JP4825410B2 - イオン伝導性液体の製造方法、イオン伝導性液体、イオン伝導体の製造方法、及びイオン伝導体 - Google Patents

イオン伝導性液体の製造方法、イオン伝導性液体、イオン伝導体の製造方法、及びイオン伝導体 Download PDF

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Description

本発明の少なくとも一つの態様は、イオン伝導性液体の製造方法、イオン伝導性液体、イオン伝導体の製造方法、及びイオン伝導体の少なくとも一つに関する。
近年、温暖化ガスに代表される環境問題の観点からクリーンエネルギー源としての燃料電池が、急ピッチで開発されてきている。特に、固体電解質型の燃料電池は、低温で作動し、小型であり、その出力密度が高いため、固体電解質型の燃料電池の研究開発が活発に進められている。
燃料電池としては、例えば、プロトン伝導型固体高分子の電解質膜を使用した燃料電池が挙げられる。この燃料電池は、アノード及びカソードの間に挟まれたプロトン伝導型電解質膜を有する。また、この燃料電池においては、例えば、アノードに水素が供給され、カソードに酸素が供給される。そして、アノード内の触媒によりアノードに供給された水素からプロトンが発生する。この時、発生する電子は、外部回路を伝導する。発生したプロトンは、プロトン伝導型の電解質膜を伝搬して、カソードに達する。カソードに達したプロトン、酸素、及び外部回路を通じてカソードに到達した電子が反応し、水を生成する。上記のように、上記の燃料電池の放電が進行するためには、アノードで発生したプロトンが、カソードへ良好に伝搬されなければならず、良好なプロトンの伝搬性を備えた電解質膜の開発が盛んに行われている。例えば、Dupont社のパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子(商標:Nafion)が高いプロトン伝導性の膜として開発され、燃料電池の電解質膜として広く利用されている。しかしながら、Nafionは、多段階合成を経て製造されるため、非常に高価であり、低コストの電解質膜の開発が望まれている。
一方、低コストの燃料電池の電解質膜として、燃料のクロスオーバーが少ない膜や高い抗酸化性を備えた膜などの燃料電池を長期間安定に稼動させることができる膜が検討されてきた。このような検討の中で、二種類のポリマーをブレンドして得られるポリマーブレンドが注目されており、ポリマーブレンドを製造する様々な方法が提案されている。
例えば、特表2001−504636号公報(特許文献1には、ポリフッ化ビニリデン膜及びフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロフロピレン共重合体膜のような、すでに膜の形態になっている基材ポリマーを浸漬によって膨潤させる工程、膨潤した基材ポリマーを、スルホン化スチレン及びジビニルベンゼンのようなモノマー並びに重合開始剤に浸漬させる工程、並びに膨潤した基材ポリマー内でモノマーを重合させる工程を繰り返して、ポリマーブレンドを得る技術が開示されている。
しかしながら、上記のような膜の形態の膨潤した基材ポリマー内に含浸させることができる量のモノマーのみを重合させるため、基材ポリマー内に含浸するモノマーの割合を制御することは、困難である。このため、ポリマーブレンドにおけるポリマーの各成分の割合を制御すること、よって、得られるポリマーブレンドの特性を調整することは、困難である。また、ポリマーブレンドを得るまでに、上記の膨潤、浸漬、及び重合の各工程を繰り返すため、ポリマーブレンドの製造に長時間を要する。
また、特開2002−294087号公報(特許文献2には、プロトン酸基を有する重合体及び成膜性を有する非伝導体高分子を、適当な溶媒に溶解又は分散した後、溶剤を除去する工程を経てポリマーブレンドプロトン伝導体を形成する方法、並びにプロトン酸基を有する重合体及び製膜性を有する非伝導体高分子を溶融し、適当な混合機で混合又は分散した後、公知の成形機や成膜機で所望するポリマーブレンドプロトン伝導体を得る方法が開示されており、特開2003−234015号公報(特許文献3には、イオン性解離基を有する高分子及びイオン性基を有さない高分子を溶融及び/又は溶解させた状態で電界を印加することによって、固体高分子イオン伝導体を製造する方法が開示されている。
これらの方法において、十分な電気特性並びに高い熱的及び機械的強度を備えた固体高分子イオン伝導体(ポリマーブレンドプロトン伝導体)としての電解質膜を得るためには、二種類の高分子を常温(二種類の高分子の融点よりも低い温度)で溶剤に溶解又は分散させて二種類の高分子を均一に混合する工程、又は二種類の高分子の融点以上の温度に加熱して、二種類の高分子を溶融させて均一に混合する工程が必要である。すなわち、二種類の高分子を均一に混合することで、電解質膜において、不十分な電気特性又は低い熱的若しくは機械的強度の部分が形成されることを抑制することが必要になる。
しかしながら、二種類の高分子を常温(二種類の高分子の融点よりも低い温度)で溶剤に溶解又は分散させる場合には、イオン性解離基を有する高分子(プロトン酸基を有する重合体)及びイオン性基を有さない高分子(製膜性を有する非伝導体高分子)の両方を十分に溶解させる又は分散させることが可能な溶剤を用いる必要があるが、イオン性解離基を有する高分子及びイオン性基を有さない高分子の両方を十分に溶解させることが可能な溶剤を選択することは困難であり、イオン性解離基を有する高分子及びイオン性基を有さない高分子の両方を分散させるためには、これらの高分子及び分散媒の相溶性が低く、各々の高分子鎖の絡み合いが取れにくいために、二種類の高分子を十分に混合することに長時間を要する。
さらに、特許文献2及び3に開示される固体高分子イオン伝導体の膜は、実際には、水又はアルコールに対しては、膨潤しやすく、膜の熱的安定性及び機械的安定性が低い。
特開2004−79252号公報(特許文献4には、炭化水素部を有する重合体に対してリン酸基含有重合体を混合することにより、耐酸性を向上した電解質膜の構成が開示されているが、両方の重合体を十分混合させることが必要となる。十分混合されていないものにおいては、リン酸基を含有する重合体と炭化水素部を有する重合体が相分離し、炭化水素の部位にリン酸基含有重合体の効果が及ばないため耐酸化性の効果が得られない。伝導度を向上する為にスルホン酸基を有する樹脂と混合する過程を経ているが同様に、リン酸基含有重合体と十分混合させることが必要であり、スルホン酸基を有する樹脂部位が酸化されやすいなどの不具合が起こる。膜全面で耐酸性を有するためには、リン酸基含有重合体と均一に混合することを検討しなければならない。
特表2001−504636号公報 特開2002−294087号公報 特開2003−234015号公報 特開2004−79252号公報
本発明の第一の目的は、イオン伝導性液体の製造方法を提供することである。
本発明の第二の目的は、イオン伝導性液体を提供することである。
本発明の第三の目的は、イオン伝導体の製造方法を提供することである。
本発明の第四の目的は、イオン伝導体を提供することである。
本発明の第一の態様は、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中にイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導性液体の製造方法であって、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中で、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させてイオン伝導性樹脂を形成することを特徴とする、イオン伝導性液体の製造方法である。
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様であるイオン伝導性液体の製造方法によって製造されることを特徴とする、イオン伝導性液体である。
本発明の第三の態様は、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導体の製造方法であって、本発明の第二の態様であるイオン伝導性液体を用いてイオン伝導体を製造することを特徴とする、イオン伝導体の製造方法である。
本発明の第四の態様は、本発明の第三の態様であるイオン伝導体の製造方法によって製造されることを特徴とする、イオン伝導体である。
本発明の第一の態様によれば、イオン伝導性液体の製造方法を提供することが可能になる。
本発明の第二の態様によれば、イオン伝導性液体を提供することが可能になる。
本発明の第三の態様によれば、イオン伝導体の製造方法を提供することが可能になる。
本発明の第四の態様によれば、イオン伝導体を提供することが可能になる。
次に、本発明の実施の形態(実施形態)を図面と共に説明する。
本発明による第一の実施形態は、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中にイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導性液体の製造方法であって、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中で、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させてイオン伝導性樹脂を形成する。
本発明による第一の実施形態におけるイオン伝導性の液体は、イオンを含む液体であり、電界を印加することによって、その液体中でイオンを移動させる(イオン伝導させる)ことができる液体である。イオン伝導性液体は、例えば、電解質液である。以下では、イオン伝導性液体は、電解質液であってもよい。
本発明による第一の実施形態において、非イオン伝導性共重合樹脂は、電解質液のようなイオン伝導性液体から電解質膜のようなイオン伝導体を形成する際のイオン伝導体の成膜性を向上させるため、電解質膜のようなイオン伝導体の機械的強度を向上させるため、イオン伝導性樹脂の会合を低減し、イオン伝導性樹脂からのイオンの解離能力を向上させるために使用される。また、非イオン伝導性共重合樹脂の液体は、非イオン伝導性共重合樹脂及びその溶媒を含む溶液であってもよく、非イオン伝導性共重合樹脂の溶融物であってもよい。
イオン伝導体の機械的強度及び化学的安定性を補うために混合する良好な成膜性を備えた非イオン伝導性共重合樹脂としては、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン‐エチレン共重合体、及びフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体が挙げられる。特に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフロライドの共重合体が好ましい。
非イオン伝導性共重合樹脂は、二種類以上のモノマーを重合させることによって得られる共重合体である。また、非イオン伝導性共重合樹脂は、三種類以上のモノマーを重合させることによって得られる共重合体であることが好ましい。非イオン伝導性共重合樹脂は、複数種類のモノマーを重合させることによって得られる共重合体であり、非イオン性伝導性樹脂を構成する、異なる構成単位が、媒質に対して異なる相溶性を有するため、非イオン性伝導性樹脂を構成する構成単位の種類が多いほど、非イオン性伝導性樹脂及びイオン伝導性樹脂の相溶性、イオン導電性液体における非イオン伝導性共重合樹脂の分散性、イオン伝導性液体の安定性を向上させることができる。
本発明による第一の実施形態において、イオン伝導性樹脂は、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中で、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させて得られる。
イオン伝導性樹脂を得るために用いられるモノマーは、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含む。イオン解離基を有する重合可能な化合物におけるイオン解離基は、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等、及びリン酸基のような、それ自体でイオン化することが可能な基、並びに、アルキレンオキシド基及びアルキレンイミン基などのような、電解質の塩などのように電離され得る物質を電離させることが可能な基を含む。イオン解離基を有する重合可能な化合物は、少なくとも一種類のイオン解離基を有し、イオン伝導性樹脂を得るために用いられるモノマーは、イオン解離基を有する重合可能な少なくとも一種類の化合物を含む。
本発明による第一の実施形態において、イオン解離基を有する重合可能な化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、マレイン酸、アシッドホスホオキシ(アルキル)メタクリレート、アシッドホスホオキシ(アルキル)アクリレート、アシッドホスホオキシ(オキシアルキル)メタクリレート、アシッドホスホオキシ(オキシアルキル)アクリレート、及びそれらの誘導体が挙げられる。
よって、本発明による第一の実施形態におけるイオン伝導性樹脂としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、及びポリエステルホスホン酸などのような炭化水素系電解質樹脂、並びにポリフルオロアルキルスルホン酸及びポリフルオロアルキルカルボン酸などのようなフッ素系電解質樹脂が挙げられる。イオン伝導性樹脂の化学的安定性の点では、イオン伝導性樹脂としてフッ素系電解質樹脂を用いることが好ましいが、イオン伝導体が用いられる機器の商品の寿命によっては、イオン伝導性樹脂として安価な炭化水素系高分子を使用することも可能である。
本発明による第一の実施形態において、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中で、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させてイオン伝導性樹脂を得る。非イオン伝導性共重合樹脂の液体は、少なくとも、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン解離基を有する重合可能な化合物(イオン伝導性モノマー)を含むモノマーを含む。また、非イオン伝導性共重合樹脂の液体は、非イオン伝導性共重合樹脂の溶媒又は分散剤(例えば、他の樹脂など)及びイオン解離基を含まない重合可能な化合物を含んでもよい。
本発明による第一の実施形態におけるイオン伝導性液体の製造方法においては、まず、非イオン伝導性共重合樹脂の液体(溶液又は溶融物)に、少なくとも、イオン解離基を有する重合可能な化合物(イオン伝導性モノマー)を含むモノマーを添加し、非イオン伝導性共重合樹脂の液体及びイオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを十分に攪拌及び混合する。次に、得られた混合物を攪拌しながら、熱又は光などの外部エネルギーをこの混合物に与える。なお、非イオン伝導性共重合樹脂の液体及びイオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーの混合物には、イオン解離基を有する重合可能な化合物を重合させる重合開始剤を添加してもよい。そして、予め添加した重合開始剤又はイオン解離基を有する重合可能な化合物の自己重合性によって、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させて、イオン伝導性液体を得ることができる。
本発明による第一の実施形態におけるイオン伝導性液体の製造方法においては、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を直接混合せずに、非イオン伝導性共重合樹脂の液体に、イオン伝導性樹脂を得るために用いられるモノマーを添加するため、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を得るために用いられるモノマーを、より短時間で混合することができる。すなわち、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を直接混合する場合には、両方の樹脂の長い分子鎖による立体障害が大きく、分子鎖の絡み合いが起こりにくく、両方の樹脂を混合するための時間が長くなる。それに対して、本発明による第一の実施形態においては、イオン伝導性樹脂を得るために用いられる、より短い分子鎖を備えたモノマーを用いているため、イオン伝導性樹脂を得るために用いられるモノマーの分子鎖による立体障害が小さく、長い分子鎖を備えた非イオン伝導性共重合樹脂に対するイオン伝導性樹脂を得るために用いられるモノマーの混合は、より短時間で達成される。
また、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーの重合は、非イオン伝導性共重合樹脂の分子の近傍で起こるため、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーの重合によって得られるイオン伝導性樹脂及び非イオン伝導性共重合樹脂の相溶性又は分散性が良好であるイオン伝導性液体を得ることができる。
そして、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を直接混合する場合などには、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の相溶性及び分散性が、イオン伝導性液体の全体にわたって又は局所的に不均一になり、イオン伝導性液体から形成されるイオン伝導体の機械的強度又はイオン伝導性が、イオン伝導体の全体にわたって又は局所的に不均一になることがある。具体的には、イオン伝導体におけるイオン伝導性樹脂の割合が相対的に高い領域では、イオン伝導性は十分であるが、機械的強度が不十分であり、イオン伝導体における非イオン伝導性共重合樹脂の割合が相対的に高い領域では、機械的強度が十分であるが、イオン伝導性は不十分である。このような場合には、イオン伝導体における相対的に低い機械的強度を備えた領域の破壊が進行し、イオン伝導体のイオン伝導度を維持することができなくなることがある。これに対して、本発明による第一の実施形態におけるイオン伝導性液体の製造方法によって得られるイオン伝導性液体においては、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の相溶性又は分散性が良好であるため、得られるイオン伝導性液体から形成されるイオン伝導体は、イオン伝導体における非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂のより均一な分布を有し、イオン伝導体の全体にわたって、より均一な機械的強度及びイオン伝導度を有する。
本発明による第一の実施形態によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導性液体の製造方法を提供することができる。さらに、本発明による第一の実施形態によるイオン伝導性液体の製造方法は、良好な安定性(相溶性)を備えたより均一なイオン伝導性液体を、複雑な合成工程を用いることなく容易に製造することが可能な、イオン伝導体を形成することに優れた安価なイオン伝導性液体の製造方法をも提供することができる。
本発明による第一の実施形態であるイオン伝導性液体の製造方法において、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーは、好ましくは、イオン解離基を有さない重合可能な化合物をさらに含む。この場合には、非イオン伝導性共重合樹脂の液体におけるイオン伝導性樹脂の分散安定性を向上させることができる。
ここで、イオン解離基を有さない重合可能な化合物は、上記のイオン解離基を有さず、イオン解離基を有する重合可能な化合物と重合可能であり、非イオン伝導性共重合樹脂の液体(溶液又は溶融物)に溶解又は均質に分散することができる化合物である。イオン解離基を有さない重合可能な化合物は、イオン解離基を有する重合可能な化合物と重合して、イオン伝導性樹脂を形成するため、得られるイオン伝導性液体におけるイオン伝導性樹脂は、イオン解離基を有する重合可能な化合物に由来する構成単位及びイオン解離基を有さない重合可能な化合物に由来する構成単位の両方を含む。
また、イオン解離基を有さない重合可能な化合物は、好ましくは、非イオン伝導性共重合樹脂と同様な構造単位を有することが好ましい。この場合には、モノマーの重合の後に得られるイオン伝導性液体におけるイオン伝導性樹脂は、非イオン伝導性共重合樹脂との親和性が良好である、イオン解離基を有さない重合可能な化合物に由来する構成単位を含むことになる。よって、得られるイオン伝導性液体における非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の相溶性又は分散性をより良好にすることができる。このように、イオン伝導性液体における非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の混合をより良好にすることで、イオン伝導性液体から得られるイオン伝導体の機械的強度及びイオン伝導度を、イオン伝導体の全体にわたって、より均一にすることができる。
本発明による第一の実施形態であるイオン伝導性液体の製造方法において、非イオン伝導性共重合樹脂は、好ましくは、グラフト重合体である。この場合には、非イオン伝導性共重合樹脂の液体におけるイオン伝導性樹脂の分散安定性をさらに向上させることができる。
すなわち、非イオン伝導性共重合樹脂は、直鎖構造の重合体であるよりも、枝分かれ構造を備えたグラフト重合体であることが好ましい。グラフト重合体である非イオン伝導性共重合樹脂としては、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどのモノマーをグラフト重合させて得られるグラフト重合体(共重合体)などが挙げられ、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロフルオロエチレンのモノマーをグラフト重合させて得られたグラフト重合体が特に好ましい。また、側鎖の長さが十分に長く、主鎖の長さ及び側鎖の長さが同等程度であるグラフト重合体(単独重合体及び共重合体を含む)が最も好ましい。
非イオン伝導性共重合樹脂が、直鎖構造の重合体である場合には、非イオン伝導性共重合樹脂の長い分子鎖の間に、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーが溶解又は分散することが相対的に困難であるのに対して、非イオン伝導性共重合樹脂が、グラフト重合体である場合には、非イオン伝導性共重合樹脂の主鎖から枝分かれした側鎖の間に、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーが、溶解又は分散することが相対的に容易である。このため、グラフト重合体である非イオン伝導性共重合樹脂は、直鎖構造の重合体である非イオン伝導性共重合樹脂よりもイオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーとの相溶性が高く、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーの溶解又は分散性がより高い。結果として、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させて得られるイオン伝導性液体において、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の相溶性及び溶解又は分散性もより高く、イオン伝導性液体における非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の分散安定性を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態による電解質液を説明する図であり、(a)は、直鎖構造の非イオン伝導性共重合樹脂を含む電解質液を概略的に示す図であり、(b)は、グラフト構造の非イオン伝導性共重合樹脂を含む電解質液を概略的に示す図である。図1(a)に示すように、直鎖構造の非イオン伝導性共重合樹脂11を含む電解質液においては、直鎖構造の非イオン伝導性共重合樹脂11の分子鎖間に、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマー13が分散することが困難であり、直鎖構造の非イオン伝導性共重合樹脂11に対するイオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマー13の分散性が相対的に低い。一方、図1(b)に示すように、グラフト重合体の非イオン伝導性共重合樹脂11を含む電解質液においては、グラフト重合体の非イオン伝導性共重合樹脂11の主鎖から枝分かれした側鎖の間に、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマー13が容易に分散することができ、グラフト重合体の非イオン伝導性共重合樹脂11に対するイオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマー13の分散性は、相対的に高い。結果として、モノマーを重合させて得られる電解質液における非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の分散安定性を向上させることができる。
本発明による第一の実施形態であるイオン伝導性液体の製造方法において、イオン解離基を有する重合可能な化合物のイオン解離基は、好ましくは、リン酸基を含む。この場合には、イオン伝導性液体のイオン伝導度を向上させることができる。
すなわち、イオン解離基を有する重合可能な化合物は、リン酸基を有する重合可能な化合物である。リン酸基を有する重合可能な化合物としては、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホオキシエチルアクリレート、アシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリコール)メタクリレート、アシッドホスホ(ポリオキシプロピレングリコール)メタクリレートなどが挙げられる。
イオン解離基を有する重合可能な化合物が、リン酸基を有する重合可能な化合物である場合には、リン酸基を有する重合可能な化合物は、単独では、リン酸基の水素原子を介した水素結合により、容易に会合する。会合したリン酸基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させて得られるイオン伝導性重合体は、高いイオン伝導度を示さない傾向にある。すなわち、合したリン酸基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させて得られるイオン伝導性重合体においては、イオン伝導性重合体のリン酸基の水素原子が、会合によってリン酸基から電離することができないため、リン酸基が、水素イオンを伝導させることができない。
さらに、会合により凝集を起こした重合体は、他の樹脂と均一に混合する事は困難であり、また、会合によりゲル化を起こして重合反応が途中で停止してしまう反応系では、希薄なモノマー濃度となる溶液中において重合を行わなければならないが本発明の実施形態によれば重合中にゲル化を起こすような高いモノマー濃度においても、重合反応を行う事が可能であり、得られた重合液は、重合系に含まれていた非イオン伝導性共重合樹脂と均一に混合している。希薄な溶液系で重合したものと比べリン酸基などイオン解離基の含有率が高いイオン伝導性液体を得る事ができる。
本発明による第一の実施形態であるイオン伝導性液体の製造方法においては、イオン伝導性液体に含まれる非イオン伝導性共重合樹脂が、リン酸基を有する重合可能な化合物の会合を抑制する。よって、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中でリン酸基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを、リン酸基を有する重合可能な化合物の会合を抑制すると共に、重合させることによって、リン酸基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させて、高いイオン伝導度を備えたイオン伝導性樹脂を含むイオン導電性液体を得ることができる。
本発明による第二の実施形態は、イオン伝導性液体において、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のイオン伝導性液体の製造方法によって製造されることを特徴とする。本発明による第二の実施形態であるイオン伝導性液体によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導性液体の製造方法によって製造されるイオン伝導性液体を提供することができる。
本発明による第三の実施形態は、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導体の製造方法であって、本発明による第一の実施形態のイオン伝導性液体を用いてイオン伝導体を製造する。
本発明による第三の実施形態によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法を提供することができる。さらに、本発明による第三の実施形態によるイオン伝導体の製造方法は、良好な安定性(相溶性)を備えたより均一なイオン伝導性液体を用いて、複雑な合成工程を用いることなく容易に製造することが可能な、より高いイオン伝導体並びに改善された熱的安定性及び機械的強度を有する、安価なイオン伝導性液体の製造方法をも提供することができる。
本発明による第三の実施形態であるイオン伝導体の製造方法において、イオン伝導体は、例えば、本発明による第一の実施形態のイオン伝導性液体が、電解質液である場合には、電解質液から成膜された電解質膜であってもよい。
本発明による第三の実施形態であるイオン伝導体の製造方法において、本発明による第一の実施形態のイオン伝導性液体を基板などに塗布し、イオン伝導性液体が、非イオン伝導性共重合樹脂の液体の媒質(溶媒又は分散媒)を含む場合には、本発明による第一の実施形態のイオン伝導性液体から非イオン伝導性共重合樹脂の液体の媒質を除去して、イオン伝導性液体を固化させてもよい。また、本発明による第一の実施形態のイオン伝導性液体を基板などに塗布し、イオン伝導性液体が、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の溶融物である場合には、本発明による第一の実施形態のイオン伝導性液体の温度を低下させて、イオン伝導性液体を固化させてもよい。
本発明による第一の実施形態のイオン伝導性液体を基板などに塗布し、本発明による第一の実施形態のイオン伝導性液体から非イオン伝導性共重合樹脂の液体の媒質(溶媒又は分散媒)を除去する工程には、従来から公知のブレードコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法、スクリーン印刷法、フレクソ印刷法、及びスプレイコート法等を用いることができる。
ブレードコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法、及びスプレイコート法は、長尺の基板に対して連続で塗布することよって、イオン伝導性液体を、大面積にわたって高い生産性で塗布することができる方法である。
スクリーン印刷法及びフレクソ印刷法などのような印刷版は、任意の位置に及び任意の大きさにわたって、イオン伝導性液体を塗布することができる方法である。このような印刷法により塗布されたイオン伝導性液体を乾燥又は固化させる(媒質を除去する)ことによって、イオン伝導体の薄膜を得ることができる。
例えば、ブレードコート法の場合には、適量のイオン伝導性液体を、PETフィルムなどの平滑な板又は膜に塗布し、そのイオン伝導性液体を、ウェットギャップが設定されたブレードで、均一な速度で平坦化すると、イオン伝導性液体からその溶媒又は分散媒が除去され、均一な厚さを備えたイオン伝導体の膜(電解質膜など)が得られる。
また、スプレイコート法は、PETフィルムなどの平滑な板又は膜に、一定量のイオン伝導性液体を噴霧することで、PETフィルムなどの平滑な板又は膜にイオン伝導性液体を塗布すると共にイオン伝導性液体から媒質を除去して、均一な膜厚を備えたイオン伝導体の薄膜を得る方法である。得られるイオン伝導体の薄膜の厚さは、イオン伝導性液体を噴霧する量及びイオン伝導性液体を噴霧する装置の移動速度などを調整することよって、制御される。
本発明による第三の実施形態であるイオン伝導体の製造方法において、好ましくは、イオン伝導性液体に電界を印加する段階を含む。この場合には、イオン伝導体のイオン伝導度を向上させることができる。
本発明による第三の実施形態であるイオン伝導体の製造方法においては、まず、基板にイオン伝導性液体を塗布する。次に、基板に一対の電極を設置する。電極は、予め基板設置されていてもよく、個の場合には、イオン伝導性液体は、電極間に塗布される。次に、イオン伝導性液体が固化する前に、一対の電極間に所定の強度の電界を所定の方向に沿って印加する。すなわち、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導性液体に電界を印加する。イオン伝導性液体が固化してイオン伝導体が形成された後、イオン伝導性液体又はイオン伝導体に印加した電界を除去し、イオン伝導体を一対の電極間から取り出す。このようにして、得られるイオン伝導体のイオン伝導度を向上させることができる。
基板としては、固化したイオン伝導体の剥離性が良好であり、イオン伝導性液体に電界を印加する効率が高いプラスチック材料が好ましく、ポリエチレンテレフタレート及びポリテトラフルオロエチレンなどの基板が挙げられる。
イオン伝導性液体に印加する電界の強度の最適値は、イオン伝導性液体の種類などに依存するため、イオン伝導性液体に印加する電界の強度を適宜設定する必要がある。また、電界は、固体状態のイオン伝導体よりも液体状態のイオン伝導性液体に作用しやすいため、イオン伝導性液体に対する電界の印加の開始は、イオン伝導性液体が固化するより前であることが好ましい。
イオン伝導性液体に電界を印加することで得られるイオン伝導体のイオン伝導性の向上は、電界の作用によって、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させて得られるイオン解離基を有するイオン伝導性樹脂が、電界の方向に沿って、イオン伝導体にイオンチャンネル(イオンの通り道)を形成するため、及び電界分散効果によって、イオン伝導性液体において、2種類以上の樹脂が、微視的に、より均一化して分布するためと考えられる。
本発明による第三の実施形態であるイオン伝導体の製造方法において、好ましくは、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階を含む。この場合には、イオン伝導体の熱的安定性及び機械的強度を向上させることができる。
イオン伝導性液体に含まれる非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂が混合した状態で、イオン伝導性液体に電界を印加する場合には、イオン伝導性液体に電界を印加する間又はイオン伝導性液体に電界を印加した後に、行われる。これにより、改善された熱的安定性及び機械的特性を備えたイオン伝導体を得ることができる。非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する前においては、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の両方が、架橋されてないことが好ましい。非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方が、架橋されている場合には、架橋された非イオン伝導性共重合樹脂及び架橋されたイオン伝導性樹脂を溶媒に溶解させる及び融解させることは、困難である。
非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、具体的には、まず、予め架橋剤をその溶媒に溶解させて、イオン伝導性液体に架橋剤及びその溶媒を添加する。次に、架橋剤の溶媒などの溶媒がイオン伝導性液体から除去されてイオン伝導性液体が固化する前に、イオン伝導性液体に熱及び光などのような外部エネルギーを加えて、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋することで実施することができる。また、イオン伝導性液体が、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の溶融物である場合に、その溶融物に架橋剤を添加して、さらに非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂が溶融する温度より高い分解温度を有する開始剤を加えて、熱及び光などのような外部エネルギーを加えることで、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋することができる。
非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する方法としては、上記の方法以外にも、従来の様々な方法を用いることができる。例えば、イオン伝導性液体に紫外線又は放射線を照射して、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する方法、イオン伝導性液体に過酸化物などのような開始剤を混合して、熱又は光によってラジカルを発生させて、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する方法、イオン伝導性樹脂に含まれる極性基及び金属を用いて、イオン伝導性樹脂の間にイオン結合を生じさせる方法、並びに予め重合及び架橋可能なモノマー並びに架橋剤を用いて、樹脂同士を架橋させる方法などが挙げられる。
なお、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋することは、非イオン伝導性共重合樹脂のみを架橋すること、イオン伝導性樹脂のみを架橋すること、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の両方をそれぞれ別々に架橋すること、並びに非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を互いに架橋することを含む。
架橋剤としては、例えば水酸基に対する架橋剤としては、エポキシ化合物及びイソシアネート化合物などが挙げられる。また、酸基に反応可能な架橋剤としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、及びトリアミノベンゼンなどの多官能性塩基化合物が、挙げられる。
なお、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中で、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させてイオン伝導性樹脂を形成するのと同時に実施してもよい。この場合には、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーの重合並びに非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方の架橋を一つの工程で実施することができる。また、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中で、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させてイオン伝導性樹脂を形成するのと同時に実施するとき、イオン伝導性液体に対する電界の印加については、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーの混合物に電界を印加する間又は印加した後で、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーの重合並びに非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方の架橋を実施することが好ましい。
本発明による第三の実施形態であるイオン伝導体の製造方法において、好ましくは、イオン伝導性液体に電界を印加する段階並びに非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階を含み、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、イオン伝導性液体に電界を印加する段階の後に行われる。この場合には、イオン伝導体のイオン伝導度、熱的安定性、及び機械的強度を向上させることができる。
イオン伝導性液体に含まれる非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する前には、架橋されてない非イオン伝導性共重合樹脂及び架橋されてないイオン伝導性樹脂は、イオン伝導性液体に印加する電界の作用によって、イオン伝導体にイオンチャンネルを形成する自由度を有する。そして、イオン伝導体にイオンチャンネルを形成することによって、イオン伝導体のイオン伝導度を向上させることができる。
しかしながら、架橋されてない非イオン伝導性共重合樹脂及び架橋されてないイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導性液体に電界を印加して得られるイオン伝導体は、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方が架橋されたイオン伝導体と比較して、低い熱的安定性及び機械的強度を有する傾向にある。ここで、イオン伝導性液体に電界を印加した後に、イオン伝導性液体に含まれる非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋することによって、イオン伝導体の熱的安定性及び機械的強度を向上させることができる。
しかしながら、イオン伝導性液体に対する電界の印加によってイオン伝導度を向上させるためには、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂が、イオン伝導体にイオンチャンネルを形成する自由度を有する必要がある。よって、まず、架橋されてない非イオン伝導性共重合樹脂及び架橋されてないイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導性液体に電界を印加して、イオン伝導度を向上させた後に、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋することで、イオン伝導体の熱的安定性及び機械的強度を向上させることができる。
本発明による第三の実施形態であるイオン伝体の製造方法において、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、好ましくは、イオン伝導性樹脂を架橋する段階である。この場合には、イオン伝導体の膨潤及びイオン伝導体からのイオン伝導性樹脂の溶出を低減することができる。
イオン伝導体においてイオン伝導性樹脂を架橋する場合には、イオン伝導体におけるイオン伝導性樹脂の部分の強度を補強することができ、また、イオン伝導体におけるイオン伝導性樹脂の(例えば、燃料電池の液体燃料などのような)有機溶剤に対する溶解度を低下させて、イオン伝導体が、有機溶剤と接触する場合において、イオン伝導体からイオン伝導性樹脂が膨潤すること及び溶出することを低減することができる。また、イオン伝導性樹脂に含まれるイオン解離基を、架橋して、イオン伝導体のイオン伝導度を低下させてしまう可能性もあるが、イオン解離基を有する重合及び架橋可能な化合物を含むモノマーを用いて、イオン伝導性樹脂を形成することによって、又は、イオン解離基を有する架橋剤を用いることによって、イオン伝導性樹脂の架橋によるイオン伝導体のイオン伝導度の低下を抑制することができる。
本発明による第三の実施形態であるイオン伝体の製造方法において、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、好ましくは、非イオン伝導性共重合樹脂を架橋する段階であることを特徴とする。この場合には、イオン伝導体のイオン伝導度を低下させることなく、イオン伝導体の熱的安定性及び機械的強度を向上させることができる。
イオン伝導体において非イオン伝導性共重合樹脂を架橋する場合には、非イオン伝導性共重合樹脂は、良好な成膜製及び比較的高い強度を有するため、イオン伝導体においてイオン伝導性樹脂を架橋する場合よりも、イオン伝導体の熱的安定性及び機械的強度を向上させることができる。例えば、パーフルオロ樹脂などを、過酸化物でラジカルを発生させて、架橋する、又は放射線で化学結合を生じさせることができる。
図2は、本発明の実施形態による電解質膜の構造を説明する図であり、(a)は、イオン伝導性樹脂を架橋させた電解質膜を概略的に示す図であり、(b)は、非イオン伝導性共重合樹脂を架橋させた電解質膜を概略的に示す図である。図2(a)に示すように、電解質膜10は、イオン伝導性樹脂11及び非イオン伝導性共重合樹脂12を含み、イオン伝導性樹脂11は、架橋されており、非イオン伝導性共重合樹脂12が、架橋されていない。このため、図2(a)に示す電解質膜10におけるイオン伝導性樹脂11の膨潤及び溶出は、低減されている。
図2(b)に示すように、電解質膜10は、イオン伝導性樹脂11及び非イオン伝導性共重合樹脂12を含み、イオン伝導性樹脂11は、架橋されておらず、イオン伝導性樹脂12が、架橋される。このため、図2(b)に示す電解質膜10における非イオン伝導性共重合樹脂12の熱的安定性及び機械的強度が、改善される。
本発明による第四の実施形態は、イオン伝導体において、本発明による第三の実施形態であるイオン伝導体の製造方法によって製造される。本発明による第四の実施形態によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を提供することができる。
本発明による第四の実施形態であるイオン伝導体において、好ましくは、表面の酸化及び還元を低減する抗酸化還元層を有する。この場合には、イオン伝導体の表面の酸化及び還元を低減することができる。
電解質膜が、燃料電池などに利用されるときには、電解質膜及び触媒の界面において、電池の酸化及び還元反応が起こる。このような電池の酸化還元反応において、電解質の劣化が進行するにつれて、電解質膜及び触媒の界面が破壊され、電解質膜の電気特性が、低下することがある。電極並びに電極に挟まれた電解質膜及び触媒を含み、燃料が供給される燃料電池において、酸化還元反応が進行する場所は、燃料、触媒、及び電解質膜の界面(三相界面)である。電子の授受(酸化還元反応)は、燃料電池の三相界面で行なわれており、燃料分子は、触媒表面で酸化され、電極に電子を与え、生成したプロトンなどのイオンは、電解質膜を通じて拡散伝搬する。すなわち"燃料"、"電子を伝搬する伝導体触媒"、及び"プロトンを伝搬する電解質膜"の三相が、形成されている。このような三相界面を充分に形成した燃料電池を製造しても、三相界面の電解質膜自体が、触媒によって酸化又は還元され、長期間保持されず、燃料電池の発電特性が、低下してしまう。
そこで、本発明による第四の実施形態であるイオン伝導体においては、イオン伝導体の表面の酸化及び還元を低減する抗酸化還元層を有するため、イオン伝導体の表面の酸化及び還元を低減することができる。例えば、本発明による第四の実施形態であるイオン伝導体を、燃料電池の電解質膜として使用した場合に、酸化還元反応による電解質膜の劣化に伴う酸化還元反応の反応界面の減少を抑制し、長期にわたり電気特性の安定性が良好である電解質膜を提供することができる。
図3は、本発明の実施形態による電解質膜の構成を説明する図であり、(a)は、抗酸化還元層を有さない電解質膜を概略的に示す図であり、(b)は、抗酸化還元層を有する電解質膜を概略的に示す図である。図3(a)に示すような電解質膜10及び触媒22の間に抗酸化還元層を有さない場合と比較して、図3(b)に示すように、電解質膜10及び触媒22の間に抗酸化還元層20を有する場合には、触媒22における酸化還元反応による電解質膜10の表面の劣化を抑制することができる。
抗酸化還元層の材料としては、酸化還元反応に対して耐久性を有する樹脂(抗酸化還元樹脂)であり、抗酸化還元が付与されるイオン伝導体の酸化還元電位と比較して、イオン伝導体の酸化還元電位よりも貴な電位まで分解しない(分解電流が観測されない)と共にイオン伝導体の酸化還元電位よりも卑な電位まで分解しない(分解電流が観測されない)樹脂であり、言い換えれば、イオン伝導体の酸化還元電位よりも貴な電位まで酸化されず、イオン伝導体の酸化還元電位よりも卑な電位まで還元されない樹脂である。具体的には、パーフルオロスルホン酸及びパーフルオロカルボン酸などのフッ素系のイオン伝導性樹脂が挙げられる。また、上記のフッ素系のイオン伝導性樹脂以外にも、抗酸化還元層が付与されるイオン伝導体を構成する樹脂よりも高いフッ素含有率を備えた樹脂を用いることができる。
本発明による第四の実施形態であるイオン伝導体において、抗酸化還元層は、好ましくは、イオン伝導体よりも高いフッ素の含有率を備えたイオン伝導性樹脂を含む。この場合には、イオン伝導体のイオン伝導度を低下させることなく、イオン伝導体の表面の酸化及び還元を低減することができる。
本発明による第四の実施形態であるイオン伝導体において、抗酸化還元層は、好ましくは、非イオン伝導性共重合樹脂を含む。この場合には、イオン伝導体の表面における抗酸化還元層の接合を向上させることができる。
イオン伝導体及び抗酸化還元層の材料の組成を同一又は類似にすることによって、イオン伝導体に含まれる非イオン伝導性共重合樹脂及び抗酸化還元層に含まれる非イオン伝導性共重合樹脂の相溶性が向上し、イオン伝導体及び抗酸化還元層の界面におけるイオン伝導体及び抗酸化還元層の接合を向上させることができる。また、イオン伝導体及び抗酸化還元層の物性も互いに近づくため、イオン伝導体及び抗酸化還元層の接合面の安定性が向上する。すなわち、イオン伝導体及び抗酸化還元層の接合を向上させるためには、抗酸化還元層は、好ましくは、イオン伝導体に含まれる(フッ素系の)非イオン伝導性材料に類似する構造を有する非イオン伝導性共重合樹脂を含み、最も好ましくは、イオン伝導体に含まれる(フッ素系の)非イオン伝導性材料と同一の非イオン伝導性共重合樹脂を含む。
また、抗酸化還元層をイオン伝導体の表面に形成する工程は、イオン伝導体の表面に、抗酸化還元層を形成するためのフッ素系などのイオン伝導性樹脂及び非イオン伝導性共重合樹脂が混合した混合物を塗布する。イオン伝導体の表面に、抗酸化還元層を形成するための混合物をイオン伝導体に塗布する際に、抗酸化還元層を形成するための混合物に電界を印加することもできる。これにより、イオン伝導体と同様に、抗酸化還元層におけるイオン伝導性樹脂が配向して、抗酸化還元層のイオン伝導度をより向上させることができる。
さらに、抗酸化還元層を形成するための材料として、フッ素系のイオン伝導性樹脂を形成するモノマー及び非イオン伝導性共重合樹脂を用いて、非イオン伝導性共重合樹脂中でフッ素系のイオン伝導性樹脂を形成するモノマーを重合させて、抗酸化還元層を形成することも可能である。
本発明による第五の実施形態は、電池において、本発明による第四の実施形態であるイオン伝導体を含む。本発明による第五の実施形態によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を含む電池を提供することができる。
本発明による第五の実施形態である電池において、好ましくは、アルコールを用いる。この場合には、より高いエネルギー密度を備えた液体を用いる電池を提供することができる。
本発明による第五の実施形態である電池において、アルコールは、好ましくは、エタノールである。この場合には、より高い環境保全性及び安全性を備えた電池を提供することができる。
本発明による第五の実施形態である電池は、気体又は液体を燃料とする燃料電池であってもよく、本発明による第四の実施形態であるイオン伝導体を、燃料電池における電解質膜として利用することができる。
図4は、プロトン伝導型の固体高分子の電解質膜を含む燃料電池の発電機構を説明する図である。プロトン伝導型の固体高分子の電解質膜は、本発明による第四の実施形態のイオン伝導体である。図4に示す燃料電池は、本発明による第四の実施形態のイオン伝導体であるプロトン伝導型の固体高分子の電解質膜10並びに電解質膜10の両側にアノード32及びカソード34を有する。プロトン伝導型の電解質膜10が使用される場合には、アノード32側におけるセパレータ38で囲まれた領域へプロトン源となる燃料(水素、アルコールなど)が供給され、アノード32内に提供された触媒により、プロトン源の燃料が酸化され、プロトン源の燃料から水素イオンが発生する。この時、アノード32に発生する電子は、負荷を有する外部回路36を通じて流れ、アノード32に発生した水素イオンは、プロトン伝導型の電解質膜10を伝搬して、カソード34に到達する。カソード34側におけるセパレータ38で囲まれた領域へ(空気、酸素などの)酸化剤が供給され、水素イオン、酸素、及び負荷を有する外部回路36を通じて流れてきた電子とが反応し、水素イオン及び酸素が反応して、水を生成する。
すなわち、プロトン伝導型の固体高分子の電解質膜を有する燃料電池においては、水素を燃料として使用する場合には、
アノードにおける反応;H→2H+2e
カソードにおける反応;2H+(1/2)O+2e→H
全反応;H+(1/2)O→H
の反応が起こる。
本発明による第四の実施形態のイオン伝導体である電解質膜を使用する燃料電池は、触媒の種類によるが、基本的には、いかなる燃料も使用することができる。しかしながら、燃料としては、高い体積及び重量エネルギー密度を備えた燃料を用いることが好ましい。燃料は、通常、容器内などの制限された体積を備えた空間に収められるため、一定の体積を有する。したがって、高い体積及び重量エネルギー密度を備えた燃料を用いることが好ましい。特に、高い体積エネルギー密度を備えた燃料を用いることが好ましい。
気体状燃料の体積エネルギー密度が低いのに対して、液体状燃料及び固体状燃料の体積エネルギー密度は、相対的に高く、好ましい。例えば、1分子の酸化反応により取り出せる電子の数が、水素について2個であり、メタノールについては6個であり、エタノールについては12個であることから、各々の分子1molから取り出せる電荷量(クーロン)は、理論値として、水素については、96500×2Cであり、メタノールについては、96500×6Cであり、エタノールについては、96500×12Cである。各々の燃料の密度及び分子量を考慮し、体積1cm当たりの電荷量に換算したエネルギー密度は、水素については、約9C/cmであり、メタノールについては、約14400C/cmであり、エタノールについては、15200C/cmである。このように、常温常圧で気体である水素の単位体積当たりのエネルギー密度は、著しく低い。常温常圧で液体であるメタノール及びエタノールは、
メタノール;CHOH+HO→6H+6e+CO
エタノール;COH+3HO→12H+12e+2CO
のように、酸化反応に対して、それぞれ、1分子及び3分子水分子を必要とするが、液体燃料は、気体燃料よりも優れていることは明らかである。
なお、高圧状態の水素又は液体水素を使用することも可能であるが、燃料を保持する容器を堅牢にする必要があり、容器を含めてエネルギー密度を考慮すると、常温常圧で液体又は固体状態の燃料が優れている。具体的には、水素吸蔵合金に蓄えた水素、ガソリン、液体状炭化水素、液体状アルコール等の固体状燃料又は液体状燃料を使用することができる。アルコール燃料を使用することは、本体の燃料電池の小型化することができると共に、燃料が優れた体積エネルギー密度を有するため、好ましい。また、アルコール燃料を使用することによって、駆動時間を向上させた小型の燃料電池を形成することができる。さらに、4個以下の炭素数を備えたアルコールを使用することが好ましい。特に、エタノールを使用することは、エタノールの安全性が高く、エタノールの生合成が可能であるため、好ましい。このような形態の燃料電池は、優れた体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度を有するため、比較的小型の機器に使用する電池として特に好適である。
また、液体燃料の直接酸化ではなく、液化天然ガス(LNG)、メタンガスのような炭化水素系燃料、メタノール等の液体燃料を改質して、水素を得ることで、その水素を燃料電池の燃料とする、いわゆる改質燃料型の燃料電池も検討されている。この場合には、原燃料の改質によって得られる水素ガス燃料中に存在する微量の一酸化炭素(CO)、その他の微量な不純物により燃料電池の機能を低下させる問題(触媒被毒)がある。COによる触媒被毒を低減するための触媒としては、触媒に白金−ルテニウム(Pt−Ru)合金触媒が提案されている。
しかしながら、アノードにおける、溶液中のメタノール又はエタノールの酸化に関する触媒化学反応の阻害要因は、CO被毒では説明できないことも多い。これは、メタノール又はエタノールの酸化反応が、水素及びCOに対して非常に多くの素反応を経由して、酸化されるためである。メタノールの酸化には、Pt及びRu又はIrからなる触媒を用いることが好ましく、エタノールの酸化には、Pt並びにRu及び/又はIr及び/又はW及び/又はSnからなる三種類以上の触媒を使用することが好ましい。これらの触媒が好適な理由は、メタノール又はエタノールの複雑な反応の素過程の進行を促進することに、それらの媒体が寄与しているためである。また、エタノールは、人体に無害であり、生物由来の原料より生合成が可能であるため、炭酸ガス負荷を低減することができる燃料として、好ましく使用される。
本発明による第六の実施形態は、電源において、本発明による第五の実施形態である電池を用いる。本発明による第六の実施形態によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を含む電池を用いる電源を提供することができる。
図5は、情報処理装置に搭載された電源システムの構成を概略的に説明する図である。また、図6は、情報処理装置に搭載された電源システムの作用を概略的に説明するブロック図である。なお、図6において、矢印は、燃料等の流れを示す。
図5及び図6に示すように、パーソナルコンピュータのような情報処理装置に搭載された、本発明による第六の実施形態である電源としての電源システムは、燃料電池20、液体燃料を収容する液体燃料カートリッジ71、液体燃料カートリッジ71に接続された混合器72、液体燃料カートリッジ71及び混合器72の間に設けられたバルブ73、燃料を燃料電池20に供給するための燃料ポンプ74、燃料濃度を検知する燃料濃度センサ75、発電後の燃料を気体及び液体に分離する気液分離器76、温度センサ77及び冷却素子78を有する熱交換器79、空気を燃料電池20に供給するための空気ポンプ80、温度センサ81及び冷却素子82を有する水分凝縮器83、水分凝縮器83からの水分を収容する水タンク84、水タンク84及び混合器72の間に設けられたバルブ85、これらの各部を制御するための制御回路86、並びに燃料電池の正負極が接続されたDCDCコンバータ87等で構成される。なお、燃料等が通過する各部は、チューブ等の流路により接続される。
このような電源システムにおいて、混合器72を通過した燃料は、燃料ポンプ74を経て燃料濃度センサ75に導かれる。燃料濃度センサ75により検知された燃料濃度が、所定の濃度よりも低い場合には、制御回路86は、液体燃料カートリッジ71のバルブ73を開ける。燃料は、燃料電池20に導かれる。発電後の燃料は、気液分離器76により気体成分(炭酸ガス)及び液体成分に分離され、液体成分は、熱交換器79に導かれる。温度センサ77により検知された液体温度が、所定の温度よりも低い場合には、制御回路86は、冷却素子78を用いて液体を冷却せず、液体温度が、所定の温度より高い場合には、制御回路86は、冷却素子78を用いて液体を冷却する。熱交換器79を通過した燃料は、再び混合器72に戻される。このような流れが、燃料ラインとして機能する。
空気ポンプ80からの空気は、燃料電池20に導かれる。燃料電池20を通過した気液混合ガスは、水分凝縮器83に導かれる。温度センサ81により検知されたガス温度が、所定の温度よりも低い場合には、制御回路86は、冷却素子82を用いて気液混合ガスを冷却せず、ガス温度が、所定の温度よりも高い場合には、制御回路86は、冷却素子82を用いて気液混合ガスを冷却する。なお、排ガスは、電源システムの外部に排出される。ここで、排ガスを排出するための排出口(図示せず)は、情報処理装置に対する電源システムの装着位置によって異なるが、情報処理装置の外部に面した位置に設けることが好ましい。水分凝縮器83を用いて凝縮された水分は、水タンク84を介して混合器72に戻される。このような流れが、酸化剤ライン(空気ライン)として機能する。
このようにして、(空気も含む)燃料が、燃料電池20に供給されることで、燃料電池20は、発電し、所定の電力(起電力)をDCDCコンバータ87に付与し、DCDCコンバータ87に設けられた端子88を通じて、電力を電子機器に供給する。なお、図5及び図6に示す電源システムにおいては、蓄電素子を用いていないが、例えば蓄電素子を電源システムの内部及び/又は外部に設けてもよい。
本発明による第七の実施形態は、電子機器において、本発明による第六の実施形態である電源を有する。本発明による第七の実施形態によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を含む電池を用いる電源を有する電子機器を提供することができる。
本発明による第七の実施形態である電子機器は、例えば、本発明による第六の実施形態である電源を有する携帯可能なパーソナルコンピュータのような情報処理装置である。図7は、電源システムが搭載された情報処理装置の概略図である。また、図8は、情報処理装置における情報処理装置の構成を概略的に説明するブロック図である。
図7に示すように、本発明による第六の実施形態である電源としての電源システム51は、例えば、携帯可能なパーソナルコンピュータのような情報処理装置50の内部に搭載される。図8に示すように、情報処理装置50は、各種演算を行って各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)52、BIOS(バイオス)等を記憶しているROM(Read Only Memory)53及びCPU52の作業エリアとなるRAM(Random Access Memory)54が、バス55により接続されるように構成される。バス55には、大容量記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)56、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置57、キーボード及びマウス等の入力装置58、CD及びDVD等の記憶媒体59からデータを読み取る光ディスク装置等のデータ読取装置60、並びに電力を供給する電源システム51等が各種のコントローラ(図示せず)等を介して接続されている。
記憶媒体59には、各種のプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、データ読取装置60で読み取られ、HDD56にインストールされる。なお、記憶媒体59としては、CD及びDVD等の光ディスク、光磁気ディスク、並びにフレキシブルディスク等の各種方式のメディアを用いることができる。データ読取装置60も記憶媒体59の方式に応じて、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、及びFDD等が用いられる。また、各種のプログラムは、記憶媒体59から読み取るのではなく、ネットワーク(図示せず)からダウンロードしてHDD56にインストールされるものであってもよい。
[実施例]
{フッ素樹脂}
フッ素樹脂として、以下の三種類のフッ素樹脂1、フッ素樹脂2、及びフッ素樹脂3を用いた。
フッ素樹脂1:93%〜95%のフッ化ビニリデン単位、約4%のクロロフルオロエチレン単位、約3%のイソプロピレート単位を有するグラフト共重合体(グラフト共重合体の側鎖部は、フッ化ビニリデン単位からなる)
フッ素樹脂2:40%フッ化ビニリデン単位、11%フッ化イソプロピレン単位、49%四フッ化エチレン単位を有するフッ素樹脂
フッ素樹脂3:100%フッ化ビニリデン単位からなるフッ素樹脂
{実施例1}
10.5gのジメチルホルムアミドに1.5gのフッ素樹脂1を加えて溶解させた。この溶液に0.88gのアシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルを加えた。溶液を攪拌すると同時に、溶液を80度で24時間及び85度で1時間保持し、徐冷し、電解質液を得た。製造直後の電解質液は、乳白色であり、均一であった。得られた電解質液を離形性プラスチック上に塗布した。電解質液を真空下で加熱することにより、電解質液から溶剤を除去した。得られた電解質膜を、加熱したメタノール中で数回充分に洗浄した後、沸騰水中で電解質膜を加熱し、イオン交換水中に保存した。
{実施例2}
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートの重量が0.5gである以外は、実施例1と同様にして、電解質液を製造した。製造の直後の電解質液は、乳白色であり、均一であった。
{実施例3}
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートの重量が0.24gである以外は、実施例1と同様にして、電解質液を製造した。製造直後の電解質液は、乳白色であり、均一であった。
{実施例4}
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートの代わりに、アシッドホスホオキシエチルメタクリレートを使用する以外は、実施例1と同様にして、電解質液を製造した。製造直後の電解質液は、乳白色であり、均一であった。
{実施例5}
アシッドホスホオキシエチルメタクリレートの重量が0.5gである以外は、実施例1と同様にして、電解質液を製造した。製造直後の電解質液は、乳白色であり、均一であった。
{実施例6}
アシッドホスホオキシエチルメタクリレートの重量が0.24gである以外は、実施例1と同様にいて、電解質液を製造した。製造直後の電解質液は、乳白色であり、均一であった。
{実施例7}
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートの代わりに、アシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリコール)メタクリレートを使用する以外は、実施例1と同様にして、電解質液を製造した。製造直後の電解質液は、乳白色であり、均一であった。
{実施例8}
アシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリコール)メタクリレートの重量が0.5gである以外は、実施例7と同様にして、電解質液を製造した。製造直後の電解質液は、乳白色であり、均一であった。
{実施例8a}
アシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリコール)メタクリレートの重量が0.24gである以外は、実施例7と同様にして、電解質液を製造した。製造直後の電解質液は、乳白色であり、均一であった。
{実施例9}
10.5gのメチルエチルケントンに1.5gのフッ素樹脂2を加えて溶解させた。この溶液に0.88gのアシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルを加えた。溶液を攪拌すると同時に、溶液を75度で24時間保持し、徐冷し電解質液を得た。製造直後の電解質液は、乳黄白色であり、均一であった。得られた電解質液を離形性プラスチック上に塗布した。電解質液を真空下で加熱することにより、電解質液から溶剤を除去した。得られた電解質膜を、加熱したメタノール中で数回充分に洗浄した後、沸騰水中で電解質膜を加熱し、イオン交換水中に保存した。
{実施例10}
アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレートの重量が0.5gである以外は、実施例9と同様にして、電解質液を製造した。製造直後の電解質液は、乳黄白色であり、均一であった。
{比較例1}
10.5gのジメチルホルムアミドに1.5gのフッ素樹脂3を加えて溶解させた。この溶液に0.88gのアシッドホスホオキシエチルメタクリレートを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルを加えた。溶液を攪拌すると同時に、溶液を80度で24時間及び85度で1時間保持し、徐冷し、電解質液を得た。製造直後の電解質液には、凝集したと考えられる白色固形物が沈降していた。電解質液を離形性プラスチック上に塗布した。電解質液を真空下で加熱することにより、電解質液から溶剤を除去した。得られた電解質膜を、加熱したメタノール中で数回充分に洗浄した後、沸騰水中で電解質膜を加熱し、イオン交換水中に保存した。
{比較例1a}
10.5gのジメチルホルムアミドに0.88gのアシッドホスホオキシエチルメタクリレートを加え、均一な溶液を得た後、アゾビスイソブチロニトリルを加えた。溶液を攪拌すると同時に、溶液を80度で4時間保持したところ、重合溶液がゲル化し攪拌が停止した。ゲル化した物質はジメチルホルムアミドの追加や加熱処理によって溶解することが無く、電解質膜を形成することができなかった。
{イオン伝導度の測定}
実施例1〜10及び比較例1で得られた電解質膜について、それぞれ、サンプル径3mmの電解質膜のインピーダンスを、インピーダンスアナライザーを用いて測定した。インピーダンスアナライザーによって得られた電解質膜のインピーダンスの実部及び虚部の測定値について、コールコールプロットを行った。なお、コールコールプロットにおける電解質膜のインピーダンスの実部及び虚部は、それぞれの電解質膜の厚さで規格化した。図9は、実施例7、8及び8aで得られた電解質膜についてのコールコールプロットを示す図である。図9の横軸及び縦軸は、それぞれ、実施例7、8及び8aで得られた電解質膜についての電解質膜の厚さで規格化されたインピーダンスの実部及び虚部を示す。このような電解質膜の厚さで規格化したインピーダンスの実部及び虚部についてのコールコールプロットにおいて、直線部分の外挿値(直線部分及び横軸の交点における電解質膜の厚さで規格化されたインピーダンスの実部の値)を電解質膜のインピーダンスとした。求めた電解質膜のインピーダンスから電解質膜のイオン伝導度を、
電解質膜のイオン伝導度=(膜のインピーダンス)−1×(電解質膜の厚さ)−2
によって、算出した。
実施例1〜10及び比較例1で得られた電解質膜のイオン伝導度を表1に示す。
Figure 0004825410
{比較例2}
ポリアクリル酸及びフッ素樹脂3を溶媒中に混合し、得られた溶液を、離形性を有する樹脂上に塗布した後、電界を印加すると同時に、溶液を乾燥させた。得られた電解質膜Aの厚さは、50μmであった。電解質膜Aの両面にPt担持触媒及び拡散電極を配置し、セパレータを装着して、電池Aを作製した。電池Aの開放電圧は、0.70Vであった。
{実施例11}
実施例1の溶液に、アクリル酸モノマー及び有機過酸化物2,5−ジメチル−2,5−ジブチルパーオキシヘキシン−3を添加し溶解させて、溶液を得た。得られた溶液を、離形性を有する樹脂上に塗布し、電界を印加した。溶液の溶媒が乾燥する前に溶液を加熱し、ポリアクリル酸を架橋した。得られた電解質膜Bの厚さは、50μmであった。電解質膜Bを実施例1と同様にセルに装着して、電池Bを得た。電池Bの開放電圧は、0.71Vであった。
{実施例12}
実施例1の溶液を、離形性を有する樹脂上に塗布し、電界を印加した。溶液の溶媒が乾燥する前に、溶液に放射線を照射し、フッ素樹脂1を架橋した。得られた電解質膜Cの厚さは、50μmであった。電解質膜Cを実施例1と同様に、電解質膜Cの両面にPt担持カーボン及び拡散電極を配置し、セパレータを装着して電池Cを作製した。電池Cの開放電圧は、0.73Vであった。
{比較例2及び実施例11、12の電解質膜の評価}
(1)製造した電解質膜の膨潤特性を評価するために、各々の電解質膜を25℃のメタノール中に2時間含浸させた。そのときの電解質膜の面積における増加率を比較した。製造した電解質膜の面積の増加率は、(電解質膜A)>(電解質膜B)>(電解質膜C)の順に大きかった。すなわち、電解質膜のメタノールに対する膨潤の程度は、架橋された電解質膜について小さく、さらに成膜性樹脂を架橋した電解質膜の膨潤の程度がより低く、電解質膜の強度が維持されることが確認された。
(2)製造直後の電解質膜を65℃のメタノール中に1時間含浸させた。メタノール含浸の前後における電解質膜のイオン伝導率を測定して、電解質膜のイオン伝導率における変化率を比較した。電解質膜のイオン伝導率の変化率(低下率)は、(電解質膜A)>(電解質膜C)>(電解質膜B)の順に大きかった。すなわち、加熱及び膨潤した電解質膜のイオン伝導率における変化は、架橋により膜の形態が維持されていない電解質膜及び極性溶媒に対して溶解性の高い電解質膜については、電解質膜からのイオン導電性樹脂の溶出が起こりやすいことが確認された。電解質膜Bは、イオン伝導性樹脂を架橋したため、極性溶媒に対して溶解しなかった。よって、混合した樹脂に電界を印加して得られる良好なイオン伝導率を有する電解質膜の性能を維持するために、架橋を行うことは有効であることが確認された。
{比較例3}
炭化水素を含有する電解質膜として、ポリアクリル酸及びフッ素樹脂3を溶媒中に混合し、得られた溶液を、離形性を有する樹脂上に塗布し、電界を印加すると同時に、溶液を乾燥させた。得られた電解質膜Dの厚さは、50μmであり、電解質膜Dの両面にPt担持触媒及び拡散電極を配置し、セパレータを装着して、電池Dを製造した。
{実施例13}
炭化水素を含有する電解質膜として、実施例1の溶液を、離形性を有する樹脂上に塗布し、電界を印加すると同時に、溶液を乾燥させた。得られた電解質膜の表面にパーフルオロスルホン酸(Nafion、Dupont社製)の溶液を塗布し、パーフルオロスルホン酸の溶液を乾燥させ、加熱処理を施して、抗酸化還元層を形成した。得られた複合電解質膜Eの厚さは、80μmであった。複合電解質膜Eの両面にPt担持触媒及び拡散電極を配置し、セパレータを装着して、電池Eを製造した。
{実施例14}
炭化水素を含有する電解質膜として、実施例5の溶液を、離形性を有する樹脂上に塗布し、電界を印加すると同時に、溶液を乾燥させた。得られた電解質膜の厚さは、50μmであった。得られた電解質膜の表面にフッ素樹脂1及びパーフルオロスルホン酸(Nafion、Dupont社製)の混合液を塗布して、混合液を乾燥させ、抗酸化還元層を形成した。得られた複合電解質膜Fの厚さは、80μmであった。実施例13と同様に、複合電解質膜Fの両面にPt担持カーボン及び拡散電極を配置し、セパレータを装着して、電池Fを製造した。
{実施例15}
炭化水素を含有する電解質膜として実施例3の電解質膜を用いた。電解質膜の厚さは、50μmであり、電解質膜の表面にフッ素樹脂1及びパーフルオロスルホン酸(Nafion、Dupont社製)の混合液を塗布し、電界を印加すると同時に、混合液を乾燥させ、抗酸化還元層を形成した。得られた複合電解質膜Gの厚さは、70μmであった。実施例13と同様に、複合電解質膜Gの両面にPt担持カーボン及び拡散電極を配置し、セパレータを装着して、電池Gを製造した。
{比較例3及び実施例13〜15の電解質膜の評価}
(1)製造した電池の初期特性として、各電池のアノードに燃料としてメタノールを供給すると共にカソードに空気(酸素)を供給して、各電池の電流電圧特性(I−V特性)を評価するために、各電池の電気特性(80mA/cmにおける電池電圧)を比較した。製造した電池の初期特性(80mA/cmにおける電池電圧)は、電池D(電解質膜D)>電池E(複合電解質膜E)>電池G(複合電解質膜G)>電池F(複合電解質膜F)の順に良好であった。
(2)製造した各電池のアノードに燃料としてメタノールを供給すると共にカソードに空気(酸素)を供給して、各電池の運転を500時間行ない、評価(1)と同様に、各電池の電気特性(80mA/cmにおける電池電圧)を比較した。製造した各電池の500時間後における電気特性(80mA/cmにおける電池電圧)は、電池G(複合電解質膜G)>電池F(複合電解質膜F)>電池E(複合電解質膜E)>電池D(電解質膜D)の順に良好であった。
複合電解質膜は、抗酸化還元層を有さない膜と比較して、電解質膜の厚さが大きいために、電池の初期特性が低かったが、500時間の運転の間に低下した電圧は、電池G(複合電解質膜G)<電池F(複合電解質膜F)<電池E(複合電解質膜E)<電池D(電解質膜D)の順に小さく、複合電解質膜は、長時間の運転の間、安定していることが確認された。つまり、炭化水素を含有する電解質膜Dにフッ素を含有する抗酸化還元層を設けて得られた電池Eの電気特性は、長時間安定しており、電解質膜Dに含有されるフッ素樹脂を含む抗酸化還元層を有する電池Fの電気特性が、より安定していた。加えて、電解質膜Dに含有されるフッ素樹脂を含む抗酸化還元層を有し、電界を印加して得られた電池Gの電気特性は、長時間にわたりさらに安定していた。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
[付記]
(イオン伝導性液体の製造方法、イオン伝導性液体、イオン伝導体の製造方法、イオン伝導体、電池、電源、及び電子機器)
本発明の実施形態は、イオン伝導性液体の製造方法、イオン伝導性液体、イオン伝導体の製造方法、イオン伝導体、電池、電源、及び電子機器に関する。
本発明の実施形態は、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導性液体の製造方法並びに該イオン伝導性液体の製造方法によって製造されるイオン伝導性液体を提供することを目的とする。
また、本発明の実施形態は、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法並びに該イオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を提供することを目的とする。
さらに、本発明の実施形態は、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を含む電池、該電池を用いる電源、並びに該電源を有する電子機器を提供することを目的とする。
実施形態(1)に記載の発明は、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中にイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導性液体の製造方法であって、非イオン伝導性共重合樹脂の液体中で、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させてイオン伝導性樹脂を形成することを特徴とする、イオン伝導性液体の製造方法である。
実施形態(1)に記載の発明によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導性液体の製造方法を提供することができる。
実施形態(2)に記載の発明は、実施形態(1)に記載のイオン伝導性液体の製造方法において、前記モノマーは、イオン解離基を有さない重合可能な化合物をさらに含むことを特徴とする、イオン伝導性液体の製造方法である。
実施形態(2)に記載の発明によれば、非イオン伝導性共重合樹脂の液体におけるイオン伝導性樹脂の分散安定性を向上させることができる。
実施形態(3)に記載の発明は、実施形態(1)又は(2)に記載のイオン伝導性液体の製造方法において、前記非イオン伝導性共重合樹脂は、グラフト重合体であることを特徴とする、イオン伝導性液体の製造方法である。
実施形態(3)に記載の発明によれば、非イオン伝導性共重合樹脂の液体におけるイオン伝導性樹脂の分散安定性をさらに向上させることができる。
実施形態(4)に記載の発明は、実施形態(3)に記載のイオン伝導性液体の製造方法において、前記イオン解離基を有する重合可能な化合物の前記イオン解離基は、リン酸基を含むことを特徴とする、イオン伝導性液体の製造方法である。
実施形態(4)に記載の発明によれば、イオン伝導性液体のイオン伝導度を向上させることができる。
実施形態(5)に記載の発明は、イオン伝導性液体において、実施形態(1)乃至(4)のいずれか一つに記載のイオン伝導性液体の製造方法によって製造されることを特徴とする、イオン伝導性液体である。
実施形態(5)に記載の発明によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導性液体の製造方法によって製造されるイオン伝導性液体を提供することができる。
実施形態(6)に記載の発明は、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導体の製造方法であって、実施形態(5)に記載のイオン伝導性液体を用いてイオン伝導体を製造することを特徴とする、イオン伝導体の製造方法である。
実施形態(6)に記載の発明によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法を提供することができる。
実施形態(7)に記載の発明は、実施形態(6)に記載のイオン伝導体の製造方法において、前記イオン伝導性液体に電界を印加する段階を含むことを特徴とする、イオン伝導体の製造方法である。
実施形態(7)に記載の発明によれば、イオン伝導体のイオン伝導度を向上させることができる。
実施形態(8)に記載の発明は、実施形態(6)又は(7)に記載のイオン伝導体の製造方法において、前記非イオン伝導性共重合樹脂及び前記イオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階を含むことを特徴とする、イオン伝導体の製造方法である。
実施形態(8)に記載の発明によれば、イオン伝導体の熱的安定性及び機械的強度を向上させることができる。
実施形態(9)に記載の発明は、実施形態(7)に記載のイオン伝導体の製造方法において、前記イオン伝導性液体に電界を印加する段階並びに前記非イオン伝導性共重合樹脂及び前記イオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階を含み、前記非イオン伝導性共重合樹脂及び前記イオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、前記イオン伝導性液体に電界を印加する段階の後に行われることを特徴とする、イオン伝導体の製造方法である。
実施形態(9)に記載の発明によれば、イオン伝導体のイオン伝導度、熱的安定性、及び機械的強度を向上させることができる。
実施形態(10)に記載の発明は、実施形態(8)又は(9)に記載のイオン伝導体の製造方法において、前記非イオン伝導性共重合樹脂及び前記イオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、前記イオン伝導性樹脂を架橋する段階であることを特徴とする、イオン伝導体の製造方法である。
実施形態(10)に記載の発明によれば、イオン伝導体の膨潤及びイオン伝導体からのイオン伝導性樹脂の溶出を低減することができる。
実施形態(11)に記載の発明は、実施形態(8)又は(9)に記載のイオン伝導体の製造方法において、前記非イオン伝導性共重合樹脂及び前記イオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、前記非イオン伝導性共重合樹脂を架橋する段階であることを特徴とする、イオン伝導体の製造方法である。
実施形態(11)に記載の発明によれば、イオン伝導体のイオン伝導度を低下させることなく、イオン伝導体の熱的安定性及び機械的強度を向上させることができる。
実施形態(12)に記載の発明は、イオン伝導体において、実施形態(7)乃至(11に記載のイオン伝導体の製造方法によって製造されることを特徴とする、イオン伝導体である。
実施形態(12)に記載の発明によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を提供することができる。
実施形態(13)に記載の発明は、実施形態(12)に記載のイオン伝導体において、表面の酸化及び還元を低減する抗酸化還元層を有することを特徴とする、イオン伝導体である。
実施形態(13)に記載の発明によれば、イオン伝導体の表面の酸化及び還元を低減することができる。
実施形態(14)に記載の発明は、実施形態(13)に記載のイオン伝導体において、前記抗酸化還元層は、当該イオン伝導体よりも高いフッ素の含有率を備えたイオン伝導性樹脂を含むことを特徴とする、イオン伝導体である。
実施形態(14)に記載の発明によれば、イオン伝導体のイオン伝導度を低下させることなく、イオン伝導体の表面の酸化及び還元を低減することができる。
実施形態(15)に記載の発明は、実施形態(13)又は(14)に記載のイオン伝導体において、前記抗酸化還元層は、前記非イオン伝導性共重合樹脂を含むことを特徴とする、イオン伝導体である。
実施形態(15)に記載の発明によれば、イオン伝導体の表面における抗酸化還元層の接合を向上させることができる。
実施形態(16)に記載の発明は、電池において、実施形態(12)乃至(15)のいずれか一つに記載のイオン伝導体を含むことを特徴とする、電池である。
実施形態(16)に記載の発明によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を含む電池を提供することができる。
実施形態(17)に記載の発明は、実施形態(16)に記載の電池において、アルコールを用いることを特徴とする、電池である。
実施形態(17)に記載の発明によれば、より高いエネルギー密度を備えた液体を用いる電池を提供することができる。
実施形態(18)に記載の発明は、実施形態(17)に記載の電池において、前記アルコールは、エタノールであることを特徴とする、電池である。
実施形態(18)に記載の発明によれば、より高い環境保全性及び安全性を備えた電池を提供することができる。
実施形態(19)に記載の発明は、電源において、実施形態(17)又は(18)に記載の電池を用いることを特徴とする、電源である。
実施形態(19)に記載の発明によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を含む電池を用いる電源を提供することができる。
実施形態(20)に記載の発明は、電子機器において、実施形態(19)に記載の電源を有することを特徴とする、電子機器である。
実施形態(20)に記載の発明によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を含む電池を用いる電源を有する電子機器を提供することができる。
本発明の実施形態によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導性液体の製造方法並びに該イオン伝導性液体の製造方法によって製造されるイオン伝導性液体を提供することができる。
また、本発明の実施形態によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法並びに該イオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を提供することができる。
さらに、本発明の実施形態によれば、製造することがより容易である、非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むより均一なイオン伝導体の製造方法によって製造されるイオン伝導体を含む電池、該電池を用いる電源、並びに該電源を有する電子機器を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態による電解質液を説明する図であり、図1(a)は、直鎖構造の非イオン伝導性共重合樹脂を含む電解質液を概略的に示す図であり、図1(b)は、グラフト構造の非イオン伝導性共重合樹脂を含む電解質液を概略的に示す図である。 図2は、本発明の実施形態による電解質膜の構造を説明する図であり、図2(a)は、イオン伝導性樹脂を架橋させた電解質膜を概略的に示す図であり、図2(b)は、非イオン伝導性共重合樹脂を架橋させた電解質膜を概略的に示す図である。 図3は、本発明の実施形態による電解質膜の構成を説明する図であり、図3(a)は、抗酸化還元層を有さない電解質膜を概略的に示す図であり、図3(b)は、抗酸化還元層を有する電解質膜を概略的に示す図である。 図4は、プロトン伝導型の固体高分子の電解質膜を含む燃料電池における発電機構を説明する図である。 図5は、情報処理装置に搭載された電源システムの構成を概略的に説明する図である。 図6は、情報処理装置に搭載された電源システムの作用を概略的に説明するブロック図である。 図7は、電源システムが搭載された情報処理装置の概略図である。 図8は、情報処理装置における情報処理装置の構成を概略的に説明するブロック図である。 図9は、実施例7、8及び8aで得られた電解質膜についてのコールコールプロットを示す図である。
10 電解質膜
11 イオン伝導性樹脂
12 非イオン伝導性共重合樹脂
13 モノマー
20 抗酸化還元層
22 触媒
32 アノード
34 カソード
36 外部回路
38 セパレータ
50 情報処理装置
51 電源システム
55 バス
59 記憶媒体
73、85 バルブ
88 端子

Claims (15)

  1. 非イオン伝導性共重合樹脂の液体中にイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導性液体の製造方法であって、
    非イオン伝導性共重合樹脂の液体中で、イオン解離基を有する重合可能な化合物を含むモノマーを重合させてイオン伝導性樹脂を形成することを特徴とするイオン伝導性液体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のイオン伝導性液体の製造方法において、
    前記モノマーは、イオン解離基を有さない重合可能な化合物をさらに含むことを特徴とするイオン伝導性液体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のイオン伝導性液体の製造方法において、
    前記非イオン伝導性共重合樹脂は、グラフト重合体であることを特徴とするイオン伝導性液体の製造方法。
  4. 請求項3に記載のイオン伝導性液体の製造方法において、
    前記イオン解離基を有する重合可能な化合物の前記イオン解離基は、リン酸基を含むことを特徴とするイオン伝導性液体の製造方法。
  5. 請求項1からまでのいずれか一項に記載のイオン伝導性液体の製造方法によって製造されることを特徴とするイオン伝導性液体。
  6. 非イオン伝導性共重合樹脂及びイオン伝導性樹脂を含むイオン伝導体の製造方法であって、
    請求項5に記載のイオン伝導性液体を用いてイオン伝導体を製造することを特徴とするイオン伝導体の製造方法。
  7. 請求項6に記載のイオン伝導体の製造方法において、
    前記イオン伝導性液体に電界を印加する段階を含むことを特徴とするイオン伝導体の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載のイオン伝導体の製造方法において、
    前記非イオン伝導性共重合樹脂及び前記イオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階を含むことを特徴とするイオン伝導体の製造方法。
  9. 請求項7に記載のイオン伝導体の製造方法において、
    前記イオン伝導性液体に電界を印加する段階並びに前記非イオン伝導性共重合樹脂及び前記イオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階を含み、
    前記非イオン伝導性共重合樹脂及び前記イオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、前記イオン伝導性液体に電界を印加する段階の後に行われることを特徴とするイオン伝導体の製造方法。
  10. 請求項8又は9に記載のイオン伝導体の製造方法において、
    前記非イオン伝導性共重合樹脂及び前記イオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、前記イオン伝導性樹脂を架橋する段階であることを特徴とするイオン伝体の製造方法。
  11. 請求項8又は9に記載のイオン伝導体の製造方法において、
    前記非イオン伝導性共重合樹脂及び前記イオン伝導性樹脂の少なくとも一方を架橋する段階は、前記非イオン伝導性共重合樹脂を架橋する段階であることを特徴とするイオン伝体の製造方法。
  12. 請求項6から11までのいずれか一項に記載のイオン伝導体の製造方法によって製造されることを特徴とするイオン伝導体。
  13. 請求項12に記載のイオン伝導体において、
    表面の酸化及び還元を低減する抗酸化還元層を有することを特徴とするイオン伝導体。
  14. 請求項13に記載のイオン伝導体において、
    前記抗酸化還元層は、当該イオン伝導体よりも高いフッ素の含有率を備えたイオン伝導性樹脂を含むことを特徴とするイオン伝導体。
  15. 請求項13又は14に記載のイオン伝導体において、
    前記抗酸化還元層は、前記非イオン伝導性共重合樹脂を含むことを特徴とするイオン伝導体。
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