JP4770894B2 - 電圧検出装置 - Google Patents
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Description
ここで、上記第1検出信号生成部により生成される上記第1検出信号は、入力オフセット電圧等の影響により、上記一対の検出入力ノードの電圧に依存しない一定の誤差を含んでいる。この誤差成分は、上記2通りの接続パターンにおいて生成される2つの第1検出信号においてほぼ等しい。そのため、当該2つの第1検出信号の差に応じて生成される上記第2検出信号においては、当該誤差成分がキャンセルされて、極めて微小になる。
他方、上記第1検出信号生成部では、上記一対の検出入力ノードの各々に入力される電圧が異なるゲインで増幅され、その増幅結果の和若しくは差に応じて上記第1検出信号が生成されることから、上記2通りのパターンにおいて生成される2つの上記第1検出信号の差をとっても、上記一対の検出入力ノードに入力される2つの電圧成分はキャンセルされず、当該2つの電圧成分の差に応じた成分が残る。従って、上記第2検出信号は、上記一対の電圧入力ノードの差に応じた信号となる。
そのため、上記第1の検査モードにおいて、上記一対の上記電圧入力ノードと上記一対の上記入力ノードとの接続関係が等しく、かつ、上記一対の上記電圧入力ノードと上記一対の上記入力ノードとの各接続経路に介在する上記入力抵抗が異なる2通りの接続パターンにおいて生成される2つの上記第1検出信号は、ほぼ等しくなる。上記判定部では、当該2つの第1検出信号の差に応じて、上記スイッチ部及び上記入力抵抗の異常の有無が判定される。
従って、上記第1の検査モードにおいて、上記スイッチ部が上記2通りのパターンの接続を行ったときに上記第2検出信号生成部により生成される2つの上記第2検出信号を比較することにより、上記入力抵抗や上記スイッチ部における異常の有無が判定される。
これにより、上記切り換え部における上記2通りの接続パターンの各々について、上記第1検査信号生成部の異常の有無が判定される。
これにより、上記参照電圧の変化に応じて上記基準値が更新される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電圧検出装置の構成の一例を示す図である。
図1に示す電圧検出装置は、直列接続された電池セルCEL1〜CELnの各セル電圧を検出する装置であり、電圧入力ノードNC0〜NCnと、スイッチ部10と、検出入力ノードNA,NBと、電圧検出部20と、アナログ・デジタル変換部30と、検出データ処理部40と、制御部50を有する。スイッチ部10は、スイッチSA0〜SAn及びSB0〜SBnを有する。
電圧入力ノードNC0〜NCnは、本発明における複数の電圧入力ノードの一実施形態である。
検出入力ノードNA,NBは、本発明における一対の検出入力ノードの一実施形態である。
スイッチ部10は、本発明におけるスイッチ部の一実施形態である。
電圧検出部20は、本発明における第1検出信号生成部の一実施形態である。
制御部50は、本発明における制御部の一実施形態である。
検出データ処理部40は、本発明における第2検出信号生成部の一実施形態である。
図2(A)に示すスイッチは、互いのソースが共通に接続されたn型のMOSトランジスタQn1及びQn2と、MOSトランジスタQn1及びQn2のソースとゲートの間に接続されたツェナーダイオード等の定電圧素子D1と、定電圧素子D1と並列に接続された抵抗R1と、MOSトランジスタQn1及びQn2のゲートに共通の駆動電流Ic1を供給する電流源(駆動回路)CM1とを有する。電流源CM1は、スイッチの両端子T1,T2の電位より十分に高い電位Vhから駆動電流Ic1を供給する。このn型MOSトランジスタQn1,Qn2は、ドレイン・エクステンデッド(Drain Extended)、ドレインのLOCOSオフセット(Offset)などと呼ばれる高耐圧用の構造を備える。
制御信号Scに応じて電流源CM1が駆動電流Ic1を発生すると、抵抗R1に電流が流れてMOSトランジスタQn1,Qn2のゲートとソースの間に電位差が発生する。この電位差を受けてMOSトランジスタQn1,Qn2がオンすることにより、スイッチが導通状態となる。MOSトランジスタQn1,Qn2のゲート−ソース電圧は、定電圧素子D1によって一定値に制限される。
図2(B)に示す電流源CM1は、接地電位GND側においてカレントミラー回路を構成するn型のMOSトランジスタQn3及びQn4と、スイッチの両端子T1,T2の電位より十分に高い電位Vh側においてカレントミラー回路を構成するp型のMOSトランジスタQp3及びQp4と、オフセット電流のオンオフを制御するためのn型のMOSトランジスタQn5とを有する。
MOSトランジスタQn3は、そのゲートとドレインが接続され、ソースが接地電位GNDに接続され、ドレインに基準電流Irefが入力される。MOSトランジスタQn4は、そのゲートがMOSトランジスタQn3のゲートに接続され、ソースが接地電位GNDに接続され、ドレインがMOSトランジスタQp3のドレインに接続される。MOSトランジスタQp3は、そのゲートとドレインが接続され、ソースが電位Vhに接続され、ドレインにMOSトランジスタQn4のドレイン電流が入力される。MOSトランジスタQp4は、そのゲートがMOSトランジスタQp3のゲートに接続され、ソースが電位Vhに接続され、ドレインから駆動電流Ic1を出力する。MOSトランジスタQn5は、MOSトランジスタQn3のゲートと接地電位GNDとの間に接続されており、ゲートに入力される制御信号Scに応じてオン又はオフする。
MOSトランジスタQn5がオフのとき、MOSトランジスタQn3に基準電流Irefが流れ、MOSトランジスタQn3と同じゲート電圧を入力するMOSトランジスタQn4にも基準電流Irefに比例した電流が流れる。MOSトランジスタQp3には、MOSトランジスタQn4と同じドレイン電流が流れる。MOSトランジスタQp3と同じゲート電圧を入力するMOSトランジスタQp4にも、MOSトランジスタQp3のドレイン電流に比例した電流が流れ、これが駆動電流Ic1として出力される。従って、電流源CM1は、基準電流Irefに比例した電流を高電位側からMOSトランジスタQn1,Qn2のゲートに流し込む。
MOSトランジスタQn5がオンすると、MOSトランジスタQn3,Qn4のゲートとソースが短絡され、トランジスタQn3,Qn4に電流が流れず、これによりMOSトランジスタQp3,Qp4の電流もゼロになる。従って、電流源CM1の駆動電流Ic1はゼロになる。
図3(A)に示すスイッチは、互いのソースが共通に接続されたp型のMOSトランジスタQp1及びQp2と、MOSトランジスタQp1及びQp2のソースとゲートの間に接続されたツェナーダイオード等の定電圧素子D2と、定電圧素子D2と並列に接続された抵抗R2と、MOSトランジスタQp1及びQp2のゲートに共通の駆動電流Ic2を供給する電流源(駆動回路)CM2とを有する。電流源CM2は、接地電位GNDへ引き込む方向に流れる駆動電流Ic2を発生する。このp型MOSトランジスタQp1,Qp2は、ドレイン・エクステンデッド(Drain Extended)、ドレインのLOCOSオフセット(Offset)などと呼ばれる高耐圧用の構造を備える。
図3(B)に示す電流源CM2は、図2(B)に示す電流源CM1において高電位側のカレントミラー回路(MOSトランジスタQp3,Qp4)を省略したものであり、MOSトランジスタQn4のドレイン電流が駆動電流Ic2となる。
以上が、スイッチ部10の説明である。
電圧検出部20は、検出入力ノードNA,NBに入力される電圧の差に応じた電圧検出信号S20を生成する。
図4に示す電圧検出部20は、入力抵抗Rs1,Rs2と信号生成部201を有する。
信号生成部201は、本発明における信号生成部の一実施形態である。
入力抵抗Rs1,Rs3は、本発明における入力抵抗の一実施形態である。
演算増幅回路A1は、本発明における第1増幅部の一実施形態である。
演算増幅回路A2は、本発明における第2増幅部の一実施形態である。
抵抗Rf1は、本発明における第1抵抗の一実施形態である。
抵抗Rf2は、本発明における第2抵抗の一実施形態である。
抵抗Rs2は、本発明における第3抵抗の一実施形態である。
抵抗Rf1,Rs2,Rf2は、それぞれ、抵抗値rf1,rs2,rf2を有する。
演算増幅回路A1は、入力ノードPAを基準電圧Vmに保つように出力ノードに電圧を発生する。入力ノードPAに電流Inaが入力されると、演算増幅回路A1は基準電位Vmに対して「−rf1×Ina」の電圧を出力ノードに発生する。他方、演算増幅回路A2も、入力ノードPBを基準電圧Vmに保つように出力ノードに電圧を発生する。入力ノードPBが基準電圧Vmに保たれているため、抵抗Rs2には電位差「−rf1×Ina」が加わる。したがって、抵抗Rs2には電流「−(rf1/rs2)×Ina」が流れる。この電流と、検出入力ノードNBに入力される電流Inbとが合成されて、抵抗Rf2に流れる。
すなわち、電流Inaと電流Inbは「−(rf1/rs2):1」の割合で合成され、その合成電流Isが抵抗Rf2に流れる。
演算増幅回路A2は、基準電位Vmに対して「−Is×rf2」の電圧を発生し、電圧検出信号S20として出力する。
アナログ・デジタル変換部30は、電圧検出部20から出力される電圧検出信号S20を所定ビット長のデジタルデータに変換する。
制御部50は、各電池セル(CEL1〜CELn)から順次に一の電池セルを選択し、選択した電池セルの正負の電極に接続される一対の電圧入力ノードと検出入力ノードNA,NBとを2通りのパターン(順接続,逆接続)で接続する。
ここで、電圧検出部20により生成される電圧検出信号S20には、入力オフセット電圧等の影響により、検出入力ノードNA,NBの電圧に依存しない一定の誤差が生じている。この誤差成分は、2通りの接続パターン(順接続,逆接続)で生成される2つの電圧検出信号S20においてほぼ等しい。そのため、この2つの電圧検出信号S20の差をとることにより、電圧検出データS40においては当該誤差成分がキャンセルされている。
他方、電圧検出部20では、検出入力ノードNA,NBの各々に入力される電圧がそれぞれ異なるゲインで増幅され、その増幅結果の和若しくは差に応じて電圧検出信S20が生成されることから、2通りのパターン(順接続,逆接続)において生成される2つの電圧検出信号S20の差をとっても、検出入力ノードNA,NBに入力される2つの電圧成分はキャンセルされず、当該2つの電圧成分の差に応じた成分が残る。従って、電圧検出データS40は、電圧入力ノードNCk,NCk−1の差に応じた値を持つ。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る電圧検出装置は、スイッチ部と入力抵抗の検査に関する動作モードを備える。
図6に示す電圧検出装置は、図1に示す電圧検出装置における電圧検出部20を電圧検出部21に置換し、制御部50を制御部51に置換するとともに、更に判定部60を設けたものである。図1と図6におけるその他の同一符号は同一の構成要素を示す。
判定部60は、本発明における第1判定部の一実施形態である。
図7に示す電圧検出部21は、図4に示す電圧検出部20と同様の構成に加えて、入力ノードPA,PBと入力抵抗Rs1,Rs3との接続を切り換える切り換え部202を有する。切り換え部202は、例えば図7に示すように、4つのスイッチSP1〜SP4を備える。スイッチSP1は入力抵抗Rs1と入力ノードPAとの接続をオンオフし、スイッチSP2は入力抵抗Rs1と入力ノードPBとの接続をオンオフし、スイッチSP3は入力抵抗Rs3と入力ノードPAとの接続をオンオフし、スイッチSP4は入力抵抗Rs3と入力ノードPBとの接続をオンオフする。
n型MOSトランジスタは、電圧入力ノードNC0〜NCnに印加される電圧に対して適当なドレイン耐圧を有する。これらn型MOSトランジスタは、ドレイン・エクステンデッド(Drain Extended)、ドレインのLOCOSオフセット(Offset)などと呼ばれる高耐圧用の構造を備えるものを用いてよい。入力ノードPA,PBは信号生成部201によって基準電位Vmに保たれているので、n型MOSトランジスタのゲートに供給する駆動信号のレベルは、例えば検出データ処理部40のロジック・レベルと同じでよい。
この第1の検査モードにおいて、検出データ処理部40は、スイッチ部10による接続を同一に維持した状態で切り換え部202が2通りのパターンの接続を行ったときに電圧検出部20により生成される2つの電圧検出信号S20のデジタルデータS30の差に応じて、通常の動作モード時と同様に電圧検査データS40を生成する。
まず通常の動作モードにおいて、制御部51は、切り換え部202による入力抵抗Rs1,Rs3と入力ノードPA,PBとの接続を一定に固定した状態で、スイッチ部10を先述した制御部50と同様に制御する。
制御部51は、例えば図9に示すように、入力抵抗Rs1と入力ノードPAが接続され、かつ、入力抵抗Rs3と入力ノードPBが接続されるように、切り換え部202を制御する。制御部51は、この接続状態を維持しながら、電圧入力ノードNC0〜NCnから選択した2つの電圧入力ノードと検出入力ノードNA,NBとを2通りのパターン(順接続,逆接続)で接続するようにスイッチ部10を制御する(図9(A),図9(B))。検出データ処理部S40は、2通りの接続パターンにおいて生成される2つの電圧検出信号S20の差に応じた電圧検出データS40を生成する。
図10は、電圧入力ノードNCk,NCk−1と検出入力ノードNA,NBとを順接続にした場合における、検出入力ノードNA,NBと入力ノードPA,PBとの2通りの接続パターンを示す。
図11は、電圧入力ノードNCk,NCk−1と検出入力ノードNA,NBとを逆接続にした場合における、検出入力ノードNA,NBと入力ノードPA,PBとの2通りの接続パターンを示す。
図10(B)の接続パターンにおいて、制御部51は、スイッチ部10のスイッチSAk及びSBk−1をオンさせるとともに他のスイッチをオフさせ、切り換え部202のスイッチSP2及びSP3をオンさせるとともに他のスイッチをオフさせる。
図11(A)の接続パターンにおいて、制御部51は、スイッチ部10のスイッチSBk及びSAk−1をオンさせるとともに他のスイッチをオフさせ、切り換え部202のスイッチSP1及びSP4をオンさせるとともに他のスイッチをオフさせる。
図11(B)の接続パターンにおいて、制御部51は、スイッチ部10のスイッチSBk及びSAk−1をオンさせるとともに他のスイッチをオフさせ、切り換え部202のスイッチSP2及びSP3をオンさせるとともに他のスイッチをオフさせる。
判定部60は、この式(6)、(9)に対応する「Xdif_P」及び「Xdif_N」の和を演算する。
ここで、正常な状態において、入力抵抗Rs1,Rs3の抵抗値「rs1」,「rs3」がほぼ等しく、かつ、スイッチSP1〜SP4のオン抵抗値「rw1」〜「rw4」が「rs1」,「rs3」に比べて十分小さいものとする。この場合、式(6)における右辺第1項が式(9)における右辺第2項によりキャンセルされるとともに、式(6)における右辺第2項が式(9)における右辺第1項によりキャンセルされる。そのため、「Xdif_P」及び「Xdif_N」の和の絶対値「E1」は、下記の式(14)に示すように、ほぼゼロになる。
そのため、第1の検査モードにおいてスイッチ部10による接続を順接続に維持しつつ切り換え部201を2通りのパターンで接続することにより得られる電圧検出データS40(Xdiff_P)と、スイッチ部10による接続を逆接続に維持しつつ切り換え部201を2通りのパターンで接続することにより得られる電圧検出データS40(Xdif_N)との関係は、通常の動作モードにおいて大きさが等しく極性が逆の電圧を検出した場合に得られる2つの電圧検出データS40の関係と等価になる。この関係は、入力抵抗Rs1,Rs3の少なくとも一方に異常が生じている場合や、スイッチ部10に異常が生じている場合には、成立しない。
従って、第1の検査モードにおいて、スイッチ部10が2通りのパターンの接続(順接続及び逆接続)を行ったときに検出データ処理部40により生成される2つの電圧検出データS40を比較することにより、入力抵抗Rs1,Rs3やスイッチ部10における異常の有無を判定できる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る電圧検出装置は、電圧検出部の検査に関する動作モードを備える。
検査用ノードNV0,NV1は、本発明における一対の検査用ノードの一実施形態である。
判定部70は、本発明における第2判定部の一実施形態である。
すなわち、制御部52は、切り換え部202によって検出入力ノードNAと入力ノードPAを接続するとともに検出入力ノードNBと入力ノードPBを接続し、この状態で、検査用ノードNV0,NV1と検出入力ノードNA,NBを2通りのパターン(順接続,逆接続)で接続する。このとき検出データ処理部40は、切り換え部202による接続を同一に維持した状態でスイッチ部11による当該2つのパターンの接続を行ったときに生成される2つの電圧検出信号S20のデジタルデータS30の差に応じて、電圧検出データS40を生成する。
また、制御部52は、切り換え部202によって上記と逆の接続を行い(検出入力ノードNAと入力ノードPBを接続するとともに検出入力ノードNBと入力ノードPAを接続する)、この状態で、検査用ノードNV0,NV1と検出入力ノードNA,NBを2通りのパターン(順接続,逆接続)で接続する。このとき検出データ処理部40は、切り換え部202による接続を同一に維持した状態でスイッチ部11による当該2つのパターンの接続を行ったときに生成される2つの電圧検出信号S20のデジタルデータS30の差に応じて、電圧検出データS40を生成する。
この接続状態で、検査用ノードNV0,NV1と検出入力ノードNA,NBとを極性が異なる2通りのパターン(順接続,逆接続)で接続し、その2通りのパターンにおいて生成される電圧検出信号S20の差に応じて得られる電圧検出データS40を「Xvrf1」とすると、「Xvrf1」は次式のように表わされる。
この「Xvrf1」を式(16)の電圧ゲイン「G1」で除したものと基準電圧Vrefとの差をとり、その差の絶対値を誤差「E2_1」とすると、「E2_1」は次式のように表される。
従って、判定部70は、誤差「E2_1」を所定の基準値と比較し、誤差「E2_1」が基準値より大きい場合、電圧検出部21に異常があると判定する。
従って、判定部70は、誤差「E2_2」を所定の基準値と比較し、誤差「E2_2」が基準値より大きい場合、電圧検出部21に異常があると判定する。
本実施形態によれば、電圧検出部21に異常があるかどうかを製品の出荷後においても随時検査することができるため、電圧検出結果の信頼性を向上できる。また、電圧検出結果に基づいて電池セルの過電圧を判定する場合には、その判定の信頼性が向上するので、電池セルが組み込まれた機器の信頼性・安全性を高めることができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図13に示す電圧検出装置は、電圧入力ノードNC0〜NCnと、スイッチ部11−1及び11−2と、検出入力ノードNA1,NB1,NA2,NB2と、電圧検出部21−1及び21−2と、アナログ・デジタル変換部30と、検出データ処理部40と、制御部53と、選択部80を有する。ただし、図13と図6の同一符号は同一の構成要素を示す。
スイッチ部11−1,検出入力ノードNA1,NB1及び電圧検出部21−1を含むユニット、並びに、スイッチ部11−2,検出入力ノードNA2,NB2及び電圧検出部21−2を含むユニットは、それぞれ本発明における検出モジュールの一実施形態である。
選択部80は、本発明のおける選択部の一実施形態である。
すなわち、制御部53は、電圧入力ノードNC0〜NCqから2つの電圧入力ノードを選択し、当該選択した2つの電圧入力ノードと検出入力ノードNA1,NB1とを極性が異なる2通りのパターン(順接続,逆接続)で接続するようにスイッチ部11−1を制御する。同様に、制御部53は、電圧入力ノードNCq〜NCnから2つの電圧入力ノードを選択し、当該選択した2つの電圧入力ノードと検出入力ノードNA2,NB2とを極性が異なる2通りのパターン(順接続,逆接続)で接続するようにスイッチ部11−2を制御する。
この場合、制御部53は、各電池セル(CEL1〜CELn)の電圧検出信号(S20−1,S20−2)がアナログ・デジタル変換部30においてデジタルデータS30へ変換されるように、選択部80における電圧検出信号の選択を制御する。
制御部53は、選択部80によって電圧検出信号S20−1又はS20−2の一方を選択する。電圧検出信号S20−1を選択した場合、制御部53は、電池セルCEL1〜CELpから順次に一の電池セルを選択し、選択した電池セルの正負の電極に接続される一対の電圧入力ノードと検出入力ノードNA1,NB1とを2通りのパターン(順接続,逆接続)で接続する。他方、電圧検出信号S20−2を選択した場合、制御部53は、電池セルCELp+1〜CELnから順次に一の電池セルを選択し、選択した電池セルの正負の電極に接続される一対の電圧入力ノードと検出入力ノードNA2,NB2とを2通りのパターン(順接続,逆接続)で接続する。
検出データ処理部40は、制御部53の制御によって一の電池セルが選択される度に、2通りの接続パターンで生成される電圧検出信号S20−1のデジタルデータS30をそれぞれ取得し、取得したデジタルデータS30の差を当該電池セルの電圧検出データS40として算出する。
例えば、一対の電圧入力ノードについて一の電圧検出信号(S20−1,S20−2)若しくは一の電圧検出データS40を生成する度に、選択部80が検出モジュールを切り換えるようにする。そして、選択部80による切り換えを行う前に、切り換え先となるべき次の検出モジュールにおいて一対の電圧入力ノードと一対の検出入力ノードとの接続が完了しているように、制御部53が当該検出モジュールのスイッチ部(11−1,11−2)を制御する。すなわち、選択部80によって次の検出モジュールに切り換える前に、当該検出モジュールにおいてスイッチ部(11−1,11−2)の切り換えを完了し、電圧検出部(21−1,21−2)による電圧検出信号(S20−1,S20−2)の生成の開始時刻を早める。これにより、電圧検出部(21−1,21−2)における電圧検出信号(S20−1,S20−2)の立ち上がりが早まり、アナログ・デジタル変換部30において入力信号(S20)の安定化のために設けられる変換待ち時間を短縮できるため、電圧検出データS40の取得に要する時間を短くできる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図15は、第5の実施形態に係る電圧検出装置の構成の一例を示す図である。
図15に示す電圧検出装置は、電圧入力ノードNC0〜NCnと、検出モジュールM1〜Mnと、選択部81と、アナログ・デジタル変換部30と、検出データ処理部40と、制御部54と、判定部60を有する。ただし、図6と図15の同一符号は同一の構成要素を示す。
検出モジュールM1〜Mnは、それぞれ本発明における検出モジュールの一実施形態である。
選択部81は、本発明のおける選択部の一実施形態である。
また制御部54は、第1の検査モードにおいて、図6に示す電圧検出装置おける制御部51と同様に、検出モジュールM1〜Mnのスイッチ部13及び切り換え部202を制御する。これにより、検出モジュールM1〜Mnは、判定部60における判定に必要な電圧検出信号SM1〜SMnを生成する。
また、複数の検出モジュールを備えることによって、図13に示す電圧検出装置と同様な方法により、電圧検出時間の短縮を図ることも可能である。
図13に示す電圧検出装置では、例えば、低電位側に接続されるスイッチ部11−1には図2(A)に示すスイッチを使用し、高電位側に接続されるスイッチ部11−2には図2(B)に示すスイッチを使用してもよい。
例えば、判定部60は、この2通り接続パターンにおいて生成される2つの電圧検出信号S20の差に基づいて(|(X1_P)−(X2_N)|、|(X2_P)−(X1_N)|)、上記の判定を行ってもよい。
そのため、第1の検査モードにおいて、一対の上記電圧入力ノード(Nck,Nck−1)と一対の上記入力ノード(PA,PB)との接続関係が等しく、一対の電圧入力ノード(Nck,Nck−1)と一対の入力ノード(PA,PB)との各接続経路に介在する入力抵抗が異なる2通りの接続パターン(図10(A)と図11(B)、図10(B)と図11(A))において生成される2つの電圧検出信号S20(「X1_P」と「X2_N」、「X2_P」と「X1_N」)は、正常な状態においてほぼ等しくなる。従って、判定部60は、当該2つの電圧検出信号S20の差(「X1_P」と「X2_N」の差、「X2_P」と「X1_N」の差)を所定の基準値と比較し、この差が基準値を超える場合、スイッチ部10若しくは入力抵抗Rs1,Rs3において異常が発生していると判定することができる。
例えば、判定部60は、「|(X1_P)−(X2_N)|」又は「|(X2_P)−(X1_N)|」の何れか一方と所定の基準値との比較結果に基づいて判定を行ってもよいし、「|(X1_P)−(X2_N)|」及び「|(X2_P)−(X1_N)|」のそれぞれと所定の基準値との比較結果に基づいて判定を行ってもよい。
Claims (13)
- 複数の電圧入力ノードと、
一対の検出入力ノードと、
上記複数の電圧入力ノードと上記一対の検出入力ノードとの接続をオン又はオフする複数のスイッチを備えたスイッチ部と、
上記一対の検出入力ノードの各々に入力される電圧をそれぞれ異なるゲインで増幅し、当該増幅結果の和若しくは差に応じた第1検出信号を生成する第1検出信号生成部と、
上記複数の電圧入力ノードから一対の電圧入力ノードを選択し、当該選択した一対の電圧入力ノードと上記一対の検出入力ノードとを極性が異なる2通りのパターンで接続するように上記スイッチ部を制御する制御部と、
上記2通りの接続パターンにおいて上記第1検出信号生成部により生成される2つの上記第1検出信号の差に応じた第2検出信号を生成する第2検出信号生成部と、
を有し、
上記スイッチ部の各スイッチが、互いにソースが接続されて直列接続され、上記電圧入力ノードと上記検出入力ノードとを接続するための同一導電型の2つのMOSトランジスタと、上記2つのトランジスタのゲートとソースとの間に接続された定電圧素子と、上記2つのトランジスタのゲートとソースとの間に接続された抵抗素子と、上記2つのトランジスタのゲートに共通の駆動電流を供給する駆動回路とを有し、
上記駆動回路が、上記駆動電流を供給するためのカレントミラー回路と、上記カレントミラー回路のオン/オフを制御するための制御トランジスタとを有する、
電圧検出装置。 - 上記第1検出信号生成部が、
一対の入力ノードをそれぞれ基準電位に保つとともに、当該一対の入力ノードに入力される電流の和若しくは差に応じた上記第1検出信号を生成する信号生成部と、
上記信号生成部の上記一対の入力ノードと選択された一対の上記電圧入力ノードとを一対一に接続する2つの入力抵抗と、
を有する、
請求項1に記載の電圧検出装置。 - 複数の電圧入力ノードと、
一対の検出入力ノードと、
上記複数の電圧入力ノードと上記一対の検出入力ノードとの接続をオン又はオフする複数のスイッチを備えたスイッチ部と、
上記一対の検出入力ノードの各々に入力される電圧をそれぞれ異なるゲインで増幅し、当該増幅結果の和若しくは差に応じた第1検出信号を生成する第1検出信号生成部であって、一対の入力ノードをそれぞれ基準電位に保つとともに、当該一対の入力ノードに入力される電流の和若しくは差に応じた上記第1検出信号を生成する信号生成部と、上記信号生成部の上記一対の入力ノードと上記一対の検出入力ノードとを一対一に接続する2つの入力抵抗とを有する、上記第1検出信号生成部と、
上記複数の電圧入力ノードから一対の電圧入力ノードを選択し、当該選択した一対の電圧入力ノードと上記一対の検出入力ノードとを極性が異なる2通りのパターンで接続するように上記スイッチ部を制御する制御部と、
上記2通りの接続パターンにおいて上記第1検出信号生成部により生成される2つの上記第1検出信号の差に応じた第2検出信号を生成する第2検出信号生成部と、
上記信号生成部の上記一対の入力ノードと上記2つの入力抵抗との接続を切り換える切り換え部と、
上記スイッチ部及び上記入力抵抗の異常の有無を判定する第1判定部と、
を有し、
上記2つの入力抵抗は同等な抵抗値を持ち、
上記制御部は、第1の検査モードにおいて、上記複数の電圧入力ノードから一対の電圧入力ノードを選択し、当該選択した一対の電圧入力ノードと上記一対の検出入力ノードとを極性が異なる2通りのパターンで接続するように上記スイッチ部を制御するとともに、当該2通りのパターンの各々において、上記信号生成部の上記一対の入力ノードと上記2つの入力抵抗とを極性の異なる2通りのパターンで接続するように上記切り換え部を制御し、
上記第1判定部は、上記第1の検査モードにおいて、上記一対の上記電圧入力ノードと上記一対の上記入力ノードとの接続関係が等しく、かつ、上記一対の上記電圧入力ノードと上記一対の上記入力ノードとの各接続経路に介在する上記入力抵抗が異なる2通りの接続パターンにおいて生成される2つの上記第1検出信号の差に基づいて上記判定を行う、
電圧検出装置。 - 上記第2検出信号生成部は、上記第1の検査モードにおいて、上記スイッチ部による接続を同一に維持した状態で上記切り換え部が上記2通りのパターンの接続を行ったときに上記第1検出信号生成部により生成される2つの上記第1検出信号の差に応じて上記第2検出信号を生成し、
上記第1判定部は、上記第1の検査モードにおいて、上記スイッチ部が上記2通りのパターンの接続を行ったときに上記第2検出信号生成部により生成される2つの上記第2検出信号に基づいて上記判定を行う、
請求項3に記載の電圧検出装置。 - 上記複数の電圧入力ノードは、参照電圧を入力する一対の検査用ノードを含んでおり、
上記制御部は、第2の検査モードにおいて、上記一対の検査用ノードと上記一対の検出入力ノードとを極性が異なる2通りのパターンで接続するように上記スイッチ部を制御し、
上記第2の検査モードにおいて生成される上記第2検出信号と上記参照電圧に応じて設定される基準値とを比較し、当該比較結果の差に基づいて上記第1検査信号生成部の異常の有無を判定する第2判定部を有する、
請求項3又は4に記載の電圧検出装置。 - 上記第2検出信号生成部は、上記第2の検査モードにおいて、上記切り換え部による接続を同一に維持した状態で上記スイッチ部が上記2通りのパターンの接続を行ったときに上記第1検出信号生成部により生成される2つの上記第1検出信号の差に応じて上記第2検出信号を生成し、
上記判定部は、上記第2の検査モードにおいて、上記切り換え部が極性の異なる2通りのパターンの接続を行ったときに上記第2検出信号生成部により生成される2つの上記第2検出信号それぞれと上記基準値との比較結果に基づいて、上記第1検査信号生成部の異常の有無を判定する、
請求項5に記載の電圧検出装置。 - 上記第1検出信号並びに上記参照電圧をデジタルデータに変換するアナログ・デジタル変換部を有し、
上記第2判定部は、上記第2の検査モードにおいて、上記第1検出信号生成部で生成される2つの上記第1検出信号を上記アナログ・デジタル変換部で変換した2つのデジタルデータに応じて生成される上記第2検出信号と、上記参照電圧を上記アナログ・デジタル変換部で変換したデジタルデータに応じて設定される上記基準値との比較結果に基づいて、上記第1検査信号生成部の異常の有無を判定する、
請求項5又は6に記載の電圧検出装置。 - 上記信号生成部は、
上記一対の入力ノードにおける一方の入力ノードの電圧と上記基準電圧との差を増幅する第1増幅部と、
上記第1増幅部の出力ノードと上記一方の入力ノードとを接続する第1抵抗と、
上記一対の入力ノードにおける他方の入力ノードの電圧と上記基準電圧との差を増幅する第2増幅部と、
上記第2増幅部の出力ノードと上記他方の入力ノードとを接続する第2抵抗と、
上記第1増幅部の出力ノードと上記他方の入力ノードとを接続する第3抵抗と、
を有する、
請求項3乃至7の何れか一つに記載の電圧検出装置。 - 上記スイッチ部の各スイッチは、
直列に接続された同一導電型の2つのトランジスタと、
上記2つのトランジスタの制御端子と中間接続ノードとの間に接続された定電圧素子と、
上記2つのトランジスタの制御端子に共通の駆動電流を供給する駆動回路と、
を有する、
請求項3乃至8の何れか一つに記載の電圧検出装置。 - 上記スイッチ部、上記一対の検出入力ノード及び上記第1検出信号生成部をそれぞれ含んだ複数の検出モジュールと、
上記複数の検出モジュールから一つの検出モジュールを選択し、当該選択した検出モジュールの上記第1検出信号生成部において生成される上記第1検出信号を上記第2検出信号生成部に入力する選択部と、
を有する、
請求項3乃至9の何れか一つに記載の電圧検出装置。 - 直列接続される複数の電池の各接続ノードにそれぞれ接続される複数の電圧入力ノードと、
上記複数の電圧入力ノードの中から選択される2つの電圧入力ノードと第1及び第2のノードとをそれぞれ選択的に接続するための第1のスイッチ回路と、
上記第1及び第2のノードと第3及び第4のノードとをそれぞれ選択的に接続するための第2のスイッチ回路と、
上記複数の電圧入力ノードと上記第3及び第4のノードとの間に形成される複数の電流路にそれぞれ設けられる複数の入力抵抗と、
上記第3及び第4のノードに接続され、上記第3及び第4のノードに現れる電圧差を検出するための電圧検出回路と、
を含み、
上記電圧検出回路が、
上記第3のノードに負側入力端子が接続され、電圧供給端子に正側入力端子が接続される第1の演算増幅器と、
上記第4のノードに負側入力端子が接続され、上記電圧供給端子に正側入力端子が接続される第2の演算増幅器と、
上記第1の演算増幅器の出力端子と負側入力端子との間に接続される第1の抵抗と、
上記第2の演算増幅器の出力端子と負側入力端子との間に接続される第2の抵抗と、
上記第1の演算増幅器の出力端子と上記第2の演算増幅器の負側入力端子との間に接続される第3の抵抗と、
を有し、
上記複数の電圧入力ノードの中から選択された2つの電圧入力ノードの一方と上記第1のノードとが接続され、上記選択された2つの電圧入力ノードの他方と上記第2のノードとが接続される第1の状態において、
上記第1のノードと上記第3のノードとが接続され、上記第2のノードと上記第4のノードとが接続されるときに、上記電圧検出回路が第1の検出電圧を出力し、
上記第1のノードと上記第4のノードとが接続され、上記第2のノードと上記第3のノードとが接続されたときに、上記電圧検出回路が第2の検出電圧を出力し、
上記第1の検出電圧と上記第2の検出電圧との差である第1の差電圧を生成し、
上記選択された2つの電圧入力ノードの一方と上記第2のノードとが接続され、上記選択された2つの電圧入力ノードの他方と上記第1のノードとが接続される第2の状態において、
上記第1のノードと上記第3のノードとが接続され、上記第2のノードと上記第4のノードとが接続されるときに、上記電圧検出回路が第3の検出電圧を出力し、
上記第1のノードと上記第4のノードとが接続され、上記第2のノードと上記第3のノードとが接続されたときに、上記電圧検出回路が第4の検出電圧を出力し、
上記第3の検出電圧と上記第4の検出電圧との差である第2の差電圧を生成し、
上記第1及び第2の差電圧に基づいて上記第1のスイッチ回路の検査を行なう、
電圧検出装置。 - 上記第1のスイッチ回路に含まれる各スイッチが、ソース及びゲートが互いに接続される第1及び第2のMOSトランジスタと、
上記第1及び第2のMOSトランジスタのゲートとソースとの間に接続される抵抗素子と、
上記抵抗素子に並列に接続される定電圧素子と、
上記第1及び第2のMOSトランジスタのゲートに定電流を供給する定電流回路と、
を有し、
上記定電流回路が上記ゲートに定電流を供給することにより、上記スイッチが導通状態となる、
請求項11に記載の電圧検出装置。 - 第1及び第2の検査用ノードと、
上記第1及び第2の検査用ノード間に所定の電圧を印加する電圧供給回路と、
上記第1及び第2の検査用ノードと上記第1及び第2のノードとを選択的に接続するための第3のスイッチ回路と、
を更に含み、
上記第1及び第2の検査用ノードと上記第1及び第2のノードとの接続関係を切り替えることにより上記電圧検出回路を用いて検出した第1の電圧値と、上記所定の電圧に基づいた基準値とを比較して上記電圧検出回路の検査を行なう、
請求項11又は12に記載の電圧検出装置。
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