドラム交換後も中間調の縞模様が消えた良好なモノクロ画像を継続して得ることができる。
また、上記実施形態では、各駆動ギヤ502a〜502dのフロント側面に突設した突起502−1により各駆動ギヤ502の回転位相を透過型のフォトインタラプタ508でもってそれぞれ個別に検出するようにしたが、図7に示すように、駆動ギヤ502′のフロント側面(感光体ドラム側面)にアルミ蒸着された被検出部としての反射板502−2を貼着し、これを反射型のフォトインタラプタ(位相検出手段)によって各駆動ギヤ502′の回転位相信号が検出されるようにしてもよく、この場合には、一般的に透過型のフォトインタラプタ508に比してドラム駆動カップリングのスラスト方向に短い反射型のフォトインタラプタによって画像ステーションのコンパクト化を図ることが可能となる。
そして、上記実施形態では、駆動ギヤ502のドラム駆動カップリング501の外周面上における周方向所定間隔置きの3箇所において半径方向外方に突出する突起部504−1,504−2,504−3と、感光体ドラム3のリヤフランジ32の内周面上における周方向所定間隔置きの3箇所において半径方向外方に凹設された凹部504−4,504−5,504−6とにより嵌合部504を構成したが、嵌合部は周方向に1箇所以上であれば何箇所設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、一方のドラム駆動モータ503−1によりトナー色がブラックに設定された画像ステーションの感光体ドラム3aを駆動させ、他方のドラム駆動モータ503−2によりトナー色がシアン、マゼンタ、イエローに設定された画像ステーションの感光体ドラム3b〜3dを駆動させるようにしたが、トナー色がシアン、マゼンタ、イエローに設定された画像ステーションの感光体ドラムをそれぞれ個々のドラム駆動モータにより駆動させるようにしてもよい。この場合、各画像ステーションの感光体ドラムは、4つのドラム駆動モータによりそれぞれ箇々に駆動されることになる。
そして、上記実施形態では、駆動手段として樹脂製の駆動ギヤ502(502a〜502d)を用いたが、樹脂製のプーリが駆動手段として適用されていてもよいのはもちろんである。
更に、上記実施形態では、カラープリンタとして構成された画像形成装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、カラー複写機として構成された画像形成装置や、複数の機能を備えた複合機として構成された画像形成装置にも適用可能である。