JP4774216B2 - 電子伝導イオン伝導物質の製造方法、複合体、燃料電池、電源及び電子機器 - Google Patents

電子伝導イオン伝導物質の製造方法、複合体、燃料電池、電源及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、電子伝導イオン伝導物質及びその製造方法並びにそれを使用した燃料電池及び電源/機器に関する。
温暖化ガスに代表される環境問題の観点からクリーンエネルギー源としての燃料電池が急ピッチで開発されている。特に固体電解質型燃料電池は低温作動や小型で高出力密度であることから研究開発が活発に進められている。燃料電池又は電気分解素子の反応を進行させるためには、“燃料又は電気分解物”と、“電子伝導体(触媒)”と、“イオン伝導体(電解質)”とでなる界面(三相界面)が形成されることが必要である。これは、被反応物の接近により電子伝導体(触媒)表面にて反応によって生成した電子とイオンは、その場を基点として移動していくため、反応点においては、円滑な(継続した)反応を生じさせるため、被反応物の接近、電子の移動及びイオンの移動の全てが可能である必要がある。この三相界面の形成に使用する電解質材料としては、低コストで溶剤に容易に可溶あるいは容易に分散できる材料が求められる。しかしながら、電解質材料としては、これまでに高いプロトン伝導性を持つ材料としてDupont社のパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子(Nafion(登録商標))が開発され、反応層を作製する際のイオン伝導樹脂として広く利用されている。しかしながら、Nafion(登録商標)においては、多段階合成を経て製造されるため、非常に高価であり、広く普及させるためには低コストな材料の開発が望まれている。我々は、このような材料として、非イオン伝導性樹脂とイオン伝導性樹脂の2種のポリマーを混合することを考案した。
このような考案の基礎となったのは、特許文献1乃至4に開示の内容である。つまり、特許文献1にはカルボン酸基を有する含フッ素重合体と官能基を有さない含フッ素重合体のブレンドが開示されている。しかしながら、このブレンドを混合するには、相溶状態に340度という高温を必要とする。
また、特許文献2には、ポリフッ化ビニリデン膜やフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロフロピレン共重合体膜等の、膜形態になっている基材ポリマー中で、モノマーの重合を行うことによるポリマーブレンドに関する技術が開示されている。しかしながら、膜形態中での重合であるため、本発明への適用は難しい。また複合割合の制御が困難であること、作製工程も時間がかかる等の不具合がある。
また、特許文献3及び4には、成膜性樹脂(非イオン伝導樹脂)とイオン導電性樹脂とをブレンド或いは電界配向して、電解質膜を形成する技術が開示され、複雑な合成過程を経ずに低コストで作製できることが述べられている。この技術で使用しているポリマーボレンド液の作製に際して、二種以上の樹脂を均一に混合または相溶させる工程が必要であり、溶剤を使用する2種の樹脂の混合においては使用する非イオン伝導性樹脂とイオン伝導性樹脂の双方が分散しやすい、あるいは溶解しやすい溶剤を使用することが必要であった。しかしながら、特に2者が溶解する溶剤の選択は困難であること、分散状態においてはポリマーの分散に長時間要するなどの不具合があった。また、相溶または混合状態が不十分な樹脂混合液においては、電気特性が十分に得られないことがあった。さらに、リン酸基を有する樹脂は、リン酸基部分を介した水素結合により会合状態になりやすく、したがってこれらの樹脂は、会合がおきにくい希薄な溶液中で溶解あるいは分散されて使用されるため、ポリマーブレンドが困難であることが考慮されていない上、高いイオン伝導性を発現しづらい傾向にある、という不具合があった。
また、従来技術における電子伝導イオン伝導体を用いて作製された燃料電池においては、上述したような電子伝導イオン伝導体に起因する不具合ゆえ、特に、電子及びプロトンの伝播性が良い燃料電池を得ることができない、という不具合もあった。
特開2000−222938号公報 特表2001−504636号公報 特開2002−294087号公報 特開2003−234015号公報
本発明は、上記の問題を解決することを目的として、複雑な合成工程を経ることなく、安価で、製造しやすく、安定な電子伝導イオン伝導物質の製造方法を提供するとともに、これを用いた燃料電池及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、以下の(1)〜(13)に手段により解決する。つまり、
(1) 少なくとも非イオン伝導性共重合樹脂を含む液中で、リン酸基を有する1種類以上のモノマーを重合する工程を有することを特徴とする電子伝導イオン伝導物質の製造方法。これにより、複雑な合成工程を経ることなく、安価で、製造しやすく、安定な電子伝導イオン伝導物質の製造方法を提供することがきる。
(2) (1)に記載の製造方法を用いて製造された、少なくともリン酸基を有する樹脂と、非イオン伝導性共重合樹脂とを含む電子伝導イオン伝導物質。これにより、複雑な合成工程を経ることなく、安価で、製造しやすく、安定な製造法により電子伝導イオン伝導物質を提供することがきる。
(3) 炭素材料をさらに含むことを特徴とする(2)に記載の電子伝導イオン伝導物質。これにより、複雑な合成工程を経ることなく、安価で、製造しやすく、安定な製造法により電子伝導イオン伝導物質を提供することがきる。
(4) 前記炭素材料は、触媒成分を有していることを特徴とする(2)又は(3)に記載の電子伝導イオン伝導物質。これにより、触媒反応が可能であり、触媒反応で発生した電子やイオンを伝播し得る電子伝導イオン伝導物質が提供できる。
(5) 前記触媒成分は、Pt又はPtと、Ru若しくはIrとからなる金属を含有していることを特徴とする(4)に記載の電子伝導イオン伝導物質。これにより、水素やメタノールを用いた酸化反応を実行し得る電子伝導イオン伝導物質を提供することができる。
(6) 前記触媒成分は、Ptと、Ru、Ir、W及びSnからなる群から選択された金属とからなる3種以上の金属を含有することを特徴とする(5)に記載の電子伝導イオン伝導物質。これにより、水素やメタノール、エタノール用いた酸化反応を実行し得る電子伝導イオン伝導物質を提供することができる。
(7) 前記非イオン伝導性共重合樹脂は、グラフト構造を形成していることを特徴とする(2)乃至(6)のいずれか一項に記載の電子伝導イオン伝導物質。これにより、非イオン伝導性共重合樹脂とイオン伝導性樹脂の分散安定性が向上した電子伝導イオン伝導物質を提供できる。
(8) (4)乃至(6)のいずれか一項に記載の電子伝導イオン伝導物質を含有する層と、固体電解質層と、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の電子伝導イオン伝導物質を含有する層とを積層したことを特徴とする複合体。これにより、アノード酸化反応およびカソード還元反応な可能な電気化学積層複合体を提供することができる。
(9) (8)に記載の複合体を含有することを特徴とする燃料電池。これにより、アノード酸化反応及びカソード還元反応を行い得る電気化学積層複合体を使用した燃料電池を提供することができる。
(10) アルコールを燃料に用いることを特徴とする(9)に記載の燃料電池。これにより、エネルギー密度の高い液体燃料を用いた燃料電池を提供することができる。
(11) 前記アルコールは、エタノールであることを特徴とする(10)に記載の燃料電池。これにより、環境保全性および安全性が高く、エネルギー密度の高い燃料を使用した燃料電池を提供することができる。
(12) (9)乃至(11)のいずれか一項に記載の燃料電池を備えたことを特徴とする電源。これにより、上述の燃料電池を使用した電源を提供することができる。
(13) (12)に記載の電源を搭載したことを特徴とする電子機器。これにより、上述の電源を使用した電子機器を提供することができる。
複雑な合成工程を経ることなく、安価で、製造しやすく、安定な電子伝導イオン伝導物質製造し得る。
本発明は、非イオン伝導性共重合樹脂の溶液中に相溶または分散させるイオン伝導性樹脂を、モノマーの状態で混合し、重合を行うことによって、均一な相溶または分散状態の電解質液を作製する。これと炭素材料を複合する(あらかじめ炭素が加えられていてもよい)ことにより、複雑な工程を経ることなく、三相界面の形成に適した電子伝導イオン伝導物質を調製できる。
以下、本発明の電子伝導イオン伝導体の製法の一態様を以下に示す。
本発明に使用する材料は、炭素と、非イオン伝導性共重合樹脂と、リン酸基を有するモノマーとを必須とし、場合により、溶剤、分散剤(他の樹脂)及びイオン解離基を含まない第2のモノマーを使用する。
(本発明による電子伝導イオン伝導体の製造方法)
非イオン伝導性共重合樹脂の溶液又は溶融物に対して、“イオン伝導性モノマー及び/又は非イオン伝導性モノマー”並びに炭素材料を添加し、十分に攪拌混合する。従来例のように樹脂同士の混合ではないので、より短時間で分散状態を達成することができる。この混合物を攪拌しながら熱的又は光的等により外部エネルギーを与え、モノマー重合反応を開始させることにより電子伝導イオン伝導体を作製することができる。炭素や非イオン伝導性樹脂の分子レベルの近傍でこの重合が行われることになるため、作製される電子伝導イオン伝導体は、分散性がきわめて良好な状態をたもつことが可能である。分散性が良好であるため、この液から作製される電子伝導イオン伝導体の諸特性は、この伝導体全体で、均質で良好とすることが可能である。
(本発明によるリン酸基を有するモノマー)
本発明で使用するリン酸基を有するモノマーとは、アシッドホスホオキシ(アルキル)メタクリレート、アシッドホスホオキシ(アルキル)アクリレート、アシッドホスホオキシ(オキシアルキル)メタクリレート及びアシッドホスホオキシ(オキシアルキル)アクリレート並びにこれらの誘導体が使用できる。さらに具体的には、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシ(クロロイソプロピル)メタクリレート、アシッドホスホオキシイソプロピルメタクリレート、アシッドホスホオキシエチルアクリレート、アシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリコール)メタクリレート、アシッドホスホ(ポリオキシプロピレングリコール)メタクリレート等を使用することが好ましい。
本発明の態様において、リン酸系モノマーを使用した時に顕著な効果があらわれるのは、重合系に添加される非イオン伝導性樹脂がリン酸系モノマーの会合状態に影響を与えているためであると考えられる。
リン酸基を有するモノマーは、単独ではリン酸基部分を介した水素結合により会合状態になりやすく、このような会合状態で重合したポリマーは高いイオン伝導性を発現しづらい傾向にある。これは、キャリヤーである水素部分が会合により実質上解離できないためと考えられる。
したがって、これらのモノマーの単独重合は、会合がおきにくい希薄な溶液中で実施されるのが一般的である。本発明によれば、非イオン伝導性樹脂を添加することにより、高いイオン伝導度を有するポリマーを高濃度のリン酸系モノマー含有液から合成することが可能である。これは非イオン伝導性樹脂がリン酸系モノマーの会合を阻止する効果があるためと予測される。
(本発明による非イオン伝導性共重合樹脂)
本発明で使用する非イオン伝導性共重合樹脂とは、電子伝導イオン伝導体の成膜性をよくするためや、機械特性の増強、イオン伝導性樹脂の会合を防止し、イオン解離能力を向上させるために使用されるもので、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの飽和炭化水素系高分子や、ポリカーボネート、ポリエステルがあり、さらにポリベンズイミダゾールなどの主鎖に置換又は非置換のアリーレン基を有する高分子などを用いることができる。化学的安定性の面からはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニール、ポリフッ化アルコールなどが使用できるが、化学組成としては単純な繰り返し単位を有する樹脂よりも、共重合体であることが好ましく、相溶性、分散性及び液安定性の面から、3種以上の構造単位よりなる樹脂がより好ましい。フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン‐エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体が使用できる。特にテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとビニリデンフロライドの共重合体が好ましい。
非イオン伝導性共重合樹脂の構造としては、相溶性、分散性及び液安定性の面から、直鎖構造よりも、枝別れ構造(グラフト構造)になっていることが好ましい。具体的には、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプラピレン等モノマーのグラフト型共重合体などが使用できる。特にフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロフルオロエチレンのグラフト共重合体が好ましく、さらに側鎖の長さが十分に長く、主鎖長と側鎖長が同等程度の長さを有しているものが最も好ましい。
本発明の電子伝導イオン伝導体の製造法において、イオン解離基を有するモノマーの他にイオン解離基を持たないモノマーを使用することが可能である。イオン解離基を有さないモノマーとは、基本的には非イオン伝導性共重合樹脂の溶液又は溶融物に、溶解あるいは均質に分散できれば、どのようなものでも使用できる。しかしながら、重合処理後のポリマー電解液の相溶状態又は分散状態をより良好な状態とするため、非イオン伝導性共重合樹脂と同様な構造単位を有するものが好ましく、このようなイオン解離基を有さないモノマーを加えることにより、重合したイオン伝導性樹脂の構造中に非イオン伝導性共重合樹脂と親和性が良好な構造単位が導入されることなる。これにより、イオン伝導性樹脂と非イオン伝導性共重合樹脂との混合状態を一層良好なものとすることができる。相溶性又は分散性が良好であるため、この液から作製される電子伝導イオン伝導体の機械強度やイオン伝導性、この伝導体の全体で、均質で良好な諸特性とすることが可能である。
(本発明による炭素材料)
本発明に使用する炭素材料は、電子伝導性を有する材料が挙げられる。具体的には、天然黒鉛や、黒鉛系炭素体が使用できるほか、“石炭、ピッチ、合成高分子、又は天然高分子を800〜1300℃での還元雰囲気で焼成することにより得られる導電性炭素体”、“ピッチ、合成高分子又は天然高分子を2000℃以上の温度で還元雰囲気下焼成することにより得られる導電性炭素体”などの合成炭素体も使用できる。さらにこれらは単独又は二種類以上を混合して用いてもよい。炭素材料は、本発明による製造方法に用いる非イオン伝導性共重合樹脂を含む液に含有させてもよく、或いは、本発明による製造方法により調製した後、得た組成物に炭素材料を混合して、本発明による電子伝導イオン伝導物質を調製してもよい。これらの炭素材料に触媒材料を複合することにより、触媒反応を行うことが可能となり、触媒反応で発生した電子やイオンを伝播し得る物質を提供できる。
触媒の複合方法としては、従来公知の方法が使用できる。後述するが、触媒によるメタノールの酸化には、Ptと、Ru又はIrとからなる触媒が好ましく、エタノールの酸化には、Ptと、Ru、Ir、W及びSnからなる群から選択された金属とからなる3種類以上の触媒成分を使用することが好ましい。これらの触媒が好適な理由は、メタノール、エタノールの複雑な反応素過程の進行促進にそれらの媒体が寄与しているためである。
(本発明による電子伝導イオン伝導を用いた燃料電池)
ここで本発明の電解質膜が適用可能であるデバイスの一例として、プロトン伝導型固体高分子電解質を使用した燃料電池を例にとり、その発電概念図を図1に示す。基本的構成要素として、中心にイオン伝導体(図の場合はプロトン伝導体)が存在し、その両側にアノード及びカソードが配置された構成を有している。プロトン伝導型の電解質が使用される場合はアノード側にプロトン源となる燃料(水素、アルコールなど)が供給され、アノード内の触媒作用により、燃料から水素イオンが発生する。この時、発生する電子は外部回路に流れ出る。発生した水素イオンはプロトン伝導体中を伝搬してカソードに達する。カソードでは、カソードに供給される酸化剤(空気、酸素など)と、アノードから発生した水素イオンと、外部回路を通して流れてくる電子とが反応し、水が生成する。以上が発電の概念で、これを反応式として現すと以下のようになる
アノード反応;H→2H+2e(水素燃料の場合)
カソード反応;2H+1/2O+2e→H
全反応;H+1/2O→H
上記燃料電池においては、アノード反応層/固体電解質層/カソード反応層が実際に発電する部分となっており、アノード反応層とカソード反応層は電子伝導イオン伝導双方が可能でありかつ、触媒反応が可能な材料で構成されている。本発明の電子伝導イオン伝導体は、この部分に適用できるものである。すなわち、本発明の材料を用いて“電子伝導イオン伝導物質層”/“固体電解質層”/“電子伝導イオン伝導物質層”の積層構造を有する複合体を作製することが可能である。この複合体を作製する方法としては、従来公知の方法を使用できる。
本発明による電子伝導イオン伝導体を使用した燃料電池は、触媒の種類により適正があるが、基本的にはいかなる燃料も使用可能である。しかしながら、燃料は体積および重量エネルギー密度に優れるもの使用することが好ましい。燃料は通常有限な空間(容器等)に収められているため、一定の体積しか有することができない。したがって、体積及び重量エネルギー密度に優れた燃料を使用することが好ましい。特に、体積エネルギー密度に優れた燃料が好ましい。気体状燃料は体積エネルギー密度に劣るため好ましくなく、液体状燃料や固体状燃料が好ましい。これは、例えば1分子の酸化反応により取り出せる電子数が水素であれば2個、メタノールであれば6個、エタノールであれば12個であることから、各々の分子1molから取り出せるクーロン量はそれぞれ理論値として、96500×2C、96500×6C、96500×12Cとなる。各々の密度や分子量を考慮し、1cm当たりのクーロン量に換算すると水素で約9C/cm、メタノールで約14400C/cm、エタノールで15200C/cmのエネルギー密度となる。常圧の気体としての水素は、単位体積あたりのエネルギー密度は著しく低くなる。メタノールとエタノールは酸化反応には水分子がそれぞれ、1分子、3分子必要であるが(以下の式参照)、これを加味しても液体燃料が優れることは明らかである。
CHOH+HO→6H+6e+CO
OH+3HO→12H+12e+2CO
なお、高圧状態の水素又は液体水素を使用することも可能であるが、容器を堅牢にする必要が生じ、容器込みのエネルギー密度を考慮すると、常温常圧で液体又は固体状態の燃料が優れている。具体的には、水素吸蔵合金に蓄えた水素や、ガソリン、液体状炭化水素、液体状アルコール等の固体状燃料又は液体状燃料が使用できるが、本体燃料電池の小型化が可能な点、体積エネルギー密度に優れる点より、アルコール燃料を使用することが好ましい。アルコール燃料を使用することにより、駆動時間を向上させた小型の燃料電池を形成することができる。なかでも、炭素数4以下のアルコールを使用することが好ましく、特に、安全性が高く、生合成が可能である点(環境面)からエタノールを使用することが好ましい。このような形態の燃料電池は体積エネルギー密度、重量エネルギー密度に優れることから、比較的小型の機器に使用した場合に特に好ましいものである。
また、液体燃料の直接酸化ではなく、液化天然ガス(LNG)、メタンガスのような炭化水素系燃料、メタノール等の液体燃料を改質して水素を得て燃料電池の燃料とする、いわゆる改質燃料型の燃料電池も検討されている。この場合には、原燃料の改質によって得られる水素ガス燃料中に微量存在する一酸化炭素(CO)や、その他の微量な不純物により燃料電池の機能を損なう問題(触媒被毒)がある。触媒のCO被毒の問題は従来から検討されており、これを低減するために提案されている触媒に白金−ルテニウム(Pt−Ru)合金触媒がある。
しかしながら、溶液中のメタノール、エタノールのアノード酸化における触媒化学反応の阻害要因は、CO被毒では説明できないことも多い。これはメタノールやエタノールの酸化反応が水素やCOとは比べものにならない程の多数の素反応を経て酸化されるためである。本実施の形態によれば、メタノールの酸化には、Ptと、Ru又はIrとからなる触媒が好ましく、エタノールの酸化には、Ptと、Ru、Ir、W及びSnからなる群か選択された金属とからなる3種類以上の触媒成分を使用することが好ましい。これらの触媒が好適な理由は、メタノール、エタノールの複雑な反応素過程の進行促進にそれらの媒体が寄与しているためである。またエタノールは人体に無害な点、生物由来の原料より生合成が可能な点から炭酸ガス負荷を低減できる燃料としてこのましく使用できる。
(本発明による電子伝導イオン伝導体を用いたその他の実施形態)
本発明の実施の形態を図2、図3、図4および図5に基づいて説明する。本実施の形態では、燃料電池を有する電子機器について説明する。なお、本実施の形態の電子機器の一例として、携帯可能なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置について説明する。
図2は、パーソナルコンピュータへの電源システム搭載イメージを示したものであり、図3は、本実施の形態の情報処理装置51の構成を概略的に示すブロック図であり、図4は、該電源システムの概要図であり、図5は、そのブロック概要図である。
図3に示すように、情報処理装置51は、各種演算を行って各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)52、BIOS(バイオス)等を記憶しているROM(Read Only Memory)53及びCPU52の作業エリアとなるRAM(Random Access Memory)54がバス55により接続されて構成されている。バス55には、大容量記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)56、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置57、キーボードやマウス等の入力装置58、CDやDVD等の記憶媒体59からデータを読み取る光ディスク装置等のデータ読取装置60及び電力を供給する電源部61等が各種のコントローラ(図示せず)等を介して接続されている。
記憶媒体59には、各種のプログラムが記憶されている。これらのプログラムはデータ読取装置60で読み取られ、HDD56にインストールされる。なお、記憶媒体59としては、CDやDVD等の光ディスク、光磁気ディスク及びフレキシブルディスク等の各種方式のメディアを用いることができる。データ読取装置60も記憶媒体59の方式に応じて、光ディスク装置、光磁気ディスク装置やFDD等が用いられる。また、各種のプログラムは、記憶媒体59から読み取るのではなく、ネットワーク(図示せず)からダウンロードしてHDD56にインストールされるものであっても良い。
図5は、電源部61の構成を概略的に示すブロック図である。なお、図5では、矢印は燃料等の流れを示す。
図5に示すように、電源部61は、燃料電池20、液体燃料を収容する液体燃料カートリッジ71、液体燃料カートリッジ71に接続された混合器72、液体燃料カートリッジ71と混合器72との間に設けられたバルブ73、燃料を燃料電池20に供給するための燃料ポンプ74、燃料濃度を検知する燃料濃度センサ75、発電後の燃料を気体と液体とに分離する気液分離器76、温度センサ77と冷却素子78とを有する熱交換器79、空気を燃料電池20に供給するための空気ポンプ80、温度センサ81と冷却素子82とを有する水分凝縮器83、水分凝縮器83からの水分を収容する水タンク84、水タンク84と混合器72との間に設けられたバルブ85、これらの各部を制御するための制御回路86、及び燃料電池の正負極が接続されたDCDCコンバータ87等から構成されている。なお、燃料等が通過する各部は、チューブ等の流路により接続されている。
このような電源部61では、混合器72を通過した燃料は燃料ポンプ74を経て燃料濃度センサ75に導かれる。燃料濃度センサ75により検知された燃料濃度が所定の濃度より低い場合には、制御回路86は液体燃料カートリッジ71のバルブ73を開ける。燃料は、燃料電池20に導かれる。発電後の燃料は、気液分離器76により気体成分(炭酸ガス)と液体成分とに分けられ、液体成分は熱交換器79に導かれる。温度センサ77により検知された液体温度が所定の温度より低い場合には、制御回路86は冷却素子78により液体を冷却せず、液体温度が所定の温度より高い場合には、制御回路86は冷却素子78により液体を冷却する。熱交換器79を通過した燃料は、再び混合器72に戻される。このような流れが燃料ラインとして機能する。
空気ポンプ80からの空気は燃料電池20に導かれる。燃料電池20を通過した気液混合ガスは水分凝縮器83に導かれる。温度センサ81により検知されたガス温度が所定の温度より低い場合には、制御回路86は冷却素子82により気液混合ガスを冷却せず、ガス温度が所定の温度より高い場合には、制御回路86は冷却素子82により気液混合ガスを冷却する。なお、排ガスは電源部61の外部に排出される。ここで、排ガスを排出するための排出口(図示せず)は、情報処理装置51に対する電源部61の装着位置により異なるが、情報処理装置51の外部に面した位置に設けることが好ましい。水分凝縮器83により凝縮された水分は、水タンク84を介して混合器72に戻される。このような流れが酸化剤ライン(空気ライン)として機能する
このようにして、燃料(空気も含む)が燃料電池20に供給されることで、燃料電池20は、発電し、所定の電力(起電力)をDCDCコンバータ87に付与する。なお、本実施の形態においては、蓄電素子を用いていないが、これに限るものではなく、例えば蓄電素子を電源部61の内部や外部等に設けて用いても良い。
(非イオン伝導性共重合樹脂)
実施例に使用した非イオン伝導性共重合樹脂は以下の通りである。
(1)93−95%フッ化ビニリデン単位、約3−4%のクロロフルオロエチレン単位及び約2−3%のイソプロピレート単位を有するグラフト共重合体(側鎖部はフッ化ビニリデン単位)。
(2)約40%フッ化ビニリデン単位、約10%フッ化イソプロピレン単位及び約50%四フッ化エチレン単位を有する直鎖状共重合体。
(3)100%フッ化ビニリデン単位のフッソ樹脂。
参考例
(ポリマー電解液の製造)
(ポリマー電解液(1))
ジメチルホルムアミド10.5gにフッ素樹脂(1)を1.5g加え、溶解させた。これにアシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレート0.88gを加え、均一な溶液とした後、アゾビスイソブチロニトリル0.018gを加えた。攪拌しながら、80度24時間、85度1時間保持し、徐冷しポリマー電解液を得た。作製直後の液は乳白色で均一状態であった。
(ポリマー電解液(2))
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートを0.5gとする以外はポリマー電解液(1)と同様に操作した。作製直後の液は乳白色で均一状態であった。
(ポリマー電解液(3))
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートを0.24gとする以外はポリマー電解液(1)と同様に操作した。作製直後の液は乳白色で均一状態であった。
(ポリマー電解液(4))
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートに代えて、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート0.88gを使用する以外はポリマー電解液(1)と同様に操作し、ポリマー電解液を得た。作製直後の液は、乳白色で均一状態であった。
(ポリマー電解液(5))
アシッドホスホオキシエチルメタクリレートを0.5gとする以外はポリマー電解液(4)と同様に操作した。作製直後の液は乳白色で均一状態であった。
(ポリマー電解液(6))
アシッドホスホオキシエチルメタクリレートを0.24gとする以外はポリマー電解液(4)と同様に操作した。作製直後の液は乳白色で均一状態であった。
(ポリマー電解液(7))
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートに代えてアシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリコール)メタクリレート0.88gを使用する以外はポリマー電解液(1)と同様に操作し、ポリマー電解液を得た。作製直後の液は、乳白色で均一状態であった。
(ポリマー電解液(8))
アシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリコール)メタクリレートを1.5gとする以外はポリマー電解液(7)と同様に操作した。作製直後の液は乳白色で均一状態であった。
(ポリマー電解液(9))
メチルエチルケトン10.5gにフッ素樹脂(2)を0.88g加え、溶解させた。これにアシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレート0.88gを加え、均一な溶液としたのち、アゾビスイソブチロニトリルを加えた。攪拌しながら、75度24時間保持し、徐冷しポリマー電解液を得た。作製直後の液は乳黄白色で均一状態であった
(ポリマー電解液(10))
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートを0.5gとする以外はポリマー電解液(9)と同様に操作した。作製直後の液は乳黄白色で均一状態であった。
(比較参考例1)
(ポリマー電解液:比較例)
ジメチルホルムアミド10.5gにフッ素樹脂(3)を1.5g加え、溶解させた。これにアシッドホスホオキシエチルメタクリレート0.88gを加え、均一な溶液としたのち、アゾビスイソブチロニトリルを加えた。攪拌しながら、80度24時間、85度1時間保持し、徐冷した。作製直後に得られた液は、凝集したと考えられる白色固形物が沈降した状態となった。
(イオン伝導度の測定)
上記のポリマー電解液(1)乃至(10)及び(ポリマー電解液:比較例)を離性プラスチック上に塗布した。真空下、加熱することにより溶剤を除去した。それぞれ得られた膜(以下、膜(1)乃至(10)及び膜比較例1と略す)を、加熱したメタノール中で数回充分洗浄した後、沸騰水中で膜を加熱、イオン交換水中に保存した。
以下に、得られた膜のイオン伝導度を測定した結果を示す。膜の番号は使用したポリマー電解液を示す
膜(1) 3.4×10−3 S/cm
膜(2) 2.3×10−3 S/cm
膜(3) 5.4×10−4 S/cm
膜(4) 2.9×10−3 S/cm
膜(5) 9.5×10−4 S/cm
膜(6) 6.2×10−4 S/cm
膜(7) 1.7×10−4 S/cm
膜(8) 4.8×10−4 S/cm
膜(9) 8.0×10−4 S/cm
膜(10) 5.2×10−4 S/cm
膜比較例1 測定できず
(実施例1)
●イオン伝導電子伝導体分散液(1)の製造
ジメチルホルムアミド10.5gにフッ素樹脂(1)を1.5g加え、溶解させた。これにアシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレート0.88gを加え、均一な溶液としたのち、アゾビスイソブチロニトリルを加えた。さらに、PtRu(元素比1:1)を炭素に対し40wt%担持した触媒担持カーボンを2.2g加え、混合したのち、攪拌ミリングしながら、80度24時間、85度1時間保持し、徐冷しイオン伝導電子伝導体分散液(1)を得た。
●イオン伝導電子伝導体膜の製造
上記イオン伝導電子伝導体分散液(1)を離性プラスチック上に塗布し、真空下、加熱することにより溶剤を除去した。得られた膜を、加熱したメタノール中で数回充分洗浄したのち、沸騰水中で膜を加熱、イオン交換水中に保存した。得た膜の電気伝導度は89mS/cmであった。
(実施例2)
●イオン伝導電子伝導体分散液(2)の製造
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートに代えて、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート0.88gを使用する以外は実施例1と同様に操作し、イオン伝導電子伝導体分散液(2)を得た。
●イオン伝導電子伝導体膜の製造
上記イオン伝導電子伝導体分散液(2)を離性プラスチック上に塗布し、真空下、加熱することにより溶剤を除去した。得られた膜を、加熱したメタノール中で数回充分洗浄したのち、沸騰水中で膜を加熱、イオン交換水中に保存した。得た膜の電気伝導度は90mS/cmであった。
(比較例)
(炭素ポリマー電解液:比較例)
ジメチルホルムアミド10.5gにフッ素樹脂(3)を1.5g加え、溶解させた。これにアシッドホスホオキシエチルメタクリレート0.88gを加え、均一な溶液としたのち、アゾビスイソブチロニトリル0.018gを加えた。さらに、PtRu(元素比1:1)を炭素に対し40wt%担持した触媒担持カーボンを2.2g加え、混合した後、攪拌ミリングしながら、80度24時間、85度1時間保持し、徐冷した。作製直後に得られた液は、凝集したと考えられる固形物が存在した。
(実施例3)
実施例1のイオン伝導電子伝導体分散液(1)を溶剤で6.3倍に希釈した。ついで、この液を50mm×50mm、厚さ50μmのフッソ樹脂シート上にスプレイ塗布し、乾燥させた。これを2枚用意した。蒸留水を含んだパーフルオロスルフォン酸膜80mm×80mm、厚さ180μm(商標、Nafion)を、先の作製した2枚のフッ素樹脂シートではさみ、100度、4.5Mpaの圧力でホットプレスをおこなった。フッ素樹脂シートを剥離洗浄し、“電子伝導イオン伝導物質層”/“固体電解質層”/“電子伝導イオン伝導物質層”の積層構造を有する複合体を得た。
この積層体を用いて図6(12、3に示す部分として積層体を使用)のような燃料電池を構成した。シール材はテフロン(登録商標)製(厚み200μm、外寸80mm×80mm、内径54mm×54mm)、拡散層はカーボンペーパー(厚み200μm、53mm×53mm)、流体保持体は樹脂含浸高密度人造黒鉛(厚み10mm、80mm×80mm、流路形状;サーペンタイン、流路外寸50mm×50mm)、集電板(銅に金メッキを施したもの)、絶縁材(厚み500μm、80mm×80mm)エンドプレート(SUS304、厚み12mm、120mm×120mm)である。
燃料および酸化の供給部はエンドプレートの側面に設けると共に、絶縁板、流体保持体は流体を導くための穴を設けてあるとともに、流体保持体の集電板面にはOリングを設けて(図示せず)流体の漏れを防止した。
アノード燃料として、0.93mol/lのメタノール水溶液を3ml/min、カソード酸化剤として空気を1l/min供給したところ、0.68Vの起電力が発生した。
(実施例4)
実施例2のイオン伝導電子伝導体分散液(2)を溶剤で6.3倍に希釈した。ついで、この液を50mm×50mm、厚さ50μmのフッソ樹脂シート上にスプレイ塗布し、乾燥させた。これを2枚用意した。蒸留水を含んだパーフルオロスルフォン酸膜80mm×80mm、厚さ180μm(商標、Nafion)を、先の作製した2枚のフッ素樹脂シートではさみ、100度、4.5Mpaの圧力でホットプレスをおこなった。フッ素樹脂シートを剥離洗浄し、“電子伝導イオン伝導物質層”/“固体電解質層”/“電子伝導イオン伝導物質層”の積層構造を有する複合体を得た。
この積層体を用いて図6(12、3に示す部分として積層体を使用)のような燃料電池を構成した。シール材はテフロン(登録商標)製(厚み200μm、外寸80mm×80mm、内径54mm×54mm)、拡散層はカーボンペーパー(厚み200μm、53mm×53mm)、流体保持体は樹脂含浸高密度人造黒鉛(厚み10mm、80mm×80mm、流路形状;サーペンタイン、流路外寸50mm×50mm)、集電板(銅に金メッキを施したもの)、絶縁材(厚み500μm、80mm×80mm)エンドプレート(SUS304、厚み12mm、120mm×120mm)である。
燃料および酸化の供給部はエンドプレートの側面に設けると共に、絶縁板、流体保持体は流体を導くための穴を設けてあるとともに、流体保持体の集電板面にはOリングを設けて(図示せず)流体の漏れを防止した。
アノード燃料として、0.93mol/lのメタノール水溶液を3ml/min、カソード酸化剤として空気を1l/min供給したところ、0.68Vの起電力が発生した。
プロトン伝導型固体高分子電解質を用いた、本発明による燃料電池の発電概念図である。 本発明による燃料電池を搭載した、パーソナルコンピューターのイメージ図である。 本発明による情報処理装置の一例を示す概略ブロック図である。 電源システムの概略図である。 電源システムのブロック概要図である。 本発明による燃料電池の一例である。
符号の説明
20 燃料電池
51 情報処理装置
52 CPU
53 ROM
54 RAM
55 バス
56 HDD
57 表示装置
58 入力装置
59 記憶媒体
60 データ読取装置
61 電源部
71 液体燃料カートリッジ
72 混合器
73 バルブ
74 燃料ポンプ
75 燃料濃度センサ
76 気液分離器
77 温度センサ
78 冷却素子
79 熱交換器
80 空気ポンプ
81 温度センサ
82 冷却素子
83 水分凝縮器
84 水タンク
85 バルブ
86 制御回路
87 DCDCコンバータ

Claims (13)

  1. 少なくとも、フッ化ビニリデンとフッ化アルキレンとを構造単位に含む非イオン伝導性共重合樹脂と、リン酸基を有する1種類以上のモノマーと、炭素材料と、を含む混合物を、攪拌しながら加熱又光照射することでモノマー重合反応させることを特徴とする電子伝導イオン伝導物質の製造方法。
  2. 前記炭素材料は、触媒成分を有していることを特徴とする請求項に記載の電子伝導イオン伝導物質の製造方法
  3. 前記触媒成分は、Pt又はPtと、Ru若しくはIrとからなる金属を含有していることを特徴とする請求項に記載の電子伝導イオン伝導物質の製造方法
  4. 前記触媒成分は、Ptと、Ru、Ir、W及びSnからなる群から選択された金属とからなる3種以上の金属を含有することを特徴とする請求項に記載の電子伝導イオン伝導物質の製造方法
  5. 前記非イオン伝導性共重合樹脂は、グラフト構造を形成していることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の電子伝導イオン伝導物質の製造方法
  6. 前記グラフト構造が形成された前記非イオン伝導性共重合樹脂は、93〜95mol%のフッ化ビニリデン単位、約3〜4mol%のクロロフルオロエチレン単位及び約2〜3mol%のイソプロピレート単位を有し、前記フッ化ビニリデン単位は側鎖部にあるグラフト共重合体である、請求項5に記載の電子伝導イオン伝導物質の製造方法。
  7. 前記非イオン伝導性共重合樹脂は、約40mol%のフッ化ビニリデン単位、約10mol%のフッ化イソプロピレン単位及び約50mol%の四フッ化エチレン単位を有する直鎖状共重合体である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子伝導イオン伝導物質の製造方法。
  8. 請求項乃至のいずれか一項に記載の電子伝導イオン伝導物質の製造方法により製造された電子伝導イオン伝導物質を含有する第1の層と、固体電解質層と、請求項乃至のいずれか一項に記載の電子伝導イオン伝導物質の製造方法により製造された電子伝導イオン伝導物質を含有する第2の層と、を積層したことを特徴とする複合体。
  9. 請求項8に記載の複合体を含有することを特徴とする燃料電池。
  10. アルコールを燃料に用いることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池。
  11. 前記アルコールは、エタノールであることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池。
  12. 請求項9乃至11のいずれか一項に記載の燃料電池を備えたことを特徴とする電源。
  13. 請求項12に記載の電源を搭載したことを特徴とする電子機器。
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