JP4771417B2 - 画像生成装置、遊技機、画像生成プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

画像生成装置、遊技機、画像生成プログラム、及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、比較的簡単な処理で、多様な照明効果を表現させる
ことが可能な画像生成装置に関する。
ハードウェア技術の進歩に伴い、高度なレンダリング技術により仮想三次元空間にライティングする画像処理技術が用いられてきた。例えば、特表平11−505644号には、レンダリングプロセッサを用いて、ホストCPUからこのプロセッサに入力されるデータ及び命令に応答して、原図(プリミティブ)を描画し、ピクセル操作を行い、システム表示タイミングを生成し、フレームバッファを制御するように構成された画像生成装置が開示されている(特許文献1)。
特表平11−505644号公報(発明の開示)
しかしながら、スポットライトなどの点光源からの光に基づくレンダリング処理は、複数のベクトル演算をポリゴンの頂点ごとに実施しなければならないため、コンピュータの処理手順が多くなるものであり、一般に多数の手順を要する重たい処理である。例えば、様々な色の照明が照射されるホールにおける背景のライティングを表現する際には、照明の色ごとに異なる光源を設定して、それぞれにレンダリング処理をしなければならない。遊技機やゲーム機のような比較的処理能力が限られた装置で、全てのオブジェクトにこのような複雑な光源に基づくレンダリング処理を適用することは、現実的に不可能である。
そこで、本発明は、比較的簡単な処理で、多様な照明効果を表現することが可能な画像生成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の画像生成装置は、仮想三次元空間に1以上のモデルを配置するモデル配置手段と、仮想三次元空間を二次元展開するための基準となる視点に対するモデルの奥行き情報に基づいて、モデルへのフォグの濃度を決定する濃度決定手段と、フォグの色調を経時的に変動させる色調変動手段と、決定された濃度、かつ、設定された色調を有する照明で、モデルをレンダリングするレンダリング手段と、を備え、色調変動手段は、同一時刻においてはモデルごとに異なる色調となり、かつ、経時的には、第1のモデルに展開されていた色調が、仮想三次元空間で第1のモデルに隣接する第2のモデルに展開されるように色調を変動させることを特徴とする。
また本発明の画像生成プログラムは、コンピュータに、仮想三次元空間に1以上のモデルを配置する機能と、仮想三次元空間を二次元展開するための基準となる視点に対するモデルの奥行き情報に基づいて、モデルへのフォグの濃度を決定する機能と、同一時刻においてはモデルごとに異なる色調となり、かつ、経時的には、第1のモデルに展開されていた色調が、仮想三次元空間で第1のモデルに隣接する第2のモデルに展開されるように色調を変動させる機能と、決定された濃度、かつ、設定された色調を有するフォグで、モデルをレンダリングする機能と、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、モデルに対して、その奥行き情報に応じたフォグの濃度が決定され、そのフォグの色調が経時的に変動するように制御される。実際のモデルに対するレンダリングは、フォグに基づき実行される。このとき、このフォグの濃度は、奥行き情報に応じているため、背景になるほどフォグの濃度が強くなり、奥に位置する背景に近いモデルほど、フォグ、すなわち混色の割合が濃くなるように表現される。また、そのモデルのフォグの色調は経時的に変化していくものであるため、異なる色調の照明が次々照射されているかのような表現が得られる。これらのレンダリング処理は、フォグ効果に準じる処理量で完了させることができるため、複雑な照明効果のためのレンダリング処理が不要である。このため、多数の照明が照射されているかのような照明効果を比較的簡単に実現可能である。またフォグの色調は、モデルに応じて異なるように設定されるので、多種多様な光源によりそれぞれのモデルが異なる色で照明されているような表現が可能となる。この色調を多様にすればするほど、照明の数が多いかのように表現することが可能となる。
ここで、「フォグ」(fog)とは、仮想三次元空間へのモデリング・レンダリングの一手法であり、遠くのオブジェクトを擬似的な「霧」で事実上見えなくすることによって、演算負荷を軽減する等の目的で利用されてきたものである。具体的に「フォグ」は、指定した色を視点からオブジェクトまでの距離に応じて混ぜ合わせて、遠くのオブジェクトほど霞んで見せる、文字通り「霧」のような表示画像を生成する技術をいう。従来、この「フォグ」は、固定の色、典型的には現実の霧の雰囲気を作るために、白色とオブジェクトの色とを混ぜ合わせるものであった。この点、本願発明では、「フォグ」に設定する色調を、動的に、能動的に変更することで、色とりどりの光源により照らされているかのような照明効果を演出するものである。
「奥行き情報」に限定は無いが、視点とモデルとの距離に対応する値を規定するものであればよい。「色調」は色を定義可能な情報であればよく、例えば、色の三要素である色相、彩度、明度(輝度)の1以上の組合せにより定義される。RGB等の三原色で色が規定される場合には、R,G,Bのそれぞれのレベルの組合せによって定義される。
ここで、「モデル」は、仮想三次元において独立して移動、回転、拡大縮小等の座標変換が可能な対象をいい、例えば、サーフェスモデルであれば、一つのオブジェクトを定義する多角形の各々で定義される。この場合、多角形を定義する頂点の奥行き情報に基づいて、多角形単位でフォグの濃度が決定される。このほか、スイープ、スキン、スケルトン、旋回、パーティクル、ブーリアン演算、ボーン、マッスル、メタボール等で定義されるモデルに対して本発明を適用することは可能である。モデリングの後におけるレンダリング時に、本発明に基づき設定したフォグを演算要素に加入させればよいからである。
具体的には、奥行き情報の示す視点とモデルとの距離の大きさに応じて、モデルへのフォグの濃度が高くなるように決定される。視点からモデルが離れれば離れるほど、つまり背景に近くなればなるほど、フォグが濃く、つまり強く照明光が照射されているようなレンダリング処理がされるからである。
本発明は、上記本発明の画像生成装置を備えた遊技機にも適用可能である。
このとき、抽選結果に応じて遊技の進行を変化させる遊技機であって、抽選結果に応じてフォグの色調を変動させることは好ましい。遊技機では抽選を実施することが要件とされるが、遊技機によっては抽選結果を最終的に表現する前に、画像表示の態様を変化させることによって抽選結果を予告する場合がある。本発明のフォグの色調変化をこの抽選結果の予告に利用すれば、遊技者は、フォグの色調が特定のものになったことで、抽選結果が大当たりであるかのような期待感を遊技者に抱かせることが可能となるからである。
ここで「遊技機」に限定は無いが、例えば回動式遊技機(以下、「スロットマシン」という。)、ぱちんこ機(第一種ぱちんこ機、第二種ぱちんこ機を含む)等を含む。
また本発明の画像生成プログラムは、記憶媒体に格納されて流通されるものである。このような記憶媒体としては、コンピュータに読み取り可能な媒体であり、各種ROM、フラッシュメモリを備えたUSBメモリ、USBメモリ、SDメモリ、メモリスティック、メモリカードや、FD、CD−ROM、DVD−ROM等の物理的な記憶媒体を含む。また広義の記録媒体として、プログラムを伝送可能なインターネット等の伝送媒体をも含むものとする。伝送媒体を通して伝送されたプログラム(ダウンロード)されたプログラムは、そのままメモリに記憶されて、コンピュータに実行されるものだからである。
本発明によれば、フォグの濃度を奥行き情報に応じて決定し、フォグの色調を経時的に変化させて、レンダリング処理を実行するので、比較的負荷の軽い処理で、多様な照明効果を表現することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態として、遊技場等に設置される遊技機(スロットマシン)に、本発明の画像生成装置(方法)を適用したものを例示する。以下の実施形態は本発明の適応例に過ぎず、本発明は実施形態に限定されず種々に変更して適用することが可能である。
(定義)
本明細書における用語を以下のように定義する。
「遊技」とは、メダルが投入されてから、スタートスイッチの操作によってリールが回転し、ストップスイッチの操作によってリールが停止するまでの一連の動作をいう。
「通常遊技」とは、所定の期待値に基づいて実行される「遊技」をいう。
「特別遊技」とは、「通常遊技」とは異なる「遊技」であって遊技者に有利な「遊技」をいう。
「抽選」とは、遊技機の操作部(スイッチ等)が操作されたことを契機として、乱数等を用いて、予め定められた期待値でコンピュータがくじを引く処理をいう。
「当選」とは、「抽選」の結果、当たりになった場合をいい、特に、コンピュータによるくじ引きで当たりとなった場合をいう。本実施形態では機械的に定まる「入賞」と区別して用いる。
「入賞」とは、停止したリールにより示される有効ライン上の図柄の組合せが、特定の役を示す状態となっていることをいう。
「役」とは、抽選の結果が当選である場合に、その当選の種類を特定するものである。「当選役」または図柄が揃った場合には「入賞役」ともいう。
「特別役」とは、「特別遊技」に移行させるための役である。
「小役」とは、その小役の種類に応じた枚数のメダルを遊技者に払い出すための役である。
「リプレイ」とは、前回の遊技で投入されたメダル枚数を維持したまま再遊技を行う権利を与えるための役である。
「有効ライン」とは、停止した図柄の並びを便宜上示すもので、有効ライン上に並んだ図柄の組合せによって特定の「役」であるか「ハズレ」であるかを示すものである。複数の「有効ライン」が設定されている場合には、それらをまとめて「有効ライン群」という。
(構成)
まず筐体構成から説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るスロットマシン10の筐体の前面部は、開閉自在にフロントパネル20が取り付けられている。フロントパネル20の上部に表示機能を有する演出表示装置40が設けられた表示領域となっており、中央部に操作部が設けられている。
筐体上部には、表示機能を有する演出表示装置40が設けられている。演出表示装置40は、例えば液晶パネルを含んで構成されており、種々の演出のための画像や遊技に必要な情報を表示領域に表示可能に構成されている。演出表示装置40には、1つの透明な表示窓21が設けられている。表示窓21の領域には、画像を表示するための液晶や液晶を構成する部材(偏光板など)や液晶を制御する回路などが設けられておらず、光を透過するようになっており、物理的に画像表示できない領域となっている。
筐体内部であって表示窓21を通して視認可能な位置には、3つのリール(回胴)が配置されている。正面から見て左側から、左リール31L、中リール31C、右リール31Rの順番で配置されている。
リール31L、31C及び31Rは、リング状の中空構造に成形されている。リールの外周は、外周面に貼られるリールテープの幅に成形されており、外周面にはリールテープ上に印刷される図柄の形状に合わせて開口が複数設けられている。リールの内部は中空になっており、外周面から延びるフレームで回転軸が支持されている。
リールの外周面には入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したリールテープが各々貼られている。それぞれのリールテープには、例えば21個の図柄が等間隔で配列されて印刷されている。図柄の配列は、リールテープごとに異なるようになっている。リールテープの図柄が、リールの外周面に設けられた開口に対応するようになっている。表示窓21からは、この表示窓を通してリール31L、31C及び31Rが観察されるようになっており、各リール外周面の上下方向で連続する3つの図柄が見えるように表示窓21の大きさが設定されている。図1では、リール群31(リール31L、31C及び31Rのまとまりを意味する)上に示された円が、一つの図柄を示している。
リール31L、31C及び31Rのそれぞれの回転軸には、ステッピングモータ(図示せず)が各々連結されている。このステッピングモータは、リール31L、31C及び31Rを任意の速度で回転させたり、任意の角度(位置)で停止させたりすることが可能になっている。各リールが回転する場合には、リール31L、31C及び31Rの図柄が表示窓21内で上下に移動しているように視認されるようになっている。
リール31L、31C及び31Rの内側には、バックランプ(図示せず)が設けられている。バックランプはリールごとに3個ずつ配置されており、リールが停止した時に表示窓21から見える総計で9個の図柄に対して、リール外周面の開口を通して光を照射するようになっている。
図1に示す表示窓21上の破線は、有効ライン22a、22b及び22cからなる有効ライン群22を示すものである。有効ライン群22は、水平方向の中段の有効ライン22aと、水平方向の上段及び下段の2本の有効ライン22bと、右下がり及び左下がりの斜め方向の2本の有効ライン22cとから構成されている。そして、リール31L、31C及び31Rに付された図柄は、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、表示窓21から見える9個の図柄が全てこれらの有効ライン群22上に位置するような間隔で配置されている。
スロットマシン10の筐体の中央部において、演出表示装置40の右下側に当たる位置には、メダル投入口23が設けられている。メダル投入口23からメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じて有効ライン22a、22b及び22cの1ライン乃至5ラインが有効になるように構成されている。すなわち、投入されたメダルはゲームの対価として徴収され、投入されたメダルが1枚の場合には1つの有効ライン22aが有効になり、2枚のときは水平方向の3つの有効ライン22a及び22bが有効になり、3枚のときはさらに加えて斜め方向の2つの有効ライン22cを含む総計で5つの有効ライン22a〜22cが有効になる。これらの制御は、後述のメインCPU(中央演算装置)51(図2参照)により行われる。例えば、3枚のメダルが投入されている場合には、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、少なくとも1つの有効ライン22a〜22cに特定の図柄の組み合わせが停止していれば、その組み合わせに応じた役に入賞したこととなる。
また筐体の中央部には、遊技者によって操作される各種の操作スイッチが設けられている。例えば、本実施形態では、スタートスイッチ41、ストップスイッチ群42及びベットスイッチ群43が設けられている。
スタートスイッチ41は、リール31L、31C及び31Rの回転をスタートさせるときに遊技者が操作するスイッチ、例えばレバーとして構成されている。ストップスイッチ群42は、左リール31Lを停止させるときに操作する左ストップスイッチ42Lと、中リール31Cを停止させるときに操作する中ストップスイッチ42Cと、右リール31Rを停止させるときに操作する右ストップスイッチ42Rとから構成されている。これらのストップスイッチ42L、42C及び42Rは、例えばボタンとして並設されている。
ベットスイッチ群43は、遊技者がクレジット内のメダルを投入する際にベット数(賭数)を指定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ43a及びMAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43bから構成されている。これらのベットスイッチ43a及び43bも、例えばボタンとして配置されている。1ベット・2ベットスイッチ43aが操作されると、1枚又は2枚のメダルがベットされ(ゲームの対価として徴収され)、MAXベットスイッチ43bが操作されると、最大ベット数である3枚のメダルがベットされる。すなわち、ベットスイッチ群43の操作で指定されるベット数が、クレジットとなっているメダル数から徴収され、クレジットがベット数だけ減算される。
さらに、筐体の下部の中央部には、メダル払出口90が設けられ、メダル払出口90の両側には、スピーカ71が設けられている。遊技(ゲーム)中には、種々の演出、例えばバックランプの点灯、演出表示装置40を用いた画像表示及びスピーカ71からの音声の出力等が行われる。さらに、このような演出として、入賞可能性の告知演出が行われることもある。
これらの構成を有するスロットマシンにおいて実施される通常遊技の概要を簡単に説明する。
スロットマシン10において、遊技者がメダル投入口23からメダルを投入するか、ベットスイッチ群43を操作すると、有効ライン22a〜22cがベット数に応じて有効化される。
ベット数を指定した遊技者がスタートスイッチ41を操作すると、ベット数に応じた役の抽選が行われると共に、リール31L、31C及び31Rが回転し始める。そして、遊技者がストップスイッチ42L、42C及び42Rを操作すると、操作されたボタンに応じてリール31L、31C及び31Rの回転が停止する。このとき、スタートスイッチ41の操作と同時に行われている役の抽選結果が当選であった場合には、有効化されている有効ライン群22上に並ぶ図柄の組み合わせが、予め定められた何らかの役の図柄の組み合わせに一致するようにリールが停止制御され、その入賞役に応じたメダルの払い出し等が行われる。
(システム構成)
次に、スロットマシン10の内部構成等のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシン10のシステム構成を示すブロック図である。スロットマシン10の筐体内部には、メイン制御基板50、並びにこのメイン制御基板50に接続されたサブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13が配置されている。
(メイン制御基板50)
メイン制御基板50には、メインCPU51、ROM52、RAM53及びインタフェース回路(I/F回路)54が設けられており、これらはバス55を介して互いに接続されている。
メインCPU51は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、メインCPU51は、ROM52に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、これらに基づいてスロットマシン10全体の制御を行う。
ROM52には、メインCPU51に、後述の図6のフローチャートに示すような操作に基づく抽選処理及びその他の遊技の制御に必要なソフトウェアプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM53は、メインCPU51が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶可能に構成されている。
I/F回路54は、メイン制御基板50と、サブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13との間で行われる信号の送受信の際に、タイミングの制御等を行うようになっている。但し、メイン制御基板50とサブ制御基板60との間では、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われないように構成されている。
(サブ制御基板60)
サブ制御基板60には、サブCPU61、ROM62、RAM63、画像制御プロセッサ64、画像データROM65、ビデオRAM66、音源回路67、アンプ68及びインタフェース回路(I/F回路)69が設けられている。サブCPU61、ROM62、制御用RAM63、画像制御プロセッサ64、音源回路67及びI/F回路69はバス70を介して互いに接続されている。また、画像データROM65及びビデオRAM66は画像制御プロセッサ64に接続され、アンプ68は音源回路67に接続されている。
サブCPU61は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、サブCPU61は、ROM62に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、サブ制御基板60全体の制御、特に遊技者に対する演出の制御を行うようになっている。なお、サブCPU61の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
ROM62には、サブCPU61に、後述のフローチャートに示すようなソフトウェアプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM63は、サブCPU61が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶可能に構成されている。
これらのサブCPU61、ROM62及びRAM63は、夫々メイン制御基板50に設けられたメインCPU51、ROM52及びRAM53と同様の機能を有するものである。なお、ROM62及びRAM63は、夫々ROM52及びRAM53と同一のものを用いてもよいが、これらよりも容量の大きいものを用いてもよい。
画像データROM65には、演出表示装置40にレンダリング処理されるモデル(オブジェクト、キャラクタ)、文字及び背景等の画像データを生成するための元画像データが記憶されている。また、ビデオRAM66は、画像制御プロセッサ64が演出表示装置40に表示しようとする画像データを生成する時に用いられ、画像データROM65から読み出した元画像データ等に基づき生成された画像データがフレーム画像データとしてビデオRAM66に展開されるようになっている。演出表示装置40は、ビデオRAM66に記憶されたフレーム画像データを表示可能にサブ制御基板60に接続されている。
サブ制御基板60には、さらにスピーカ71、上述のバックランプ等が設けられている。スピーカ71はアンプ68に接続されている。これらの演出用周辺機器は、遊技中の演出(役の当選可能性の告知演出等)の出力を行うものであり、サブ制御基板60にのみ接続されており、メイン制御基板50には接続されていない。
I/F回路69は、メイン制御基板50からの信号の受信の際に、タイミングの制御等を行う。なお、上述のように、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。すなわち、一方向の送信のみが可能となっている。
(リール基板11)
リール基板11には、左リール31L、中リール31C及び右リール31Rを駆動するためのステッピングモータ(図示せず)が接続されている。各ステッピングモータは、さらに、これらのリール31L、31C及び31Rの回転軸に接続されていく。これらのリール31L、31C及び31Rの動作を制御するための制御信号は、メインCPU51からリール基板11に供給されるようになっている。
(中央表示基板12)
中央表示基板12は、例えばフロントパネル20の裏側の中央部に取り付けられる。
中央表示基板12には、セレクタ81、1ベット・2ベットスイッチ43a、MAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43b、スタートスイッチ(レバー)41、左ストップスイッチ(ボタン)42L、中ストップスイッチ(ボタン)42C、右ストップスイッチ(ボタン)42R、設定表示部82及び設定変更スイッチ83が接続されている。
セレクタ81は、メダル投入口23から投入されたメダルが正規のものであるか識別し、不正なメダルを排除するように構成されている。設定表示部82は、フロントパネル20の裏側から見えるように配置されており、確率や払い出しに関する設定(例えば、設定1〜設定6)等が表示される。設定変更スイッチ83は、確率や払い出しに関する設定等を変更する際に操作されるスイッチである。
(電源装置基板13)
電源装置基板13には、設定変更有効化スイッチ91、電源スイッチ92、ホッパ装置93及び電源装置94が接続されている。
設定変更有効化スイッチ91は、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更を可能な状態にする際に操作するスイッチである。すなわち、設定変更有効化スイッチ91がオンの状態になっているときに限り、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更が可能になる。電源スイッチ92は、電源装置94のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。ホッパ装置93は、メダルの貯蔵及び払い出しを行う装置であり、電源装置基板13を介したメインCPU51からの指示に基づいて、予め貯蔵しておいたメダルから所定枚数のメダルをメダル払出口90に払い出すようになっている。
(メイン制御基板における機能ブロック)
次に、メイン制御基板50の機能的な構成について説明する。
図3は、メイン制御基板50の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、本実施形態においては、例えばメインCPU51がROM52内に記録されるプログラムを実行することにより、以下の制御部101、役抽選部103、リール制御部106、入賞判定部107、遊技状態制御部108及び払出制御部109が機能的に実現される。また、例えばRAM53が、以下のフラグ情報記憶部105として機能し、例えばROM52に、以下の抽選テーブル102のデータが記憶されている。
(役抽選部103)
役抽選部103は、役(特別役、小役、リプレイ等)の抽選を行う機能ブロックである。役抽選部103は、遊技毎に、内部で乱数を発生させた後に一の乱数を取得し、ROM52に記憶されている抽選テーブル102を参照し、取得した乱数が属する領域に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定するようになっている。
例えば、役抽選部103は、スタートスイッチ41が操作された場合に抽選を行い、この「遊技」が「当選」であるか「ハズレ」であるか及び「当選」である場合の「役」を決定する。すなわち、役抽選部103は、スタートスイッチ41の押下があった場合に、所定の範囲の乱数(例えば、10進法で0〜65535)を発生させ、所定の条件が満たされたときに一の乱数値を取得する。抽選テーブル102には、役抽選部103が取得可能な乱数値に対して、特別役当選領域、小役当選領域、リプレイ当選領域、及び非当選(ハズレ)領域等が、所定の割合で設定されている。
さらに役抽選部103は、リール31L、31C、及び31Rは、ストップスイッチ42L,42C,及び42Rのそれぞれが押下された後に、「当選」していた場合にはその当選の役を表す図柄の並びとなるように停止制御され、当選役と同じ役に入賞させる。また、抽選の結果が「ハズレ」(非当選)ていた場合には図柄の並びがいずれかの役を表さないように停止制御される。いずれの場合でも、ストップスイッチ42L,42C,及び42Rの押下タイミングが前後しても、停止図柄が変わることはない。
なお、役抽選部103が実施する抽選は、一回の遊技に対して一回の抽選を実施して当選役を決定してもよいが、複数回の抽選を実施するように構成してもよい。
また、スタートスイッチ41の押下やストップスイッチ42L、42C、及び42Rの押下タイミングで抽選を実施して抽選結果を定めるという役抽選部103主導の構成にする他、特別な引き込み動作をせずにリール群31を停止させ、結果的にリール31L、31C、及び31Rが停止した位置を入賞判定部107が検出して入賞の有無や、入賞役を判定するように構成してもよい。この場合、抽選や当選役という概念は無く、役抽選部103は存在しなくてもよい。また、遊技の種類に応じて、役抽選部103主導か否かを、つまり抽選をするか、リールによる入賞判定をするかを切り替えてもよい。
(制御部101)
制御部101は、役抽選部103や、後述のリール制御部106及び入賞判定部107等の動作タイミングを制御する中心的機能ブロックである。
例えば、制御部101は、スタートスイッチ41が操作されたことを条件として、役抽選部103に役の抽選を行わせると共に、リール制御部106にリール群31の回転を開始させ、また、ストップスイッチ群42が操作されたことを条件として、リール制御部106にリール群31の停止制御を行わせ、さらに、リール群31が停止したことを条件として、入賞判定部107に入賞判定を行わせるものである。
なお、制御部101の動作はこれらに限定されるものではなく、メイン制御基板50に必要とされる制御一般を司るものである。
(フラグ情報記憶部105)
フラグ情報記憶部105は、役抽選部103の抽選結果によって何らかの役に対するフラグがオンされた場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶可能に構成されている。
(リール制御部106)
リール制御部106は、制御部101からの指示に基づいて、リール群31(リール31L、31C及び31R)の回転及び停止の制御を行う機能ブロックである。
より詳細には、リール制御部106は、遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選部103による抽選の結果、及びストップスイッチ群42(ストップスイッチ42L、42C及び42R)が操作されたタイミング等に基づいて、リール31L、31C及び31Rの停止位置を決定すると共に、ステッピングモータの駆動を制御して、その決定した位置でリール31L、31C及び31Rの回転を停止させるようになっている。
例えば、役抽選部103による抽選の結果「ハズレ」となり、いずれの役にも当選していないときは、有効になっている有効ライン上にどの役の図柄の組合せも停止しないように、各リール31L、31C及び31Rの停止位置を定め、定められた位置で各リールを停止させる。一方、何らかの役に「当選」している場合には、有効になっている有効ライン上に当選した役の図柄の組合せが停止するように図柄の組合せを定め、その図柄の組合せがその時に有効になっている有効ラインに表れるように各リール31L、31C及び31Rの停止位置を定め、定められた位置で各リールを停止させる。
特に、特別役に「当選」している場合には、有効になっている有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止するように、リール31L、31C及び31Rの停止制御の範囲内(例えば、4図柄以内)でできる限り特別役に係る図柄が揃うような引き込み制御を行う。但し、特別役が「当選」している場合であっても、小役やリプレイに「当選」した場合には、有効化されている有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止しないように、リール31L、31C及び31Rの停止位置を定め、停止制御をする。
なお、このようなリール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
(入賞判定部107)
入賞判定部107は、最終的な入賞状態を判定するための機能ブロックである。
入賞判定部107は、有効ライン群22のうち、有効になっている有効ラインのいずれかに役の図柄の組合せが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当遊技でその役に入賞したと判定するものである。役の抽選は、役抽選部103によって予め決定されてはいるが、機械的なリールを用いる場合などにはリールが予定どおりに停止できない場合がるため、最終的に停止したリールの位置を検出しなければならないからである。
入賞判定部107は、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ラインに位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の入賞の有無を判定する。
なお、役抽選部103によって予め役を定めて、それに併せてリール31L、31C及び31Rを停止させる代わりに、引き込み可能な位置に各リールを次々停止させ、最終的に停止した実際のリール31L、31C及び31Rの位置を検出して、入賞判定部107が図柄の組合せを判定し、役を決定するように構成してもよい。
(遊技状態制御部108)
遊技状態制御部108は、入賞判定部107による判定の結果、特別役に入賞していた場合に、次遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間、特別遊技の制御を行うための機能ブロックである。
例えば、遊技状態制御部108は、特別遊技中における役抽選部103の抽選結果に応じて、リール制御部106に特別遊技用のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に特別遊技用の演出を行わせたりする。
(払出制御部109)
払出制御部109は、入賞判定部107による判定の結果、入賞している役に応じたメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせるための機能ブロックである。
(サブ制御基板における機能ブロック)
次に、サブ制御基板60の機能的な構成について説明する。
図4は、サブ制御基板60の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
演出パターン選択部201は、サブCPU61がROM62内に記録されたコンピュータに読み取り可能なプログラムを実行することにより機能的に実現されるものである。また、サブCPU61がROM62内に記録されたコンピュータに読み取り可能なプログラムを実行することにより、画像制御プロセッサ64を制御しながら演出制御部202が機能的に実現される。
このサブ制御基板60によって実施される演出は、演出表示装置40によって表示窓21の周囲の画像表示領域に表示される画像による演出、スピーカ71から発音される音による演出である。これらの演出は、メイン制御基板50における動作と異なり、抽選など、遊技自体の方向性を変化させるものではないが、画像と音との演出により、遊技者に刺激を与え、入賞への期待感を高めたり単調さを解消したりする重要な役割を担っている。
(演出パターン選択部201)
演出パターン選択部201は、遊技状態に応じて演出のパターンを選択する機能ブロックである。
具体的には、演出パターン選択部201は、メイン制御基板50の役抽選部103からの信号を受けて、当選した役等に応じた演出パターンを選択したり、メイン制御基板50の入賞判定部107及び特別役遊技制御部108からの信号を受けて、入賞役や遊技状態に応じた演出パターンを選択したりする。
ここで演出パターンは、スタートスイッチ41が押下されたかいずれのストップスイッチ42が押下されたか、いずれのリール31L、31C、及び31Rが停止したかといった遊技の進行状態や、抽選の結果、決定した役の種類、通常遊技か特別遊技かといった遊技状態に応じて選択されるものである。
(演出制御部202)
演出制御部202は、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに基づく演出を制御する機能ブロックである。
演出制御部202は、選択された演出パターンに対して画像を表示させるための立体画像データを作成し、それを二次元画像データに変換して演出表示装置40に供給して、画像表示領域上に画像を表示させるように動作する。また、演出制御部202は、選択された演出パターンに対して音響を音源回路67に発生させるための制御を実施する。
(音源回路67)
音源回路67は、所定のチャネル数、例えば8つの音源チャネルの発音回路を備えており、音源チャネル数分のフレーズの同時再生が可能になっている。音源回路67は、演出制御部202から出力される演出要求コマンドによって制御される。音源回路67は、演出制御部202からから送信された演出要求コマンドに対応させて、対応する音源チャネルの音源データを図示しないサウンドROMから読み出して合成し、右チャネル、左チャネル別に発生させる。そしてD/A変換してアナログ音響信号として出力する。アンプ68は、この左右のチャネルそれぞれのアナログ音響信号を増幅し、右スピーカ71R・左スピーカ71Rに、ステレオ音響を送出させる。
(演出制御部の詳細な機能ブロック)
次に、演出制御部202の具体的な構成について説明する。
本実施形態の演出制御部202は、演出パターンの一環として、本発明の照明演出パターンを適用可能に構成されている。
図5に、演出制御部202を機能的な側面から区分けした機能ブロックを示す。
図5に示すように、演出制御部202は、機能ブロックとして、画像制御部301、音制御部302、モデルデータ記憶部3031、テクスチャデータ記憶部3032、画像データ生成部304、画像データ記憶部305、及び表示制御部306を備えている。画像データ生成部304は、モデル配置手段3041、濃度決定手段3042、色調変動手段3043、レンダリング手段3044、及び合成手段3045を備えている。
なお、上記構成のうち、画像制御部301及び音制御部302は、ROM62に格納されたプログラムをサブCPU61が実行することにより機能的に実現される。モデルデータ記憶部3031及びテクスチャデータ記憶部3032は、画像データROM65が相当している。画像データ記憶部305は、ビデオRAM66が相当している。画像データ生成部304の各構成及び表示制御部306は、本発明の画像生成プログラムを実行するサブCPU61、及びサブCPU61の制御に基づいて動作する画像制御プロセッサ64によって機能的に実現されている。
(画像制御部301)
画像制御部301は、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに応じた各種演出を、画像データ生成部304に対して指示可能に構成されている。また、画像制御部301は、演出パターン選択部201から指定された、仮想三次元空間を二次元画像に展開するための視点(カメラ)の位置等を、描画タイミングごとに連続的に指示していくように構成されている。画像制御部301により、演出パターンに応じた画像上のストーリーが決定され、表示されるオブジェクトが決定され、オブジェクトの動きが決定されるようになっている。
なお、「描画タイミング」には限定は無いが、本実施形態では、フレーム期間(同期信号)に対応して定められるものとする。
(音制御部302)
音制御部302は、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに応じた音信号を生成し発生するように音源回路67を制御するように構成されている。この音制御部302において制御される音は、画像制御部301の制御によって表示される画像の進行と密接な関連性を有するように、画像制御部301との間で時間的な連携がとられている。
(モデルデータ記憶部3031)
モデルデータ記憶部3031は、立体画像生成のためのモデリングの元となるモデルデータを記録するものである。モデルデータは、仮想三次元空間において表示対象とさせるモデル(各種オブジェクト)の形状及び配置を定義する数値情報が記憶されている。モデルデータは、モデリング方法によって種々変更可能であるが、本実施形態ではサーフェスモデルを適用するため、一つひとつのモデルデータは、オブジェクトごとに予め設定された基準座標を原点として、オブジェクトの外形を形作る多角形であるポリゴンの頂点座標情報(相対位置、向き、大きさが定義される)である。各ポリゴンを基準座標からの相対位置に配置していけばオブジェクトの外形が規定される。このオブジェクトはそれぞれ自己完結のローカル座標系(モデリング座標系、オブジェクト座標系、ボディ座標系)において各ポリゴンの相対位置(向き、大きさ)が三次元的に定義されることになる。
(テクスチャデータ記憶部3032)
テクスチャデータ記憶部3032には、モデリングされたオブジェクトに対してマッピング(展開、貼り付け)されるテクスチャを定義したテクスチャデータが記憶されている。
テクスチャとは、サーフィスモデルにおいては頂点座標の集合であるオブジェクトやポリゴンの表面にマッピングされる模様・質感・色彩に関するデータである。テクスチャデータは、模様等を表すための所定の解像度で作成された画像データであり、例えばGIF形式やPNG形式等の画像データである。テクスチャを所定のポリゴンに貼り付けるためには、テクスチャデータに対して、所定の画像変換、例えばアフィン変換を施して、テクスチャをポリゴンの形状に展開(伸張・縮小・変形)するマッピング処理をする。なお、特定のテクスチャデータを用いなくても、モデルに与えられた色調情報および光源情報に基づくレンダリング処理によって、モデルに所定の色相、彩度、輝度の色を与えることは可能である。
(画像データ記憶部305)
画像データ記憶部305のうち、配置情報記憶レイヤ3051は、モデル配置手段3041によってモデリングされたオブジェクトの配置情報、すなわち各オブジェクトを構成するポリゴンの頂点ごとのワールド座標系(グローバル座標系)における座標情報を記憶するものである。
フォグ情報記憶レイヤ3052は、モデルごとに定められたフォグの濃度情報及びその色調情報を格納するものである。つまり、一つひとつのオブジェクトを構成するポリゴンに対応させて、それぞれ規定されたフォグの濃度情報、及び、その色調情報が記憶される。
出力画像記憶レイヤ3052は、透視投影変換によって表示画像空間(投影面)に対応した二次元座標に展開され、各々がレンダリング処理した後のオブジェクト画像(情報)を記憶するものである。
(モデル配置手段3041)
モデル配置手段3041は、仮想三次元空間に1以上のモデルを配置するための機能ブロックである。
具体的には、描画タイミングで表示される1以上のオブジェクト、及びそれらの仮想三次元空間内における配置は、画像制御部301によって指定される。サーフェスモデルでは、一つひとつのオブジェクトは、多角形であるポリゴンの集合体として表現される。一つのオブジェクトは、オブジェクトを構成するポリゴンの配置が定まれば定義できるので、モデルデータは、ローカル座標系(モデリング座標系、オブジェクト座標系、ボディ座標系)で定義されたポリゴンデータの集合体となっている。モデルデータは、オブジェクトごとに設定されたローカル座標系で定義されているため、オブジェクトを仮想三次元空間に配置するためのモデリング変換が必要である。
モデル配置手段3041は、モデルデータ記憶部3031から対応するモデルデータを読み出す。そしてモデル配置手段3041は、画像制御部301により指定された今回の描画タイミングにおける仮想三次元空間内における配置となるよう、ローカル座標系で定義されたモデルデータにモデリング変換演算処理を実行し、ワールド座標系(グローバル座標系)で定義された仮想三次元空間におけるオブジェクトの配置を定めるモデリング変換を実施する。その際、オブジェクトの向きや大きさも座標変換処理により定められる。例えば、あるポリゴンのローカル座標系における頂点座標(x1,y1,z1)が正規変換演算により、ワールド座標系における頂点座標(X1,Y1,Z1)に変更される。この頂点座標が、仮想三次元空間における頂点位置を定義することになる。
なお、ワールド座標系における任意の点に設定可能である。さらにモデル配置手段3041は、ワールド座標系で定義された各オブジェクトにビューイング変換処理を実行し、視点Cの位置座標を基準座標O(0,0,0)とする視点座標系(ビューイング座標系)に変換する。必要に応じて、モデル配置手段3041は、隠面処理等を実行しやすくするために正規化変換処理を実行する。正規化変換処理によって、所定のモデルや頂点との距離は、そのモデルや頂点のZ座標を参照することにより容易に把握できるようになる。
(濃度決定手段3042)
濃度決定手段3042は、仮想三次元空間を二次元展開するための基準となる視点に対するモデルの奥行き情報に基づいて、モデルへのフォグの濃度を決定するための機能ブロックである。
具体的には、濃度決定手段3042は、奥行き情報の示す値(例えばZ座標)に対応させて、フォグの濃度を設定する。本実施形態では、視点Cから遠ざかるほど、フォグの濃度が高くなるように設定されているものとする。フォグの濃度は、相対値であればよいが、ここではパーセント表示とし、0〜100%の範囲で指定されるものとする。例えば、仮想三次元空間を二次元展開するための視点Cからの距離が0(ゼロ)またはある一定の距離までの範囲は、フォグの濃度を最低値(例えば濃度0%)とし、無限遠またはある距離以上の範囲は、フォグの濃度を最高値(例えば濃度100%)となるように決定する。奥行き情報としては、視点からの相対距離に対応した情報であればよい。本実施形態では、基準座標Oを視点Cに設定するので、奥行き情報として、対象となるモデルや頂点へのZ座標を参照するものとする。
図8に本実施形態におけるフォグ濃度設定の概念図を示す。図8は仮想三次元空間におけるモデリングの結果を模式的に示したものである。
図8に示すように、仮想三次元空間に設定された視点Cを基準として仮想三次元空間を二次元展開する透視投影変換を実施すると、投影面への投影像が得られる。この投影像は、物理的な二次元空間である画像表示領域600に対応している。仮想三次元空間に、モデリング変換処理によりオブジェクト500及び510が配置されているものとする。オブジェクト500は、その方向ベクトル502に対応した奥行きとなっており、オブジェクト510は、その方向ベクトル512に対応した奥行きとなっている。相対的に、オブジェクト500の方がオブジェクト510よりも視点Cに近い方に配置されているものとする。オブジェクト500及び510を透視投影変換してレンダリング処理を経て得られる画像は、それぞれオブジェクト500に対応するオブジェクト画像602及び612となっている。
図9に、本実施形態における視点CとZ座標に応じたフォグ濃度設定の模式図を示す。図9に示すように、視野角520で広がる視点Cからの視角に入るモデルは、画像表示のためにレンダリング処理されるが、レンダリング時にそのZ軸方向における視点Cとモデルとの距離(すなわちモデルや頂点のZ座標)に応じて、フォグの濃度が高くなっていくように設定されている。このため、図8において、オブジェクト510をレンダリング処理したオブジェクト画像612におけるフォグの濃度は、オブジェクト500をレンダリング処理したオブジェクト画像602におけるフォグの濃度よりも高くなっている。
なお、どのようにフォグの濃度を高めていくかは、特に限定はなく、図9に示すように線形的に濃度を高くしていってもステップ(段階)を設けて濃度を高くしていってもよい。濃度の変化率は、視覚的に適当な濃度変化となるように設定されていればよく、一次相関的に設定しなくてもよい。
図10に、本実施形態におけるモデル、すなわちポリゴンの模式図を示す。
図10に示すように、オブジェクトを構成する一つのポリゴン520は、頂点座標を規定することによって定義される。図10では、頂点V1〜V4の4頂点が示されている。個々の頂点は、ワールド座標系で定められた基準座標Oからの相対座標値(X,Y,Z)でそれぞれ定義されている。
ここで、本実施形態では、ポリゴン単位でフォグの濃度を決定する。このため、例えば、いずれか一つのポリゴンのZ座標に基づいてフォグの濃度を定めることができる。または、全ての頂点(ここでは頂点V1〜V4)のZ座標の平均を演算して、その平均されたZ座標に基づいてフォグの濃度を定めてもよい。さらに、装置の処理能力が許容するならば、各頂点のZ座標に基づいて当該ポリゴン520におけるフォグの濃度を線形補間し、グラディエーションを持って濃度が変化するものとしてレンダリング処理をしてもよい。
このようにして決定されたフォグの濃度は、ポリゴンに対応させてフォグ情報記憶レイヤ3052に記憶される。頂点ごとのフォグ濃度を線形補間するならば、頂点に対応させて濃度情報を記憶させる。
(色調変動手段3043)
色調変動手段3043は、フォグの色調を経時的に変動させるための機能ブロックである。
モデルに適用されるフォグの色調変動を固定の色調のままとすると、奥行き情報に応じた濃度でフォグがレンダリングされる。しかし、これでは一様にフォグ処理のように見えてしまい、照明が照射されているような画像表示となりにくい。このため、本実施形態では、フォグの色調を動的に変動させることにより、スポットライトのような照明が照射位置を変化させているかのうように見せるのである。
そこで、本実施形態において、色調変動手段3043は、フォグの色調を予め設定された手順で規定する。好ましくは、モデルごとに色調、すなわち色相、彩度、輝度(明度)の1以上の組合せを変化させる。
図11に、色相を変化させる場合を示す。図11では、表示領域の異なる位置に配置される3つのモデル(ポリゴン)に対して、それぞれf1〜f3で示されるようにフォグの色相を変化させる。この例によれば、同じ色相のフォグが、経時的に異なる位置に配置されたモデルに適用されるので、様々な色のスポットライトが移動しているかのような画像を表示可能となる。例えば、「青」の照明(フォグ)は、最初ポリゴン1に照射されているところ、時間を経るに連れて隣接するポリゴンへと順に移っていくように表示される。
図12に、彩度を変化させる場合を示す。色相は、固定されているものとする。図12では、表示領域の異なる位置に配置される3つのモデル(ポリゴン)に対して、それぞれf1〜f3で示されるようにフォグの彩度を変化させる。この例によれば、同じ彩度となるポリゴンが、経時的に異なる位置に配置されたモデルに適用されるので、同じ色のスポットライトが移動しているかのような画像を表示可能となる。彩度の変動とともに色相を変更させてもよい。
図13は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の組み合わせでモデルの色調を定めている場合において、それぞれの色レベルを変化させて、色調を変化させる例に関する。図13では、特定のモデル(ポリゴン)についてのRGBのレベル変化を示している。図13に示すように、時間の変化とともに、最初、赤色(R)がピークを迎え、次に緑色(G)がピークを迎え、次に青色(B)がピークを迎えている。これらのRGBのレベル変化を循環させることができる。このように色調を変化させれば、赤色、緑色、青色のそれぞれのスポットライトが順に照射されていくようにモデルに照明効果を表現することが可能である。
(レンダリング手段3044)
レンダリング手段3044は、決定された濃度、かつ、設定された色調を有するフォグで、モデルをレンダリングするための機能ブロックである。
すなわち、レンダリング手段3044は、視点座標系を正規化変換した正規化座標系に基づいて定義されたオブジェクトに対し、透視投影変換のための演算処理を実施し、投影面への投影像、すなわち、表示領域に対応した二次元座標で定義された配置情報を算出する。この処理により、表示領域に対応した二次元画像空間における各ポリゴンの配置が定まる。
次にレンダリング手段3044は、二次元画像空間に割り付けられた各ポリゴンに対し、本来のレンダリング処理を実行し、実際の表示画像を生成する。この際、各ポリゴンに適用するテクスチャに対し、本発明に係るフォグ濃度が設定されているとの前提で、レンダリングを実行する。まず、レンダリング手段3044は、仮想三次元空間に設定されている光源(平行光源、点光源、スポットライト、線光源、面光源)に関する光源情報を取得し、シェーディング処理を実行する。すなわち、光源情報に基づいて、各ポリゴンの輝度(色調)を決定するためのベクトル演算を実施する。
また、モデルに特別のテクスチャデータが設けられている場合には、レンダリング手段3044は、テクスチャマッピングも実施する。テクスチャデータは、所定の単位面積のテクスチャ情報となっており、ポリゴンごとにそのサーフェスに展開すべきテクスチャデータが設けられている。レンダリング手段3044は、テクスチャデータ記憶部3032から、ポリゴンごとにそのサーフェスに展開するテクスチャのためのテクスチャデータを読み出す。そして、各々のサーフェスにそれぞれ対応するテクスチャをマッピングする。このとき、レンダリング手段3044は、選択されたテクスチャデータに対して所定の変形処理、例えばアフィン変換を施し、各オブジェクトの表面にテクスチャをマッピングする。テクスチャマッピングを実施する際に、レンダリング手段3044は、光源に基づいて定まるポリゴンの輝度(色調)で、テクスチャを変調処理することになる。これらの処理によって、視点から見た場合の、その描画タイミングの光源状態におけるモデル本来の質感、模様、色が得られる。これは、フォグ(霧)が存在しない、透明度100%の空間におけるモデルの質感、模様、色である。
本実施形態では、シェーディング処理およびテクスチャマッピング処理がされたモデルに対し、本発明の特殊なフォグ処理を適用する。レンダリング手段3044は、フォグ情報記憶レイヤ3052に記憶されているフォグ情報(ポリゴンごとのフォグの濃度及び色調)を参照し、モデルのテクスチャに対し変調を加えるレンダリング演算を実施する。すなわち、フォグ情報で定義された色を、フォグ情報で定義された濃度で、ポリゴンのテクスチャと混合する変調演算を実施する。この変調演算は、簡単なものでよく、例えば公知のフォグ効果のための演算処理を適用可能である。これらの処理により、各ポリゴンにおける表示画像としての実際の色彩が定められ、その画像データが生成される。レンダリング手段3044は、全てのポリゴンに対してレンダリング処理(シェーディング処理、テクスチャマッピング処理、フォグ処理)を実行して、フレーム画像データを生成する。そして、生成した画像データを出力画像記憶レイヤ3053に格納する。生成されたフレーム画像データによる表示画像は、ポリゴンのテクスチャが、フォグで設定した濃度及び色調の照明が照射されているかのような画像になっている。
(表示制御部306)
表示制御部306は、画像データ記憶部305の出力画像データ記憶レイヤ3053に記憶されているフレーム画像データを描画タイミングごとに読み出して演出表示装置40に転送する。この転送されたフレーム画像データに基づいて演出表示装置40は、表示領域にフレーム画像データに対応する画像を表示する。
(メイン制御基板における動作)
図6は、メイン制御基板50による制御を示すフローチャートである。
図6において、遊技者によってメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されると、制御部101は、スタートスイッチ41がオンになったことを検知し、役抽選部103は役の抽選処理を行う(ステップS101/YES、ステップS102)。一方、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されず、スタートスイッチ41がオンとなったことを検知できなかった場合は、制御部101は、スタートスイッチ41がオンとなったことを検知するまでステップS101の処理を繰り返し実行する。
ステップS102の役抽選処理においては、役抽選部103は、乱数を取得し、取得した乱数と抽選テーブルとを照らし合わせて役の抽選処理を行う。抽選の結果、何らかの役の当選があった場合、フラグ情報記憶部105内において当役のフラグをオンにさせる。役抽選部103による抽選結果は、当選役情報としてI/F回路54を介してサブ制御基板60に送信される(ステップS103)。
リール制御部106は、ストップスイッチ群42の何れか1個が操作されたか否かを判断する(ステップS104)。何れか1個のストップスイッチが操作されると(ステップS104/YES)、当選役が入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を停止させる(ステップS105)。
なお、ステップS102の役抽選処理において何れの役にも当選していなかった場合は(「ハズレ」に当選した場合)、リール制御部106は、ステップS105において何れの役にも当選しなかった場合に対応するリール制御を行う。
続いて、リール制御部106は、全てのストップスイッチが操作され、全リールが停止したか否かを判断する(ステップS106)。全リールが未だ停止していない場合には(ステップS106/NO)、ステップS104におけるストップスイッチ操作の有無の検出処理からの処理を繰り返す。
全てのリールが停止すると(ステップS106/YES)、入賞判定部107は、有効化された有効ライン上に並んでいる図柄の組合せに基づいて入賞の有無を判断する(ステップS107)。この結果、何らかの入賞がある場合には(ステップS107/YES)、入賞した役に対応する入賞処理が実行される(ステップS108)。
入賞役が「特別役」である場合、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間「特別遊技」を実行するための移行処理を遊技状態制御部108が行う。
一方、ステップS107において、何も入賞がないと判断された場合には(ステップS107/NO)、処理はステップS101に戻る。
続いて、遊技状態制御部108は、「特別遊技」中において、「特別役」であるビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームに応じた遊技状態を遊技者に提供するよう、リール制御部106に「特別遊技」中のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に「特別遊技」用の演出を行わせたりする。ビックボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームの規定回数の遊技を終えると、「通常遊技」に移行する処理を行う。
入賞役が「特別役」でない場合、フラグ情報記憶部105において特別役のフラグがオンの状態で記憶されていれば、フラグ情報記憶部105でのそのフラグの記憶状態は次の遊技に持ち越される。
また、入賞役が「リプレイ」である場合、入賞判定部107は、制御部101に対して当遊技でのベット(賭数)を次の遊技に持ち越させる。一方、入賞役が「特別役」でも「リプレイ」でもない場合には、払出制御部109が入賞役に応じた枚数のメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせる。
(サブ制御基板における動作)
次に、サブ制御基板60の動作について説明する。
図7は、サブ制御基板60による制御を示すフローチャートである。
図7において、まず、演出パターン選択部201は、メイン制御基板50のからの演出パターンを読み取り、演出制御部202に転送する(ステップS201)。次にステップS202に移行し、演出制御部202の画像制御部301は、描画タイミングになっているか否かを判定する。まだ描画タイミングでない場合(NO)、ステップS210に移行し、表示制御部306は、前回の描画タイミングにおけるフレーム画像データに基づく表示制御を続行する。
ここで、描画タイミングは、次回のフレーム画像データの更新処理に間に合う所定のタイミングであり、システムによって適宜定められるものである。なお、描画タイミングは、フレーム期間ごととする他、1以上のフレーム期間おきに設定してもよい。
ステップS202において描画タイミングとなった場合(YES)、画像制御部301は、ステップS203に移行し、本発明に係る照明処理フラグがオンになっているか否かを点検する。照明処理フラグがオンになっていない場合(NO)、すなわち本発明の照明処理を実施しない場合には、ステップS210における表示制御に移行する。
一方、ステップS203において、照明処理フラグがオンになっている場合(YES)、ステップS204に移行し、画像データ生成部304のモデル配置手段3041は、モデルデータ記憶部3031からモデルデータを読み取り、各ポリゴンの頂点座標にモデリング変換演算を実行して、ワールド座標系におけるポリゴン座標を決定していく。またモデル配置手段3041は、ワールド座標系で定義されたモデルの位置情報に対しビューイング変換演算を実行し、視点座標系で再定義する。さらにモデル配置手段3041は、視角や投影法が異なっても統一的な処理がしやすいように、視点座標系で定義されたモデルに正規化演算処理を実行し、正規化座標系での定義に変換する。決定したポリゴンの頂点座標は、配置情報記憶レイヤ3051に順次格納されていく。
次いでステップS205において、画像データ生成部304の濃度決定手段3042は、奥行き情報、すなわち配置情報記憶レイヤ3051に記憶された各ポリゴンの頂点座標のうちZ座標(Z値)を参照し、視点Cから各ポリゴンへの奥行きを把握する。そしてステップS206において、濃度決定手段3042は、奥行き情報に応じたフォグの濃度を決定する。フォグの濃度は、0〜100%の間で、奥行き情報(Z座標)の値に応じて定められる。決定されたフォグの濃度は、ポリゴンに対応させてフォグ情報記憶レイヤ3052に記憶される。
次いでステップS207に移行し、画像データ生成部304の色調変動手段3043は、照明処理のために予め設定されている経時的変化テーブルを参照し、当該描画タイミングにおけるフォグの色調を、ステップS206で決定したポリゴンごとのフォグの濃度に対応させて決定していく。この色調の経時的変化テーブルは、例えば、図11〜13で設定されたようなものである。テーブルを利用する代わりに、所定の変換式に基づいて色調を決定するようにしてもよい。例えば、色調の変化は、ゆっくりとした規則的な移り変わりでよいため、所定のサインカーブに係数を乗じたような演算式に基づいても色調を決定することができる。決定されたフォグの色調は、ポリゴンに対応させてフォグ情報記憶レイヤ3052に記憶される。
次いで、ステップS208に移行し、画像データ生成部304のレンダリング手段3044は、まず光源情報を読み出す。次いで、ステップS209において、レンダリング処理手段3044は、まず、正規化座標系に基づいて定義されたオブジェクトに対し、透視投影変換のための演算処理を実施し、投影面への投影像、すなわち、表示領域に対応した二次元座標で定義された配置情報を算出する。
そして、レンダリング手段3044は、特別のテクスチャがポリゴンに対して設けられていない場合には、光源情報に基づくモデルのシェーディング処理演算を実行する。また、特別のテクスチャがポリゴンに対して設けられている場合には、レンダリング手段3044は、ポリゴン単位でテクスチャデータ記憶部3032からテクスチャデータを読み出し、テクスチャマッピング処理演算を実行する。 次いで、レンダリング手段3044は、フォグ情報記憶レイヤ3052に記憶されている、フォグの濃度及び色調に基づいて、ポリゴンのテクスチャに対するフォグ処理演算を実施して画像データを生成する。次いでステップS210に移行し、レンダリング手段3044は、生成されたフレーム画像データを出力画像記憶レイヤ3053に出力する。
最後にステップS211において、表示制御部306は、出力画像記憶レイヤ3053に記憶されたフレーム画像データを演出表示装置40に出力する。
(本実施形態の利点)
本実施形態によれば、次のような利点がある。
(1)本実施形態によれば、ポリゴンごとにZ座標に応じてフォグの濃度が決定され、そのフォグの色調が経時的に変動するように制御される。フォグの濃度は、Z座標が大きくなればなるほど高くなるので、視点から見て奥に配置されるポリゴンほど、照明が強く当たるような画像が生成される。このような奥行き情報に応じたレンダリング処理は、比較的少ない処理手順で完了させることができるため、複雑な照明効果のためのレンダリング処理が不要である。このため、多数の照明が照射されているかのような照明効果を比較的簡単に実現可能である。
(2)本実施形態によれば、ポリゴンごとのフォグの色調が予め定めた色調の経時的変化テーブルに基づいて変更されているものあるため、一つのポリゴンに対して異なる色調の照明が次々照射されているかのような表現が得られる。隣接するポリゴンに対して所定のタイムラグで同じ色調のフォグによるレンダリング処理を実行すれば、その色調の照明がスポットライトのように順次移っていくような画像表示が可能となる。
(3)本実施形態によれば、複数の色調を同時に異なるポリゴンに適用可能に構成したので、色調の種類を多様にすればするほど、照明の数が多いかのように表現することが可能となる。
(変形例)
本発明は、上記に限定されることなく種々に変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、サーフェスモデルのモデル(ポリゴン)に対して、本発明の照明処理を適用したが、これに限定されない。例えば、スイープ、スキン、スケルトン、旋回、パーティクル、ブーリアン演算、ボーン、マッスル、メタボール等で定義されるモデルに対して本発明を適用することは可能である。モデリングの後におけるレンダリング時に、本発明に基づき設定したフォグを演算要素に加入させればよいからである。
また、上記実施形態では、遊技機のメイン制御基板における抽選結果とは切り離してフォグの色調を定めていたが、この抽選結果に応じてフォグの色調を変動させるように構成してもよい。この場合、メイン制御基板50から演出パターンとして、フォグの色調による演出を行う旨のコマンドをサブ制御基板60に転送するように構成する。サブ制御基板60では、この抽選結果に応じたフォグの色調制御が指定された場合に、予め定められた色調でフォグをレンダリングするように構成する。このように処理すれば、照明の色調によって抽選結果を予告することが可能となる。例えば、抽選結果に応じて大当たりを予告する場合に赤色のフォグでレンダリングするように制御すれば、照明の色調が赤色になった場合に抽選結果が大当たりになるとの期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
また、上記実施形態では、遊技機に本発明を適用したが、これに限定されず、この画像処理装置・方法に関するプログラムを実行する可能なコンピュータを備える装置一般に適用することが可能である。例えば、ゲーム装置やシミュレーション装置などに本発明を適用可能である。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の実施形態に係るスロットマシンの正面図 本発明の実施形態に係るスロットマシンのシステム構成を示すブロック図 メイン制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図 サブ制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図 演出制御部の詳細な機能ブロック図 メイン制御基板による制御を示すフローチャート 実施形態におけるサブ制御基板の照明処理を示すフローチャート 仮想三次元空間におけるモデル配置と表示領域との関係を説明する概略図 モデルの奥行きとフォグの濃度との関係を説明する概略図 ポリゴンと各頂点座標との関係図 フォグの色調の変動設定例であり、色相を変動させる場合の例 フォグの色調の変動設定例であり、彩度を変動させる場合の例 フォグの色調の変動設定例であり、RGBのレベル変化をさせる場合の例
符号の説明
10 スロットマシン
21 表示窓
31 リール
31L 左リール
31C 中リール
31R 右リール
40 演出表示装置
50 メイン制御基板
51 メインCPU
52、62 ROM
53、63 RAM
54、69 I/F回路
60 サブ制御基板
101 制御部
102 抽選テーブル
103 役抽選部
105 フラグ情報記憶部
106 リール制御部
107 入賞判定部
108 遊技状態制御部
201 演出パターン選択部
202 演出制御部
301 画像制御部
302 音制御部
3031 オブジェクトデータ記憶部
3032 テクスチャデータ記憶部
3033 光演出パターン記憶部
304 画像データ生成部
3041 モデル配置手段
3042 濃度決定手段
3043 色調変動手段
3044 レンダリング手段
305 画像データ記憶部
3051 配置情報記憶レイヤ
3052 フォグ情報記憶レイヤ
3053 出力画像記憶レイヤ
306 表示制御部

Claims (6)

  1. 仮想三次元空間に1以上のモデルを配置するモデル配置手段と、
    仮想三次元空間を二次元展開するための基準となる視点に対する前記モデルの奥行き情報に基づいて、前記モデルへのフォグの濃度を決定する濃度決定手段と、
    前記フォグの色調を経時的に変動させる色調変動手段と、
    決定された前記濃度、かつ、設定された前記色調を有するフォグで、前記モデルをレンダリングするレンダリング手段と、を備え
    前記色調変動手段は、同一時刻においては前記モデルごとに異なる色調となり、かつ、経時的には、第1のモデルに展開されていた色調が、前記仮想三次元空間で前記第1のモデルに隣接する第2のモデルに展開されるように前記色調を変動させる、
    画像生成装置。
  2. 前記モデルは、一つのオブジェクトを定義する多角形の各々であり、
    前記多角形を定義する頂点の奥行き情報に基づいて、前記多角形単位で前記フォグの濃度が決定される、
    請求項1に記載の画像生成装置。
  3. 前記奥行き情報の示す前記視点と前記モデルとの距離の大きさに応じて、前記モデルへのフォグの濃度が高くなるように決定される、請求項1または2に記載の画像生成装置。
  4. 抽選結果に応じて遊技の進行を変化させる遊技機であって、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像生成装置を備え、
    前記抽選結果に応じて前記フォグの色調を変動させること、
    を特徴とする遊技機。
  5. コンピュータに、
    仮想三次元空間に1以上のモデルを配置する機能と、
    仮想三次元空間を二次元展開するための基準となる視点に対する前記モデルの奥行き情報に基づいて、前記モデルへのフォグの濃度を決定する機能と、
    同一時刻においては前記モデルごとに異なる色調となり、かつ、経時的には、第1のモデルに展開されていた色調が、前記仮想三次元空間で前記第1のモデルに隣接する第2のモデルに展開されるように前記色調を変動させる機能と、
    決定された前記濃度、かつ、設定された前記色調を有するフォグで、前記モデルをレンダリングする機能と、
    を実行させるための画像生成プログラム。
  6. 請求項に記載の画像生成プログラムが記録された、機械読み取り可能な記録媒体。
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