JP4775191B2 - 車室内の内装部品支持構造 - Google Patents
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Description
特許文献1の技術においては、フックをシートバックのパッド(クッション材)に埋め込む構造となっているため、フックに入力される荷重が大きい場合にはパッドからフックが外れてしまう事態が生じ得る。また、このとき、パッドを傷つけることになるため、シートバック本来の機能も損なわれてしまう。
さらに、この末端処理を行なったとしても、その後、フックに繰り返し荷重が入力されることにより、切込みからトリムカバーが破けたりほころんだりして美観が低下しやすいという課題もある。
特許文献3の技術においては、袋吊り下げ具の取付部材をシートバック(背もたれ部)の上部に引っ掛ける構造となっているが、このような構造では、車両が振動した場合において、取付部材が容易にシートバックから外れてしまう、またフックが確実に支持されずに下方に落ちてしまうという課題がある。また、シートバックの表皮材と取付部材との接触面が擦れあうことで、シートバック表皮材が傷みやすいという課題もある。
また、ガーニッシュ部材に入力される荷重の方向(即ち上下方向)に近似してブラケット部材が延在するようになっているので、比較的大きな荷重が内装部品側からガーニッシュ部材に入力されたとしても、この荷重を確実に受け止めることができるという利点がある。(請求項2)
また、このシートバック12は、シートバックフレーム(フレーム)13と、クッション材14と、このクッション材14を覆う表皮材15とにより主に形成されている。
なお、このシートバックフレーム13のうち、上下方向に延在する部分を鉛直フレーム13A,13Aといい、これらの鉛直フレーム13A,13Aの各上端を接続し水平方向に延在する部分を水平フレーム13Bという。
また、水平フレーム13Bにはヘッドレスト取付部材16,16が固定されている。これらのヘッドレスト取付部材16,16は断面中空の部材であって、その内部に図示しないヘッドレストのステーが挿入されるようになっている。
これらの各取付ブラケット17,17は、鉛直フレーム13A,13Aに沿って延在し、且つ、これらの鉛直フレーム13A,13Aに沿って溶接された金属製の板材であって、図5に示すように、5つのガーニッシュ取付穴17A〜17Eが穿設されている。これらのガーニッシュ取付穴17A〜17Eは、後述する樹脂ガーニッシュ(ガーニッシュ部材)18の5つの突起部18A〜18Eがそれぞれ嵌入するものである。
また、この取付ブラケット17は、一側に3つのフランジ部21〜23が形成され、これらのフランジ部21〜23がシートバック12の鉛直フレーム13Aに溶接されるようになっている。
図3〜図6に示すように、樹脂ガーニッシュ18は、取付ブラケット17の長さと略同じ長さの樹脂製の板材であって、上穴24と下穴25の2つの穴部が穿設されている。
そして、これらの上穴24または下穴25には、例えば、図6に示すように、フック部材(内装部品)26が着脱可能に係合されるようになっている。なお、このフック部材26の構造については後述する。
同様に、下穴25の小径部25Bも、一対の直線部(第1直線部)25B1,25B1と、この直線部25B1,25B1の下端を接続する円弧状の円弧部(第1円弧部)25B2と、直線部25B1,25B1の両上端の間に形成された開口である開口部25B3とにより、略U字形に形成されている。
また、図3に示すように、樹脂ガーニッシュ18の裏面には、上穴24の小径部24Bの周縁両側方(図4中符号A24B1,A24B1参照)近傍または下穴25の小径部25Bの周縁両側方(図4中符号A25B1,A25B1参照)近傍に一対の側方隆起部18F,18Fが形成され、小径部24Bの周縁下方(図4中符号A24B2参照)または小径部25Bの周縁下方(図4中符号A25B2参照)に下方隆起部18Gが形成されている。そして、これら側方隆起部18Fと下方隆起部18Gは、フック部材26が上穴24または下穴25に係合された際に、フック部材26と当接されるようになっている。(図13、図14参照)
さらに、この樹脂ガーニッシュ18の裏面には、5つの突起部18A〜18Eが形成されている。なお、これら5つの突起部18A〜18Eのうちの突起部18Cを除く全てには、固定部材39がそれぞれ設けられている。
また、図7に示すように、取付ブラケット17と樹脂ガーニッシュ18との間にはシートバック12の表皮材15が介装されている。つまり、この表皮材15は、取付ブラケット17を覆っており、これにより、取付ブラケット17が露出することがない、またフック部材26が係合されていない状態において、上穴24,下穴25内に表皮材15が見えるので、シートバック12背面の見栄えが低下することを防ぐことができ、車室の美観を損なうことがないようになっている。
これらのうち、基部27は、高さh2で形成された平板状の部分である。
また、前端部28は、基部27に対して所定距離L1離間し、その高さh1が基部27の高さh2よりも低く形成された部分である。
また、嵌入部31は、基部27の後面に設けられた部分であって、主に、円盤部(挿入部)32と、上端部33と、溝部34と、内壁部35とにより一体に形成されている。
図10に示すように、円盤部32は、樹脂ガーニッシュ18の上穴24および下穴25における大径部24A,25Aの各内径D24A,D24B(図4参照)よりも小さく、且つ、小径部24B,25Bの各内径D24A,D24B(図4参照)よりも大きな外径D32を有する円盤状の部分である。また、この円盤部32は、上穴24および下穴25における大径部24A,25Aに挿入される部分でもある。
また、内壁部35は、図11に示すように、上端部33とともに円盤部32と基部27とを接続する略U字形の壁部であって、その全幅(外径)D35は、樹脂ガーニッシュ18の上穴24および下穴25における小径部24B,25Bの各内径D24A,D24Bよりも僅かに小さくなるように形成されている。
また、内壁部35と上端部33とが接続される境界部、いわゆる一対の直線部35A、35Aの両上端部には、左右側方に突出された一対の鍔部35C、35Cが形成されている。
また、円弧部35Bは、直線部35A,35Aの両下端を接続し、小径部24Bの円弧部24B2または小径部25Bの円弧部25B2に突き当たって合致するように形成された部分である。
また、溝部34は、上端部33と円盤部32と基部27と内壁部35との間で形成される窪みである。
隆起部36は、フック部材26が上穴24または下穴25に係合された状態において、樹脂ガーニッシュ18の小径部24Bの周縁両側方(図4中符号A24B1,A24B1参照)または小径部25Bの周縁両側方(図4中符号A25B1,A25B1参照)に設けられた側方隆起部18F,18Fよりも下方側に位置するよう配置されている。(図14参照)
また、図9に示すように、隆起部36と基部27との間の距離L36は、樹脂ガーニッシュ18の板厚T18(図14参照)よりも僅かに短くなるように設定されている。
また、図10に示すように、これらの隆起部36,36の両側には、それぞれ、一対のスリット38,38が形成されている。また、円盤部32において、隆起部36の両端における肉厚T36が、他の部分の肉厚T32よりも薄く形成されている。
これにより、フック部材26の下方部における樹脂ガーニッシュ18との隙間をもなくすことで、フック部材26のがたつきを防止することができる。
シートクッション11を製造する際には、まず、シートバック12の鉛直フレーム13Aに対して取付ブラケット17,17を溶接する。
その後、クッション材14をフレーム13に対して固定し、そして、クッション材14を表皮材15で覆う。
これにより、車両の乗員が、上穴24および下穴25を通して取付ブラケット17,17を視認するという事態を防ぐことができる。また、表皮材15の切り込みも樹脂ガーニッシュ18により覆うことができる。
このように、本実施形態にかかる本願発明によれば、簡素な構造で、車室内の美観が低下することを防ぎながら、車室の使い勝手を向上させることができるのである。
また、取付ブラケット17に対する樹脂ガーニッシュ18の取付は、取付ブラケット17のガーニッシュ取付穴17A〜17Eに対して、樹脂ガーニッシュ18の対応する突起部18A〜18Eを挿入して押し込むだけでよいので、取り付け作業の簡略化を図ることもできる。
また、上穴24は、大径部24Aと小径部24Bとから形成され、このうち、小径部24Bは、上穴24の大径部24Aの内径D24Aよりも小さな内径D24Bを有し、且つ、大径部24Aの下方でこの大径部24Aと連通して形成されている。
他方、フック部材26の嵌入部31は、大径部24A,25Aの内径D24A,D25Aよりも小さく、且つ、小径部24B,25Bの内径D24B,D25Bよりも大きな外径D32を有する円盤部32を有している。
これにより、フック部材26の円盤部32を上穴24または下穴25の大径部24Aまたは大径部25Aに挿入した後、フック部材26を小径部24Bまたは小径部25Bの開口部24B3,25B3に向かってスライドさせると内壁部35が小径部24Bまたは小径部25Bに嵌入された状態となる。すなわちフック部材26の嵌入部31が小径部24Bまたは小径部25Bと係合することで、フック部材26と樹脂ガーニッシュ18とが係合される。
つまり、車両の振動により、フック部材26に保持された荷物が揺れたような場合であっても、フック部材26と樹脂ガーニッシュ18との係合が容易に外れることを防ぎながら、上穴24または下穴25に対するフック部材26の着脱性が低下することを防ぐことができるのである。
同様に、下穴25の小径部25Bも、一対の直線部(第1直線部)25B1,25B1、および、この直線部25B1,25B1の下端を接続する円弧状の円弧部(第1円弧部)25B2とから成り、略U字形に形成されている。
また、隆起部36と基部27との間の距離L36は、樹脂ガーニッシュの板厚T18よりも僅かに短くなるように設定されているので、フック部材26が樹脂ガーニッシュ18の上穴24または下穴25に対して嵌入する際に、無駄な隙間が形成されることを防ぎ、フック部材26と樹脂ガーニッシュ18とが確実に係合することができる。
これにより、隆起部36が撓むことを許容し、フック部材26を樹脂ガーニッシュ18の上穴24または下穴25に対して係合する際に、隆起部36と樹脂ガーニッシュ18との間で適切な摺動抵抗を生じさせることができる。
そして、一旦、フック部材26の隆起部36が樹脂ガーニッシュ18に対して摺動し得る程度の力がフック部材26に対して上から下へ入力されれば、摩擦係数が低減し、フック部材26の内壁部35の円弧部35Bを、上穴24の円弧部24B2または下穴25の円弧部25B2に確実に突き当てることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、フック部材26の基部27の高さh2を、上述の実施形態のものよりも高く形成し、フック部材26が上穴24または下穴25に係合された場合に、上穴24の大径部24Aまたは下穴25の大径部25Aを、フック部材26の基部27が覆うように形成してもよい。これにより、さらなる車内の美観の向上を図ることができる。
12 シートバック
13 シートバックフレーム(フレーム)
13A 鉛直フレーム
15 表皮材
17 取付ブラケット(ブラケット部材)
18 樹脂ガーニッシュ(ガーニッシュ部材)
24 上穴(穴部)
24A 大径部
24A1 内周部
24B 小径部
24B1 直線部(第1直線部)
24B2 円弧部(第1円弧部)
24B3 開口部
D24A 第1内径
D24B 第2内径
25 下穴(穴部)
25A 大径部
25A1 内周部
25B 小径部
25B1 直線部(第1直線部)
25B2 円弧部(第1円弧部)
25B3 開口部
D25A 第1内径
D25B 第2内径
26 フック部材(内装部品)
32 円盤部(挿入部)
35 内壁部
35A 直線部(第2直線部)
35B 円弧部(第2円弧部)
35C 鍔部
36 隆起部(側方当接部)
37 下方当接部
Claims (2)
- 車両の客室内に設けられるシート装置のシートバックにおいて、
該シートバック内のフレームに固定されたブラケット部材と、
該ブラケット部材および該シートバックを覆う表皮材と、
該ブラケット部材に固定され、所定の内装部品が着脱可能に係合される穴部を有して該内装部品を支持するガーニッシュ部材とを備え、
該表皮材は、該ブラケット部材と該ガーニッシュ部材との間に介装されている
ことを特徴とする、車室内の内装部品支持構造。 - 該シートバックの該フレームは、上下方向に延在する鉛直フレームを有し、
該ブラケット部材は、該鉛直フレームに沿って延在する
ことを特徴とする、請求項1記載の車室内の内装部品支持構造。
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