JP4773953B2 - 潤滑オイルのバリア剤組成物、およびその用途 - Google Patents

潤滑オイルのバリア剤組成物、およびその用途 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑オイルに対するバリア性能を有する組成物、および該組成物の被膜を摺動部品の表面に形成して、潤滑オイルに対するバリア性能を付与する方法、および該組成物の被膜が形成された摺動部品に関する。より具体的には、本発明は、時計、モーター、一眼レフカメラのレンズ等の精密機械の摺動部分に使用されている潤滑オイルの滲み出しを防止するために使用されるバリア剤組成物、および該組成物を用いて摺動部品および摺動部品に近接する部品の表面をバリア処理する方法、ならびに該バリア処理された該部品に関する。
【背景技術】
【0002】
時計、モーター、一眼レフカメラのレンズ等の精密機械の摺動部品の摺動面には、摩擦抵抗を低減させるために、鉱油等からなる潤滑剤が潤滑オイルとして使われている。このような潤滑オイルは、摺動面の磨耗防止のために不可欠なものではあるが、通常の状態では液状であるため潤滑オイルが摺動面から周辺部へと滲み出す可能性がある。上記のような精密機械では、通常狭い領域内に複数の部品が配置されていることから、潤滑オイルの滲み出しは、周辺部への潤滑剤の付着につながる可能性もある。
また、潤滑オイルは一般的に粘度が高く、ほこり等を集積しやすく、所定の箇所以外への潤滑オイルの滲み出しが起こることにより、機械の故障の原因にもなっている。
また、潤滑オイルの滲み出しは、摺動面における潤滑オイルの保持時間を低下させ、潤滑オイルの再施与の必要性が増す。そのため、このような精密機械の摺動部品または、摺動部品に近接する部品には、潤滑オイルの滲み出しを防止するために、バリア剤組成物が使用されており、近年の精密機械の集積化と部品の微細化に伴い益々その需要は増してきている。
【0003】
このようなバリア剤組成物としては、被膜を形成したときに、撥油性を有する化合物を溶媒に溶解または分散させたもの等が知られている。該組成物は、潤滑オイルの滲み出しの防止と、必要部分における潤滑オイルの長期保持のために、摺動部品および/または摺動面の周辺部を含む近接部位に塗布し、乾燥して使用される。
撥油性を有する化合物としては、含フッ素ポリマー、またはパーフルオロアルキル基を1個または2個以上有する含フッ素リン酸ジエステル化合物等が使用されてきた。また、溶媒としては、難燃性と媒質の溶解性の高さからクロロフルオロカーボン(CFC)、パーフルオロカーボン(PFC)が使用されてきた(特許文献1)。しかし、CFCはオゾン層を破壊することからフロン規制による使用の制約があり、PFCは地球温暖化係数が高く、環境への問題が指摘されている。
【0004】
なお、CFC、PFCの他に、炭化水素系溶剤やメタキシレンヘキサフルオリド等の含フッ素芳香族炭化水素系化合物等が使用されることもあったが、これらは可燃性、臭気、毒性、作業性等の点で問題がある。
特に炭化水素系溶剤は、引火性が高い物が多く、取扱いに注意を要する。また炭化水素系溶剤は、含フッ素撥水性化合物に対して溶解性が低い場合が多いという問題もある。
【0005】
これらの理由から、環境への影響の少ない溶媒である、水系媒体を用いた水系バリア剤組成物が求められている。
しかし、バリア剤の有効成分である前記の含フッ素ポリマーまたはパーフルオロアルキル基を2個以上含有する含フッ素化合物は水への溶解性が低いため、溶剤として水系媒体を用いた場合(特許文献2)、十分なバリア性能を発揮するのに必要な量の有効成分を溶解することが難しいという問題があった。
【特許文献1】
特開平01−127080号公報(第1頁 右下欄他)
【特許文献2】
特開2000−1669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の問題に鑑み、本発明は、環境への影響が少なく、作業性にも優れ、作業環境も安全に保つことのできる水系媒体を用いたエマルジョンタイプおよびマイクロエマルジョンタイプの水系バリア剤組成物を提供することを目的とするものである。
また、本発明のバリア剤組成物からなる被膜を時計、モーター、一眼レフカメラのレンズ等の摺動部品、および/またはその周辺部分を含む近接部位に形成することで、該摺動面からの潤滑オイルの滲み出しを効果的に防止する方法と潤滑オイルの滲み出しが防止された部品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
[0007]
本発明は、下記重合単位(a1)および下記重合単位(b1)を含む重合体(A)と、水系媒体(B)と、1種類以上の界面活性剤とを含み、水系媒体(B)中の水の量が50質量%以上であり、重合体(A)は乳化重合により合成されたものであり、水系媒体(B)中に粒子となって分散していて、該分散粒子の粒子径が10μm以下であることを特徴とするエマルジョンタイプおよびマイクロエマルジョンタイプの潤滑オイルの水系バリア剤組成物である。
重合単位(a1):ポリフルオロアルキル基を含む不飽和エステル化合物から導かれる重合単位、または、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたポリフルオロアルキル基を含む化合物から導かれる重合単位のうちの一以上。
重合単位(b1):ケイ素および不飽和基を有する化合物から導かれる重合単位。
[0008]
本発明のバリア剤組成物に用いる重合体(A)は、重合単位(a1)が、下式(1)で表される化合物から導かれる重合単位であることが好ましい。
【化1】
ただし、式(1)においてQ、R、およびRfは以下の意味を示す。
:単結合または2価連結基。
:水素原子またはメチル基。
Rf:ポリフルオロアルキル基、または、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたポリフルオロアルキル基。
式(1)で表されるRf基含有化合物は不飽和エステル化合物であることがより好ましい。
[0009]
また本発明のバリア剤組成物に用いる重合体(A)は、重合単位(b1)が、下式(2)で表される化合物から導かれる重合単位であることが好ましい。
【化2】
ただし、式(2)において、R、R、R、R、Q、n、mおよび1は以下の意味を示す。
:水素原子またはメチル基。
、RおよびR:それぞれ独立して、水素原子、メチル基、フェニル基、水酸基または加水分解可能な官能基。
:単結合または2価連結基。
n、mおよびl:それぞれ独立して、0または1の整数。
[0010]
本発明のバリア剤組成物に用いる重合体(A)は、重合単位(a1)の他に、非フッ素系重合単位(a2)を含むことが好ましい。
[0011]
本発明のバリア剤組成物に用いる重合体(A)の軟化点は40〜150℃であることが好ましい。
[0012]
[0013]
本発明のバリア剤組成物に用いる水系媒体(B)は、沸点が40〜200℃の水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。
[0014]
本発明のバリア剤組成物はその表面張力が10〜40mN/mであることが好ましい。
[0015]
本発明のバリア剤組成物に用いる重合体(A)の濃度は0.01〜40重量%であることが好ましい。
[0016]
また、本発明は、前記いずれかの潤滑オイルのバリア剤組成物を、摺動部品および/または摺動部品に近接する部品の表面に塗布し、被膜を形成して、摺動部品および/または摺動部品に近接する部品に潤滑オイルに対するバリア性能を付与する方法である。
[0017]
また、本発明は、前記いずれかの潤滑オイルのバリア剤組成物の被膜が形成され、バリア性能が付与された摺動部品および/または摺動部品に近接する部品である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のバリア剤組成物を、時計、モーター、一眼レフカメラのレンズ等の摺動部品および/またはその周辺部分を含む近接部位に適用した場合に、摺動面からの潤滑オイルの滲み出しを効果的に防止することができる。また、本発明のバリア剤組成物は、溶解性、被膜の堅牢性、被膜の均一性にも優れているので、金属、プラスチックどちらの摺動面に対しても有効に作用する。その上、水系媒体を用いているため、バリア剤組成物の調製および摺動部品への適用時の作業環境を安全に保つことができ、作業性にも優れ、さらに、摺動部品の使用時の環境への影響が少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のバリア剤組成物は、ポリフルオロアルキル基を含む化合物から導かれる重合単位と、ケイ素および不飽和基を有する化合物から導かれる重合単位を含む重合体(A)と、水系媒体(B)とを含むことを特徴とするエマルジョンタイプおよびマイクロエマルジョンタイプのバリア剤組成物である。
なお、以下「潤滑オイルのバリア剤組成物」を単に「バリア剤」と記すことがある。
【0020】
本発明における重合体(A)は、特定の構成単位、すなわち重合単位(a1)および重合単位(b1)を含む重合体である。なお、以下においてポリフルオロアルキル基と炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたポリフルオロアルキル基とを総称して「Rf基」と記すことがあり、特にアルキル基の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたポリフルオロアルキル基を総称して「エーテル性酸素原子を含むRf基」と記すことがある。
なお、本発明では「Rf基」は「エーテル性酸素原子を含むRf基」の上位概念にあたることから、本明細書では単にRf基と記すときは両方を総称するものである。
【0021】
重合単位(a1)は、Rf基、またはエーテル性酸素原子を含むRf基を含む化合物から導かれる重合単位であることが好ましく、不飽和エステル化合物であることがより好ましい。ここでRf基は、アルキル基、またはエーテル性酸素原子を含んでいてもよいアルキル基、の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基を意味する。潤滑オイルに対する高いバリア性能を得るためには、Rf基中のフッ素原子数は、
[(Rf基中のフッ素原子数)/(Rf基に対応する構造を有する
エーテル性酸素原子を含んでいてもよいアルキル基中に含まれ得る
水素原子数)]×100%
で表現した場合に、60%以上が好ましく、特に80%以上が好ましく、アルキル基の水素原子の実質的に全てがフッ素原子で置換されたペルフルオロアルキル基が最も好ましい。
なお、ペルフルオロアルキル基については、以下「RF基」と記すことがあるが、単にRf基といった場合に、このRF基が含まれることは言うまでもない。
【0022】
また、Rf基としては、炭素数が4〜14が好ましく、特に6〜12が好ましい。Rf基は直鎖構造または分岐構造のいずれであってもよいが、直鎖構造が好ましい。また分岐構造である場合には、分岐部分がRf基の末端部分に存在し、かつ、炭素数1〜3程度の短鎖である場合が好ましい。また、Rf基は末端部分に塩素原子が存在してもよい。Rf基の末端部分の構造としては、CFCF−、CF 、CFCl−、(CFCF−等の構造が挙げられる。
また、RF基の炭素数は4〜14が好ましく、6〜12が特に好ましい。またRF基は直鎖構造または分岐構造のいずれであってもよいが、直鎖構造の基が好ましい。RF基は特にF(CFn−[nは6〜12の整数]で表される直鎖の基であることが好ましい。
また、エーテル性酸素原子を含むRf基としてはオキシポリフルオロエチレン、オキシポリフルオロプロピレン等のオキシポリフルオロアルキレン部分を有するRf基が挙げられる。
【0023】
Rf基の鎖長が上記のような長さであると、バリア剤の被膜が形成された際に、フルオロアルキル基に由来する結晶構造を形成するため、より高いバリア性能を発揮することができる。
特に、動的接触角については、前進接触角は、Rf基の鎖が長くなるに従い、大きくなり、炭素数4以上でほぼ一定となる。また、後退接触角は、Rf基の鎖長が炭素数6までは、ほとんど変わらず、炭素数7以上になって大きくなり始め、炭素数10のときに最大になる。
【0024】
エーテル性酸素原子を含まないRf基の例としては、これらに限定されものではないが、以下のものがある。なお以下の具体例中には、構造異性の基に相当する基も含まれる。C25−、C37−[F(CF23−、および(CF32CF−の両者を含む]、C49−[F(CF24−、(CF32CFCF2−、(CF33C−、F(CF22CF(CF3)−を含む]、C511−[F(CF25−、(CF32CF(CF22−、(CF33CCF2−、F(CF22CF(CF3)CF2−等の構造異性の基を含む]、C613−[F(CF23C(CF32−等の構造異性の基を含む]、C817−、C1021−、C1225−、C1531−、HCt2t−(tは1〜18の整数)、および(CF32CFCs2s−(sは1〜15の整数)。
【0025】
エーテル性酸素原子を含むRf基の例としては以下のものが挙げられるが、Rf基としてはこれらに限定されものではない。以下の具体例中には、構造異性の基に相当する基も含まれる。F(CF25OCF(CF3)−、F[CF(CF3)CF2O]sCF(CF3)CF2CF2−、F[CF(CF3)CF2O]tCF(CF3)−、F[CF(CF3)CF2O]uCF2CF2−、F(CF2CF2CF2O)vCF2CF2−、およびF(CF2CF2O)wCF2CF2−(sおよびtは、それぞれ独立に1〜10の整数であり、1〜3の整数が好ましい。uは2〜6の整数である。vは1〜11の整数であり、1〜4の整数が好ましい。wは1〜11の整数であり、1〜6の整数が好ましい。)。
【0026】
本発明における重合単位(a1)は、下式(1)で表されるRf基含有の重合可能な不飽和結合を有する化合物から導かれる重合単位が好ましく、下式(1)で表されるRf基含有化合物は不飽和エステル化合物であることがより好ましい。
【化3】
ただし、式(1)においてQ1、R1、およびRfは以下の意味を示す。
1:単結合または2価連結基。
1:水素原子またはメチル基。
Rf:ポリフルオロアルキル基、または、炭素−炭素結合間にエーテ
ル性酸素原子が挿入されたポリフルオロアルキル基。
【0027】
式中のQ1の例としては以下のものが挙げられるが、Q1は単結合または2価連結基であれば適宜選択可能であり、以下の例示に限定されるものではない。
−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=N−、−N(O)=N−、−COO−、−COS−、−CONH−、−COCH2−、−CH2CH2−、−CH2−、−CH2NH−、−CH2−、−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−CO−、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基やアルケニレン基、アルキレンオキシ基、2価の4、5、6または7員環置換基、またそれらから構成される縮合置換基、6員環芳香族基、4ないし6員環の飽和または不飽和の脂肪族基、5または6員環複素環基、またはそれらの縮合環や、これら2価の連結基の組み合わせから構成される基が挙げられる。また、これらの基は、置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、シアノ基、アルコシ基(メトキシ、エトキシ、ブトシキ、オクチルオキシ、メトキシエトキシなど)、アリーロキシ基(フェノキシなど)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオなど)、アシル基(アセチル、プロピオニル、ベンゾイルなど)、スルホニル基(メタンスルホニル、ベンゼンスルホニルなど)、アシルオキシ基(アセトキシ、ベンゾイルオキシなど)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシなど)、ホスホニル基(ジエチルホスホニルなど)、アミド基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノなど)、カルバモイル基(N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイルなど)、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、2−カルボキシエチル、ベンジルなど)、アリール基(フェニル、トルイルなど)、複素環基(ピリジル、イミダゾリル、フラニルなど)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニルなど)、アルコキシアシルオキシ基(アセチルオキシ、ベンゾイルオキシなど)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、および重合性基(ビニル基、アクリロイル基、メタクロイル基、シリル基、桂皮酸残基など)。
【0028】
なお、Q1の構造としては、−Z1−(Y1n−(Z1は、−O−または−NH−であり、Y1は2価の連結基、nは0か1の整数)で表わされる2価の連結基であることが好ましい。好ましいY1の例としては、アルキレン基、アミノ基、スルホニル基、またはこれらの組み合わせから得られる2価の連結基が挙げられる。より好ましい構造としては、Y1が炭素数1〜5の直鎖のアルキレン基であるものが挙げられる。
【0029】
なお、式(1)中のRfにおいて、Rf基のパッキングを良くするため、構造的により高い剛直性を必要とする場合はエーテル性酸素原子を含まないポリフルオロアルキル基が選択され、特にエーテル性の酸素原子を含まないペルフルオロアルキル基が選択される。
【0030】
式(1)で表されるRf基含有の化合物の好ましい構造としては、式(3)で表される化合物が挙げられ、下式(3)で表されるRf基含有化合物は不飽和エステル化合物であることがより好ましい。
【化4】
ただし、式(3)において、R1、Z1、Y1、およびRfは以下の意味を示す。
1:水素原子またはメチル基
1:単結合、−O−、−NH−
1:炭素数1〜5のアルキレン基
Rf:F(CF2n−、または(CF32CF(CF2m−(n=
6〜12の整数、m=4〜10の整数)
【0031】
以下に式(1)または式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではなく、以下の具体例中には、構造異性の基に相当する基も含まれる。
CH=CH-COO-(CH-(CF-F、CH=CH-COO-(CH-(CF-F、CH=CH-COO-(CH-(CF10-F、CH=CH-COO-(CH-(CF12-F、CH=C(CH)-COO-(CH-(CF-F、CH=C(CH)-COO-(CH-(CF-F、CH=C(CH)-COO-(CH-(CF10-F、CH=C(CH)-COO-(CH-(CF12-F、CH=CH-COO-(CH-(CF-F、CH2=CH-COO-(CH3-(CF-F、CH=CH-COO-(CH-(CF10-F、CH=CH-COO-(CH-(CF12-F、CH=C(CH)-COO-(CH-(CF-F、CH=CH-COO-(CH-N(CHCHCH)-SO-(CFF、CH =CH-CO-NH-CH -C 15 、およびCH =CH-CO-NH-CH CH O-CO-C 15
【0032】
重合体(A)中の重合単位(a1)は、1種のみであっても2種以上であってもよい。2種以上である場合、Rf基部分の炭素数が異なると炭素の鎖長が長いと結晶性(配向性)が高く、炭素の鎖長が短いと結晶性(配向性)が低いことから、鎖長の異なる2種以上の単量体の重合単位であるのが好ましい。ここで、炭素の鎖長が長いものとは炭素数7以上のもので、炭素の鎖長が短いものとは炭素数6以下のものをいう。
【0033】
重合単位(b1)はケイ素および不飽和基を有する化合物から導かれる重合単位であり、該重合単位(b1)を有する化合物としては下式(2)で表される化合物が好ましい。
【化5】
ただし、式(2)において、R2、R3、R4、R5、Q2、n、mおよびlは以下の意味を示す。
2:水素原子またはメチル基。
3、R4およびR5:それぞれ独立した、水素原子、メチル基、フェ
ニル基、水酸基または加水分解可能な官能基(
たとえば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミ
ノ基など)。
2:単結合または2価連結基。
n、m、l:それぞれ独立して0または1の整数。
【0034】
式中のQの例としては以下のものが挙げられるが、Qはこれらに限定されものではない。
-O-、-S-、-NH-、-SO-、-PO-、-CH=CH-、-CH=N-、-N=N-、-N(O)=N-、-COO-、-COS-、-CONH-、-COCH2-、-CHCH-、-CH-、-CHNH-、-CH-、-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-CO-、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基やアルケニレン基、アルキレンオキシ基、2価の4、5、6または7員環置換基、またそれら構成される縮合置換基、6員環芳香族基、4ないし6員環の飽和または不飽和の脂肪族基、5または6員環複素環基、またはそれらの縮合環や、これら2価の連結基の組み合わせから構成される基が挙げられる。また、これらの基は、置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトシキ、オクチルオキシ、メトキシエトキシなど)、アリーロキシ基(フェノキシなど)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオなど)、アシル基(アセチル、プロピオニル、ベンゾイルなど)、スルホニル基(メタンスルホニル、ベンゼンスルホニルなど)、アシルオキシ基(アセトキシ、ベンゾイルオキシなど)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシなど)、ホスホニル基(ジエチルホスホニルなど)、アミド基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノなど)、カルバモイル基(N,N-ジメチルカルバモイル、N-フェニルカルバモイルなど)、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、2-カルボキシエチル、ベンジルなど)、アリール基(フェニル、トルイルなど)、複素環基(ピリジル、イミダゾリル、フラニルなど)、アルケニル基(ビニル、1-プロペニルなど)、アルコキシアシルオキシ基(アセチルオキシ、ベンゾイルオキシなど)、アルコシキカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、および重合性基(ビニル基、アクリロイル基、メタクロイル基、シリル基、桂皮酸残基など)。
【0035】
なお、好ましいQ2の構造としては、単結合、−O−、−(CH2CH2O)n−、−COO−、−[Si(Y22O]n−(Y2は、メチル基、エチル基、フェニル基など、nは1〜20の整数)、6員環芳香族基、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、またはこれら2価の連結基の組み合わせから構成される基が挙げられ、より好ましいQ2の構造としては、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基、および−COOY3−(Y3は、炭素数1〜5のアルキレン基など)が挙げられる。
【0036】
なお、摺動部品および/またはその周辺部の部品(以下、単に摺動部品とも記す。)への密着性、水系媒体への溶解性の観点からすると、式(2)ではn+m+l≧1であり、加水分解可能な官能基が少なくとも1つ以上含まれていることが好ましく、なかでもn+m+l=3のものはより好ましい。また、加水分解可能な官能基としては、アルコキシ基が最も扱いやすく、より好ましい。
【0037】
以下、式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
CH2=CH−SiCl3、CH2=CH−Si(OR63,[R6はCH−、CH3CH2−、または(CH3)2CH−である。]、CH2=CH−CH2−Si(OR63、CH2=CH−C24−Si(OR63、CH2=CH−C64−Si(OR63、CH2=C(CH3)−COO−C36−Si(OR63、CH2=CH−COO−C36−Si(OR63、CH2=C(CH3)−COO−C36−Si(CH32(OR6)、CH2=CH−Si[OC(CH3)=CH23、CH2=CH−Si[O−CO−C(CH3)=CH23、(CH2=CH)3SiOCH3
【0038】
重合体(A)中の重合単位(b1)は、1種のみであっても2種以上であってもよい。重合体(A)中の重合単位(b1)は、基材への密着性を向上させるものであり、特に表面に極性基を有する摺動部品に対して有効である。重合単位(b1)は、重合体(A)中に0.1〜50質量%含まれることが好ましく、特に1〜30質量%含まれることが好ましい。
【0039】
また、重合体(A)は重合単位(a1)および(b1)以外の重合単位(a2)を含んでいることが好ましい。ここで重合単位(a2)としては、Rf基を持たず重合性の不飽和基を有する単量体から導かれる重合単位であれば特に限定されない。他の単量体としては、公知の化合物から採用され、1種または2種以上を使用できる。他の単量体の重合単位(a2)を含む重合体(A)を採用した場合には、レベリング性が向上し、被膜の均一性も向上し、重合体(A)の被膜の特性、摺動部品への密着性などの制御がより容易になる。
【0040】
重合単位(a2)としては、アクリル酸エステル等のポリオレフィン系不飽和エステル、エポキシ基を有する不飽和エステル、ビニル基を有する化合物、アミノ基と重合性不飽和基を有する化合物、アクリル酸ジエステル等のアクリル酸エステルのポリエステル、および置換アミノ基と重合性不飽和基を有する化合物から導かれる重合単位の中から選ばれるものが好ましい。
【0041】
(a2)他の単量体の具体例を下記の表1〜5に示すが、これらに限定されものではない。
単量体の例1(重合単位(a2))
【化6】
式中、R8は、下記の番号1〜18で示される基等である。
【表1】
【0042】
単量体の例2(重合単位(a2))
【化7】
式中、R9は、下記の番号1〜18で示される基等である。
【表2】
【0043】
単量体の例3(重合単位(a2))
【化8】
式中、R10は、下記の番号1〜6で示される基等である。
【表3】
【0044】
単量体の例4(重合単位(a2))
【表4】
【0045】
単量体の例5(重合単位(a2))
【表5】
【0046】
単量体の例6(重合単位(a2))
【化9】
式中、R11:水素原子またはメチル基
12:有機基。
n:1〜4の整数。
【0047】
本発明における重合体(A)中のフッ素含量は20質量%以上が好ましく、とりわけ40〜80質量%が好ましい。フッ素含量が20質量%未満となると、バリア処理後に形成される被膜表面の臨界表面張力が高くなり、満足するバリア性能が得られないおそれがある。
【0048】
本発明における重合体(A)の重量平均分子量が適度に大きいと膜強度や、耐水性が向上し、重量平均分子量が適度に小さいと光沢性、再溶解性、レベリング性が向上する。本発明における重合体(A)の重量平均分子量は1×103〜1×107が好ましく、特に1×104〜1×105が好ましく、とりわけ2×104〜5×104が好ましい。また、重合体(A)の各重合単位の連なり方はグラフトでもブロックでもランダムでもよく、特にランダムが好ましい。
【0049】
本発明の組成物は、重合体(A)と共に、水系媒体(B)を含む。ここで組成物中の重合体(A)は、後述する水系媒体中に粒子となって分散していることが好ましく、分散安定性の観点から、組成物中の分散粒子の粒子径として10μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以下である。
【0050】
本発明の組成物中の重合体(A)の濃度についてはバリア処理した際に形成される該重合体(A)の被膜に充分な厚みが得られる程度に濃く、処理された部品の寸法精度と美観を保つことができる程度に薄いことが好ましいことから、0.01〜40質量%が好ましく、0.03〜5質量%が特に好ましい。重合体(A)の濃度がこの範囲内であれば、バリア性能が良好であり、本発明の組成物を用いてバリア処理を行う際のコスト面でも優れている。重合体(A)の濃度が高すぎなければ、濃度が低すぎなければ、充分なバリア性能が得られる。
【0051】
本発明のバリア組成物は、摺動部品との表面張力を低く設定することで、摺動部品への濡れ性や付着性の向上を図るため、その表面張力は10〜40mN/m(20〜30℃)であることが好ましく、さらに好ましくは10〜30mN/mである。
このように組成物の表面張力の低下を図るために、重合体(A)や水系媒体(B)の濃度や種類を調整、選択する方法もあるが、組成物中に各種界面活性剤を添加する方法もある。後者の方法によれば、組成物の分散安定性の向上を図ることもできる。
好ましい界面活性剤としてはフッ素系界面活性剤(以下、フッ素系界面活性剤(C)ということがある)が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、それ自体が撥水撥油効果を有するものが多く、フッ素系界面活性剤の添加によりバリア性能の向上も望める。
また、重合体(A)の合成に際して界面活性剤を用いる場合は、添加される界面活性剤としては合成に用いたものと同じ電荷のものか、一方がノニオン性のものである組み合わせが好ましい。
【0052】
フッ素系界面活性剤(C)としては、フッ素原子を有するイオン性界面活性剤またはフッ素原子を有するノニオン性界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤(C)としては、Rf基とアニオン性基とを併有するアニオン性フッ素系界面活性剤、Rf基とカチオン性基とを併有するカチオン性フッ素系界面活性剤、Rf基とカチオン性基とアニオン性基とを併有する両性界面活性剤、Rf基と親水性基とを併有するノニオン性界面活性剤のいずれでもよいし、これらの界面活性剤を複数用いても良い。
【0053】
フッ素系界面活性剤(C)の具体例を以下に記すがこれらに限定されるものではない。
<カチオン性界面活性剤>:
セイミケミカル(株)製「サーフロンS−121」、スリーエム(株)製「フロラードFC−134」、大日本インキ化学工業(株)製「メガファックF−150」。
<アニオン性界面活性剤>:
セイミケミカル(株)製「サーフロンS−111」、「サーフロンS−112」、スリーエム(株)製「フロラードFC−143」、大日本インキ化学工業(株)製「メガファックF−120」。
<両性界面活性剤>:
セイミケミカル(株)製「サーフロンS−132」、「サーフロンS−131」、スリーエム(株)製「フロラードFX−172」、大日本インキ化学工業(株)製「メガファックF−120」。
<ノニオン性界面活性剤>:
セイミケミカル(株)製「サーフロンS−145」、「サーフロンS−141」、スリーエム(株)製「フロラードFC−170」、大日本インキ化学工業(株)製「メガファックF−141」。
【0054】
また、フッ素系界面活性剤(C)に代えて、Rf基を有する表面張力低下能のある重合体を使用してもよく、このような重合体は、一種のバインダ−としても働き、被膜の強度を上げるという利点もある。
【0055】
界面活性剤の添加量は、本発明の組成物中の界面活性剤濃度が臨界ミセル濃度以上であることが好ましい。フッ素系界面活性剤(C)であれば、組成物中で0.1質量%あれば充分であり、0.01〜0.1質量%であることが好ましい。
【0056】
本発明の組成物は、水系媒体(B)を含むことを特徴としており、水系媒体(B)としては、水、または水に水溶性有機溶剤を含ませたものが挙げられる。ここで水溶性有機溶剤は乾燥しやすさの点から沸点が40〜200℃であるものが好ましく、20℃における水への溶解度が1質量%以上であるものが好ましい。
水溶性有機溶剤としてはケトン類、エステル類、グリコール類、グリコールエーテル類、アルコール等が挙げられ、なかでもケトン類、アルコール類が好ましく、アセトンやイソプロピルアルコールが例示される。水溶性有機溶剤を含むことで、被膜の乾燥性、組成物の溶解性や安定性を向上させることができる。水系媒体(B)が、水溶性有機溶剤を含む場合は、水系媒体(B)中の水の割合は50〜99質量%が好ましく、一方、水溶性有機溶剤の割合は1〜50質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、特に10〜30重量%が好ましい。
また、水系媒体(B)が、引火性を持つことを避けたい場合がある。その際は、水系媒体(B)中の水溶性有機溶剤の割合を0〜20質量%とすることで、引火性を有さず使用時の安全性に非常に優れたものとなる。
【0057】
本発明のバリア剤組成物は、処理対象となる面上に被膜を成形させた際に、該被膜表面における潤滑オイル(ノルマルヘキサデカン等の炭素数16以上の炭化水素系潤滑オイル)との接触角が40度以上になるものである。組成物の被膜表面での潤滑剤との接触角が上記のようであれば、充分なバリア性能が得られているとみなすことができる。
【0058】
本発明のバリア剤組成物には、分散安定性、バリア性、摺動部品への濡れ性、または外観等に悪影響を与えない範囲で、前記した以外の他の成分を含めても良い。このような他の成分としては、具体的には被膜表面の腐食を防止するためのpH調整剤、防錆剤、組成物を希釈して使用する場合に液中の重合体の濃度管理をする目的や未処理部品との区別をするための染料、当該染料の安定剤を加えてもよく、他に難燃剤、消泡剤、帯電防止剤等も挙げられる。
【0059】
本発明の重合体(A)の製造方法は特に限定されないが、水系媒体(B)中で乳化重合法で合成した場合には、直接本発明の組成物が得られるので好ましい。乳化重合法としては、下記方法1または方法2で実施するのが好ましい。
[方法1]
媒体および乳化剤の存在下に各単量体を乳化させ、つぎに撹拌しながら重合させる方法。
[方法2]
重合開始剤を添加する前に、媒体および乳化剤の存在下で各単量体をホモミキサーまたは高圧乳化装置により乳化して、つぎに、重合開始源を作用させて重合する方法。
【0060】
前記のいずれの方法においても、単量体として塩化ビニルなどのガス状の単量体を採用する場合には、圧力容器を用いて、加圧下に連続供給してもよい。重合開始源としては、特に限定されず、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の通常の重合開始剤、または、γ線のような電離性放射線等が採用できる。媒体としては、本発明の組成物を構成する水系媒体(B)と同じものを使用するのが好ましい。
【0061】
すなわち、本発明のバリア剤組成物を乳化重合法で製造する場合には、式(1)または(3)、および(2)で表される化合物と、必要に応じて他の単量体(a2)を、乳化剤の存在下に、水系媒体(B)中で乳化重合する方法を採用するのが好ましい。また、前記の方法の全てにおいて、乳化剤はフッ素系界面活性剤(C)であっても、また、非フッ素系界面活性剤であってもよいが、非フッ素系界面活性剤を用いることで乳化作用の向上が見込まれる。
【0062】
本発明のバリア剤組成物では、フッ素系、または非フッ素系の界面活性剤の1以上を含ませることがあることから、乳化重合後にこれら界面活性剤を除去しなくていいように、乳化重合時にこれら界面活性剤を加えて調整してもよい。ここで乳化重合時に用いる非フッ素系界面活性剤としては、HLB値が7以上の非フッ素系非イオン性界面活性剤、炭素数6以上のアルキル基を分子内に有する非フッ素系カチオン性界面活性剤、または、炭素数6以上のアルキル基を分子内に有する非フッ素系アニオン性界面活性剤が好ましい。
ここで、選択される非フッ素系界面活性剤は、カチオン系、アニオン系であれば分散安定性を増す効果を得やすく、非イオン系であれば乳化能力を増す効果が得やすいことから、これら界面活性剤を合せて用いることで複合的効果が得られる。
【0063】
ここで、HLB値が7以上の非フッ素系非イオン性界面活性剤としては、オキシアルキレン単位を分子中に5個以上有する公知の非イオン性界面活性剤が好ましい。オキシアルキレン単位としては、オキシエチレンまたはオキシプロピレンが好ましい。また、炭素数6以上のアルキル基を分子内に有する非フッ素系カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩等が挙げられ、炭素数6以上のアルキル基を分子内に有する非フッ素系アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩等が挙げられる。
本発明における非フッ素系界面活性剤は以下に限られるものではないが、その具体例を以下に挙げる。ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=14.5、オキシエチレン付加モル数=9)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(HLB=9.5、オキシエチレン付加モル数=1、オキシプロピレン付加モル数=8)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(HLB=11.5、オキシエチレン付加モル数=10)、ポリオキシオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=8.0、オキシエチレン付加モル数=5)、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ジメチルオクタデシルアミン酢酸塩。
【0064】
これらのうち、非フッ素系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジメチルオクタデシルアミン酢酸塩等が好ましい。また、乳化重合時に界面活性剤を用いる場合には、フッ素系界面活性剤(C)および非フッ素系界面活性剤のいずれを用いてもよく、必要に応じてイオン性の異なる界面活性剤を2種以上併用してもよい。ここで、イオン性の異なる界面活性剤を用いる場合には、カチオン性と非イオン性、アニオン性と非イオン性、または非イオン性と両性とを組合わせることが好ましい。
[0065]
本発明のバリア剤組成物はフッ素系界面活性剤(C)とともに非フッ素系界面活性剤を含むものであってもよく、非フッ素系界面活性剤の量は、フッ素系界面活性剤(C)と非フッ素系界面活性剤との合計量に対して50〜80質量%であることが好ましい。なお、非フッ素系界面活性剤は、乳化重合時に用いたものであってもよく、重合後に添加したものであってもよく、これら界面活性剤の合計量は、本発明のバリア剤中0.1質量%あれば充分であり、0.01〜0.1質量%であることが好ましい。
[0066]
[0067]
本発明のバリア剤組成物は、任意の濃度に希釈されて、目的や用途に応じて、摺動部品の表面に被膜を形成することで、必要な摺動部品または摺動部品近くの部品(以下、「被処理部分」とも言う。)の表面を潤滑オイルに対するバリア処理することができる。処理方法としては、一般的な被覆加工方法が採用できる。例えば、浸漬塗布、スプレー塗布、または本発明の組成物を充填したエアゾール缶による塗布等の方法があるが、これらの方法に限定されるわけではない。
[0068]
本発明のバリア剤組成物を被処理部品の表面に塗布し、次に乾燥することにより、該表面上に被膜を形成することができる。組成物を供給し、乾燥させた後、または乾燥と共に熱処理するのが好ましい。このような熱処理を行うことで、被処理表面により均一な被膜を形成することができる。
乾燥は60℃以上の温度で行なうことが好ましく、100℃以上の温度で行うことがより好ましい。該乾燥温度は、本発明のバリア剤組成物を構成する重合体(A)の軟化点より高くする必要はないが、均一な膜厚の被膜の形成を促進し、Rf基の配向性をあげて、本発明の効果を十二分に発揮させるためには、該重合体(A)の軟化点より高いことが好ましい。一方、該重合体(A)の変質を防止するためには300℃以下であることが好ましい。
無論、被処理部品の材質などにより、加熱乾燥が困難な場合には、加熱を回避して乾燥すべきである。
なお、熱処理の条件は、塗布する組成物の組成や、塗布面積等に応じて選択すればよい。
【0069】
このように、加熱によって被膜を形成するようなバリア処理を施すことによって、単に被膜を形成した時に比べてバリア性能の向上が見られる理由としては、重合体(A)が加熱により溶融もしくは軟化し、より均一な被膜を形成するとともに、被膜表面のRf基が規則的な再配列を起こすからではないかと推測される。
このような加熱処理によるバリア性能の向上は、特にRf基部分の炭素の鎖長が異なる2種以上の重合単位(a1)を含む重合体(A)の場合に見られる。
【0070】
近年、機械部品には軽量化やローコスト化を図るためプラスチック部品が多く用いられる。本発明のバリア処理の対象物としても金属部品の他にプラスチック部品が挙げられる。
そのため、本発明のバリア剤組成物の適用範囲を広げる必要性から、重合体(A)の最低造膜温度は低いことが望ましい。電子部品に使用されるプラスチックの耐熱温度は、多くの場合に150℃程度であることから、乾燥温度はそれより低い温度となる。最低造膜温度は、重合体の軟化点に由来することが多い。そのため重合体(A)の軟化点は150℃以下であることが好ましい。安定した性能を発揮させるためには最低造膜温度以上での熱処理が必要とされる。しかし、軟化点が低すぎ処理部品の使用温度以下となってしまうと、バリア性能や耐久性に影響を及ぼす。そこで、造膜の容易さとバリア性能や耐久性を考慮すると、重合体(A)の軟化点は、40〜80℃であることが好ましい。
なお、このような軟化点は示差走査熱量計により測定可能である。
【実施例】
【0071】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断わりのない限り、以下の実施例の記載において「%」で表示されるものは「質量%」を表わすものとする。
【0072】
[重合体(A)の合成]
100mlのアンプルに、重合開始剤を除いた原料の合計量60gを仕込み、50℃で1時間かけて乳化を行い、その後、重合開始剤を投入し、60℃で18時間ラジカル重合を行った。重合後、析出物を濾別して重合体(A)の分散液を得た。
原料(反応液)の組成は、単量体(a1,b1,a2)31.7%(Net換算)、乳化剤(界面活性剤)4.4%(Net換算)、n−ドデシルメルカプタン0.2%、アセトン(沸点56.5℃)7.9%、イオン交換水55.5%、重合開始剤0.3%であった。重合開始剤は2,2’−アゾ(2−メチルプロピオンアミジン)塩酸塩を使用した。
原料の単量体(a1,b1,a2)組成と乳化剤の種類を、表6に示すように代えて(11種)乳化し、重合した後の分散液中の固形分の質量割合、固形分の単量体全量に対する収率、固形分中のフッ素濃度を、それぞれ表6に示した。なお、表6中のフッ素濃度は重合生成物の組成から下記式により計算で求めた。各重合生成物のガスクロマトグラフにより単量体のピークが消失したことが確認された。
フッ素濃度(%)=[固形分中のa1単位の単量体比(%)
×固形分中のa1単位のフッ素含量(%)]/100
ただし、Rf基をC919(平均C9)として計算した。
【表6】
【0073】
[重合体の軟化点測定]
重合体4(例4の有効成分)について軟化点の測定を行った。重合で得られた重合体分散液から、常温で溶媒を揮発させた後、110℃で完全に水分を除いた後、重合体の軟化点を測定した。軟化点の測定には、(株)島津製作所製のDSC−50を用いた。結果を表7に記した。なお、表中の粒径は、体積換算50%の平均累積径(D50)[μm]である。
【表7】
【0074】
[バリア剤組成物の調製]
乳化剤「サーフロンS−141」の0.2%水溶液を希釈剤として、重合体1の固形分濃度が2%になるように調製し、バリア剤組成物1を得た。また同様にしてバリア剤組成物2〜11を得た。なお、バリア剤組成物1(例1)は比較例であり、バリア剤組成物2〜11(例2〜11)は実施例である。
例中の引火性の有機溶剤は1%未満となり、得られるバリア剤組成物は引火性ではなく、より安全に使用でき、かつ環境への負荷が少ない。
なお、このようにして調製することは、有機溶剤の添加を禁じるものではないことは言うまでもない。
【0075】
[エマルジョン粒径の測定]
例4のバリア剤組成物のエマルジョン粒径の測定を行った。バリア剤組成物のエマルジョン粒径は1μm以下であり、分散安定性に非常に優れていた。結果を表7に記した。粒径測定には、日機装(株)製の粒度分布測定装置「マイクロトラックUPA」を用いた。
【0076】
[表面張力の測定]
例4のバリア剤組成物について25℃における表面張力の測定を行った。
また、さらに、例4のバリア剤組成物についてイオン交換水による希釈を行って得たエマルジョンについて、25℃での表面張力の変化を測定した。バリア剤組成物の調製の際に用いた乳化剤(界面活性剤)「サーフロンS−141」は、臨界ミセル濃度が0.01%以下であるため、イオン交換水で4倍に希釈しても、バリア剤組成物中のフッ素系界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度以上となり、低い表面張力を維持することができた。表面張力の測定は、ウィルヘルミー表面張力計を用いて行った。結果を表8に示した。
【表8】
【0077】
[バリア性能の評価]
潤滑オイルに対するバリア性能の評価を下記の方法によって行った。
各例のバリア剤組成物をイオン交換水で4倍に希釈し、評価対象の処理液とした。ポリアセタール製のテストピースを処理液に1分間浸漬した。テストピースを取り出した後、遠心分離機(Φ=約12.5cm)にかけ(約500rpm×20秒)、余分な処理液を除去した後、乾燥し(60℃×15分)、バリア処理を施した。該処理済テストピースについて、潤滑油(メイビス(株)製 「SYNT−A−LUBE」)に対する接触角測定を行った。接触角の測定には、協和界面科学(株)製の液滴式投影型接触角計を用いた。評価結果を表9に示した。
例2〜11と例1との対比から、重合単位(a1)と重合単位(b1)を有する重合体(A)を含むバリア剤組成物は、潤滑オイルに対するバリア性能が充分に高いことが判る。また、重合単位(a1)と重合単位(b1)だけではなく、重合単位(a2)を有する重合体(A)を含むバリア剤組成物は、さらに高いバリア性能を発揮することが判る。これは、テストピース(摺動部品)へのバリア剤組成物の密着性が向上するためと推測される。
【表9】
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明のバリア剤組成物は、時計、モーター、一眼レフカメラのレンズ等の摺動部品、および/またはその周辺部分の近接部分に塗布され、被膜を形成される。その結果、該摺動面からの潤滑オイルの滲み出しが効果的に防止された部品を提供することができる。

Claims (8)

  1. 下記重合単位(a1)および下記重合単位(b1)を含む重合体(A)と、水系媒体(B)と、1種類以上の界面活性剤とを含み、水系媒体(B)中の水の量が50質量%以上であり、重合体(A)は乳化重合により合成されたものであり、水系媒体(B)中に粒子となって分散していて、該分散粒子の粒子径が10μm以下であることを特徴とするエマルジョンタイプまたはマイクロエマルジョンタイプの潤滑オイルの水系バリア剤組成物。
    重合単位(a1):下式(1)で表される化合物から導かれる重合単位。
    重合単位(b1):下式(2)で表される化合物から導かれる重合単位。
    ただし、式(1)においてQ 、R 、およびRfは以下の意味を示す。
    :単結合または2価連結基。
    :水素原子またはメチル基。
    Rf:ポリフルオロアルキル基、または、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたポリフルオロアルキル基。
    ただし、式(2)において、R 、R 、R 、R 、Q 、n、mおよびlは以下の意味を示す。
    :水素原子またはメチル基。
    、R およびR :それぞれ独立して、水素原子、メチル基、フェニル基、水酸基または加水分解可能な官能基。
    :単結合または2価連結基。
    n、m、l:それぞれ独立して、0または1の整数。
  2. 重合体(A)がさらに非フッ素系重合単位(a2)を含む重合体である請求項1に記載の潤滑オイルのバリア剤組成物。
  3. 重合体(A)の軟化点が40〜150℃である請求項1に記載の潤滑オイルのバリア剤組成物。
  4. 水系媒体(B)が水溶性有機溶剤を含有し、該水溶性有機溶剤の沸点が40〜200℃である請求項1に記載の潤滑オイルのバリア剤組成物。
  5. 表面張力が10〜40mN/mである請求項1に記載の潤滑オイルのバリア剤組成物。
  6. 重合体(A)の濃度が0.01〜40質量%である請求項1に記載の潤滑オイルのバリア剤組成物。
  7. 請求項1に記載の潤滑オイルのバリア剤組成物を、摺動部品および/または摺動部品に近接する部品の表面に塗布し、被膜を形成して、摺動部品および/または摺動部品に近接する部品に潤滑オイルに対するバリア性能を付与する方法。
  8. 請求項1に記載の潤滑オイルのバリア組成物の被膜が形成され、バリア性能が付与された摺動部品および/または摺動部品に近接する部品。
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