JP5487823B2 - レンズ鏡筒およびカメラ - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、光軸に対する位置が固定された固定光学系(L1、L4)と、前記光軸と直交する面内で移動可能に支持されたブレ補正光学系(L2)と、前記光軸上に配置される使用位置及び前記光軸上から退避した収納位置との間を移動可能に支持された退避光学系(L3)とを備え、前記退避光学系が収納位置に移動したときに、当該退避光学系が前記ブレ補正光学系と当接して格納され、前記ブレ補正光学系又は前記退避光学系の少なくとも一方の光学系の一部に傾斜部(52B、61C)が形成され、前記退避光学系が前記ブレ補正光学系に当接して格納される際に、少なくとも一方の光学系に形成された傾斜部が他方の光学系の一部と接触し、前記退避光学系が前記ブレ補正光学系をその移動可能な方向に押圧することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のレンズ鏡筒(20)であって、前記退避光学系(L3)の使用位置における前記光軸方向の後方にシャッタユニット(40)が配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載のレンズ鏡筒(20)であって、前記光軸方向に沿って、前記固定光学系が第1(L1)及び第4レンズ群(L4)、前記ブレ補正光学系が第2レンズ群(L2)、前記退避光学系が第3レンズ群(L3)として構成され、前記シャッタユニット(40)は前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間に配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒(20)と、前記レンズ鏡筒を介して入射する被写体光を撮像する撮像手段(12)とを備えることを特徴とするカメラ(1)である。
また、移動筒20対物側の先端(1群筒21の先端)には、開閉するバリアカバーを備えるレンズバリアユニット25が設けられている。
第2レンズ群L2は、移動筒20に作用した振動に応じて光軸OAと略直交する面内で変位し、結像面における像ブレを低減させるように機能するブレ補正光学系を構成する。
第3レンズ群L3は、移動筒20の沈胴状態において径方向側方に退避する退避光学系である。
第4レンズ群L4は、光軸OA方向に移動することで移動筒20の焦点位置を変更するフォーカシング光学系である。
第2レンズ群L2は、後述するブレ補正機構50における可動枠52に保持されている。
第3レンズ群L3は、後述する退避機構60の3群レンズ室61(図4および図6に示す、図2には不図示)に支持されている。
ボール56は、引張ばね55の引っ張り力で近接する側に付勢される2群筒51と可動枠52の間の間隔を規定すると共に、転動することで可動枠52の2群筒51に対する平行方向(光軸OAと直交する方向)への相対移動を許容するように作用する。
第3レンズ群L3は、図4および図6に示すように、退避機構60の3群レンズ室61を介して3群筒33に支持されている。そして、移動筒20が沈胴状態では、第3レンズ群L3は、3群レンズ室61の揺動によって径方向外周側の収納位置まで退避移動するように構成されている。
また、3群レンズ室61の軸受け部61Aには、図4および図6に示すように、突起部65が設けられている。この突起部65の背面側には、図6に示すように、上向きの被当接面65Aが形成されている。被当接面65Aは、角部を所定の傾斜角度で面取りした形状に形成されている。
一方、3群レンズ室61の背面側に位置するCCD台11には、ヤグラ13が設けられている。ヤグラ13の前面側には、図6に示すように、下向きの当接面13Aが形成されている。当接面13Aは、上述した突起部65の被当接面65Aと対応する傾斜角度で面取りした形状に形成されている。
押圧力FのY軸(−)方向における分力Fyは、可動枠52をY軸(−)方向に押圧するように作用する。これにより、可動枠52は、光軸OAと直交する面内における可動範囲内で、Y軸(−)方向に移動操作される。
このように、移動筒20が沈胴状態に収縮する際には、第3レンズ群L3が可動枠52の第2レンズ群L2に当接し、可動枠52を押し遣って収納位置に至るため、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との距離を最小限に設定することができ、移動筒20を径方向に小さく構成することが可能となる。
すなわち、カメラ1の電源が切られた非撮影時には、移動筒20は沈胴状態となり、第2レンズ群L2を保持するブレ補正機構50への通電は遮断される。これにより、VCM53(53X、53Y)は機能しなくなり、可動枠52は遊動可能な浮動状態となる。そのような状態で、強い衝撃が作用すると、可動枠52の2群筒51に対して遊動し、引張ばね55やボール56等の構成部品が脱落するといった不具合を生ずる虞がある。本構成では、非撮影時において収納位置にある第3レンズ枠61Bが、可動枠52の位置をその可動範囲の端部に押圧して移動を抑制するため、このような不具合を防ぐことができる。
(1)移動筒20が沈胴状態では、退避光学系である第3レンズ群L3が、ブレ補正光学系である第2レンズ群L2を保持するブレ補正機構50の径方向側方に並列に(ブレ補正機構50に隣接して)格納されることにより、移動筒20を極めてコンパクトに収縮することができる。すなわち、退避光学系とブレ補正光学系の両方を備える構成でありながら、レンズ鏡筒2の沈胴厚を薄くすることができる。また、このようなレンズ鏡筒2を備えたカメラを小型化することができる。さらに、第3レンズ群L3が格納されるときに、他のレンズとの干渉を避けるために、第3レンズ群L3または他のレンズや部品の一部をカットすると、加工が必要となるためにコストアップとなる。本構成ではこのような加工が不要なので、コスト増を抑えることができる。ちなみに、レンズの一部を削ったり、楕円形などにしたりすると、撮影条件によってはフレアが発生するために光学性能が低下する。本構成では、光学系の加工により生じる光学性能の低下を避けることができる。
(2)移動筒20が沈胴状態に収縮する際に、退避光学系である第3レンズ群L3を保持する第3レンズ枠61Bに所定角度で形成された当接面61Cと、ブレ補正光学系である第2レンズ群L2を保持する第2レンズ枠52Aに所定角度で形成された被当接面52Bとが当接し、第3レンズ枠61Bが第2レンズ枠52Aを押圧する(接触しながら相対的に接近する)。これにより、沈胴時における第3レンズ群L3と第2レンズ群L2との間隔(光軸OAと直交する方向における距離)を詰めることができるので、第3レンズ群L3を光軸OAと直交する方向に退避移動させる構成でありながら、移動筒20の径方向の大きさを小さくできる。
(3)移動筒20が沈胴状態では、揺動操作スプリング62の付勢力によって揺動付勢される3群レンズ室61の第3レンズ枠61B(第3レンズ群L3)が、ブレ補正機構50における可動枠52の第2レンズ枠52A(第2レンズ群L2)をその可動範囲の端に押圧して第2レンズ群L2の移動を抑制することにより、第2レンズ群L2の暴れを抑え、暴れにより生じる光学性能の劣化を防ぐことができる。また、ブレ補正機構50のボール56等の構成部品の脱落を防ぐことができる。
(4)退避光学系である第3レンズ群L3の背面側に、シャッタユニット40が配置されていることにより、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔を詰めることができ、変倍比を稼ぐことができる。また、ブレ補正機構50のボール56等の構成部品の脱落を防ぐことができる。
(5)光軸方向に沿って第2レンズ群L2がブレ補正光学系を構成し、第3レンズ群L3が退避光学系を構成することにより、構造を簡単にすることができる。
(6)カメラ1の厚みを薄くして小型化できる。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)上記実施形態では、退避光学系である第3レンズ群L3を保持する第3レンズ枠61Bと、ブレ補正光学系である第2レンズ群L2を保持する第2レンズ枠52Aとに、それぞれ所定角度で形成された当接面61Cおよび被当接面52Bを形成した。しかし、所定角度の当接面は、第3レンズ枠61Bおよび第2レンズ枠52Aの双方に形成しなければならないものではなく、いずれか一方のみに形成した構成としても良い。しかし、本実施形態のように双方共に所定角度の当接面とすれば、格納動作を円滑に行うことができるため、より好ましい。
(2)上記実施形態は、第2レンズ群L2をブレ補正光学系とすると共に、第3レンズ群L3を退避光学系として構成したものであるが、この構成に限らず、第2レンズ群L2を退避光学系とすると共に、第3レンズ群L3をブレ補正光学系として構成しても良い。
(3)上記実施形態は、本願発明を4群のレンズ群を備える移動筒20に適用した例である。しかし、これに限らず、たとえば3群のレンズ群を備えるレンズ鏡筒に適用しても良い。その場合、第2レンズ群L2をブレ補正光学系、シャッタユニットを第2レンズ群L2の前側、退避光学系を第3レンズ群L3に配置することになる。
(4)上記実施形態では、第3レンズ群L3の退避移動(退避機構60における3群レンズ室61の退避揺動)を、突起部65とヤグラ13とを当接させて行う例について示したが、3群レンズ室61は、例えばDCモータなどのアクチュエータにより揺動駆動するようにしてもよい。
Claims (4)
- 光軸に対する位置が固定された固定光学系と、
前記光軸と直交する面内で移動可能に支持されたブレ補正光学系と、
前記光軸上に配置される使用位置及び前記光軸上から退避した収納位置との間を移動可能に支持された退避光学系と、
を備え、前記退避光学系が収納位置に移動したときに、当該退避光学系が前記ブレ補正光学系と当接して格納され、
前記ブレ補正光学系又は前記退避光学系の少なくとも一方の光学系の一部に傾斜部が形成され、前記退避光学系が前記ブレ補正光学系に当接して格納される際に、少なくとも一方の光学系に形成された傾斜部が他方の光学系の一部と接触し、前記退避光学系が前記ブレ補正光学系をその移動可能な方向に押圧すること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 前記請求項1に記載のレンズ鏡筒であって、
前記退避光学系の使用位置における前記光軸方向の後方にシャッタユニットが配置されていること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 前記請求項2に記載のレンズ鏡筒であって、
前記光軸方向に沿って、前記固定光学系が第1及び第4レンズ群、前記ブレ補正光学系が第2レンズ群、前記退避光学系が第3レンズ群として構成され、前記シャッタユニットは前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間に配置されていること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒を介して入射する被写体光を撮像する撮像手段と、
を備えることを特徴とするカメラ。
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