JP4775010B2 - レンズ鏡筒及びカメラ - Google Patents
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Description
このレンズ鏡筒は、沈胴動作時におけるレンズ群の光軸方向への移動と連動してこのレンズ群を光軸上から退避させる連動機構部を備えている。
本発明の課題は、ブレ補正光学系の退避を確実に行えるレンズ鏡筒及びカメラを提供することである。
請求項1の発明は、光軸と交わる面内における位置が拘束された固定部と、前記固定部に対して前記光軸と交わる面内で移動可能に支持され、かつ、前記光軸方向における使用位置と収納位置との間を移動する振動部と、前記振動部に軸支され、前記振動部に追従して前記光軸と交わる面内で移動するブレ補正光学系と、前記振動部の前記使用位置から前記収納位置への移動と連動して前記ブレ補正光学系を前記振動部に対して相対移動させて前記光軸上から退避した退避位置へ移動させる退避機構部と、前記振動部を前記光軸と交わる面内で移動させるブレ補正駆動部と、前記振動部を前記使用位置から前記収納位置へ移動させる収納命令を出力する収納制御部と、前記収納制御部が前記収納命令を出力した後に前記ブレ補正駆動部を動作させて前記振動部を前記光軸と交わる面内における所定の位置に保持させる駆動制御部とを備えるレンズ鏡筒である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒において、電源のオンオフを切換える電源制御部を備え、前記収納制御部は、前記電源制御部において前記電源のオフが選択された場合に前記収納命令を出力することを特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項4の発明は、請求項2に記載のレンズ鏡筒において、前記駆動制御部は、前記第1の連動部と前記第2の連動部との係合が開始された後に前記ブレ補正駆動部の動作を終了させることを特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項5の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、前記振動部の前記使用位置から前記収納位置への移動と連動して前記振動部の前記光軸と交わる面内での移動を拘束するガイド機構部を備え、前記駆動制御部は、前記ガイド機構部による前記移動部の拘束が開始された後に前記ブレ補正駆動部の動作を終了させることを特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を備えることを特徴とするカメラである。
図1は、実施例1のレンズ鏡筒の撮影状態における断面図である。図1(a)、図1(b)は、それぞれレンズ鏡筒の光軸を含む鉛直面における断面、及び、図1(a)のb−b部矢視断面を示す図である。
図2は、実施例1のレンズ鏡筒の沈胴状態における断面図である。図2(a)、図2(b)は、それぞれレンズ鏡筒の光軸を含む鉛直面における断面、及び、図2(a)のb−b部矢視断面を示す図である。
図3は、図1(b)のIII−III部矢視断面図である。
図4は、上述したレンズ鏡筒を含むカメラの構成を示すブロック図である。
CCD2は、上述したズームレンズが結像する被写体像を電気的な信号に変換する固体撮像素子である。CCD2は、第4レンズ群L4の射出側に配置されている。
光学ローパスフィルタ(LPF)3は、CCD2が取得する画像上におけるモアレの発生を防止するものである。LPF3は、CCD2の撮像面部に設けられている。
また、CCD台4は、図3に示すように、沈胴時にブレ補正レンズ群室19をスライドさせる駆動部(連動部)4aが設けられている。
駆動部4aは、CCD台4の光軸方向対物側の面部から突き出して形成された突起状の部材である。駆動部4aは、その先端部に、ブレ補正レンズ群室19を退避させるカム面部4bが形成されている。
回転筒6は、固定筒5の内径側に挿入される筒体である。回転筒6は、外周面部から突き出して形成されたカムフォロワピンを備えている。
回転筒6は、レンズ鏡筒1の沈胴状態と撮影状態との間の移行、及び、撮影状態におけるテレ側とワイド側との間の移行に伴う駆動時に(以下、単に「レンズ鏡筒1の駆動時」と称する)、固定筒5に対して中心軸回りに回転することによって、固定筒5との間に設けられるカム機構によって、固定筒5に対して光軸A1方向に移動する。
カム筒8は、外側直進筒7の内径側に配置される筒体である。カム筒8は、その外周面部に第1レンズ群筒10を駆動するカム溝が形成されている。また、カム筒8は、その内周面部に第2レンズ群筒13及び第3レンズ群筒15をそれぞれ駆動するカム溝が形成されている。カム筒8は、レンズ鏡筒1の駆動時に図示しないアクチュエータによって中心軸回りに回転駆動されることによって、これらの各レンズ群筒を光軸方向に駆動するものである。
内側直進筒9は、カム筒8の内径側に挿入されるものである。内側直進筒9は、外側直進筒7とその光軸方向像側の端部において接続されている。内側直進筒9は、第2レンズ群筒13及び第3レンズ群筒15を、それぞれ光軸A1方向に直進案内するものである。
第1レンズ群ガイド筒11は、第1レンズ群筒10の外径側でありかつ外側直進筒7の内径側に配置された直進筒である。第1レンズ群ガイド筒11は、外側直進筒7に対して直進案内されるとともに、第1レンズ群筒10を直進案内するものである。
第1レンズ群室12は、その内径側に第1レンズ群L1が固定される円環状の部材であって、第1レンズ群筒10に対してネジ結合によって固定されている。
第2レンズ群室14は、その内径側に第2レンズ群L2が固定される円環状の部材であって、第2レンズ群筒13に対してネジ結合によって固定されている。
また、第3レンズ群筒15は、その内径側に遮光板15aを備えている。遮光板15aは、振動枠17とシャッタ絞りユニット22との間に配置されたリングプレート状の遮光部を備え、第3レンズ群筒15に対して固定されている。
上述した固定筒5、回転筒6、外側直進筒7、カム筒8、内側直進筒9、第1レンズ群筒10、第1レンズ群ガイド筒11、第1レンズ群室12、第2レンズ群筒13、第2レンズ群室14、第3レンズ群筒15の共通の中心軸A2は、通常撮影時において、光軸A1よりも上側に配置されている。これらの各筒体は、各レンズ群L1〜L4に対して偏心して配置されている。
ここで、本明細書において、通常撮影時とは、光軸A1を水平として横長の画像を撮影する際のレンズ鏡筒1の姿勢を指すものとする。
振動枠17は、固定枠16の光軸方向対物側の面部に対向して配置されている。振動枠17は、固定枠16に対して光軸A1と直交する面内において移動(シフト)可能に支持されている。振動枠17は、センタリングされた状態から、固定枠16に対して光軸A1と直交する方向(ラジアル方向)に例えば0.25mm程度移動可能となっている。また、振動枠17は、ブレ補正レンズ群室19を回転可能に軸支する回転軸17aを備えている。この回転軸17aは、図1(b)、図2(b)に示すように、通常撮影時における光軸A1の斜め上側に配置され、その軸方向は光軸A1と平行となっている。
また、固定枠16は、振動枠17側に突き出して形成され、その先端部に鋼球Bが当接する平底の凹部が形成された鋼球受け部16aが設けられている。
ここで、ピッチングとは、光軸と直交しかつ通常撮影時において水平方向に延在する軸回りのレンズ鏡筒の回転をいう。また、ヨーイングとは、光軸と直交しかつ通常撮影時において鉛直方向に延在する軸回りのレンズ鏡筒の回転をいう。
VCM18は、対ピッチングブレ補正用のもの、対ヨーイングブレ補正用のものがそれぞれ設けられ、これらには必要に応じて符号に添字P,Yをそれぞれ付して図示する(後述する位置検出器及びジャイロセンサにおいても同じ)。
図1(b)、図2(b)に示すように、VCM18P,18Yは、それぞれ光軸A1に対して下側及び側方に設けられている。
また、VCM18は、駆動回路18a(図4参照)を備えている。駆動回路18aは、後述するブレ補正制御部29が行う公知のブレ補正制御に従って、VCM18に駆動電力を供給し、これらを動作させるものである。
ブレ補正レンズ群室19は、この回転軸17a回りに回転することによって、ブレ補正レンズ群L3の光軸が他のレンズ群の光軸A1と略一致した撮影状態と、光軸A1上から退避した収納状態との間を移行するものである。
また、ブレ補正レンズ群室19は、ブレ補正レンズ群室19を撮影状態における位置側に付勢するバネ19aと、CCD台4の駆動部4aと当接する当接部19bとを備えている。当接部19bは、これに対して駆動部4aが光軸方向に相対移動した際に、カム面部4bと摺動してカムフォロワとして機能し、ブレ補正レンズ群室19を回転軸17a回りに回転させるものである。
図1(b)及び図2(b)に示すように、付勢バネ20は、光軸A1回りに周方向に離間して複数が配置されている。例えば、この実施例1の場合は、付勢バネ20は、VCM18、及び、ブレ補正レンズ群L3の撮影状態における位置から収納状態における位置への移動経路上を避けて、2本が設けられている。
シャッタ絞りユニット22は、第2レンズ群L2とブレ補正レンズ群L3との間に設けられ、露光時間を調整する図示しないシャッタ幕と、通過光量を調整する図示しない絞り部とを備えている。
シャッタ絞り駆動モータ22aは、シャッタ幕及び絞り部を駆動する駆動力を発生するアクチュエータである。
シャッタ絞り駆動機構22bは、シャッタ絞り駆動モータ22の出力をシャッタ幕及び絞り部に伝達する動力伝達機構部である。
シャッタ絞り駆動回路22cは、メインバス36を介してCPU35から入力される命令に応じて、シャッタ絞り駆動モータ22aに駆動電力を供給するドライバ部を備えている。
レンズ駆動モータ24aは、各レンズ群を駆動する駆動力を発生するDCモータである。
レンズ駆動機構24bは、レンズ駆動モータ24aの出力を各レンズ群に伝達する動力伝達機構部である。このレンズ駆動機構24bは、上述した回転筒6及びカム筒8と、これらにレンズ駆動モータ24aの出力を伝達する図示しないギア列を含む。
レンズ駆動回路24cは、メインバス36を介してCPU35から入力される命令に応じてレンズ駆動モータ24aに駆動電力を供給するドライバ部を備えている。
メモリカードドライブ装置26は、メモリカード26aが着脱可能に装着されるスロット部を備えている。メモリカード26aは、例えばフラッシュメモリ等の書込可能な記憶装置を備えている。メモリカードドライブ装置26は、画像処理回路25が出力する画像データを、メモリカード26a内の記憶装置に書き込むものである。
また、ブレ補正制御部29は、位置検出器27が検出する固定枠16に対する振動枠17の位置に関する情報を用いて、フィードバック制御を行う。
レリーズスイッチ31は、ユーザがレリーズ操作を行う押しボタンスイッチである。レリーズスイッチ31は、そのストロークの中間領域まで押圧する半押し操作、及び、ストロークの最後まで押圧する全押し操作の入力が可能となっている。
半押し操作は、公知のAF駆動、AE制御、ブレ補正制御の開始を行うものである。
また、全押し操作は、レリーズ操作を入力するものである。
電源スイッチ33は、ユーザが電源回路32のオンオフ操作を入力するものである。
ズームスイッチ34は、ユーザがレンズ鏡筒1の焦点距離を変更するズーミング操作を入力するものである。
CPU35は、上述した各要素を含むカメラ全体を統括的に制御するものである。このCPU35は、上述した電源スイッチ33によって電源オフ操作が入力された際に、レンズ駆動回路24cに命令を出力して、レンズ鏡筒1の沈胴(収納)動作を開始させる収納制御部としても機能する。
<ステップS01:電源オンオフ判断>
CPU35は、電源スイッチ33から電源オフ操作が入力されたか否かを判断し、電源オフ操作が入力された場合はステップS10に進み、入力されない場合はステップS02に進む。
<ステップS02:VRスイッチオンオフ判断>
CPU35は、VRスイッチ30の状態を検出し、VRスイッチ30がオフの場合はステップS03に進み、オンの場合はステップS04に進む。
CPU35は、VCM18及び位置検出器27が通電されていない場合はその状態を維持し、通電されている場合はこの通電を停止させる命令を出力する。これによって、ブレ補正装置はオフ状態とされる。ステップS05に進む。
<ステップS04:VCM、位置検出器通電開始(VRオン)>
CPU35は、VCM18及び位置検出器27が通電されていない場合はその通電を開始するとともに、通電されている場合はこの通電を継続させる命令を出力する。これによって、振動枠17は、ブレ補正制御部29が行うブレ補正制御に従った駆動を受付可能な状態とされる。ステップS05に進む。
CPU35は、レリーズスイッチ31の半押し操作有無を判断し、半押し操作があった場合はステップS06に進み、半押し操作がなかった場合はステップS01に戻りこれ以降の処理を繰返す。
<ステップS06:AF、AE処理>
CPU35は、公知の自動焦点合わせ(AF)、自動露出制御(AE)処理を行う。
AF処理は、CCD2が出力する画像情報に基づいて、所定の測距箇所におけるコントラストをモニタしながら各レンズ群を駆動し、コントラストが最良となる箇所を検出するものである。
また、AE処理は、CCD2が出力する画像情報から輝度データを抽出する測光処理を行い、この結果に応じてシャッタ絞りユニット22における露光時間(シャッタ開時間)及び撮影時絞り値を選択するものである。
CPU35は、レリーズスイッチ31の全押し操作有無を判断し、全押し操作があった場合はステップS09に進み、全押し操作がなかった場合はステップS08に進む。
<ステップS08:レリーズスイッチ半押し解除判断>
CPU35は、レリーズスイッチ31の半押し操作が解除されているか、解除されず継続されているかを判断し、半押し操作が解除された場合はステップS01に戻りこれ以降の処理を繰返す。また、半押し操作が継続されている場合はステップS07に戻りこれ以降の処理を繰返す。
CPU35は、シャッタ絞り駆動回路22cに命令を出力し、シャッタ絞りユニット22を駆動させて、ステップS06において設定した露光条件に従ってCCD2に被写体像光を露光させる。CCD2は、この被写体像に係る画像信号を出力する。画像処理回路25は、この画像信号に基づいて画像データを生成し出力する。メモリカードドライブ装置26は、この画像データをメモリカード26aに記録する。
そして、これら一連の撮像処理が終了後、ステップS01に戻る。
CPU35は、PI23の出力信号を検出し、ハイであるときは沈胴が未終了であると判断してステップS11に進み、ローであるときは沈胴が終了したものと判断してステップS15に進む。
CPU35は、VCM18及び位置検出器27に通電されていない場合は、VCM18及び位置検出器27に通電を開始させる命令を出力し、ステップS12に進む。なお、既にVCM18及び位置検出器27に通電されている場合は、通電が継続される。
<ステップS12:振動枠位置判断>
CPU35は、位置検出器27P,27Yの出力に基づいて、振動枠17の固定枠16の位置が、ブレ補正レンズ群L3の光軸が他のレンズ群の光軸A1と略一致する所定の範囲内であるか否か(実質的にセンタリング状態か否か)を判断する。
そして、位置検出器27が検出した固定枠16に対する振動枠17の位置が、上述した所定の範囲から逸脱している場合は、ステップS13に進む。一方、振動枠17が所定の範囲内にあるときは、ステップS14に進む。
<ステップS13:振動枠センタリング>
CPU35は、ブレ補正制御部29に対して命令を出力し、ブレ補正レンズ群L3がセンタリング状態となるように振動枠17をVCM18によって駆動させてステップS12に戻る。
CPU35は、モータ駆動回路24cに対して、レンズ駆動モータ24aを予め設定された所定のパルス数に応じて駆動させる命令を出力し、この駆動後ステップS10に戻る。
ここで、レンズ駆動モータ24aの駆動が開始されると、回転筒6及びカム筒8は、固定筒5に対して、中心軸A2回りに回転駆動される。このとき、各カム機構部の機能によって、第1レンズ群筒10、第2レンズ群筒13、第3レンズ群筒15は、それぞれ固定筒5に対して、光軸A1方向像側に移動する。
また、第4レンズ群室21は、図示しないフォーカシングモータによって駆動され、固定筒5に対して、光軸A1方向像側に移動する。
各レンズ群の駆動は終了されるとともに、VCM18及び位置検出器27は、その通電を停止され、一連の処理は終了する。
図6は、実施例2のレンズ鏡筒のワイド端側における撮影状態(使用状態)を示す断面図である。図7は、レンズ鏡筒のテレ端側における撮影状態を示す断面図である。図8は、図6のVIII−VIII部矢視図である。
第1レンズ群L11及び第2レンズ群L12は、それぞれ光軸A方向に移動することによって撮影用レンズ群の焦点距離を変化させるズーミング用レンズ群である。第1レンズ群L11及び第2レンズ群L12は、それぞれ円環状のレンズ枠を有する第1レンズ群室110、第2レンズ群室120に固定されている。
なお、ブレ補正レンズ群L13、第4レンズ群L14もズーミングレンズ用レンズとして機能し、光軸A方向に移動する。
ここで、ブレ補正レンズ群L13以外のレンズ群L11,L12,L14は、このようなシフトを行わない通常光学系となっている。
また、第4レンズ群室140は、図示しないフォーカシング機構を用いて、公知のAF制御によって光軸A方向に駆動されるようになっている。
シャッタユニット150は、ブレ補正レンズ群L13の入射側に設けられている。シャッタユニット150は、複数のプラスチック薄片によって構成されたシャッタ部を備え、CCD160への露光量を調節するものである。
CCD160は、第4レンズ群L14の射出側に設けられている。CCD160は、撮影用レンズ群が結像した画像を電気的な信号に変換して出力する固体撮像素子である。
LPF170は、第4レンズ群L14とCCD160との間に配置されている。LPF170は、撮像画像上におけるモアレの発生を防止するために設けられる光学式のものである。
ガイド部材211は、後述するブレ補正ユニット300の振動枠310を案内する案内部である。ガイド部材211は、第1レンズ群筒210の対物側の端面における第1レンズ群L11の外径側の領域から、光軸A方向像側に突き出して形成されている。ガイド部材211は、その先端側(光軸A方向像側)に近づくにつれて徐々に細くなるようにテーパ状に形成されている。このガイド部材211による案内動作については後に説明する。
レンズバリアユニット212は、第1レンズ群筒210の対物側の端部に固定されている。
ここで、第2レンズ群室120は、その外周面部につば状に突き出して形成されたフランジ部を備えている。第2レンズ群室120は、このフランジ部をナット121によって第2レンズ群保持枠220に締結されている。また、このフランジ部のナット121に対する反対側の面部には、第2レンズ群L12の位置を微調整するための調整ワッシャ122が備えられている。
第1カム筒260、第2カム筒270は、それぞれ円筒状に形成されている。第1カム筒260、第2カム筒270は、図示しない連動機構によって、固定筒250に対して光軸A回りに回転可能となっている。
第1カム筒260は、固定筒250の内径側に挿入されている。第1カム筒260は、その外周面部に固定筒250の内周面に形成されたカム溝に挿入されるカムフォロワが形成されている。また、第1カム筒260は、内周面部に第2レンズ群保持枠220及びブレ補正レンズ群保持枠230にそれぞれ形成されたカムフォロワが挿入されるカム溝が形成されている。
第2カム筒270は、第1カム筒260のさらに内径側に挿入されている。第2カム筒270は、その内径側には第1レンズ群筒210が挿入されている。第2カム筒270は、その内周面に第1レンズ群筒210の外径側に形成されたカムフォロワが挿入されるカム溝が形成されている。
CCD台290は、固定筒250の光軸A方向像側の端部に固定され、その開口端を閉塞する面部である。CCD160及びLPF170は、このCCD台290に固定されるものである。
この振動枠310は、その外周縁部を凹ませて形成され、上述したガイド部材211が挿入される凹部310aが設けられている。
回転軸311は、振動枠310の光軸A方向像側の面部から突き出して形成されたピン状の部分である。回転軸311は、ブレ補正レンズ群室130の外径側に突き出して形成されたアーム部131の先端部を回転可能に軸支するものである。この回転軸311の中心軸は、光軸Aと略平行に配置されている。また、回転軸311は、通常撮影時における光軸Aの斜め上方に配置されている。
回転止め313は、振動枠310の表面から突き出して形成された凸部である。回転止め313は、ブレ補正レンズ群室130の外径側でありかつアーム部131とは光軸に対して略対称に配置された突起部132と当接することによって、バネ312の付勢力によるブレ補正レンズ群室130の回転を規制するものである。
コイル321は、振動枠310に固定されている。
マグネット322は、ブレ補正レンズ群保持枠230に固定され、コイル321と対向して配置された永久磁石である。
ヨーク323は、マグネット322のコイル321とは反対側の面部に固定されている。
ヨーク324は、振動枠310の光軸A方向像側に配置され、ブレ補正レンズ群保持枠230に対して固定されたブレ補正ユニットカバー340に固定されている。ヨーク324は、コイル321のマグネット322側とは反対側の面部に対向して配置されている。
図8に示すように、VCM320Pは、通常撮影時における光軸Aの下側に配置されている。また、VCM320Yは、通常撮影時における光軸Aの側方であって、VCM220Pに対して光軸A回りの角度において90°離間した位置に配置されている。
位置検出器330Pは、通常撮影時におけるVCM320Yの上側の領域に配置されている。
位置検出器330Yは、VCM320Yに対して光軸Aを挟んだ反対側の領域に配置されている。
さらに、実施例2のレンズ鏡筒は、第1PI401、第2PI402を備えている。
第1PI401は、実施例1におけるPI23と同様に、レンズ鏡筒が沈胴状態において出力がローとなり、それ以外の状態ではハイとなるものである。
第2PI402は、ガイド部材211が振動枠310の凹部310aに係合した場合において出力がローとなり、それ以外の状態ではハイとなるものである。
図9は、実施例2のカメラにおけるCPUの動作を示すフローチャートである。図示しないCPUは、上述した実施例1におけるCPU35と実質的に同様のものである。
図9において、ステップS01からステップS09までの各ステップは実施例1のステップS01からステップS09までと実質的に同じである。但し、ステップS01において、電源オフが実行された場合は、実施例のステップS10に代えて、以下説明するステップS21に進む点で相違する。
以下、ステップS21以降の処理について、ステップ毎に順を追って説明する。
CPUは、第1PI401の出力信号を検出し、ハイであるときは沈胴が未終了であると判断してステップS22に進み、ローであるときは沈胴が終了したものと判断して一連の処理を終了する。
<ステップS22:第2PI状態判断>
CPUは、第2PI402の出力信号を検出し、ハイであるときはガイド部材211が振動枠310の凹部310aに未係合であると判断してステップS23に進み、ローであるときは、これらが係合済であると判断してステップS27に進む。
CPUは、VCM320及び位置検出器330が通電されていない場合はその通電を開始するとともに、通電されている場合はこの通電を継続させる命令を出力する。ステップS24に進む。
<ステップS24:振動枠位置判断>
CPUは、実施例1のステップS12と同様に、位置検出器330の出力に基づいて、ブレ補正レンズ群L13が実質的にセンタリングされた状態か否かを判断する。
そして、センタリングされていない場合はステップS25に進む。一方、センタリングされている場合は、ステップS26に進む。
<ステップS25:振動枠センタリング>
CPUは、実施例1のステップS13と同様にして、ブレ補正レンズ群L3のセンタリングを行う命令を出力し、ステップS24に戻る。
<ステップS26:所定パルス駆動>
CPUは、実施例1のステップS14と同様に、図示しないレンズ駆動モータを駆動させる命令を出力する。
各レンズ群の駆動は終了されるとともに、VCM320及び位置検出器330は、その通電を停止される。これによって、振動枠310は、VCM320の駆動力が切断され、これ以降はガイド部材211によって光軸Aと交わる面内において拘束される。
<ステップS28:所定パルス駆動>
CPUは、実施例1のステップS14と同様に、図示しないレンズ駆動モータを駆動させる命令を出力する。
図10は、レンズ鏡筒の撮影状態から収納状態への移行中(レンズ駆動モータ駆動中)の状態を示す横断面図である。
先ず、レンズ鏡筒は、図示しないズーミング用モータによって、第1カム筒260及び第2カム筒270を回転駆動して、第1レンズ群筒210及び第2レンズ群保持枠220を光軸A方向像側に移動させる(ステップS26,S28)。
そして、第1レンズ群筒210の移動と連動して、第1レンズ群筒210に固定されたガイド部材211は、第1レンズ群L11とブレ補正レンズ群L13との間隔が撮影状態における最小値よりも小さい状態において、ブレ補正ユニット300の振動枠310に形成された凹部310aに挿入される。これによって、PI402はその出力がハイからローに推移し、VCM320は通電を停止される(ステップS22,S27)。
ブレ補正レンズ群L13は、図11に示すように、ブレ補正レンズ群室130のカム面部134が押圧されることによって、他のレンズ群の光軸A上から退避する。
レンズ鏡筒は、ブレ補正レンズ群L13の退避終了後、第1レンズ群筒210、第2レンズ群保持枠220、ブレ補正レンズ群保持枠230をさらに光軸A方向像側に移動させて、図12に示すように、第4レンズ群L14と光軸A上から退避したブレ補正レンズ群L13とが光軸A方向において重なって配置された状態となる。
本発明は、以上説明した各実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)各実施例は、沈胴動作時に振動部をセンタリングした状態に拘束しているが、振動部を拘束する位置は、センターに限らず、退避機構部を確実に作動させることができる範囲であれば振動部が移動する面内における任意の箇所でよい。例えば、振動部がその移動範囲の一方の端部に押し付けられ、メカロックがかかった状態で退避機構部を係合させるようにしてもよい。
(2)各実施例のレンズ鏡筒は、例えばデジタルスチルカメラの撮影用レンズ鏡筒であったが、本発明はこれに限らず、例えばフィルムカメラや、動画撮影用のムービーカメラにも適用することができる。
18:VCM、19:ブレ補正レンズ群室、20:付勢バネ
28:位置検出器、29:ブレ補正制御部、35:CPU
Claims (6)
- 光軸と交わる面内における位置が拘束された固定部と、
前記固定部に対して前記光軸と交わる面内で移動可能に支持され、かつ、前記光軸方向における使用位置と収納位置との間を移動する振動部と、
前記振動部に軸支され、前記振動部に追従して前記光軸と交わる面内で移動するブレ補正光学系と、
前記振動部の前記使用位置から前記収納位置への移動と連動して前記ブレ補正光学系を前記振動部に対して相対移動させて前記光軸上から退避した退避位置へ移動させる退避機構部と、
前記振動部を前記光軸と交わる面内で移動させるブレ補正駆動部と、
前記振動部を前記使用位置から前記収納位置へ移動させる収納命令を出力する収納制御部と、
前記収納制御部が前記収納命令を出力した後に前記ブレ補正駆動部を動作させて前記振動部を前記光軸と交わる面内における所定の位置に保持させる駆動制御部と
を備えるレンズ鏡筒。 - 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記退避機構部は、前記振動部に支持された第1の連動部と、前記振動部の前記収納位置への移動と連動して前記振動部に対して近づく向きに相対移動し前記第1の連動部と係合する第2の連動部とを備え、
前記駆動制御部は、前記収納制御部が前記収納命令を出力した後に、前記光軸と交わる面内における前記振動部の位置を、前記第1の連動部と前記第2の連動部との前記係合が可能な位置に保持させること
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒において、
電源のオンオフを切換える電源制御部を備え、
前記収納制御部は、前記電源制御部において前記電源のオフが選択された際に前記収納命令を出力すること
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項2に記載のレンズ鏡筒において、
前記駆動制御部は、前記第1の連動部と前記第2の連動部との係合が開始された後に前記ブレ補正駆動部の動作を終了させること
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記振動部の前記使用位置から前記収納位置への移動と連動して前記振動部の前記光軸と交わる面内での移動を拘束するガイド機構部を備え、
前記駆動制御部は、前記ガイド機構部による前記移動部の拘束が開始された後に前記ブレ補正駆動部の動作を終了させること
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を備えること
を特徴とするカメラ。
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