JP5046563B2 - 樹脂材料及びその製造方法、燃料電池、電源並びに電子機器 - Google Patents

樹脂材料及びその製造方法、燃料電池、電源並びに電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂材料、樹脂材料の製造方法、燃料電池、電源並びに電子機器に関する。
温暖化ガスに代表される環境問題の観点から、クリーンエネルギー源としての燃料電池が急ピッチで開発されている。特に、固体電解質型燃料電池は、低温で作動することができることや小型で高い出力密度を有することができることから、研究開発が活発に進められている。
固体電解質型の燃料電池は、アノード及びカソードの間に挟まれたプロトン伝導型電解質膜を有する。このような燃料電池においては、例えば、アノードに水素が供給され、カソードに酸素が供給される。そして、アノード内の触媒によりアノードに供給された水素からプロトンが発生する。この時、発生した電子は、外部回路を伝導し、プロトンは、プロトン伝導型の電解質膜を伝搬して、カソードに達する。カソードに到達したプロトン、電子及び酸素が反応し、水を生成する。上記のように、燃料電池の発電が進行するためには、アノードで発生したプロトンは、カソードに良好に伝搬されなければならず、良好なプロトンの伝搬性を備えた電解質膜の開発が盛んに行われている。例えば、Dupont社のパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子Nafion(登録商標)が高いプロトン伝導性の膜として開発され、電解質膜として広く利用されている。しかしながら、Nafionは、多段階合成を経て製造されるため高価であり、低コストの電解質膜の開発が進められている。
例えば、特許文献1には、リン酸基を有するモノマーの重合樹脂が開示されている。
特許文献2には、炭化水素部を有する重合体に対してリン酸基含有重合体を混合することにより、耐酸化性を向上した電解質膜が開示されている。
特許文献3には、プロトン酸基を有する重合体と成膜性を有する非伝導体高分子を混合したポリマーブレンドプロトン伝導体が開示されている。
特許文献4〜6には、リン酸基を有するモノマーとスルホン酸基を有するモノマーの共重合樹脂が開示されている。また、分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーの使用が開示されている。
特許文献7には、イオン性解離基を有する高分子とイオン性解離基を有さない高分子を溶融及び/又は溶解させた状態で電界を印加することによって、固体高分子イオン伝導体を製造する方法が開示されている。
特許文献8には、ポリフッ化ビニリデン膜及びフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロフロピレン共重合体膜のような、既に膜の形態になっている基材ポリマーを浸漬によって膨潤させる工程、膨潤した基材ポリマーを、スルホン化スチレン及びジビニルベンゼンのようなモノマー並びに重合開始剤に浸漬させる工程、膨潤した基材ポリマー内でモノマーを重合させる工程を繰り返して、ポリマーブレンドを得る方法が開示されている。
また、特許文献3には、プロトン酸基を有する重合体及び成膜性を有する非伝導体高分子を、適当な溶媒に溶解又は分散した後、溶剤を除去する工程を経てポリマーブレンドプロトン伝導体を形成する方法、並びにプロトン酸基を有する重合体及び成膜性を有する非伝導体高分子を溶融し、適当な混合機で混合又は分散した後、公知の成形機や成膜機で所望するポリマーブレンドプロトン伝導体を得る方法が開示されている。
特開2001−114834号公報 特開2004−79252号公報 特開2002−294087号公報 特開2003−86021号公報 特開2004−14232号公報 特開2003−138088号公報 特開2003−234015号公報 特表2001−504636号公報
しかしながら、特許文献1に記載のリン酸基を有する重合樹脂((1)式に示すモノマー重合樹脂)は、溶媒不溶であることから、加熱、加圧成型により膜を形成する必要があり、簡便にイオン伝導体膜を形成することは難しい。また、イオン伝導度も不十分である。
特許文献2の炭化水素部を有する重合体の一例として、フッ化ビニリデン樹脂が考えられるが、この樹脂は、混合体としての分散性や相溶性が悪い。また、リン酸基含有モノマーとして、アシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリコール)メタクリレートやアシッドホスホオキシ(ポリプロピレングリコール)メタクリレートを用いた場合、形成される樹脂のイオン伝導度は低く、特に、アシッドホスホオキシ(ポリプロピレングリコール)メタクリレートを用いた場合は、形成される膜質は不均質である。さらに、イオン伝導体樹脂の中には、リン酸基含有モノマーの重合体((1)式に示すモノマー重合樹脂)のように汎用溶剤に溶解しないものがある。また、実施例中で得られている樹脂のイオン伝導度も不十分である。
特許文献3の非伝導性高分子の一例であるフッ化ビニリデンは、混合体としての分散性や相溶性が悪い。さらに、リン酸基含有モノマーの重合体((1)式に示すモノマー重合樹脂)は、汎用溶剤に溶解せず、溶融もしない。また、得られる膜の強度や樹脂のイオン伝導度も不十分である。
特許文献4〜6においては、リン酸基を有するモノマーとスルホン酸基を有するモノマーの共重合樹脂や前記樹脂と各種の他の樹脂の混合体が開示されているが、いずれの樹脂もイオン伝導度が不十分である。
特許文献8の製造方法では、膜状の膨潤した基材ポリマー内に含浸させ得る量のモノマーのみを重合させるため、基材ポリマー内に含浸するモノマーの割合を制御することは難しい。従って、ポリマーブレンドにおけるポリマーの各成分の割合を制御し、得られるポリマーブレンドの特性を調整することは難しい。また、ポリマーブレンドを得るまでには膨潤、浸漬及び重合の各工程を何度も繰り返す必要があり、製造には長時間を要する。
特許文献3、7の製造方法では、十分な電気特性並びに高い熱的及び機械的強度を備えた固体高分子イオン伝導体(ポリマーブレンドプロトン伝導体)としての電解質膜を得るためには、二種類の高分子を常温(二種類の高分子の融点よりも低い温度)で溶剤に溶解又は分散させて二種類の高分子を均一に混合する工程又は二種類の高分子の融点以上の温度に加熱して、二種類の高分子を溶融させて均一に混合する工程が必要である。すなわち、二種類の高分子を均一に混合することで、電解質膜において、電気特性、熱的強度又は機械的強度が不十分な部分が形成されることを抑制することが必要になる。
しかしながら、二種類の高分子を常温(二種類の高分子の融点よりも低い温度)で溶剤に溶解又は分散させる場合には、イオン性解離基を有する高分子(プロトン酸基を有する重合体)及びイオン性解離基を有さない高分子(製膜性を有する非伝導体高分子)の両方を十分に溶解又は分散させることが可能な溶剤を用いる必要があるが、イオン性解離基を有する高分子及びイオン性解離基を有さない高分子の両方を十分に溶解させることが可能な溶剤を選択することは困難である。したがって、これらの高分子及び分散媒の相溶性が低く、各々の高分子鎖が絡み合いにくいため、これらの高分子を十分に混合するためには、長時間を要する。さらに、これらの方法で得られる固体高分子型電解質膜は、実際には、水又はアルコールに対して、膨潤しやすく、膜の安定性が悪い。
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、イオン伝導性が高い樹脂材料及び該樹脂材料の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該樹脂材料を有する燃料電池、該燃料電池を有する電源及び該電源を有する電子機器を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、第一の樹脂及び第二の樹脂を含有する樹脂材料であって、前記第一の樹脂は、化学構造式
CH=CHCOOCHCHOPO(OH)
で示される化合物及び/又は化学構造式
CH=C(CH)COOCHCHOPO(OH)
で示される化合物と、スルホン酸基を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーを共重合することにより得られ、前記第二の樹脂は、化学構造式
−CFCH
で示される構成単位、化学構造式
−CFCFCl−
で示される構成単位及び一般式
−CHCH(CHOCOOR)−
(式中、Rは、フッ化ビニリデンをグラフト重合することにより得られる側鎖である。)
で示される構成単位を有することを特徴とする。これにより、イオン伝導性が高い樹脂材料を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂材料において、前記スルホン酸基を有するモノマーは、一般式
Figure 0005046563
(式中、Xは、水素原子又はアルカリ金属である。)
で示される化合物、一般式
CH=CHCHSO
(式中、Yは、水素原子又はアルカリ金属である。)
で示される化合物及び化学構造式
CH=CHCONHC(CHCHSO
で示される化合物からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする。これにより、イオン伝導性をさらに向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の樹脂材料において、前記炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーは、化学構造式
CH=C(CH)COOCHCH=CH
で示される化合物化学構造式
(CH=CHCONH)CH
で示される化合物及び化学構造式
(CH=CHCOOCHCCHCH
で示される化合物からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする。これにより、イオン伝導性をさらに向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂材料において、前記第の樹脂の含有量が37重量%以上95重量%以下であることを特徴とする。これにより、機械的強度が良好な樹脂材料を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、樹脂材料を製造する樹脂材料の製造方法において、化学構造式
−CFCH
で示される構成単位、化学構造式
−CFCFCl−
で示される構成単位及び一般式
−CHCH(CHOCOOR)−
(式中、Rは、フッ化ビニリデンをグラフト重合することにより得られる側鎖である。)
で示される構成単位を有する樹脂を含有する液体中で、化学構造式
CH=CHCOOCHCHOPO(OH)
で示される化合物及び/又は化学構造式
CH=C(CH)COOCHCHOPO(OH)
で示される化合物と、スルホン酸基を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーを共重合する工程を有することを特徴とする。これにより、イオン伝導性が高い樹脂材料の製造方法を提供することができる。
請求項6に記載の発明は、樹脂材料において、請求項5に記載の樹脂材料の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする。これにより、イオン伝導性が高い樹脂材料を提供することができる。
請求項7に記載の発明は、燃料電池において、請求項1乃至又は6に記載の樹脂材料を有することを特徴とする。これにより、イオン伝導性が高い電解質膜を有する燃料電池を提供することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の燃料電池において、アルコールを含有する燃料を用いて発電することを特徴とする。これにより、体積エネルギー密度に優れる燃料電池を得ることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の燃料電池において、前記アルコールは、エタノールであることを特徴とする。これにより、環境保全性及び安全性が高い燃料電池を得ることができる。
請求項10に記載の発明は、電源において、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の燃料電池有することを特徴とする。これにより、イオン伝導性が高い電解質膜を有する電源を提供することができる。
請求項11に記載の発明は、電子機器において、請求項10に記載の電源を有することを特徴とする。これにより、イオン伝導性が高い電解質膜を有する電子機器を提供することができる。
本発明によれば、イオン伝導性が高い樹脂材料及び該樹脂材料の製造方法を提供することができる。また、本発明は、該樹脂材料を有する燃料電池、該燃料電池を有する電源及び該電源を有する電子機器を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
本発明の樹脂材料は、化学構造式
CH=CHCOOCHCHOPO(OH)及び
CH=C(CH)COOCHCHOPO(OH)
で示されるモノマーの少なくとも一方を重合することにより得られるイオン伝導性樹脂、化学構造式
CH=CHCOOCHCHOPO(OH)及び
CH=C(CH)COOCHCHOPO(OH)
で示されるモノマーの少なくとも一方と、スルホン酸基を有するモノマーを共重合することにより得られるイオン伝導性樹脂並びに化学構造式
CH=CHCOOCHCHOPO(OH)及び
CH=C(CH)COOCHCHOPO(OH)
で示されるモノマーの少なくとも一方と、スルホン酸基を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーを共重合することにより得られるイオン伝導性樹脂の少なくとも一つと、化学構造式
−CFCH−及び
−CFCFCl−
で示される構成単位並びに一般式
−CHCH(CHOCOOR)−
(式中、Rは、化学構造式
−CHCH−及び
−CFCH
で示される構成単位の少なくとも一方を有する側鎖である。)
で示される構成単位を有するグラフト共重合樹脂を含有する。これにより、イオン伝導性が高い樹脂材料を得ることができる。
スルホン酸基は、リン酸基と比較すると、一般的に、酸解離定数が大きいことから、イオン伝導度の向上が期待できる官能基である。したがって、スルホン酸基を有するモノマーは、イオン伝導度を向上させるためには、重合系において安定に存在できるものであれば、いずれも使用可能である。具体的には、(メタ)アリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩等を使用することができる。中でも、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩が好ましく、p−スチレンスルホン酸及びこれのアルカリ金属塩がさらに好ましい。なお、スルホン酸基を有するモノマーは、単独又は二種以上混合して用いることができる。
しかしながら、スルホン酸基は、酸解離定数が大きいことから、イオン伝導性樹脂中のスルホン酸基の含有量が多くなると、水等の親水性溶剤に対する溶解性が高くなる。しかしながら、水を主体とする媒体中でイオン伝導性樹脂を使用する場合に、溶解又は膨潤すると、不具合が発生する。このような場合は、炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーと共重合して、スルホン酸基及びリン酸基を有するイオン伝導性樹脂を架橋することにより、水への溶解や膨潤による膜強度の低下を抑制することができると共に、スルホン酸基のイオン伝導性樹脂中の含有量を増加させることが可能となるため、イオン伝導性も向上させることができる。炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーとしては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン等を使用することができる。中でも、メタクリル酸アリル、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。なお、炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーは、単独又は二種以上混合して用いることができる。
本発明において、グラフト共重合樹脂を構成する構成単位は、媒質に対して異なる相溶性や相互作用を発揮するため、構成単位の種類が多い程、グラフト共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の相溶性や分散性も多様となり、樹脂材料により多様な機能を付与することが可能となる。
本発明において、イオン伝導性樹脂は、単独では、イオン伝導性が低くなりやすく、また、成型性や成膜性も乏しい。これは、イオン伝導性樹脂のリン酸基が会合し、イオン伝導源である水素イオンが解離しにくくなるためである。成型性や成膜性が劣るのは、イオン伝導性樹脂が不融又は溶剤に不溶になる場合があるためである。
本発明において、グラフト共重合樹脂は、イオン伝導性樹脂のリン酸基の会合を抑制し、イオン伝導性樹脂の機械的強度及び化学的安定性を向上させる。したがって、イオン伝導性樹脂の含有量が少なくても、イオン伝導性を高くすることが可能である。また、スルホン酸基を有するモノマー及び炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーを共重合することにより、それぞれ樹脂材料のイオン伝導性及び機械的強度を向上させることができる。
本発明において、グラフト共重合樹脂は、主鎖の長さと側鎖の長さが同等程度であることが好ましい。また、構成単位の含有率としては、フッ化ビニリデン単位が50%以上95%以下であることが好ましく、90%以上95%以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂材料は、グラフト共重合樹脂とイオン伝導性樹脂を含有するため、イオン伝導体膜として、用いることができる。なお、イオン伝導体膜は、以下のようにして形成することができる。
グラフト共重合樹脂を溶剤に溶解又は溶融させた状態で、イオン伝導性樹脂を添加した後に、充分に攪拌混合してイオン伝導性液体を調製する。攪拌混合は、回転刃により固形分の微細化及び混合を行うホモジナイザー、回転する3本のロールが有するギャップにより粒子の微細化及び混合を行う3本ロールミル、ビーズを混合して攪拌することにより粒子の微細化及び混合を行うサンドミル、超音波振動により粒子を微細化及び混合する超音波分散等を用いて行うことができる。
次に、得られたイオン伝導性液体をプラスチック基板等に塗布した後、乾燥することにより、イオン伝導体膜を形成することができる。イオン伝導性液体が溶媒又は分散媒を含有する場合には、これらを除去して液体を固化させることができる。また、イオン伝導性液体がグラフト共重合樹脂の溶融物を含有する場合には、液温を低下させることでイオン伝導性液体を固化させることができる。また、塗布方法には、公知のブレードコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法、スクリーン印刷法、フレクソ印刷法、スプレーコート法等を用いることができる。中でも、イオン伝導性液体を大面積領域に塗布することができるため、ブレードコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法及びスプレーコート法が好ましい。一方、スクリーン印刷法、フレクソ印刷法等の印刷版を使用する方法を用いる場合は、任意の位置の任意の範囲に、イオン伝導性液体を塗布することができる。
例えば、ブレードコート法を用いる場合は、PETフィルム等の平滑な板又は膜に、イオン伝導性液体を塗布した後に、ウェットギャップが設定されたブレードを用いて、均一な速度で平坦化することにより、均一な厚さのイオン伝導体膜が得られる。
また、スプレーコート法を用いる場合は、PETフィルム等の平滑な板又は膜に、イオン伝導性液体を噴霧した後、イオン伝導性液体から媒質を除去することにより、均一な厚さのイオン伝導体膜が得られる。得られるイオン伝導体膜の厚さは、液体噴霧量及び液体噴霧装置の移動速度等を調整することにより制御することができる。
本発明の樹脂材料は、グラフト共重合体樹脂を37〜95重量%含有することが好ましく、45〜95重量%がさらに好ましい。グラフト共重合樹脂の含有量が37重量%未満であると、イオン伝導性樹脂が分離しやすくなり、樹脂材料の強度が低下することがある。グラフト共重合樹脂の含有量が95重量%を超えると、イオン伝導性が低下することがある。
本発明の樹脂材料の製造方法は、化学構造式
−CFCH−及び
−CFCFCl−
で示される構成単位並びに一般式
−CHCH(CHOCOOR)−
(式中、Rは、化学構造式
−CHCH−及び
−CFCH
で示される構成単位の少なくとも一方を有する側鎖である。)
で示される構成単位を有するグラフト共重合樹脂を含有する液体中で、化学構造式
CH=CHCOOCHCHOPO(OH)及び
CH=C(CH)COOCHCHOPO(OH)
で示されるモノマーの少なくとも一方、化学構造式
CH=CHCOOCHCHOPO(OH)及び
CH=C(CH)COOCHCHOPO(OH)
で示されるモノマーの少なくとも一方と、スルホン酸基を有するモノマー又は化学構造式
CH=CHCOOCHCHOPO(OH)及び
CH=C(CH)COOCHCHOPO(OH)
で示されるモノマーの少なくとも一方と、スルホン酸基を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーを重合することにより、イオン伝導性樹脂を合成する工程を有する。
具体的には、グラフト共重合樹脂を含有する液体にモノマーを添加した後、十分に攪拌、混合して溶解させる。このとき、重合開始剤をさらに添加してもよい。次に、得られた混合物を攪拌しながら、熱、光等の外部エネルギーを与えてモノマーを重合することにより、イオン伝導性樹脂とグラフト共重合樹脂を含有するイオン伝導性液体を製造することができる。
なお、グラフト共重合樹脂を含有する液体は、グラフト共重合樹脂を溶剤に溶解させた溶液であってもよく、グラフト共重合樹脂を溶融させた溶融物であってもよい。また、グラフト共重合樹脂を含有する液体は、グラフト共重合体以外の樹脂等の分散剤を含有していてもよい。
イオン伝導性樹脂を合成する際には、上記以外に、イオン性解離基を有さないモノマーを共重合してもよい。これにより、グラフト共重合樹脂とイオン伝導性樹脂の相溶性を向上させることができる。ここで、イオン性解離基を有さないモノマーとは、イオン性解離基を有さず、イオン伝導性樹脂を合成する際に用いるモノマーと共重合することが可能であり、グラフト共重合樹脂を含有する液体に溶解又は均質に分散することのできる炭素−炭素二重結合を一個有する化合物を意味する。
また、イオン性解離基を有さないモノマーは、グラフト共重合樹脂の構成単位と同様な構成単位を形成することが可能な化合物であることが好ましい。この場合には、得られるイオン伝導性樹脂は、グラフト共重合樹脂との親和性が良好な構成単位を有するため、グラフト共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の相溶性をさらに向上させることができる。このため、イオン伝導性液体におけるグラフト共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の混合状態を適正化することができ、均質な樹脂材料を得ることができる。
本発明の樹脂材料の製造方法においては、グラフト共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を直接混合せずに、グラフト共重合樹脂を含有する液体に、イオン伝導性樹脂を合成するために用いられるモノマーを添加するため、混合が容易となり、短時間で混合することができる。すなわち、グラフト共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を直接混合する場合には、両方の樹脂の長い分子鎖による立体障害が大きく、分子鎖の絡み合いが起こりにくく、両方の樹脂を混合するための時間が長くなる。これに対して、モノマーは、分子鎖が短いため、立体障害が小さく、長い分子鎖を有するグラフト共重合樹脂との混合は、短時間で達成される。また、グラフト共重合樹脂を含有する液体中でモノマーを重合するため、イオン伝導性液体におけるグラフト共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の混合状態は良好である。
なお、グラフト共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を直接混合すると、不均一に分散することがある。この場合、イオン伝導性液体から形成される樹脂材料の機械的強度、イオン伝導性が不均一になる。具体的には、樹脂材料中のイオン伝導性樹脂の割合が相対的に高い領域では、イオン伝導性は高いが、機械的強度が低くなり、樹脂材料におけるグラフト共重合樹脂の割合が相対的に高い領域では、機械的強度は高いが、イオン伝導度が低くなる。これに対して、本発明の樹脂材料の製造方法においては、イオン伝導性液体におけるグラフト共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の混合状態が良好であるため、樹脂材料の機械的強度及びイオン伝導性を均一にすることができる。
このように、本発明の樹脂材料の製造方法は、複雑な合成工程を経ることもなく、イオン伝導性が高い樹脂材料を簡便かつ効率的に製造することができる。
図1に、イオン性モノマー及び非イオン性高分子を含有する液体を概略的に示す。(a)及び(b)は、それぞれ非イオン性高分子が直鎖状共重合樹脂及びグラフト共重合樹脂である場合である。図1(a)に示すように、直鎖状共重合樹脂11を含有する液体においては、直鎖状共重合樹脂11の分子鎖間に、イオン性解離基を有するイオン性モノマー12を分散させることは極めて難しい。一方、図1(b)に示すように、グラフト重合体13を含有する溶液においては、イオン性モノマー12は、グラフト重合体13の主鎖から枝分かれした側鎖の間に、容易に分散することができる。したがって、図1(b)の場合、イオン性モノマー12を重合することにより得られるイオン伝導性樹脂とグラフト共重合体13の分散安定性を向上させることができる。
本発明の樹脂材料から構成されるイオン伝導体膜は、燃料電池の構成材として利用することができる。このようなイオン伝導体膜は、均一であると共に、イオン伝導性が高いため、例えば、電解質膜として用いることにより、良好な性能の燃料電池を提供することができる。
本発明の燃料電池は、本発明の樹脂材料を含有する電解質膜と、電解質膜を挟持する電極を少なくとも有する。図2に、燃料電池の発電概念を示す。基本的構成要素(発電素子)としては、中心に電解質膜21が存在し、その両側に電極であるアノード22及びカソード23が配置されている。電解質膜21は、基本的構成要素の電解質膜材料として適用されるものである。アノード22及びカソード23は、少なくとも触媒層を有し、加えて拡散層や集電部材を有する場合もある。また、図2では、アノード22及びカソード23には、燃料や酸化剤を供給するための流路を有するセパレータ24がそれぞれ設けられている。2つのセパレータ24は、電解質膜21、アノード22及びカソード23を挟持している。
アノードには、水素、アルコール等の燃料が供給され、電極触媒により燃料が酸化され、プロトン及び電子が発生する。アノードに発生する電子は、負荷を有する外部回路に流れ出る。また、プロトンは、電解質膜中を伝搬し、カソードに到達する。カソードには、空気、酸素等の酸化剤が供給され、プロトンと、酸素と、外部回路を流れて来た電子が反応し、水を生成する。
燃料として、水素を用いた場合の反応式は、以下のようになる。
アノード反応:H→2H+2e
カソード反応:2H+1/2O+2e→H
全反応:H+1/2O→H
本発明の燃料電池は、電極触媒の種類により適性があるが、燃料は、特に限定されない。しかしながら、燃料は、通常、容器等の有限な体積を有する空間に収められるため、体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度に優れることが好ましく、体積エネルギー密度に優れることが特に好ましい。このため、液体燃料又は固体燃料を用いることが好ましい。
水素、メタノール及びエタノールを1分子酸化することにより発生する電子数は、それぞれ2個、6個及び12個であることから、水素、メタノール及びエタノール1molから発生する電荷は、理論値として、それぞれ96500×2C、96500×6C及び96500×12Cとなる。さらに、常温常圧における、水素、メタノール及びエタノール1cmから発生する電荷量に換算すると、それぞれ約9C/cm、約14400C/cm及び約15200C/cmとなる。このことから、常温常圧における水素の体積エネルギー密度は、著しく低くなる。メタノール及びエタノールを1分子酸化する場合には、反応式
CHOH+HO→6H+6e+CO
OH+3HO→12H+12e+2CO
に示すように、それぞれ1分子及び3分子の水を必要とするが、このことを加味しても液体燃料の体積エネルギー密度が優れることは明らかである。
高圧状態の水素又は液体水素を使用することも可能であるが、容器を堅牢にする必要があり、容器込みのエネルギー密度を考慮すると、液体燃料や固体燃料の方が優れている。
本発明の燃料電池には、水素吸蔵合金に蓄えた水素、ガソリン、炭化水素、アルコール等の固体燃料又は液体燃料が使用できるが、燃料電池の小型化が可能な点、体積エネルギー密度に優れる点より、アルコールを使用することが好ましい。中でも、炭素数が4以下であるアルコールを使用することが好ましく、安全性が高く、生合成が可能である点(環境面)からエタノールを使用することがさらに好ましい。これにより、駆動時間を向上させた小型の燃料電池を得ることができる。このような燃料電池は、体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度に優れることから、比較的小型の電子機器に使用する場合に、特に好ましい。
本発明の電源は、本発明の燃料電池、燃料電池に接続されているDCDCコンバーター及び燃料を収容するカートリッジを少なくとも有する。図3及び図4に、本発明の電源の一例を概略的に示す。なお、図4の矢印は、燃料等の流れを示す。
図3及び図4に示す電源は、温度センサー(図示せず)を有する燃料電池31、液体燃料を収容する液体燃料カートリッジ32、液体燃料カートリッジ32に接続された混合器33、液体燃料カートリッジ32と混合器33との間に設けられたバルブあるいはポンプ34、液体燃料を燃料電池31に供給するための液体燃料ポンプ35、液体燃料の濃度を検知する濃度センサー36(濃度センサー36は、燃料循環ラインのどの位置に設置されてもよい。例えば、混合器33内に設置されてもよいし、混合器33と液体燃料ポンプ35との間に設置されていてもよいし、気液分離器37と熱交換器40の間に設置させていてもよい。)、発電後の液体燃料を気体と液体とに分離する気液分離器37(気液分離器37の機能は、混合器33内に持たせることもできる。)、温度センサー38と冷却素子39とを有する熱交換器40(熱交換器40は、省略してもよい。また、図示してないが、液体燃料循環ラインの任意の位置に燃料加熱器を設けてもよい。)、空気を燃料電池31に供給するための空気ポンプ41、温度センサー42と冷却素子43とを有する水分凝縮器44(温度センサー42と冷却素子43は、省略してもよい。)、水分凝縮器44からの水分を収容する水タンク45、水タンク45と混合器33との間に設けられたバルブあるいはポンプ46、これらの各部を制御するための制御回路47、燃料電池31の正負極が接続されたDCDCコンバーター48等から構成されている。なお、液体燃料等が通過する各部は、チューブ等の流路により接続されている。
このような電源において、混合器33を通過した液体燃料は、液体燃料ポンプ35を経て、濃度センサー36に導かれる。濃度センサー36により検知された液体燃料の濃度が所定の濃度より低い場合には、制御回路47は、液体燃料カートリッジ32のバルブあるいはポンプ34を駆動する。このようにして、液体燃料は、燃料電池31に導かれる。発電後の液体燃料は、気液分離器37により気体成分(炭酸ガス)と液体成分(液体燃料)に分けられ、液体成分は、熱交換器40に導かれる。温度センサー38により検知された液温が所定の温度より低い場合には、制御回路47は、冷却素子39により液体成分を冷却せず、液温が所定の温度より高い場合には、制御回路47は、冷却素子39により液体成分を冷却する。熱交換器40を通過した液体成分は、再び混合器33に戻される。このような流れが燃料ラインとして機能する。また、燃料電池に備えた温度センサー38により検地される温度が所定の温度より低い場合は、燃料加熱器により燃料を加熱することも可能である。
空気は、空気ポンプ41から燃料電池31に導かれる。発電後の空気は、水分を含有する気液混合ガスとなり、水分凝縮器44に導かれる。温度センサー42により検知されたガス温度が所定の温度より低い場合には、制御回路47は、冷却素子43により気液混合ガスを冷却せず、ガス温度が所定の温度より高い場合には、制御回路47は、冷却素子43により気液混合ガスを冷却する。なお、排ガスは、電源の外部に排出される。ここで、排ガスを排出するための排出口(図示せず)は、情報処理装置等の電子機器における電源の装着位置により異なるが、電子機器の外部に面した位置に設けることが好ましい。水分凝縮器44により凝縮された水分は、水タンク45を介して混合器33に戻される。このような流れが酸化剤ライン(空気ライン)として機能する。
このようにして、液体燃料及び空気が燃料電池31に供給されることで、燃料電池31は、発電し、所定の電力(起電力)をDCDCコンバーター48に付与する。なお、ここでは、蓄電素子を用いていないが、蓄電素子を電源の内部、電源の外部等に設けてもよい。
本発明の電子機器は、本発明の電源を有する。電子機器としては、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、デジタルカメラ、デジタルカムコーダー、携帯電話、PDA、プロジェクター、電子ペーパー、ゲーム機、インクジェットプリンター、レーザープリンター、複写機等が挙げられる。
図5に、本発明の電子機器の一例として、情報処理装置(電源51が内部に搭載されているパーソナルコンピュータ)を概略的に示す。
また、図6に、本発明の電子機器の一例として、情報処理装置を概略的に示す。情報処理装置は、各種演算を行って各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)61、BIOS等を記憶しているROM(Read Only Memory)62及びCPU61の作業エリアとなるRAM(Random Access Memory)63がバス64により接続されて構成されている。バス64には、大容量記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)65、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置66、キーボード、マウス等の入力装置67、CD、DVD等の記憶媒体68からデータを読み取る光ディスク装置等のデータ読取装置69、電力を供給する電源51等が各種のコントローラ(図示せず)等を介して接続されている。
記憶媒体68には、各種のプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、データ読取装置69で読み取られ、HDD65にインストールされる。なお、記憶媒体68としては、CD、DVD等の光ディスク、光磁気ディスク、フレキシブルディスク等の各種方式のメディアを用いることができる。データ読取装置69も記憶媒体68の方式に応じて、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、FDD等が用いられる。また、各種のプログラムは、記憶媒体68から読み取るのではなく、ネットワーク(図示せず)からダウンロードしてHDD65にインストールされるものであってもよい。
フッ素樹脂として、フッ素樹脂1、フッ素樹脂2及びフッ素樹脂3を用意した。
フッ素樹脂1は、フッ化ビニリデン由来の構成単位を93〜95%、クロロフルオロエチレン由来の構成単位を約3〜4%、アルキルプロピレンカーボネート由来の構成単位を約2〜3%有するグラフト共重合体であり、側鎖は、フッ化ビニリデン由来の構成単位からなる。フッ素樹脂1の組成は、XPSにより得られる各元素の存在比から算出した。なお、XPSは、AXIS ULTRA(島津製作所社製)を用いて測定し、F、O、C及びClの存在比は、それぞれ47.08、1.71、50.49及び0.72であった。
なお、フッ素樹脂1において、数平均分子量(Mn)が7100、重量平均分子量(Mw)が440000であるものをフッ素樹脂1−1、Mnが26000、Mwが340000であるものをフッ素樹脂1−2として、用いた。
フッ素樹脂2は、フッ化ビニリデン由来の構成単位を40%、六フッ化イソプロピレン由来の構成単位を11%、四フッ化エチレン由来の構成単位を49%有する直鎖状共重合体である。フッ素樹脂2の組成は、ブルッカーDRX−500を用いて、HNMR及び19FNMRを測定することにより求めた。フッ素樹脂2に内部標準物質として、8.045重量%の1,1,2,2−テトラブロモエタンを混合して、HNMRを測定し、ピークの積分強度比から、Hの含有率は、28重量%であることが判った。さらに、19FNMRを用いて、CFとCFの積分強度比を求めたところ、CF:CF=3.858:34.234であった。なお、フッ素樹脂2は、Mnが30000、Mwが180000である。
フッ素樹脂3は、Mnが107000、Mwが180000のポリフッ化ビニリデンである。
なお、フッ素樹脂1〜3の分子量は、GPC法により測定した。
イオン性樹脂として、ポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)を用意した。
参考例1)
ジメチルホルムアミドに、2.78gのフッ素樹脂1−1及びアシッドホスホオキシエチルメタクリレート4.73gを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルを、アシッドホスホオキシエチルメタクリレートに対して、2重量%加えた。溶液を攪拌しながら、75℃で24時間及び85℃で1時間保持した後、徐冷し、樹脂材料を含有する液体を得た。なお、得られた液体は、乳白色であり、均一であった。樹脂材料を含有する液体を離形性プラスチック上に塗布し、真空下で加熱することにより、溶剤を除去した。得られた樹脂材料を、加熱したメタノール中で充分に洗浄した後、沸騰水中で加熱し、イオン交換水中に保存した。なお、得られた樹脂材料は均質であった。
樹脂材料を直径3mmの金型で打ち抜き、インピーダンスアナライザーを用いて、樹脂材料のインピーダンスを25℃で測定した。得られたインピーダンスの実部及び虚部の測定値について、コールコールプロットを行い、低周波部から高周波部の直線の外挿と実数軸との交点を抵抗値とした。イオン伝導度は、2.0×10−2S/cmであった。
参考例2−1)
フッ素樹脂1−1及びアシッドホスホオキシエチルメタクリレートの添加量を、それぞれ3.75g及び3.75gとした以外は、参考例1と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、1.0×10−2S/cmであった。
参考例2−2)
フッ素樹脂1−1の替わりに、フッ素樹脂1−2を用いた以外は、参考例2−1と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、1.7×10−2S/cmであった。
参考例3)
フッ素樹脂1−1及びアシッドホスホオキシエチルメタクリレートの添加量を、それぞれ4.73g及び2.78gとした以外は、参考例1と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、2.9×10−3S/cmであった。
参考例4)
フッ素樹脂1−1及びアシッドホスホオキシエチルメタクリレートの添加量を、それぞれ5.63g及び1.88gとした以外は、参考例1と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、2.1×10−3S/cmであった。
参考例5)
フッ素樹脂1−1及びアシッドホスホオキシエチルメタクリレートの添加量を、それぞれ6.45g及び1.05gとした以外は、参考例1と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、6.2×10−4S/cmであった。
参考例6)
フッ素樹脂1−1及びアシッドホスホオキシエチルメタクリレートの添加量を、それぞれ1.83g及び5.63gとした以外は、参考例1と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料は、表面の一部に直径1mm程度の盛り上がりが見られた。イオン伝導度は、5.8×10−2S/cmであった。
参考例7)
ジメチルホルムアミドに、5.62gのフッ素樹脂1−1を加え、溶解させた。この溶液に1.88gのポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)を加え、回転刃式のホモジナイザーを用いて、10000rpmで一次分散を行った。次に、3本ロールミルを用いて、5回処理を行うことにより、樹脂材料を含有する液体は均一になった。得られた樹脂材料を含有する液体を離形性プラスチック上に塗布し、真空下で加熱することにより、溶剤を除去した。得られた樹脂材料を沸騰水中で加熱し、イオン交換水中に保存した。なお、得られた樹脂材料は均質であった。参考例1と同様に、イオン伝導度を評価したところ、1.5×10−3S/cmであった。
(比較例1)
ジメチルホルムアミドに、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート2.78gを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルを、アシッドホスホオキシエチルメタクリレートに対して、2重量%加えた。溶液を攪拌しながら、75℃に加熱すると、ゲル化が起こった。参考例3の結果との比較から、フッ素樹脂1には会合を抑制する効果があることがわかる。
(比較例2)
ジメチルホルムアミドに、4.73gのフッ素樹脂3及びアシッドホスホオキシエチルメタクリレート2.78gを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルをアシッドホスホオキシエチルメタクリレートに対して、2重量%加えた。溶液を攪拌しながら、75℃で24時間及び85℃で1時間保持した後、徐冷し、樹脂材料を含有する液体を得た。樹脂材料が析出したため、均一にはならなかった。参考例3の結果との比較から、フッ素樹脂1には均一性(分散性)を改善する効果があることがわかる。
(比較例3)
メチルエチルケトンに、4.73gのフッ素樹脂2及びアシッドホスホオキシエチルメタクリレート2.78gを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルをアシッドホスホオキシエチルメタクリレートに対して、2重量%加えた。溶液を攪拌しながら、75℃で24時間及び78℃で1時間保持した後、徐冷し、樹脂材料を含有する液体を得た。固形分と透明な液体部分に分離したため、均一にはならなかった。なお、フッ素樹脂1は、メチルエチルケトンには溶解せず、フッ素樹脂2は、ジメチルホルムアミドには溶解しない。
(比較例4)
ポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)の粉末を200kg/cmで加圧することにより、直径約10mmの円盤状に成型した。これをイオン交換水に投入した。円盤は膨潤し、崩壊した。
(比較例5)
アシッドホスホオキシエチルメタクリレートの替わりに、化学構造式
CH=C(CH)COO(CHCHO)PO(OH)(n=4−5)
で示されるモノマーを使用した以外は、参考例4と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料は均質であったが、イオン伝導度は、4.1×10−5S/cmであった。
(比較例6)
アシッドホスホオキシエチルメタクリレートの替わりに、化学構造式
CH=C(CH)COO(CHCH(CH)O)PO(OH)(n=5−6)
で示されるモノマーを使用した以外は、参考例3と同様に樹脂材料を作製した。樹脂材料は不均質であり、イオン伝導度を安定に測定することができなかった。
分析例1)
フッ素樹脂1−1、ポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)及び参考例3で得られた樹脂材料を熱重量分析した。その結果を図7に示す。これより、樹脂材料の熱重量分析曲線71は、その成分であるフッ素樹脂1−1及びポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)の熱重量分析曲線72及び73を重量比に対応させて足したものとは異なり、樹脂材料は、ポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)より耐熱性が向上していることがわかる。このことは、フッ素樹脂1−1がポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)と相互作用していることを示している。
分析例2)
フッ素樹脂1−1、ポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)及び参考例3で得られた樹脂材料を示差熱分析した。その結果を図8に示す。これより、樹脂材料の示差熱分析曲線81は、その成分であるフッ素樹脂1−1及びポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)の示差熱分析曲線82及び83を重量比に対応させて足したものとは異なり、フッ素樹脂1−1より高い温度にピークを有することがわかる。なお、ポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレートは、測定範囲で熱の出入りを示さない。また、フッ素樹脂1は、3個のピークを有し、170℃付近のピークは融点である。)このことは、フッ素樹脂1−1がポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)と相互作用していることを示している。
参考例8)
ジメチルホルムアミドに、3.77gのフッ素樹脂1−1、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート3.37g及びアリルスルホン酸ナトリウム0.363gを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルを、モノマーに対して、2重量%加えた。溶液を攪拌しながら、75℃で24時間及び85℃で1時間保持した後、徐冷し、樹脂材料を含有する液体を得た。なお、得られた液体は、乳白色であり、均一であった。樹脂材料を含有する液体を離形性プラスチック上に塗布し、真空下で加熱することにより、溶剤を除去した。得られた樹脂材料を、加熱したメタノール中で充分に洗浄した後、沸騰水中で加熱した。次に、1N硫酸水溶液中に加え、1時間加熱した後、イオン交換水で洗浄した。さらに、沸騰水中で加熱洗浄を2回行い、イオン交換水中に保存した。なお、得られた樹脂材料は均質であった。
樹脂材料を直径3mmの金型で打ち抜き、インピーダンスアナライザーを用いて、樹脂材料のインピーダンスを25℃で測定した。得られたインピーダンスの実部及び虚部の測定値について、コールコールプロットを行い、低周波部から高周波部の直線の外挿と実数軸との交点を抵抗値とした。イオン伝導度は、1.5×10−2S/cmであった。
参考例9)
アリルスルホン酸ナトリウムの替わりに、p−スチレンスルホン酸ナトリウムを用いた以外は、参考例8と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、2.3×10−2S/cmであった。
参考例10−1)
フッ素樹脂1−1、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート及びp−スチレンスルホン酸ナトリウムの添加量を、それぞれ3.75g、2.625g及び1.125gとした以外は、参考例9と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、2.8×10−2S/cmであった。
参考例10−2)
フッ素樹脂1−1の替わりに、フッ素樹脂1−2を用いた以外は、参考例10−1と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、3.8×10−2S/cmであった。
(比較例7)
ジメチルホルムアミドに、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート2.625g及びp−スチレンスルホン酸ナトリウム1.125gを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルを、モノマーに対して、2重量%加えた。溶液を攪拌しながら、75℃に加熱すると、ゲル化が起こった。参考例10−1、10−2の結果との比較から、フッ素樹脂1−1には会合を抑制する効果があることがわかる。
参考例11)
フッ素樹脂1−2、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート及びp−スチレンスルホン酸ナトリウムの添加量を、それぞれ3.75g、2.25g及び1.5gとした以外は、参考例10−2と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、2.72×10−2S/cmであった。
参考例12)
フッ素樹脂1−2、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート及びp−スチレンスルホン酸ナトリウムの添加量を、それぞれ3.75g、1.875g及び1.875gとした以外は、参考例10−2と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、1.7×10−2S/cmであった。
参考例13)
フッ素樹脂1−2、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート及びp−スチレンスルホン酸ナトリウムの添加量を、それぞれ3.75g、1.5g及び2.25gとした以外は、参考例10−2と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、8.5×10−3S/cmであった。
(実施例14)
ジメチルホルムアミドに、3.75gのフッ素樹脂1−2、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート1.2g、アリルスルホン酸ナトリウム1.8g及びメタクリル酸アリル0.75gを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルを、モノマーに対して、2重量%加えた。溶液を攪拌しながら、75℃で24時間及び85℃で1時間保持した後、徐冷し、樹脂材料を含有する液体を得た。なお、得られた液体は、乳白色であり、均一であった。樹脂材料を含有する液体を離形性プラスチック上に塗布し、真空下で加熱することにより、溶剤を除去した。得られた樹脂材料を、加熱したメタノール中で充分に洗浄した後、沸騰水中で加熱した。次に、1N硫酸水溶液中に加え、1時間加熱した後、イオン交換水で洗浄した。さらに、沸騰水中で加熱洗浄を2回行い、イオン交換水中に保存した。なお、得られた樹脂材料は均質であった。
樹脂材料を直径3mmの金型で打ち抜き、インピーダンスアナライザーを用いて、樹脂材料のインピーダンスを25℃で測定した。得られたインピーダンスの実部及び虚部の測定値について、コールコールプロットを行い、低周波部から高周波部の直線の外挿と実数軸との交点を抵抗値とした。イオン伝導度は、3.2×10−2S/cmであった。
(実施例15)
フッ素樹脂1−2、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、p−スチレンスルホン酸ナトリウム及びメタクリル酸アリルの添加量を、それぞれ3.75g、0.9g、2.1g及び0.75gとした以外は、実施例14と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、3.4×10−2S/cmであった。
(実施例16)
フッ素樹脂1−2、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、p−スチレンスルホン酸ナトリウム及びメタクリル酸アリルの添加量を、それぞれ3.75g、0.6g、2.4g及び0.75gとした以外は、実施例14と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、4.85×10−2S/cmであった。
(実施例17)
フッ素樹脂1−2、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、p−スチレンスルホン酸ナトリウム及びメタクリル酸アリルの添加量を、それぞれ3.75g、1.35g、2.025g及び0.375gとした以外は、実施例14と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、3.6×10−2S/cmであった。
(実施例18)
フッ素樹脂1−2、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、p−スチレンスルホン酸ナトリウム及びメタクリル酸アリルの添加量を、それぞれ3.75g、1.013g、2.362g及び0.375gとした以外は、実施例14と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、5.1×10−2S/cmであった。
(実施例19)
フッ素樹脂1−2、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、p−スチレンスルホン酸ナトリウム及びメタクリル酸アリルの添加量を、それぞれ3.75g、0.675g、2.7g及び0.375gとした以外は、実施例14と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、6.2×10−2S/cmであった。
(実施例20)
メタクリル酸アリルの替わりに、N,N’−メチレンビスアクリルアミドを使用した以外は、実施例14と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、3.9×10−2S/cmであった。
(実施例21)
メタクリル酸アリルの替わりに、N,N’−メチレンビスアクリルアミドを使用した以外は、実施例15と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、4.99×10−2S/cmであった。
(実施例22)
メタクリル酸アリルの替わりに、N,N’−メチレンビスアクリルアミドを使用した以外は、実施例16と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、5.07×10−2S/cmであった。
(実施例23)
メタクリル酸アリルの替わりに、N,N’−メチレンビスアクリルアミドを使用した以外は、実施例17と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、6.1×10−2S/cmであった。
(実施例24)
メタクリル酸アリルの替わりに、N,N’−メチレンビスアクリルアミドを使用した以外は、実施例18と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、7.02×10−2S/cmであった。
(実施例25)
メタクリル酸アリルの替わりに、N,N’−メチレンビスアクリルアミドを使用した以外は、実施例19と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、7.78×10−2S/cmであった。
(実施例26)
メタクリル酸アリルの替わりに、トリメリロールプロパントリアクリレートを使用した以外は、実施例18と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、6.56×10−2S/cmであった。
(実施例27)
メタクリル酸アリルの替わりに、トリメリロールプロパントリアクリレートを使用した以外は、実施例19と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料も均質であり、イオン伝導度は、5.6×10−2S/cmであった。
(実施例28)
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート及びアリルスルホン酸ナトリウムの添加量を、それぞれ0.956g及び2.231gとし、メタクリル酸アリル0.75gの替わりに、トリメトロールプロパントリアクリレート0.563gを使用した以外は、実施例14と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料は均質であり、イオン伝導度は、6.8×10−2S/cmであった。
(実施例29)
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート及びアリルスルホン酸ナトリウムの添加量を、それぞれ0.638g及び2.55gとした以外は、実施例28と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料は均質であり、イオン伝導度は、7.28×10−2S/cmであった。
(実施例30)
ジメチルホルムアミドに、3.75gのフッ素樹脂1−2、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート1.5g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1.5g及びN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.75gを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルを、モノマーに対して、2重量%加えた。溶液を攪拌しながら、75℃で24時間及び85℃で1時間保持した後、徐冷し、樹脂材料を含有する液体を得た。なお、得られた液体は、乳白色であり、均一であった。樹脂材料を含有する液体を離形性プラスチック上に塗布し、真空下で加熱することにより、溶剤を除去した。得られた樹脂材料を、加熱したメタノール中で充分に洗浄した後、沸騰水中で加熱した。次に、1N硫酸水溶液中に加え、1時間加熱した後、イオン交換水で洗浄した。さらに、沸騰水中で加熱洗浄を2回行い、イオン交換水中に保存した。なお、得られた樹脂材料は均質であった。
樹脂材料を直径3mmの金型で打ち抜き、インピーダンスアナライザーを用いて、樹脂材料のインピーダンスを25℃で測定した。得られたインピーダンスの実部及び虚部の測定値について、コールコールプロットを行い、低周波部から高周波部の直線の外挿と実数軸との交点を抵抗値とした。イオン伝導度は、2.64×10−2S/cmであった。
(実施例31)
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の添加量を、それぞれ1.2g及び1.8gとした以外は、実施例30と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料は均質であり、イオン伝導度は、4.58×10−2S/cmであった。
(実施例32)
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の添加量を、それぞれ0.9g及び2.1gとした以外は、実施例30と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料は均質であり、イオン伝導度は、3.3×10−2S/cmであった。
(実施例33)
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びN,N’−メチレンビスアクリルアミドの添加量を、それぞれ1.688g、1.687g及び0.375gとした以外は、実施例30と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料は均質であり、イオン伝導度は、3.6×10−2S/cmであった。
(実施例34)
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びN,N’−メチレンビスアクリルアミドの添加量を、それぞれ1.35g、2.025g及び0.375gとした以外は、実施例30と同様に樹脂材料を製造した。樹脂材料を含有する液体は、乳白色であり、均一であった。また、樹脂材料は均質であり、イオン伝導度は、3.86×10−2S/cmであった。
参考例35)
ドクターブレードを用いて、参考例2−1で得られた樹脂材料を含有する液体を離型性のプラスチックシートに塗布、乾燥した後、メタノールで洗浄して、膜厚が約180μmの樹脂材料(8cm×8cm)を得た。
以下、得られた樹脂材料を電解質膜として用いた。
蒸留水10gに、白金触媒を50重量%担持したカーボン1g及び5重量%のNafion(商標)液7.4gを添加した後、分散処理を行い、カソード触媒層塗布液を得た。カソード触媒層塗布液を電解質膜の片面に、白金の塗布量が1mg/cmとなるようにスプレー塗布した。なお、塗布面積は、5cm×5cmとした。
蒸留水10gに、白金−ルテニウム触媒(元素比1:1)を40重量%担持したカーボン1g及び5重量%のNafion(商標)液7.4gを添加した後、分散処理を行い、アノード触媒層塗布液を得た。電解質膜の白金触媒を塗布した面とは反対側の面に、アノード触媒層塗布液を白金の塗布量が1mg/cmとなるようにスプレー塗布した。なお、塗布面積は、5cm×5cmとした。
得られた電解質膜を、130℃で加熱処理した後、図9に示す燃料電池を作製した。電解質膜91は、アノード触媒層92及びカソード触媒層93で挟持されている。また、燃料電池は、カーボンペーパーからなる拡散層94(厚さ200μm、53mm×53mm)、樹脂含浸高密度人造黒鉛からなる液体燃料供給部95及び酸化剤供給部96(厚さ10mm、80mm×80mm、流路形状:サーペンタイン、流路外寸50mm×50mm)、銅に金メッキを施した集電板97、絶縁板98(厚さ500μm、80mm×80mm)、エンドプレート99(SUS304、厚さ12mm、120mm×120mm)、テフロン(登録商標)製のシール部材100(厚さ200μm、外寸80mm×80mm、内径54mm×54mm)を有する。
なお、エンドプレート99は、ボルト101及び支持棒102を用いて、1辺に対して3個所(全体で12箇所)固定した。液体燃料供給口103、液体燃料排出口104、酸化剤供給口105及び酸化剤排出口106は、エンドプレート99の側面に設けられている。絶縁板98、液体燃料供給部95及び酸化剤供給部96は、液体燃料及び酸化剤を導くための穴を設けてあると共に、集電板97面には、Oリング(図示せず)を設けて、漏れを防止した。
1重量%のメタノール水溶液(液体燃料)の流量を1.5ml/分、空気(酸化剤)の流量を100ml/分として、燃料電池に供給したところ、開放電圧は、0.65Vであった。
イオン性モノマー及び非イオン性高分子を含有する液体を概略的に示す図であり、(a)及び(b)は、それぞれ非イオン性高分子が直鎖状共重合樹脂及びグラフト共重合樹脂である場合である。 燃料電池の発電概念を示す図である。 本発明の電源の一例を概略的に示す図である。 本発明の電源の一例を概略的に示すブロック図である。 本発明の電子機器の一例を概略的に示す図である。 本発明の電子機器の一例を概略的に示すブロック図である。 分析例1の熱重量分析の結果を示す図である。 分析例2の示差熱分析の結果を示す図である。 参考例35の燃料電池を示す図である。
符号の説明
11 直鎖状共重合体
12 イオン性モノマー
13 グラフト共重合体
21 電解質膜
22 アノード
23 カソード
24 セパレータ
31 燃料電池
32 液体燃料カートリッジ
33 混合器
34、46 バルブあるいはポンプ
35 液体燃料ポンプ
36 濃度センサー
37 気液分離器
38、42 温度センサー
39、43 冷却素子
40 熱交換器
41 空気ポンプ
44 水分凝縮器
45 水タンク
47 制御回路
48 DCDCコンバーター
49 端子
51 電源
61 CPU
62 ROM
63 RAM
64 バス
65 HDD
66 表示装置
67 入力装置
68 記録媒体
69 データ読取装置
91 電解質膜
92 アノード触媒層
93 カソード触媒層
94 拡散層
95 液体燃料供給部
96 酸化剤供給部
97 集電板
98 絶縁板
99 エンドプレート
100 シール部材
101 ボルト
102 支持棒
103 液体燃料供給口
104 液体燃料排出口
105 酸化剤供給口
106 酸化剤排出口

Claims (11)

  1. 第一の樹脂及び第二の樹脂を含有する樹脂材料であって、
    前記第一の樹脂は、化学構造式
    CH=CHCOOCHCHOPO(OH)
    で示される化合物及び/又は化学構造式
    CH=C(CH)COOCHCHOPO(OH)
    で示される化合物と、スルホン酸基を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーを共重合することにより得られ、
    前記第二の樹脂は、化学構造式
    −CFCH
    で示される構成単位、化学構造式
    −CFCFCl−
    で示される構成単位及び一般式
    −CHCH(CHOCOOR)−
    (式中、Rは、フッ化ビニリデンをグラフト重合することにより得られる側鎖である。)
    で示される構成単位を有することを特徴とする樹脂材料。
  2. 前記スルホン酸基を有するモノマーは、一般式
    Figure 0005046563
    (式中、Xは、水素原子又はアルカリ金属である。)
    で示される化合物、一般式
    CH=CHCHSO
    (式中、Yは、水素原子又はアルカリ金属である。)
    で示される化合物及び化学構造式
    CH=CHCONHC(CHCHSO
    で示される化合物からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂材料。
  3. 前記炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーは、化学構造式
    CH=C(CH)COOCHCH=CH
    で示される化合物化学構造式
    (CH=CHCONH)CH
    で示される化合物及び化学構造式
    (CH=CHCOOCHCCHCH
    で示される化合物からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂材料。
  4. 前記第の樹脂の含有量が37重量%以上95重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂材料。
  5. 化学構造式
    −CFCH
    で示される構成単位、化学構造式
    −CFCFCl−
    で示される構成単位及び一般式
    −CHCH(CHOCOOR)−
    (式中、Rは、フッ化ビニリデンをグラフト重合することにより得られる側鎖である。)
    で示される構成単位を有する樹脂を含有する液体中で、化学構造式
    CH=CHCOOCHCHOPO(OH)
    で示される化合物及び/又は化学構造式
    CH=C(CH)COOCHCHOPO(OH)
    で示される化合物と、スルホン酸基を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を二個以上有するモノマーを共重合する工程を有することを特徴とする樹脂材料の製造方法。
  6. 請求項5に記載の樹脂材料の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする樹脂材料。
  7. 請求項1乃至又は6に記載の樹脂材料を有することを特徴とする燃料電池。
  8. アルコールを含有する燃料を用いて発電することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池。
  9. 前記アルコールは、エタノールであることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池。
  10. 請求項7乃至9のいずれか一項に記載の燃料電池有することを特徴とする電源。
  11. 請求項10に記載の電源を有することを特徴とする電子機器。
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