JP5024500B2 - 固体電解質、燃料電池、及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明の一つの態様は、固体電解質、燃料電池、及び電子機器の少なくとも一つに関する。
近年、温暖化ガスに代表される環境問題の観点からクリーンエネルギー源としての燃料電池が、急ピッチで開発されてきている。特に、固体電解質型の燃料電池は、低温で作動し、小型であり、その出力密度が高いため、固体電解質型の燃料電池の研究開発が活発に進められている。
固体電解質型の燃料電池は、アノード及びカソードの間に挟まれたプロトン伝導型電解質膜を有する。また、この燃料電池においては、例えば、アノードに水素が供給され、カソードに酸素が供給される。そして、アノード内の触媒によりアノードに供給された水素からプロトンが発生する。この時、発生する電子は、外部回路を伝導する。発生したプロトンは、プロトン伝導型の電解質膜を伝搬して、カソードに達する。カソードに達したプロトン、酸素、及び外部回路を通じてカソードに到達した電子が反応し、水を生成する。上記のように、上記の燃料電池の発電が進行するためには、アノードで発生したプロトンが、カソードへ良好に伝搬されなければならず、良好なプロトンの伝搬性を備えた電解質膜の開発が盛んに行われている。例えば、Dupont社のパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子(Nafion:登録商標)が高いプロトン伝導性の膜として開発され、燃料電池の電解質膜として広く利用されている。しかしながら、Nafionは、多段階合成を経て製造されるため高価である。
本発明の実施形態に係る固体電解質は従来のパーフロオロスルホン酸系固体電解質では達成しがたい塗布合成型の固体電解質であり、実使用可能な領域の厚膜(用途によるが20〜1000μm程度)まで容易に形成できるものである。また、形成が容易であることからも製造工数が少なく安価に製造できることがみこまれる。
特開2004−253336号公報(特許文献1には、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩を必須として架橋構造を有する固体電解質膜が開示されている。また、明細書中ではエチル(メタ)アクリレートと2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩を共重合することが開示されている。
また特表2005−502990号公報(特許文献2には、明細書中にて2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルメタクリレートを使用することが開示されている。
特許文献1には、上述のように2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩を必須として架橋構造を有する固体電解質膜が開示されており、特許文献1の[0016]で有機溶剤可溶な架橋剤の一部に非対称ジ(メタ)アクリレートと考えられるモノマーを開示している(アリル(メタ)アクリレートは開示してない)。しかしながら、好ましいとされる水溶性モノマーの例中では非対称ジ(メタ)アクリレートは開示されておらず、実施例においても水溶性対称ジ(メタ)アクリレート架橋剤を使用している。また、明細書中に非対称ジ(メタ)アクリレートを使用する概念の記載はない。すなわち非対称ジ(メタ)アクリレートにおける2つのアクリレート基の内、主に一方のアクリレート基のみの重合を進行させ、溶剤可溶の共重合体を作製するという概念はなく、したがって、本発明の実施形態に係る反応工程において溶剤に可溶な状態の固体電解質液を得ることができること、この液を使用することにより、所望の膜厚の固体電解質膜を所望の場所に塗布により簡便に形成するこができることは開示されていない。このため塗布型の固体電解質にはなっていない。
また特許文献2では、[0025]に2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が電気活性成分(イオン伝導成分)として重合可能であること、[0022]には架橋剤としてアリルメタクリレート(非対称ジ(メタ)アクリレート)が使用できることが開示されている。また、製法的には[0034][0035]には、反応の進行を2工程に分けて行うことが開示されている。
特許文献2においては、MEAを製造するに際し、従来の“触媒と電解質の界面形成法”(特許文献2の図1Aの工法)を使用することなく、“触媒と電解質の界面形成を電解質材料であるモノマーの重合を利用して界面形成する方法”(特許文献2の図1Bの工法)という工法の簡便化の目的を有している。この工法において2工程に分ける理由は、[0035]に記載の如く、反応系内が発泡しないように反応液のレオロジーを制御すること(液が発泡してしまうと界面形成が適切になされない)、電極紙(燃料電池部材である拡散層のこと)内部への反応液の浸透を防ぐために反応液のレオロジーを制御すること(電極紙内部へ反応液が浸透してしまうと燃料や酸化材の拡散を阻害する)である。すなわち、2工程にしている理由はレオロジー制御のためであり、本発明の実施形態の目的課題とは異なるものである。また特許文献2には、非対称ジ(メタ)アクリレート(アリルメタクリレート)を使用してはいるが、後述するリニアポリマー、架橋ポリマーの作り分けの概念はない。
特開2004−253336号公報 特表2005−502990号公報
本発明の第一の目的は、固体電解質を提供することである。
本発明の第二の目的は、燃料電池を提供することである。
本発明の第三の目的は、電子機器を提供することである。
本発明の第一の態様は、固体電解質において、少なくとも2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、アルキル(メタ)アクリレート及びアリル(メタ)アクリレートを共重合することによって得られることを特徴とする、固体電解質である。
本発明の第二の態様は、燃料電池において、本発明の第一の態様である固体電解質を含むことを特徴とする、燃料電池である。
本発明の第三の態様は、電子機器において、本発明の第二の態様である燃料電池を有することを特徴とする、電子機器である。
本発明の第一の態様によれば、固体電解質を提供することが可能になる。
本発明の第二の態様によれば、燃料電池を提供することが可能になる。
本発明の第三の態様によれば、電子機器を提供することが可能になる。
次に、本発明の実施の形態(実施形態)を説明する。
(固体電解質、固体電解質の製造方法、燃料電池、及び電子機器)
本発明の実施形態は、固体電解質、固体電解質の製造方法、燃料電池、及び電子機器に関する。
本発明の実施形態の目的は、より容易に形成することができる固体電解質、該固体電解質の製造方法、該固体電解質を含む燃料電池、及び該燃料電池を有する電子機器を提供することである。
に記載の発明は、固体電解質において、少なくとも2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、アルキル(メタ)アクリレート及び非対称ジ(メタ)アクリレートを共重合することによって得られることを特徴とする、固体電解質である
に記載の発明は、に記載の固体電解質において、前記アルキル(メタ)アクリレートは、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートであり、前記非対称ジ(メタ)アクリレートは、アリル(メタ)アクリレートであることを特徴とする、固体電解質である
に記載の発明は、に記載の固体電解質において、全モノマーに対する前記アリル(メタ)アクリレートの含有量は、5重量%以上30重量%以下であることを特徴とする、固体電解質である
に記載の発明は、に記載の固体電解質において、全モノマーに対する前記2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩の含有量は、38重量%以上57重量%以下であり、全モノマーに対する前記トリフルオロエチル(メタ)アクリレートの含有量は、33重量%以上58重量%以下であり、全モノマーに対する前記アリル(メタ)アクリレートの含有量は、5重量%以上30重量%以下であることを特徴とする、固体電解質である
に記載の発明は、に記載の固体電解質を製造する固体電解質の製造方法であって、前記非対称ジ(メタ)アクリレートにおける二つのアクリレート基のうち、主に一方のアクリレート基のみの重合を進行させ、溶剤可溶の共重合体を作製する第一の反応工程と、他方のアクリレート基を反応させることにより架橋共重合体とする第二の反応工程とを有することを特徴とする、固体電解質の製造方法である
に記載の発明は、固体電解質において、に記載の固体電解質の製造方法によって得られることを特徴とする、固体電解質である
に記載の発明は、に記載の固体電解質の製造方法において、前記第二の反応工程において、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートを再添加することを特徴とする、固体電解質の製造方法である
に記載の発明は、燃料電池において、乃至のいずれか一又はに記載の固体電解質を含むことを特徴とする、燃料電池である
に記載の発明は、に記載の燃料電池において、当該燃料電池の燃料は、エタノールであることを特徴とする、燃料電池である
10に記載の発明は、電子機器において、又はに記載の燃料電池を有することを特徴とする、電子機器である
本発明の実施形態によれば、より容易に形成することができる固体電解質、該固体電解質の製造方法、該固体電解質を含む燃料電池、及び該燃料電池を有する電子機器を提供することができる。
本発明の実施形態に係る固体電解質は、従来では達成しがたい塗布合成型の固体電解質であり、実使用可能な領域の厚膜まで容易に形成できるものである。また、形成が容易であることからも製造工数が少なく安価に製造できることがみこまれる。したがって、本発明の実施形態は、形成が容易な新規な固体電解質及び製法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明の実施形態では、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、アルキル(メタ)アクリレート及び非対称ジアクリレートを共重合することにより課題を達成できることを見出した。さらにアルキル(メタ)アクリレートがトリフルオロエチル(メタ)アクリレートであり、非対称ジ(メタ)アクリレートがアリル(メタ)アクリレートを使用することで、より効果があることを見出した。
また、前記固体電解質では全モノマーに対するアリル(メタ)アクリレートの含有量が30重量%から5重量%において、最終的に形成される膜の安定性が良好であることを見出した。
さらに2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩の全モノマーに対する含有量が38重量%から57重量%以下、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートの全モノマーに対する含有量が58重量%から33重量%、アリル(メタ)アクリレートの全モノマーに対する含有量が30重量%から5重量%である(全モノマー量を100重量%とし、3つのモノマーは必須とする)ことにより、イオン伝導度が優れ、かつ膜の安定性が良好であることを見出した。
前記固体電解質を合成する方法としては、非対称ジ(メタ)アクリレートにおける2つのアクリレート基の内、主に一方のアクリレート基のみの重合を進行させ、溶剤可溶の共重合体を作製する第一の反応工程と、他方のアクリレート基を反応させることにより架橋共重合体とする第2の反応工程、この二つの主な反応工程を持たせることにより、第一の工程では溶剤に可溶な固体電解質ふくんだ溶液がえられること、第二の工程では安定性に優れる固体電解質が作製できることを見出した。また、第二の反応工程において、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートを再添加することで、より安定かつ均質性に優れる固体電解質を作製できる。このような手法を用いることにより、高イオン伝導性で安定性にすぐれる膜質の均一なイオン伝導体を簡便かつ効率的に製作することができる。
本発明の実施形態のある態様では、本発明の実施形態に係る固体電解質材料で構成される固体電解質膜を含む燃料電池が提供される。本発明の実施形態に係る固体電解質膜はイオン伝導度が高く、燃料電池への使用に好適である。
またこの場合、燃料電池の燃料は、アルコールであることが好ましく、エタノールであることがより好ましい。
本発明の実施形態の別の態様によれば、このような燃料電池を用いた電源システムが提供される。
本発明の実施形態のさらに別の態様によれば、このような電源システムを備えた電子機器が提供される。
本発明の実施形態によれば、従来では達成しがたい塗布合成型の固体電解質材料が提供される。また、この材料で固体電解質膜を構成することにより、イオン伝導度が高く、安定性にすぐれる均質な固体電解質膜(イオン伝導体膜)を得ることが可能となる。またこのような固体電解質材料を簡便かつ効率的な方法で製造することが可能となる。このような固体電解質材料又は固体電解質膜は、燃料電池及びそれを電源システムとした電子機器に用いることができる。
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
本発明の実施形態では、必須材料として以下の3種類の単量体を使用する。
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、
アルキル(メタ)アクリレート
非対称ジ(メタ)アクリレート
ここで(メタ)はアクリレート及びメタクリレートを示すものである。
単量体(a)は親水性単量体であり、特には作製される固体電解質の含水率、イオン伝導度に影響をあたえものである。この含有量が多い場合は、イオン伝導度は高いが、親水性溶剤(特に水)中での膨潤が大きくなり、強度の面で実用的でなくなる。
単量体(b)は疎水性単量体であり、特には作製される固体電解質の含水率、イオン伝導度に影響をあたえものである。この含有量が多い場合、作製される固体電解質膜は、強度的に強いものとなるがイオン伝導度が低下する。
単量体(c)は架橋剤であり、特には作製される固体電解質の強度や膨潤に影響をあたえるものである。少ない場合、親水性溶剤(特に水)中での膨潤が大きくなり膜強度が低下する。多い場合、膜が脆くなる傾向がある。
単量体(b)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び、アルキル部水素をフッ素化したものが使用できる。特に2,2,2―トリフルオロエチル(メタ)アクリレートが少量で、疎水性を発揮させることができるので好ましい。
単量体(c)である非対称ジ(メタ)アクリレートとは、その分子内に二つのビニル基を有する化合物であり、その各々のビニル基の結合している周辺の元素種の結合状態に異なりがあるものである。換言すると二つのビニル基の電子状態が異なる状態にあるものをさす。反応を行なうビニル基の電子状態が異なることから、二つのビニル基の反応性に異なりがでる物質である。具体的にはアリル(メタ)アクリレートを使用するのが好ましい。
単量体(a)(b)(c)の使用割合としては、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩の全モノマーに対する含有量が38重量%から57重量%以下、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートの全モノマーに対する含有量が58重量%から33重量%、アリル(メタ)アクリレートの全モノマーに対する含有量が30重量%から5重量%であることが好ましい。(全モノマー量を100重量%とし、3つのモノマーは必須とする)2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩の全モノマーに対する含有量が38重量%未満であると充分なイオン伝導度が得られにくくなる。57重量%より多いと、イオン伝導度は高くなるが、固体電解質膜の含水率が大きくなることから膨潤しやすく実用的強度が得られにくくなる。
トリフルオロエチル(メタ)アクリレートの全モノマーに対する含有量が58重量%より多いと、充分なイオン伝導度が得られにくくなる。33重量%未満であると、相対的に親水部分が増え固体電解質膜の含水率が大きくなることから膨潤しやすく実用的強度が得られにくくなる。
アリル(メタ)アクリレートの全モノマーに対する含有量が30重量%より多いと膜強度は向上する方向にはあるが膜が脆くなる傾向がある。5重量%未満であると膜強度が得られにくい。
次に本発明の実施形態に係る固体電解質の製造方法について説明する。
少なくとも単量体(a)(b)(c)を溶剤に添加し、ビニル基を共重合すものである。好ましくは、非対称ジ(メタ)アクリレートにおける2つのアクリレート基の内、主に一方のアクリレート基のみの重合を進行させ、溶剤可溶の共重合体を作製する第一の反応工程と、他方のアクリレート基を反応させることにより架橋共重合体とする第2の反応工程を有する製造方法とすることが好ましい。このような製法とすることにより、第一の反応工程において溶剤に可溶な状態(良分散状態も含む)の固体電解質液をえることが可能となる。この液を使用することにより、所望の膜厚の固体電解質膜を所望の場所に塗布により簡便に形成するこができる。
反応の第一工程では非対称ジ(メタ)アクリレートにおける2つのアクリレート基の内、主に一方のアクリレート基のみの重合を進行させていることから、得られている固体電解質は主にリニアポリマーである(の固体電解質はこの状態も含むものである)。したがって、適切な溶剤を選択することにより容易に溶液状態(良分散状態)を達成することができる。
反応の第二工程では、第一工程で得た固体電解質中に残存するビニル基を重合するものである。これにより、ポリマーの架橋密度が向上し、強度に優れ溶剤に不溶の固体電解質とすることが可能である。具体的には、第一の工程で得られた固体電解質液を所望する場所に塗布し、残存するビニル基を重合する条件をあたえるとともに溶剤(分散媒)を加熱等の手法で除去することにより膜を形成できる。
また、より強度・安定性・膜の均質性を向上させた膜を形成するには、第2の反応工程において、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートを再添加することで、強度・安定性・膜の均質性に優れる固体電解質膜をえることができる。
第一の工程で得られた液の塗布方法には、公知のブレードコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法、スクリーン印刷法、フレクソ印刷法、及びスプレイコート法等を用いることができる。
ブレードコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法、及びスプレイコート法は、イオン伝導性液体を大面積領域に塗布することができる。
スクリーン印刷法及びフレクソ印刷法などのような印刷版を使用する方法では、任意の位置の任意の範囲に、イオン伝導性液体を塗布する。このような印刷法により塗布されたイオン伝導性液体を乾燥又は固化させる(媒質を除去する)ことによって、イオン伝導体膜を得ることができる。
例えばブレードコート法の場合には、PETフィルムなどの平滑な板又は膜にイオン伝導性液体を塗布し、これをウェットギャップが設定されたブレードにより均一な速度で平坦化することにより、均一な厚さのイオン伝導体膜が得られる。
また、スプレイコート法では、PETフィルムなどの平滑な板又は膜にイオン伝導性液体を噴霧した後、イオン伝導性液体から媒質を除去することにより、均一な膜厚のイオン伝導体膜が得られる。得られるイオン伝導体膜の厚さは、液体噴霧量及び液体噴霧装置の移動速度等を調整することにより制御することができる。
本発明の実施形態に係る高分子固体電解質から構成されるイオン伝導体膜は燃料電池の構成材として利用することができる。本発明の実施形態に係るイオン伝導体膜は、均一かつ高イオン伝導性であり、例えば電解質のイオン伝導体膜として用いることにより、良好な性能の電池を提供することができる。
図1は、プロトン伝導型の固体高分子の電解質膜を含む燃料電池の発電機構を説明する図である。燃料電池は、本発明の実施形態によるイオン伝導体膜の電解質膜と、電解質膜の両側に設置されたアノード及びカソード電極とを有する。アノード側のセパレータで囲まれた領域にはプロトン源となる燃料(水素、アルコールなど)が供給され、アノード内に提供された触媒により、プロトン源の燃料が酸化され、プロトン源の燃料から水素イオンが発生する。この時、アノードに発生する電子は、負荷を有する外部回路を通じて流れ、アノードに発生した水素イオンは、プロトン伝導型の電解質膜を伝搬して、カソードに到達する。カソード側のセパレータで囲まれた領域には(空気、酸素などの)酸化剤が供給され、水素イオン、酸素、及び外部回路からの電子とが反応し、水素イオン及び酸素が反応して、水を生成する。
本発明の実施形態によるイオン伝導体膜を電解質膜として使用する燃料電池は、触媒の種類にもよるが、原則としていかなる燃料も使用することができる。しかしながら燃料は通常、容器内などの制限された体積空間に収められるため、一定の体積を有する。従って燃料としては、高い体積及び重量エネルギー密度の燃料を用いることが好ましい。特に、高い体積エネルギー密度の燃料を用いることが好ましい。
液体燃料及び固体燃料の体積エネルギー密度は、気体燃料の体積エネルギー密度に比して、相対的に高い。例えば、1分子の酸化反応により取り出せる電子の数は、水素の場合は2個であり、メタノールの場合は6個であり、エタノールの場合は12個である。従って各々の分子1molから理想的に取り出すことのできる電荷量(クーロン)は、水素については、96500×2Cであり、メタノールについては、96500×6Cであり、エタノールについては、96500×12Cである。各々の燃料の密度及び分子量を考慮し、体積1cm当たりの電荷量に換算したエネルギー密度は、水素については、約9C/cmであり、メタノールについては、約14400C/cmであり、エタノールについては、15200C/cmである。このように、常温常圧下で気体である水素の単位体積当たりのエネルギー密度は、著しく低い。常温常圧下で液体であるメタノール及びエタノールは、
メタノール;CHOH+HO→6H+6e+CO
エタノール;COH+3HO→12H+12e+2CO
のように、酸化反応に対して、それぞれ、1分子及び3分子水分子を必要とするが、液体燃料は、気体燃料よりも優れていることは明らかである。
なお、高圧状態の水素又は液体水素を使用することも可能であるが、燃料を保持する容器を堅牢にする必要があり、容器を含めてエネルギー密度を考慮すると、常温常圧下で液体又は固体状態の燃料の方が優れている。具体的には、水素吸蔵合金に蓄えた水素、ガソリン、液体状炭化水素、液体状アルコール等の固体状燃料又は液体状燃料を使用することができる。アルコール燃料を使用することは、本体の燃料電池の小型化することができると共に、燃料が優れた体積エネルギー密度を有するため、好ましい。また、アルコール燃料を使用することによって、駆動時間を向上させた小型の燃料電池を形成することができる。さらに、4個以下の炭素数を備えたアルコールを使用することが好ましい。特に、エタノールを使用することは、エタノールの安全性が高く、エタノールの生合成が可能であるため、好ましい。このような形態の燃料電池は、優れた体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度を有するため、比較的小型の機器に使用する電池として特に好適である。
本発明の実施形態による第2の実施形態は、本発明の実施形態による第1の実施形態である燃料電池を用いた電源システムである。
図2は、情報処理装置に搭載された電源システムの構成を概略的に説明する図である。また、図3は、情報処理装置に搭載された電源システムの作用を概略的に説明するブロック図である。なお、図3において、矢印は、燃料等の流れを示す。
図2及び図3に示すように、パーソナルコンピュータのような情報処理装置に搭載された、本発明の実施形態による第六の実施形態である電源としての電源システムは、燃料電池20、液体燃料を収容する液体燃料カートリッジ71、液体燃料カートリッジ71に接続された混合器72、液体燃料カートリッジ71及び混合器72の間に設けられたバルブ73、燃料を燃料電池20に供給するための燃料ポンプ74、燃料濃度を検知する燃料濃度センサ75、発電後の燃料を気体及び液体に分離する気液分離器76、温度センサ77及び冷却素子78を有する熱交換器79、空気を燃料電池20に供給するための空気ポンプ80、温度センサ81及び冷却素子82を有する水分凝縮器83、水分凝縮器83からの水分を収容する水タンク84、水タンク84及び混合器72の間に設けられたバルブ85、これらの各部を制御するための制御回路86、並びに燃料電池の正負極が接続されたDCDCコンバータ87等で構成される。なお、燃料等が通過する各部は、チューブ等の流路により接続される。
このような電源システムにおいて、混合器72を通過した燃料は、燃料ポンプ74を経て燃料濃度センサ75に導かれる。燃料濃度センサ75により検知された燃料濃度が、所定の濃度よりも低い場合には、制御回路86は、液体燃料カートリッジ71のバルブ73を開ける。燃料は、燃料電池20に導かれる。発電後の燃料は、気液分離器76により気体成分(炭酸ガス)及び液体成分に分離され、液体成分は、熱交換器79に導かれる。温度センサ77により検知された液体温度が、所定の温度よりも低い場合には、制御回路86は、冷却素子78を用いて液体を冷却せず、液体温度が、所定の温度より高い場合には、制御回路86は、冷却素子78を用いて液体を冷却する。熱交換器79を通過した燃料は、再び混合器72に戻される。このような流れが、燃料ラインとして機能する。
空気ポンプ80からの空気は、燃料電池20に導かれる。燃料電池20を通過した気液混合ガスは、水分凝縮器83に導かれる。温度センサ81により検知されたガス温度が、所定の温度よりも低い場合には、制御回路86は、冷却素子82を用いて気液混合ガスを冷却せず、ガス温度が、所定の温度よりも高い場合には、制御回路86は、冷却素子82を用いて気液混合ガスを冷却する。なお、排ガスは、電源システムの外部に排出される。ここで、排ガスを排出するための排出口(図示せず)は、情報処理装置に対する電源システムの装着位置によって異なるが、情報処理装置の外部に面した位置に設けることが好ましい。水分凝縮器83を用いて凝縮された水分は、水タンク84を介して混合器72に戻される。このような流れが、酸化剤ライン(空気ライン)として機能する。
このようにして、(空気も含む)燃料が、燃料電池20に供給されることで、燃料電池20は、発電し、所定の電力(起電力)をDCDCコンバータ87に付与し、DCDCコンバータ87に設けられた端子88を通じて、電力を電子機器に供給する。なお、図4及び図5に示す電源システムにおいては、蓄電素子を用いていないが、例えば蓄電素子を電源システムの内部及び/又は外部に設けてもよい。
本発明の実施形態による電子機器は、例えば、本発明の実施形態による第2の実施形態である電源システムを備える携帯可能なパーソナルコンピュータのような情報処理装置である。図4は、本発明の実施形態に係る電源システムが搭載された情報処理装置の概略図である。また、図5は、情報処理装置における情報処理装置の構成を概略的に示したブロック図である。
図4に示すように、本発明の実施形態による第2の実施形態である電源システム51は、例えば、携帯可能なパーソナルコンピュータのような情報処理装置50の内部に搭載される。図5に示すように、情報処理装置50は、各種演算を行って各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)52、BIOS(バイオス)等を記憶しているROM(Read Only Memory)53及びCPU52の作業エリアとなるRAM(Random Access Memory)54が、バス55により接続されるように構成される。バス55には、大容量記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)56、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置57、キーボード及びマウス等の入力装置58、CD及びDVD等の記憶媒体59からデータを読み取る光ディスク装置等のデータ読取装置60、並びに電力を供給する電源システム51等が各種のコントローラ(図示せず)等を介して接続されている。
記憶媒体59には、各種のプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、データ読取装置60で読み取られ、HDD56にインストールされる。なお、記憶媒体59としては、CD及びDVD等の光ディスク、光磁気ディスク、並びにフレキシブルディスク等の各種方式のメディアを用いることができる。データ読取装置60も記憶媒体59の方式に応じて、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、及びFDD等が用いられる。また、各種のプログラムは、記憶媒体59から読み取るのではなく、ネットワーク(図示せず)からダウンロードしてHDD56にインストールされるものであってもよい。
以下本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
ジメチルホルムアミド(DMF)に12.6gに2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)0.56g、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEMA)0.7g、アリルメタクリレート(AMA)0.14gをくわえ溶解させた。アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をモノマーの2%(28mg)加えた。窒素ガスを溶液中に十分バブリングしたのち、48℃で16時間攪拌した。得られたイオン伝導性液体は無色透明の溶液状態であった。この液に2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート0.07gを加え溶解させた。この溶液を硝子基板上に塗布するとともに、70℃で15分間、つづいて120℃で15分間加熱した。硝子上には膜が形成されていた。この膜を1Nの硫酸水溶液中で1時間加熱した。膜を取りだし、イオン交換水中で1時間加熱洗浄、膜を取りだし、さらにイオン交換水で1時間加熱洗浄したのちイオン交換水中に保管した。得られた固体電解質膜は均質であった。
このイオン伝導体膜を径3mmの金型で打ち抜き、インピーダンスアナライザーを用いて固体電解質膜のインピーダンスを測定した。得られたインピーダンスの実部及び虚部の測定値についてコールコールプロットを行い、低周波部から高周波部分の外挿直線が実数軸と交わる部分(交点)を抵抗値とした。イオン伝導度は5.0×10−2S/cmであった。
別な膜を用意し、含水率の測定をおこなった。イオン交換水中に保存した膜を取りだし、濾紙で水滴を除去後、重量を測定、その後真空乾燥することにより、膜中から水分を取り除き重量を測定、乾燥前後の重量差から含水率を算出した。67.73%であった。
[(含水重量―乾燥重量)/(乾燥重量)]×100=含水率%
(実施例2−8)
実験操作は実施例1と同様、使用した材料量及び評価結果を実施例1とともに表1にしめす。
Figure 0005024500
(比較例1−7)
実施例1においてアリルメタクリレート(AMA)を使用しない以外は同様に合成を行った。結果を表1に示す。
表1中の実施例1−4と比較例1−7を比較すると、AMAがない場合は、イオン伝導度を高くするためAMPS含量を増加させると膜質が大きく悪化する。これに対しAMAがある場合、膜質の悪化が抑制されていることがわかる(特に実施例6−8と比較例5の比較)。また表1中の材料比率をみると、AMPSの存在量は、膜質とイオン伝導度に影響を与えるが、イオン伝導度の面では(0.05S/cm以上)38%以上ふくむのが好ましく、膜質の面では57%以下にするのが特には好ましいのがわかる。またAMAの存在量は特に膜質に影響が大であり、5%未満であると膜質が悪化することもわかる。
また、イオン交換容量とイオン伝導度、イオン交換容量と含水率の関係図をそれぞれ図6、図7に示す。
図6は実施例1−4及び比較例1−7で作製させた固体電解質のイオン交換容量とイオン伝導度の関係をあらわしたものである。イオン交換容量の増加とともにイオン伝導度は上昇する。AMPS−TFEMAの共重合体はイオン交換容量2付近から急激にイオン伝導度が上昇するが、膜質は大きく悪化する。これに対してAMPS−TFEMA−AMAの共重合架橋体はイオン交換容量の増加とともに単調にイオン伝導度も増加、イオン交換容量2付近以上でも膜質は悪化しない。
図7は実施例1−4で作製された固体電解質のイオン伝導度と含水率の関係を示した図である。イオン交換容量の増加とともに含水率が大きくなっている。図6と比較するとイオン伝導度と含水率には正の相関関係があることがわかる。
(実施例9)
実施例7のイオン伝導性液体をドクターブレード法を用いて離型性のプラスチックシートに塗布後、乾燥させ、メタノールで洗浄して膜厚約180μm(8cm×8cm)の固体電解質膜を得た。
蒸留水10gに白金触媒(カソード用触媒)を50重量%担持したカーボン1gと、5重量%のNafion(登録商標)液7.4gを添加し、分散処理を行った液体を調製した。この液体を先のイオン伝導体膜の片面にスプレー塗布して、上記触媒分散液を白金あたり1mg/cmとなるように形成した。塗布面積は5cm×5cmとした。
蒸留水10gに、白金ルテニウム触媒(元素比1:1)(アノード用触媒)を40重量%担持したカーボン1gと、5重量%のNafion(登録商標)液7.4gを添加し、分散処理を行った液体を調製した。この液体を白金触媒が塗布された面とは反対の面にスプレー塗布して、上記触媒分散液を白金あたり1mg/cmとなるように形成した。塗布面積は5cm×5cmとした。
表裏に触媒を塗布した固体電解質膜を、120℃に加熱した後、図8に示す燃料電池を作製した。この燃料電池は、テフロン(登録商標)製のシール部材109(厚さ200μm、外寸80mm×80mm、内径54mm×54mm)、カーボンペーパーからなる拡散層104(厚さ200μm、53mm×53mm)、樹脂含浸高密度人造黒鉛からなる液体燃料供給部105a及び酸化剤供給部105b(厚さ10mm、80mm×80mm、流路形状:サーペンタイン、流路外寸50mm×50mm)、銅に金メッキを施工した集電板106、絶縁板107(厚さ500μm、80mm×80mm)、エンドプレート108(SUS304、厚さ12mm、120mm×120mm)を有する。
1辺に対して3個所(全体で12箇所)で固定した。液体燃料供給口112及び酸化剤供給口114をエンドプレートの側面に設け、絶縁板117、液体燃料供給部105a及び酸化剤供給部105bには、液体燃料及び酸化剤を導入する開口を設け、集電板106面にOリングを設置して(図示されていない)、シール性を確保した。
0.93mol/lのメタノール水溶液(液体燃料)の流速を1.5ml/分、空気(酸化剤)の流速を100ml/分として、燃料電池に供給したところ、0.61Vの開放電圧が得られ、本固体伝導膜が燃料電池のイオン伝導体膜として使用できることがわかった。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
[付記]
付記(1):
少なくとも2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、アルキル(メタ)アクリレート及び非対称ジ(メタ)アクリレートを共重合することによって得られる
ことを特徴とする、固体電解質。
付記(2):
前記アルキル(メタ)アクリレートは、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートであり、
前記非対称ジ(メタ)アクリレートは、アリル(メタ)アクリレートである
ことを特徴とする、付記(1)に記載の固体電解質。
付記(3):
全モノマーに対する前記アリル(メタ)アクリレートの含有量は、5重量%以上30重量%以下である
ことを特徴とする、付記(2)に記載の固体電解質。
付記(4):
全モノマーに対する前記2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩の含有量は、38重量%以上57重量%以下であり、
全モノマーに対する前記トリフルオロエチル(メタ)アクリレートの含有量は、33重量%以上58重量%以下であり、
全モノマーに対する前記アリル(メタ)アクリレートの含有量は、5重量%以上30重量%以下である
ことを特徴とする、付記(2)に記載の固体電解質。
付記(5):
付記(1)に記載の固体電解質を製造する固体電解質の製造方法であって、
前記非対称ジ(メタ)アクリレートにおける二つのアクリレート基のうち、主に一方のアクリレート基のみの重合を進行させ、溶剤可溶の共重合体を作製する第一の反応工程と、他方のアクリレート基を反応させることにより架橋共重合体とする第二の反応工程とを有する
ことを特徴とする、固体電解質の製造方法。
付記(6):
付記(5)に記載の固体電解質の製造方法によって得られる
ことを特徴とする、固体電解質。
付記(7):
前記第二の反応工程において、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートを再添加する
ことを特徴とする、付記(5)に記載の固体電解質の製造方法。
付記(8):
付記(1)乃至(4)のいずれか一つ又は付記(6)に記載の固体電解質を含む
ことを特徴とする、燃料電池。
付記(9):
当該燃料電池の燃料は、エタノールである
ことを特徴とする、付記(8)に記載の燃料電池。
付記(10):
付記(8)又は(9)に記載の燃料電池を有する
ことを特徴とする、電子機器。
本発明の実施形態は、高イオン伝導性樹脂材料及びその製造方法、並びにその材料で構成されるイオン伝導体膜を用いた燃料電池、電源システム及び電子機器に適用することができる。
図1は、燃料電池の原理を説明する図である。 図2は、本発明の実施形態による第2の実施形態である、電池システムの構成例を示す図である。 図3は、本発明の実施形態による第2の実施形態である、電池システムの作用を示す図である。 図4は、本発明の実施形態による第3の実施形態である、電子機器の例を示す図である。 図5は、本発明の実施形態による第3の実施形態である、電子機器の情報処理装置の構成図である。 図6は、イオン交換容量とイオン伝導度の関係を説明する図である。 図7は、イオン交換容量と含水率の関係を説明する図である。 図8は、本発明の実施形態に係るイオン伝導体膜を用いた燃料電池の構成図である。
(図2、図3)
20 燃料電池
71 液体燃料カートリッジ
72、85 混合器
73 バルブ
74 燃料ポンプ
75 燃料濃度センサ
76 気液分離器
77 温度センサ
78 冷却素子
79 熱交換器
80 空気ポンプ
81 温度センサ
82 冷却素子
83 水分凝縮器
84 水タンク
86 制御回路
87 DCDCコンバータ
88 端子
(図4)
50 情報処理装置
51 電源システム
(図5)
52 CPU
53 ROM
54 RAM
55 バス
056 HDD
57 表示装置
58 入力装置
59 記憶媒体
60 データ読取装置
61 電源部
(図8)
104 拡散層
105a 液体燃料供給部
105b 酸化剤供給部
106 集電板
107、117 絶縁板
108 エンドプレート
109 シール部材
112 液体燃料供給口
114 酸化剤供給口

Claims (7)

  1. 固体電解質において、
    少なくとも2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、アルキル(メタ)アクリレート及びアリル(メタ)アクリレートを共重合することによって得られることを特徴とする固体電解質。
  2. 請求項1に記載の固体電解質において、
    前記アルキル(メタ)アクリレートは、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートであることを特徴とする固体電解質。
  3. 請求項2に記載の固体電解質において、
    全モノマーに対する前記アリル(メタ)アクリレートの含有量は、5重量%以上30重量%以下であることを特徴とする固体電解質。
  4. 請求項2に記載の固体電解質において、
    全モノマーに対する前記2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩の含有量は、38重量%以上57重量%以下であり、
    全モノマーに対する前記トリフルオロエチル(メタ)アクリレートの含有量は、33重量%以上58重量%以下であり、
    全モノマーに対する前記アリル(メタ)アクリレートの含有量は、5重量%以上30重量%以下である
    ことを特徴とする固体電解質。
  5. 燃料電池において、
    請求項1からまでのいずれか一項に記載の固体電解質を含む
    ことを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項5に記載の燃料電池において、
    当該燃料電池の燃料は、エタノールであることを特徴とする燃料電池。
  7. 電子機器において、
    請求項又はに記載の燃料電池を有する
    ことを特徴とする電子機器。
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