JP4768123B2 - 鼻拡張器、および鼻拡張ストリップの使用法 - Google Patents
鼻拡張器、および鼻拡張ストリップの使用法 Download PDFInfo
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Description
関連する出願データ
この出願は、米国特許第5,706,800号となった1997年1月29日付け出願第08/791,760号の継続出願である1997年10月2日付けの出願の出願第08/942,797号の一部継続出願である。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鼻拡張器、および鼻(ネーザル)拡張ストリップの使用法に関する。
【0003】
【発明の背景】
鼻は吸い込んだ空気に最初に接触する重要な機能を有する。その空気は、汚染物質、浮遊物、微生物(細菌)および有害(有毒)物質を含んでいる。空気は、冷たくて乾燥していることがあり、しばしば、より下部の呼吸管に入る前に加温および加湿する必要がある。また、鼻は、空気に運ばれた化学物質の敏感な検出器としても働き、飲食物の香りの感知を助ける。鼻は、さらに免疫系において重要な役割を果たす。その理由は、鼻は空気で運ばれた多数のアレルゲン(allergen)が身体の防御系(防衛システム)と接触する最初の位置だからである。
【0004】
多くの人々が鼻を通して呼吸するのに困難を覚える。呼吸が制限される幾つかの原因は、アレルギーに由来する鼻内壁(nasal lining)が詰まること、鼻の中隔(septum)のずれ、即ち一方または双方の鼻腔(nasal chamber)を狭める2つの前鼻腔(nostril)の間の隔壁(partition)のずれ、またはしなだれた(droopy)鼻先によるもの、などがある。
【0005】
運動(エクササイズ)中は、鼻呼吸はより困難になり、或る人々は充分な空気を得るために口を開けざるを得ない。運動の時に、速く呼吸する必要がある。速く呼吸すると、鼻腔に負圧が形成され、それによって鼻の下側が崩れて呼吸を妨害する。鼻呼吸が妨害された場合には、充分な量の空気を得るために口を通して呼吸する必要がある。人が口で呼吸するようになると、鼻の重要な機能がバイパスされてしまう。
【0006】
鼻は、空気の流れ(airflow)に対する気路(airway)抵抗の合計の約半分を呈する。鼻の妨害(詰まり、支障)は、いびきおよび睡眠中の呼吸停止(無呼吸、apnea)の頻度および厳しさの増加に寄与する。いびき音は、増大する上側気路の閉塞に関係している。上側気路の狭まり、崩れやすさおよび抵抗は、いびきおよび妨害的睡眠中の呼吸停止に寄与する要因である。或るいびきの大きい人々は、内的抵抗性負荷が増大し、その結果として睡眠から繰り返し覚さめる。
【0007】
鼻は、しばしば、アレルギー、インフルエンザ(流行性感冒)または風邪によって影響を受ける。一般的な風邪は、通常は深刻な病気ではないが、高い流行性の不快な悩ましい苦痛を与える病気である。その用語は、種々様々な呼吸ウイルス(ビールス)によって引き起こされる少数の(マイナーな)呼吸病にも適用される。リノウイルス(鼻ウイルス、rhinovirus)は、一般的な風邪の主要な既知の原因であり、成人の風邪の約30%を占める一方、その他の幾つかのグループも重要である。免疫反応が生じ、従って或る呼吸管ウイルスへの感染がワクチンによって予防できる一方、多型のワクチンを開発して全ての存在しうる薬剤(agent、因子)をカバーすることは実際的でない。従って、急性の(激しい)上部の呼吸病を制御する問題は複雑なチャレンジ(挑戦)を突きつけ、長い間望まれていた一般的な風邪に対する1つの治療法の発見は非現実的な期待である。
【0008】
初期症状は、僅かで、軽い不快感、喉の痛み、および鼻の病訴を伴うに過ぎないかもしれない。リノウイルスに感染すると、鼻だれ、鼻づまりおよびくしゃみの諸症状が病気の初日に始まり、それが進行して2日目または3日目にはその厳しさが最大になる。鼻の諸症状とともに、喉の痛み、乾きまたは傷、およびしゃがれ声および咳を伴うかもしれない。その他の症状には、目の軽い灼熱感(burning)、嗅覚および味覚の喪失、洞または腔(sinus)または耳の圧迫感または膨れ(fullness)、頭痛、および声の損傷が含まれる。熱が出ることがあるが、一般的ではない。インフルエンザに感染すると、熱、しばしば急激な発症、および数日間の継続が生じ、大きな厳しさ(苦痛)を伴い、さらに、一般的な痛み(aches and pain)、疲労および衰弱、および胸の不快感を生じる。
【0009】
米国において風邪に対して店舗販売の(over-the-counter)薬剤を使って治療(処置)するコストは、年間コスト15億ドル以上と推定される。外来クリニック(診療所)における直接的処置コストはほとんど40億ドルと推定される。活動が制限されることによる賃金の損失額に基づく直接的コストは、さらにかなり高い。
【0010】
現在、一般的な風邪に対しては対症療法だけが利用でき、その薬品の多くは経口摂取される。咳、風邪、風邪のようなもの、および/またはインフルエンザの諸症状、および不快感、痛み、熱およびそれに関連する一般的な不快感に対する典型例の先行技術の経口配合物または組成物(composition)は、一般的に、鎮痛剤(analgestic)(アスピリン(aspirin)またはアセトアミノフェン(acetoaminophen))、1つ以上の抗ヒスタミン(antihistamine)、充血緩和剤(鬱血除去剤)(decongestant)、咳抑制剤(cough suppresant)、抗咳剤(antitussive)および痰喀出剤(expectorant)を含んでいる。例えば心臓病(heart disease)、高血圧(hypertension)、糖尿病(diabetes)および甲状腺障害(thyroid disorder)のような或る医学的状態を有する個々人に対して、例えば充血緩和剤(decongestant)のような経口薬品を用いると、好ましくない薬剤相互作用のリスクが生じ、悪い反応(adverse reaction)を起こすかもしれない。従って、局部的(topical)配合物によって、従って経口摂取薬品を必要とせずに、それらの諸症状を緩和することが非常に望ましいであろう。さらに、局部的風邪の薬剤は、眠気または経口充血緩和剤(decongestant)に関連するその他の副作用を起こす傾向がより少ない。
【0011】
いびき、運動(アスレチック)競技の間に鼻を通じて呼吸するのを助けるために、および一般的な風邪またはインフルエンザの諸症状を処置するために鼻腔拡張器(dilator:拡張薬、拡張手段)が提案された。従来、人間に有効な2つのタイプの拡張器がある。1つのタイプは、弾性(剛)構造体に連結された小さなリングまたはケージ(cage)を用いるものである。そのリングは各鼻路(passage)に挿入され、その弾性構造体が広がって妨害されない呼吸を実現する。それらの拡張器は、装着するにはしばしば不快であるので批判を受けてきた。ケージまたはリングが挿入されて敏感な鼻の組織に接触するので、いらいらおよび痒みを生じさせることが知られている。そのような装置が、キャバレロ(Caballero)の米国特許第3,710,799号に記載されており、ペルーソン(Peruson)の第D310,565号にはNOZOVENT(ノゾヴェント)拡張器が記載されている。
【0012】
もっと最近では、鼻の外壁組織に装着し、呼吸の期間に内部の鼻の組織が充血する(化膿する、drawing)のを防止するのを助ける鼻腔拡張器において進歩が見られた。そのような拡張器は、基板(基質)(substrate)に接着的に取り付けられる材料の柔軟なストリップ(条片)を含んでいる。拡張器は鼻に固着され、その弾性または剛性の材料は、吸入(息を吸う)中に左右の鼻路は充血したりまたは崩れたりすることのないように保つように作用する。これは、通常、例えば中隔(deviated septum)のような奇形に起因して、またはアレルギー反応の間における膨張等に起因して生じる。人間の外皮膚に接着的に装着される鼻腔拡張器の例が、ドウベク(Doubek)他の米国特許第5,533,503号、およびミューチン(Muchin)の米国特許第5,546,929号に記載されている。
【0013】
ここで引用して組み込む(incorporated by reference)関連の出願の米国特許第5,706,800号には、例えば樟脳(ショウノウ、カンフォール)(camphor)およびメントール(menthol)のような基本的芳香性油を含んだ薬用鼻腔拡張器が記載されている。そのような芳香性油は、一般的に、鼻づまり、気管支喘息(bronchial asthma)および咳抑制に対する処置に用いられている。それらは、硬質菓子ドロップ、鼻スプレーおよび吸入器の形態で広く利用可能である。米国特許第5,706,800号特許には、機械的拡張を実現するのを助ける弾性の層または部分を有する薬用鼻腔拡張器が記載されており、一方、取り込まれた芳香剤は、患者の症状を処置するための芳香性物質、好ましくは薬剤、を導入する。
【0014】
薬用拡張器を作成する初期の試みは、対処する必要のある幾つかの欠点を明らかにした。例えばメントールおよび樟脳のような芳香性物質は、治療上有効である一方、揮発性が高い。例えば一般的に石油ゼリー(petroleum jelly)と呼ばれているパラフィン軟膏(petrolatum)のような油ベースのキャリア(輸送手段)は、気密な容器(container)に揮発性のメントール(menthol)および樟脳を封じ込めるのに有効である一方、空気に晒されると直ぐにその油性物質を大気中に放出(解放)する。従って、芳香性油を含侵(impregnate)させた鼻腔拡張器は、一般的に直ぐに臭いを失う。その理由は、その製品の在庫有効期間(shelf life)の間に香りが消散するからである。
【0015】
密封したフォイル(箔)パッケージが論じられているが、香りを添加した拡張器は比較的安定でそのパッケージを開封するまでは持続する。各拡張器を個々にラップ(包装)しないと、残りの香が添加された拡張器はその油を直ぐに消散させる。各拡張器をそれぞれの密封パッケージに個別にパッケージすると、在庫有効期間が改善されるかもしれないが、その製品の経費が増大し、それによって、密封パッケージを作るのに用いられる例えばマイラ(mylar)(強化ポリエステル・フィルム)のような粘着力の強い材料のせいで一般的にその使用がより不便になる。さらに、そのようなパッケージは、発汗、体熱、よごれおよび塵埃に晒されたときの芳香剤の使用耐用時間、および一晩の全睡眠時間の時間的要求について、うまく改善できない。
【0016】
香りが付加された拡張器に関する別の欠点は、その製品から芳香剤が消散してしまう長らく前に鼻の神経終末(ending)が芳香に対して鈍感になる傾向があることである。鼻腔拡張器およびストリップが推奨される1〜12時間の長い期間のせいで、例えばメントールおよび樟脳のような同じ揮発性の油または混合物に長い間晒されていると、一般的に、“嗅覚飽和(olfactory saturation)”と呼ばれる適応化現象が生じ、その結果その装着者に対する活性芳香の臭い(嗅覚)が徐々に失われる。もちろん、それによって、装着者は、その拡張器を新しい製品に取り替える必要性を感じても、新しい拡張器が嗅覚の印象を完全にはリフレッシュできないことに気が付くだけ、という動揺(distraction)が生じる。
【0017】
芳香油は、例えばポリアクリルレート(polyacrylate)またはポリビニルエチルエーテル(polyvinylethyl ether)のブレンド(調合)接着剤のような、皮膚に鼻腔拡張器を装着するのに用いられる既知の感圧接着剤の構造を、破壊することが知られている。そのような芳香剤は、織布基板に取り込まれたときでも、接着層に移動(移行)する傾向がある。芳香油は、接着剤と混合したとき、接着剤を可塑的に(プラスチック化)し、粘着力(凝集力)(cohesive)を弱くし、よりべとつき(粘り)(sticky)を増す。接着剤の内部強度はかなり減少する。これによって、内部に含まれている弾性部材に起因して既に放出圧力を加えている鼻腔拡張器が、鼻に対するその接着(装着)力を完全になくすという不運な意図しない効果を生じ得る。事態をさらに悪くすることに、拡張器またはストリップを外そうとするときに、可塑的になった接着剤の一部分が皮膚表面に残留し、べとついて(粘りを持っていて)見苦しさを残す。
【0018】
また、鼻腔拡張器またはストリップに用いられる芳香油の適正な投与(dosage)に関する懸念が残る。芳香油濃度が高すぎると、目を刺激して涙を出すことがあり得る。投与量が低すぎると、嗅覚効果的量を生じるのに不充分な芳香しかなくなり、化粧用芳香剤(fragrance)の場合は、その製品は消費者に対するアピールを減少させ、薬用芳香剤(aromatic)の場合は、その装置が治療上有効でなくなる。
【0019】
従って、芳香剤、経皮薬剤およびその他の成分を取り込んだ鼻腔拡張器およびストリップの改良のニーズ(必要性)が残っている。そのような製品は、短い芳香剤在庫有効期間、使用における効果、嗅覚飽和、接着剤残留および投与量問題に関連する諸問題を克服する革新技術を必要とする新しい技術の余地を残している。
【0020】
【発明の概要】
本発明は、芳香剤の嗅覚的効果を延長し、嗅覚飽和を克服し、接着剤残留を最小化し、芳香剤、経皮または芳香薬剤の嗅覚効果的量の供給(デリバリ、放出)を概ね改善するための芳香物質を含みそのような改善点を含む改善された鼻ストリップおよび鼻腔拡張器を提供する。
【0021】
本発明の第1の実施形態において、薬用鼻ストリップは、鼻の橋梁(鼻柱)部分を横切って快適に適合するサイズを有する長い柔軟層と、その柔軟層の底面に配置された感圧接着層と、その鼻ストリップの一部に配置された嗅覚有効的量の芳香物質と、その芳香物質の有効期間(寿命)を延ばすための延長放出手段と、を含んでいる。
【0022】
本発明の別の実施形態において、鼻ストリップは、長い柔軟な層と、この層の底面に配置されたバイオコンパチブルな(bio-compatible)感圧接着剤とを含んでいる。鼻ストリップは、さらに、鼻ストリップ上に配置された芳香物質を含んでいて、上記感圧のバイオコンパチブルな接着層との実質的に接触および混合を避けるようになっている。
【0023】
本発明の別の実施形態において、鼻ストリップは、長い柔軟な部材と、バイオコンパチブルな感圧接着剤層と、芳香物質とを含んでいる。この鼻ストリップは、装着者による嗅覚飽和を最小化するための二重芳香供給(デリバリ、放出、投与)システム(dual delivery system)をさらに含んでいる。
【0024】
従って、本発明は、薬用鼻腔拡張器およびストリップの早期開発において遭遇した問題に対する解決法を実現する。未使用(neat)の在庫有効期間(shelf life)および使用中の芳香油の消散を改善する努力により、本発明は延長放出手段を含んでおり、その延長放出手段は、例えば、固定剤(fixative)、ゲル(gel)、スターチ(starch)、キャリア(carrier)、多孔性親水性無機物(porous hydrophilic inorganic)、マイクロカプセル(micro-capsule)、セルロース・キャリア(cellulosic carrier)、シクロデキストリン被覆(cyclodextrine coating)のような、および或る温度に達し或るpHに達するとまたは液状の汗に接触したときに芳香油を放出(解放)するような身体活性被覆(body-activated coating)、のような個々の芳香供給機構を含んでいる。本発明の芳香供給機構は、揮発性の芳香化合物のエッセンスを非常に長い時間にわたって含んでいて在庫有効期間を延ばし、使用における嗅覚有効性を増大するのを助ける。嗅覚飽和を克服するための付加的別の手段は、少なくとも異なる2つの芳香供給システムおよび/または少なくとも異なる2つの芳香剤(または芳香剤および経皮薬剤)を含んでいる。異なる供給システムは、芳香薬品、経皮薬品または芳香剤を、異なる使用条件においてまたは使用中の異なる時間において供給して、装着者に対する製品鮮度を維持する。例えば、再カプセル封入(re-encapsulation)を用いて、運動競技の間の発汗および汗の蒸発の期間に、またはウイルス感染またはインフルエンザ症状によって引き起こされる体温の上昇および下降の期間に、芳香油または経皮薬剤が放出され保存(維持)される。
【0025】
本発明の別の改善には、接着剤の破壊およびその結果としての鼻の皮膚上の残留物をなくすために感圧接着剤と芳香油の間の混合接触を最小化するような分離層および鼻ストリップ設計が含まれている。鼻ストリップおよび拡張器を製造する方法、およびその使用法も、記載されている。
【0026】
添付した図面は、本発明の好ましい実施形態と、その開示に関係するその他の情報を示している。
【0027】
【発明の詳細説明】
本発明は、鼻の鼻壁組織が呼吸中に収縮する(drawing in、狭まる)のを実質的に防止するための接着外装鼻ストリップおよび拡張器を実現する。この明細書では、次の用語が次の定義で用いられている。
【0028】
“芳香薬剤(aromatic medication)”とは、患者の呼吸を楽にしまたは良好にするのを助けるための潜在的または証明された効能(potential or demonstrated efficacy)を有する、例えば薬用気化物質(vapor)またはガス(気体)のような鼻を通して吸入することによって消費され得る治療用物質および化合物(配合物)のことをいう。
【0029】
“薬用(medicated)”および“薬品(medicine)”とは、芳香性(aromatic)の、局所的(topical)および経皮(transdermal) 薬品、抗ウイルス性(anti-viral)、抗微生物性(anti-microbial)または抗バクテリア性(anti-bacterial)薬剤(agent)、香り(scent)、軟膏(salve)、およびここで説明する組織上に望ましいであろうその他の治療用物質のことをいう。
【0030】
“純粋のまたは未使用の(neat)”とは、未希釈化のまたは未使用の状態のいずれかの芳香剤のことをいう。それは、パッケージ(包装)されていて人の皮膚に直ぐに装着できる拡張器ストリップ上の芳香剤のことをいい、または、他の芳香剤および/または物質を加え/混合する前の比較的純粋な(pure)芳香剤を定義するように用いることができる。
【0031】
“使用中の(in-use)”とは、商業的に意図された形態での患者または消費者による使用のことをいう。
【0032】
“長時間放出または延長放出(extended release)”とは、純粋の若しくは未使用のまたは使用中の嗅覚有効性または有用期間(寿命)のいずれかを増大させるための芳香剤の持続的放出に役立つ物質、配合物または化合物(compound)および/または装置(device)の群のことをいう。
【0033】
“芳香油(fragrance oil)”とは、油ベースの香り(scent)、その同族体(homologue)、誘導体および化学的バリエーション(異種)のことをいう。
【0034】
“身体活性(body activated)”とは、身体に装着されたときに化粧用芳香剤、芳香性または経皮薬剤の活動が増大することをいう。これは、例えばpH、熱または発汗による活性によって達成される。
【0035】
“芳香ノート(fragrance notes)”とは、“トップ(top)”、“ミドル(middle)”、“ボトム(bottom)”のノート(調)成分を達成するブレンドされたまたは純粋形態(neat form)の芳香成分(ingredient)を意味する。その第1のものは、装着したときに感じられる新鮮さの品質である。その最後のものは、長時間、装着者に留まる芳香剤のエッセンスである。真ん中のものは、トップからボトムのノートを繋ぐ知覚品質である。これらの材料そのものは、各々、グリーン(green)ノート(調)、フローラル(floral)ノート、アルデヒディック(アルデヒド)(aldehidic)ノート、フルーティ(fruity)ノート、キプレ(chypre)ノート、オリエンタル(oriental)ノート、レザー(leather)ノート、タバコ(tabacco)ノート、等のように、発散する芳香に関して分類される。
【0036】
“二重芳香供給システムまたは二重芳香放出システム(dual fragrance delivery system)”とは、芳香剤および芳香性薬剤の嗅覚有効性を延ばすための二重芳香剤、二重ノートまたは二重供給機構のことをいう。そのような供給機構は、例えば、固定剤(fixative)、ゲル(gel)、スターチ(starch)、マイクロカプセル(micro-capsule)、芳香剤キャリア(carrier)、pH感応化合物、蝋性(ワックス様)物質、ポリマー、シクロデキストリン(cyclodextrin)、セルロース(cellulose)、およびそのバリエーションを含んでいる。
【0037】
鼻腔拡張器
図面、特にその図1〜3を参照すると、装着者の左右の鼻路の外壁組織に係止するように装着者の鼻を横切って適合(フィット)するサイズを有する好ましい鼻腔拡張器100が示されている。図2〜3に示されているように、鼻腔拡張器100に含まれている細長い基板30は、1対の長手方向の辺(側部)と、1対の横方向の端部、およびその上面および底面を有する。基板30の底面には、装着者の皮膚に簡単に装着できるようにするための接着層32が配置されている。また、その基板には、拡張器が鼻に接着されたときに鼻壁組織にゆるやかな(軽い)拡張力(張力)を与える弾性部材60が取り付けられている。最後に、芳香性物質50が、拡張器の一部に、呼吸中に装着者の鼻を通して吸入されるように配置されている。さらに、経皮物質を、例えば芳香剤または芳香性薬剤のような芳香物質とともにまたは芳香物質なしで、拡張器100の底面に付加することができる。
【0038】
本発明の別の実施形態において、拡張器100は、裏層(backing layer)40を含んでいてもよい。裏層40および弾性部材60は、感圧接着層42および62を用いて基板30に接着することが望ましい。図3に示されているように、芳香物質50を拡張器100の任意の面に配置することができる。芳香物質50を拡張器100の吸収剤層部分または吸着剤部分に配置することが好ましい。その吸収剤(absorbent)層部分は、例えば、別個の吸収剤層、または細長い基板30または裏層40の一部であってもよい。別の構成として、芳香物質50は、例えば、別個の底層位置または芳香剤キャリア、マイクロカプセルまたは被覆(コーティング)内に含ませたりして、混和形態または分離形態で複数の接着層の中の1つに配置することができる。最後に、販売のために拡張器100をパッケージする前に、例えばシリコーン(silicone)または蝋被覆したクラフト紙のような剥離(放出)紙ストリップ10を、感圧接着層32上に貼付することができる。
【0039】
本発明の細長い基板30は、快適さを最大化するための任意の薄い、柔軟な(可撓性の)、呼吸可能な材料を含んでいてもよい。この材料は、空気および例えば汗のような湿潤蒸気の通過を許容するが、汚れおよび液状の汗または雨水等の通過を阻止するものであることが好ましい。その細長い基板は、例えば、織布、または不織ポリエステル布のような不織布材料を含ませることができる。その良い1つの例は、デュポンE.I.デネモワ社(DuPont E. I. de Nemours & Co., Inc.)製造のトレードマークSontara(ソンタラ)(登録商標)の織布がある。代替構成として、細長い基板30には、例えば、スパンボンドされた(spun-bonded)またはメルトブロウンされた(melt-blown)ポリエチレン(polyethylene)またはポリプロピレン(polypropylene)ファイバ(繊維)のような熱可塑性の織布または不織布を含ませることができる。その織布または不織布で充分の厚さのものは、後で詳しく説明するように、外部鼻組織に接着装着したときに、“自己弾性”がありまたは鼻の通路をゆるやかに(優しく)開くことができる。また、基板30は、汗または湿気を選択的に吸収しまたは撥水するための親水性または疎水性の添加物と共に本発明の芳香薬剤50を用いて処置することができる。
【0040】
基板30の鼻皮膚対向面または基板30の底面に接着層32を取り付ける。この接着層は、選択的接着層62および42と共に、感圧低アレルギー誘発性(hypoallergenic)バイオコンパチブルな(生体適合性の)(biocompatible)接着材料で形成することができる。ここでは、“感圧(pressure sensitive)”とは、任意の放出可能な接着剤または放出可能な接着(tenacious)手段のことをいう。鼻腔拡張器および鼻ストリップに適した接着剤配合物は、水ベースの感圧接着剤、例えばアクリレート(acrylate)接着剤、熱可塑性プラスチック(thermoplastic)“ホットメルト(高温溶融)(hot melt)”接着剤、両面接着テープ、エラストマ(elastomer)ベースの接着剤およびアクリル(acrylic)接着剤がある。そのよい例として、ポリアクリレート(polyacrylate)接着剤、ポリビニルエチルエーテル(polyvinylethyl ether)ブレンド接着剤、およびミネソタ州(Minnesota)、セント・ポール(St. Paul)の3M社(3M Inc.)によって供給される3M1509両面薬用テープがある。その3Mの製品は、ペーパライナー(紙質裏地、paper liner)の上に供給された、低アレルギー誘発性の感圧アクリレート接着剤を両面に被覆(コーティング)した両面透明ポリエチレン・フィルムである。弾性部材60および裏層40がいったん基板30に接着されると拡張器を貼っている間または拡張器を鼻から剥がす間にそれらの層が互いに分離することは好ましくないので、もちろん接着層62および42は感圧型である必要は全くない。
【0041】
本発明の弾性部材60は、弾性リボン材料からダイカット(ダイ状にカット、die-cut)することができる1つまたはそれ以上の弾性ストリップまたはバネ・ストリップ60aを含んでいる。弾性リボン材料の良い例として、厚さ約0.01(0.254mm)〜0.15インチ(2.712mm)の2軸配向性ポリエステルがあるが、同様のまたはそれ以上の厚さのポリエチレンまたはポリプロピレンのストリップでも拡張器100に拡張力を与えるであろう。
【0042】
細長い基板30と弾性部材60の双方を記載したが、これらの部材の機能が、柔軟であるがバネ状の織られた配向性層、不織層、スクリム(scrim)、リボン複合体またはシート材料からなる単一の細長い弾性部材または層によって実現できない理由はない。例えば、メルトブローンされたまたはスパンボンドされたポリエチレンまたはポリプロピレンのファイバの不織ウェブは、厚さ約0.01インチ(0.254mm)〜0.15インチ(2.712mm)で長さ約2〜4インチのストリップにカットされて成形され、空気および発汗蒸気を容易に通し、また鼻に接着的に装着したときに鼻開孔を優しく開くようなバネ(弾性)力を与えるであろう。代替構成として、図5に示されているように、例えばスクリム60bのような弾性層は、基板30の周縁11または拡張器100の外部周辺領域の内側またはそれに実質的に沿って、配置することができる。
【0043】
例えばガラス、グラファイト、樹脂、炭素またはホウ素のような弾性部材60に対するファイバ添加物も、弾性を改善するであろう。樹脂ファイバには、種々の熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性ポリマーが含まれ得る。良いファイバ候補には、例えば、ナイロン(nylon)、ポリエチレンおよびポリエステル・ファイバ、例えばアライド・シグナル社(Allied Signal Corp.)によって販売されているSPECTRAまたはCOMPETファイバ、デュポン社によって販売されているKevlar(登録商標)29、49または149アラミド・ファイバ、ガラス、例えばEグラスまたはSグラス・ファイバ、グラファイト・ファイバ、炭素繊維、ホウ素繊維、またはこれらのグラス・ファイバの組合せが含まれる。
【0044】
弾性部材は、バネ・ストリップ60a、または弾性スクリム60b、または織った、不織または固体のフィルム・シート層(図示せず)を含んでいるかどうかに関係なく、メルトボンディング、接着ボンディングまたは超音波ボンディングのいずれかによるウェブ(膜張り)処理(操作)で接合することが好ましい。通常の処理では、弾性材料および基板材料のリボンは、ダイまたはローラ中のオーバーラップ位置に供給されたときに共に接着接合される。接着層42および62を用いて、裏層、弾性部材60、および細長い基板30を共に接合し、その後拡張器100の最終的周辺部11を形成するようダイカットする。接着層42、62および32は、ウェブ処理産業で慣用的に行われている形態で、スプレー、ロールまたはナイフによって形成、被着または塗布することができる。
【0045】
本発明の1対の個別のスプリング・ストリップ60aと比較すると、弾性層、例えばスクリム60bまたはシート層を用いることによる重要な利点は、ダイカットの前にそれを慎重に配置する操作が不要になることである。好ましいことに弾性層は最終的ダイカットされた拡張器の周縁11と概ね同じ外形(輪郭)を持っているので、そのような高価な工程(ステップ)は不要になる。それによって、無駄をなくし、ウェブ処理費用の多くを最小化することができる。また、拡張器100の大部分または全ての表面領域(表面積)に沿ってより均一な弾性作用(スプリング作用)が付与される。
【0046】
さらに、本発明では、裏層40および基板30において、および代替的に、弾性部材60または層に関して、熱可塑性プラスチック材料を用いてもよいと考えられる。熱可塑性プラスチック材料を用いると、本発明によって、熱および圧力を用いて材料の各層を安価にメルトボンドして、複合鼻腔拡張器構造を形成することができる。メルトボンド法を用いると、付加的な接着層42および62が不要になり、どのような形態の弾性部材が使用されても拡張器に対してより大きな構造上の保全性を与えることができる。しかし、各層の熱可塑性プラスチックによる接着には理想的には織層、不織層または弾性スクリム60bが適しているであろう。その理由は、それらの材料が、軟化された熱可塑性プラスチック材料に各繊維間または各フィラメント間を接着させ、拡張器100の強度を増大させるような複数の細孔(pore)を持っているからである。
【0047】
鼻ストリップ
図6および図7には、細長い基板230を含む別の鼻ストリップ200が示されており、このストリップは前述の細長い基板30と同様に柔軟な(可撓性の)織布(布地)状の部材または自己弾性を有する弾性部材でよく、これが鼻に接着力で取り付けられると、鼻組織に対して穏やかな拡張力を与えることができる。しかし、好ましい実施形態では、鼻ストリップ200は化粧品用芳香剤(cosmetic fragrance)、芳香性薬剤(aromatic medication)または経皮薬剤(transdermal medication)を供給または放出する単なるテープ状の手段(部品)である。以下では“活性成分(active ingredient)”と称する芳香剤および薬剤は細長い基板230中に、例えば活性成分250を織布または吸収層の小孔中に吸収させることによって、あるいは細長い基板230のような鼻ストリップ200の1つの層の上面または底面に塗布(コーティング)することによって、細長い基板230中に配置する(含ませる)ことができる。
【0048】
図7に寸法“a”で指定されているように、活性成分250は装着者の皮膚に面する接着層232から分離層または層部分によって分離されていることが望ましい。これは、揮発性オイル(油)のような純粋な(neat)芳香剤を、感圧接着剤232との重合の危険を伴うことなく細長い基板230の上面に配置することが可能になるという利点がある。
【0049】
他の代替構成として、細長い基板230自体を耐液体性あるいは耐オイル材料(物質)で形成することができるし、あるいは一方の側(面)を親水性になるように処理することもできる。好ましい例として、熱可塑性または熱硬化性の繊維からなる織布(布地)または不織布層、またはソリッド(中実、固形)の熱可塑性フィルムまたは熱硬化性フィルムを含むものがあり、これらは活性芳香性成分を感圧接着剤232と反対側の平面上に配置することが可能になり、これによって活性芳香性成分を接着剤から分離して、接着剤との重合を最少に押さえることができる。別の代替構成として、以下に述べるように、芳香オイル(油)および薬剤をキャリア260のような芳香剤供給機構(メカニズム)内に配置することもできる。キャリアにトラップ(捕獲)されたオイルまたは薬剤は基板230の任意の場所に配置することができるが、最も広く市販されているキャリアの固有の特性では、そのオイルまたは薬剤を、分解(化学分解)され得る接着剤のポリマー(重合体)と実質的に混合することなく接着剤層232内に配置することができる。さらに他の代替構成として、マイクロカプセルをこの形態で使用することもできる。感圧接着剤層の上に剥離紙片(ストリップ)10と同様な好ましい剥離紙片210が貼付されている。
【0050】
前述の3M1509テープ、またはここで引用して組み込むシチャー(Szycher)氏に与えられた米国特許第4,880,690号に開示された約0.025〜0.125mmの吸蔵性(閉塞性)のポリエチレン・フィルムのバリア層のような両面医療用テープ(2-sided medical tape)を適用することにより改変することができる。熱可塑性または熱硬化性層は、感圧接着剤(粘着剤)232と、基板230を通して吸収する純粋な形態の芳香性オイルまたは液状薬剤とを分離することができる。
【0051】
これらの技術は鼻腔拡張器の構成に対して等しく有用性をもつことが理解される。もし分離する熱可塑性または熱硬化性フィルムまたは織布(布地)が充分な厚み、張力(tensile strength)をもっていれば、これを鼻に接着装着すると、鼻腔通路を穏やかに開くのを助ける弾力を与えることができるであろう。これによると、2つの機能を持たせコストを低減するために単一層を採用することができるであろう。
【0052】
芳香剤および芳香性薬剤
芳香剤の配合(formulation)は、化学的解析よりも熟練したパーフューマー(香料を配合、処理する技術者)の感覚が重要となる技術分野である。芳香剤は芳香剤配合物中の各種の成分または配合剤から得られるものである。通常、芳香剤は、芳香性の精油(essential oil)、木、ガム(ゴム)、花およびその他の植物からの抽出物、樹脂、動物の分泌物、および合成芳香性(芳香族)物質からなる物質をブレンドすることによって生成される。これらの物質はトップ、ミドル、およびボトムのノート(前述の定義を参照されたし)として知られている効果を得るためにブレンドされる。
【0053】
本発明に適した芳香性の混合物および配合物は、1979年3月20日付けでブレイン(Brain)氏およびクミンス(Cummins)氏に付与された米国特許第4,145,184号、1980年6月24日付けでホワイト(Whyte)氏に付与された米国特許第4,209,417号、1985年5月7日付けでモエデル(Moeddel)氏に付与された米国特許第4,515,705号、および1979年5月1日付けでヤング(Young)氏に付与された米国特許第4,152,272号に開示されている。ここでこれらの米国特許を引用して取り込む。
【0054】
芳香剤はその揮発性によってクラス分けすることができる。高揮発性で、低沸点の成分は一般に約250℃またはそれ以下の沸点をもっている。中程度の揮発性の成分は約250℃乃至300℃の沸点をもつものである。より低い揮発性で、高沸点の成分は約300℃またはそれ以上の沸点をもつものである。以下に述べる多くの芳香性成分については、その芳香(odor)および/または香味(flavor)特性、およびその沸点および分子量のような物理的および化学的特性と共に、ここで引用して組み込む1969年発行のSteffen Arctander(ステファン アークタンデル)著の“Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)(芳香および香味化学製品(香気化学製品))”に開示されている。
【0055】
高揮発性、低沸点の芳香性配合物、いわゆる“トップ・ノート”の例として、アネトール(anethole)、ベンズアルデヒド(benzaldehyde)、ベンジルアセテート(benzyl acetate)、ベンジルアルコール(benzyl alcohol)、ベンジルホルメート(benzyl formate)、イソ−ボニルアセテート(iso-bonyl acetate)、カンフェン(camphene)、シス−シトラル(ネラル)(cis-citral(neral))、シトロネラル(citronellal)、シトロネロール(citronellol)、シトロネリルアセテート(citronellyl acetate)、パラ−シメン(para-cymen)、デカナル(decanal)、ジヒドロリナロール(dihydrolinalool)、ジヒドロミルセノール(dihydromyrcenol)、ジメチルフェニルカルビノール(dimethyl phenyl carbinol)、ユーカリプトール(eucalyptol)、ジェラニオール(geraniol)、ジェラニオール(geraniol)、ジェラニルアセテート(geranyl acetate)、ジェラニルニトリル(geranyl nitrile)、シス−3−ヘキセニルアセテート(cis−3−hexenylacetate)、ヒドロキシシトロネラル(hydroxycitronellal)、d−リモネン(d−limonene)、リナロール(linalool)、リナオールオキシド(linaool oxide)、リナリルアセテート(linalyl acetate)、リナリルプロピオネート(linalyl propionate)、メチルアントラニレート(methyl anthranilate)、アルファ−メチルイオノン(alpha−methyl ionone)、メチルノニルアセトアルデヒド(methyl nonyl acetaldehyde)、メチルフェニルカルビニルアセテート(methyl phenyl carbinyl acetate)、ラエボメンチルアセテート(laevomenthyl acetate)、メントーネ(menthone)、イソ−メントーネ(iso−menthone)、ミルセン(myrcene)、ミルセニルアセテート(mycenyl acetate)、ミロセノール(myrocenol)、ネロール(nerol)、ネリルアセテート(neryl acetate)、ノニルアセテート(nonyl acetate)、フェニルエチルアルコール(phenyl ethyl alcohol)、アルファ−ピネン(alpha−pinene)、ベータ−ピネン(beta−pinene)、ガンマ−テルピネン(gamma−terpinene)、アルファ−テルピネオール(alpha−terpineol)、ベータ−テルピネオール(beta−terpineol)、テルピニルアセテート(terpinyl acetate)、およびベルテネックス(パラ−第3−ブチルシクロヘキシルアセテート)(vertenex(para−tertiary−butyl cyclohexyl acetate))がある。幾つかの天然オイルもまたかなりの割合の高揮発性の成分を含んでいる。例えば、ラバンジン(lavandin)は主要成分としてリナロール(linalool)、リナリルアセテート(linalyl acetate)、ジェラニオール(geraniol)、およびシトロネロール(citronellol)を含んでいる。レモンオイルおよびオレンジテルペン(terpene)は共に約95%のd−リモネン(d−limonene)を含んでいる。
【0056】
いわゆる“ミドル・ノート”と称される中程度の揮発性芳香剤成分の例には、アミルシンナミック(桂皮)アルデヒド(amyl cinnamic aldehyde)、イソ−アミルサリチレート(iso−amyl salicylate)、ベータ−カリオフィレン(beta−caryophyllene)、セドレン(cedrene)、シンナミック(桂皮)アルコール(cinnamic alcohol)、クマリン(coumarin)、ジメチルベンジルカルビニルアセテート(dimethyl benzyl carbinyl acetate)、エチルワニリン(ethyl vanillin)、ユーゲノール(eugenol)、イソ−ユーゲノール(iso−eugenol)、フロールアセテート(flor acetate)、ヘリオトロピン(heliotropine)、3−シス−ヘキセニルサリチレート(3−cis−hexenyl salicylate)、ヘキシルサリチレート(hexyl salicylate)、リリアル(パラ−第3ブチル−アルファ−メチルヒロドシンナミックアルデヒド(lilial(para−tertiarybutyl−alpha−methyl hydrocinnamicaldehyde))、ガンマ−メチルイオノン(gamma−methyl ionone)、ネロリドール(nerolidol)、パチョリアルコール(patchouli alcohol)、フェニルヘキサノール(phenyl hexanol)、ベータ−セリネン(beta−selinene)、トリクロロメチルフェニルカルビニルアセテート(trichloromethyl phenyl carbinyl acetate)、トリエチルシトレート(triethy Icitrate)、バニラ(vanilla)、およびベラトルアルデヒド(veratraldehyde)がある。シーダー材(cedarwood)テルペンは、主としてアルファ−セドレン(alpha−cedrene)、ベータ−セドレン(beta−cedrene)および他のC15H24二三テルペン(sesquiterpenes)からなる。
【0057】
低揮発性、高沸点の、“ボトム・ノート”と称される芳香性成分の例には、ベンゾフェノン(bezophenone)、ベンジルサリチレート(benzyl salicylate)、エチレンブラシレート(ethylene brassylate)、ガラクソリド(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−ガンマ−2−ベンゾピラン)(galaxolide(1,3,4,6,7,8−hexahydro−4,6,6,7,8,8−hexamethyl−cyclopenta−gama−2−benzopyran))、ヘキシルシナミックアルデヒド(hexyl cinamic aldehyde)、リラル(4−(4−ヒドロキシ4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−10−カルボクサルデヒド(lyral(4−(4−hydroxy4−methyl pentyl)−3−cyclohexene−10−carboxaldehyde))、メチルセドリロン(methyl cedrylone)、メチルジヒドロジャスモネート(methyl dihydro jasmonate)、メチル−ベータ−ナフチル−ケトン(methyl−beta−naphthyl ketone)、ムスクインダノン(musk indanone)、ムスクケトン(musk ketone)、ムスクチベテン(musk tibetene)、およびフェニルエチルフェニルアセテート(phenylethyl phenyl acetate)がある。
【0058】
本発明の鼻ストリップおよび拡張器で使用される芳香剤は、冷却剤または複数の冷却剤の組み合わせを含むこともできる。これについてはここで引用して組み込む、メーン(Mane)氏他に付与された米国特許第5,725,865号を参照されたい。冷却剤は熱いまたは冷たい感覚を担うこれらの神経終末(nerve endings)に直接作用する化合物(配合物)である。この意味でこれらは薬剤である見ることができる。適当な冷却剤として、メントール(menthol)、メントール基材または非環式カルボキシミド(menthol−basedまたはacyclic carboximides)、およびメントール基材または非環式ケタール(アセタール)(menthol−basedまたはacyclic ketals(acetals)がある。本発明で有用な適当な冷却剤として、モノメンチルスクシネート(monomenthyl succinate)およびそのアルカリ金属塩、およびアルカリ土類誘導体(alkaline earth derivatives)、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール(3−1−menthoxypropane−1,2−diol)、N−置換−p−メンタン−3−カルボキサミド(N−substituted−p−menthane−3−carboxamides)、および非環式カルボキサミド(acyclic carboxamides)およびこれらの混合物がある。これらは、ここで引用して組み込む、ベック(Beck)氏に付与された米国特許第5,622,992号に開示されている。
【0059】
別の冷却剤として、例えば、3−1−メントキシプロパン1,2−ジオール(3−1−menthoxy propane 1,2−diol)が含まれ、これについてはここで全体を引用して組み込む、1984年7月10日付けでアマモト(Amamoto)氏他に付与された米国特許第4,459,425号に全て開示されている。この揮発性芳香剤は、日本国東京都、高砂香水株式会社(Takasago Perfumery Co.Ltd.)よりTK−10として市販されている。
【0060】
N−置換−p−メンタン−3−カルボキサミド(N−substituted−p−menthane−3−carboxamides)冷却剤については、ここで全体を引用して組み込む、1979年1月23日付けでワトソン(Watson)氏他に付与された米国特許第4,136,163号に全て記載されている。このクラスの好ましい冷却剤としては、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(N−ethyl−p−menthane−3−carboxamide)があり、これはウイルキンソン・ソード社(Wilkinson Sword Limited)よりWS−3として市販されている。
【0061】
有効な非環式カルボキサミド(acyclic carboxamides)は、ここで全体を引用して組み込む、1980年10月28日付けでロウセル(Rowsell)氏他に付与された米国特許第4,230,688号に全て記載されている。このクラスの最も好ましい冷却剤は、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(N,2,3−trimethyl−2−isopropylbutanamide)であり、これはウイルキンソン・ソード社(Wilkinson Sword Limited)よりWS−23として市販されている。
【0062】
ここで使用するのに適したものは、3−1−メントキシプロパン1,2−ジオール(3−1−menthoxy propane 1,2−diol)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(N−ethyl−p−menthane−3−carboxamide)、およびN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(N,2,3−trimethyl−2−isopropylbutanamide)の混合物である。
【0063】
各種の他の非活性の芳香性成分(例えば、アルデヒドおよびエステル)を果実の芳香を与えるために使用してもよい。これらの芳香剤(芳香性のあるもの)に、例えば、ベンズアルデヒド(チェリー、アーモンド)、シトラル(citral)(レモン、ライム)、ネラル(neral)、デカナル(decanal)(オレンジ、レモン)、アルデヒドC−8、アルデヒドC−9、およびアルデヒドC−12(カンキツ果実)、トリルアルデヒド(tolyl aldehyde)(チェリー、アーモンド)、2,6−ジメチル−オクタナル(2,6−dimethyl−octanal)(グリーン果実)、および2−ドデセナル(2−dodecenal)が含まれる。これらの芳香剤の混合物を使用することもできる。
【0064】
この発明の芳香性薬剤の好ましい例として、樟脳(camphor)、エフェドリン(ephedrine)、ユーカリ油(eucalyptus oil)、ペパーミント油(peppermint oil)、メントール(menthol)、メチルサリチレート(methyl salicylate)、ボルニルアセテート(bornylacetate)、ラベンダー油(lavender oil)またはこれらの組み合わせがある。メントールは、そのペパーミント芳香を超えて拡がる治療効果あるので、咳止め、冷却剤および充血をとる薬品として特に魅力的である。
【0065】
これらの芳香性成分および他の芳香性成分については、ここで引用して組み込む1988年8月12付けの53Federal Register(53連邦登録)30561に全て記載されている。
【0066】
その他の薬剤の活性成分
本発明で有用なその他の薬剤活性剤には局部的投与(局部的使用)に適した任意の化学物質あるいは化合物が含まれるが、このような薬剤は適用された場合に粘着性配合物の安定性を妨害(に干渉)することがないようにする必要がある。このような物質には、抗生物質、外傷治療剤、血管拡張剤(vasodilator)、凝固剤、避妊剤、性欲増進性薬品、化学療法剤、ビタミン、抗ウイルス剤、抗微生物剤、鎮静剤、抗炎症剤、例えば、ヒドロコーチゾン(hydrocortisone)およびトリアムシノロン(triamcinolone)のようなステロイド剤、またはイブプロフェン(ibuptofen)、ナプロキセン(naproxen)、フルフェナミン酸(flufenamic acid)、メフェナミン酸(mefenamic acid)、メクロフェナミン酸(meclofenamic acid)、プリオキシカム(prioxicam)およびフェルビナック(felbinac)のような非ステロイド剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)およびトリプロリジン経皮抗ヒスタミン(triprolidine transdermal antihistamine)のような経皮充血除去剤および抗ヒスタミンも利用可能である。これらはオハイオ州、シンシナチのプロクター・アンド・ギャンブル社(Proctor and Gamble Co. Inc.)から市販されている。その他のものには、エフェドリン(ephedrine)(これは芳香剤となり得る)、ジメチンデン(dimethindene)、エピナスチン(epinastine)、エメダスチン(emedastine)、およびコロニジン(clonidine)がある。経皮物質は数多くの周知の態様で供給(投与)することができる。
【0067】
有用な麻酔薬(anesthetic drug)および止痒薬(antipruritic drug)は、リドカイン(lidocaine)、リドカインヒドロ−クロリド(lidocaine hydro−chloride)、ブピバカインヒドロクロリド(bupivacaine hydrochloride)、クロロプロカインヒドロクロリド(chloroprocaine hydrochloride)、ジブカインヒドロクロリド(dibucaine hydrochloride)、エチドカインヒドロクロリド(etidocaine hydrochloride)、メピバカインヒロロクロリド(mepivacaine hydrochloride)、テトラカイン(tetracaine)、テトラカインヒドロクロリド(tetracaine hydrochloride)、ジクロニンヒドロクロリド(dyclonine hydrochloride)およびヘキシルカインヒドロクロリド(hexylcaine hydrochloride)、ベンゾカイン(benzocaine)、ベンジルアルコール(benzyl alcohol)、ピクリン酸ブタンベン(butamben picrate)、樟脳(camphor)(また芳香性活性剤)、カンフルメタクレゾール(camphorated metacresol)、ジブカイン(dibucaine)、ジブカインヒドロクロリド(dibucaine hydrochloride)、ジメチゾクインヒドロクロリド(dimethisoquin hydrochloride)、ジフェニドラミンヒドロクロリド(diphenhydramine hydrochloride)、トショウ(杜松)タール(juniper tar)、メントール(menthol)(また芳香性薬剤)、フェノール(phenol)、フェノレートナトリウム(phenolate sodium)、プロマジンヒドロクロリド(promazine hydrochloride)、レソシノール(resorcinol)およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0068】
ビタミン
各種のビタミンが本発明の局所配合物に含まれていてもよい。例えば、ビタミンA、およびその誘導体、アスコルビン酸(ascorbic acid)、ビタミンB、ビオチン(biotin)、パントテン酸(pantothenic acid)、ビタミンD、およびこれらの混合物を用いてもよい。また、ビタミンE、トコフェロールアセテート(tocopherol acetate)およびその誘導体を用いてもよい。
【0069】
これらの局所、芳香性および経皮物質および薬剤は、例えばアクリレート共重合体(コポリマー)接着剤(粘着剤)、レシチン・ゲルを基剤としたマトリックス(lecithin gel based matrix)、またはポリウレタン・アクリル系共重合体から作られた分散形経皮パッチ配合中におけるように、接着(粘着)層62、42、または32内に混合されて基板30、弾性部材60に加えることができる。これについては、ここで引用して組み込む、シチャー(Szycher)氏他に付与された米国特許第4,638,043号に記載されている。代替構成として、Eudragt RL−100のようなレート(速度)制御薄膜を使用することもできるであろう。さらに供給(放出、投与)機構(メカニズム)について以下説明する。
【0070】
芳香供給システムおよび機構
本発明のストリップおよび拡張器を通して1つまたはそれ以上の化粧用芳香剤または芳香性薬剤成分を分散させる幾つかの好ましい方法がある。このような方法は、ここでは“芳香供給システム”または“機構(メカニズム)”と称する。これらの機構には、フローラル(花)および植物のアブソリュート(純粋物、absolutes)、コンクリート(凝固、concretes)、およびレジノイド(樹脂性物、resinoids)、動物の分泌物およびエキス(extracts)、マクロ環状ムスク(macrocyclic musks)、多環式ムスク(polycyclic musks)、ニトロムスク(nitromusks)、グルコシドポリオール(glucoside polyols)、ガラクソリド(galaxolide)、エチレンブラシレート(ethylene brassylate)、アセチルヘキサメチルテトラリン(acetylhexamethyl tetralin)およびこれに類する配合物のような固定剤(fixative)を含んでいる。これらについては、ここで引用して組み込む、バー(Barr)氏他に付与された米国特許第5,380,707号、ダビッドソン(Davidson)氏他に付与された米国特許3,045,047号に開示されている。
【0071】
別の機構は、液体芳香剤または薬剤成分を、基板、弾性部材、または接着層(粘着層)(“鼻製品の構成部材”)に嗅覚有効量だけ直接吸収させるかブレンドさせる純粋な方法である。これについては緩慢な(遅い、ゆっくりとした)放出(解放)芳香フィルムを示したセイナー(Seiner)氏に付与された米国特許第3,655,129号、エンゲル(Engel)氏に付与された米国特許第3,688,985号を参照されたい。
【0072】
その他の機構は、ゲル化セルローストリアセテート(cellulose triacetate)(ニコルス(Nichols)氏の米国特許第3,846,404号)、酸素化テルペン(oxygenated terpene)でゲル化されたポリビニルアセタール樹脂(polyvinyl acetal resin)(クデルナ(Kuderna)氏の米国特許第3,954,963号)、高分子炭水化物誘導体(polymeric carbohydrate derivatives)(テング(Teng)氏他の米国特許第4,067,824号)のようなゲルを含んでいる。これらの米国特許をここで引用して組み込む。
【0073】
別の方法はキャリアまたはカプセル封入を使用することによるものである。これによると、芳香剤または薬剤成分は、マイクロカプセル、または多孔性のキャリア、例えばセルロースまたは親水性の多孔性の有機または無機の粒子、に収容され、次いでこれは鼻製品の構成部分に組み込まれる。キャリアまたはカプセル封入法の実施形態は、芳香剤または薬剤成分の“制御されたまたは延長された(長時間)放出”を与えることができ、また皮膚に移動された後に芳香剤または薬剤成分に対してユーザをより長くさらすことができる。接着剤(粘着剤)は移動前に基板上にキャリアまたはカプセルを保持するためにも使用することができる。またはキャリアまたはカプセルを好ましいストリップまたは拡張器の層相互間または外部の上面に配置することもできる。
【0074】
本発明において、芳香剤または薬剤を制御された状態で放出(解放)させるように選択された幾つかの周知のカプセル封入のタイプ(形態)がある。例えば、2つの好ましいタイプのカプセル封入には、(a)接触圧力で破裂するマイクロカプセル、または使用箇所で水分または汗で部分的にまたは完全に溶解して芳香剤または薬剤成分がユーザの皮膚に移動されるマイクロカプセル、(b)破裂せずに芳香剤または薬剤成分を連続的に放出するマイクロカプセル、(c)アンダーソン(Anderson)氏他の米国特許第3,909,444号に記載されているような、例えば液体透過性で水不溶性のカプセル壁内に水溶性の高分子活性を含む多相カプセル、(d)バーン(Behan)氏他に付与された米国特許第5,711,941号に開示されているような、例えば汗の蒸発時に再カプセル封入が可能なマイクロカプセル、が含まれている。上記の各米国特許をここで引用して組み込む。ベハン氏他の米国特許には、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Co.)から商品名N−Lok and Purity Gum BEで市販されているワクシ(蝋性の、waxy)スターチ(starch)または変形されたスターチのような多数の自己乳化フィルム形成物質が開示されている。
【0075】
芳香剤または薬剤成分は、一般に治療用物質が使用者の鼻の内壁組織に移動してマイクロカプセルが破裂するまで分散することができないので、使用箇所で破裂するマイクロカプセルは風邪およびアレルギーの緩和を改善し、また有効期限を改善する。破裂せずに有効な配合成分を連続的に放出するマイクロカプセル、および多孔性キャリアも、同様に風邪およびアレルギーの緩和を改善し、有効期限も改善する。これは、薬剤成分が部分的に開いたマイクロカプセルあるいはキャリアの細孔の中に保持され、芳香剤あるいは薬剤の成分が予め設定された期間にわたって連続的に放出されることが可能になるからである。このタイプのカプセルあるいはキャリア中の芳香剤あるいは薬剤成分は、制御されて一般的により一様な割合(速度)で分散し、連続してより長い持続性を示し、ユーザに対してより信頼性のある定められた利益を与えることができる。カプセル封入技術分野の当業者には理解できるように、適当なカプセル封入技術にはコアセルベーション(coacervation)、プリリング(prilling)、マイクロスポンジング(micdosponging)およびスプレー乾燥(spray drying)が含まれる。好ましい特別なカプセル封入製品の例にインターナショナル フレイバー アンド フレイグランシーズ(International Flavor and Fragrances)から“Polyiff”という商品名で市販されている製品、ポラック フルータル ワークス マイクロ(Polak Frutal Works Micro)からIN−CAPという商品名で市販されている製品がある。
【0076】
本発明の配合物で使用される芳香剤のキャリアは、好ましくは直径が約0.001ミクロン〜約50ミクロン、さらに好ましくは約0.01ミクロン〜20ミクロン、より一層好ましくは約0.1ミクロン〜約10ミクロンの親水性の粒子からなる。ここで使用される“親水性キャリア粒子”という用語は、乾燥した(例えば未使用の)鼻製品中に芳香剤(例えば、芳香性オイルまたは薬剤)を捕捉(エントラップ)し、その製品を使用したときに、例えば指の圧力で接触された時あるいは発汗時に、捕捉された芳香剤を解放(発散)する粒子を意味する。
【0077】
本発明で使用するのに適した1つのタイプの無機のキャリアに、例えば4〜100Aの直径をもった細孔を含む少なくとも0.1ml/gの細孔容量を有するゼオライト(zeolite)およびアルミナのようなアモルファスシリカ、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、活性炭、およびアルミノ珪酸塩が含まれ、これらはその性質によって親水性である。好ましくはアモルファスシリカゲルは、高いオイル吸収性をもっているので使用される。シリカゲル粒子は、例えば72、74、221、234、235、244等の番号のSyloidRシリカを含んでいる。SyloidRシリカは、MD21203、ボルチモア、P.O.Box2117のW.R.グレース社、デイビソン・ケミカル・ディビジョン(W. R. Grace & Co. 、Davison Chemical Division)から市販されている。このような粒子は、表面積が約250〜340m2/g、細孔容量が約1.1〜約1.7cc/g、平均粒子寸法が約2.5〜約6ミクロンである。ヒュームドシリカ粒子は、約0.007〜約0.025ミクロンの主要(一次)粒子の直径を有し、Cab−O−SilR番号L−90、LM−130、LM−5、M−5、PTG、MS−55、HS−5、およびEH−5を含んでいる。Cab−O−SilRシリカは、Ill.61953、タスコラ(Tuscola)P.O.Box188のカボット社(Cabot Corp.)から市販されている。芳香剤をシリカ粒子に加えて吸収を最大にするときに存在する他の物質の量が最少限であることが好ましい。芳香剤を吸収させる期間中に混合物中に存在するワックスを含む有機物質の量は、例えば約10%以下の僅かな量であることが特に好ましい。
【0078】
本発明で使用するのに適した別のタイプのキャリアにシクロデキストリン(cyclodextrin)が含まれる。ここで使用される“シクロデキストリン”(CD)という用語は、6〜12のグルコース単位、特にアルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン、それらの誘導体、およびそれらの混合物を含む非置換(unsubstituted)シクトデキストリンのような周知の任意のシクロデキストリンを含む。これらのシクロデキストリンは芳香剤成分との包含(包接)錯(inclusion complexes)を形成することができる。アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリンは、特に、インディアナ州、ハモンドのアメリカン・メイズ−プロダクツ社(アメイゾ)、コーン・プロセッシング・ディビジョン(American Maize−products Company(Amaizo)、Corn Processing Division)、およびイリノイ州、ガーニー(Gurnee)のロケット社(Roquette Corporation)から入手できる。シクロデキストリンの多くの誘導体の存在が知られている。代表的な誘導体は、1969年2月4日付けでパルメーター(Parmerter)氏他に付与された米国特許第3,426,011号、1969年7月1日付けでパルメーター(Parmerter)氏他に付与された米国特許第3,453,257号、第3,453,258号、3,453,259号、および第3,453,260号、1969年8月5日付けでグラメラ(Gramera)氏他に付与された米国特許第3,459,731号、1971年1月5日付けでパルメーター(Parmerter)氏他に付与された米国特許第3,553,191号、1971年2月23日付けでパルメーター(Parmerter)氏他に付与された米国特許第3,565,887号、1985年8月13日付けでセジトリ(Szejtli)氏他に付与された米国特許第4,535,152号、1986年10月7日付けでヒライ(Hirai)氏他に付与された米国特許第4,616,008号、1987年1月20日付けでブランド(Brandt)氏他に付与された米国特許第4,638,058号、1988年5月24日付けでツチヤマ(Tsuchiyama)氏他に付与された米国特許第4,746,734号、1987年7月7日付けでオギノ(Ogino)氏他に付与された米国特許第4,678,598号、1982年10月26日付けでシバナイ(Shibanai)氏他に付与された米国特許第4,356,115号に開示されている。これらの米国特許の全てをここで引用して組み込む。ここで使用するのに適したシクロデキストリンの誘導体の例として、前述のアメイゾ(Amaizo)およびウイスコンシン州、ミルウオーキーにあるアルドリック・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)から入手できる異なる置換度(D.S.)のメチル−β−CD、ヒドロキシエチル−β−CD、およびヒドロキシプロピル−β−CDがある。砂糖タイプのまたはデキストリン分子および誘導体を含む水溶性の、例えば発汗により溶解する、誘導体も、非常に好ましい。
【0079】
本発明の芳香剤を含む芳香オイル(油)、薬剤、キャリアおよびカプセルをそのままの形で接着剤(粘着剤)、基板、弾性部材中に組み込むことができるし、または、例えば脂肪酸のような蝋性(waxy)の物質中にカプセル封入することもでき、その後鼻製品の構成要素に加えられる。芳香剤キャリア中に芳香剤を含浸させるために、均質な混合物が得られるように芳香剤とキャリアを剪断的に(under shear conditions)混合される。
【0080】
芳香油、薬剤、芳香キャリアまたはカプセル(二重カプセル封入)をカプセル封入したい場合には、好ましい被覆材料には、典型的には、複数の蝋性材料の中からまたは水不溶性ポリマーと水溶性ポリマーの双方の中から選択された水不溶性材料と水溶性材料の双方が含まれる。複数の蝋性材料には、例えば、パラフィン(paraffinic)蝋、微小結晶(microcrystalline)蝋、動物性蝋、野菜性蝋、アルキル鎖中に12〜40個の炭素原子を有する飽和脂肪酸および脂肪アルコール、例えば脂肪酸トリグリセリド(triglyceride)、ソルビタン(sorbitan)の脂肪酸エステルおよび脂肪アルコールの脂肪酸エステルのような脂肪エステル、がある。典型的な具体的な適当な蝋性被覆材料には、ラウリン(lauric)、ミリスチン(myristic)、パルミチン(palmitic)、ステアリン(stearic)、アラキン(arachidic)およびベヘン(behenic)酸、ステアリル(stearyl)およびベヘニル(behenyl)アルコール、微小結晶蝋(microcrystalline wax)、蜜蝋(beeswax)、鯨蝋(spermaceti wax)、カンデリラ蝋(candelilla wax)、ソルビタントリステラレート(sorbitan tristearate)、ソルビタンテトララウレート(sorbitan tetralaurate)、トリパルミチン(tripalmitin)、トリミリスチン(trimyristin)およびオクタコサーン(octacosane)が含まれる。好ましい蝋性材料はココナツ(coconut)脂肪酸である。蝋性材料は、運動、行動(努力)または熱のときの芳香活性化について約98.6°F以上で溶融しまたは実質的に軟化するものが、鼻腔拡張器およびストリップとして理想的である。
【0081】
芳香剤、薬剤、キャリアおよびマイクロカプセルの被覆に使用できるポリマー材料の例には、セルロースエーテル、例えばエチル、プロピルまたはブチルセルロース;セルロースエステル、例えばセルロースアセテート、プロピオネート、ブチレートまたはアセテートブチレート;エチレンビニルアセテートコポリマー;ポリアルキレングリコール、例えばエチレン、プロピレン、テトラメチレングリコール;ユリアホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド(polyvinylidene chloride)、ポリエチレン、スチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレートおよびナイロンがある。そのような材料およびその均等物が、合成有機プラスチックの通常の任意のハンドブック、例えばここで引用して組み込むMcGraw−Hill、New York、NY(1985年10月)によって発行されたModern Plastics Encyclopaedia volume、Vol.62,No.10A(1985−1986用)に非常に詳細に記載されている。好ましいポリマー材料はエチルセルロースである。ポリマー被覆材料は、例えばフタレート(phthalate)、アジペート(adipate)およびセバケートエステル(sebacate ester)、ポリオール(polyol)(例えばエチレングリコール)、トリクレシルホスフェート(tricresyl phosphate)、ヒマシ(castor)油および樟脳のような既知の可塑剤を用いて可塑的にできる。これらの高分子(ポリマー)被覆は、それによって優れた保護が得られるので好ましい。
【0082】
被覆材料は、蝋性(ワックス様)材料と高分子被覆材料の混合物を含むようにできる。芳香剤および/または薬剤を包囲する被覆の機能は、さらに改善された安定性を与え、活性成分の二重供給を可能にする。異なる活性成分は、延長された放出、延長された嗅覚有効性、未使用と使用中で異なる香りまたは活性剤(actives)、および嗅覚飽和の最小化を達成するために、相異なる供給機構で含侵することができる。
【0083】
被覆およびマイクロカプセル内に取り込まれまたは芳香キャリア内に含侵(充填、注入、impregnate)された芳香に加えて、本発明の配合物は、オプションとして(選択的に)、液体状で存在する(例えば、芳香剤マイクロカプセル・キャリア内に含侵されていない)芳香を含ませることもできる。鼻腔拡張器およびストリップに液体芳香配合物を組み込むことは、固有の芳香印象(感覚)に寄与することができる。例えば、鼻ストリップは、芳香キャリア内に含侵された芳香剤と液体芳香剤の双方を含んでいて、1)二重芳香印象を与え(例えば、乾燥(未使用または純粋)ストリップ対(vs)使用中ストリップについて異なる芳香印象を呈することができる)、または2)未使用または純粋のストリップと使用中のストリップの双方について芳香印象を最適化することができる。
【0084】
本発明の鼻腔拡張器およびストリップ用の純粋な(未使用の)芳香剤として使用できる芳香剤は、上述のものと同じである。
【0085】
本発明の二重芳香改善法によれば、その配合または組成の芳香要素(成分)は、明確な嗅覚特性(olfactive nature)のものであり、ただ1つの組合せの基準(criterium)はそれらによって形成された調和した効果に存在する。ここで引用して組み込むウェイ(Wei)氏他に付与された米国特許第5,723,420号を参照されたい。2つの芳香要素からなる配合の好ましい実施形態において、上記要素の中の1つは、より重い臭い(odor)特性または他より低いノートのものである。従って、冷却用メントールの臭いを発生する芳香成分は、麝香のような(musky)重い臭いの要素とよく調和するかもしれない。その結果、その成分の中の液体またはキャリア形態の第2の成分を、マイクロカプセル封入形態の第1の成分と組み合わせることが示唆できるであろう。例えばぴりぴり(tingling)するメントール感とともに、発汗中のマイクロカプセルの破裂によってまたは単に接触によって活性した時に、ユーザは、先に、木質の琥珀の臭い(woody amber scent)の第1の印象(impression)を受ける。
【0086】
これらの適用例において、マイクロカプセル封入した成分が液体香水要素より軽い臭い特性を有する芳香配合の上述の実施形態は、最も必要になるまで例えばメントールおよび樟脳のような揮発性の高いノートを維持(保持)するのに特に有利であることがわかった。しかし、臭い特性と供給機構のその他の組合せを用いることができることは明らかである。例えば、液体状のベビーパウダー特性の比較的粘着性のある香水要素を、発汗が突然生じた後に新鮮なスポーティな(sporty)嗅覚刺激(インパルス)を与えるであろう新鮮なシトラス(柑橘)(citrus)、メントールまたはラベンダ(lavender)臭のマイクロカプセル封入要素と組み合わせて用いることもできるであろう。あるいは、共に熱のある間に体温上昇または発汗上昇によって活性化されるマイクロカプセル封入冷却剤(agent)、WS−23またはメントール、と、マイクロカプセル封入鎮静剤(analgesic)およびエフェドリン(ephedorine)と共に、チェリー(サクランボ)特性の液体ベンズアルデヒド(benzaldehyde)を用いた子供用配合(formation)を用いてもよい。活性剤(agent)の別の望ましい組合せは、例えばイブプロフェン(ibuprofen)のような鎮静剤(analgesic)および消炎(anti-inflammatory)剤の経皮有効量を、約5〜10mgのマイクロカプセル封入またはキャリア含侵芳香メントール油(オイル)および樟脳と共に含んでいる。前述したように、嗅覚(olfactive)特性および/または薬剤の2つの明確な供給機構の組合せは、ほとんど制限がなく、所望の効果および最終用途(末端の使用)に応じた同じまたは異なる供給機構を用いて2つ以上の芳香剤および/または薬剤を含んでいることが好ましい。
【0087】
また、本発明では、人間の皮膚に装着するまでは活性化されない芳香成分を、例えば“身体活性の”ものを、有する芳香配合が用いられる。芳香剤のpH活性を教示し、ここで引用して組み込む米国特許第5,626,552号および第5,378,468号を参照されたい。この結果を達成する1つの好ましい配合物は、アルカリ性(alkaline)のもの、または(無水性(anhydrous)であれば)装着(適用)前に水と接触したときにアルカリ性pHを生じることができるものであり、(1)装着前に配合物が水に接触したときにその配合物がアルカリ性pHとなるような基剤(ビヒクル)(vehicle)と、(2)アルカリ性配合物に臭いがほとんどまたは全くない少なくとも1つの配合物であるが比較的強い芳香を有する配合物を生成するより低いpH環境において加水分解(hydrolize)できる少なくとも1つの潜在的芳香剤とを含んでいる。アルカリ性配合物を皮膚表面に装着するときに皮膚の強い緩衝能力(buffering capacity)(その表面は通常5.5〜7.0のpHを有する)によって配合物のアルカリ性が中和され(pHが低くなり)、通常の皮膚表面pHを回復するようになる。次いで、潜在的芳香剤はより低いpHで加水分解して、比較的強い芳香を有する配合物を放出する。潜在的芳香剤または薬用配合物は、鼻腔腔拡張器ストリップの成分として組み込むことができ、芳香剤または薬用配合物は、身体に装着したときに放出される。
【0088】
投与量
この分野の専門家であれば、適用される芳香または薬剤のタイプおよび最終用途(末端の使用)の適用例(スポーツ、いびき、風邪緩和、成人、子供、等)に従って、基板の任意の所与の領域に加えられる化粧用芳香または治療用物質の品質を決定することができる。考慮すべきファクタ(要因)は、治療物質のコスト、その物理的特性、その適用例(例えば、風邪およびアレルギー症状の鎮静、保護、緩和、トレーニング中の冷却感を与える、等)の特定の目的を達成するための鼻皮膚に適用(付加)すべき量、およびパッケージのコストおよび便利さを含んでいる。化粧用芳香または治療用物質の好ましいレベルは、物質および最終用途(末端の使用)の適用例に応じて、皮膚の平方センチメートル当たり、約0.1mg乃至約10mg/cm2のレベルである。
【0089】
純粋な形態、キャリア形態またはマイクロカプセル形態の芳香、ビタミン、治療用および薬用物質、および被覆芳香は、例えばスプレー、ディップ(dipping)、パッド(padding)による、または、好ましい物質の場合は移動中の基板または弾性層材料のウェブに対する油または溶融物質のスプレー、ロール(rolling)、ディップ、または押出加工(extrusion)による、等の都合の良い技術によって、本発明の物質、接着剤および弾性層に適用できる。
【0090】
以上のことから、本発明は、供給特性、嗅覚飽和に対するより大きな抵抗、およびより長い在庫有効期間および使用中の有効性を改善した薬剤および芳香剤を含んだ改善された鼻ストリップおよび拡張器を提供することが理解できる。また、接着剤残留を減らし、芳香薬剤の治療上の供給または投与(delivery)を改善する。本発明の拡張器および方法は、かたよった中隔を有する個人および競技または演技中により多くの酸素を望む運動選手(競技者、アスリート)を助けるのに役立つ。種々の実施形態を例示したが、これは、発明の説明のためのものであって発明を限定するためのものではない。この分野の専門家にとって、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲内で種々の変形が存在することは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の好ましい鼻腔拡張器を装着した人の部分正面斜視図である。
【図2】 図2は、接着層の部分的に剥がした裏面図で示された、本発明の好ましい鼻拡張器の上面図である。
【図3】 図3は、図2の鼻拡張器の側部断面拡大図である。
【図4】 図4は、仮想線で示された鼻拡張器の基板の周辺部を含んだ好ましい弾性部材の上面図である。
【図5】 図5は、強化用スクリムで構成される代替的弾性部材の上面図であり、仮想線で示された基板の周辺部を示している。
【図6】 図6は、接着層の部分的に剥がした裏面図で示された、本発明の好ましい鼻ストリップの上面図である。
【図7】 図7は、図6の鼻ストリップの鼻拡張器の側部断面拡大図である。
Claims (11)
- 装着者の外部鼻壁組織へ接着して使用するよう適合化された鼻拡張器であって、
(a)前記鼻拡張器が前記装着者の鼻に接着されたときに前記外部鼻壁組織にゆるやかな拡張力を与える弾性部分を含む細長い柔軟な部材と、
(b)前記柔軟な部材の或る面に配置された感圧接着剤層と、
(c)前記柔軟な部材の一部に配置されていて、前記鼻拡張器が装着されている間に呼吸中に前記装着者の拡張された鼻を通して吸入されるようにその拡張された鼻へ供給可能な第1の芳香物質と、
(d)前記鼻拡張器上に複数のカプセルを含む芳香供給システムと、
を具え、
前記複数のカプセルは、前記鼻拡張器が前記装着者の鼻に接着される間およびその後前記鼻拡張器が前記装着者の鼻に装着されている間に、前記鼻拡張器上での前記複数のカプセルとの接触に応じて前記複数のカプセルが破れることによって、拡張された鼻へ供給されるよう制御可能な第2の芳香物質を含み、
前記第1の芳香物質および前記第2の芳香物質は前記感圧接着層から分離されており、
前記複数のカプセルに含まれる前記第2の芳香物質は、前記鼻拡張器が前記装着者の鼻に装着されている間に前記装着者の拡張された鼻を通して吸入可能な前記第1の芳香物質と組み合わされて、二重供給システムを与えるものである、
鼻拡張器。 - 前記芳香供給システムは、さらに、芳香油、固定剤、ゲル、スターチ、接触圧または湿気により破れるカプセル、破れることなく芳香を連続的に放出するカプセル、多相カプセル、再カプセル封入可能なカプセル、多孔性キャリア、pH感応化合物、蝋性物質、ポリマー、シクロデキストリン、セルロース、または、その組み合わせ、誘導体または化学的バリエーションを含むものである、請求項1に記載の鼻拡張器。
- 前記第1の芳香物質は1種の芳香物質の第1の部分を含み、前記第2の芳香物質は前記1種の芳香物質の第2の部分を含むものである、請求項1に記載の鼻拡張器。
- 前記芳香供給システムは、未使用および使用中の相異なる芳香嗅覚感覚を与えるものである、請求項1乃至3のいずれかに記載の鼻拡張器。
- 前記芳香供給システムは、発汗および接触に応じて前記複数のカプセルが破れるように前記鼻拡張器上の複数のカプセルとの接触に応じて供給が制御される供給システムを形成するものである、請求項1乃至4のいずれかに記載の鼻拡張器。
- 前記複数のカプセルは、接触と、発汗、pH、またはその組合せとに応じて破れるものである、請求項1乃至5のいずれかに記載の鼻拡張器。
- 前記第1の芳香物質および前記第2の芳香物質は芳香性冷却剤または経皮冷却剤を含むものである、請求項1乃至6のいずれかに記載の鼻拡張器。
- 前記複数のカプセルは、芳香油の混合物を含み、未使用と使用中の双方の芳香嗅覚感覚の効果を与えるものである、請求項1乃至7のいずれかに記載の鼻拡張器。
- 芳香物質の二重供給システムを製造するための、鼻拡張ストリップの使用法であって、
(a)長い柔軟層を含む鼻拡張ストリップを供給し、
前記鼻拡張ストリップは、底面に配置されたバイオコンパチブルな感圧接着層と、前記鼻拡張ストリップが接着される間およびその後前記鼻拡張ストリップが装着者の拡張された鼻に装着されている間に吸入されるように、拡張された鼻へ供給可能な少なくとも1種の芳香物質と、を含み、
前記少なくとも1種の芳香物質は吸入可能な第1の芳香物質を含み、
前記柔軟層は、前記鼻拡張ストリップが前記鼻に接着される間に前記装着者の外部鼻壁組織にゆるやかな拡張力を与える弾性部分を含むものであり、
さらに、
(b)複数のカプセルを含む芳香供給システムを形成し、
前記複数のカプセルは、前記鼻拡張ストリップが前記装着者の鼻に装着されている間に、前記鼻拡張ストリップ上での前記複数のカプセルとの接触に応じて前記複数のカプセルが破れることによって、拡張された鼻へ放出されるよう制御可能な第2の芳香物質を含み、
前記第1の芳香物質および前記第2の芳香物質は前記感圧接着層から分離されており、
前記複数のカプセルに含まれる前記第2の芳香物質は、前記鼻拡張ストリップが前記装着者の鼻に装着されている間に前記装着者の拡張された鼻を通して吸入可能な前記第1の芳香物質と組み合わされて、二重供給システムを与えるものである、
鼻拡張ストリップの使用法。 - 前記第1の芳香物質は前記1種の芳香物質の第1の部分を含み、前記第2の芳香物質は前記1種の芳香物質の第2の部分を含むものである、請求項9に記載の鼻拡張ストリップの使用法。
- 前記第1の芳香物質および前記第2の芳香物質は芳香性冷却剤または経皮冷却剤を含むものである、請求項9に記載の鼻拡張ストリップの使用法。
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