JP4765624B2 - 精製2−シアノアクリレートの製造方法 - Google Patents

精製2−シアノアクリレートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、瞬間接着剤の主成分として広く用いられている精製2−シアノアクリレートの製造方法に関するものであり、特に製造工程中の精製工程の改良に関するものである。
2−シアノアクリレートは一般的に、シアノアセテートとホルムアルデヒドとを有機溶媒中で縮合し、得られた重合体を高温減圧下で解重合することによって製造される。ここで得られる粗製2−シアノアクリレートは一般に純度が低く、接着性能、安定性等に劣っているため、更に蒸留することで精製2−シアノアクリレートを得ている。
2−シアノアクリレートの蒸留・精製に関しては、2−シアノアクリレートの重合を防止するために、五酸化二リン、リン酸、パラトルエンスルホン酸等のアニオン重合禁止剤と、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール等のラジカル重合禁止剤とを粗製2−シアノアクリレートに添加し、減圧で加熱蒸留する方法が知られている。
また、特開平1−135754号公報では、蒸留塔の上部から重合禁止剤を連続的に向流的に添加しながら蒸留する方法が提案されている。
また、米国特許第2794788号公報では、留出系における2−シアノアクリレートの重合防止としてSO、BF、HF、CO等酸性気流下で蒸留を行う方法が開示されている。
さらに、特開平4−124168号公報では、上記のような酸性ガスを用いずに、BFエーテル錯塩、BFカルボン酸錯塩のような重合禁止剤を用いて蒸留する方法が提案されている。
しかし、上記したような五酸化二リンやハイドロキノン等の重合禁止剤、あるいは、BFエーテル錯塩、BFカルボン酸錯塩等の重合禁止剤を使用しても、留出系において2−シアノアクリレートが重合しやすい問題はなお残っている。
また、SO、BF、HF、CO等の酸性気流下で蒸留を行う方法は、得られた2−シアノアクリレートに多量の酸性ガスが含まれることになるため、この酸性ガスを脱気等によって除去する必要がある。また、これら酸性ガスは排ガスとして放出されるため除外設備が必要であり、操作上および環境上の問題がある。
本発明の目的は、上述のような問題を解決すること、すなわち、酸性ガス使用時のような操作上および環境上の問題がなく、2−シアノアクリレートの蒸留に際して、留出系における2−シアノアクリレートの重合を継続的に防止できる方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明者等は、2−シアノアクリレートを蒸留する際の留出系での重合防止方法を鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、粗製2−シアノアクリレートを重合禁止剤の存在下に蒸留して得る精製2−シアノアクリレートの製造方法において、前記重合禁止剤としてその常圧における沸点が前記精製2−シアノアクリレートの常圧における沸点の上下12℃以内にある重合禁止剤を用いることを特徴とする製造方法、である。
本発明者等は、特開平1−135754号公報で使用されている重合禁止剤は、エチル−2−シアノアクリレートの沸点より上へ12℃を超えて高い沸点を有すること、また、2−シアノアクリレートの沸点より上へ12℃を超えて高い沸点を有する重合禁止剤を用いると、留出系で2−シアノアクリレートの重合が起こりやすいことを発見した。そして、この原因を追求したところ、このような重合禁止剤の使用は目的とする蒸留塔での重合を防止するものの、重合禁止剤が蒸気として2−シアノアクリレートと同伴しないことから留出系にまで行き渡らないためであることも分かった。
また、特開平4−124168号公報で使用されている重合禁止剤は、BFエーテル錯塩やBFカルボン酸錯塩のように2−シアノアクリレートの沸点より下へ12℃を超えて低い沸点を有するか、BFフェノール錯塩のように2−シアノアクリレートの沸点より上へ12℃を超える高い沸点を有すること、また、2−シアノアクリレートの沸点より下へ12℃を超えて低い沸点を有する重合禁止剤の使用も長時間の蒸留においては蒸留後期に留出系で重合が起こりやすいことを発見した。そして、この原因を追求したところ、このような重合禁止剤は蒸留初期に分離されて系外へ出るためであることも分かった。本発明は、上記知見に基いて完成したものである。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における2−シアノアクリレートとしては、メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、イソプロピル−2−シアノアクリレート、ブチル−2−シアノアクリレート、イソブチル−2−シアノアクリレート、アミル−2−シアノアクリレート、ヘキシル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレート、オクチル−2−シアノアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノアクリレート、アリル−2−シアノアクリレート、ベンジル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシプロピル−2−シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート等が挙げられ、これらの2−シアノアクリレートは1種類にとどまらず2種以上を混合使用することもできる。
なお、これらの2−シアノアクリレートの常圧における沸点を例示すれば、メチル−2−シアノアクリレートは195℃、エチル−2−シアノアクリレートは200℃、イソプロピル−2−シアノアクリレートは205℃、イソブチル−2−シアノアクリレートは210℃とする。
本発明で使用する重合禁止剤は、常圧における沸点が精製当該2−シアノアクリレートの常圧における沸点の上下12℃以内、好ましくは上下10℃以内にある重合禁止剤である。なお、実際の2−シアノアクリレートの蒸留は減圧下で行うことが多い。化合物間の沸点差は減圧下では小さくなるが、減圧度により変動するので、本発明では常圧における沸点を基準とする。なお、本発明で使用する重合禁止剤は、上記条件を満足するのであれば、ラジカル重合禁止剤を使うこともできるが、好ましいものはアニオン重合禁止剤である。
アニオン重合禁止剤(カッコ内数字は常圧基準の沸点)の例は、エチル−2−シアノアクリレート(200℃)に対しては、クロロ酢酸(189℃)、ジクロロ酢酸(194℃)、トリクロロ酢酸(196℃)、ブロモ酢酸(206℃)、ジブロモフルオロ酢酸(198℃)、3−クロロプロピオン酸(203−205℃)、2,2−ジクロロプロピオン酸(210℃)、2−ブロモプロピオン酸(203℃)、2−クロロ酪酸(210℃)、4−クロロ酪酸(196℃)、tert−ブチル酢酸(190℃)、2,3−ジメチル酪酸(191−192℃)、2−エチル酪酸(191−195℃)、2−エチル−2−メチル酪酸(200−202℃)、3−メトキシイソ酪酸(197−201℃)、2−メチル吉草酸(196−197℃)、3−メチル吉草酸(196−198℃)、4−メチル吉草酸(199−201℃)、2−エチル吉草酸(209℃)、2−メトキシ吉草酸(193−197℃)、ヘキサン酸(202℃)、5−ヘキセン酸(202℃)、3,3−ジメチルアクリル酸(194−195℃)、ペンタフルオロプロパンスルホン酸(196℃)、BFメタノール錯体(200℃)、BFエタノール錯体(200℃)等が挙げられる。
また、プロピル−2−シアノアクリレート(210℃)に対しては、ブロモ酢酸、3−クロロプロピオン酸、2,2−ジクロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸(216℃)、3−エトキシ−2−メチルプロピオン酸(214−215℃)、2−クロロ酪酸、2−エチル−2−メチル酪酸、3−メトキシイソ酪酸、2−メトキシメチル酪酸(218−220℃)、2−エチル吉草酸、2−エチル−4−メチル吉草酸(218−220℃)、2−プロピル吉草酸(220℃)、ヘキサン酸、2−メチルヘキサン酸(209℃)、5−メチルヘキサン酸(212℃)、5−ヘキセン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸(210−212℃)、BFメタノール錯体、BFエタノール錯体等が挙げられる。
また、ブチル−2−シアノアクリレート(230℃)に対しては、3−メチルスルファニルプロピオン酸(235−240℃)、2,2−ジエチル酪酸(220−221℃)、2−メトキシメチル酪酸、2−エトキシメチル酪酸(225−226℃)、3,4−ジメチル吉草酸(220−225℃)、2−エチル−4−メチル吉草酸、2−プロピル吉草酸、5−オキソ吉草酸(240℃)、2,5−ジメチルヘキサン酸(228−230℃)、ヘプタン酸(223℃)、3−エチルヘプタン酸(236℃)、オクタン酸(237℃)、シクロヘキサンカルボン酸(232−233℃)、トリクロロアクリル酸(221−223℃)、シアノ酢酸(230℃)、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸(223−226℃)、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸等が挙げられる。
また、エトキシエチル−2−シアノアクリレート(240℃)に対しては、3−メチルスルファニルプロピオン酸、5−オキソ吉草酸、2,5−ジメチルヘキサン酸、3−エチルヘプタン酸、2−メトキシヘプタン酸(246−250℃)、オクタン酸、2−メチルオクタン酸(244−246℃)、シクロヘキサンカルボン酸、シアノ酢酸等が挙げられる。
これらの重合禁止剤の中では、酸性度が高いものが低濃度で速効性があるため、ハロゲン化カルボン酸類またはハロゲン化スルホン酸類が好ましい。具体的には、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸、ジブロモフルオロ酢酸、3−クロロプロピオン酸、2,2−ジクロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、2−クロロ酪酸、4−クロロ酪酸、ペンタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、トリクロロアクリル酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸、3−メチルスルファニルプロピオン酸が挙げられる。更に2−シアノアクリレートとの沸点の関係が合えば、ジクロロ酢酸およびトリクロロ酢酸が特に好ましい。また、ハロゲン化カルボン酸類またはハロゲン化スルホン酸類以外には、BFメタノール錯体、BFエタノール錯体も好ましい。
これら沸点については、Aldrich等のカタログ記載又は「CrossFire Beilstein」という化学データベースから検索できる。
本発明で用いる粗製2−シアノアクリレートは、通常の方法、例えばシアノ酢酸エステルとホルムアルデヒドを有機溶媒中、塩基触媒の存在下で加熱して縮合し、得られた縮合体を解重合触媒、重合抑制剤の存在下、減圧高温下で解重合することによって得られる粗製2−シアノアクリレートが一般的に使用できる。
蒸留方法としては、例えば充填式蒸留塔や棚段式蒸留塔を用いて上記の方法で製造された粗製2−シアノアクリレートを減圧下で加熱する方法が挙げられる。このとき、蒸留圧力は好ましくは1〜10mmHgとし、蒸留温度は好ましくは50〜100℃とする。また、この際、釜側にある粗製2−シアノアクリレートに、五酸化二リン、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、プロパンサルトン等のアニオン重合禁止剤か、ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール等のラジカル重合禁止剤を添加するのが好ましく、更に好ましくはその両方を添加する。これら重合禁止剤は、釜液の安定化のために添加するのであるから、対象となる2−シアノアクリレートの沸点より上へ12℃を超える高い沸点を有するものが好ましい。また、上記2−シアノアクリレートの沸点より上へ12℃を超える高い沸点を有するアニオン重合禁止剤及びラジカル重合禁止剤の添加量は、2−シアノアクリレート(100重量部)に対して、いずれの重合禁止剤も各々0.05〜1.0重量部とすることが好ましい。
沸点が2−シアノアクリレートの沸点の上下12℃以内、好ましくは10℃以内にある重合禁止剤の添加方法としては、釜中の粗製2−シアノアクリレートに予め添加するか、または精製2−シアノアクリレートに溶解して蒸留釜もしくは蒸留塔上部より連続的に添加してもよい。好ましくは、重合禁止剤を釜に添加し、かつ蒸留塔上部より連続的に添加する。
前記重合禁止剤の添加量は、粗製又は精製2−シアノアクリレートに対して1〜1000重量ppmが好ましく、より好ましくは10〜100重量ppmである。重合禁止剤が上記の範囲にあれば、重合禁止剤としての効果が十分であり、留出系内で重合を起こす恐れがなく、また、得られた留分の接着速度を本来の速度に維持できる。
蒸留後の精製された2−シアノアクリレートには、保存のために、SO、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、プロパンサルトン、BF錯体等のアニオン重合禁止剤や、ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール等のラジカル重合禁止剤を任意の量添加することが好ましい。
2−シアノアクリレートの蒸留において、2−シアノアクリレートと沸点が近い重合禁止剤を用いると、蒸留系での重合が防止できる理由は、この重合禁止剤は2−シアノアクリレートの蒸気と同伴することによって蒸留塔から留出系にかけて万遍なく行き渡ることから、蒸留装置全体を長時間に渡って重合防止することができるためと推測される。
以下、実施例および比較例により、さらに詳しく本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。評価の方法は、蒸留留出系での重合物の有無を目視で確認した。
実施例1〜6、比較例1〜4
粗製エチル−2−シアノアクリレートに対して、ハイドロキノン(0.5重量%)および五酸化二リン(0.1重量%)をそれぞれ釜液安定剤として添加し、重合禁止剤として表1に示す化合物の精製エチル−2−シアノアクリレート溶液(濃度は表1のとおり)を充填塔上部から連続的にスプレーしながら、理論段数10段の充填式蒸留塔を用いて5mmHgの減圧下、釜温度70〜80℃で1時間還流操作をした後に還流比3で蒸留を行った。そして初留分10%を留去させた後、留分60〜70%の精製エチル−2−シアノアクリレートを得た。蒸留留出系での重合の有無について表1に示した。
粗製メチル−2−シアノアクリレートに対して、ハイドロキノン(0.5重量%)および五酸化二リン(0.1重量%)をそれぞれ釜液安定剤として添加し、重合禁止剤として表1に示す化合物の精製メチル−2−シアノアクリレート溶液(濃度は表1のとおり)を充填塔上部から連続的にスプレーしながら、他は実施例1と同様の方法で蒸留を行い、精製メチル−2−シアノアクリレートを得た。蒸留留出系での重合の有無について表1に示した。
粗製イソプロピル−2−シアノアクリレートに対して、ハイドロキノン(0.5重量%)および五酸化二リン(0.1重量%)をそれぞれ釜液安定剤として添加し、重合禁止剤として表1に示す化合物の精製イソプロピル−2−シアノアクリレート溶液(濃度は表1のとおり)を充填塔上部から連続的にスプレーしながら、釜温度を80〜90℃にする他は実施例1と同様の方法で蒸留を行い、精製イソプロピル−2−シアノアクリレートを得た。蒸留留出系での重合の有無について表1に示した。
粗製イソブチル−2−シアノアクリレートに対して、ハイドロキノン(0.5重量%)および五酸化二リン(0.1重量%)をそれぞれ釜液安定剤として添加し、重合禁止剤として表1に示す化合物の精製イソブチル−2−シアノアクリレート溶液(濃度は表1のとおり)を充填塔上部から連続的にスプレーしながら、釜温度を80〜90℃にする他は実施例1と同様の方法で蒸留を行い、精製イソブチル−2−シアノアクリレートを得た。蒸留留出系での重合の有無について表1に示した。
Figure 0004765624
表1から明らかなように、本発明による重合禁止剤を用いずに2−シアノアクリレートの沸点よりも上へ12℃を超えて高い沸点を有する重合禁止剤を添加した場合(比較例1)、および2−シアノアクリレートの沸点より下へ12℃を超えて低い沸点を有する重合禁止剤を添加した場合(比較例2)においては、蒸留中に留出系で重合物の付着が見られた。これに対して本発明による方法で重合禁止剤を連続添加した場合(実施例1〜9)においては留出系で重合物の付着が見られなかった。
本発明は、2−シアノアクリレートを、沸点が2−シアノアクリレートの沸点の上下12℃以内にある重合禁止剤の存在下に蒸留することによって、長時間の蒸留においても継続的に蒸留塔および留出系の重合防止を可能にするものである。本発明によって、例えば多段式の蒸留塔を用いたり、還流比を大きくして蒸留することで高純度の精製2−シアノアクリレートを一工程で得ることが可能となる。

Claims (11)

  1. 粗製2−シアノアクリレートをアニオン重合禁止剤の存在下に蒸留して得る精製2−シアノアクリレートの製造方法において、前記アニオン重合禁止剤としてその常圧における沸点が前記精製2−シアノアクリレートの常圧における沸点の上下12℃以内にあるアニオン重合禁止剤を用い、かつ、前記蒸留が充填式蒸留塔を用いて減圧下で加熱する方法であり、アニオン重合禁止剤を精製2−シアノアクリレートに溶解して充填式蒸留塔上部から添加することを特徴とする製造方法。
  2. アニオン重合禁止剤がハロゲン化カルボン酸またはハロゲン化スルホン酸類である請求項記載の製造方法。
  3. 上記精製2−シアノアクリレートが、エチル−2−シアノアクリレートであり、上記アニオン重合禁止剤が、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸、ジブロモフルオロ酢酸、3−クロロプロピオン酸、2,2−ジクロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、2−クロロ酪酸、4−クロロ酪酸、ペンタフルオロプロパンスルホン酸であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 上記精製2−シアノアクリレートが、プロピル−2−シアノアクリレートであり、上記アニオン重合禁止剤が、ブロモ酢酸、3−クロロプロピオン酸、2,2−ジクロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、2−クロロ酪酸、ノナフルオロブタンスルホン酸である請求項2記載の製造方法。
  5. 上記精製2−シアノアクリレートが、ブチル−2−シアノアクリレートであり、上記アニオン重合禁止剤が、トリクロロアクリル酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸または3−メチルスルファニルプロピオン酸である請求項2記載の製造方法。
  6. 上記精製2−シアノアクリレートが、エトキシエチル−2−シアノアクリレートであり、上記アニオン重合禁止剤が、3−メチルスルファニルプロピオン酸である請求項2記載の製造方法。
  7. 上記精製2−シアノアクリレートが、エチル−2−シアノアクリレートまたはプロピル−2−シアノアクリレートであり、上記アニオン重合禁止剤が、BF 3 メタノール錯体またはBF 3 エタノール錯体である請求項1記載の製造方法。
  8. アニオン重合禁止剤を、精製2−シアノアクリレートに対して1〜1000重量ppm添加する請求項1に記載の製造方法。
  9. 粗製2−シアノアクリレートとして、シアノ酢酸エステルとホルムアルデヒドを有機溶媒中、塩基触媒の存在下で加熱して縮合し、得られた縮合体を解重合触媒、重合抑制剤の存在下、減圧高温下で解重合することによって得られる粗製2−シアノアクリレートを用いる請求項1乃至のいずれか一つに記載の製造方法。
  10. 蒸留は、釜側にある2−シアノアクリレートに、2−シアノアクリレートの沸点より上に12℃を超えて高い沸点を有するアニオン重合禁止剤とラジカル重合禁止剤とを更に添加して行う請求項1乃至のいずれか一つに記載の製造方法。
  11. アニオン重合禁止剤は五酸化リンであり、ラジカル重合禁止剤はハイドロキノンである、請求項10記載の製造方法。
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