JP4770179B2 - 新規なトリフェニルメタン誘導体、それを含有する有機ゲル化剤、有機ゲルおよび有機ファイバー - Google Patents

新規なトリフェニルメタン誘導体、それを含有する有機ゲル化剤、有機ゲルおよび有機ファイバー Download PDF

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本発明は、新規なトリフェニルメタン誘導体、それを含有してなる有機ゲル化剤、有機ゲル及び有機ファイバーに関する。該トリフェニルメタン誘導体は種々の有機溶媒を加温下でゲル化させる能力があり、また、有機ナノファイバーを容易に得ることができるものである。
ゲルとは、コロイド溶液中のコロイド粒子がある条件の下で凝結粒子となって網目組織を構成し、その中に液体を包み込み流動性を失った状態またはそのような状態にある物質であり、ゲルの構成成分である溶媒が、水か有機溶媒かにより、ヒドロゲルと有機ゲルに分類される。
有機ゲルは、構成成分として水より高沸点の有機溶媒を用いることにより、高温で使用可能な衝撃・振動吸収材料、医薬品除放性付与材料、有機物の液体の回収剤、電解液の固体化、化粧品用シリコンオイルゲル、更に得られた有機ナノファイバーをテンプレートとして用いて作製される金属ナノワイヤー等の電子デバイス用配線材料、ナノスケールの物質の分離膜、高効率な光触媒、ナノファイバーからなる不織布(ナノファブリック)を利用した再生医療用培地やバイオ・ケミカルハザード防止用フィルターなどとして、ヒドロゲルでは達成困難な用途に用いることができる。
有機ゲルの調製は、ヒドロゲルの調製に比して一般に困難であり、したがって調製例も少ない。例えば非特許文献1に、ポリ(ベンジルグルタメート)とジオキサンから構成される有機ゲルの調製法が記載されているが、ゲル化には70℃で10〜20日といった高温と長時間を要している。
また、特許文献1には、ニトロ基を有する芳香族ジカルボン酸から構成されるポリアミドと塩化鉄等の金属塩を用いる有機ゲル化剤が記載されているが、まずゲル化剤を溶媒に均一に溶解した後凝集剤としての金属塩を添加するといった二段の操作が必要であり、金属塩による着色、容器や器具の腐食といった問題も生じてくる。
更に、特許文献2には、シクロヘキサン誘導体からなる有機ゲル化剤が記載されているが、最小ゲル化濃度が15g/L以上であり、ゲル化能として十分なものとはいえない。
特開平9−95611号公報 特開2003−64047号公報 Macromolecule、23巻、3779頁(1990年)
本発明の目的は、金属塩などの第二成分(凝集剤)を添加する必要がなく、有機溶媒と共に加熱し室温に放置するだけでゲル化することができ、高いゲル化能を有する有機ゲル化剤と、該有機ゲル化剤からなる有機ゲルおよび有機ファイバーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果,新規構造の強固な水素結合形成能と尿素結合を有するトリフェニルメタン誘導体がゲル化剤として優れた性能を示し,これより得られたゲルから数十ナノメートルの有機繊維が簡易な方法で製造できることを見出し,本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[9]に記載のトリフェニルメタン誘導体、有機ゲル化剤、有機ゲルおよび有機ファイバーを提供するものである。
[1]一般式(1)で示されるトリフェニルメタン誘導体。
(式中,Rは炭素数1〜20の直鎖又は分岐状アルキル基、Rは炭素数2〜10の直鎖又は分岐状アルキレン基、XはNH、NR,O又は単結合、nは0〜10の整数を示す。但し、複数個のR、R、X、nは、各々同一でも異なっていても良い。)
[2] 一般式(1)においてnが0又は1である[1]のトリフェニルメタン誘導体。
[3] 一般式(2)で示される[2]のトリフェニルメタン誘導体。
(式中、Rは一般式(1)と同様である。)
[4] Rが炭素数1〜5の直鎖又は分岐状アルキル基である[3]のトリフェニルメタン誘導体。
[5] Rが炭素数6〜10の直鎖又は分岐状アルキル基である[3]のトリフェニルメタン誘導体。
[6] Rが炭素数11〜20の直鎖又は分岐状アルキル基である[3]のトリフェニルメタン誘導体。
[7] [1]〜[6]のいずれかのトリフェニルメタン誘導体を含有する有機ゲル化剤。
[8] [7]の有機ゲル化剤と有機溶媒を含有する有機ゲル。
[9] [8]の有機ゲルからなり、直径500nm以下であることを特徴とする有機ファイバー。
本発明のトリフェニルメタン誘導体は、低分子化合物でありながら、トルエン、デカリン、1,1,2,2−テトラクロロエタン,2−プロパノール,プロピレンカーボネートなどの有機溶媒に対し比較的少量でゲル化能を示す。得られた有機ゲルは、高温で使用可能なケモメカニカルシステム材料、衝撃・振動吸収材料、薬品基材、薬品除放材料、電解液の固体化、化粧品用シリコンオイルゲルなどとして有用である。
また、本発明のトリフェニルメタン誘導体より極めて簡易なプロセスで有機ナノファイバーを製造できる。このトリフェニルメタン誘導体より得られる有機ナノファイバーは、該有機ナノファイバーをテンプレートとして用いて作製される金属ナノワイヤー等の電子デバイス用配線材料、ナノスケールの物質の分離膜、高効率な光触媒、また、ナノファイバーからなる不織布(ナノファブリック)を利用した再生医療用培地やバイオ・ケミカルハザード防止用フィルターなどに用いることができる。
一般式(1)及び(2)で示されるトリフェニルメタン誘導体において、Rは炭素数1〜20の直鎖又は分岐状アルキル基を示す。例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコサデシル、ネオペンチル、2−エチルヘキシル、3,3−ジメチルブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、3,7−ジメチルオクチル、3,7−ジメチルオクタン−3−イル、2−ヘキシルデシル、2−ヘプチルウンデシル、2−オクチルドデシル、3,7,11−トリメチルドデシル、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、2,3,4−トリメチルペンタン−3−イル、2,3,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−3−イル、イソステアリル基などが挙げられる。
これらの中で、特に,n−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコサデシル、ネオペンチル基が好ましい。
なお、一般式(1)及び(2)の複数個のRは、同一でも異なっていても良い。
一般式(1)において、Rは炭素数2〜10の直鎖又は分岐状アルキレン基を示す。nは0〜10の整数を示し、0又は1であることが好ましい。但し、nが2以上の場合には、Rは炭素数2〜3の直鎖又は分岐状アルキレン基、例えばエチレン基又はプロピレン基が好ましい。Xは、NH、NR,O又は単結合を示し、NHが好ましい。複数個のR、n及びXは、同一でも異なっていても良い。
炭素数2〜10の直鎖又は分岐状アルキレン基としては、例えば、エチレン,プロピレン,ブチレン,イソブチレン,ペンチレン,イソペンチレン,ネオペンチレン,ヘキシル,シクロヘキシレン,へプチレン,オクチレン,ノニレン,デカニレン基などが挙げられる。
トリフェニルメタン誘導体として、一般式(1)の化合物の中でも、nが0又は1である化合物はトリフェニルメタン構造原料の入手のしやすさから好ましく,さらにウレア結合を有する化合物はゲル化能が高いことから、一般式(1)においてnが0でXがNHである一般式(2)の化合物が特に好ましい。
一般式(2)の化合物の式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜20の直鎖又は分岐状アルキル基であるが、その炭素数により異なるゲル化能を示す。
の炭素数が1〜5の直鎖又は分岐状アルキル基であると例えばプロピレンカーボネートのような極性が高い溶媒に対するゲル化能が高い。また、Rの炭素数が6〜10の直鎖又は分岐状アルキル基であるとイソプロパノールのような極性溶媒に対するゲル化能が高い。更に、Rの炭素数が11〜20の直鎖又は分岐状アルキル基であるとトルエン,デカリンのような疎水性溶媒に対するゲル化能が高い。すなわち,本発明の有機ゲル化剤は化合物中の側鎖の種類を変えることにより,多種多様な極性の溶媒に対してゲル化が可能となる。
次に本発明のトリフェニルメタン誘導体の製造方法について説明する。
一般式(1)で示されるトリフェニルメタン誘導体は、トリフェニルメタントリイソシアネートと、下記の式(3)で示されるモノアミン、式(4)で示されるモノオールおよび式(5)で示されるモノカルボン酸またはその酸ハロゲン化物から選ばれる化合物を、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒の存在下、若しくは無溶媒下で反応させるか、トリフェニルメタントリアミン(ロイコ塩基)に、下記の式(6)で示されるモノイソシアネートまたは式(5)で示されるモノカルボン酸の酸ハロゲン化物を、上記の溶媒存在下若しくは無溶媒下で反応させることにより得ることができる。反応溶液の濃度は1〜90%が好ましく,5〜50%が特に好ましい。
これらの反応は、室温中で行うことが出来る。ただし、通常溶媒の沸点またはその近くまで加温してもよい。反応時間は30分〜10時間、好ましくは1〜5時間程度である。反応の追跡は,反応液のIR測定を行うことにより,イソシアネート基の吸収ピークを観察して行うことができ、イソシアネート基の消失を確認して反応終点と判断できる。また、トリエチルアミンやピリジン等の塩基性触媒,アルキルスズヒドロキシドやアルキルチタネート等の金属含有触媒を0.001〜10質量%添加することにより反応時間が短縮されることがある。反応混合物から目的物を採取するには、たとえば、反応混合物を貧溶媒に加え晶析して得た析出物を濾過するか、反応混合物をそのまま、または減圧濃縮し、析出物を濾過するか、減圧濃縮物を一旦他の溶媒、例えばアルコール類やアセトン等に溶解した後冷却して析出物を濾過することにより得ることができる。得られた析出物は必要により乾燥してもよい。
以上の一般式(1)で示されるトリフェニルメタン誘導体の製造方法において、アルキルアルコールまたはアルキルカルボン酸を原料として用いた際には、トリエチルアミンやピリジン等の塩基性触媒、アルキルスズヒドロキシドやアルキルチタネート等の金属含有触媒が用いられ、反応溶液中における触媒量は0.001〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることが特に好ましい。
なお、式(4)で示されるモノオール化合物は、1価のアルコールを反応開始剤としてエチレンオキサイドまたはプロピレンキサイドを反応させることにより合成することができる。
式(3)で示されるモノアミン化合物は、式(4)で示されるモノオール化合物の末端ヒドロキシ基をアミノ基に変換することにより合成することができ、例えば,ハンツマン・コーポレーション製ジェファーミンMシリーズが商品名として挙げられる。
式(5)で示されるモノカルボン酸化合物は、上記式(4)で示されるモノオールの末端ヒドロキシ基を酸化することにより合成できる。
式(6)で示されるモノイソシアネート化合物は、上記式(3)で示されるモノアミンの末端アミノ基をイソシアネート基に変換することにより合成できる。
一般式(1)で示されるトリフェニルメタン誘導体の中、nが0又は1である場合には、たとえば、トリフェニルメタントリイソシアネートおよび炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアミンを、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒の存在下若しくは無溶媒下で反応させるか、トリフェニルメタントリアミン(ロイコ塩基)に炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルイソシアネートを、上記の溶媒存在下若しくは無溶媒下で反応させることにより得ることができる。反応溶液の濃度は1〜90質量%が好ましく、5〜50質量%が特に好ましい。
なお、本発明のトリフェニルメタン誘導体は、塗料用硬化剤として使用されるトリフェニルメタントリイソシアネートから製造されることが原料入手の点から好ましい。
本発明のトリフェニルメタン誘導体は、トリフェニルメタン構造、およびウレア結合、ウレタン結合、およびアミド結合の結合群から選ばれる一つ以上の結合を有することを特徴とする化合物である。
トリフェニルメタン構造は剛直でありながら、側鎖が放射状に伸びているため結晶化が起こりにくく、疎水性相互作用による自己組織化が起こりやすい。また、ウレア結合、ウレタン結合およびアミド結合の結合群は水素結合性が大きく、分子間相互作用による巨大繊維状会合体を形成しやすい。
本発明の式(1)で示されるトリフェニルメタン誘導体は有機溶媒の存在下に網目構造を形成する能力を有し、有機ゲル化剤として有用である。この網目構造は、高分子化合物や無機化合物のものとは異なり、水素結合などの非共有結合だけで保持される。単一分子から始まって、繊維状会合体の最終的には絡み合った網目構造へと自己集合する過程は熱可逆的である。
また、本発明のトリフェニルメタン誘導体は、有機溶媒と混合することにより膨潤して有機ゲルを形成する。有機ゲルを作る場合の有機溶媒に対するトリフェニルメタン誘導体の使用量は、有機溶媒の種類によって異なるが、通常1〜50g/L、好ましくは2〜15g/Lである。ゲル化温度は室温から有機溶媒の沸点の間で選択することができる。
本発明の有機ファイバーは上記の有機ゲルからなる製造される。たとえば、該有機ゲルを凍結乾燥させるか有機ゲル化剤に対する溶解性が低い貧溶媒に6時間以上浸漬し,そのゲル状物を乾燥することにより有機ファイバーを製造することができる。貧溶媒の種類は有機ゲル化剤の極性により異なる。本発明の有機ファイバーの直径は500nm以下であり、直径が200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
なお、各実施例で得られたトリフェニルメタン誘導体のゲル化能試験を次のように行った。
<ゲル化能試験>
蓋付試験管に化合物(トリフェニルメタン誘導体)0.01gを入れ、1mlの有機溶媒を加えて加熱溶解した。得られた溶液を室温(25℃)で30分静置し、10g/L濃度でのゲル化の可否を調べた。ゲル化したものについては最小ゲル化濃度(g/L)を求めた。すなわち蓋付試験管に化合物を0.01gから減らして精秤し、1mlの各有機溶媒を加えて、80〜200℃に1分間加熱溶解後ゲル化濃度を下げた溶液を調製し、25℃の恒温槽に静置した。30分後、試験管を傾けても溶液が染み出さず、軽く振っても形の崩れない状態をゲルと判断し、その際の最小ゲル化濃度(g/L)を測定した。なお、試験結果を表1に示すが、ゲル化能を示さなかったものについては×とし、ゲル化能試験を実施していないものについては−とする。
〔実施例1〕
反応容器に、ステアリルアミン(関東化学製試薬)2.96gの乾燥メチレンクロライド10mL溶液を仕込み、トリフェニルメタントリイソシアネート(TPMTI)の酢酸エチル27重量%溶液(住化バイエルウレタン製、商品名:デスモジュールRE、NCO当量:441)4.38gにジメチルアセトアミド(DMAc)10mLを加えた溶液を滴下ロートを用いて、ゆっくり滴下し、室温で1時間攪拌した。IR(KBr法)における2230cm−1のNCO基の消失により、反応の終了を確認した。得られた反応混合物を多量の蒸留水中に加え晶析し、カラムクロマトグラフィーにより分離精製後,目的生成物を得た。収量は10.0g(収率90%)であった。ゲル化能試験結果を表1に示す。
元素分析値(C76130として)
C H N 理論値(%) 77.6、11.1、7.2
C H N 実測値(%) 78.1、11.0、7.4
IR分析ではNCO(イソシアネート基)由来の2231cm-1の吸収ピークが消失し、ウレア由来の1639cm-1の吸収ピークが認められた。
仕込み原料と元素分析およびIR分析から、生成物の構造式は式(7)と判定される。
〔実施例2〕
実施例1において,ステアリルアミンをオクチルアミン(花王製)4.35gに代えた以外は同様とした。ゲル化能試験結果を表1に示す。
元素分析値(C4670として)
C H N 理論値(%) 73.2、9.3、11.1
C H N 実測値(%) 73.1、9.4、11.0
IR分析ではNCO(由来の2231cm-1の吸収ピークが消失し、ウレア由来の1636cm-1の吸収ピークが認められた。
仕込み原料と元素分析およびIR分析から、生成物の構造式は式(8)と判定される。
〔実施例3〕
実施例1において,ステアリルアミンをn−ブチルアミン(関東化学製試薬)4.35gに代えた以外は同様とした。ゲル化能試験結果を表1に示す。
元素分析値(C3446として)
C H N 理論値(%) 69.6, 7.9, 14.3
C H N 実測値(%) 69.8,7.8, 14.1
IR分析ではNCO(由来の2231cm-1の吸収ピークが消失し、ウレア由来の1637cm-1の吸収ピークが認められた。
仕込み原料と元素分析およびIR分析から、生成物の構造式は式(9)と判定される。
表1
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
最小ゲル化濃度(g/L)
有機溶媒 実施例1 実施例2 実施例3
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
トルエン 2 × −
1,1,2,2-テトラクロロエタン 4 − −
デカリン 2 × ×
2-プロパノール × 5 ×
ベンゾニトリル × 5 ×
プロピレンカーボネート × × 5
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
表1において、形成したゲルは再加熱することにより,ゾル(流動性液体)に変換し,更に冷却することによりゲルへと形態変化した。
この試験結果から、本発明のトリフェニルメタン誘導体は、低分子の有機化合物でありながら、他の凝集剤の使用を必要とせず、置換基の種類を代えることにより数種類の有機溶媒を加温下でゲル化させる能力を有していることが分かる。
〔実施例4〕
tert−ブタノール200g(2.7mol),1,9−ノナンジオール100g(0.625mol)及び硫酸2gを500mlナスフラスコに入れ,5時間加熱還流後,水酸化ナトリウム水溶液で中和した。未反応tert−ブタノールを留去後,ヘキサンを加え攪拌した。ヘキサン不溶のジオール濾過により取り除きヘキサン層を水洗後,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後,溶媒を留去し,得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し,9−tert−ブトキシー1−ナノオールを得た。
次に実施例1において,ステアリルアミンを9−tert−ブトキシー1−ナノオール4.05gに代え,触媒としてジラウリル酸ジブチルスズを1000ppm加えた以外は同様とした。
元素分析値(C6197として)
C H N 理論値(%) 72.1,9.6,4.1
C H N 実測値(%) 72.0,9.5,4.3
IR分析ではNCO(由来の2231cm-1の吸収ピークが消失し、ウレタン由来の1620cm-1の吸収ピークが認められた。
仕込み原料と元素分析およびIR分析から、生成物の構造式は式(10)と判定される。なお該構造式において+はtert−ブチル基を示す。
〔実施例5〕(有機ファイバーの製造)
蓋付試験管に実施例1で得られた化合物(トリフェニルメタン誘導体)0.01gを入れ、1mlの1,1,2,2−テトラクロロエタンを加えて加熱溶解した。得られた溶液を室温(25℃)で30分静置し,得られた有機ゲルを貧溶媒であるメタノールに6時間浸漬し,溶媒置換させた。白色のゲル状物を60℃のオーブンで1時間加熱乾燥させ,白色固体を得た。白色固体は電界放射型走査電子顕微鏡で観察した。その結果、図1に示すように,直径50nm〜150nm程度の有機ファイバーが確認された。
実施例5で製造された有機ファイバーの電子顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. 一般式(2)で示されるトリフェニルメタン誘導体を含有する有機ゲル化剤

    (式中、R炭素数1〜20の直鎖又は分岐状アルキル基を示す。但し、複数個のR は、各々同一でも異なっていても良い。)
  2. が炭素数1〜5の直鎖又は分岐状アルキル基である請求項に記載の有機ゲル化剤
  3. が炭素数6〜10の直鎖又は分岐状アルキル基である請求項に記載の有機ゲル化剤
  4. が炭素数11〜20の直鎖又は分岐状アルキル基である請求項に記載の有機ゲル化剤
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の有機ゲル化剤と有機溶媒を含有する有機ゲル。
  6. 請求項に記載の有機ゲルからなり、直径500nm以下であることを特徴とする有機ファイバー。
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